説明

カバーの取外手段とそれを備えたカバー

【課題】従来のカバーは、付属部の保護や脱落防止が目的であるため着脱自在であった。よって、カバーを取外し付属部を不正に操作することが容易であった。そこで、カバーを取外した場合にはその痕跡が残るカバーの取外手段とそれを備えたカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】カバーに設けた嵌合爪と本体に設けた嵌合孔により、カバーは本体と嵌合して装着され、その嵌合部を嵌合した状態でカバーから分離することにより取外すことが可能となるカバーの取外手段とすることにより、カバー装着後は付属部を操作することができず、カバーを取外したときには痕跡が残せるため、着脱容易であるが不正を防止するカバーの取外手段とそれを備えたカバーを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に装着し該本体に設けた付属部を覆うカバーを取外す手段とそれを備えたカバーに係り、不正に付属部を操作できない構造としたカバーの取外手段とそれを備えたカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の本体に設けた付属部を覆うカバーは、付属部の保護や付属部品の脱落防止が目的であり、着脱自在であることが一般的であった。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のカバーは着脱自在であるために、カバーを取外すことは容易であり、不正に付属部を操作することが可能であるという問題があった。そこで、装着後は取外すことができない構造のカバーとすることも考えられるが、メンテナンス性が悪くなるという問題があった。
【0004】
そこで本発明のカバーの取外手段とそれを備えたカバーは上記の問題を解決可能なカバーの取外手段とそれを備えたカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、
〔1〕本体に装着し該本体に設けた付属部を覆うカバーにおいて、カバーを取外す手段であって、カバーに設けた嵌合爪と本体に設けた嵌合孔により、カバーは本体と嵌合して装着され、その嵌合部を嵌合した状態でカバーから分離することにより取外すことが可能となることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の取外手段において、本体はスイッチであるとともに、本体に設けた付属部はコネクタ接続部であることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕記載の取外手段を備えたことを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面にスリット及び結合部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設したことを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載のカバーにおいて、嵌合部を押さえながら胴体部を抜脱方向に移動させ、底面に形成した結合部を切断することで、嵌合部をカバーからを分離させることを特徴とする。
〔6〕上記〔3〕記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、スリットを形成した底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面外側のスリット上に爪部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設し、爪部を倒すことでカバーから嵌合部を分離させることを特徴とする。
〔7〕上記〔3〕記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、略円形状の薄肉部を形成した底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面外側の薄肉部上に突起部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設し、突起部を引っ張ると追従して薄肉部が剥離することでカバーから嵌合部を分離させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)カバー装着後は、本体の付属部を操作することができない。
(2)本体に容易に装着が可能であるが、嵌合部をカバーから分離しないかぎり取外すことができない。
(3)嵌合部をカバーから分離することで、カバーを取外した痕跡を残すことができる。
(4)工具を使用しなくても、容易に取外しができる。
(5)爪部を設けることで、さらに容易に取外しができる。
(6)多数の爪部を設けることで、誤って数個の爪部を折ってしまってもカバーを取外すことができず、意図的に折った場合との判別ができる。
(7)薄肉部を剥離する構造とすることで、意図的に作業しないかぎりカバーを取外すことができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、本体に装着し該本体に設けた付属部を覆うカバーにおいて、カバーを取外す手段であって、カバーに設けた嵌合爪と本体に設けた嵌合孔により、カバーは本体と嵌合して装着され、その嵌合部を嵌合した状態でカバーから分離することにより取外すことが可能となる。よって、装着後は付属部を操作することができず、着脱が容易でありながら、取外すにはカバーの嵌合部を分離しなければならないため、不正に付属部を操作したときには痕跡が残る不正防止機構を具備することが可能となる。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第一実施例を表すカバーの斜視図、図2はそのカバーであり、、図2(a)はそのカバーの平面図を、図2(b)はそのカバーの側面図を、図2(c)はそのカバーの底面図を、図2(d)はそのカバーのA−A断面図を示している。図3は本発明の第一実施例を表すカバーをスイッチに装着時の斜視図、図4は本発明の第一実施例を表すカバーをスイッチに装着時の要部断面図、図5は本発明の第一実施例を表すカバーの取外し時の要部断面図であり、図5(a)は取外し前を、図5(b)は取外し後を示している。図6は本発明の第二実施例を表すカバーの斜視図、図7は本発明の第三実施例を表すカバーの斜視図を示している。図8は本発明の第四実施例を表すカバーであり、図8(a)はそのカバーの斜視図を、図8(b)はそのカバーの底面図を、図8(c)はそのカバーのB−B断面図を示している。
【0010】
