カテーテル機能を有する柔軟な高インピーダンス相互接続ケーブル
ケーブル組立体は複数のワイヤーを有し、各ワイヤーは両側に第1及び第2の端を有している。ワイヤーは、第1の端と第2の端との間に中間部分を有し、中間部分のワイヤーは互いに他のワイヤーから切り離されている。導電性シールドが全てのワイヤーを取り囲み、シールド及びワイヤーは弾力的なカテーテルシース内に受入れられている。医療用イメージングトランスデューサをワイヤーの一方の端に接続することができ、ワイヤーの他方の端はリボン化することができる。トランスデューサは、超音波または他のイメージングトランスデューサであることができ、カテーテル内に受入れることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多重ワイヤーケーブルに関し、より特定的には医療処置用カテーテルと共に使用するための小ゲージワイヤリングに関する。
【背景技術】
【0002】
要求が厳しい幾つかの用途においては、多重ワイヤーケーブル組立体を小型化することが要求される。かなりな数の導体が必要である場合には、ケーブルが望ましくなくかさ張るのを回避するために極めて細い導体が使用される。通常は、電気的雑音及び干渉を防ぐためにシールディングを有する同軸ワイヤーがこれらの導体に使用される。誘電体シースが中心導体を取り囲み、中心導体を導電性シールディングから電気的に分離している。これらのワイヤーの束を、導電性編組シールド及び外側保護シースが取り囲んでいる。
【0003】
多くの異なる導体を必要とする幾つかの用途には、ケーブルが極めて柔軟であること、曲げやすいこと、即ち“フロッピー(登録商標)”であることが好ましい。医療用超音波トランスデューサに接続するためのケーブルのような用途においては、たわみに対して中程度の抵抗を呈するような硬いケーブルは超音波イメージングを困難にする恐れがある。しかしながら、保護用シースを有するケーブルを使用する普通のアプローチを用いたのでは、ワイヤーの束は望ましくなく固くなる可能性がある。更に、それ程の努力を必要とせずにイメージング位置に超音波トランスデューサを保持するためには、ケーブルは比較的軽量であることが好ましい。現在、超音波技術者は、ケーブルがトランスデューサを引張ることがないように、ケーブルの一部分を彼等の手首に巻き付けてケーブルを保持している。
【0004】
柔軟で軽量のケーブルに対する要望は、極めて細いゲージのワイヤーを用いることによって満足される。このようにすることは有効ではあるが、細いゲージの同軸ワイヤーを製造するプロセスは、精密且つ高コストである。総合ワイヤー直径を要望通りにするには、中心導体及びらせん状に巻かれたシールドワイヤーを製造限界に近い程度まで極めて細くしなければならない。幾つかの用途のために、従来はケーブルに無シールド導体を使用してきたが、これらは高インピーダンス、低容量、及び極めて限られたクロストークが要求される医療用超音波イメージングには不適であることが知られている。
【0005】
更に、複数の導体を有するケーブル組立体は、他の構成要素に結合するには時間がかかり、高価になり得る。束内の個々のワイヤーを使用する際に、どのワイヤー端が他方の端において選択されたワイヤーと一致するのかを容易に識別することができず、退屈な接続性試験が必要になる。通常、ケーブルの一方の端のワイヤー端はコネクタまたは印刷回路基板のような構成要素に接続され、これらのコネクタまたは基板が一時に1本ずつ各ワイヤーを付勢する試験機器に接続されるので、作業者は識別されたワイヤー端を第2のコネクタまたは基板上の適切な接続部に接続することができる。
【0006】
この特定の問題に対しては、ケーブルの一方の端から他方の端までワイヤーの順番を保っているリボンケーブルによって対処することができる。しかしながら、リボンの全ワイヤーが一緒に結合されているのでそれらは曲げに対して抵抗し、望ましくない硬いケーブルになる。更に、複数の縦方向の折り曲げ線に沿って折り曲げられたリボンはコンパクトな断面を作らず、かさを望ましくなく増加させる傾向があり、また多くの用途において望まれる円形断面を作らない。
【0007】
他の用途においては、小サイズ及び高性能であることが重要である。医療用イメージング、特に患者の心臓の動作の三次元イメージングのような内部センサを使用する超音波イメージングの場合、内部トランスデューサから外部器械へ有用なイメージを生成して送信するためには、多重ラインを通してのデータレートが重要である。更に、イメージングする位置(例えば、心臓)まで到達させるために患者の静脈または動脈内に適合させるためには、これらのワイヤー束の直径が重要である。胃腸器官のイメージングのような別の用途においては、患者の痛みを緩和し、光導管及び手術用ツールを舵取りしたり、操作したりする機械的要素のような他の要素のための空間を確保するためには、ケーブルの直径を制限することが重要である。しかしながら、現在のケーブルは、最新のイメージ用カテーテルのような用途に適するものよりは大きく、また十分な性能に欠けている。経食道(トランスエソファジアル)プローブの場合には、組織を侵す程度を少なくするか、または痛みを伴わない処置が可能なように、サイズをより小さくすることが重要である。更に、適当なサイズのケーブルは、患者の身体を通して容易に所望の位置まで到達させるのに必要な機械的特性に欠けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ケーブル組立体を提供することによって従来技術の諸問題を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本ケーブル組立体は複数のワイヤーを有し、各ワイヤーは両側に第1の端及び第2の端を有している。ワイヤーは第1の端と第2の端との間の中間部分を有し、中間部分のワイヤーは他のワイヤーから切り離されている。導電性のシールドが全ワイヤーをゆるく取り囲み、このシールド及び全ワイヤーは十分に弾力的なばね状カテーテルシース内に受入れられている。医療用イメージングトランスデューサをワイヤーの一方の端に接続することができ、ワイヤーの他方の端はリボン状にすることができる。トランスデューサは超音波または他のイメージングトランスデューサであることができ、カテーテル内に、またはカテーテルの端部分として受入れられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の目的及び特色は、特許請求の範囲に記載されている。本発明の構成及び動作の態様、並びに本発明のさらなる目的及び長所は、以下の添付図面に基づく説明から明白になるであろう。
【0011】
図1に、コネクタ端12、トランスデューサ端14、及び接続用の柔軟なケーブル16を有するケーブル組立体10を示す。コネクタ端及びトランスデューサ端は、ケーブル16に接続できる構成要素の例として示したに過ぎない。この例では、コネクタ端は、超音波イメージング装置のような電子器械に接続するためのコネクタ22を有する回路基板20を含む。コネクタ端は、コネクタハウジング24、及びケーブルの端を取り囲んでいるひずみ逃がし(strain relief)26を含む。反対側において、超音波トランスデューサ30がケーブルに接続されている。
【0012】
ケーブル16は、複数の細い同軸シールドワイヤー32を含む。図2にも示してあるようにワイヤーはグループ33に配列されており、各グループは各端においてリボン化されているリボン部分34と、これらのリボン部分間にあってケーブルの全長の殆どを占めている細長いゆるみ部分36とを有している。各リボン部分は単一のワイヤー層を含み、この層内においてはワイヤーは横並べされて互いに接着され、各ワイヤー毎のシールディング層及び中心導体を露出させるようにトリムされている。ゆるみ部分においては、ワイヤーは、それらの両端を除いて互いに接着されていない。
【0013】
各ワイヤーのシールディング及び導体は、このケーブルを使用する用途の要望によって指定される何等かの普通の手段によって、回路基板に、または何等かの電子構成要素またはコネクタに接続される。ワイヤーのゆるみ部分36はひずみ逃しを通り、ひずみ逃しの間をケーブルの全長にわたって延び、リボン部分が配置され接続されているハウジング内へ入っている。
【0014】
リボン部分34にはそれぞれ独特のしるしがマークされており、作業者があるグループの両側のリボン部分を相関させ、また各グループ内の特定のワイヤーの両端を相関させることができるようになっている。グループ識別名40がリボン部分に印刷されており、各リボン部分上の第1のワイヤー識別名42は各リボンの順番内の第1のワイヤーを各端上で識別できるようにしている。各グループが、各リボン部分内のワイヤーの順番内で1:1の対応を有していることが重要である。それによって作業者は、適切なワイヤーを見出すための試行錯誤試験を必要とすることなく、所与のグループ“A”の識別された第1の端ワイヤーからn番目のワイヤーが反対側のリボン部分におけるn番目のワイヤーと対応していることを識別できる。たとえ各グループのゆるい中間部分36が互いに他に対して、またはケーブル内の他のグループの中間部分に対して運動可能であっても、この対応は保証されることになる。
【0015】
図3は代表的な端部分の断面図であって、ワイヤーは結合継ぎ目46においてそれらの外側シース層が互いに接続されており、一方各ワイヤーの導電性シールディング50は互いに電気的に分離されたままであり、また内部誘電体52及び中心導体54も損なわれることなく分離されたままである。代替実施の形態においては、隣接し合っているシース層44の間に接着剤を使用することによって、各シース層を共通のストリップまたはシートに接着することによって、または機械的クリップによって、リボン部分を確保することができる。
【0016】
図4は、ケーブルのリボン部分から離れた、ケーブルの長さの殆どを占める中間部分の断面図である。ワイヤーは、柔軟な円筒形ケーブルシース60内にゆるく受入れられている。図1にも示してあるように、導電性の編組シールド62は、全てのワイヤーを取り囲み且つシースの内面に配置されて穴64を限定している。図4に戻って、穴の直径は、全てのワイヤーを密に受入れるのに要するよりも幾らか大きく選択されている。これは、鋭い曲げに対する抵抗を最小にし、しかもケーブルにたわむ能力を与える。何故ならば、穴の断面が図4に示すようにケーブルが直線に保たれている時にそれが有している円形断面から、図5に示すようにケーブルが鋭く曲げられて平らにされた形態になるまで、ワイヤーが自由に滑るからである。
【0017】
