説明

カベルゴリンおよびその新規多形形態の製造方法

本願は、TAME型カベルゴリンと称される、カベルゴリンおよびt−アミルメチルエーテルを含むカベルゴリンの新規多形体形態、ならびにカベルゴリンの新規製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カベルゴリンの新規多形形態に関する。さらに、本発明は、カベルゴリンの新規製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
カベルゴリンは、系統名1−((6−アリルエルゴリン−8β−イル)−カルボニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル尿素をもち、下記式(I):
【化1】

で示されるエルゴリン誘導体である。
【0003】
それは、CNS障害、可逆性閉塞性気道疾患、プロラクチン阻害を含む多くの疾患の治療、ならびに眼内圧の制御および緑内障の治療が知られている。
【0004】
カベルゴリンをもたらす合成経路の最終工程では、式(II):
【化2】

で示されるアリル酸中間体をN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDAC)と反応させて、カベルゴリンが得られる、すなわち、
【化3】

【0005】
この経路によるカベルゴリンの公知の製造方法では、式(II)で示される中間体、EDAC(III)およびトリエチルアミンの混合物をジメチルホルムアミドの存在下にて反応させ、次いで、ジクロロメタンで抽出する(例えば、非特許文献1を参照)。
【0006】
このようにして製造されたカベルゴリンを、次に、精製工程(カラムクロマトグラフィー、および種々の溶媒からの結晶化を含む)に付すことができ、医薬製剤への配合のための所望の多形に変換することができる。典型的な精製方法は、種々の溶媒からの分別結晶化、および溶媒抽出法を含む。これらは、式(IV)で示される望ましくないカベルゴリン異性体を含む不純物を除去すること、および本質的に所望のカベルゴリン多形からなる生成物を生成することを目的とする。
【化4】

