説明

カテーテルチューブ、カテーテル及びカテーテル組み立て部

カテーテルチューブ(2)が水蒸気を吸収する親水性プラスチック材から主としてなるために、例えば血液と接触して膨潤する第一材料(54)と、実質的に吸湿せずカテーテルチューブの強化縦ストランド(55)を形成し、親水性第一プラスチック材の体積増加によりチューブ外周が増加し、その結果直径と流量範囲の増加が生ずるように第一ポリマー材の膨潤容量によりカテーテルチューブが延びるか、又はより厚くなるのを妨げる第二材料を含む複合物からなる。カテーテルはこのタイプのカテーテルチューブでできており、ハブから外側に延びる一対の翼(29)を備えた前方部(11)を有するハブ(4)を含む組み立て部(1)に含むことができる。翼はカテーテルを瘻孔(40)に挿入したときカテーテルに隣接して備わる把握部材(7)として働くために互いに折りたため、その際患者の皮膚と接触し、解除可能に接着できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカテーテル製造に用いる予定のチューブを意味するカテーテルチューブと、特に人工透析用のカテーテルチューブでできたようなカテーテルに関する。
【0002】
本発明は又カテーテル組み立て部に関し、特に瘻孔カテーテルタイプのカテーテルを含むが、代わりに瘻孔カテーテル以外の血液透析用カテーテルを含んでも良い。両者の場合の組み立て部は、近接導管と、カテーテルと血液又は他液体を患者に行き帰り輸送する近接導管の間の接続部を形成するハブを含み、該ハブは真っ直ぐな通路が延びカテーテル末端部と同軸で、ハブと接続した後部と該近接導管が連結するか又はできる分岐導管と、該分岐導管の口前方の遠位部を含む。特に本発明はそれぞれ血液透析に関連して用いる予定の瘻孔カテーテルとカテーテル組み立て部に関連する。
【背景技術】
【0003】
腎臓機能不全はしばしば、血液透析、通常人工透析を必要とする。この治療は一週間に3乃至5回行う必要があり、その継続時間は毎回3乃至5時間である。スエーデンだけでも約35万人がこの透析を毎年行っている。透析機器を患者の血液循環系と接続できるように、動脈を静脈に接続して血管を修正する。成熟後、静脈は必要カテーテル二本の挿入に適した瘻孔に膨張する。瘻孔への頻繁な貫入とカテーテルの機械的接触で起こる損傷により、カテーテルは瘻孔を老化しさざ波を生ずる。老化瘻孔は修復されず、二年後に新品と置換する必要がある。人体には瘻孔形成に適すると考えられる場所は8つしかない。これら全てが老化した場合、最終ケアではより危険な透析法を使用する必要がある。
【0004】
プラスチックカテーテルは通常周知であり、スチール製カテーテルに比べより柔軟という利点を有するが、瘻孔カテーテルに用いた場合患者皮膚のケアに関する限り、絶えず増大する要求を満たさない。米国特許7094243には、膨張可能な末端部を有しサンプルなどを沈着、採取できるカテーテルが開示され、WO2004/037333には、超高弾性を有し主要物体をカテーテルに圧入するときカテーテルが該物体により拡張するという事実により、人体に主要物体を挿入するための輸送装置として使用できるカテーテルが開示されている。これらカテーテルのいずれもが透析治療に関しては使用できず、これらの問題のいずれも解決できず、本発明はこれらを解決することを目的とする。
【0005】
更にこの組み立て部で記載するタイプのカテーテル組み立て部は、米国特許4955863で周知である。本組み立て部は、組み立て部操作時の把握部材として、且つカテーテルの皮膚固定用に使用できる一対の翼を含む。又米国特許3589361には類似の把握固定部材が示されている。しかしこれら部材は、カテーテル自身に取り付けた別装置を構成するハブに取り付けられないか、又は一体部分も形成されず、患者皮膚への貫入時又は継続治療時にこの組み立て部取り扱いのケアを促進しないこという典型的な部材特性を有する。
【特許文献1】米国特許7094243
【特許文献2】WO2004/037333
【特許文献3】米国特許4955863
【特許文献4】米国特許3589361
【発明の開示】
【0006】
本発明に従って設計したカテーテルは瘻孔カテーテル以外の目的に又使用できるとしても、本発明の一番の目的は改良瘻孔カテーテルと、このようなタイプのカテーテルに意図したカテーテルチューブを提供することである。これと関連して同時に、瘻孔老化を遅らせられることが本発明の目的である。これは以下の二つの開発手段に従い得られる。即ち、一方では該瘻孔領域の患者皮膚により優しく、その結果瘻孔カテーテルとして使用する場合良くかみ合い、且つ/又は透析毎の全継続時間を短縮できる機会を提供するカテーテルチューブとこのカテーテルチューブでできたカテーテルの開発による。
【0007】
他方では組み立て部が瘻孔壁に注意深いく貫入するのを促進し、組み立て部の継続的取り扱い時と同様に、透析がその重要な治療である場合に透析治療時に瘻孔に挿入するカテーテルの移動を実質的に防ぐようなやり方で、序文に記載の組み立て部を設計することによる。
【0008】
該開発手段の第一のものに従うと、カテーテルチューブとこのチューブ製のカテーテルは、吸湿することにより体積が例えば血液と接触して顕著に増加するように膨潤する親水性プラスチック材から実質的になる第一材料と、実質的に吸湿しないことにより湿潤環境で膨潤せず、カテーテルチューブ中に強化縦ストランドを形成し、カテーテルチューブが延びるか、又は親水性第一プラスチック材の体積増加により実質的にチューブ外周、その結果その直径と導管断面積の増加を生ずるようにその厚さが第一ポリマー材の膨潤容量により増加するのを妨げる第二材料を含む複合物である。このカテーテルの拡張により最初はより狭く、それ自体瘻孔損傷の危険を削減し、同時に拡張により最初は幾らかより大きなカテーテルと同量の血流が維持できるか、又は最初は標準寸法を有するカテーテルで透析操作時に拡張することにより血流を増加し、その結果透析継続時間を短縮できるカテーテルを使用する機会が与えられ、これらの場合にはこれらが医療的観点から可能となる。これら選択の間の妥協も可能で、過去に可能であったものよりより最適な透析条件の機会が生れ、及び/又は標準化カテーテル寸法の数を減じ経済的観点から有利な可能性を生み出す。