好ましい実施の形態においては、16本ずつの8グループが存在しているが、これらの数は大幅に変更することができ、また幾つかの実施の形態においては全てのワイヤーを単一のグループ内において使用することができる。ワイヤーは、0.016インチの外径を有していることが好ましいが、用途に依存して、これらの及び他の寸法が如何なるサイズであることもできる。シースは0.330インチの外径と、0.270インチの穴径とを有している。これによって、0.057インチの断面(直線であって、断面が円形の場合)が得られる。ゆるめられたワイヤーは、それらの断面積の合計よりもやや大きい断面積にしかならないようにまとまる傾向があるから、通常の状態においては穴内にかなりの猶予空間が存在する。これによって、ワイヤーは互いに他のワイヤーの周りで滑って柔軟性を与えることができ、ワイヤーシールドがワイヤー束の周りに巻き付けられている普通の形態におけるようにワイヤーが互いにしっかりと巻き付けられている場合に発生するワイヤー間の表面摩擦が最小になる。好ましい実施の形態においては、ケーブルを2本の指の間に折り曲げて自然の半径で曲がることができるようにした時の、0.75インチの、即ちケーブル直径の約2倍の曲げ半径においても曲げ力は最小である。本質的に、曲げ半径は、曲げに対する抵抗が少なく順応性があり、各構成要素の合計曲げ抵抗より僅かに大きい抵抗によって制限される。各ワイヤーがこのように細く、ケーブル直径のスケール程度の半径における曲げに対する抵抗が最小であるので、ワイヤーの抵抗がシース及びシールドの曲げ抵抗に殆ど加わることはなく、シース及びシールドが合計曲げ抵抗を確立する。
【0018】
無シールドの実施の形態
図6は、本発明の別の実施の形態によるワイヤーグループ33’の代表的端部分34’の断面を示している。この代替実施の形態は、ケーブルを形成しているワイヤー32’が互いに他のワイヤーに対してシールドされていないこと、及び各ワイヤーがワイヤーの導電性部分を構成している中心導体54’だけを有していることが、前記好ましい実施の形態とは異なっている。各ワイヤーの唯一の導電性部分は中心導体であり、ケーブルの導体は中心導体及びシールドだけである。中心導体54’は単一の絶縁層、即ち誘電性シース44’だけによって取り囲まれている。この単一の層は単一の材料で形成されていて、製造を簡易化している。
【0019】
前記好ましい実施の形態におけるように、ワイヤーは結合継ぎ目46’においてそれらのシース44’が互いに接続されている。代替実施の形態においては、隣接し合っているシース層44’の間に接着剤を使用することによって、各シース層を共通のストリップまたはシートに接着することによって、機械的クリップによって、またはリボンケーブルの中間部分の個別化を含むリボン化端を作る何等かの手段によって、リボン部分を確保することができる。
【0020】
図7に、図6のケーブルグループ33’を使用した代替実施の形態のケーブル16’を示す。この断面は、リボン化された端部分から離れたケーブルに沿う任意の中間位置において得たものである。ワイヤー32’は、柔軟な円筒形ケーブルシース60’内にゆるく収容されている。図1に示す好ましい実施の形態と同様に、導電性編組シールド62’が全てのワイヤーを取り囲み且つシースの内面に配置されていて穴64’を限定している。図7に戻って、穴の直径は、全てのワイヤーを密に収容するのに要するよりも幾らか大きく選択されている。これは、鋭い曲げに対する抵抗を最小にし、しかもケーブルにたわむ能力を与える。何故ならば、穴の断面が図6に示すようにケーブルが直線に保たれている時にそれが有している円形断面から、図5に示すようにケーブルが鋭く曲げられて平らにされた形態になるまで、ワイヤーが自由に滑るからである。
【0021】
無シールドワイヤーを用いる場合、ケーブルの性能にとってこのゆるみが特に重要であるものと考えられる。これは、ゆるみによってワイヤーは中間部分の長さに沿って他のワイヤーに対して蛇行することが可能になり、所与のワイヤーが、他の何れか特定のワイヤーまたはワイヤーのセットと極く一部の長さにおいてだけしか接しないからである。もし製造中にシールドまたはシースがワイヤーの周囲に固く巻き付けられれば、ワイヤーの互いに他に対する配列はランダムな機会の結果にはならず、組立て中に確立されるあるパターンに従うものと考えられる。
【0022】
以上のように、ゆるみは、第1に、製造時に確立された考え得る非ランダムなパターンをデバイスの寿命の間保存させないようにする。非ランダムなパターンは、密集したハネカム断面があるワイヤーをその長さに沿って、または時間が経過しても他のワイヤーに対して運動不能にさせるのと同様に、ワイヤーに本質的に直線経路を辿らせてその全長にわたって同じ他のワイヤーと接し続けさせる恐れがある。第2に、このゆるみによって、ワイヤーは時間の経過と共に運動することが可能になるので、パターンはデバイスの寿命の間固定されなくなる。使用中、貯蔵のために収納されている時、及び収納されていない時にはケーブルはたわまされ、ワイヤーはケーブルの長さを通して互いに他に対して“蛇行(crawl)”し、時間の経過と共にランダムに異なるパターン及び位置を取るものと考えられる。第3に、ワイヤーが蛇行する傾向にあるために、それらはケーブルの長さに沿って異なるランダムパターンを取るようになるから、ケーブルの長さの短い部分においてだけ別の所与のワイヤーと接するものと考えられ、他の何れかのワイヤーに対してクロストークを生じさせる効果が制限される。
【0023】
ある長さに沿う任意の位置におけるワイヤーの配列と、そのケーブルの長さに沿う短い距離のワイヤーのパターンとの相関が最小であることが理解されよう。たとえワイヤーがその位置から極端に移動するとは考えられないようなケーブルの長さに沿う極めて短い距離であっても、ワイヤーが同じ位置に留まることを優先したり、またはそのような傾向があったり、または2本の隣接するワイヤーが同じ方向へずれる傾向があったりする(そのようになれば、それらはケーブル長のかなりな部分にわたって互いに隣接し続ける)と考える理由は何もない。
【0024】
更に、ワイヤーは、ワイヤーがケーブルの直径全体を横切って何回か完全に往復移動できる(もしゆるみが許すならば)ようなレートで、所与の位置からずれる傾向にあることが理解されよう。これは、ワイヤーが所与の長さにわたって所与の量だけ横方向にずれる傾向があることに基づくが、たとえワイヤーの経路がシールドの一方の側から他方の側まで蛇行したとしても、実際にはのこぎり歯状の経路にはならないことが考えられる。各ワイヤーが他の何れかのワイヤー付近に接近するのは僅かな距離にしか過ぎないので、他のワイヤーとクロストークを生ずる可能性は他のワイヤーの間に広く分配され、その効果は多くの用途にとって許容されるように最小になる。トランスデューサが約35dBの固有に制限された信号対雑音比を有している超音波イメージングの場合、前記代替実施の形態の好ましい例の性能は、匹敵する音響クロストークの実測性能と良く一致している。
【0025】
前記代替実施の形態の好ましい例では、18本ずつの7グループが存在しているが、これらの数の何れかは大幅に変更することができ、幾つかの実施の形態においては全てのワイヤーを単一のグループとして使用することができる。ワイヤーは、単線または撚り線の何れでも差し支えない導体を有しており、これらの導体はリボン化するのに適し且つ所望の誘電定数を有する材料で絶縁されている。例示超音波イメージング用途に使用されているケーブリングの場合、典型的な導体は38乃至42AWG高強度銅合金であろう。絶縁は、低密度ポリオレフィンであることが好ましいが、フルオロポリマーを使用することも可能である。誘電定数は、1.2乃至3.5の範囲内にあることが好ましい。
【0026】
ワイヤーのリボン化された端部分の導体の長さは、実質的にケーブルジャケット及びシールディングの外部にある。端部分は、それらが取付けられる回路基板のパッドと一致するように選択された均一なピッチ(即ち、中心間間隔)でリボン化されている。前記代替実施の形態の好ましい例においては、導体は40AWG(直径0.0026”)銅線の単一のストランドであり、絶縁体は0.006”の壁厚のマイクロセルラーポリオレフィンであって、総合ワイヤー直径は0.015”である。これは、0.014”の端部分リボン化ピッチを得るのに良好に適している。代替誘電体材料は、他の中実の、フォーム状の、または他の空気増強された低温配合物及びフルオロポリマーを含む。
【0027】
前記代替実施の形態は、前記好ましい実施の形態とは異なる幾つかの性能を有している。無シールド導体を使用することによって、単位長(フィート:ft)当たりの容量が低くなる。上例と比較すると、上例に40AWGの導体を使用した場合、シールドバージョンが約17pF/ftの容量を有しているのに対して、無シールド非同軸代替では7pF/ftである。無シールドバージョンの計算による予測容量は12pF/ftであり、従って予測しなかった程望ましい低容量である。隣接するワイヤーが各ワイヤーのためのシールディングとして機能するものと考えられるので、導体とシールドとの間の実効空間は、外側ケーブルシールドまでの間隙に完全に基づかず、隣接するワイヤーの導体までのこの名目距離に基づく。従来は信号輸送導体を他の信号輸送ワイヤーのためのシールディングとして使用すると望ましくないクロストークが発生するものと考えられてきたが、ワイヤーがランダムに位置決めされるように蛇行すると、この効果は重要な用途にとって十分に許容できるレベルまで制限される。
【0028】
前記無シールド代替実施の形態は、シールド及び第2の誘電体層に対する材料費及びプロセス費が不要になるので、一般的には製造費が低くなる。前記無シールド代替実施の形態はシールドバージョンよりも軽量であり、典型的な重量はケーブルのフィート当たり13.5gであり、これはケーブルのフィート当たり21−26gであるシールドバージョンに比して約1/3乃至1/2減少している。これにより、ケーブルを超音波技術に対してより快適に使用することができ、ケーブルの終端の歪みが減少し、そして使用者の疲れが減少する。
【0029】
無シールドワイヤーを使用する実施の形態は、別の重要な設計制約を回避する。通常、同軸ワイヤーの容量は中心導体とシールドとの間の間隙に依存する。幾つかの重要な用途にとって望まれる低容量(高インピーダンス)を得ようとしても、各ワイヤーの直径がこの間隙幅によって制約され、たとえ中心導体またはシールドワイヤーを如何に小さくしようとも所与の数の導体を含むケーブルの小型化が制限される。(この制約は、極めて細い同軸ワイヤーの製造を取り巻く実際の製造及び費用制限に追加される。)しかしながら、クロストークから保護するためのワイヤーシールディングは不要であり、各ワイヤーは隣接するワイヤー及びケーブルシールディングから絶縁するのに最小限必要な薄い誘電体層を有することができる。たとえ、ある導体と隣接ワイヤーの導体との間隔によって容量が制限されるとしても、2本分のワイヤー絶縁体の厚みの利点を活用して大幅に小型化することができる。
