説明

カメラ本体および撮像装置

【課題】操作性の向上を図ることができるカメラ本体および撮像装置を提供する。
【解決手段】カメラ本体3は、表示部20と、ボディーマイコン10と、を備えている。表示部20は光学系Lの焦点距離を表すズーム表示バー105を表示可能である。ボディーマイコン10は、ユーザーがズームリング64を操作する際にズームリング64が動く方向と、表示部20に表示されるズーム表示バー105がズームリング64の操作に応じて変化する変化方向と、が概ね一致するように、表示部20を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系の状態を変更可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交換レンズ式のデジタルカメラが急速に普及している。このデジタルカメラでは、ユーザーがファインダを用いて被写体を観察する時には、反射ミラーにより光路が変更される。具体的には、光学系を通った光(すなわち被写体像)が光路上に配置された反射ミラーにより反射される。反射された光はペンタプリズムなどを通って正像に変換され、光学ファインダに導かれる。これにより、ユーザーは、光学系を通った被写体像を光学ファインダから見ることができる。したがって通常は、ファインダ用光路を形成する位置が反射ミラーの定位置となっている。
【0003】
一方、レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーが瞬時に位置を変え、撮影用光路から退避することで、ファインダ用光路を撮影用光路に切り換え、撮影が終了すると定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
デジタルカメラの特徴の一つは、撮影時に表示装置(例えば、液晶モニタ)を見ながら撮影し、撮影後にすぐに撮影画像を確認できることが挙げられる。しかし、これまでの一眼レフの反射ミラーの方式を用いると、撮影時に、液晶モニタを使用できない。このように、液晶モニタを用いて撮影できないことにより、ファインダを覗いて撮影することになるため、とりわけ、デジタルカメラの撮影に不慣れな初心者にとっては、従来の交換レンズ式デジタルカメラは非常に使いにくい。また昨今は、静止画撮影のみならず、動画撮影なども機能も望まれている。
【0004】
そこで、液晶モニタを見ながら撮影できるデジタル一眼レフカメラが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、交換レンズ式のデジタルカメラにおいて、液晶モニタを用いて撮影する場合には、従来のようにファインダを覗いて撮影する場合に比べ、ユーザーとデジタルカメラとの距離が離れるため、ユーザーが交換レンズを直接見ながら操作することが困難となる。また、デジタルカメラを小型化するために、ズームリングやフォーカスリングの状態を示す数値が省略される場合もある。これらの場合、ユーザーがズーム倍率(焦点距離)や物点距離(以下、被写体距離ともいう)を変更しようとする際に、交換レンズの操作部材をどちらの方向へ動かせばよいかがわかりにくく、操作性が低下する。
【0005】
そこで、ズームレバーが操作されている方向およびズーム位置が文字およびキャラクターパターンを用いて表示部に表示されるデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、フォーカスリングの操作方向の設定を任意に選択できるデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−125173号公報
【特許文献2】特開平5−153456号公報
【特許文献3】特開平5−181047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載のデジタルカメラでは、ズームレバーが操作されている方向およびズーム位置が表示部に表示されるが、操作方向の表示はズームレバーの操作方向と関連しておらず、ズーム位置の表示を見ても、どちらの方向へズームレバーを操作すればよいかユーザーが理解しにくい。
また、特許文献3に記載のデジタルカメラでは、フォーカスリングの操作方向の設定を任意に選択できるだけであり、フォーカスリングの操作方向と物点距離の増減との関係をユーザーが認識しにくい。
【0008】
以上に説明したように、従来の撮像装置では、光学系の状態を変化させる際の操作方向をユーザーが認識しにくいため、操作性の向上が望まれている。
本発明の課題は、操作性の向上を図ることができるカメラ本体および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るカメラ本体は、操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられる。このカメラ本体は、表示部と、制御部と、を備えている。表示部は光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能である。制御部は、ユーザーが操作部材を操作する際に状態指標部を表示するように表示部を制御する。レンズ鏡筒は、光学系の焦点距離を変更できる全部の範囲を示す焦点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有している。状態指標部は、光学系の焦点距離を数値情報として表しており、焦点距離情報を示す表示メータをさらに有している。制御部は、操作部材が操作されると状態指標部を表示すると共に、操作部材の操作が終了後に状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する。
【0010】
本発明に係るカメラ本体は、操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられる。このカメラ本体は、光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能な表示部と、ユーザーが操作部材を操作する際に状態指標部を表示するように表示部を制御する制御部と、半押しと全押しの少なくとも2段階の操作が可能なシャッターボタンと、を備えている。レンズ鏡筒は、光学系の焦点距離を変更できる全部の範囲を示す焦点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有している。状態指標部は、光学系の焦点距離を数値情報として表しており、焦点距離情報を示す表示メータをさらに有している。制御部は、状態指標部が表示されている状態で、シャッターボタンが半押し操作されると、状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する。
【0011】
本発明のカメラ本体は、操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられる。このカメラ本体は、光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能な表示部と、ユーザーが操作部材を操作する際に状態指標部を表示するように表示部を制御する制御部と、を備えている。レンズ鏡筒は、焦点が合う光学系の物点距離を変更できる全部の範囲を示す物点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有している。状態指標部は、光学系の物点距離を数値情報として表しており、物点距離情報を示す表示メータをさらに有している。制御部は、操作部材が操作されると状態指標部を表示すると共に、操作部材の操作が終了後に状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する。
【0012】
ここで、「光学系の状態」とは、例えば光学系の焦点距離および焦点が合う物点距離が考えられる。操作方向と変化方向とが概ね一致する状態には、例えば、操作方向と変化方向とが完全に一致している状態の他に、操作性が向上するという効果が得られる範囲で、操作方向と変化方向とがずれている状態も含まれる。操作方向および変化方向としては、直線的な方向、所定の基準点を中心とした円弧に沿った方向、所定の基準点を中心とした回転方向などが考えられる。
【発明の効果】
【0013】
このカメラ本体および撮像装置では、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】デジタルカメラの概略構成図
【図2】カメラ本体の概略構成図
【図3】デジタルカメラの斜視図
【図4】(A)カメラ本体の上面図、(B)カメラ本体の背面図
【図5】交換レンズユニットの広角端における断面図
【図6】交換レンズユニットの望遠端における断面図
【図7】フォーカスレンズユニットの分解斜視図
【図8】フォーカスレンズユニットの斜視図
【図9】超音波アクチュエータユニットの斜視図
【図10】超音波アクチュエータユニットの平面図
【図11】ズーム表示バーの表示例
【図12】(A)ズームリングの操作方向を示す図、(B)ズーム表示バーの表示例
【図13】ズーム表示バーの表示例
【図14】(A)ズームリングの操作方向を示す図、(B)ズーム表示バーの表示例
【図15】(A)ズームリングの操作方向を示す図、(B)ズーム表示バーの表示例
【図16】ズーム表示バーの表示例
【図17】ズーム表示バーの表示例
【図18】フォーカス表示バーの表示例
【図19】(A)フォーカスリングの操作方向を示す図、(B)フォーカス表示バーの表示例
【図20】フォーカス表示バーの表示例
【図21】(A)フォーカスリングの操作方向を示す図、(B)フォーカス表示バーの表示例
【図22】(A)フォーカスリングの操作方向を示す図、(B)フォーカス表示バーの表示例
【図23】フォーカス表示バーの表示例
【図24】フォーカス表示バーの表示例
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら、詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
<1:デジタルカメラの全体構成>
図1に示すように、デジタルカメラ1(撮像装置の一例)は、交換レンズ式のデジタルカメラであり、主に、デジタルカメラ1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズユニット2(レンズ鏡筒の一例)と、を有している。交換レンズユニット2は、最後部に設けられたレンズマウント71を介して、カメラ本体3の前面に設けられたボディーマウント4に装着されている。
【0016】
(1.1:交換レンズユニット)
図1に示すように、交換レンズユニット2は、光学系Lと、ズームレンズ駆動制御部97と、フォーカスレンズ駆動制御部41と、絞り駆動制御部42と、レンズマイコン40と、第1回転検出部65と、第2回転検出部68と、を有している。
光学系Lはカメラ本体3の撮像センサ11に被写体像を結ぶ。ズームレンズ駆動制御部97は焦点距離を変更するために光学系Lの第1レンズ群L1(後述)を駆動する。フォーカスレンズ駆動制御部41はフォーカシングを行うために光学系Lの第2レンズ群L2(後述)を駆動する。絞り駆動制御部42は絞り部43の絞り量を調節する。レンズマイコン40は交換レンズユニット2の各部の動作を制御する。
【0017】
レンズマイコン40は、交換レンズユニット2の中枢を司る制御装置であり、交換レンズユニット2に搭載された各部に接続されている。具体的には、レンズマイコン40には、CPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現することができる。また、レンズマウント71に設けられた電気切片(図示せず)を介してボディーマイコン10およびレンズマイコン40は電気的に接続されており、互いに情報の送受信が可能となっている。
【0018】
また、レンズマイコン40内のメモリ44には、交換レンズユニット2に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。具体的にはメモリ44には、焦点距離情報および物点距離情報が記憶されている。焦点距離情報は、交換レンズユニット2の焦点距離の最大値および最小値を含んでいる。物点距離情報は、交換レンズユニット2の物点距離の最大値および最小値を含んでいる。
【0019】
さらに、メモリ44には、ズームリング64(後述)の光軸AZ中心の回転方向(図3に示すA方向、あるいはB方向)と回転角度に関する情報、および、ズームリング64の回転方向と焦点距離の増減する方向との関係を表す操作方向情報も記憶されている。
ここで、図3に示すように、交換レンズユニット2については、光軸AZに沿ってカメラ本体3側から交換レンズユニット2を見た場合の時計回り方向をA方向、反時計回り方向をB方向とする。
【0020】
このメモリ44に記憶されている各種情報については、交換レンズユニット2がカメラ本体3に取り付けられた際に、レンズマイコン40からボディーマイコン10へ送信される。これにより、ボディーマイコン10は交換レンズユニット2の各種情報を把握することができる。各種情報は撮影時に使用される。
図5から図10を用いて、交換レンズユニット2の概略構造について説明する。図5に示すように、交換レンズユニット2の光軸AZに平行な方向をZ軸方向(物体側を正側、像面側を負側とする)とするXYZ3次元直交座標系を設定する。
【0021】
交換レンズユニット2には、4つのレンズ群を有する光学系Lが搭載されている。具体的には、交換レンズユニット2には、第1レンズ群L1と、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4と、を有している。変倍を行うために、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3および第4レンズ群L4は、光軸AZ上をZ軸方向に移動する。フォーカシングを行うために、第2レンズ群L2は光軸AZ上をZ軸方向に移動する。
【0022】