【0009】
又第一の膨潤可能な該材料は通常縦ストランド形状を有する。原理的には膨潤可能なプラスチック材はカテーテルチューブ周り全体で延び、換言するとこのものは非膨張性強化材の縦ストランド又は繊維を組み入れ、このチューブが水性環境で軸方向の膨張を実質的に防ぐ、即ち延びる単一ストランドの特性を有すると考えられる。
【0010】
しかし好ましくは第一材料と第二材料ストランドの断面は環状リングセグメントを形成し、その断面は互いに縁と縁で接続し、即ち第一材料の各ストランドの両側に第二材料のストランドがある。これにより該第二材料の強化ストランドによりチューブの伸張を妨げるだけでなく、該第二材料ストランドが第一材料ストランドの膨張可能材の動径方向への膨張を防ぐ。しかしこの結果は非膨張性材セグメントに隣接する膨張可能材の狭い区域に限られる。この効果が望ましい程度に大きい必要があるためには、膨張可能材セグメントが十分薄い必要があり、その結果動径方向の膨潤に対する非膨潤性要素の相殺作用が全膨張可能セグメントに対し影響する必要があり、換言すると膨潤可能セグメントの全幅で実質的に動径方向の膨潤を実質的に防ぐ区域を構成する。この場合非膨張性強化ストランドは膨張可能ストランドの動径方向への如何なる増加も防ぐことができ、その結果膨張可能ストランドの体積増加が実質的に周方向で、即ち主として好ましい一方向だけで起こる。しかしこの必要な効果を与えるためにこの膨潤可能セグメントが薄い必要がある場合、これに対応する膨潤可能セグメントの全円周長さは、望ましい周方向に全体膨張をもたらすに十分なだけ長い必要がある。それ故該第一材料と第二材料セグメントの数は、それぞれの種で少なくとも10、好ましくは少なくとも15、最も有利には少なくとも20である。好ましくは断面が環状リングセグメントの形状を有する膨張可能ストランドが、少なくとも最初周方向への延びを意味する幅がカテーテルの壁厚さと同じ大きさの幅、好ましくは薄膜特性を有するようにその壁厚さより小さい幅である。
【0011】
最適組み合わせの特性を有するカテーテルチューブの設計に関する他の重要な因子は以下の通りである。膨張可能材の膨張容量、チューブの膨張可能材と非膨張性材との割合、人体挿入後のカテーテルの硬さと柔軟性、及び瘻孔カテーテルの場合カテーテル交換の可能性と時間依存性に関する透析継続時間。
【0012】
該第一材料に含まれる親水性プラスチック材の膨潤容量に関する限り、多くの、多分大部分のプラスチック材がある程度の吸湿能力を有し、その結果水性環境である程度の膨潤容量を有することは正しいが、この膨潤能は大きくないことも正しく大部分の使用区域で無視できるか、又は親水吸湿性で且つ/又は水性環境で膨潤すると分類されないプラスチック材では、少なくとも比較的低いことを先ず指摘する必要がある。このことは当業者には良く周知であり、本明細書が教示することに従いカテーテルチューブに必要な周方向の膨潤性と、その結果動径方向の膨潤性と十分な硬さの組み合わせを得るために、膨潤可能プラスチック材と非膨潤性プラスチック材を組み合わして本発明を実施するのにより具体的な特性が必要な場合には、又当業者は知る問題材料の製造者から任意の所望製品の情報が得られる。非膨潤性ポリマープラスチック材の吸水性が取るに足らないことが何を意味するかについてより詳しく規定する必要はない。しかしこの本文で“実質的に吸水せず、その結果水性環境で膨潤しない材料“は、温度36℃で水中に1時間の継続時間後、任意方向に最大膨潤容量が2%、好ましくは1%より大きくなく、最も有利には0.5%より大きくない材料を意味する必要があることを記載する。
【0013】
膨潤度が最高800%、即ち例えば幾つかのポリウレタンベースの親水性材料のように吸水によりその体積の最大8倍まで増加する能力を有するプラスチック材が存在する。原理的には第一材料セグメントが第二強化材料セグメントより遙かに薄くできている場合、このような高膨潤度を有するプラスチック材を該第一材料に使用できる。しかしこのような高吸水性を有する材料は非常に高度に柔らかくなる。人体中の液体と接触するより高い温度による軟化をこれに加える必要がある。従って該第一材料に含まれる親水性膨潤可能プラスチック材の膨潤容量は、200%を越えてはならず、好ましくは100%を越えてはならない。好ましい効果を与えるには、膨潤可能プラスチック材の膨潤容量少なくとも10%、好ましくは15%である必要がある。適切な膨潤容量は15乃至60%の範囲にある。
【0014】
ポリウレタン類とポリアミド類は親水性特性を与えるプラスチック材の例である。水性環境で吸水により非常に大きく膨潤するポリウレタン類の中では、商品名テコフィリック(Techophilic)(登録商標)のクリーブランド(Cleveland)、オハイオ州(Ohio)、米国のノベオン社(Noveon Inc.)製の親水性の膨潤可能グレードが記載できる。以下の表1に本発明に従いカテーテルチューブの膨潤成分として使用できる必要があると考えられる多数のプラスチック材を記載する。表には材料の商品名、20℃と36℃での剛性、及び剛性比20℃/36℃を示す。剛性の重要性については、表2に関する考えられる非膨潤性強化プラスチック材の開示と共に以下に検討する。
【0015】
表1 膨潤可能プラスチック材

【0016】
膨張可能材料のグレード選択と、膨張可能プラスチック材を含む該第一材料からなるそのセグメントの全円弧長さの選択により、カテーテルの膨張能力は非膨張セグメントの全円弧長さとの関係で高度に変化できる。例えばカテーテルにおける膨潤可能ストランドの全円周部分は、その円周の2乃至98%、好ましくは円周の5乃至50%、適切にはその15%に相当する。好ましい実施形態では、膨潤可能ストランドは初期全円周の15乃至40%に相当する。それ故当業者は一件ごとに膨潤可能セグメントの全断面部分(円周)及び/又はその膨潤容量を選択して拡張可能カテーテルを目的に合わせて作れる。
【0017】