【0030】
容量を更に低くするために、各リボンの一方の縁の、または両方の縁の導体を接地することができる(所要数の信号輸送用ワイヤーを確保するためには、付加的なワイヤーを使用する必要がある)。一方の縁の導体を各端において接地した場合、接地したワイヤーに最も近いワイヤーの容量が約1.0pFだけ増加することが分かった。容量は、接地から離れる程高くなり、接地から離れると平坦である曲線内において接地付近で急速に上昇する。より低く且つより不変の容量が望まれるが、付加的なワイヤーが許される場合には、各リボンの両縁を接地する。これにより接地に最も近いワイヤーには相当する容量が発生するが、縁から離れた中央のワイヤーにおいては約0.2pFの僅かな上昇が見られるだけになる。
【0031】
基本的には、上述したように、普通は無シールド導体は、特にワイヤーが走る長さが長く、導体のゲージが小さく、そして間隔が極めて狭い場合には、同軸導体に比してクロストーク性能が受入れ難い程低下する。しかしながら、ワイヤーがケーブル長の大部分にわたってゆるみ続けることを許容すれば、通常のリボンケーブルに共通するこの問題は予想外に回避される。ワイヤーは互いに結合されていないので、またケーブルシースが十分にゆるめられているのでワイヤーは処々へ運動することができ、何れか2本のワイヤーが互いに緊密に平行を維持してクロストーク問題を惹起するようなことは起こり得ない。使用によるケーブルのたわみがワイヤーを入れ替える効果を有しているので、どのワイヤーもケーブルの全長にわたって同じ他のワイヤーと隣接し続けるとは考えられない。制御され、組織化されたリボンを端だけに使用すると、上述したように1:1のマッピングによって信頼可能に且つ効率的に接続を行うことができる。
【0032】
図8に示すように、好ましい実施の形態または代替実施の形態の何れにも、柔軟なテープ100のらせん巻付けを設けることができる。テープは、コネクタ12付近のワイヤーの端部分の、ワイヤーが束からリボン化された部分34へ向かって延びるように広がる直前に巻付けられる。このテープ巻付けは、ケーブルが繰り返してたわむ場合の摩耗及び疲れ効果(特に手持ちのコード付きデバイスにとっては問題になる)を減少させるバリヤーとして働く。従って、巻付け部分はケーブルの有用寿命を引き伸ばす。巻付けられたバリヤーは、曲げが繰り返し発生するようなケーブルの端に適用される。バリヤーは、約1フィートの長さにわたって巻くことが好ましい。膨張PTFEを用いてその領域を巻くと、ケーブルの柔軟さを大幅に損なうことなく長いたわみ寿命を与えるのに効果的であることが分かった。好ましくは、テープの幅を0.5”とし、厚みを0.002”とし、巻付けピッチを0.33”とし、25gの制限された張力(束を固くしてしまうことがなく、且つたわみを制限することがないような張力)で巻付ける。
【0033】
大きい接地を有する実施の形態
図9は、本発明の代替実施の形態によるワイヤーグループ33”の代表的端部分34”の断面を示している。この代替実施の形態は、ケーブルを形成している信号輸送用ワイヤー32’に、より大きいゲージの導体112及び薄い絶縁層114が付加されていることが上述した実施の形態とは異なっている。好ましくは、絶縁される接地ワイヤー110の外径を、信号輸送用ワイヤーの外径とほぼ同一にする。このようにすると端は厚みが一定の平らなリボンになり、接地は、図10に示すように信号輸送用ワイヤー32’の間にランダムに分布するようになる。
【0034】
上述したように、信号ワイヤーは0.006”厚の誘電体によって取り囲まれている40AWG(直径0.0026”)銅線であり、総合ワイヤー外径が0.015”であることが好ましい。接地は高周波信号を輸送しないので、ある厚みの誘電体は必要ではなく、他の導体とのオーミック接触を防ぐための最小限の絶縁を必要とするだけである。従って、接地は32AWG(直径0.008”)銅線であり、名目絶縁体厚は0.0045”であって、外径は0.017”になる。
【0035】
代替実施の形態においては、接地ワイヤーは好ましい実施の形態におけるよりも小さくすることもまたは大きくすることもできるが、十分な導電性を得るために接地を信号ワイヤーよりも大幅に大きくすることが好ましい。各リボンの縁にリボン当たり2本の接地を使用すると、リボン化された区分内により不変の容量が得られ、また、もし信号ワイヤーがその縁に位置決めされていれば発生し得る何等かのエッジ効果を減少させるものと考えられる。
【0036】
しかしながら、リボン当たり正確に2本の接地を使用することも、または全ての接地をリボンの縁に設けることも必須ではない。代替実施の形態においては、接地を信号ワイヤーの間に点在させることができる。高容量が望まれ、ケーブルの重量及び直径がそれ程重要ではない場合には、接地ワイヤーと信号ワイヤーとを交互させるように、接地ワイヤーの数を信号ワイヤーの数に等しくすることも、またはそれより多くすることもできる。容量は、所望の容量(またはインピーダンス)が得られるように理論的に、または実験的に明示される選択された接地ワイヤーの数を使用することによって、各用途毎に調整することができる。ワイヤーの数は、接地ワイヤーの数と信号ワイヤーの数との比率として表すこともできる。他の代替実施の形態においては、非接地ワイヤーを普通の同軸ケーブルとしてシールドすることができる。
【0037】
より多くの接地ワイヤーを得るために、例えば接地ワイヤーを複数の信号ワイヤーのセットと交互させる(例えば、接地、信号、信号、接地、信号、信号、接地、信号、信号、接地)ように、リボンに沿ってn番目の位置毎に接地を点在させることができる。さらなる代替実施の形態においては、接地を信号ワイヤーと同一のリボン上に含ませる必要はなく、分離したワイヤーであることも、またはそれら自体のリボン内に接続することもできる。何れの場合も、中間部分においては接地を互いに他に対して、及び信号ワイヤーに対してゆるめ、それらが上述したようにランダム化の利点を活用できるようにする。
【0038】
従来技術の比較的高インピーダンスの導体を信号及び接地の両方のために使用すると、超音波用途におけるケーブルの性能が制限されるものと考えられる。詳述すれば、高インピーダンスを有する信号のための接地戻り線として高インピーダンスの導体を使用すると“信号デバイダ”効果が発生して近傍導体上に雑音を誘起させる。超音波用途に使用されている従来の同軸シールドは、より多くの金属を含んでいる(これは、低抵抗及び低インピーダンスであることを意味している)。また、同軸的にシールドされたバージョン内の隣接する信号ラインは2つのシールド(各信号導体の周りのシールド)によって分離されている。
【0039】
より大きい接地を使用すると、これらの従来のアプローチのかさ、費用、及び重量を伴わずに、より低いインピーダンス性能が得られる。ゆるいシールドと、中間部分に沿って異なる導体にランダムに結合される傾向との組合わせによって、信号導体が、ケーブルの長さの極く限られた部分の間だけ接し合う接地ワイヤーによって同じように影響を受けるようになる。
【0040】
以上に、好ましい実施の形態及び代替実施の形態に関して説明したが、本発明はそのように限定するために意図されたものではない。例えば、中間部分において互いに完全に独立しているゆるいワイヤーの代わりに、ワイヤーを複数のグループに配列し、これらのグループを他のグループに対してゆるくすることができる。これらのグループは、並列ペア、トゥイストペア、トリプル、及び他の形態を含むことができる。
【0041】
カテーテル化された実施の形態
図11は、ケーブルの少なくともある部分における柔軟性は重要ではなく、硬さ及び弾力性、並びに小直径が望まれるような用途のためのケーブル組立体200を示している。組立体は、図1に関して説明したように器械に接続される第1のたわみ可能なケーブル16を含む。第1のケーブルは柔軟であって、医療職員による操作を容易にする。第1のケーブルの自由端202は、それに取付けられた端コネクタ204を含む。トランスデューサケーブル組立体206は、自由な第1の端210と、第1のケーブルコネクタ204に接続したり、それから取り外したりできるコネクタ214が取付けられている第2の端212とを有している。
【0042】
ケーブル組立体206は、第2の端にリボン化部分220を有するケーブル束216を含む。リボン化部分はコネクタ214の要素と接続するようになっているので、リボンの順番はコネクタ上の接点の順番と対応させて結合の誤りを防いでいる。第1の端において、ワイヤーは超音波トランスデューサ222に接続される。好ましい実施の形態においては、トランスデューサ取付けのための終端パターンはケーブルのリボン化部分の間隔と一致し、選択された距離内の全ての組織の三次元イメージを得るように動作する。代替実施の形態においては、トランスデューサは、光及び超音波トランスデューサを含む医療用イメージングまたは分析に使用される如何なる他の電子デバイスまたはトランスデューサであることもできる。トランスデューサは、ワイヤーを通して送られる信号によって制御され、外科手術を遂行するためにマシンのように動作する機械的トランスデューサであることもできる。トランスデューサは、それ以外ではアクセスすることができない空間の工業検査のような、非医療動作のために使用することもできる。
【0043】
図12に示すように、中間部分のケーブル206は、図10の実施の形態のそれに極めて類似している。それは金属シールド224内にゆるく受入れられている無シールドワイヤー216と、同じくゆるく受入れられている接地ワイヤー226とを含む。シールドはカテーテル管230によって取り囲まれている。
【0044】
カテーテル管は、テフロン(登録商標)のような生物学的適合性のプラスチック材料で形成された直線状の弾力的なプラスチック管である。管は、それを圧縮した後に元の形状または位置へ戻ることができ、その元の形状への戻りが釣り竿のように強く且つ迅速であることから弾力的であると説明した。管はばねのように柔軟であり、特に小半径の曲げに耐え、軸方向の力の下での収縮に対しては比較的硬く、それに耐える。管壁は、挟みつけによる潰れに耐える十分な硬さを有しており、たとえ管が大半径で曲げられてもその外形を保持する傾向がある。管の硬さは、患者の身体内の脈管または導管内へ押し込まれる時に収縮及び曲げに耐えなければならないから重要である。収縮に耐えることによって、それは脈管の内部に加わり得る圧力及び摩擦を制限する。