交換レンズユニット2は、光学系Lを支持するレンズ支持機構45を有している。具体的には図5および図6に示すように、レンズ支持機構45は、固定枠50と、第1直進枠52と、第1回転枠53と、第1ホルダー54と、第2回転枠55と、第1レンズ支持枠57と、第2レンズ支持枠58と、第3レンズ支持枠59と、第4レンズ支持枠60と、第2ホルダー61と、フィルターマウント62と、ズームリングユニット63と、フォーカスリングユニット66と、レンズマウント71と、を有している。
【0023】
第1回転枠53は、第1直進枠52の外周側に同軸上に配置されており、第1直進枠52により光軸AZ回りに相対回転可能に支持されている。
第1ホルダー54は、第1回転枠53の外周側に同軸上に配置されており、第1直進枠52により光軸AZ回りの相対回転を規制されている。第1回転枠53が光軸AZを中心に回転すると、第1ホルダー54は第1直進枠52に対して回転することなく(第1回転枠53に対して回転しながら)Z軸方向に移動する。第1ホルダー54のZ軸方向負側の部分には、円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)配置された3つのカムピン54aが設けられている。
【0024】
第2ホルダー61は、第1直進枠52の内周側に同軸上に配置されており、第1直進枠52により光軸AZ回りの相対回転が規制されている。第2ホルダー61は、円周方向に等ピッチで配置された3本のカムピン61aを有している。カムピン61aは第1直進枠52の貫通直進溝52cおよび第1回転枠53の貫通カム溝53bに挿入されている。このため、第1回転枠53が光軸AZを中心に回転すると、第2ホルダー61は第1直進枠52に対して回転することなく(第1回転枠53に対して回転しながら)Z軸方向に移動する。
【0025】
第1直進枠52は、固定枠50の外周側に同軸上に配置されており、固定枠50、第2回転枠55および第3レンズ支持枠59により支持されている。第1直進枠52は、固定枠50により光軸AZ回りの相対回転が規制されている。第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、第1直進枠52は固定枠50に対して回転することなくZ軸方向に移動する。
【0026】
第2回転枠55は、固定枠50の内周側に同軸上に配置されており、固定枠50により支持されている。第1回転枠53が光軸AZを中心に回転すると、第2回転枠55は固定枠50に対して光軸AZ回りに回転しながらZ軸方向に移動する。
第3レンズ支持枠59は、第2回転枠55の内周側に同軸上に配置されており、固定枠50により光軸AZ回りの相対回転が規制されている。第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、第3レンズ支持枠59は固定枠50に対して回転することなくZ軸方向に移動する。
【0027】
第4レンズ支持枠60は、第2回転枠55の内周側に同軸上に配置されており、第3レンズ支持枠59により光軸AZ回りの相対回転が規制されている。第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、第4レンズ支持枠60は第3レンズ支持枠59に対して回転することなくZ軸方向に移動する。
第1レンズ支持枠57は、第1ホルダー54の端部に固定されており、第1レンズ群L1を支持している。第2レンズ支持枠58は第2レンズ群L2を支持している。第2レンズ支持枠58には、後述する超音波アクチュエータユニット80と、その円周上の略反対側の位置に配置された廻り止め部58aと、が設けられている。
【0028】
第3レンズ支持枠59は、第3レンズ群L3を支持しており、円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)配置された3本のカムピン59aを有している。第4レンズ支持枠60は、第4レンズ群L4を支持しており、円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)配置されたカムピン60aを有している。
第1回転枠53は、円筒形状のカム環であり、光軸AZに対して傾斜する3本の貫通カム溝53aおよび53bを有している。貫通カム溝53aには第1ホルダー54のカムピン54aが挿入されている。貫通カム溝53bには第2ホルダー61のカムピン61aが挿入されている。第1回転枠53の端部には、第2回転枠55のカムピン55aが挿入される3本の長穴部53cが設けられている。カムピン55aには、1本の長いピンと、2本の短いピンと、があり、1本の長いピンのみが長穴部53cに挿入されている。
【0029】
第1直進枠52は、円筒形状のカム環であり、第1ホルダー54のカムピン54aが挿入される3本の貫通直進溝52bが形成されている。貫通直進溝52bと干渉しない位置に、第2ホルダー61のカムピン61aが挿入される3本の貫通直進溝52cが形成されている。第1直進枠52の端部には、第3レンズ支持枠59と一体で第1直進枠52をZ軸方向に移動させるために、第3レンズ支持枠59に設けられたカムピン59aが挿入される貫通穴52dが設けられている。
【0030】
固定枠50には、第1直進枠52をZ軸方向に移動させるための3本の貫通直進溝50aが成されている。固定枠50の貫通直進溝50aと干渉しない部分に、第2回転枠55をZ軸方向に移動させるために、光軸AZに対して傾斜する3本の貫通カム溝50bが円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)形成されている。
第2回転枠55には、第3レンズ支持枠59のカムピン59aと係合しZ軸方向に対して傾斜する3本の貫通カム溝55cが円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)形成されている。また、第2回転枠55には、第4レンズ支持枠60のカムピン60aと係合しZ軸方向に対して傾斜する3本の貫通カム溝55dが円周方向に等ピッチで(例えば120゜間隔で)形成されている。
【0031】
フィルターマウント62は円筒形状であり、Z軸方向正側(被写体側)には雌ネジが形成されている。雌ネジには、偏光フィルターや保護フィルターなどの光学フィルター、およびコンバージョンレンズが取り付けられる。フィルターマウント62は、3本の取り付けネジなどにより第1ホルダー54に固定される。
ズームリングユニット63は、ズームリング64と、ズームリング64の回転角度を検出する第1回転検出部65(図1)と、を有している。ズームリング64は、円筒形状を有しており、固定枠50に固定されたリングベース69に対してZ軸方向への移動を規制された状態で光軸AZ回りに回転可能なように、リングベース69により支持されている。本実施形態においては、ズームリング64は約90°回転する。なお、ズームリング64の回転角度は90°に限定されない。
【0032】
ズームリング64の内周部には凹部(図示せず)が形成されている。凹部には第1回転枠53の外周部に設けられた凸部(図示せず)が挿入されている。これらの構成により、ズームリング64は、第1回転枠53に対して光軸AZ周りに回転可能であるが、第1回転枠53に対するZ軸方向の移動が規制されている。
第1回転検出部65は、ユーザーによるズームリング64の回転角度および回転方向を検出し、検出した回転角度および回転方向を焦点距離情報としてレンズマイコン40に送信する。また、ズームリング64の外周面には、光学系の焦点距離が表示されている。なお、各レンズ群(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4)の絶対位置については、ズームリング64の回転角度と1対1で対応しているため、ズームリング64の絶対角度を検出するための第1回転検出部65により検出可能である。
【0033】
フォーカスリングユニット66は、フォーカスリング67と、フォーカスリング67の回転角度を検出する第2回転検出部68(図1)と、を有している。フォーカスリング67は、円筒形状を有しており、固定枠50に固定されたリングベース69に対するZ軸方向への移動は規制された状態で光軸AZ周りに回転可能なように、リングベース69により支持されている。
【0034】
第2回転検出部68は、フォーカスリング67の回転角度および回転方向を検出可能である。この第2回転検出部68は、例えば、フォーカスリング67の全周に一定間隔にてZ軸方向に形成された突起が、2つのフォトセンサ(図示せず)の構成部分である発光部と受光部との間を通過することにより、突起の通過の有無を検出し、フォーカスリング67の回転角度および回転方向を検出する。第2回転検出部68は、ユーザーによるフォーカスリング67の回転角度および回転方向を検出し、回転角度および回転方向を物点距離情報としてレンズマイコン40に送信する。
【0035】
レンズマウント71は、レンズマウント接点(図示せず)を有し、ボディーマウント4のレンズマウント接点(図示せず)を介して、レンズマイコン40とボディーマイコン10との信号の伝達を行う。レンズマウント71は、マウントベース70を介して固定枠50に固定されている。
フォーカスレンズユニット78は、フォーカス動作に伴いZ軸方向に移動可能なように設けられており、第2レンズ群L2と、第2レンズ支持枠58と、第2ホルダー61と、ガイドポール74aおよび74bと、第3ホルダー75と、超音波アクチュエータユニット80と、磁気スケール76と、磁気センサ77と、を有している。
【0036】
第2レンズ支持枠58は、第2レンズ群L2(フォーカスレンズ群)を支持している。第3ホルダー75および第2ホルダー61に固定されている。ガイドポール74bは、第2レンズ支持枠58の固定部58bからZ軸方向に延びており、第3ホルダー75の孔75aに挿入されている。第2レンズ支持枠58は第3ホルダー75によりZ軸方向へ移動可能に支持されている。第2レンズ支持枠58は、超音波アクチュエータユニット80によりZ軸方向に駆動される。
【0037】
超音波アクチュエータユニット80は、可動部80aと固定部80bとを有している。可動部80aは、第2レンズ支持枠58の固定部58bにネジ止めなどにて固定される。超音波アクチュエータユニット80に所定の電流を流すことにより、固定部80bに対して可動部80aがZ軸方向に移動し、それに伴い第2レンズ支持枠58がZ軸方向に駆動される。
【0038】
磁気スケール76および磁気センサ77により、第3ホルダー75に対する第2レンズ支持枠58の位置を検出する位置検出ユニットが構成されている。磁気スケール76は、第2レンズ支持枠58に固定されており、Z軸方向に等間隔に着磁されている。磁気センサ77は、磁気スケール76の信号を検出するMRセンサなどであり、第3ホルダー75に固定されている。磁気センサ77は磁気スケール76と所定の間隔を保つように設けられている。磁気センサ77により位置検出を行いフィードバック制御を行うことにより、高速応答性に加え、高分解能、高精度、低騒音、高トルクなリニアアクチュエータを実現することが可能となる。これにより、デジタルカメラ1として優れたフォーカス特性を得ることができる。
【0039】
なお、第2ホルダー61に対する第2レンズ群L2の位置、つまり第2レンズ支持枠58の原点位置は、図示せぬフォトセンサなどにより検出することができる。また、原点位置からの相対位置については、磁気センサ77からの出力値をカウントすることにより、第2レンズ群L2がどの位置にいるかを常に検出することができる。
次に、図7および図10を用いて、超音波アクチュエータユニット80について説明する。
【0040】
図9および図10に示すように、超音波アクチュエータユニット80において、PZTや水晶などの圧電材料からなる圧電素子81の表面の2箇所に略球形状の駆動子82が設けられている。この2箇所とは圧電素子81の屈曲振動の腹の略中心に該当する箇所であり、この箇所に駆動子82を設けることで圧電素子81の振動をより有効に活用することができる。
【0041】
駆動子82の材料としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。また、駆動子82の形状は略球形状であるが、略球形状とすることにより、圧電素子81の長さ方向との接触面積を小さくできる。これにより圧電素子81の屈曲振動を阻害しにくくなり、その結果、超音波アクチュエータとしての効率を向上させることができる。
【0042】
圧電素子81の前面には4分割された給電電極88が設けられており、この給電電極88に、はんだ86にてワイヤー89が接続されている。ワイヤー89は内ケース84に設けられた貫通穴(図示せず)から外部へ導出されている。このワイヤー89を通じて圧電素子81の給電電極88に電圧を供給することにより、圧電素子81が印加電圧の周波数に応じて振動する。圧電素子81においてはんだ86が形成されている部分は、伸縮振動および屈曲振動のノード部周辺である。ワイヤー89を接続する部位としてこのノード部を使用することにより、圧電素子81の振動におよぼす悪影響、すなわち、はんだ86形成による圧電素子81への不要な負荷をできるだけ抑制することができる。
【0043】
超音波アクチュエータユニット80は、主に、可動部80aと、固定部80bと、を有している。可動部80aは、圧電素子81、駆動子82、内ケース84、外ケース90、ガイドボール91、リテーナー92、外ケース蓋93を有している。固定部80bは、可動体83、摺動板94、ガイドポール74aを有している。
駆動子82は可動体83を支持しており、圧電素子81の振動により駆動子82が略楕円運動をすることにより、可動体83に対して駆動子82はZ軸方向に往復運動する。すなわち、圧電素子81の伸縮振動の振動方向と可動体83の可動方向が同方向である。また、屈曲振動の振動方向が可動体83に対する可動方向と垂直であり、且つ圧電素子81と可動体83を結ぶ方向(つまり、駆動子82が可動体83を支持する方向)である。
【0044】
可動体83の材料としてはアルミナが挙げられる。駆動子82にアルミナを用いる場合、磨耗の観点から、可動体83のアルミナは駆動子82のアルミナよりも柔らかいものを用いることが望ましい。