吸水しない該第二材料の強化縦ストランドは、主としてチューブ周方向の体積増加が生ずるように膨張可能ストランド体積の増加を仕向ける、即ちカテーテルに十分な剛性を与える以外にもう一つの使命を有する。これに関する十分な剛性とは、カテーテルがカニューレ後部で折り曲がることなしに患者の皮膚に貫入し、患者の瘻孔又は他の血管の暖かい水性環境で正常にある期間経過後カテーテルの十分な剛性との組み合わせで、決してカテーテルが簡単に一緒に締め付けられないか、又はねじれないことを意味する必要がある。これに関して“十分な剛性”はカテーテルがある程度柔らかくなることを除外しない。反対にカテーテルが患者の皮膚に対しできるだけ優しい必要があるためにはこれは好ましい。これに関し膨潤可能ストランドの膨潤可能親水性プラスチック材が、そもそも所望の軟化に関与する一方、該第二材料の強化ストランドがより高い温度にもかかわらず比較的剛直なままであるためにこの軟化を抑える。後者の特性は剛性比20℃/36℃で表される。
【0018】
本発明に従うカテーテルチューブとカテーテルのこの様態に従うと、強化第二材料の20℃の剛性をパスカル(Pa)で表すと、少なくとも10パスカル、好ましくは少なくとも5x10パスカル、最も便利には少なくとも10x10パスカルである必要があり、剛性比20℃/36℃、即ち20℃と36℃での剛性の比は、最大限2、好ましくは最大限1.5である。以下の表2に該第2材料の主成分として使用できると考えられる二つのポリウレタン型脂肪族ポリカーボネートベースのプラスチック材を示す。ペレセン(Pellethane)(登録商標)材料は米国、ミッドランド(Midland)、ミシガン州(Michigan)のダウケミカル社(Dow Chemical Company)により製造され、カルボタン(Carbothane)(登録商標)材料は先述のノベオン社(Noveon Inc.)により製造される。
表2 剛性化プラスチック材

【0019】
第二の該材料の強化ストランドは幾つかの重要な機能を有することは前述した。カテーテルを硬くし、その軸方向の膨張を妨げ、且つ膨張可能材料のストランドがチューブの壁厚み方向へ増加するのを妨げる。しかし最初に記載の二つの機能は、少なくとも一部は膨張可能プラスチック材料に組み込んだ強化繊維、及び/又はより強い材料のストランドにより、且つ場合によっては非膨張性ストランドの代わりとして引き継がれる。考えられる強化材料の中でも、例えばベクトラン繊維、アラミド繊維(ケブラー)、炭素繊維やガラス繊維のような高弾性繊維、類似物が記載できる。
【0020】
複合物が今述べた強化材料を含有するか否かに関わらず複合物からなるカテーテルチューブは、含有成分の共押し出し又は引き抜き成形のような確立技術により製造する。
【0021】
次いで本発明の開発におきえる第2手段に関しては、本発明のカテーテルが成分として含まれるカテーテルの組み立て品では、序文で記載の現存のハブが分岐導管を含むタイプのカテーテルの組み立て品は、より在来の完全に真っ直ぐな組み立て品より取り扱いがより厄介であるという背景を有する。同様にこの厄介さにより、この組み立て品取り扱い責任がある作業者にとっては、例えば瘻孔の貫入とカテーテルを損傷すること無しに瘻孔に挿入するのを困難にする。この問題は本発明の該手段の第二の物に従いこの点で対処し、分岐導管口前方のハブの該近接部はハブから延びた一対の翼を備え、その翼はカテーテルを瘻孔に挿入したときこのカテーテルに隣接して備わる把握部材として働くように互いに折りたためる。その後この翼は患者の皮膚と接触させ、カテーテルをその位置で固定するように皮膚に解除可能なように固定でき、瘻孔を損傷するかもしれない透析時にカテーテルが動かないままである危険を除去、又は少なくとも大いに減少する。
【0022】
好ましい実施形態に従うカテーテルは、それが固定されているハブの前端開口部を通してそのハブに通じる距離に延び固定される。好ましくはカテーテル導管、即ちカテーテルが規定する通路はハブ主本体の通路に通じる該開口部の内側を変化し、該通路は該近接導管の終わりまでずっと延び、ハブのカテーテルの一部及び前述の該通路が規定する血液又は透析液体を送る通路断面は、この開口部と近接導管間領域の断面を急激に変化すること無しに増加する。これにより断面の急激な変化無しに均等な導管が与えられるため、透析時にカテーテル組み立て部により送る必要がある血液用の均等な流路を提供する。これにより血液の注意深い輸送に寄与し、この液体の乱れによる溶血の危険を減少する。
【0023】
好都合には上述の開発手段は、本発明に従うカテーテル組み立て部と組み合わせられる。従って本発明の好ましい実施形態に従うカテーテル組み立て部は、血液を含む人の体液と接触すると顕著に膨潤する親水性プラスチック材からなる。好ましくはカテーテルは本発明に従うカテーテルからなる。それ故この好ましい実施形態に従うカテーテルの外径は、最初このカテーテルの外径が使用時に開口部領域のハブにより生ずる障害無しの膨張により拡張するようにハブ前端の開口部直径より小さい。適切には開口部直径は、開口部領域のハブ材料により収縮することなしにカテーテルが膨張により開口部を完全に満たすカテーテルよりずっと大きい。
【0024】
本発明の更なる特性と様態は、以下のより詳細な説明と付随の特許の請求項から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
カテーテルチューブとカテーテル
図9に瘻孔又は他の血管に挿入し人体温度の血液と接触する前の本発明に従うカテーテル2の考えられる実施形態を示す。図10Aにカテーテルの一部の断面図をより大きいスケールで示す。このカテーテルは、表1に掲載の商品名テコフィリック(Techophilic)(登録商標)として周知のポリウレタンベースのプラスチックグレードのいずれかのような親水吸水性プラスチック材のストランド54と、好ましくは親水性ストランド54と同一ポリマー群、即ち問題の例でのポリウレタン、例えば表2に記載のそれらのプラスチック材のいずれかの安定な非吸水性プラスチック材のストランド55とを交互に構成される。密接に関係するプラスチックグレードを選ぶことで、図9に示すように断面が円環の弧形状を有するストランドを結合した安全な端面が促進される。非常に小さな寸法の複合プラスチックチューブの製造には確立した技術が利用できる。例えばX線検出用硫酸バリウムを組み込んだストランドを含むポリウレタンを共押し出しすることで、カテーテルとしての使用に適した複合チューブを形成できる。この技術を本発明によるカテーテル2の製造に応用でき、ストランド54と55が材料の溶融状態で互いに結合すること意味する。