図1から図5において、1は略筒状の胴体部、2は嵌合部、3は底面に形成した略半円形のスリット、4は底面に嵌合部2を結合している結合部、5はスイッチ本体11に設けられた嵌合孔12と嵌合する嵌合爪、6はスイッチ本体11に設けられたコネクタ接続部13を収納する収納部、10は上記したハウジング1及び底面部2からなるカバーであり、11はカバー10を装着するスイッチ本体である。
【0011】
以上のことから、スイッチ本体11にカバー10を被せて押込むと、スイッチ本体11に設けられた嵌合孔12にカバー10の嵌合爪5が嵌合し、図3に示すようにスイッチ本体11にカバー10が装着され、図4に示すようにコネクタ接続部13は収納部6に収納される。
【0012】
以上のように構成された、本発明のカバーは、スイッチ本体11に設けられた嵌合孔12に嵌合爪5を嵌合することで装着され、装着後はコネクタを抜き差しすることができない。そして、図5に示すように嵌合部2を押さえ胴体部1を抜脱方向へ移動させ底面に形成された結合部4を切断することにより嵌合部2をカバー10から分離することで取外しが可能となる。
【0013】
このように、本実施例に示すカバーは、嵌合部2をカバー10から分離させなければ取外しができない構成としたという特徴を有している。
【0014】
さらに、嵌合部2をカバー10から分離させなければ取外しができない構成としたことにより、カバー10を取外したときにはその痕跡を残すことができるため、カバー10を不正に取外すことができないという特徴を有している。
【0015】
本実施例ではカバー10の形状を略円筒状としているが、本体の形状に合わせて他の形状としてもよく、また、取外手段として嵌合部2を押さえ胴体部1を抜脱方向へ移動させ嵌合部2に形成された結合部4を切断するとしているが、嵌合部2の外側にツマミを設けて該ツマミを押さえながら胴体部1を回転させることで結合部4を切断してもよく、種々の方法が考えられる。
【0016】
図6は本発明の第二実施例を示す底面外側のスリット3上に爪部7を設けたカバーの図である。この実施例では爪部7を倒すことでカバー10から嵌合部2を分離することができるため、より容易にカバーを取外すことができる。
【0017】
図7は本発明の第三実施例を示す底面外側のスリット3上に複数の爪部7を設けたカバーの図である。第二実施例で示したように爪部7を設けたことでより容易にカバーを取外すことができるが、誤って爪部7を倒してしまい意図せずにカバーが外れてしまう可能性が生じる。そこで、この実施例では複数の爪部7を設けたことにより、誤って爪部7を倒してしまっても少なくとも1箇所以上の爪部7が倒れなければ、嵌合部2は分離しないため、カバーが誤って外れてしまうことを防ぐことができる。
【0018】
図8は本発明の第四実施例を示す底面に略円形状の薄肉部8を形成するとともに底面外側の薄肉部8上に突起部9を設けたカバーの図である。この実施例では突起部9を引っ張ると追従して薄肉部8が剥離してカバー10から嵌合部2を分離する構成としているため、意図的でないとカバーが取外しできない。
【0019】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のカバーの取外手段とそれを備えたカバーは、カバーを取外した場合には痕跡を残すことができる取外手段とそれを備えたカバーであり不正防止カバーとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施例を表すカバーの斜視図である。
【図2】本発明の第一実施例を表すカバーの図である。
【図3】本発明の第一実施例を表すカバーのスイッチに装着時の斜視図である。
【図4】本発明の第一実施例を表すカバーのスイッチに装着時の要部断面図である。
【図5】本発明の第一実施例を表すカバーの取外し時の要部断面図である。
【図6】本発明の第二実施例を表すカバーの斜視図である。
【図7】本発明の第三実施例を表すカバーの斜視図である。
【図8】本発明の第四実施例を表すカバーの図である。
【符号の説明】
【0022】
1 胴体部
2 嵌合部
3 スリット
4 結合部
5 嵌合爪
6 収納部
7 爪部
8 薄肉部
9 突起部
10 カバー
11 スイッチ本体
12 嵌合孔
13 コネクタ接続部
14 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に装着し該本体に設けた付属部を覆うカバーにおいて、カバーを取外す手段であって、カバーに設けた嵌合爪と本体に設けた嵌合孔により、カバーは本体と嵌合して装着され、その嵌合部を嵌合した状態でカバーから分離することにより取外すことが可能となることを特徴とするカバーの取外手段。
【請求項2】
請求項1記載の取外手段において、本体はスイッチであるとともに、本体に設けた付属部はコネクタ接続部であることを特徴とするカバーの取外手段。
【請求項3】
請求項1または2記載の取外手段を備えたことを特徴とするカバー。
【請求項4】
請求項3記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面にスリット及び結合部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設したことを特徴とするカバー。
【請求項5】
請求項4記載のカバーにおいて、嵌合部を押さえながら胴体部を抜脱方向に移動させ、底面に形成した結合部を切断することで、嵌合部をカバーからを分離させることを特徴とするカバー。
【請求項6】
請求項3記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、スリットを形成した底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面外側のスリット上に爪部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設し、爪部を倒すことでカバーから嵌合部を分離させることを特徴とするカバー。
【請求項7】
請求項3記載のカバーにおいて、前記カバーは一方が開口した略筒状であって、略円形状の薄肉部を形成した底面の内側に嵌合爪を形成するとともに、底面外側の薄肉部上に突起部を形成することにより嵌合爪を備えた嵌合部を形設し、突起部を引っ張ると追従して薄肉部が剥離することでカバーから嵌合部を分離させることを特徴とするカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−164064(P2009−164064A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2748(P2008−2748)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】