圧電素子81は内ケース84に収容されており、内ケース84内に設けた支持体85により圧電素子81は支持されている。支持体85は、例えば導電性シリコンゴムなどである。すなわち、圧電素子81の伸縮方向が可動体83の可動方向と同方向(Z軸方向、光軸AZに沿った方向)になるように圧電素子81が内ケース84内に配置されている。この可動体83の可動方向と同方向の内ケース84内壁面に、壁面支持体85a、85cが設けられており、内壁面に側圧が作用する。内ケース84の内底面には、裏面支持体85bが設けられており、圧電素子81を支持することで与圧が作用する。裏面支持体85bは、この2個の駆動子82が略同一圧力にて可動体83を支持するように設けられており、これにより可動体83を安定して動作させることができる。
【0045】
内ケース84は、外ケース90内に固定される。可動体83の上部には、円筒形状のガイドポール74aが配置されている。ガイドポール74aの上側には、リテーナー92にて保持された2個のガイドボール91が設けられている。ガイドボール91の上部には、外ケース蓋93が設けられている。外ケース蓋93とガイドポール74aとの間にガイドボール91は挟み込まれている。このため、ガイドポール74aにはガイドボール91を介して与圧が作用している。これにより、ガイドポール74aと可動体83とは、所定の圧力にて圧接固定されている。
【0046】
外ケース90の両端側には、ガイドポール74aを支持する軸受け部90a、90bが設けられており、外ケース90は、ガイドポール74aに対してZ軸方向に移動可能である。つまり、駆動子82が楕円運動することにより、可動体83とガイドポール74aからなる固定部80bに対して、可動部80aは、光軸AZに沿った方向に往復運動することが可能となる。
【0047】
ここで、上記構成の超音波アクチュエータユニット80の動作について説明する。圧電素子81の特定の給電電極に、特定の周波数の交流電圧を印加することにより圧電素子81は、屈曲振動の2次モード、および伸縮振動の1次モードが誘起される。屈曲振動の共振周波数、および伸縮振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子の材料、形状などにより決定されるが、この2つの周波数を略一致させ、その近傍の周波数の電圧を印加させることにより、圧電素子81には、屈曲2次モードと伸縮1次モードが調和的に誘起される。その結果、圧電素子81に設けられた駆動子82が紙面方向から見て略楕円運動を起こす。すなわち、圧電素子81の屈曲振動と伸縮振動の合成により駆動子82が楕円運動を起こす。この楕円運動により、可動体83に対して、駆動子82などにより構成されている可動部80aが、Z軸方向に往復可動し、第2レンズ群L2と一体となって移動する。
(1.2:カメラ本体)
図1および図2に示すように、カメラ本体3は主に、被写体を撮像する撮像部35と、撮像部35などの各部の動作を制御する本体制御部としてのボディーマイコン10と、撮影された画像や各種情報を表示する画像表示部36と、画像データを格納する画像格納部37と、被写体像を視認するファインダ部39と、を有している。
【0048】
撮像部35は主に、光電変換を行うCCD(Charge Coupled Device)などの撮像センサ11と、撮像センサ11の露光状態を調節するシャッターユニット33と、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいてシャッターユニット33の駆動を制御するシャッター制御部31と、撮像センサ11の動作を制御する撮像センサ駆動制御部12と、を有している。本実施の形態における合焦方式については、撮像センサ11で生成された画像データに基づいて、コントラスト方式のオートフォーカスが用いられる。コントラスト方式を用いることにより、精度の良いフォーカス動作を実現することができる。
【0049】
撮像センサ11は、光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサである。撮像センサ11は、撮像センサ駆動制御部12により発生されるタイミング信号により駆動制御される。なお、撮像センサ11はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサでもよい。
ボディーマイコン10は、カメラ本体3の中枢を司る制御装置であり、各種シーケンスをコントロールする。具体的には、ボディーマイコン10にはCPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、ボディーマイコン10は様々な機能を実現することができる。例えば、ボディーマイコン10は、交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されたことを検知する機能、あるいは交換レンズユニット2からメモリ44に記憶されたレンズ情報を取得する機能を有している。前述のように、レンズ情報には、操作方向情報、焦点距離情報および物点距離情報が含まれている。ボディーマイコン10は、レンズ情報に基づいてズーム表示バー105の表示形態を調節する機能も有している。この機能については後述する。
【0050】
ボディーマイコン10は、電源スイッチ25、シャッターボタン30、動作モード切換レバー26、十字操作キー27、MENU設定ボタン28およびSETボタン29の信号を、それぞれ受信可能である。また、ボディーマイコン10のメモリ38には、カメラ本体3に関する各種情報が格納されている。ボディーマイコン10は、画像表示制御部21とともに、表示部20を制御する制御部を実現している。
【0051】
ボディーマイコン10は、シャッターボタン30などの操作部材からの指示に応じて、撮像センサ11などを含むデジタルカメラ1全体を制御する。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器に送信する。これと並行して、ボディーマイコン10は、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。ボディーマイコン10は、生成した露光同期信号を、ボディーマウント4およびレンズマウント71を介して、レンズマイコン40に所定の周期で送信する。
【0052】
ボディーマウント4は、交換レンズユニット2のレンズマウント71と機械的および電気的に接続可能である。ボディーマウント4は、レンズマウント71を介して、交換レンズユニット2との間で、データを送受信可能である。例えば、ボディーマウント4は、ボディーマイコン10から受信した露光同期信号をレンズマウント71を介してレンズマイコン40に送信する。ボディーマイコン10から受信したその他の制御信号をレンズマウント71を介してレンズマイコン40に送信する。ボディーマウント4は、レンズマウント71を介してレンズマイコン40から受信した信号をボディーマイコン10に送信する。ボディーマウント4は、電源ユニット(図示せず)から受けた電力をレンズマウント71を介して交換レンズユニット2全体に供給する。
【0053】
図4において、カメラ本体3の筐体3aは、被写体を撮影する際にユーザーによって支持される。筐体3aの背面には、表示部20と、電源スイッチ25と、動作モード切換レバー26と、十字操作キー27と、MENU設定ボタン28と、SETボタン29と、が設けられている。
電源スイッチ25は、デジタルカメラ1あるいはカメラ本体3の電源の入切を行うためのスイッチである。電源スイッチ25により電源がON状態になると、カメラ本体3および交換レンズユニット2の各部に電源が供給される。動作モード切換レバー26は、撮影モードまたは再生モードに切り換えるためのボタンであり、ユーザーはレバーを回動させて切り換えることができる。MENU設定ボタン28は、デジタルカメラ1の各種動作を設定するためのボタンである。十字操作キー27は、ユーザーが上下左右の部位を押圧して、表示部20に表示された各種メニュー画面から所望のメニューを選択するための操作部材である。SETボタン29は、各種メニューの実行を確定するためのボタンである。
【0054】
図4(B)に示すように、筐体3aの上面には、シャッターボタン30が設けられる。シャッターボタン30が操作されると、タイミング信号がボディーマイコン10に出力される。シャッターボタン30は半押し操作と全押し操作が可能な2段式のスイッチである。ユーザーがシャッターボタン30を半押し操作すると測光処理および測距処理が開始される。続いてユーザーがシャッターボタン30を全押し操作するとタイミング信号が出力される。シャッター制御部31は、タイミング信号を受信したボディーマイコン10から出力される制御信号に従って、シャッター駆動アクチュエータ32を駆動し、シャッターユニット33を動作させる。
【0055】
図2に示すように、撮像センサ11から出力された画像信号は、アナログ信号処理部13から、A/D変換部14、デジタル信号処理部15、バッファメモリ16、画像圧縮部17へと、順次送られて処理される。アナログ信号処理部13は、撮像センサ11から出力される画像信号にガンマ処理などのアナログ信号処理を施す。A/D変換部14は、アナログ信号処理部13から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部15は、A/D変換部14によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調などのデジタル信号処理を施す。バッファメモリ16は、RAM(Random Access Memory)であり、画像信号を一旦記憶する。バッファメモリ16に記憶された画像信号は、画像圧縮部17から画像記録部18へと、順次送られて処理される。バッファメモリ16に記憶された画像信号は、画像記録制御部19の指令により読み出されて、画像圧縮部17に送信される。画像圧縮部17に送信された画像信号のデータは、画像記録制御部19の指令に従って画像信号に圧縮処理される。画像信号は、この圧縮処理により、元のデータより小さなデータサイズになる。かかる圧縮方式として、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。また、複数のフレームの画像信号をまとめて圧縮するH.264/AVC方式を用いることもできる。圧縮された画像信号は、画像記録制御部19により画像記録部18に記録される。
【0056】
画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号と記録すべき所定の情報とを関連付けて記録する、例えば内部メモリおよび/または着脱可能なリムーバブルメモリである。なお、画像信号とともに記録すべき所定の情報には、画像を撮影した際の日時と、焦点距離情報と、シャッタースピード情報と、絞り値情報と、撮影モード情報とが含まれる。これらの情報の形式は、例えばExif(登録商標)形式やExif(登録商標)形式に類する形式である。また、動画ファイルは、例えばH.264/AVC形式やH.264/AVC形式に類する形式である。
【0057】
表示部20は、例えば液晶モニタであり、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示する。ここで表示部20の表示形態としては、画像信号のみを可視画像として表示する表示形態と、画像信号と撮影時の情報とを可視画像として表示する表示形態とがある。
<2:デジタルカメラの動作>
図1〜図6を用いてデジタルカメラ1の撮影動作について説明する。
【0058】
(2.1:撮影モード)
このデジタルカメラ1は、2つの撮影モードを有する。1つ目は、ユーザーがファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するファインダ撮影モードである。ファインダ撮影モードにおいては、画像表示制御部21が、例えば液晶ファインダ8を駆動することにより実現される。一方、2つ目のモニタ撮影モード(いわゆるライブビューモード)においては、表示部20には、撮像センサ11を介して被写体の画像、いわゆるスルー画像が表示される。なお、この2つの撮影モードの切り換えは、撮影モード切換ボタン34にて行うことができる。
【0059】
(2.2:モニタ撮影モードの動作)
次に、モニタ撮影モードでの動作について説明する。
表示部20を用いたモニタ撮影モード(スルー画像モード)におけるオートフォーカス動作の方式としては、コントラスト方式が適している。なぜなら、ライブビューモードでは、定常的に、撮像センサ11で画像データを生成しており、その画像データを用いたコントラスト方式のオートフォーカス動作をするのが容易だからである。コントラスト方式のオートフォーカス動作を行う際には、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、コントラストAF用データを要求する。コントラストAF用データは、コントラスト方式のオートフォーカス動作の際に必要なデータであり、例えば、フォーカス駆動速度、フォーカスシフト量、像倍率、コントラストAF可否情報などが含まれる。
【0060】
ボディーマイコン10は、垂直同期信号を定期的に生成する。また、ボディーマイコン10は、これと並行して、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。これは、ボディーマイコン10が垂直同期信号を基準にして、露光開始タイミングと露光終了タイミングとを予め把握しているため、露光同期信号を生成できるのである。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器(図示せず)に出力し、露光同期信号をレンズマイコン40に出力する。レンズマイコン40は、露光同期信号に同期して、第2レンズ群L2の位置情報を取得する。
【0061】
撮像センサ駆動制御部12は、垂直同期信号に基づいて、撮像センサ11の読み出し信号と電子シャッター駆動信号とを定期的に生成する。撮像センサ駆動制御部12は、読み出し信号および電子シャッター駆動信号に基づいて、撮像センサ11を駆動する。すなわち、撮像センサ11は、読み出し信号に応じて、撮像センサ11内に多数存在する光電変換素子(図示せず)で生成された画素データを垂直転送部(図示せず)に読み出す。