【0045】
好ましい実施の形態においては、シールド内に8本の信号導体からなる10グループの他に、2本の接地ワイヤーが受入れられている。上述したように、信号ワイヤーは好ましくは50AWG(直径0.001”)銅線であり、それを0.0015”厚の誘電体壁が取り巻いて総合的なワイヤー外径は0.004”になっている。代替実施の形態においては、このワイヤーサイズは技術が許す限り小さく減少させることができる。接地は高周波数信号を輸送しないので、誘電体には厚みを必要とせず、他の導体とのオーミック接触を防ぐための最小限の絶縁を必要とするだけである。従って、接地は40AWG(直径0.0031”)銅線であり、名目絶縁体厚は0.0002”であって、外径は0.0036”になる。
【0046】
カテーテルの外径は0.065”であり、壁厚は0.005”であり、そして内側の穴の直径は0.055”である。これによって、0.0024平方インチの穴の断面積が得られる。ケーブル206は柔軟である必要がないので、空の空間はそれ程大きい必要はない(図5に示す潰れたシースとは対照的である)。上述した有利な効果を達成するためには、最小のゆるみだけがあれば、ケーブルの長さに沿ってワイヤーが互いに他に対してそれらの位置をランダムに取ることができる。
【0047】
シールド内にゆるく受入れられた無シールドワイヤーを使用することは、極めて小さいケーブルが望まれる場合(例えば、小さいカテーテル穴内に適合させたい場合)に特に有利な効果が得られる。サイズが重要ではない場合には、同軸ワイヤーまたは平行ペアのようなシールドされたワイヤーに置換することはできるが、上述した原理を使用する無シールドワイヤーは小型化にとって有利である。信号導体とシールドとの間に所与の誘電体厚を与えるための必要性によって確立された外径を有するシールドワイヤーとは対比的に、無シールドワイヤーは最小直径の導体を最小限の厚みの絶縁体と共に使用することを可能にする。
【0048】
カテーテル管の外径は、自由端におけるトランスデューサ直径と同一であることが好ましく、この直径は反対端のコネクタへの戻りの全長にわたって維持される。これは、長さに沿って一貫して滑らかな断面を与える。心臓の経食道イメージングのような代替実施の形態においては、デバイスシースより大きい直径を有するトランスデューサをデバイスの先端に配置することができるが、これは脈管内用途には不適であろう。この場合には、患者がトランスデューサを“嚥下”することによってそれを容易に所定の位置に移動させることができる。
【0049】
カテーテルの長さは、必要な処置に基づいて確立される。デバイスを大腿動脈内に挿入するような典型的な心臓イメージング処置の場合には、約40インチのカテーテル長が適当であると考えられる。挿入されるケーブル組立体206は、それが接続されているケーブル組立体16とは異なる特性を有することができる。ケーブル206の長さを制限することによって、電磁干渉は受けにくくなる(このような干渉の効果は、長さに比例して増加する)。従って、外部の柔軟なケーブル16は、大きい直径と、患者から室内の器械まで到達するのに必要なかなり長い長さにおける干渉を制限するように付加的なシールディングまたは他のワイヤリング特性とを有することができる。例えば、外部ケーブルはシールドされた同軸ワイヤー、またはカテーテル化されたケーブル206の好ましい実施の形態の無シールドワイヤーよりも大きい断面積を有する他のワイヤー設計を有することができる。
【0050】
以上に説明した実施の形態は種々に変更できることが理解されよう。従って、以上の説明は本発明を限定することを意図したものではなく、単に種々の実施の形態を例示したものに過ぎない。当業者ならば、本発明の範囲及び思想内において他の変更を考案することができよう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるケーブル組立体の斜視図である。
【図2】図1の実施の形態によるワイヤリング構成要素の斜視図である。
【図3】図1の実施の形態によるワイヤリング構成要素の端部分の拡大断面図である。
【図4】図1の実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図5】図1の実施の形態によるたわんだ状態にあるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図6】本発明の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図7】図6の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図8】本発明の代替実施の形態によるケーブル組立体の破断図である。
【図9】本発明のさらなる代替実施の形態によるケーブル組立体構成要素の拡大断面図である。
【図10】図9の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図11】本発明のさらなる代替実施の形態によるケーブル組立体の斜視図である。
【図12】図11の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は多重ワイヤーケーブルに関し、より特定的には医療処置用カテーテルと共に使用するための小ゲージワイヤリングに関する。
【背景技術】
【0002】
要求が厳しい幾つかの用途においては、多重ワイヤーケーブル組立体を小型化することが要求される。かなりな数の導体が必要である場合には、ケーブルが望ましくなくかさ張るのを回避するために極めて細い導体が使用される。通常は、電気的雑音及び干渉を防ぐためにシールディングを有する同軸ワイヤーがこれらの導体に使用される。誘電体シースが中心導体を取り囲み、中心導体を導電性シールディングから電気的に分離している。これらのワイヤーの束を、導電性編組シールド及び外側保護シースが取り囲んでいる。
【0003】
多くの異なる導体を必要とする幾つかの用途には、ケーブルが極めて柔軟であること、曲げやすいこと、即ち“フロッピー(登録商標)”であることが好ましい。医療用超音波トランスデューサに接続するためのケーブルのような用途においては、たわみに対して中程度の抵抗を呈するような硬いケーブルは超音波イメージングを困難にする恐れがある。しかしながら、保護用シースを有するケーブルを使用する普通のアプローチを用いたのでは、ワイヤーの束は望ましくなく固くなる可能性がある。更に、それ程の努力を必要とせずにイメージング位置に超音波トランスデューサを保持するためには、ケーブルは比較的軽量であることが好ましい。現在、超音波技術者は、ケーブルがトランスデューサを引張ることがないように、ケーブルの一部分を彼等の手首に巻き付けてケーブルを保持している。
【0004】
柔軟で軽量のケーブルに対する要望は、極めて細いゲージのワイヤーを用いることによって満足される。このようにすることは有効ではあるが、細いゲージの同軸ワイヤーを製造するプロセスは、精密且つ高コストである。総合ワイヤー直径を要望通りにするには、中心導体及びらせん状に巻かれたシールドワイヤーを製造限界に近い程度まで極めて細くしなければならない。幾つかの用途のために、従来はケーブルに無シールド導体を使用してきたが、これらは高インピーダンス、低容量、及び極めて限られたクロストークが要求される医療用超音波イメージングには不適であることが知られている。
【0005】
更に、複数の導体を有するケーブル組立体は、他の構成要素に結合するには時間がかかり、高価になり得る。束内の個々のワイヤーを使用する際に、どのワイヤー端が他方の端において選択されたワイヤーと一致するのかを容易に識別することができず、退屈な接続性試験が必要になる。通常、ケーブルの一方の端のワイヤー端はコネクタまたは印刷回路基板のような構成要素に接続され、これらのコネクタまたは基板が一時に1本ずつ各ワイヤーを付勢する試験機器に接続されるので、作業者は識別されたワイヤー端を第2のコネクタまたは基板上の適切な接続部に接続することができる。
【0006】
この特定の問題に対しては、ケーブルの一方の端から他方の端までワイヤーの順番を保っているリボンケーブルによって対処することができる。しかしながら、リボンの全ワイヤーが一緒に結合されているのでそれらは曲げに対して抵抗し、望ましくない硬いケーブルになる。更に、複数の縦方向の折り曲げ線に沿って折り曲げられたリボンはコンパクトな断面を作らず、かさを望ましくなく増加させる傾向があり、また多くの用途において望まれる円形断面を作らない。
【0007】
他の用途においては、小サイズ及び高性能であることが重要である。医療用イメージング、特に患者の心臓の動作の三次元イメージングのような内部センサを使用する超音波イメージングの場合、内部トランスデューサから外部器械へ有用なイメージを生成して送信するためには、多重ラインを通してのデータレートが重要である。更に、イメージングする位置(例えば、心臓)まで到達させるために患者の静脈または動脈内に適合させるためには、これらのワイヤー束の直径が重要である。胃腸器官のイメージングのような別の用途においては、患者の痛みを緩和し、光導管及び手術用ツールを舵取りしたり、操作したりする機械的要素のような他の要素のための空間を確保するためには、ケーブルの直径を制限することが重要である。しかしながら、現在のケーブルは、最新のイメージ用カテーテルのような用途に適するものよりは大きく、また十分な性能に欠けている。経食道(トランスエソファジアル)プローブの場合には、組織を侵す程度を少なくするか、または痛みを伴わない処置が可能なように、サイズをより小さくすることが重要である。更に、適当なサイズのケーブルは、患者の身体を通して容易に所望の位置まで到達させるのに必要な機械的特性に欠けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ケーブル組立体を提供することによって従来技術の諸問題を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本ケーブル組立体は複数のワイヤーを有し、各ワイヤーは両側に第1の端及び第2の端を有している。ワイヤーは第1の端と第2の端との間の中間部分を有し、中間部分のワイヤーは他のワイヤーから切り離されている。導電性のシールドが全ワイヤーをゆるく取り囲み、このシールド及び全ワイヤーは十分に弾力的なばね状カテーテルシース内に受入れられている。医療用イメージングトランスデューサをワイヤーの一方の端に接続することができ、ワイヤーの他方の端はリボン状にすることができる。トランスデューサは超音波または他のイメージングトランスデューサであることができ、カテーテル内に、またはカテーテルの端部分として受入れられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の目的及び特色は、特許請求の範囲に記載されている。本発明の構成及び動作の態様、並びに本発明のさらなる目的及び長所は、以下の添付図面に基づく説明から明白になるであろう。