【0026】
図9に示す実施例では、ストランド54と55の数は非常に大きい。それぞれの種で40本のストランドは最初周方向に同じ幅を有する。図10Aに示すように、膨張可能ストランド54と同様に非膨張性なストランド55は最初本発明の典型であるラメラ形状する。
【0027】
図10Bでは又カテーテル2直径の著しい増加を示す。膨潤カテーテル2’では54’と指定したセグメント/ストランド54体積の約30%の中程度の増加でさえも、このような直径の増加が達成できる。一方吸水性材料で構成されない剛性化セグメント55はそのままであり、セグメント54の伸びを妨げるため全カテーテルの伸びも又妨げる。これらは又セグメント54がより厚くなる、即ち各セグメント54の動径方向での延びが増加するのを妨げる。しかし膨潤セグメントに対する剛性化セグメント55の抑止効果は、膨潤セグメントと非膨潤セグメント間の接触面に近い区域に制限される。本発明に従う薄い多かれ少なかれラメラ形状セグメントを含む構造が、該抑止効果を必ず得るためには必須なことが理解される。従って要約すると、非膨潤性強化セグメント55は、図10Bに示すように膨潤可能セグメント54体積の増加が実質的に周方向で起こるようにその増加を制御する。
【0028】
図11に膨潤可能ストランド/セグメント54xが、親水性プラスチック材に組み込んだ前述の強化材料のいずれかのより薄い強化縦ストランドを含むカテーテル2xの一部の断面を示す。この方法でカテーテルの軸方向の膨張に対する抵抗が、膨張性プラスチック材の体積増加により特に増加する。前述のように、代替え又は追加として又膨張可能ストランド55をこの様式で強化することも可能である。
【0029】
実験
水環境で良好な膨潤性を有するプラスチック材と非膨潤性プラスチック材から、テフロン(登録商標)薄片間のホットプレスにより厚さ0.2ミリのフィルムを成形する。この膨潤可能材料は、商品名テコフィリック(Techophilic)(登録商標)HP−93A−100として周知のポリウレタン(PUR)であり、固体状態のショア硬度93Aで吸水能100%を有する。非膨張性剛性化材料は又ポリウレタンで、固体状態のショア硬度55Dを有するカルボタン(Carbothane)(登録商標)PC35−55である。15枚の各材料の薄片を互いに交互に第一材料おきに、且つ他材料おきに積み重ねた。積み重ね物を真空下に乾燥後、170℃で1時間真空積層した。この形式で製造した積層物を、図12に理想化しスケールには全く従わないように示す。積層薄片が図13の交互に膨潤可能材料と非膨潤性材料が隣り合って並ぶ細長く幅の狭いストランドからなるように作成するように、種々の厚さの薄片をこの積層物から作成した。
【0030】
第一実験では、厚さ1.6ミリの薄片を蒸留水中、23℃で試験した。この試験により膨潤による幅増加は、実験材料厚さが比較的大きいためにむしろ遅いことが示された。一時間後の幅増加は7.4%であり、24時間後には14%に増加した。これは考えられる使用分野の人工透析を考えると遅すぎる。
【0031】
それ故次の実験では、厚さが透析用カテーテルでより正常な厚さ0.45ミリを有するより薄い薄片を試験し、この実験と同一の積層物を切断した。この場合実験媒体は又蒸留水で23℃であった。5分後に幅の増加は15.43%に達した。又ある期間後、非膨張性ストランドの選択プラスチック材において、試料縦方向の膨潤性ストランドによる応力に耐える能力の限界により、その長さの増加は無視できない程度あった。
【0032】
カテーテルチューブを縦方向に切断して、後の実験の実験切片として同じオーダーの厚さと幅を有するシートを形成できる。それ故この実験はカテーテルチューブ試験をシミュレートする。得られた結果は、この実験で試験した複合プラスチック材が瘻孔カテーテルに用いた場合必須の直径増加をもたらし、その組成は例えば非膨潤性ストランドでより強い材料、例えば表2の非常に強いポリウレタンペレセン(Pellethane)(登録商標)2363−75Dを用いて、及び/又は前述のように膨潤可能ストランドで強化してカテーテルの伸びを効果的に妨げるように対策をとることにより最適化できることが示された。
【0033】
カテーテル組み立て部
図1−6ではカテーテル組み立て部は通常1と指定する。その主要部はカテーテル2からなり、この実施形態に従う薄いプラスチックチューブと、カテーテル2を通して延びる金属製管状ニードル形状のカニューレ3と、ここではハブ4と呼ぶ接続部品と、近接導管5からなる。カニューレ3の後端には後部部材6が備わる。本実施形態に従うこの後部部材6を有するカニューレ3はそれ自体周知のタイプである。把握固定部材は7と指定する。このパッケッジではカテーテルとカニューレは保護キャップ47で覆う。
【0034】
硬い透明なプラスチック材製のハブ4は、ハブ主要部を形成する後部10と遠位部11からなる。狭い真っ直ぐな第一通路12はここではカニューレ通路と呼ばれ、ハブ4後端からハブ後部10を通り分岐導管13前部の口に延びる。このハブの遠位部11には流入室14があり、カニューレ通路12の延長を形成し該通路と同軸である。分岐導管13は湾曲部15で始まり、その後に直線部16を示し近接導管5に延びる。この導管の直線部16は真っ直ぐなカニューレ通路12に対して斜め後方に延びる。
【0035】
ハブ後部10には一つ又は二つの各々厚さが約3ミリの又隔膜と呼ばれる膜17が、それに合う形で備わり、在来の材料例えばシリコンゴム又はイソプレン製であり、カニューレ3が貫入し、カニューレを除くと、カニューレ貫入で生ずる開口を自動的に封鎖する。後部10の後端23には、ルアーロック(luer-lok)(登録商標)閉鎖部18用の標準型の外側ねじ切りがそれに合う形で備わる。後部部材6は空気透過性膜20の前方にそれに合う形の小室19を含む。この室19はカニューレ3管腔21用の端末を形成する。膜又はフィルター20が本来知られた形でフィルターアダプター22の前方に備わる。