【0062】
以上に説明した状態で、ボディーマイコン10は、シャッターボタン30が半押しされるかどうかを監視する。シャッターボタン30が半押しされた場合、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、オートフォーカス開始コマンドを発信する。オートフォーカス開始コマンドは、コントラスト方式のオートフォーカス動作を開始する旨を示すコマンドである。これを受けて、レンズマイコン40は、フォーカス用のアクチュエータである超音波アクチュエータユニット80を駆動制御する。ボディーマイコン10は、受信した画像データに基づいて、オートフォーカス動作用の評価値(以下、AF評価値という)を算出する。具体的には、撮像センサ11で生成された画像データから輝度信号を求め、輝度信号の画面内における高周波成分を積算して、AF評価値を求める方法が知られている。この算出したAF評価値は、露光同期信号と関連付けた状態でDRAM(図示せず)に保存される。そして、レンズマイコン40から取得したレンズ位置情報も露光同期信号と関連付けられている。そのため、ボディーマイコン10は、AF評価値をレンズ位置情報と関連付けて保存することができる。
【0063】
次に、ボディーマイコン10は、DRAMに保存されたAF評価値に基づいて、コントラストピークを求め、合焦点を抽出できたかどうかを監視する。具体的には、AF評価値が極大値となる第2レンズ群L2の位置を合焦点として抽出する。このレンズ駆動の方式としては、一般的には山登り方式が知られている。
また、この状態では、デジタルカメラ1は、撮像センサ11で生成した画像データが示す画像をスルー画像として表示部20に表示する制御モードで動作し得る。この制御モードをライブビューモードという。ライブビューモードでは、スルー画像が動画で表示部20に表示されるので、ユーザーは、表示部20を見ながら静止画像、あるいは動画像を撮像するための構図を決めることができる。表示部20を用いてライブビューモードの他に、ユーザーが選択できる制御モードとしては、交換レンズユニット2からの被写体像を液晶ビューファインダー(ファインダ部39)に導くファインダ撮影モード(第2のライブビューモードとも言える)が考えられる。
【0064】
(2.3:撮影時の動作)
この後、ユーザーによりシャッターボタン30が全押しされると、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算された絞り値にするようボディーマイコン10からレンズマイコン40へ命令が送信される。そして、レンズマイコン40により絞り駆動制御部42がコントロールされ、指示された絞り値まで絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時に、撮像センサ駆動制御部12から撮像センサ11の駆動命令が出力され、シャッターユニット33の動作が指示される。撮像センサ駆動制御部12は、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
【0065】
露光完了後、撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11から画像データを読み出し、所定の画像処理後、ボディーマイコン10を介して画像表示制御部21へ画像データが出力される。これにより、表示部20へ撮影画像が表示される。また、画像記録制御部19を介して、記憶媒体に画像データが格納される。また、露光終了後、ボディーマイコン10により、シャッターユニット33が初期位置にリセットされる。また、ボディーマイコン10からレンズマイコン40へ絞りを開放位置にリセットするよう絞り駆動制御部42に命令が下され、レンズマイコン40から各ユニットへリセット命令が下される。リセット完了後、レンズマイコン40は、ボディーマイコン10にリセット完了を伝える。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、シャッターボタン30の状態が、押し込みされていないことを確認し、撮影シーケンスを終了する。
【0066】
(2.4:ズーム動作)
次に、ユーザーがズーム操作を行う際の交換レンズユニット2の動作を説明する。
ユーザーによりズームリング64が回転操作されると、ズームリング64に連結された第1回転枠53にズームリング64の回転運動が伝達される。この結果、第1回転枠53が固定枠50に対して光軸AZ周りに回転する。このとき、第1回転枠53は固定枠50の貫通カム溝50bに案内されるため、第1回転枠53は固定枠50に対して光軸AZ周りに回転しながらZ軸方向に移動する。第1直進枠52は、第1回転枠53と一体で固定枠50に対してZ軸方向に直進移動する。
【0067】
また、第1回転枠53が固定枠50に対して光軸AZ周りに回転すると、カムピン54aが貫通カム溝53aに案内される。この結果、第1ホルダー54と第1ホルダー54に固定された第1レンズ支持枠57とが固定枠50に対してZ軸方向に直進移動する。さらに、第1回転枠53が固定枠50に対して光軸AZ方向周りに回転すると、カムピン61aが貫通カム溝53bに案内されるため、第2ホルダー61および第2レンズ支持枠58が一体で固定枠50に対してZ軸方向に直進移動する。つまり、フォーカスレンズユニット78が固定枠50に対してZ軸方向に移動する。
【0068】
また、第1回転枠53が光軸AZ周りに回転すると、カムピン55aが貫通カム溝50bに案内される。この結果、第2回転枠55が、固定枠50に対して光軸AZ周りに回転しながらZ軸方向に移動する。
第2回転枠55が固定枠50に対して光軸AZ周りに回転すると、カムピン59aが貫通直進溝50aに案内される。このため、第3レンズ支持枠59が固定枠50に対してZ軸方向に移動する。また、第2回転枠55が光軸AZ周りに回転すると、カムピン60aが貫通カム溝55dに案内され、第4レンズ支持枠60が固定枠50に対してZ軸方向に移動する。
【0069】
よって、ズームリング64を回転させることにより、図5に示す広角端の状態から図6に示す望遠端の状態へ、各レンズ群(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4)がZ軸方向に移動し、所定のズーム位置にて撮影することが可能となる。
このとき、焦点距離の変化に関係なく物点距離が実質的に一定に保たれるように、フォーカスレンズユニット78は、ズームリング64の回転に伴い、第2ホルダー61に対してZ軸方向に移動する。さらに、オートフォーカス時には撮像センサ11の出力に基づいてコントラスト検出が行われ、超音波アクチュエータユニット80により第2レンズ群L2が第2ホルダー61に対して駆動される。この結果、無限遠にて合焦した状態で、広角端から望遠端、あるいは望遠端から広角端にズームリング64が操作された場合も、無限遠にて合焦した状態が維持される。つまり、ズームリング64の回転操作により、フォーカスレンズユニット78は、第1回転枠53および第1直進枠52の移動に伴い、Z軸方向に機械的に移動するとともに、最適な合焦状態となるように、第2レンズ群L2のみは、超音波アクチュエータユニット80によりフォーカスレンズユニット78に対して電気的に駆動される。予め交換レンズユニット2のメモリ44内に記憶されたトラッキング情報に基づき、超音波アクチュエータユニット80の駆動は電子的に制御される。同様に、例えば1mなどの近距離にて合焦した状態で、広角端から望遠端、あるいはその逆の望遠端から広角端に移動した場合も、超音波アクチュエータユニット80の駆動により、近距離にて合焦した状態を維持するので、スムーズなズーム動作を行うことが可能となる。
【0070】
(2.5:フォーカス動作)
次に、デジタルカメラ1のフォーカス動作について説明する。デジタルカメラ1は、オートフォーカスモードおよびマニュアルフォーカスモードの2つのフォーカスモードを有する。カメラ本体3に設けられたフォーカスモード設定ボタンにより、所定の撮影モードを設定する。
【0071】
オートフォーカスモードでは、シャッターボタン30の半押し動作に応じて、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ駆動制御部41へ制御信号を送信し、超音波アクチュエータユニット80を駆動して、第2レンズ群L2を微動させてオートフォーカス動作を行う。ボディーマイコン10は、デジタル信号処理部15へ指令を送信する。デジタル信号処理部15は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をボディーマイコン10へ送信する。ボディーマイコン10は、受信した画像信号と、予めズームリングユニット63から受信した焦点距離情報とに基づいて、光学系Lが合焦状態になる第2レンズ群L2のZ軸方向の移動量を演算する。ボディーマイコン10は、演算結果に基づいて制御信号を生成する。ボディーマイコン10は、制御信号をフォーカスレンズ駆動制御部41へ送信する。
【0072】
フォーカスレンズ駆動制御部41は、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいて、超音波アクチュエータユニット80を駆動するための駆動信号を生成する。超音波アクチュエータユニット80は、駆動信号に基づいて駆動される。超音波アクチュエータユニット80の駆動により、第2レンズ群L2が自動でZ軸方向に移動する。
以上のようにして、デジタルカメラ1のオートフォーカスモードによるフォーカシングが行われる。以上の動作は、ユーザーのシャッターボタン30の半押し動作実行後、瞬時に実行される。ユーザーがシャッターボタン30を全押し動作すると、ボディーマイコン10は、撮影処理を実行し、撮影が終了すると、画像記録制御部19に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号を内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがオートフォーカスモードである旨の情報を、内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。
【0073】
次に、マニュアルフォーカスモード時には、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ駆動制御部41へ、フォーカスリング67の回転角度情報を要求する。ユーザーによりフォーカスリング67が回転操作されると、第2回転検出部68によりフォーカスリング67の回転角度が検出され、検出された回転角度に応じた信号を第2回転検出部68がレンズマイコン40へ出力する。レンズマイコン40は、第2回転検出部68から出力された回転角度信号に基づいて、超音波アクチュエータユニット80を駆動する駆動信号を生成する。レンズマイコン40は、生成した駆動信号をフォーカスレンズ駆動制御部41へ送信する。この駆動信号により、第2ホルダー61に対して超音波アクチュエータユニット80がZ軸方向に移動し、それに伴い、超音波アクチュエータユニット80が固定された第2レンズ支持枠58もZ軸方向に移動する。このようにして、フォーカスリング67の回転方向および回転角度に応じて、第2ホルダー61に対して第2レンズ群L2が駆動される。
【0074】
図5に示す広角端の状態では、焦点が合う被写体までの距離(物点距離)が無限遠となる位置に第2レンズ群L2は配置されているが、物点距離が短くなるに従い第2レンズ群L2はZ軸方向正側へ移動する。同様に、図6に示す望遠端の状態では、物点距離が無限遠となる位置に第2レンズ群L2は配置されているが、被写体までの距離が近くになるに従い第2レンズ群L2はZ軸方向正側に移動する。図6に示す望遠端の状態では、図5に示す広角端の場合に比べ、第2レンズ群L2の移動量は多くなる。
【0075】
以上のようにして、デジタルカメラ1のマニュアルフォーカスモードによるフォーカシングが行われる。マニュアルフォーカスモードにおいて、ユーザーがシャッターボタン30を全押し操作すると、そのときの合焦状態のまま撮影が行われる。
ボディーマイコン10は、撮影が終了すると、画像記録制御部19に制御信号を送信する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号を内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。画像記録部18は、画像記録制御部19の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがマニュアルフォーカスモードである旨の情報を、内部メモリおよび/またはリムーバブルメモリに記録する。
【0076】
(2.6:焦点距離表示)
モニタ撮影モードでは、焦点距離(光学系Lの状態の一例)を示すズーム表示バー105(状態指標部の一例)が表示部20に表示される。ズームリング64の操作方向とズーム表示バー105の状態が変化する方向とが概ね一致するように、ズーム表示バー105の表示形態はボディーマイコン10により決定されている。
【0077】
ここでは、ズーム表示バー105の構成について説明する。図11はズーム表示バー105の一例を示している。ズーム表示バー105は画像表示制御部21が表示部20を制御することで表示部20上に表示される。
図11に示すように、ズーム表示バー105は、表示部20の上半分の領域に配置されている。具体的には、表示部20の中心Cを通り互いに直交する2本のラインを第1ラインCL1および第2ラインCL2とする。いわゆる横撮り姿勢の場合(デジタルカメラ1が図3に示す姿勢のときに撮影する場合)、第1ラインCL1は水平方向に平行であり、第2ラインCL2は鉛直方向に平行である。図11に示す状態で、ズーム表示バー105は第1ラインCL1の上側に配置されている。より詳細には、ズーム表示バー105は表示部20の表示領域の上部に配置されている。
【0078】