【0011】
図1に、コネクタ端12、トランスデューサ端14、及び接続用の柔軟なケーブル16を有するケーブル組立体10を示す。コネクタ端及びトランスデューサ端は、ケーブル16に接続できる構成要素の例として示したに過ぎない。この例では、コネクタ端は、超音波イメージング装置のような電子器械に接続するためのコネクタ22を有する回路基板20を含む。コネクタ端は、コネクタハウジング24、及びケーブルの端を取り囲んでいるひずみ逃がし(strain relief)26を含む。反対側において、超音波トランスデューサ30がケーブルに接続されている。
【0012】
ケーブル16は、複数の細い同軸シールドワイヤー32を含む。図2にも示してあるようにワイヤーはグループ33に配列されており、各グループは各端においてリボン化されているリボン部分34と、これらのリボン部分間にあってケーブルの全長の殆どを占めている細長いゆるみ部分36とを有している。各リボン部分は単一のワイヤー層を含み、この層内においてはワイヤーは横並べされて互いに接着され、各ワイヤー毎のシールディング層及び中心導体を露出させるようにトリムされている。ゆるみ部分においては、ワイヤーは、それらの両端を除いて互いに接着されていない。
【0013】
各ワイヤーのシールディング及び導体は、このケーブルを使用する用途の要望によって指定される何等かの普通の手段によって、回路基板に、または何等かの電子構成要素またはコネクタに接続される。ワイヤーのゆるみ部分36はひずみ逃しを通り、ひずみ逃しの間をケーブルの全長にわたって延び、リボン部分が配置され接続されているハウジング内へ入っている。
【0014】
リボン部分34にはそれぞれ独特のしるしがマークされており、作業者があるグループの両側のリボン部分を相関させ、また各グループ内の特定のワイヤーの両端を相関させることができるようになっている。グループ識別名40がリボン部分に印刷されており、各リボン部分上の第1のワイヤー識別名42は各リボンの順番内の第1のワイヤーを各端上で識別できるようにしている。各グループが、各リボン部分内のワイヤーの順番内で1:1の対応を有していることが重要である。それによって作業者は、適切なワイヤーを見出すための試行錯誤試験を必要とすることなく、所与のグループ“A”の識別された第1の端ワイヤーからn番目のワイヤーが反対側のリボン部分におけるn番目のワイヤーと対応していることを識別できる。たとえ各グループのゆるい中間部分36が互いに他に対して、またはケーブル内の他のグループの中間部分に対して運動可能であっても、この対応は保証されることになる。
【0015】
図3は代表的な端部分の断面図であって、ワイヤーは結合継ぎ目46においてそれらの外側シース層が互いに接続されており、一方各ワイヤーの導電性シールディング50は互いに電気的に分離されたままであり、また内部誘電体52及び中心導体54も損なわれることなく分離されたままである。代替実施の形態においては、隣接し合っているシース層44の間に接着剤を使用することによって、各シース層を共通のストリップまたはシートに接着することによって、または機械的クリップによって、リボン部分を確保することができる。
【0016】
図4は、ケーブルのリボン部分から離れた、ケーブルの長さの殆どを占める中間部分の断面図である。ワイヤーは、柔軟な円筒形ケーブルシース60内にゆるく受入れられている。図1にも示してあるように、導電性の編組シールド62は、全てのワイヤーを取り囲み且つシースの内面に配置されて穴64を限定している。図4に戻って、穴の直径は、全てのワイヤーを密に受入れるのに要するよりも幾らか大きく選択されている。これは、鋭い曲げに対する抵抗を最小にし、しかもケーブルにたわむ能力を与える。何故ならば、穴の断面が図4に示すようにケーブルが直線に保たれている時にそれが有している円形断面から、図5に示すようにケーブルが鋭く曲げられて平らにされた形態になるまで、ワイヤーが自由に滑るからである。
【0017】
好ましい実施の形態においては、16本ずつの8グループが存在しているが、これらの数は大幅に変更することができ、また幾つかの実施の形態においては全てのワイヤーを単一のグループ内において使用することができる。ワイヤーは、0.016インチの外径を有していることが好ましいが、用途に依存して、これらの及び他の寸法が如何なるサイズであることもできる。シースは0.330インチの外径と、0.270インチの穴径とを有している。これによって、0.057インチの断面(直線であって、断面が円形の場合)が得られる。ゆるめられたワイヤーは、それらの断面積の合計よりもやや大きい断面積にしかならないようにまとまる傾向があるから、通常の状態においては穴内にかなりの猶予空間が存在する。これによって、ワイヤーは互いに他のワイヤーの周りで滑って柔軟性を与えることができ、ワイヤーシールドがワイヤー束の周りに巻き付けられている普通の形態におけるようにワイヤーが互いにしっかりと巻き付けられている場合に発生するワイヤー間の表面摩擦が最小になる。好ましい実施の形態においては、ケーブルを2本の指の間に折り曲げて自然の半径で曲がることができるようにした時の、0.75インチの、即ちケーブル直径の約2倍の曲げ半径においても曲げ力は最小である。本質的に、曲げ半径は、曲げに対する抵抗が少なく順応性があり、各構成要素の合計曲げ抵抗より僅かに大きい抵抗によって制限される。各ワイヤーがこのように細く、ケーブル直径のスケール程度の半径における曲げに対する抵抗が最小であるので、ワイヤーの抵抗がシース及びシールドの曲げ抵抗に殆ど加わることはなく、シース及びシールドが合計曲げ抵抗を確立する。
【0018】
無シールドの実施の形態
図6は、本発明の別の実施の形態によるワイヤーグループ33’の代表的端部分34’の断面を示している。この代替実施の形態は、ケーブルを形成しているワイヤー32’が互いに他のワイヤーに対してシールドされていないこと、及び各ワイヤーがワイヤーの導電性部分を構成している中心導体54’だけを有していることが、前記好ましい実施の形態とは異なっている。各ワイヤーの唯一の導電性部分は中心導体であり、ケーブルの導体は中心導体及びシールドだけである。中心導体54’は単一の絶縁層、即ち誘電性シース44’だけによって取り囲まれている。この単一の層は単一の材料で形成されていて、製造を簡易化している。
【0019】
前記好ましい実施の形態におけるように、ワイヤーは結合継ぎ目46’においてそれらのシース44’が互いに接続されている。代替実施の形態においては、隣接し合っているシース層44’の間に接着剤を使用することによって、各シース層を共通のストリップまたはシートに接着することによって、機械的クリップによって、またはリボンケーブルの中間部分の個別化を含むリボン化端を作る何等かの手段によって、リボン部分を確保することができる。
【0020】
図7に、図6のケーブルグループ33’を使用した代替実施の形態のケーブル16’を示す。この断面は、リボン化された端部分から離れたケーブルに沿う任意の中間位置において得たものである。ワイヤー32’は、柔軟な円筒形ケーブルシース60’内にゆるく収容されている。図1に示す好ましい実施の形態と同様に、導電性編組シールド62’が全てのワイヤーを取り囲み且つシースの内面に配置されていて穴64’を限定している。図7に戻って、穴の直径は、全てのワイヤーを密に収容するのに要するよりも幾らか大きく選択されている。これは、鋭い曲げに対する抵抗を最小にし、しかもケーブルにたわむ能力を与える。何故ならば、穴の断面が図6に示すようにケーブルが直線に保たれている時にそれが有している円形断面から、図5に示すようにケーブルが鋭く曲げられて平らにされた形態になるまで、ワイヤーが自由に滑るからである。
【0021】
無シールドワイヤーを用いる場合、ケーブルの性能にとってこのゆるみが特に重要であるものと考えられる。これは、ゆるみによってワイヤーは中間部分の長さに沿って他のワイヤーに対して蛇行することが可能になり、所与のワイヤーが、他の何れか特定のワイヤーまたはワイヤーのセットと極く一部の長さにおいてだけしか接しないからである。もし製造中にシールドまたはシースがワイヤーの周囲に固く巻き付けられれば、ワイヤーの互いに他に対する配列はランダムな機会の結果にはならず、組立て中に確立されるあるパターンに従うものと考えられる。
【0022】
以上のように、ゆるみは、第1に、製造時に確立された考え得る非ランダムなパターンをデバイスの寿命の間保存させないようにする。非ランダムなパターンは、密集したハネカム断面があるワイヤーをその長さに沿って、または時間が経過しても他のワイヤーに対して運動不能にさせるのと同様に、ワイヤーに本質的に直線経路を辿らせてその全長にわたって同じ他のワイヤーと接し続けさせる恐れがある。第2に、このゆるみによって、ワイヤーは時間の経過と共に運動することが可能になるので、パターンはデバイスの寿命の間固定されなくなる。使用中、貯蔵のために収納されている時、及び収納されていない時にはケーブルはたわまされ、ワイヤーはケーブルの長さを通して互いに他に対して“蛇行(crawl)”し、時間の経過と共にランダムに異なるパターン及び位置を取るものと考えられる。第3に、ワイヤーが蛇行する傾向にあるために、それらはケーブルの長さに沿って異なるランダムパターンを取るようになるから、ケーブルの長さの短い部分においてだけ別の所与のワイヤーと接するものと考えられ、他の何れかのワイヤーに対してクロストークを生じさせる効果が制限される。
【0023】
ある長さに沿う任意の位置におけるワイヤーの配列と、そのケーブルの長さに沿う短い距離のワイヤーのパターンとの相関が最小であることが理解されよう。たとえワイヤーがその位置から極端に移動するとは考えられないようなケーブルの長さに沿う極めて短い距離であっても、ワイヤーが同じ位置に留まることを優先したり、またはそのような傾向があったり、または2本の隣接するワイヤーが同じ方向へずれる傾向があったりする(そのようになれば、それらはケーブル長のかなりな部分にわたって互いに隣接し続ける)と考える理由は何もない。
【0024】