【0036】
この本文でのハブ4の遠位部11は、本実施形態に関する限り平面24で規定される後方境界部と規定され、彎曲部15の前方の分岐導管13の口26と規定され、該平面25はカニューレ通路12と遠位部11の中心線69に垂直である。この実施形態に従う遠位部11は、後部10からハブ4の軸方向である距離突き出た図6に示した環状円筒首部27の形状の後部と、該把握固定部材7を備える装置8からなる。該装置8は一対の翼29を備えたスリーブ28からなり、このスリーブの底側から横方向に突き出る。このスリーブ28は、スリーブ28後部の円筒状のツバ30と、円筒状の中央部31と、ノーズコーン32からなる。スリーブ28はツバ30を用いてハブ後部10と接続し、首部27にとまりばめで取り付け、在来の任意の技法従い、例えば圧入、糊接着又は他の接着剤接続、又は高周波(HF)溶接により首部に固定する。しかしこの実施形態に従うと糊接着が好んで用いられる。図4Cでは糊接合部は36と指定する。首部27内径は分岐導管の口26半径よりやや大きい。その差はおおよそカテーテル2の壁厚さに相当する。その中央部31の領域とそのノーズコーン32では、スリーブ28はそれぞれ第一円筒状空間と先細りの円錐型空間を備える。中央部31の先細りの円錐型空間と第一円筒状空間と、首部28の円筒状内部の第二円筒状空間が一緒に該流入室14を形成する。円形開口部35が前端にカテーテル2用に備わる。
【0037】
カテーテル2が血液のような人の体液と接触して膨潤しないポリマー材からなる場合には、円形開口部35び直径はカテーテル2の外径と一致する。しかしカテーテル2は、好ましくは少なくとも一部が血液を含む体液と接触して顕著に膨潤する親水性プラスチック材からなる。より詳しくは好ましい実施形態に従うカテーテル2は、本発明の序文での説明で記述し以下により詳細に説明するタイプの複合プラスチック材でできている。この場合カテーテル外径は、最初開口部35直径より小さいことによりカテーテルが使用時にハブ材料、より詳しくは開口部35領域のスリーブ28の材料により妨げられること無しに自由に膨潤できる。図4Cにカテーテル2が膨潤し始め開口部35領域の直径を増加させる前の状態を示す。カテーテル2の直径の該増加を起こさせるには、最初カテーテル2とスリーブ28間に環状のギャップ35aが存在する。ギャップ35aの幅は十分大きく、血液又は他の透析液体がカテーテルを貫流したときに、カテーテル2が妨げ無しにその直径を増加できる。適切にはその幅は膨張によるカテーテル直径の増加に一致し、換言するとカテーテルは膨張により開口部35領域のスリーブ28に対してかなりの圧力で自身を全く圧迫すること無しにこのギャップを除去する。
【0038】
カテーテル2は開口部32を通して、この実施形態に従うと流入室14を通して該平面25に行き着くまで、換言すると分岐導管13の口26まで延びる。ノーズコーン32領域、及び/又は第一円筒状空間では、カテーテル直径は開口部からカテーテル縦方向に徐々に増加する(好ましくはカテーテル末端部37が該カテーテル末端部37が取り付けられた首部27内側と合致する幅を有するように、その直径の増加が既に円錐形空間で始まる)。又この取り付けに関しては、スリーブ28の首部27への固定に関して上述の技術のいずれかが使用でき、即ちカテーテルとハブ4を作成するポリマー材に対する圧入、接着剤接続及び/又は糊接続、又は高周波溶接の全てが使用できる。
【0039】
上述のようにこの実施形態に従うカテーテル2は、一つ以上のポリウレタンベースの材料からなるが、ハブ4は例えば以下の材料のいずれからなっても良い。PC(ポリカーボネート)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PU(ポリウレタン)、PVC(ポリ塩化ビニル)。COPP(ポリプロピレン共重合体)。ハブ4近接部11へのカテーテル2の記載した取り付けにより、断面の突然な変化無しに均等な通路が生じ、その結果人工透析実施時にカテーテル2と分岐導管13の中を輸送する必要がある血液の均等な流路が生ずる。分岐導管の口26領域におけるカテーテル2と分岐導管13間の移行部でも、首部27領域のカテーテル2内径が実質的に口26領域の分岐導管13直径と合致するので、その通路断面は全く大きくは変化しない。これは血液の注意深い輸送に寄与し、その液体の乱れによる溶血の危険を減少する。
【0040】
翼29は二つの機能を有する。第一にカニューレ3がカテーテル2と一緒に瘻孔40に貫入する必要がある場合、把握手段として用いる必要がある。第二に通常少なくとも4−5時間の継続時間を有する透析治療時に、ハブ4とカテーテル2を患者身体に固定する必要がある。カテーテル組み立て部が翼のような把握部材を備え、カテーテルとハブを患者に固定するのに又使用できることは本来周知である。周知の技術に従ってこれらの機能を改善するには、翼29はより大きく作られ、把握部そのものは親指と他の指の間で把握するのに適する形状が与えられる。更にこの翼はハブ遠位部11領域、換言するとカテーテルとカニューレ3に隣接して配置し、瘻孔40貫入の正確さを促進する。組み立て部1の取り扱い時に瘻孔の貫入に関連して互いに対して翼29が滑るのを防ぐために、翼の一つは凸状突起部29Aを備え、他の翼は対応形状の凹面部29Bを備える。組み立て部1を取り扱う個人が二つの翼29を一緒に押す結果、突起部29Aは凹面部29Bに圧入される。反対側、即ち患者の皮膚に当てる必要がある底面を形成する側には、翼29は解除可能は一対のプラスチックホイル片42により保護された接着剤塗膜を備える。考えられる接着剤の中では、例えば3M社(3M Co.)製の“両面塗布スパンレース不織テープ”9917が記載できる。プラスチックホイル42の各片はプルタブ43を備え、外向き後方にある距離延びる。プラスチックホイル片42は全底面29を覆い、組み立て部1の底面で縁と縁で交わる。接触端は44に指定する。組み立て部1を取り扱う必要がある個人が安全に把握する更なる対策としては、覆いプラスチックホイル片42の外面に凸凹の網模様45を与える。