図11に示すように、ズーム表示バー105は、焦点距離(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4のZ軸方向の位置)に連動しており、焦点距離情報を示す表示メータ109と、光学系Lの焦点距離の現在値を示すズーム指標107と、を有している。表示メータ109は、左右に延びる概ね長方形のメータ枠109aを有している。メータ枠109aの上側には焦点距離が表示されている。例えば、メータ枠109aの右端には、焦点距離の最大値108aが表示されており、メータ枠109aの左側には、焦点距離の最小値108bが表示されている。ズーム表示バー105の右端が望遠端に対応しており、ズーム表示バー105の左端が広角端に対応している。つまり、焦点距離を変更できる範囲(焦点距離可変範囲)がメータ枠109a全体で表現されている。本実施形態では、最大値108aは50mmであり、最小値108bは14mmである。
【0079】
このメータ枠109a内にはズーム指標107が配置されている。ズーム指標107は、焦点距離の現在値を示す部分であり、焦点距離の増減に応じて(つまり、ズームリング64の操作に応じて)メータ枠109a内を左右に移動する。本実施形態では、表示メータ109が左右に直線的に延びているため、ズーム指標107は表示メータ109に沿って直線的に移動する。
【0080】
例えば、焦点距離が14mmとなる位置に各レンズ群(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4)が配置されている場合には、ズーム表示バー105のズーム指標107は、左端の14mmの位置に表示されている。一方、焦点距離が50mmとなる位置に各レンズ群(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4)が配置されている場合には、ズーム指標107は右端の50mmの位置に表示されている。図11に示す状態においては、ズーム表示バー105は、焦点距離が18mmであることを示しており、焦点距離が18mmとなる位置に各レンズ群(第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4)が配置されている。
【0081】
さらに、メータ枠109aとズーム指標107とにより、グレーに着色された表示帯106が形成されている。本実施形態では、ズーム指標107と焦点距離の最小値108bとの間に表示帯106が形成されているため、表示帯106の長さが焦点距離を表している。例えば、表示帯106が長くなるようにズーム指標107が表示メータ109に対して移動する場合は、焦点距離が増加する方向、つまり広角側から望遠側に光学系Lの状態が変化している。表示帯106が短くなるようにズーム指標107が表示メータ109に対して移動する場合は、焦点距離が短くなる方向、つまり望遠側から広角側に光学系Lの状態が変化している。
【0082】
このズーム表示バー105の表示形態は、ズームリング64の操作方向と関連付けられている。ズーム表示バー105の表示形態とズームリング64の操作方向との関係について、図12(A)および図12(B)を用いて説明する。図12(A)はズームリング64の操作方向を示す図である。図12(B)は表示部20に表示されるズーム表示バー105を示している。図12(A)は、交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されている状態でズームリング64をカメラ本体3側から見た場合のズームリング64の操作方向を示している。
【0083】
なお、本実施形態では、ズームリング64の操作方向(回転方向)は、いわゆる横撮り姿勢において光軸AZの鉛直方向上側(Y軸方向正側)に配置された判断位置J1(図12(A)参照)でのズームリング64の移動方向を意味している。また、A方向およびB方向は、判断位置J1を基準として光軸AZを中心とする円弧に沿った方向である。
ここで、図12(A)に示すように、交換レンズユニット2に対して、光軸AZに直交し水平方向に延びる第1基準ラインAZ1と、光軸AZおよび第1基準ラインAZ1に直交し鉛直方向の延びる第2基準ラインAZ2と、を設定した場合、判断位置J1はズームリング64と第2基準ラインAZ2との上側の交点となる。
【0084】
図12(A)に示すように、ズームリング64がA方向に回転するようにユーザーによりズームリング64が操作されると、光学系Lの状態が広角側から望遠側へ変化する。つまり、ズームリング64がA方向に回転すると、光学系Lの焦点距離は増加する。一方、ズームリング64がB方向に回転するようにユーザーによりズームリング64が操作されると、光学系Lの状態が望遠側から広角側へ変化する。つまり、ズームリング64がB方向に回転すると、光学系Lの焦点距離は減少する。
【0085】
図12(B)に示すように、ズーム表示バー105の右端が望遠端に対応しており、ズーム表示バー105の左端が広角端に対応している。このため、光学系Lの状態が広角側から望遠側へ変化する場合、ズームリング64はA方向に回転し、ズーム指標107は表示メータ109に対して右方向(望遠方向ZA)に移動する。このズーム指標107の移動に伴い、表示帯106が徐々に長くなる。
【0086】
一方、光学系Lの状態が望遠側から広角側へ変化する場合、ズームリング64はB方向に回転し、ズーム指標107は表示メータ109に対して左方向(広角方向ZB)に移動する。このズーム指標107の移動に伴い、表示帯106が徐々に短くなる。
以上に説明したように、判断位置J1を基準にズームリング64の操作方向を考える場合、ズームリング64の操作方向と表示メータ109に対するズーム指標107の移動方向(焦点距離の増減に応じてズーム表示バー105の状態が変化する方向)とが概ね一致する。より詳細には、表示メータ109(表示部20)に対してズーム指標107が移動する望遠方向ZAが判断位置J1から右方向に延びる円弧状のA方向と概ね一致しており、表示メータ109(表示部20)に対してズーム指標107が移動する広角方向ZBが判断位置J1から左方向に延びる円弧状のB方向と概ね一致している。このため、表示部20に表示されたズーム表示バー105を見ながら撮影すれば、焦点距離を調整する際にズームリング64をどの方向に操作したらよいかをユーザーが直感的に理解しやすくなる。これにより、このカメラ本体3では操作性を向上させることができる。
【0087】
なお、ズームリング64の操作方向を円弧に沿った方向としているが、判断位置J1における接線方向(図12(A)に示すA1方向およびB1方向)で、操作方向とズーム指標107の移動方向とが一致しているか否かを判断してもよい。
以上に説明した交換レンズユニット2は、焦点距離が増加するズームリング64の回転方向が時計回りである。
【0088】
しかし、交換レンズユニットごとでズームリングの操作方向と焦点距離の増減との関係が異なる場合がある。
そこで、カメラ本体3では、ズーム表示バー105の表示形態が、交換レンズユニット2に格納されたレンズ情報に基づいてボディーマイコン10により決定される。
具体的には、レンズ情報は、ズームリング64の操作方向と焦点距離の変化との関係を表す操作方向情報と、光学系Lの焦点距離を変更できる範囲を表す焦点距離情報と、を含んでいる。操作方向情報から、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がA方向でるかB方向であるかを判断することができる。焦点距離情報には、焦点距離の最大値108aおよび最小値108bが含まれている。
【0089】
交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されると、ボディーマイコン10によりレンズマイコン40からレンズ情報が取得される。取得したレンズ情報に基づいて、ボディーマイコン10によりズーム表示バー105の表示形態が決定される。ズーム表示バー105の表示形態としては、最大値108aおよび最小値108bの位置が考えられる。
ここでは、ズーム表示バー105が表示部20の上半分の領域(第1ラインCL1よりも鉛直方向上側の領域)に表示される場合について説明する。
【0090】
例えば、レンズ情報の操作方向情報に基づいて、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がA方向(時計回り)であるとボディーマイコン10により判断された場合、最大値108aが右側、最小値108bが左側に配置されるように、ボディーマイコン10によりズーム表示バー105における最大値108aおよび最小値108bの位置が決定される。最大値108aおよび最小値108bは、レンズ情報の焦点距離情報に含まれている。本実施形態では、操作方向情報には、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がA方向であることを示す情報が含まれている。このため、図11に示すようにズーム表示バー105が表示部20に表示される。
【0091】
一方、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がB方向であるとボディーマイコン10により判断された場合、最大値108aが左側、最小値108bが右側に配置されるように、ボディーマイコン10によりズーム表示バー105における最大値108aおよび最小値108bの位置が決定される。図13に示す表示状態が、この場合に相当する。この場合の図12(A)および図12(B)に対応する図は図14(A)および図14(B)である。
【0092】
図14(A)に示すように、ズームリング64がB方向に回転すると、図14(B)に示すように、表示メータ109に対して望遠方向ZAにズーム指標107が移動する。ズームリング64がA方向に回転すると、表示メータ109に対して広角方向ZBにズーム指標107が移動する。
このように最大値108aおよび最小値108bの位置を操作方向情報に基づいて決定することで、表示メータ109に対するズーム指標107の移動方向がズームリング64の判断位置J1における操作方向と概ね一致する。また、交換レンズユニット2の仕様に応じてズーム表示バー105の表示形態が自動的に調節されるため、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0093】
また、デジタルカメラ1では、例えば十字操作キー27などを用いて、表示部20におけるズーム表示バー105の位置をユーザーが選択できる。この場合、ズーム表示バー105の配置に基づいてズーム表示バー105の表示形態が決定される。
例えば、ズーム表示バー105が表示部20の下半分の領域(第1ラインCL1よりも鉛直方向下側の領域)に表示される場合、光軸AZの鉛直方向下側に配置される判断位置J2におけるズームリング64の操作方向に基づいてズーム表示バー105の最大値108aおよび最小値108bの配置が決定される。なぜなら、この場合は、光軸AZの下方に配置された判断位置J2でズームリング64の操作方向を判定する方が操作方向をユーザーがイメージしやすいためである。
【0094】
ここで、図15(A)に示すように、交換レンズユニット2に対して、光軸AZに直交し水平方向に延びる第1基準ラインAZ1と、光軸AZおよび第1基準ラインAZ1に直交し鉛直方向の延びる第2基準ラインAZ2と、を設定した場合、判断位置J2はズームリング64と第2基準ラインAZ2との下側の交点となる。
図15(A)に示すように、判断位置J2でズームリング64の操作方向を判断する場合、A方向(時計回り)が望遠側、B方向(反時計回り)が広角側となる。この操作方向に基づいて、図15(B)に示すように、表示メータ109の左側に最大値108a、表示メータ109の右側に最小値108bが配置されるように、ボディーマイコン10あるいは画像表示制御部21によりズーム表示バー105の表示形態が調節される。これにより、ズーム表示バー105の配置に関わらず、焦点距離を調整する際にズームリング64をどの方向に操作したらよいかをユーザーが理解しやすくなる。
【0095】
<3:デジタルカメラの特徴>
以上に説明したデジタルカメラ1の特徴を以下にまとめる。
(1)
このカメラ本体3では、ズームリング64の操作方向と、表示メータ109に対してズーム指標107が移動する方向と、が概ね一致するように、ボディーマイコン10および画像表示制御部21により表示部20が制御される。このため、表示部20に表示されたズーム表示バー105を見ながら撮影する場合に、光学系Lの焦点距離を調整する際にズームリング64をどの方向に操作したらよいかをユーザーが直感的に理解しやすくなる。これにより、このカメラ本体3では操作性を向上させることができる。
【0096】
(2)
このカメラ本体3では、交換レンズユニット2のメモリ44に記憶されたレンズ情報がボディーマイコン10により取得される。取得されたレンズ情報には、ズームリング64の操作方向と焦点距離の増減との関係を表す操作方向情報が含まれている。この操作方向情報に基づいて、表示部20におけるズーム表示バー105の表示形態がボディーマイコン10により決定される。具体的には、ズームリング64の操作方向とズーム指標107の移動方向とが概ね一致するように、ズーム表示バー105における焦点距離の最大値108aおよび最小値108bの配置がボディーマイコン10により決定される。このため、交換レンズユニットごとにズームリングの操作方向と焦点距離の増減との関係が異なっていても、交換レンズユニットの仕様に応じて操作方向とズーム指標107の移動方向とを概ね一致させることができる。これにより、このカメラ本体3では、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0097】
(3)
このカメラ本体3では、光学系Lの焦点距離を変更できる範囲を表す焦点距離情報をレンズ情報が含んでいるため、交換レンズユニット2ごとに焦点距離を変更できる範囲が異なっていても、交換レンズユニットの仕様に合わせてズーム表示バー105の表示形態を調節することができる。具体的には、操作方向情報に基づいてズーム表示バー105の表示メータ109における焦点距離情報の配置がボディーマイコン10により決定されるため、交換レンズユニットの仕様に応じてズーム表示バー105の表示形態を最適化することができる。これにより、このカメラ本体3では、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0098】