更に、ワイヤーは、ワイヤーがケーブルの直径全体を横切って何回か完全に往復移動できる(もしゆるみが許すならば)ようなレートで、所与の位置からずれる傾向にあることが理解されよう。これは、ワイヤーが所与の長さにわたって所与の量だけ横方向にずれる傾向があることに基づくが、たとえワイヤーの経路がシールドの一方の側から他方の側まで蛇行したとしても、実際にはのこぎり歯状の経路にはならないことが考えられる。各ワイヤーが他の何れかのワイヤー付近に接近するのは僅かな距離にしか過ぎないので、他のワイヤーとクロストークを生ずる可能性は他のワイヤーの間に広く分配され、その効果は多くの用途にとって許容されるように最小になる。トランスデューサが約35dBの固有に制限された信号対雑音比を有している超音波イメージングの場合、前記代替実施の形態の好ましい例の性能は、匹敵する音響クロストークの実測性能と良く一致している。
【0025】
前記代替実施の形態の好ましい例では、18本ずつの7グループが存在しているが、これらの数の何れかは大幅に変更することができ、幾つかの実施の形態においては全てのワイヤーを単一のグループとして使用することができる。ワイヤーは、単線または撚り線の何れでも差し支えない導体を有しており、これらの導体はリボン化するのに適し且つ所望の誘電定数を有する材料で絶縁されている。例示超音波イメージング用途に使用されているケーブリングの場合、典型的な導体は38乃至42AWG高強度銅合金であろう。絶縁は、低密度ポリオレフィンであることが好ましいが、フルオロポリマーを使用することも可能である。誘電定数は、1.2乃至3.5の範囲内にあることが好ましい。
【0026】
ワイヤーのリボン化された端部分の導体の長さは、実質的にケーブルジャケット及びシールディングの外部にある。端部分は、それらが取付けられる回路基板のパッドと一致するように選択された均一なピッチ(即ち、中心間間隔)でリボン化されている。前記代替実施の形態の好ましい例においては、導体は40AWG(直径0.0026”)銅線の単一のストランドであり、絶縁体は0.006”の壁厚のマイクロセルラーポリオレフィンであって、総合ワイヤー直径は0.015”である。これは、0.014”の端部分リボン化ピッチを得るのに良好に適している。代替誘電体材料は、他の中実の、フォーム状の、または他の空気増強された低温配合物及びフルオロポリマーを含む。
【0027】
前記代替実施の形態は、前記好ましい実施の形態とは異なる幾つかの性能を有している。無シールド導体を使用することによって、単位長(フィート:ft)当たりの容量が低くなる。上例と比較すると、上例に40AWGの導体を使用した場合、シールドバージョンが約17pF/ftの容量を有しているのに対して、無シールド非同軸代替では7pF/ftである。無シールドバージョンの計算による予測容量は12pF/ftであり、従って予測しなかった程望ましい低容量である。隣接するワイヤーが各ワイヤーのためのシールディングとして機能するものと考えられるので、導体とシールドとの間の実効空間は、外側ケーブルシールドまでの間隙に完全に基づかず、隣接するワイヤーの導体までのこの名目距離に基づく。従来は信号輸送導体を他の信号輸送ワイヤーのためのシールディングとして使用すると望ましくないクロストークが発生するものと考えられてきたが、ワイヤーがランダムに位置決めされるように蛇行すると、この効果は重要な用途にとって十分に許容できるレベルまで制限される。
【0028】
前記無シールド代替実施の形態は、シールド及び第2の誘電体層に対する材料費及びプロセス費が不要になるので、一般的には製造費が低くなる。前記無シールド代替実施の形態はシールドバージョンよりも軽量であり、典型的な重量はケーブルのフィート当たり13.5gであり、これはケーブルのフィート当たり21−26gであるシールドバージョンに比して約1/3乃至1/2減少している。これにより、ケーブルを超音波技術に対してより快適に使用することができ、ケーブルの終端の歪みが減少し、そして使用者の疲れが減少する。
【0029】
無シールドワイヤーを使用する実施の形態は、別の重要な設計制約を回避する。通常、同軸ワイヤーの容量は中心導体とシールドとの間の間隙に依存する。幾つかの重要な用途にとって望まれる低容量(高インピーダンス)を得ようとしても、各ワイヤーの直径がこの間隙幅によって制約され、たとえ中心導体またはシールドワイヤーを如何に小さくしようとも所与の数の導体を含むケーブルの小型化が制限される。(この制約は、極めて細い同軸ワイヤーの製造を取り巻く実際の製造及び費用制限に追加される。)しかしながら、クロストークから保護するためのワイヤーシールディングは不要であり、各ワイヤーは隣接するワイヤー及びケーブルシールディングから絶縁するのに最小限必要な薄い誘電体層を有することができる。たとえ、ある導体と隣接ワイヤーの導体との間隔によって容量が制限されるとしても、2本分のワイヤー絶縁体の厚みの利点を活用して大幅に小型化することができる。
【0030】
容量を更に低くするために、各リボンの一方の縁の、または両方の縁の導体を接地することができる(所要数の信号輸送用ワイヤーを確保するためには、付加的なワイヤーを使用する必要がある)。一方の縁の導体を各端において接地した場合、接地したワイヤーに最も近いワイヤーの容量が約1.0pFだけ増加することが分かった。容量は、接地から離れる程高くなり、接地から離れると平坦である曲線内において接地付近で急速に上昇する。より低く且つより不変の容量が望まれるが、付加的なワイヤーが許される場合には、各リボンの両縁を接地する。これにより接地に最も近いワイヤーには相当する容量が発生するが、縁から離れた中央のワイヤーにおいては約0.2pFの僅かな上昇が見られるだけになる。
【0031】
基本的には、上述したように、普通は無シールド導体は、特にワイヤーが走る長さが長く、導体のゲージが小さく、そして間隔が極めて狭い場合には、同軸導体に比してクロストーク性能が受入れ難い程低下する。しかしながら、ワイヤーがケーブル長の大部分にわたってゆるみ続けることを許容すれば、通常のリボンケーブルに共通するこの問題は予想外に回避される。ワイヤーは互いに結合されていないので、またケーブルシースが十分にゆるめられているのでワイヤーは処々へ運動することができ、何れか2本のワイヤーが互いに緊密に平行を維持してクロストーク問題を惹起するようなことは起こり得ない。使用によるケーブルのたわみがワイヤーを入れ替える効果を有しているので、どのワイヤーもケーブルの全長にわたって同じ他のワイヤーと隣接し続けるとは考えられない。制御され、組織化されたリボンを端だけに使用すると、上述したように1:1のマッピングによって信頼可能に且つ効率的に接続を行うことができる。
【0032】
図8に示すように、好ましい実施の形態または代替実施の形態の何れにも、柔軟なテープ100のらせん巻付けを設けることができる。テープは、コネクタ12付近のワイヤーの端部分の、ワイヤーが束からリボン化された部分34へ向かって延びるように広がる直前に巻付けられる。このテープ巻付けは、ケーブルが繰り返してたわむ場合の摩耗及び疲れ効果(特に手持ちのコード付きデバイスにとっては問題になる)を減少させるバリヤーとして働く。従って、巻付け部分はケーブルの有用寿命を引き伸ばす。巻付けられたバリヤーは、曲げが繰り返し発生するようなケーブルの端に適用される。バリヤーは、約1フィートの長さにわたって巻くことが好ましい。膨張PTFEを用いてその領域を巻くと、ケーブルの柔軟さを大幅に損なうことなく長いたわみ寿命を与えるのに効果的であることが分かった。好ましくは、テープの幅を0.5”とし、厚みを0.002”とし、巻付けピッチを0.33”とし、25gの制限された張力(束を固くしてしまうことがなく、且つたわみを制限することがないような張力)で巻付ける。
【0033】
大きい接地を有する実施の形態
図9は、本発明の代替実施の形態によるワイヤーグループ33”の代表的端部分34”の断面を示している。この代替実施の形態は、ケーブルを形成している信号輸送用ワイヤー32’に、より大きいゲージの導体112及び薄い絶縁層114が付加されていることが上述した実施の形態とは異なっている。好ましくは、絶縁される接地ワイヤー110の外径を、信号輸送用ワイヤーの外径とほぼ同一にする。このようにすると端は厚みが一定の平らなリボンになり、接地は、図10に示すように信号輸送用ワイヤー32’の間にランダムに分布するようになる。
【0034】
上述したように、信号ワイヤーは0.006”厚の誘電体によって取り囲まれている40AWG(直径0.0026”)銅線であり、総合ワイヤー外径が0.015”であることが好ましい。接地は高周波信号を輸送しないので、ある厚みの誘電体は必要ではなく、他の導体とのオーミック接触を防ぐための最小限の絶縁を必要とするだけである。従って、接地は32AWG(直径0.008”)銅線であり、名目絶縁体厚は0.0045”であって、外径は0.017”になる。
【0035】
代替実施の形態においては、接地ワイヤーは好ましい実施の形態におけるよりも小さくすることもまたは大きくすることもできるが、十分な導電性を得るために接地を信号ワイヤーよりも大幅に大きくすることが好ましい。各リボンの縁にリボン当たり2本の接地を使用すると、リボン化された区分内により不変の容量が得られ、また、もし信号ワイヤーがその縁に位置決めされていれば発生し得る何等かのエッジ効果を減少させるものと考えられる。
【0036】
しかしながら、リボン当たり正確に2本の接地を使用することも、または全ての接地をリボンの縁に設けることも必須ではない。代替実施の形態においては、接地を信号ワイヤーの間に点在させることができる。高容量が望まれ、ケーブルの重量及び直径がそれ程重要ではない場合には、接地ワイヤーと信号ワイヤーとを交互させるように、接地ワイヤーの数を信号ワイヤーの数に等しくすることも、またはそれより多くすることもできる。容量は、所望の容量(またはインピーダンス)が得られるように理論的に、または実験的に明示される選択された接地ワイヤーの数を使用することによって、各用途毎に調整することができる。ワイヤーの数は、接地ワイヤーの数と信号ワイヤーの数との比率として表すこともできる。他の代替実施の形態においては、非接地ワイヤーを普通の同軸ケーブルとしてシールドすることができる。
【0037】
より多くの接地ワイヤーを得るために、例えば接地ワイヤーを複数の信号ワイヤーのセットと交互させる(例えば、接地、信号、信号、接地、信号、信号、接地、信号、信号、接地)ように、リボンに沿ってn番目の位置毎に接地を点在させることができる。さらなる代替実施の形態においては、接地を信号ワイヤーと同一のリボン上に含ませる必要はなく、分離したワイヤーであることも、またはそれら自体のリボン内に接続することもできる。何れの場合も、中間部分においては接地を互いに他に対して、及び信号ワイヤーに対してゆるめ、それらが上述したようにランダム化の利点を活用できるようにする。