【0041】
輸送と貯蔵時には、カニューレ3とカテーテル2の先端は在来の保護キャップ47で覆う。キャップ47はノーズコーン32を押して解除可能にする。
【0042】
近接導管5の後端には又ここでは後方翼と呼ばれる後方把握部材48がある。後方翼48は、近接導管5の後端に圧入する薄いオス前方部49と、蓋18を含むルアーロック(登録商標)カップリングの一部を形成する外部溝付きのオス後方部50を有する比較的平坦な物体からなり、後続段階で必要な場合には図4Bのハブ4後部10に移行する必要がある。通路51は後方翼48に延びる。近接導管5には本来周知タイプの締め具52がある。後方翼の縁は丸い。この後方翼48が平坦であるにもかかわらず鋭い縁は全くないという事実により、把握部材と同様に患者の皮膚にカテーテル組み立て部後部を又固定する固定部材として用いるのに利用する。この実施形態に従うと、テープ片を用いて後方翼48を皮膚に固定するが、又保護ホイル片で覆った翼48の二つの平坦面の内の少なくとも一つの接着剤塗膜も考えられる。
【0043】
図7に本発明の第二実施形態に従うカテーテル組み立て部1’遠位部の拡大スケールの軸方向断面を示す。この組み立て部は複合プラスチック材のカテーテル2を含み、簡単に上述し以下により詳しく説明する原理に従い、カテーテルが血液又は他の水溶液と接触して軸方向でなく動径方向に膨潤するように設計する。更に主本体60を有するハブ4’とスリーブ28’が含まれる。主本体60前部66はハブ開口部35に行き着くまで、又はほぼ行き着くまで延びる。又この組み立て部はスロット付き金属又はプラスチックリング61を含み、カテーテル2をハブ4’に固定するための機械的カップリングに含まれる。そのほかの点では、ハブ1’は図1−6を参照して説明した実施形態と同じ形式で設計する。従ってスリーブ28’は把握固定部材7に含まれる一対の翼29を備える。
【0044】
主本体60前部66は、開口部35に向う方向に段階的に先細りする。終端部62はその断面がくさび形を有するように円錐状外面と円筒状内面を有する。内面63は、血液又は他の水溶液がある期間カテーテルを通過した場合、膨潤したカテーテル2’(点線)の内径と実質的に一致する直径を有する。突出したビーズ64が円錐状ノーズ部62外側に備わる。
【0045】
カテーテルの後方締め付け部2aは、機械的に又は加熱により又は加熱と機械拡張の組み合わせにより広がり、円錐状ノーズ部62に取り付けハブ4’の主本体60の一部を形成する。次いでカテーテルはスロットを作ることにより締め付け可能にし、円錐部62のビーズ64に適合する内部周辺溝を備えたリング61を用いて円錐状ノーズ部62に締め付ける。続いてスリーブ28’を円筒部前部31’で覆ったリング61上に取り付け、その後部30’はハブ4’主本体60上の環状凹部67上に延びる。スリーブ28’はノーズコーン32’で終る。前実施形態と関連して同じ形式で、カテーテル2の膨潤前にノーズコーン32’とカテーテル2間に環状ギャップ35aが備わる。
【0046】
カテーテル2の膨潤状態は点線により示される。前述のように膨潤したカテーテルは、ノーズコーン32の終端部内側63の内径と実質的に一致する内径を有する。その後その直径は通路断面の突然な変化が全く無しに連続的に増加し、ハブ4’主本体60を通るハブを通して延び、彎曲部15を経由して分岐導管13に進む。
【0047】
カテーテル2は図7に示し上述した実施形態により、カテーテルの非膨潤状態と同様に膨潤状態でもハブ4’に安全に固定される。同時に又本実施形態は、カテーテル組み立て部に延びる通路直径を非常に均等に増加し、この組み立て部を貫流する必要がある媒体での乱れの危険を減少する。
【0048】
カテーテル組み立て部1又は1’を使用する必要がある場合、保護キャップ47を先ず除く。操作者は図7でつまみで翼29を互いに一緒にして組み立て部1を保持する。凹面部29Bとかみ合った突起部29Aにより翼が互いに対し動くのを防ぐと同時に、操作者が滑らかな材料の手袋を使用した場合でも、プラスチックホイル42片上の表面構造物45が翼が指の間で滑るのを妨げる。カテーテルとカニューレ3に隣接して備わる翼29により固定した把握部材7を用いることにより、カニューレ3とカテーテル2の瘻孔壁への貫入が起こり、瘻孔の損傷を起こすかも知れない組み立て部1の望まない動きの危険を小さくして瘻孔40に挿入できる。
【0049】
カテーテル2が瘻孔に導入されるや否や、翼29上の覆いプラスチックホイル片42はプルタグ43を用いて除去でき、スリーブ28底面から横向きに延びる翼29が翼29上の接着剤を用いて患者の皮膚に固定できる。
【0050】
血液が室19で検出された場合には、カニューレ3を除去し、必要ならばルアーロック(登録商標)閉鎖部18をハブ4の後端23に移す。その後操作者は締め具52を緩めることにより血液が分岐導管13と近接導管5に流入でき、直ぐに透析装置の行き戻りのホース53と接続できる。静脈又は動脈カテーテルと透析装置の対応静脈又は動脈ホースとの接続で、後方翼48は図1のルアーロック(登録商標)接続部18の開口部と同様にルアーロック(登録商標)カップリング18’によるホース53’の近接導管5との接続を容易にし、全組み立て部の注意深い取り扱いによりカテーテル2が乱れるか、又は瘻孔を損傷するかも知れない応力を受ける危険の減少を促進する。上述のように後方翼48を用いて、又カテーテル組み立て部1,1’、近接導管5、及びホース53を後方翼のいずれかの側面上のテープ片又は接着剤塗膜を用いて患者の皮膚に固定でき、その丸い縁は患者の皮膚をすりむいたりどんな形でも不都合にはならない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
以下の詳細説明で付随図面を参考にする。
【図1】組み立て部使用前の本発明の実施形態に従うカテーテル組み立て部を示す平面図である。
【図2】組み立て部の底面図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った組み立て部の背面図を示す。