【0007】
加えて、該方法は、しばしば、所望の多形への変換および/または賦形剤による製剤化などの前の貯蔵に適している安定な純粋形態のカベルゴリンを生成するように設計される。
【0008】
数多くの様々な形態のカベルゴリンが知られており、例えば、特許文献1には、II型カベルゴリンが記載されており、特許文献2には、VII型カベルゴリンが記載されている。
【0009】
I型カベルゴリンは、特に興味深いものであり、その製造法は、特許文献3、特許文献4および特許文献5に記載されている。特許文献3から、トルエン/ジエチルエーテル混合物を含む溶媒から結晶性I型カベルゴリンを製造することが知られている。特許文献4および特許文献5から、カベルゴリンおよびトルエンの溶媒和物を製造し、該溶媒和物を乾燥させることにより結晶性I型カベルゴリンを得ることが知られている。
【0010】
本出願人の特許文献6には、溶媒として、n−ヘプタンと組み合わせてもよい、エチルベンゼンを使用して所望の粒度分布を有するI型カベルゴリンを高収率および高純度で製造する方法が記載されており、クレームに記載されている。特許文献6には、また、カベルゴリンのエチルベンゼン溶媒和物が記載されている。本出願人の特許文献7および特許文献8には、溶媒として、n−ヘプタンと組み合わせてもよい、4−フルオロトルエン、1−クロロ−4−フルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼンまたは1,3,5−トリメチルベンゼンを使用して所望の粒度分布を有する1型カベルゴリンを高収率および高純度で製造する方法が記載されており、クレームに記載されている。
【0011】
カベルゴリンの一連の多形は、特許文献9にも記載されている。
【0012】
さらに詳しくは、カベルゴリンの典型的な製造方法では、適当な反応媒体中にて式(II)で示されるアリル酸をEDACと反応させる。例えば、反応媒体としてジメチルホルムアミドを使用する(Bramilla et al.の方法におけるように)ことができるか、または、別法として、アセトニトリルを使用することができる。様々な溶媒抽出工程の後、カベルゴリン溶液が得られ、これは、さらなる精製のため、および、医薬製剤への配合に望ましい多形を生成するための出発物質として使用することができる(例えば上記特許文献6および特許文献7および特許文献8の方法による)。
【特許文献1】WO 01/72747
【特許文献2】WO 01/72746
【特許文献3】WO 01/70740
【特許文献4】WO 03/078392
【特許文献5】WO 03/078433
【特許文献6】WO 05/105796
【特許文献7】英国特許出願第0505965.4号
【特許文献8】英国特許出願第0515430.7号
【特許文献9】WO 2004/101510
【非特許文献1】“Synthesis and nidation inhibitory activity of a new class of ergoline derivatives”, Brambilla, E. et al.; Eur. J. Chem. 24(1989)421-426
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しばしば、上記反応スキームから得られた溶液を精製してそれを所望の多形へすぐに変換したりする必要はなく、最終使用のための貯蔵に好都合であり得る。明らかに、その容量の点から溶液を貯蔵するのは不都合であり、カベルゴリンを固体形態で貯蔵することが有利である。しかしながら、該溶液がカベルゴリンのアセトニトリル中溶液である場合、アセトニトリルを簡単に留去することによって油だけしか入手できないので、該溶液から直接カベルゴリンを得るのは実行不可能である。また、蒸発およびアセトニトリル溶液から固体カベルゴリンを得るための他の利用可能な技術は、しばしば、カベルゴリン異性体(例えば、上記式(IV)で示される異性体)を含む不純物がカベルゴリンに混入したものであり得る不純な生成物を生じる。
【0014】
本発明は、研究により、カベルゴリンならびにその多形および溶媒和物の生成における種々の溶媒の使用を導くものであり、特に、格別に高い化学的および多形的純度を有し、かつ、大量に貯蔵するのに特に役立つ特性を有するカベルゴリンの新規形態を生成するという問題に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に導く研究プログラムでは、上記合成方法を、式(II)で示される中間体およびEDACの反応のための反応媒体としてまたは該反応媒体の成分としてトリフルオロメチルベンゼン(BTF)を使用することにより変更した。BTFを使用することにより、望ましくないカベルゴリン異性体の割合が、ジメチルホルムアミドを使用した場合(Brambilla et al.の方法のように)よりも低いこと、および抽出溶媒としてのジクロロメタンの使用の環境問題を回避することができることが見出された。また、該方法により得られたカベルゴリンが望ましくない異性体(式(IV)で示される異性体を含む)を、上記したいずれかの従来法、すなわち、反応媒体としてジメチルホルムアミドを使用するBramilla et al.の方法およびアセトニトリルを使用する方法におけるよりも低い割合しか含まないことが判明した。
【0016】