(4)
このカメラ本体3では、表示部20の表示領域におけるズーム表示バー105の位置に基づいてズーム表示バー105における最大値108aおよび最小値108bの表示位置が決定される。このため、例えば、図11および図12(B)に示すようにズーム表示バー105が表示部20の上半分の領域に配置されている場合は、図12(A)に示すように、判断位置J1におけるズームリング64の操作方向を基準に最大値108aおよび最小値108bの表示位置がボディーマイコン10により決定される。これにより、光学系Lの焦点距離を調整する際にズームリング64をどの方向に操作したらよいかをユーザーがイメージしやすくなる。
【0099】
(5)
このカメラ本体3では、着色された表示帯106の長さにより焦点距離が表わされているため、ズーム表示バー105を見ることで現在の焦点距離がどの程度であるかをユーザーが直感的に認識しやすくなる。
<4:変形例>
前述の実施形態では、ズーム表示バー105は直線状であるが、ズーム表示バー105は円弧状であってもよい。
【0100】
例えば、図16および図17に示すように、円弧状のズーム表示バー125(状態指標部の一例)を用いて焦点距離を表してもよい。このズーム表示バー125は、表示メータ129と、ズーム指標127と、を有している。表示メータ129は、点ZCを中心とした円弧状のメータ枠129aを有している。メータ枠129aの周囲には焦点距離が表示されている。メータ枠129aおよびズーム指標127により、グレーに着色された表示帯126が形成されている。表示帯126の長さにより現在の焦点距離が表されている。
【0101】
図16に示すズーム表示バー125は、図11および図12(B)に示すズーム表示バー105に対応している。つまり、図16に示すズーム表示バー125は、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がA方向(時計回り)である場合に対応している。焦点距離が増加する際にズーム指標127が回転する方向とA方向とが一致するように、ズーム表示バー125における最大値128aおよび最小値128bの配置がボディーマイコン10により決定されている。
【0102】
具体的には、図16に示すズーム表示バー125では、メータ枠129aの時計回り方向の端部に最大値128a(50mm)が表示されており、メータ枠129aの反時計回り方向の端部に最小値108b(14mm)が表示されている。このため、ズームリング64がA方向に回転し光学系Lの焦点距離が増加すると、点ZCを中心にズーム指標127は望遠方向ZA(時計回り)に回転する。ズームリング64がB方向に回転し光学系Lの焦点距離が減少すると、点ZCを中心にズーム指標127は広角方向ZB(反時計回り)に回転する。つまり、ズームリング64の回転方向とズーム指標127の回転方向とが一致する。
【0103】
一方、図17に示すズーム表示バー125は、図13および図14(B)に示すズーム表示バー105に対応している。つまり、図17に示すズーム表示バー125は、焦点距離が増加するズームリング64の操作方向がB方向(反時計回り)である場合に対応している。焦点距離が増加する際にズーム指標127が回転する方向とB方向とが一致するように、ズーム表示バー125における最大値128aおよび最小値128bの配置がボディーマイコン10により決定されている。
【0104】
具体的には、図17に示すズーム表示バー125では、メータ枠129aの反時計回り方向の端部に最大値128a(50mm)が表示されており、メータ枠129aの時計回り方向の端部に最小値128b(14mm)が表示されている。このため、ズームリング64がB方向に回転し光学系Lの焦点距離が増加すると、点ZCを中心にズーム指標127は望遠方向ZA(反時計回り)に回転する。ズームリング64がA方向に回転し光学系Lの焦点距離が減少すると、点ZCを中心にズーム指標127は広角方向ZB(時計回り)に回転する。つまり、ズームリング64の回転方向とズーム指標127の回転方向とが一致する。
【0105】
このように、ズームリング64の回転方向とズーム指標127の回転方向とが一致するため、表示部20に表示されたズーム表示バー125を見ながら撮影する場合に、光学系Lの焦点距離を調整する際にズームリング64をどの方向に操作したらよいかをユーザーが理解しやすくなる。これにより、ズーム表示バー125のような表示形式であっても、操作性を向上させることができる。
【0106】
また、ズーム表示バー105の場合と同様に、ズーム表示バー125では表示帯126の長さにより現在の焦点距離が表されているため、ズーム表示バー125を見ることで現在の焦点距離がどの程度であるかをユーザーが直感的に認識しやすくなる。
特に、直線状のズーム表示バー105に比べて、円弧状のズーム表示バー125はズームリング64の回転方向とズーム指標127の回転方向とが一致するため、ズームリング64の回転方向の把握がさらに容易となる。
【0107】
なお、ズーム表示バー125は円弧状であるが、ズーム表示バー125が環状であっても同様の効果を得ることができる。
なお、ズーム表示バー105,125は、表示部20に常に表示させておく必要はなく、ズームリング64の回転動作が第1回転検出部65により検出された時にズーム表示バー105,125を表示させ、ズームリング64の回転動作が終了した時には、ズーム表示バー105,125の表示を自動的に消去する構成としてもよい。あるいは、シャッターボタン30が操作されるまでの間は表示部20に常にズーム表示バー105,125を表示させ、シャッターボタン30の半押し操作後にズーム表示バー105,125の表示を自動的に消去する構成としてもよい。
【0108】
また、ズーム表示バー105,125は、シャッターボタン30の半押し操作後にボディーマイコン10により合焦が確認された場合に、グレーに着色された表示帯106,126が他の色に変わる、あるいは表示帯106,126が点滅するなどの表示形式にすれば、ユーザーは合焦しているかどうかを瞬時に判断することができる。
〔第2実施形態〕
<1:物点距離表示>
前述の実施形態では、ズーム表示バー105およびズーム表示バー125が焦点距離を表しているが、フォーカスリング67により変更可能な被写体の物点距離に対しても同様の構成が考えられる。図18を用いて第2実施形態について説明する。図18はフォーカス表示バー205を示している。
【0109】
なお、前述の実施形態の構成と実質的に同一の機能を有する構成については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、フォーカス表示バー205は、表示部20の上半分の領域に配置されている。具体的には、表示部20の中心Cを通り互いに直交する2本のラインを第1ラインCL1および第2ラインCL2とする。いわゆる横撮り姿勢の場合、第1ラインCL1は水平方向に平行であり、第2ラインCL2は鉛直方向に平行である。図11に示す状態で、フォーカス表示バー205は第1ラインCL1の上側に配置されている。より詳細には、フォーカス表示バー205は表示部20の表示領域の上部に配置されている。
【0110】
図18に示すように、フォーカス表示バー205は、物点距離(第2レンズ群L2のZ軸方向の位置)に連動しており、物点距離情報を示す表示メータ209と、光学系Lの物点距離の現在値を示すフォーカス指標207と、を有している。表示メータ209は、左右に延びる概ね長方形のメータ枠209aを有している。メータ枠209aの上側には物点距離が表示されている。例えば、メータ枠209aの右端には、物点距離の最大値208aが表示されており、メータ枠209aの左側には、物点距離の最小値208bが表示されている。つまり、物点距離を変更できる範囲(物点距離可変範囲)がメータ枠209a全体で表現されている。本実施形態では、最大値208aは無限遠(∞)であり、最小値208bは0.3mである。
【0111】
このメータ枠209a内にはフォーカス指標207が配置されている。フォーカス指標207は、物点距離の現在値を示す部分であり、物点距離の増減に応じて(つまり、フォーカスリング67の操作に応じて)メータ枠209a内を左右に移動する。本実施形態では、表示メータ209が左右に直線的に延びているため、フォーカス指標207は表示メータ209に沿って直線的に移動する。
【0112】
例えば、物点距離が0.3mとなる位置に第2レンズ群L2が配置されている場合には、フォーカス表示バー205のフォーカス指標207は、左端の0.3mの位置に表示されている。一方、物点距離が無限遠となる位置に第2レンズ群L2が配置されている場合には、フォーカス指標207は右端の無限遠の位置に表示されている。図18に示す状態においては、フォーカス表示バー205は、物点距離が1mであることを示しており、物点距離が1mとなる位置に第2レンズ群L2が配置されていることを示している。
【0113】
さらに、メータ枠209aとフォーカス指標207とにより、グレーに着色された表示帯206が形成されている。本実施形態では、フォーカス指標207と物点距離の最小値208bとの間に表示帯206が形成されているため、表示帯206の長さが物点距離を表している。例えば、表示帯206が長くなるようにフォーカス指標207が表示メータ209に対して移動する場合は、物点距離が増加する方向、つまり至近側から無限遠側に光学系Lの状態が変化している。表示帯206が短くなるようにフォーカス指標207が表示メータ209に対して移動する場合は、物点距離が短くなる方向、つまり無限遠側から至近側に光学系Lの状態が変化している。
【0114】
このフォーカス表示バー205の表示形態は、フォーカスリング67の操作方向と関連付けられている。両者の関係について、図19(A)および図19(B)を用いて説明する。図19(A)はフォーカスリング67の操作方向を示す図である。図19(B)は表示部20に表示されるフォーカス表示バー205を示している。図19(A)は、交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されている状態でフォーカスリング67をカメラ本体3側から見た場合のフォーカスリング67の操作方向を示している。図19(A)および図19(B)は前述の第1実施形態の図12(A)および図12(B)に対応している。
【0115】
なお、本実施形態では、フォーカスリング67の操作方向(回転方向)は、いわゆる横撮り姿勢において光軸AZの鉛直方向上側(Y軸方向正側)に配置された判断位置J1(図19(A)参照)でのフォーカスリング67の移動方向を意味している。また、A方向およびB方向は、判断位置J1を基準として光軸AZを中心とする円弧に沿った方向である。
【0116】
ここで、図19(A)に示すように、交換レンズユニット2に対して、光軸AZに直交し水平方向に延びる第1基準ラインAZ1と、光軸AZおよび第1基準ラインAZ1に直交し鉛直方向の延びる第2基準ラインAZ2と、を設定した場合、判断位置J1はフォーカスリング67と第2基準ラインAZ2との上側の交点となる。
図19(A)に示すように、フォーカスリング67がA方向に回転するようにユーザーによりフォーカスリング67が操作されると、光学系Lの状態が至近側から無限遠側へ変化する。つまり、フォーカスリング67がA方向に回転すると、光学系Lの物点距離は増加する。一方、フォーカスリング67がB方向に回転するようにユーザーによりフォーカスリング67が操作されると、光学系Lの状態が無限遠側から至近側へ変化する。つまり、フォーカスリング67がB方向に回転すると、光学系Lの物点距離は減少する。
【0117】
図19(B)に示すように、フォーカス表示バー205の右端が無限遠側に対応しており、フォーカス表示バー205の左端が至近側に対応している。このため、光学系Lの状態が至近側から無限遠側へ変化する場合、フォーカスリング67はA方向に回転し、フォーカス指標207は表示メータ209に対して右方向(無限遠方向FA)に移動する。このフォーカス指標207の移動に伴い、表示帯206が徐々に長くなる。
【0118】
一方、光学系Lの状態が無限遠側から至近側へ変化する場合、フォーカスリング67はB方向に回転し、フォーカス指標207は表示メータ209に対して左方向(至近方向FB)に移動する。このフォーカス指標207の移動に伴い、表示帯206が徐々に短くなる。
以上に説明したように、判断位置J1を基準にフォーカスリング67の操作方向を決定する場合、フォーカスリング67の操作方向と表示メータ209に対するフォーカス指標207の移動方向(物点距離の増減に応じてフォーカス表示バー205の状態が変化する方向)とが概ね一致する。より詳細には、表示メータ209(表示部20)に対してフォーカス指標207が移動する無限遠方向FAが判断位置J1から右方向に延びる円弧状のA方向と概ね一致しており、表示メータ209(表示部20)に対してフォーカス指標207が移動する至近方向FBが判断位置J1から左方向に延びる円弧状のB方向と概ね一致している。このため、表示部20に表示されたフォーカス表示バー205を見ながら撮影すれば、物点距離を調整する際にフォーカスリング67をどの方向に操作したらよいかをユーザーが理解しやすくなる。これにより、このカメラ本体3では操作性を向上させることができる。
【0119】
なお、フォーカスリング67の操作方向を円弧に沿った方向としているが、判断位置J1における接線方向(図19(A)に示すA2方向およびB2方向)で、操作方向とフォーカス指標207の移動方向とが一致しているか否かを判断してもよい。
以上に説明した交換レンズユニット2は、物点距離が増加するフォーカスリング67の回転方向が時計回りである。
【0120】
しかし、交換レンズユニットごとでフォーカスリングの操作方向と物点距離の増減との関係が異なる。