【図4】図3の線IV−IVに沿った組み立て部の断面図を示す。
【図4A】最初に組み立て部に含まれたカニューレの除去前後の拡大スケールによる組み立て部断面の一部を示す。
【図4B】最初に組み立て部に含まれたカニューレの除去前後の拡大スケールによる組み立て部断面の一部を示す。
【図4C】より拡大したスケールでの図4Bの丸印の詳細である。
【図5】カニューレ除去後の患者治療時の組み立て部を示す。
【図6】組み立て部を含む要素の透視図である。
【図7】本発明のより好ましい第2実施形態に従うカテーテル組み立て部の前部を通る縦断面を示す。
【図8】カテーテルを瘻孔へ挿入する必要がある場合、本発明に従う組み立てを如何に操作するかを示す。
【図9】本発明の好ましい実施形態に従うカテーテルの拡大透視図を示す。
【図10A】水吸収前後の更に拡大したスケールの図9に従うカテーテルの一部の断面を示す。
【図10B】水吸収前後の更に拡大したスケールの図9に従うカテーテルの一部の断面を示す。
【図11】図9と図10に従うカテーテルの展開実施形態を示す。
【図12】膨潤性プラスチック材と非膨潤性プラスチック材シートの積み重ねを積層して一体化パックを形成する実験を示す。
【図13】この実験の対象物として使用するつもりで、切断又はのこぎりによる切断で図12に従う積み重ねでできた切片を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルチューブ(2)が実質的に吸湿する親水性プラスチック材からなり、その結果例えば血液と接触してその体積が顕著に増加するように膨潤する第一材料と、実質的に吸湿せず、その結果湿潤環境で膨潤しないがカテーテルチューブに強化縦方向ストランド(55)を形成し、親水性第一プラスチック材の体積増加により実質的にチューブ外周の増加、その結果その直径と導管断面の増加が生ずるように、第一ポリマー材の膨張容量によりカテーテルチューブが伸びるか又はその厚みが増加するのを妨げる第二材料を含む複合物からなることを特徴とするカテーテルチューブ。
【請求項2】
該第一材料がチューブに縦方向ストランド(54)を形成することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項3】
該第一材料と第二材料のストランドがチューブ断面で縁と縁の接続セグメントを形成することを特徴とする請求項2に記載のカテーテルチューブ。
【請求項4】
膨潤性プラスチック材からなる各セグメントが、一対の非膨張性材料セグメントの間及びその逆に配置することを特徴とする請求項3に記載のカテーテルチューブ。
【請求項5】
各プラスチック材のセグメント数が少なくとも10、好ましくは少なくとも15、適切には少なくとも20であることを特徴とする請求項4に記載のカテーテルチューブ。
【請求項6】
膨潤可能セグメントの幅がカテーテルチューブの壁厚より大きくなく、好ましくはより小さいことを特徴とする請求項5に記載のカテーテルチューブ。
【請求項7】
膨潤性プラスチック材と非膨潤性プラスチック材がポリウレタン類とポリアミド類を含む同族のプラスチック材に属することを特徴とする請求項1−6のいずれか一つに記載のカテーテルチューブ。
【請求項8】
プラスチック材がポリウレタン型であることを特徴とする請求項7に記載のカテーテルチューブ。
【請求項9】
膨張可能ストランド(54)が全体で最初外周の2−98%、好ましくは外周の5−50%、適切には外周の15−40%に相当することを特徴とする請求項1−8のいずれか一つに記載のカテーテルチューブ。
【請求項10】
非膨潤性プラスチック材のストランドを膨潤性プラスチック材のストランドに組み入れることを特徴とする請求項1−9のいずれか一つに記載のカテーテルチューブ。
【請求項11】
パスカル(Pa)で表した20℃の該第二材料の剛性が少なくとも10Pa、好ましくは少なくとも5x10Pa,最も有利には少なくとも10x10Paで、剛性比20℃/36℃、即ち20℃と36℃の剛性間の比が2より大きくなく、好ましくは1.5より大きくないことを特徴とする請求項1−10のいずれか一つに記載のカテーテルチューブ。
【請求項12】
断面が環状リングセグメント形状を有する該膨潤可能ストランドと非膨潤性ストランドのいずれかで、好ましくは非膨張性ストランドが、環状リングの該セグメントのプラスチック材に組み入れたより強い材料の強化ストランドを含むことを特徴とする先行請求項のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
【請求項13】
膨張可能プラスチック材は最大膨張容量が800%に達し、好ましくは200%より大きくなく、適切には100%より大きくないことを特徴とする先行請求項のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
【請求項14】
膨潤容量が少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%であることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルチューブ。
【請求項15】
膨潤容量が15−60%であることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルチューブ。
【請求項16】
カテーテルチューブが請求項1−15のいずれかに記載のチューブでできていることを特徴とするカテーテルチューブ。
【請求項17】
カテーテル(2)、近接導管(5)、及びこのカテーテルと血液又は透析液体を送る瘻孔(40)又は患者の他血管との行き帰り用の近接導管間の接続部を形成するハブ(4)を含むカテーテル組み立て部(1)であり、該ハブがハブと接続したカテーテル終端部と共軸の真っ直ぐな通路(12)に延びる後方部と、該近接導管(5)と連結するかできる分岐導管(13)を含み、且つ該分岐導管の口前方の遠位部が、
−カテーテル(2)が少なくとも実質的にプラスチック材でできたチューブ片からなり、
−カテーテル後部がハブの該遠位部に少なくとも短く延びるか、又は接続され、