本発明のさらなる態様では、比較的不純なカベルゴリンの精製のための抽出溶媒としてt−アミルメチルエーテル(TAME)を使用した。驚くべきことに、t−アミルメチルエーテル溶媒和物が高い純度状態で直接容易に単離され得ること、および、必要に応じてこの溶媒和物が所望のカベルゴリン多形に変換するための製造において貯蔵され得ることが判明した。また、TAMEが既に部分精製された生成物からの純粋な多形的に均一なカベルゴリンの製造において有用であることも判明した。
【0017】
かくして、本発明は、一の態様によると、高い化学的および多形的純度を有する新規固体形態のカベルゴリンの製造方法であって、t−アミルメチルエーテルを含む溶媒でカベルゴリン溶液を形成し、該溶液から該固体形態を回収することを含む、方法を提供する。
【0018】
本発明は、また、カベルゴリンの新規t−アミルメチルエーテル溶媒和物を提供する。該溶媒和物は、カベルゴリンの公知の多形と異なるものであり、本明細書にて「TAME型カベルゴリン」と称される。
【0019】
本発明のさらなる態様によると、約13.99、15.63、16.16、16.68、17.06、17.78、20.78、21.68、23.40、23.48および25.88の2θ(°)で表されるピークを含むX線回折図を示すTAME型カベルゴリンが提供される。
【0020】
本発明の別の態様によると、表1のX線回折図を示すTAME型カベルゴリンが提供される。
【0021】
本発明は、また、図4bに示されるX線粉末回折図と実質的に同一のX線粉末回折図を示すTAME型カベルゴリンを提供する。
【0022】
したがって、本発明は、他の多形を2wt%未満しか含まないTAME型カベルゴリンを提供する。
【0023】
好ましくは、TAME型カベルゴリンは、他の多形を1wt%未満しか含まない。
【0024】
より好ましくは、TAME型カベルゴリンは、他の多形を0.5wt%未満しか含まない。
【0025】
最も好ましくは、TAME型カベルゴリンは、他の多形を0.1wt%未満しか含まない。
【0026】
実施例においてさらに詳しく記載する本発明の方法では、t−アミルメチルエーテルを含む溶媒にカベルゴリンを溶解することができ、該溶液を5℃またはそれ以下の温度に冷却することができる。本発明の第一の態様によると、該溶媒は、好ましくは、t−アミルメチルエーテルを少なくとも75容量%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%含む。特定の実施態様では、該溶媒は、t−アミルメチルエーテルのみからなる。
【0027】
別法として、例えば、カベルゴリンの合成のための製造方法の一部として、水性相からカベルゴリンを抽出するための溶媒としてt−アミルメチルエーテルを使用することができる。かくして、本発明のさらなる態様によると、高い化学的および多形的純度を有する新規固体形態のカベルゴリンの製造方法であって、t−アミルメチルエーテルを含む溶媒を使用してカベルゴリンをその水溶液から抽出し、t−アミルメチルエーテル相から該固体形態を回収することを含む方法が提供される。
【0028】
好ましくは、溶媒は、t−アミルメチルエーテルを少なくとも75容量%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%含む。特定の実施態様では、溶媒は、t−アミルメチルエーテルのみからなる。
【0029】
下記実施例でさらに詳しく記載される本発明の実施態様では、t−アミルメチルエーテルからなる溶媒にカベルゴリンを溶解する。これは、好都合には室温以上、典型的には約30〜60℃、好ましくは約40〜50℃で行われ、得られた溶液を好ましくは濾過して粒状物を除去する。次いで、溶液の温度を20〜30℃またはそれ以下、好ましくは26〜28℃へ下げ、カベルゴリン/t−アミルメチルエーテル溶媒和物の沈殿物が形成される。これは、撹拌すること、および、例えば結晶性I型カベルゴリンを使用して播種することにより、促進できる。
【0030】
次いで、得られた懸濁液を、好都合には、さらに、例えば0〜5℃に冷却してもよく、この温度で10〜20時間保持してもよい。
【0031】
次いで、得られたスラリーを濾過して固体を回収することができ、該固体を、例えば少量のt−アミルメチルエーテルで洗浄してもよく、次いで、乾燥させて高純度のカベルゴリン/t−アミルメチルエーテル溶媒和物が得られる。該生成物は、真空下または不活性ガス雰囲気下にて乾燥させることができる。該生成物は新規多形であると決定され、本発明者らは「TAME型カベルゴリン」と命名した。
【0032】
TAME型カベルゴリンは、さらに、高純度のカベルゴリンを生じるという利点を有するカベルゴリンの他の形態の生成に使用することができる。したがって、本発明は、TAME型カベルゴリンをI型カベルゴリンへ変換することを含む、I型カベルゴリンの製造方法を提供する。
【0033】
本発明の一の態様では、TAME型カベルゴリンを乾燥させてt−アミルメチルエーテル溶媒を除去し、次いで、得られたカベルゴリンをI型カベルゴリンに変換する。
【0034】
本発明の別の態様では、TAME型カベルゴリンまたはその乾燥により得られたカベルゴリンを、トルエン、エチルベンゼン、4−フルオロトルエン、1−クロロ−4−フルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンまたはキシレンを含む溶媒に溶解し、得られた溶液からI型カベルゴリンが回収される。
【0035】
本発明のさらなる態様によると、トリフルオロメチルベンゼンを含む溶媒中にて式(II):
【化5】