【0038】
従来技術の比較的高インピーダンスの導体を信号及び接地の両方のために使用すると、超音波用途におけるケーブルの性能が制限されるものと考えられる。詳述すれば、高インピーダンスを有する信号のための接地戻り線として高インピーダンスの導体を使用すると“信号デバイダ”効果が発生して近傍導体上に雑音を誘起させる。超音波用途に使用されている従来の同軸シールドは、より多くの金属を含んでいる(これは、低抵抗及び低インピーダンスであることを意味している)。また、同軸的にシールドされたバージョン内の隣接する信号ラインは2つのシールド(各信号導体の周りのシールド)によって分離されている。
【0039】
より大きい接地を使用すると、これらの従来のアプローチのかさ、費用、及び重量を伴わずに、より低いインピーダンス性能が得られる。ゆるいシールドと、中間部分に沿って異なる導体にランダムに結合される傾向との組合わせによって、信号導体が、ケーブルの長さの極く限られた部分の間だけ接し合う接地ワイヤーによって同じように影響を受けるようになる。
【0040】
以上に、好ましい実施の形態及び代替実施の形態に関して説明したが、本発明はそのように限定するために意図されたものではない。例えば、中間部分において互いに完全に独立しているゆるいワイヤーの代わりに、ワイヤーを複数のグループに配列し、これらのグループを他のグループに対してゆるくすることができる。これらのグループは、並列ペア、トゥイストペア、トリプル、及び他の形態を含むことができる。
【0041】
カテーテル化された実施の形態
図11は、ケーブルの少なくともある部分における柔軟性は重要ではなく、硬さ及び弾力性、並びに小直径が望まれるような用途のためのケーブル組立体200を示している。組立体は、図1に関して説明したように器械に接続される第1のたわみ可能なケーブル16を含む。第1のケーブルは柔軟であって、医療職員による操作を容易にする。第1のケーブルの自由端202は、それに取付けられた端コネクタ204を含む。トランスデューサケーブル組立体206は、自由な第1の端210と、第1のケーブルコネクタ204に接続したり、それから取り外したりできるコネクタ214が取付けられている第2の端212とを有している。
【0042】
ケーブル組立体206は、第2の端にリボン化部分220を有するケーブル束216を含む。リボン化部分はコネクタ214の要素と接続するようになっているので、リボンの順番はコネクタ上の接点の順番と対応させて結合の誤りを防いでいる。第1の端において、ワイヤーは超音波トランスデューサ222に接続される。好ましい実施の形態においては、トランスデューサ取付けのための終端パターンはケーブルのリボン化部分の間隔と一致し、選択された距離内の全ての組織の三次元イメージを得るように動作する。代替実施の形態においては、トランスデューサは、光及び超音波トランスデューサを含む医療用イメージングまたは分析に使用される如何なる他の電子デバイスまたはトランスデューサであることもできる。トランスデューサは、ワイヤーを通して送られる信号によって制御され、外科手術を遂行するためにマシンのように動作する機械的トランスデューサであることもできる。トランスデューサは、それ以外ではアクセスすることができない空間の工業検査のような、非医療動作のために使用することもできる。
【0043】
図12に示すように、中間部分のケーブル206は、図10の実施の形態のそれに極めて類似している。それは金属シールド224内にゆるく受入れられている無シールドワイヤー216と、同じくゆるく受入れられている接地ワイヤー226とを含む。シールドはカテーテル管230によって取り囲まれている。
【0044】
カテーテル管は、テフロン(登録商標)のような生物学的適合性のプラスチック材料で形成された直線状の弾力的なプラスチック管である。管は、それを圧縮した後に元の形状または位置へ戻ることができ、その元の形状への戻りが釣り竿のように強く且つ迅速であることから弾力的であると説明した。管はばねのように柔軟であり、特に小半径の曲げに耐え、軸方向の力の下での収縮に対しては比較的硬く、それに耐える。管壁は、挟みつけによる潰れに耐える十分な硬さを有しており、たとえ管が大半径で曲げられてもその外形を保持する傾向がある。管の硬さは、患者の身体内の脈管または導管内へ押し込まれる時に収縮及び曲げに耐えなければならないから重要である。収縮に耐えることによって、それは脈管の内部に加わり得る圧力及び摩擦を制限する。
【0045】
好ましい実施の形態においては、シールド内に8本の信号導体からなる10グループの他に、2本の接地ワイヤーが受入れられている。上述したように、信号ワイヤーは好ましくは50AWG(直径0.001”)銅線であり、それを0.0015”厚の誘電体壁が取り巻いて総合的なワイヤー外径は0.004”になっている。代替実施の形態においては、このワイヤーサイズは技術が許す限り小さく減少させることができる。接地は高周波数信号を輸送しないので、誘電体には厚みを必要とせず、他の導体とのオーミック接触を防ぐための最小限の絶縁を必要とするだけである。従って、接地は40AWG(直径0.0031”)銅線であり、名目絶縁体厚は0.0002”であって、外径は0.0036”になる。
【0046】
カテーテルの外径は0.065”であり、壁厚は0.005”であり、そして内側の穴の直径は0.055”である。これによって、0.0024平方インチの穴の断面積が得られる。ケーブル206は柔軟である必要がないので、空の空間はそれ程大きい必要はない(図5に示す潰れたシースとは対照的である)。上述した有利な効果を達成するためには、最小のゆるみだけがあれば、ケーブルの長さに沿ってワイヤーが互いに他に対してそれらの位置をランダムに取ることができる。
【0047】
シールド内にゆるく受入れられた無シールドワイヤーを使用することは、極めて小さいケーブルが望まれる場合(例えば、小さいカテーテル穴内に適合させたい場合)に特に有利な効果が得られる。サイズが重要ではない場合には、同軸ワイヤーまたは平行ペアのようなシールドされたワイヤーに置換することはできるが、上述した原理を使用する無シールドワイヤーは小型化にとって有利である。信号導体とシールドとの間に所与の誘電体厚を与えるための必要性によって確立された外径を有するシールドワイヤーとは対比的に、無シールドワイヤーは最小直径の導体を最小限の厚みの絶縁体と共に使用することを可能にする。
【0048】
カテーテル管の外径は、自由端におけるトランスデューサ直径と同一であることが好ましく、この直径は反対端のコネクタへの戻りの全長にわたって維持される。これは、長さに沿って一貫して滑らかな断面を与える。心臓の経食道イメージングのような代替実施の形態においては、デバイスシースより大きい直径を有するトランスデューサをデバイスの先端に配置することができるが、これは脈管内用途には不適であろう。この場合には、患者がトランスデューサを“嚥下”することによってそれを容易に所定の位置に移動させることができる。
【0049】
カテーテルの長さは、必要な処置に基づいて確立される。デバイスを大腿動脈内に挿入するような典型的な心臓イメージング処置の場合には、約40インチのカテーテル長が適当であると考えられる。挿入されるケーブル組立体206は、それが接続されているケーブル組立体16とは異なる特性を有することができる。ケーブル206の長さを制限することによって、電磁干渉は受けにくくなる(このような干渉の効果は、長さに比例して増加する)。従って、外部の柔軟なケーブル16は、大きい直径と、患者から室内の器械まで到達するのに必要なかなり長い長さにおける干渉を制限するように付加的なシールディングまたは他のワイヤリング特性とを有することができる。例えば、外部ケーブルはシールドされた同軸ワイヤー、またはカテーテル化されたケーブル206の好ましい実施の形態の無シールドワイヤーよりも大きい断面積を有する他のワイヤー設計を有することができる。
【0050】
以上に説明した実施の形態は種々に変更できることが理解されよう。従って、以上の説明は本発明を限定することを意図したものではなく、単に種々の実施の形態を例示したものに過ぎない。当業者ならば、本発明の範囲及び思想内において他の変更を考案することができよう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるケーブル組立体の斜視図である。
【図2】図1の実施の形態によるワイヤリング構成要素の斜視図である。
【図3】図1の実施の形態によるワイヤリング構成要素の端部分の拡大断面図である。
【図4】図1の実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図5】図1の実施の形態によるたわんだ状態にあるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図6】本発明の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図7】図6の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図8】本発明の代替実施の形態によるケーブル組立体の破断図である。
【図9】本発明のさらなる代替実施の形態によるケーブル組立体構成要素の拡大断面図である。
【図10】図9の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【図11】本発明のさらなる代替実施の形態によるケーブル組立体の斜視図である。
【図12】図11の代替実施の形態によるケーブル組立体の拡大断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル組立体であって、
第1の端、及び反対側の第2の端を各々が有している複数のワイヤーを含み、
前記ワイヤーは前記第1の端と第2の端との間に中間部分を有し、前記中間部分は互いに他から切り離されており、
前記ワイヤーの中間部分をゆるく包み込んでいる導電性シールドを更に含み、
前記シールド及びワイヤーは弾力的なカテーテルシース内に受入れられている、
ことを特徴とするケーブル組立体。
【請求項2】
前記カテーテルは、生物学的適合性のプラスチック材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項3】
前記カテーテルは、力が加えられない場合には直線位置に戻る形状記憶を有する細長いボディであることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項4】