そこで、前述の実施形態と同様に、カメラ本体3では、フォーカス表示バー205の表示形態が、交換レンズユニット2に格納されたレンズ情報に基づいてボディーマイコン10により決定される。
【0121】
具体的には、レンズ情報は、フォーカスリング67の操作方向と物点距離の変化との関係を表す操作方向情報と、光学系Lの物点距離を変更できる範囲を表す物点距離情報と、を含んでいる。操作方向情報から、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がA方向でるかB方向であるかを判断することができる。物点距離情報には、物点距離の最大値208aおよび最小値208bが含まれている。
【0122】
交換レンズユニット2がカメラ本体3に装着されると、ボディーマイコン10によりレンズマイコン40からレンズ情報が取得される。取得したレンズ情報に基づいて、ボディーマイコン10によりフォーカス表示バー205の表示形態が決定される。フォーカス表示バー205の表示形態としては、最大値208aおよび最小値208bの位置が考えられる。
【0123】
ここでは、フォーカス表示バー205が表示部20の上半分の領域(第1ラインCL1よりも鉛直方向上側の領域)に表示される場合について説明する。
例えば、レンズ情報の操作方向情報に基づいて、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がA方向(時計回り)であるとボディーマイコン10により判断された場合、最大値208aが右側、最小値208bが左側に配置されるように、ボディーマイコン10によりフォーカス表示バー205における最大値208aおよび最小値208bの位置が決定される。最大値208aおよび最小値208bは、レンズ情報の物点距離情報に含まれている。本実施形態では、操作方向情報には、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がA方向であることを示す情報が含まれている。このため、図18に示すようにフォーカス表示バー205が表示部20に表示される。
【0124】
一方、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がB方向であるとボディーマイコン10により判断された場合、最大値208aが左側、最小値208bが右側に配置されるように、ボディーマイコン10によりフォーカス表示バー205における最大値208aおよび最小値208bの位置が決定される。図20に示す表示状態が、この場合に相当する。この場合の図19(A)および図19(B)に対応する図は図21(A)および図21(B)である。
【0125】
図21(A)に示すように、フォーカスリング67がB方向に回転すると、図21(B)に示すように、表示メータ209に対して無限遠方向FAにフォーカス指標207が移動する。フォーカスリング67がA方向に回転すると、表示メータ209に対して至近方向FBにフォーカス指標207が移動する。
このように最大値208aおよび最小値208bの位置を操作方向情報に基づいて決定することで、表示メータ209に対するフォーカス指標207の移動方向がフォーカスリング67の判断位置J1における操作方向と概ね一致する。また、交換レンズユニット2の仕様に応じてフォーカス表示バー205の表示形態が自動的に調節されるため、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0126】
また、デジタルカメラ1では、例えば十字操作キー27などを用いて、表示部20におけるフォーカス表示バー205の位置をユーザーが選択できる。この場合、フォーカス表示バー205の配置に基づいてフォーカス表示バー205の表示形態が決定される。
例えば、フォーカス表示バー205が表示部20の下半分の領域(第1ラインCL1よりも鉛直方向下側の領域)に表示される場合、光軸AZの鉛直方向下側に配置される判断位置J2におけるフォーカスリング67の操作方向に基づいてフォーカス表示バー205の最大値208aおよび最小値208bの配置が決定される。なぜなら、この場合は、光軸AZの下方に配置された判断位置J2でフォーカスリング67の操作方向を判定する方が操作方向をイメージしやすいためである。
【0127】
ここで、図22(A)に示すように、交換レンズユニット2に対して、光軸AZに直交し水平方向に延びる第1基準ラインAZ1と、光軸AZおよび第1基準ラインAZ1に直交し鉛直方向の延びる第2基準ラインAZ2と、を設定した場合、判断位置J2はフォーカスリング67と第2基準ラインAZ2との下側の交点となる。
図22(A)に示すように、判断位置J2でフォーカスリング67の操作方向を判断する場合、A方向(時計回り)が無限遠側、B方向(反時計回り)が至近側となる。この操作方向に基づいて、図22(B)に示すように、表示メータ209の左側に最大値208a、表示メータ209の右側に最小値208bが配置されるように、ボディーマイコン10あるいは画像表示制御部21によりフォーカス表示バー205の表示形態が調節される。これにより、フォーカス表示バー205の配置に関わらず、物点距離を調整する際にフォーカスリング67をどの方向に操作したらよいかをユーザーが理解しやすくなる。
【0128】
<2:デジタルカメラの特徴>
以上に説明したデジタルカメラ1の特徴を以下にまとめる。
(1)
このカメラ本体3では、フォーカスリング67の操作方向と、表示メータ209に対してフォーカス指標207が移動する方向と、が概ね一致するように、ボディーマイコン10および画像表示制御部21により表示部20が制御される。このため、表示部20に表示されたフォーカス表示バー205を見ながら撮影する場合に、光学系Lの物点距離を調整する際にフォーカスリング67をどの方向に操作したらよいかをユーザーが直感的に理解しやすくなる。これにより、このカメラ本体3では操作性を向上させることができる。
【0129】
(2)
このカメラ本体3では、交換レンズユニット2のメモリ44に記憶されたレンズ情報がボディーマイコン10により取得される。取得されたレンズ情報には、フォーカスリング67の操作方向と物点距離の増減との関係を表す操作方向情報が含まれている。この操作方向情報に基づいて、表示部20におけるフォーカス表示バー205の表示形態がボディーマイコン10により決定される。具体的には、フォーカスリング67の操作方向とフォーカス指標207の移動方向とが概ね一致するように、フォーカス表示バー205における物点距離の最大値208aおよび最小値208bの配置がボディーマイコン10により決定される。このため、交換レンズユニットごとにフォーカスリングの操作方向と物点距離の増減との関係が異なっていても、交換レンズユニットの仕様に応じて操作方向とフォーカス指標207の移動方向とを概ね一致させることができる。これにより、このカメラ本体3では、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0130】
(3)
このカメラ本体3では、光学系Lの物点距離を変更できる範囲を表す物点距離情報をレンズ情報が含んでいるため、交換レンズユニット2ごとに物点距離を変更できる範囲が異なっていても、交換レンズユニットの仕様に合わせてフォーカス表示バー205の表示形態を調節することができる。具体的には、操作方向情報に基づいてフォーカス表示バー205の表示メータ209における物点距離情報の配置がボディーマイコン10により決定されるため、交換レンズユニットの仕様に応じてフォーカス表示バー205の表示形態を最適化することができる。これにより、このカメラ本体3では、より多くの交換レンズユニットとの互換性を確保することができる。
【0131】
(4)
このカメラ本体3では、表示部20の表示領域におけるフォーカス表示バー205の位置に基づいてフォーカス表示バー205における最大値208aおよび最小値208bの表示位置が決定される。このため、例えば、図18および図19(B)に示すようにフォーカス表示バー205が表示部20の上半分の領域に配置されている場合は、図19(A)に示すように、判断位置J1におけるフォーカスリング67の操作方向を基準に最大値208aおよび最小値208bの表示位置がボディーマイコン10により決定される。これにより、光学系Lの物点距離を調整する際にフォーカスリング67をどの方向に操作したらよいかをユーザーがイメージしやすくなる。
【0132】
(5)
このカメラ本体3では、着色された表示帯206の長さにより物点距離が表わされているため、フォーカス表示バー205を見ることで現在の物点距離がどの程度であるかをユーザーが直感的に認識しやすくなる。
<3:変形例>
前述の実施形態では、フォーカス表示バー205は直線状であるが、フォーカス表示バー205は円弧状であってもよい。
【0133】
例えば、図23および図24に示すように、円弧状のフォーカス表示バー225(状態指標部の一例)を用いて物点距離を表してもよい。このフォーカス表示バー225は、表示メータ229と、フォーカス指標227と、を有している。表示メータ229は、点ZCを中心とした円弧状のメータ枠229aを有している。メータ枠229aの周囲には物点距離が表示されている。メータ枠229aおよびフォーカス指標227により、グレーに着色された表示帯226が形成されている。表示帯226の長さにより現在の物点距離が表されている。
【0134】
図23に示すフォーカス表示バー225は、図18および図19(B)に示すフォーカス表示バー205に対応している。つまり、図23に示すフォーカス表示バー225は、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がA方向(時計回り)である場合に対応している。物点距離が増加する際にフォーカス指標227が回転する方向とA方向とが一致するように、フォーカス表示バー225における最大値228aおよび最小値228bの配置がボディーマイコン10により決定されている。
【0135】
具体的には、図23に示すフォーカス表示バー225では、メータ枠229aの時計回り方向の端部に最大値228a(∞)が表示されており、メータ枠229aの反時計回り方向の端部に最小値228b(0.3m)が表示されている。このため、フォーカスリング67がA方向に回転し光学系Lの物点距離が増加すると、点FCを中心にフォーカス指標227は無限遠方向FA(時計回り)に回転する。フォーカスリング67がB方向に回転し光学系Lの物点距離が減少すると、点FCを中心にフォーカス指標227は至近方向FB(反時計回り)に回転する。つまり、フォーカスリング67の回転方向とフォーカス指標227の回転方向とが一致する。
【0136】
一方、図24に示すフォーカス表示バー225は、図20および図21(B)に示すフォーカス表示バー205に対応している。つまり、図24に示すフォーカス表示バー225は、物点距離が増加するフォーカスリング67の操作方向がB方向(反時計回り)である場合に対応している。物点距離が増加する際にフォーカス指標227が回転する方向とB方向とが一致するように、フォーカス表示バー225における最大値228aおよび最小値228bの配置がボディーマイコン10により決定されている。
【0137】
具体的には、図24に示すフォーカス表示バー225では、メータ枠229aの反時計回り方向の端部に最大値228a(∞)が表示されており、メータ枠229aの時計回り方向の端部に最小値228b(0.3m)が表示されている。このため、フォーカスリング67がB方向に回転し光学系Lの物点距離が増加すると、点FCを中心にフォーカス指標227は無限遠方向FA(反時計回り)に回転する。フォーカスリング67がA方向に回転し光学系Lの物点距離が減少すると、点FCを中心にフォーカス指標227は至近方向FB(時計回り)に回転する。つまり、フォーカスリング67の回転方向とフォーカス指標227の回転方向とが一致する。
【0138】
このように、フォーカスリング67の回転方向とフォーカス指標227の回転方向とが一致するため、表示部20に表示されたフォーカス表示バー205を見ながら撮影する場合に、光学系Lの物点距離を調整する際にフォーカスリング67をどの方向に操作したらよいかをユーザーが理解しやすくなる。これにより、フォーカス表示バー225のような表示形式であっても、操作性を向上させることができる。
【0139】
また、フォーカス表示バー205の場合と同様に、フォーカス表示バー225では表示帯226の長さにより現在の物点距離が表されているため、フォーカス表示バー225を見ることで現在の物点距離がどの程度であるかをユーザーが直感的に認識しやすくなる。
特に、直線状のフォーカス表示バー205に比べて、円弧状のフォーカス表示バー225はフォーカスリング67の回転方向とフォーカス指標227の回転方向とが完全に一致するため、フォーカスリング67の回転方向の把握がさらに容易となる。
【0140】
なお、フォーカス表示バー225は円弧状であるが、フォーカス表示バー225が環状であっても同様の効果を得ることができる。
なお、フォーカス表示バー205,225は、表示部20に常に表示させておく必要はなく、マニュアルフォーカスモードに移行したとき、あるいはフォーカスレンズ67の回転動作が第2回転検出部68により検出された時にフォーカス表示バー205,225を表示させ、フォーカスリング67の回転動作が終了した時には、フォーカス表示バー205,225の表示を自動的に消去する構成としてもよい。
【0141】
〔他の実施形態〕
(1)
前述の変形例において、ズームリング64の回転角度の絶対値とズーム指標127の回転角度の絶対値とを一致させてもよい。また、フォーカスリング67の回転角度の絶対値とフォーカス指標227の回転角度の絶対値とを一致させてもよい。これらの場合、ズームリング64あるいはフォーカスリング67を操作する際に操作量をユーザーが把握しやすくなり、操作性がさらに向上する。
【0142】
(2)
前述の実施形態では、例えばズーム表示バー105には焦点距離の最小値108bおよび最大値108aが表示されているが、ユーザーがズームリング64の操作すべき方向を知るためには、ズーム表示バー105に焦点距離の最小値108bおよび最大値108aそのものを表示する必要はない。例えば、焦点距離が増加する方向および減少する方向がわかればよいので、例えば、最小値108bを「Min」、最大値108aを「Max」と表示してもよい。また、最小値108bを「小」、最大値108aを「大」と表示してもよい。