で示される化合物をEDAC:
【化6】

と反応させることを含む、カベルゴリンの製造方法が提供される。
【0036】
好ましくは、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDAC・HCl)をトリフルオロメチルベンゼン(BTF)およびアルカリ水溶液と合わせ、EDACのBTF中溶液を回収する。
【0037】
より好ましくは、このEDACのBTF中溶液を式(II)で示される化合物のBTF中懸濁液と合わせる。
【0038】
本発明のさらなる態様では、反応混合物を35〜38℃の温度に加熱する。
【0039】
ここで、以下の実施例において、添付した図面を引用しながら本発明をさらに詳しく記載する。
【0040】
図1aおよび1bは、それぞれ、−30℃および周囲温度での実施例2の生成物(TAME型カベルゴリンと称される)の13C CPMASスペクトルを示す。
図2は、TAME型カベルゴリンの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
図3は、TAME型カベルゴリンのDRIFT IRスキャンを示す。
図4aおよび4bは、TAME型カベルゴリンのX線回折図を示す。
図5aおよび5bは、TAME型カベルゴリンの粒度測定の結果を示す。
【実施例】
【0041】
実施例1:カベルゴリンの合成
トリフルオロメチルベンゼン(BTF)および25%w/w炭酸カリウム水溶液の撹拌混合物にN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDAC・HCl)を添加する。透明な二相溶液が得られるまで該混合物を撹拌する。相を分離させ、下部水性層を廃棄する。上部有機層を無水炭酸カリウムと一緒に撹拌し、濾過して、EDACのBTF中溶液を得る。
【0042】
式(II)で示される化合物のBTF中懸濁液を18〜24℃で撹拌し、EDACのBTF中溶液の必要量を加える。次いで、得られた懸濁液を35〜38℃の温度に加熱し、反応が完了するまでこの温度を維持する。該溶液を濾過し、精製水を添加する。次いで、氷酢酸を添加してpHを5.0〜5.5にする。上部水性相を分取する。該上部水性相にt−ブチルメチルエーテルを添加し、20%w/w水酸化カリウムを添加して混合物をpH9.5〜10.0に調整する。
【0043】
層を分離させ、下部水性層をt−ブチルメチルエーテルで抽出する。2つの上部有機層を合わせ、13%塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。次いで、上部有機層を分取し、チャコールと一緒に撹拌する。次いで、該混合物を濾過し、35〜38℃で約2〜3容量に真空濃縮する。アセトニトリルを添加し、約2〜3容量への35〜38℃での真空蒸留により溶媒を交換する。
【0044】
次いで、例えば上記国際特許出願公開WO 05/105796ならびに英国特許出願第0505965.4号および第0515430.7号の方法によって、得られたアセトニトリル溶液を、医薬製剤への配合に望ましい多形を生成するための出発物質として使用することができる。
【0045】
実施例2:TAME溶媒和物の形成
カベルゴリン(4.0g)をt−アミルメチルエーテル10mlに溶解し、50℃に設定した加熱マントル上に放置した。温度が41℃に達してから15分後に透明溶液が得られた。該溶液を0.45ミクロンフィルターで濾過し、得られた溶液を20〜26℃に冷却し、1%w/wの純粋なI型カベルゴリンを播種した。
【0046】
27℃で結晶化が始まり、得られた懸濁液を0〜5℃に冷却し、16.5時間にわたってこの温度で保持した。得られた白色固体を窒素雰囲気下で濾過した。得られた生成物は、3.55gの湿重量であり、回収率88.8%に相当する。
【0047】
該生成物の試料について13C質量分析、示差走査熱量測定(DSC)、DRIFT IR、DSC、X線結晶解析、ガスクロマトグラフィー、HPLCおよび粒度分析を行い、、新しい結晶形のものであると決定した。また、該生成物は、非常に高純度のものであること、および式(IV)で示されるカベルゴリン異性体を含まないことが判明した。
【0048】
分析結果
1.13C CPMASスペクトル
実施例2の生成物の2つの試料について−30℃および室温で13C CPMAS分光測定を行った。結果をそれぞれ図1aおよび1bに示す。
【0049】
試料は、非常に純粋であることが判明し、いずれもの異性体または他の多形体の存在を示さなかった。細線(図1bの周囲トレースにおいて「s」と標識されている)は、溶媒(t−アミルメチルエーテル)に由来すると考えられる。
【0050】
−30℃トレースと周囲温度トレース(顕著には、32ppmおよび43.2ppm)との強度差は、カベルゴリンNMe2側鎖の動きの変化によるものと考えられる。
【0051】
2.X線結晶解析
X線結晶解析は、実施例2の生成物が単一の多形からなることを示した。
【0052】
実験
平板θ/2θ形状で、Ni濾過Cukα照射(λ=1.5418A)を使用して、自動Philips PW 1050/30 X線回折計にて、室温でX線粉末回折データを集めた。1ステップ当たり2秒のスキャン時間および1秒の遅延時間をもって、5〜70°2θの範囲で0.05°ずつデータを集めた。該試料を実験前に−20℃で貯蔵した。
【0053】
被験試料についてのX線粉末回折図を図4aおよび4bに示し、測定したピークデータを表1に示す。
【0054】
XRD図は強いが、ピーク広幅化を示した。この広幅化は、小さい粒度の結果であり、比較的低い結晶化度を反映する。測定データを公知の多形体および溶媒和化形態についての回折図と比較した。該データは、I型、II型または溶媒和化したV型に対応していない。該データを変換して、CoKα照射を使用して集めた特許出願PCT/US2004/014357に示されているものと比較した。明らかなマッチがないことは明らかである。
【0055】
【表1】

【0056】
3.ガスクロマトグラフィー
以下の装置および条件を用いて、実施例2の生成物をガスクロマトグラフィー処理した。
【0057】
装置
以下のものからなるGCシステム:
調整したヘリウム、窒素および空気ガスキャリヤー
自動インジェクター
サーモスタット付カラムオーブン、注入口およびFID検出器
【0058】
試薬
tert−アミルメチルエーテル
HPLC用ジメチルホルムアミド(DMF)(溶解用溶媒)
【0059】
クロマトグラフィー条件
【表2】