−管状金属ニードル形状のカニューレ(3)が、カニューレの鋭い末端がカテーテル前端の前方に短く突き出すように真っ直ぐな該通路とカテーテルに延び、カニューレがハブから後方に引き出せることにより、カテーテルと分岐導管間の接続部が確立され、且つ
−ハブの該遠位部(11)がハブから延びる一対の翼(29)を備え、カテーテルを瘻孔(40)に挿入する必要がある場合、翼を互いに折りたたんで把握部材(7)として働き、その後カテーテルを固定するために患者の皮膚に接触又は解除可能に取り付けることを特徴とするカテーテル組み立て部。
【請求項18】
ハブの前方開口部(35)からハブを通して該接続導管に延び、ハブと該分岐導管(13)に延びる通路は、該開口部から該分岐導管に延びる長さに沿って断面の急激な変化は全くないように大きさが増加する断面を有することを特徴とする請求項17に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項19】
ハブに挿入するカテーテル部がハブ(4’)の主本体の突出ノーズ部(62)に取り付けることを特徴とする請求項17又は18に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項20】
該ノーズ部(62)に取り付けたカテーテル部を、該カテーテル部外側の締め付けスリーブ(61)を用いて固定することを特徴とする請求項19に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項21】
該ノーズ部(62)がその外側に周辺ビーズ(64)を有し、締め付けリング(61)が整合溝(65)を有することを特徴とする請求項19又は20に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項22】
ハブ(4,4’)が該翼(29)を備え、好ましくはスリーブ底側から延び、患者に対してかみ合う必要がある外側スリーブ(28、28’)を含み、ハブの前方開口部(35)が該スリーブ(28、28’)に位置することを特徴とする請求項17−21のいずれか一つに記載のカテーテル組み立て部。
【請求項23】
ハブ(4)遠位部が後方ハブ部(10)から前方に延びる円筒状首部(27)と、該首部に接続しハブ前端の開口部(35)に延びる該スリーブ(28)を含むことを特徴とする請求項17に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項24】
ハブに挿入するカテーテルの末端部(37)が該後部(10)から前方に延びる該首部(27)外側と接続することを特徴とする請求項23に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項25】
スリーブがその後端にねじ山をつけ、該首部(27)に接続した円筒状のツバ(30)を、その前端に該開口部(35)を含むノーズコーン(32)、及びツバ(30)とノーズコーン(32)の間の実質的に円筒状中央部(31)を有し、該翼(29)が該中央部領域のスリーブ(28)と一体になり、好ましくは患者に固定する必要があるスリーブの底側から延び出すことを特徴とする請求項24に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項26】
該把握部材を設置するために互いに一緒にしようとする翼の側面が、それぞれ少なくとも任意の凸要素と凹要素(29A、29B)を備え、カテーテル組み立て部操作時に翼が互いに対して横方向に動くのを防ぐように翼を一緒にした場合、該凹要素と凸要素は互いにかみ合うようになり、翼の外側は接着剤塗膜を備え、この接着剤塗膜がジップテープ(42)で塗布され、覆いテープ(42)を除き、翼を該テープで覆われ患者の皮膚に接続する翼の表面上の接着剤を用いて患者の皮膚に固定する前に、操作時にその外面に操作者の指と翼の間の摩擦を促進する表面構造物(45)を有することを特徴とする先行請求項のいずれかに記載のカテーテル組み立て部。
【請求項27】
カテーテル(2)がプラスチック材、好ましくは複合プラスチック材からなって、少なくとも部分的に親水性プラスチック材からなり、血液を含む生物体の体液と接触したときにカテーテルが軸方向でなく動径方向に延びるように顕著に膨潤することを特徴とする先行請求項のいずれかに記載のカテーテル組み立て部。
【請求項28】
ギャップ(35a)が最初カテーテルと開口部(35)領域のハブのノーズ部の間に存在するように、最初カテーテル(2)が該開口部(35)の直径より小さい外径を有し、カテーテル収縮無しに開口部(35)領域で動径方向にカテーテルが膨張できることを特徴とする請求項27に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項29】
ギャップ(35a)が実質的に開口部領域の膨張により生ずるカテーテルの膨張に相当する幅を有することを特徴とする請求項28に記載のカテーテル組み立て部。
【請求項30】
近接導管(5)後端に、把握部材として更にはテープ片又は他の固定手段を用いて患者の皮膚に取り付ける固定部材として機能する後方翼(48)を備えることを特徴とする請求項17−29のいずれか一つに記載のカテーテル組み立て部。
【請求項31】
翼が鋭利な縁が全くなく、患者に押し付けられるように後方翼が平坦であるが丸い縁を有することを特徴とする請求項30に記載のカテーテル組み立て部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−534090(P2009−534090A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506449(P2009−506449)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050230
【国際公開番号】WO2007/120109
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508273016)
【Fターム(参考)】