【0143】
ズーム表示バー125、フォーカス表示バー205および225についても同様に、最小値および最大値以外の表示を用いてもよい。
(3)
焦点距離情報の表示については、撮像センサ11のサイズから求められる表示、あるいは銀塩フィルムの35mm換算の表示が考えられる。これらの表示形式は、ユーザーにより切り換え可能としてもよい。
【0144】
(4)
前述の実施形態では、交換レンズユニット2の焦点距離可変範囲は、14mmから50mmまでであるが、焦点距離可変範囲はこれらの数値に限定されない。前述のように、望遠レンズおよび広角レンズなどの異なる焦点距離範囲の交換レンズユニットがカメラ本体3に取り付けられた場合には、ズーム表示バー105および125の表示範囲は、交換レンズユニットのメモリに記憶された個々の焦点距離情報に基づいて変更されるようになっている。
【0145】
(5)
前述の実施形態では、ズームリング64の回転が機械的に各支持枠に伝達される方式がレンズ支持機構45に採用されているが、ズーム機構の駆動方式はこれに限定されない。ズーム機構の駆動方式は、例えば電動ズーム方式であってもよい。その場合には、ズームリング64の回転方向および回転角度を第1回転検出部65により検出して、ズームリング64の回転に合わせて、アクチュエータ(図示せず)によりズームレンズ群(例えば、第1レンズ群L1)をZ軸方向に駆動して、焦点距離を変更するようにしてもよい。
【0146】
(6)
前述の実施形態で説明した表示部20は、カメラ本体3の筐体3aに対して固定されているが、可動タイプの表示部を用いる場合も考えられる。この場合、表示部の筐体3aに対する角度は変更可能であるため、表示部に表示されるズーム表示バーやフォーカス表示バーの配置を表示部の姿勢に応じて最適化することが考えられる。
【0147】
また、前述の実施形態では、デジタルカメラ1の撮影姿勢については、図3に示すように、横撮り姿勢の状態にて説明したが、光軸AZを中心にデジタルカメラ1を時計回りに90°あるいは反時計回りに90°回転させた縦撮り姿勢の状態の場合も考えられる。この場合、交換レンズユニット2あるいはカメラ本体3に搭載された姿勢検出センサにてデジタルカメラ1の姿勢を判別することにより、デジタルカメラ1の姿勢に合わせてユーザーがズーム表示バー105あるいはフォーカス表示バー205を見やすいように、ズーム表示バー105あるいはフォーカス表示バー205も回転させて表示させてもよい。その際には、表示部20の縦横比に合わせて、ズーム表示バー105あるいはフォーカス表示バー205の表示長さがボディーマイコン10により調整されてもよい。ズーム表示バー125およびフォーカス表示バー225についても同様に、デジタルカメラ1の姿勢に応じて配置および寸法が自動的に調節されるようにしてもよい。
【0148】
また、ズーム表示バー105の表示部20内での表示位置については、撮像センサ11により取得されるライブ画像から、メインの被写体とズーム表示バー105とが重ならない位置(あるいは、ほとんど重ならない位置)を検出して、その位置にズーム表示バー105を自動的に配置するようにしてもよい。メインの被写体の範囲を検出する技術としては、例えば、いわゆる顔検出技術などを用いることができる。この構成についても、ズーム表示バー125、フォーカス表示バー205および225にそれぞれ適用することができる。
【0149】
(7)
前述の実施形態では、フォーカス調節用のアクチュエータとして超音波アクチュエータを使用したが、フォーカス用のアクチュエータは、例えば、ステッピングモータなど、その他の方式のアクチュエータであってもよい。
(8)
前述の実施形態では、静止画撮影について主に説明したが、動画撮影も同様に行うことができる。動画撮影の場合には、合焦状態を保つために、コントラスト検出方式によりZ軸方向に第2レンズ群L2を常にウォブリング(微小往復振動)させる。
【0150】
(9)
前述の実施形態では、フォーカスレンズ群を第2レンズ群L2としたが、それに限らず、第3レンズ群L3、あるいは第4レンズ群L4などの他のレンズ群がフォーカス用のレンズ群であってもよい。また、フォーカスレンズ群として1つの第2レンズ群L2である場合について説明したが、複数のレンズ群を協調させてフォーカス調節を行うような光学系であってもよい。
【0151】
(10)
カメラ本体3や交換レンズユニット2の振れにより生じる画像の劣化を抑制するために、デジタルカメラ1に振れ補正ユニットが設けられていてもよい。振れ補正ユニットは、交換レンズユニットまたはカメラ本体内のいずれか一方に設けられていてもよい。また、振れ補正ユニットは交換レンズユニットおよびカメラ本体の両方に設けられていてもよい。この場合、いずれの振れ補正ユニットを使用するかを選択できる構成であってもよい。
【0152】
(11)
前述の実施形態のデジタルカメラ1には従来の一眼レフカメラで採用されている反射ミラーが搭載されていないが、反射ミラーを備えた従来方式の一眼レフカメラであってもよい。その場合には、反射ミラーを光路から退避させ、撮像センサ11にてコントラスト検出方式のオートフォーカスを行うことにより、本実施形態とほぼ同等の使い方ができる。
【0153】
(12)
前述の実施形態では、交換レンズ式のデジタルカメラを例に説明しているが、ズームやフォーカスを手動操作するための操作部材が設けられていれば、カメラ本体とレンズ鏡筒とが一体となったデジタルカメラにもズーム表示バー105などの状態指標部は適用可能である。その場合には、光軸AZ上にプリズムあるいはミラーのような反射光学系を配置し、光路を途中で折り曲げた光学系(いわゆる屈曲光学系)を用いてもよい。
【0154】
また、ズームリング64およびフォーカスリング67はリング状の部材でなくてもよい。
(13)
前述の実施形態では、シャッターを動作させることにより撮像センサ11への露光時間を制御したが、これに限らず、電子シャッターなどにより撮像センサ11の露光時間を制御してもよい。
【0155】
(14)
前述の実施形態では、フォーカス位置がメートル表示にて記載されているが、フィート表示であってもよい。また、これらの表示形式は、ユーザーにより切換え可能としてもよい。ユーザーにとって使いやすいように、フォーカス表示バー205および225において、最至近から無限遠までの目盛りの間隔を自由に設定できるようにしてもよい。
【0156】
(15)
前述の実施形態では、交換レンズユニット2の物点距離可変範囲は0.3mから無限遠までであるが、物点距離可変範囲はこれらの数値に限定されない。前述のように、フォーカス表示バー205および225の表示範囲は、交換レンズユニットのメモリに記憶された個々の物点距離情報に基づいて変更されるようになっている。このため、例えばマクロレンズのように最短撮影距離が近い(例えば0.1m)交換レンズユニットを取り付けた場合には、フォーカス表示バー205および225の表示範囲は0.1mから無限遠までとなる。
【0157】
(16)
前述の第2実施形態の場合、光学系Lは焦点距離を変更可能なズームレンズ系ではなく単焦点の光学系であってもよい。単焦点の光学系を有する交換レンズユニット2を取り付けた場合には、フォーカス表示バー205,225のみ表示し、ズーム表示バー105,125は表示させないようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明に係るカメラ本体は、操作性の向上が要望される交換レンズ式のデジタルカメラ、一体型のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ部を備えた携帯電話およびPDAなどに好適である。
【符号の説明】
【0159】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
2 交換レンズユニット(レンズ鏡筒)
3 カメラ本体
3a 筐体
4 ボディーマウント
10 ボディーマイコン(制御部の一例)
11 撮像センサ
12 撮像センサ駆動制御部
20 表示部
21 画像表示制御部(制御部の一例)
25 電源スイッチ
26 動作モード切換レバー
27 十字操作キー
28 MENU設定ボタン
29 SETボタン
30 シャッターボタン
31 シャッター制御部
33 シャッターユニット
34 撮影モード切換ボタン
40 レンズマイコン
41 フォーカスレンズ駆動制御部
44 メモリ(記憶部の一例)
50 固定枠
52 第1直進枠
53 第1回転枠
54 第1ホルダー
55 第2回転枠
57 1群レンズ支持枠
58 2群レンズ支持枠
59 3群レンズ支持枠
60 4群レンズ支持枠
61 2群ホルダー
62 フィルターマウント
63 ズームリングユニット
64 ズームリング(操作部材の一例)
65 第1回転検出部
67 フォーカスリング(操作部材の一例)
68 第2回転検出部
71 レンズマウント
74a,74b,74c ガイドポール
75 第3ホルダー
76 磁気スケール
77 磁気センサ
78 フォーカスレンズユニット
80 超音波アクチュエータユニット
80a 可動部
80b 固定部
81 圧電素子
82 駆動子
83 可動体
84 内ケース
88 給電電極
90 外ケース
94 摺動板
97 ズームレンズ駆動制御部
105、125 ズーム表示バー(状態指標部の一例)
106、126 表示帯
107、127 ズーム指標(指標の一例)
108a、128a 最大値(焦点距離情報の一例)
108b、128b 最小値(焦点距離情報の一例)
109、129 表示メータ
109a、129a メータ枠
205、225 フォーカス表示バー(状態指標部の一例)
206、226 表示帯
207、227 フォーカス指標(指標の一例)
208a、228a 最大値(物点距離情報の一例)
208b、228b 最小値(物点距離情報の一例)
209、229 表示メータ
209a、229a メータ枠
L 光学系
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられるカメラ本体であって、
前記光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能な表示部と、
ユーザーが前記操作部材を操作する際に前記状態指標部を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記レンズ鏡筒は、前記光学系の焦点距離を変更できる全部の範囲を示す焦点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有しており、
前記状態指標部は、前記光学系の前記焦点距離を数値情報として表しており、前記焦点距離情報を示す表示メータをさらに有しており、
前記制御部は、前記操作部材が操作されると前記状態指標部を表示すると共に、前記操作部材の操作が終了後に前記状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する、
カメラ本体。
【請求項2】
操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられるカメラ本体であって、
前記光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能な表示部と、
ユーザーが前記操作部材を操作する際に前記状態指標部を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
半押しと全押しの少なくとも2段階の操作が可能なシャッターボタンと、
を備え、
前記レンズ鏡筒は、前記光学系の焦点距離を変更できる全部の範囲を示す焦点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有しており、
前記状態指標部は、前記光学系の前記焦点距離を数値情報として表しており、前記焦点距離情報を示す表示メータをさらに有しており、
前記制御部は、前記状態指標部が表示されている状態で、前記シャッターボタンが半押し操作されると、前記状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する、
カメラ本体。
【請求項3】
操作部材を操作することにより光学系の状態を変更可能なレンズ鏡筒とともに撮像装置に用いられるカメラ本体であって、
前記光学系の状態を表す状態指標部およびスルー画像を表示可能な表示部と、
ユーザーが前記操作部材を操作する際に前記状態指標部を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記レンズ鏡筒は、焦点が合う前記光学系の物点距離を変更できる全部の範囲を示す物点距離情報を含むレンズ情報を記憶する記憶部を有しており、
前記状態指標部は、前記光学系の前記物点距離を数値情報として表しており、前記物点距離情報を示す表示メータをさらに有しており、
前記制御部は、前記操作部材が操作されると前記状態指標部を表示すると共に、前記操作部材の操作が終了後に前記状態指標部の表示を自動的に消去するように制御する、
カメラ本体。
【請求項4】
操作部材と、被写体の光学像を形成する光学系と、前記操作部材の操作に応じて前記光学系の状態を変化させる状態変更部と、を有するレンズ鏡筒と、
請求項1から3のいずれかに記載のカメラ本体と、
を備えた撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−177929(P2012−177929A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−103294(P2012−103294)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2009−537902(P2009−537902)の分割
【原出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】