前記第1の端において各ワイヤーに接続されているトランスデューサを含むことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項5】
前記トランスデューサは、医療用イメージングトランスデューサであることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項6】
前記トランスデューサは、3D超音波デバイスであることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項7】
前記トランスデューサは、前記カテーテル内に収容されていることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項8】
前記ワイヤーは、それらの第2の端においてリボン化されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項9】
前記各ワイヤーは、互いに他のワイヤーに対してシールドされていないことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項10】
前記ワイヤーは、前記中間部分の長さに沿う異なる位置において、互いに他に対して異なる配列を呈することを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項11】
シールド内にゆるく保持されているワイヤーを有する第2の接続されたケーブルセグメントと、前記カテーテルシースの曲げ抵抗よりも小さい曲げ抵抗を有する柔軟なシースとを含むことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項12】
医療用トランスデューサ組立体であって、
穴を限定している細長い弾力的なカテーテル管と、
第1の端及び反対側の第2の端を各々が有している複数のワイヤーと、
を含み、
前記ワイヤーは前記第1の端と第2の端との間に中間部分を有し、前記中間部分は互いに他から切り離されて前記カテーテル穴内に受入れられており、
前記ワイヤーの全てをゆるく包み込み且つ前記カテーテル穴内に受入れられている導電性シールドを更に含み、
前記ワイヤーの中間部分は前記シールド内にゆるく受入れられており、
前記ワイヤーの第1の端に接続されている医療用トランスデューサを更に含む、
ことを特徴とする医療用トランスデューサ組立体。
【請求項13】
前記カテーテルは、生物学的適合性のプラスチック材料で形成されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項14】
前記カテーテルは、力が加えられない場合には直線位置に戻る形状記憶を有する細長い柔軟なボディであることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項15】
前記トランスデューサは、イメージングトランスデューサであることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項16】
前記トランスデューサは、前記カテーテル内に収容されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項17】
前記ワイヤーは、それらの第2の端においてリボン化されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデュ−サ組立体。
【請求項18】
前記各ワイヤーは、少なくとも幾つかの前記他のワイヤーの絶縁層と直接接触している絶縁層によって取り囲まれている導体を含むことを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項19】
前記各ワイヤーは、互いに他のワイヤーに対してシールドされていないことを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項20】
前記ワイヤーは、前記中間部分の長さに沿う異なる位置において、互いに他に対して異なる配列を呈することを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項1】
ケーブル組立体であって、
第1の端、及び反対側の第2の端を各々が有している複数のワイヤーを含み、
前記ワイヤーは前記第1の端と第2の端との間に中間部分を有し、前記中間部分は互いに他から切り離されており、
前記ワイヤーの中間部分をゆるく包み込んでいる導電性シールドを更に含み、
前記シールド及びワイヤーは弾力的なカテーテルシース内に受入れられている、
ことを特徴とするケーブル組立体。
【請求項2】
前記カテーテルは、生物学的適合性のプラスチック材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項3】
前記カテーテルは、力が加えられない場合には直線位置に戻る形状記憶を有する細長いボディであることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項4】
前記第1の端において各ワイヤーに接続されているトランスデューサを含むことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項5】
前記トランスデューサは、医療用イメージングトランスデューサであることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項6】
前記トランスデューサは、3D超音波デバイスであることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項7】
前記トランスデューサは、前記カテーテル内に収容されていることを特徴とする請求項2に記載のケーブル組立体。
【請求項8】
前記ワイヤーは、それらの第2の端においてリボン化されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項9】
前記各ワイヤーは、互いに他のワイヤーに対してシールドされていないことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項10】
前記ワイヤーは、前記中間部分の長さに沿う異なる位置において、互いに他に対して異なる配列を呈することを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項11】
シールド内にゆるく保持されているワイヤーを有する第2の接続されたケーブルセグメントと、前記カテーテルシースの曲げ抵抗よりも小さい曲げ抵抗を有する柔軟なシースとを含むことを特徴とする請求項1に記載のケーブル組立体。
【請求項12】
医療用トランスデューサ組立体であって、
穴を限定している細長い弾力的なカテーテル管と、
第1の端及び反対側の第2の端を各々が有している複数のワイヤーと、
を含み、
前記ワイヤーは前記第1の端と第2の端との間に中間部分を有し、前記中間部分は互いに他から切り離されて前記カテーテル穴内に受入れられており、
前記ワイヤーの全てをゆるく包み込み且つ前記カテーテル穴内に受入れられている導電性シールドを更に含み、
前記ワイヤーの中間部分は前記シールド内にゆるく受入れられており、
前記ワイヤーの第1の端に接続されている医療用トランスデューサを更に含む、
ことを特徴とする医療用トランスデューサ組立体。
【請求項13】
前記カテーテルは、生物学的適合性のプラスチック材料で形成されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項14】
前記カテーテルは、力が加えられない場合には直線位置に戻る形状記憶を有する細長い柔軟なボディであることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項15】
前記トランスデューサは、イメージングトランスデューサであることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項16】
前記トランスデューサは、前記カテーテル内に収容されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項17】
前記ワイヤーは、それらの第2の端においてリボン化されていることを特徴とする請求項12に記載のトランスデュ−サ組立体。
【請求項18】
前記各ワイヤーは、少なくとも幾つかの前記他のワイヤーの絶縁層と直接接触している絶縁層によって取り囲まれている導体を含むことを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項19】
前記各ワイヤーは、互いに他のワイヤーに対してシールドされていないことを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【請求項20】
前記ワイヤーは、前記中間部分の長さに沿う異なる位置において、互いに他に対して異なる配列を呈することを特徴とする請求項12に記載のトランスデューサ組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−505341(P2006−505341A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551407(P2004−551407)
【出願日】平成15年5月27日(2003.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/016554
【国際公開番号】WO2004/044928
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(501289751)タイコ・ヘルスケア・グループ・リミテッド・パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年5月27日(2003.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/016554
【国際公開番号】WO2004/044928
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(501289751)タイコ・ヘルスケア・グループ・リミテッド・パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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