【0060】
近似的保持時間
tert−アミルメチルエーテル 4.84分
標準調製 0.0mg/mL〜2.724mg/mL
【0061】
濃度に対してプロットすると、ピーク面積は高直線性を示した。試料は、TAMEを18.75%含有していた。
【0062】
4.DSC、DRIFT IR、粒度分析
図2、3、5aおよび5bのデータは、TAME型カベルゴリンの純度および優れた粒度分布を裏付ける。HPLC分析は、該物質が純度99.8%を有することを示した。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1aおよび1bは、それぞれ、−30℃および周囲温度での実施例2の生成物(TAME型カベルゴリンと称される)の13C CPMASスペクトルを示す。
【図2】図2は、TAME型カベルゴリンの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図3】図3は、TAME型カベルゴリンのDRIFT IRスキャンを示す。
【図4】図4aおよび4bは、TAME型カベルゴリンのX線回折図を示す。
【図5】図5aおよび5bは、TAME型カベルゴリンの粒度測定の結果を示す。
【図1a(1)】

【図1a(2)】

【図1b(1)】

【図1b(2)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
TAME型カベルゴリンと称される、カベルゴリンおよびt−アミルメチルエーテルを含むカベルゴリンの溶媒和物。
【請求項2】
約13.99、15.63、16.16、16.68、17.06、17.78、20.78、21.68、23.40、23.48および25.88の2θ(°)で表されるピークを含むX線回折図を示す、請求項1記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項3】
実質的に図4bに示されるX線粉末回折図を有する請求項2記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項4】
他の多形を2wt%未満しか含まない、請求項1〜3いずれか1項記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項5】
他の多形を1wt%未満しか含まない、請求項4記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項6】
他の多形を0.5wt%未満しか含まない、請求項5記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項7】
他の多形を0.1wt%未満しか含まない、請求項6記載のTAME型カベルゴリン。
【請求項8】
t−アミルメチルエーテルを含む溶媒にカベルゴリンを溶解し、得られた溶液からTAME型カベルゴリンを回収することを含む、請求項1〜7いずれか1項記載のTAME型カベルゴリンの製造方法。
【請求項9】
溶液が5℃またはそれ以下の温度に冷却される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
溶液が0〜5℃の温度に冷却される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
溶媒がt−アミルメチルエーテルを少なくとも75容量%含む、請求項8〜10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
溶媒がt−アミルメチルエーテルを少なくとも95容量%含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
溶媒がt−アミルメチルエーテルを少なくとも98容量%含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
TAME型カベルゴリンが濾過により回収される、請求項8〜14いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
回収されたTAME型カベルゴリンが乾燥される、請求項8〜15いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
回収されたTAME型カベルゴリンが不活性ガス雰囲気下で乾燥される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
回収されたTAME型カベルゴリンが真空乾燥される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
トリフルオロメチルベンゼンを含む溶媒中にて式(II):
【化1】

で示される化合物をEDAC:
【化2】

と反応させることを含む、カベルゴリンの製造方法。
【請求項19】
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDAC・HCl)がトリフルオロメチルベンゼン(BTF)およびアルカリ水溶液と合わせられ、EDACのBTF中溶液が回収される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
EDACのBTF中溶液が式(II)で示される化合物のBTF中懸濁液と合わせられる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
t−アミルメチルエーテルを含む溶媒を使用して水溶液からカベルゴリンを抽出することを含む、カベルゴリンの精製方法。
【請求項22】
カベルゴリンの水溶液が請求項18〜20いずれか1項記載の反応の水性後処理の結果物である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
TAME型カベルゴリンをI型カベルゴリンに変換させることを含む、I型カベルゴリンの製造方法。
【請求項24】
TAME型カベルゴリンが乾燥されてt−アミルメチルエーテル溶媒が除去され、次いで、得られたカベルゴリンがI型カベルゴリンに変換される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
TAME型カベルゴリンまたはカベルゴリンがトルエン、エチルベンゼン、4−フルオロトルエン、1−クロロ−4−フルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンまたはキシレンを含む溶媒に溶解され、得られた溶液からI型カベルゴリンが回収される、請求項23または24記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a(1)】
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【図5a(2)】
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【図5b(1)】
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【図5b(2)】
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【公表番号】特表2009−526030(P2009−526030A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553820(P2008−553820)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000397
【国際公開番号】WO2007/091039
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(503429076)レゾリューション ケミカルズ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】