説明

カラオケ自動レコーディング装置

【課題】専用の装置を用いずに、リアルタイムに使用者が歌唱している姿に任意の背景画像を合成して記録媒体に記録することができるカラオケ自動レコーディング装置を提供する。
【解決手段】歌唱者を撮影するカメラ7と、カメラ7が撮影した映像と合成するための背景画像を記憶したHDD6と、カメラ7が撮影した映像とHDD5に記憶した背景画像とを合成するCPU2と、CPU2が合成した合成映像に伴奏音および歌唱音とを含むMPEG2で符号化したデータをDVDに記録するCPU2と、を備えているカラオケ自動レコーディング装置1において、CPU2内にコアA2aとコアB2bの2つのCPUコアが設けられ、合成をコアA2a、符号化および記録をコアB2bが行い、それぞれのコアCPUが独立して同時に動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケの伴奏音に合わせて歌っている人物を撮影して、任意の背景画面と合成して記録媒体に記録するカラオケ自動レコーディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1〜3に記載されたカラオケ装置などのように、演奏されるカラオケ曲に合わせて使用者(人物)が歌唱している姿に任意の背景画像を合成した歌唱音および演奏音(伴奏音)を含んだ映像データを光学式ディスクなどに記録する機能を有するものが提案されている。そして、使用者は、映像データを記録した光学式ディスクを後で再生して楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−236423号公報
【特許文献2】特開2000−29472号公報
【特許文献3】特開2003−177764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したカラオケ装置などで使用者が歌唱している姿に任意の背景画像を合成する動作や、歌唱音および演奏音を含んだ映像データを光学式ディスクなどに記録する動作などは、リアルタイムで行うためにはそれぞれ専用の処理装置で行う必要があり、高価になってしなうという問題があった。そのため、例えば汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)などを用いて行う場合、CPUの処理能力が足りないために、合成した映像を一端バッファメモリなどに格納してから光学式ディスクなどに記録する必要があるためにリアルタイム処理が困難であった。
【0005】
上述した問題は、特に光学式ディスクなどに記録する際に、映像をMPEG2などのCPUに負荷が大きい符号化方式で符号化して記録すると影響が大きくなる。
【0006】
そこで、本発明は、専用の装置を用いずに、リアルタイムに使用者が歌唱している姿に任意の背景画像を合成して記録媒体に記録することができるカラオケ自動レコーディング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
伴奏音に合わせて歌唱している人物を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した映像のうち前記人物部分と合成するための背景画像を記憶した記憶手段と、前記カメラが撮影した映像のうちの前記人物部分と前記記憶手段に記憶した背景画像とを合成する合成手段と、前記合成手段が合成した合成映像に前記伴奏音および前記人物の歌唱音とを含んだデータを記録媒体に記録するカラオケ映像記録手段と、を備えているカラオケ自動レコーディング装置であって、前記合成手段と、前記カラオケ映像記録手段と、がそれぞれ異なるCPUで構成され、各々の前記CPUが独立して同時に動作することを特徴とするカラオケ自動レコーディング装置である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、合成手段と、カラオケ映像記録手段と、がそれぞれ異なるCPUで構成され、各々のCPUが独立して同時に動作するので、合成手段とカラオケ映像記録手段の動作がそれぞれ同時かつ独立に行うことができ、専用の装置を用いずに、リアルタイムに使用者が歌唱している姿に任意の背景画像を合成して光学式ディスクなどに記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態にかかるカラオケ自動レコーディング装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態を図1を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるカラオケ自動レコーディング装置1は、図1に示すように、合成手段、カラオケ映像記録手段としてのCPU2と、RAM3と、ROM4と、記憶手段としてのHDD5と、DVDドライブ6と、カメラ7と、ビデオI/F8と、オーディオI/F9と、撮影条件設定手段としての操作部10と、モニタ11と、バス12と、を備えている。
【0011】
CPU2は、図1に示したようにコアA2aとコアB2bの2つのCPUコアから構成されている。そして、カラオケ自動レコーディング装置1の全体制御をROM3やHDD5などに格納された制御プログラムを実行することで行う。特に、本実施形態では、ビデオI/F8を介して入力されたカメラ7で撮影された映像と、HDD5に予め格納されている背景画像とを合成(クロマキー合成)し、合成した映像と、オーディオI/F9を介して入力されるカラオケの伴奏音と、その伴奏音に合わせて歌唱している人物の歌声(歌唱音)と、を合わせてMPEG2方式で符号化して符号化データをDVDドライブ6に出力し、DVDドライブ6にセットされているDVDに記録(録画)させる。
【0012】
本実施形態では、例えばコアA2aに、ビデオI/F8を介して入力されたカメラ7で撮影された映像と、HDD5に予め格納されている背景画像とを合成(クロマキー合成)させる動作を割り当て、コアB2bに、合成した映像と、オーディオI/F9を介して入力されるカラオケの伴奏音と、その伴奏音に合わせて歌唱している人物の歌声(歌唱音)と、を合わせてMPEG2方式で符号化して符号化データをDVDドライブ6に出力させる動作を割り当てる。
【0013】
RAM3は、揮発性のメモリで構成された読み書き可能な記憶素子であり、CPU2が各種動作を行う際に発生するデータ等を一時的に格納するワーク領域として使用される。ROM4は、不揮発性のメモリで構成された読み出し専用の記憶素子であり、カラオケ自動レコーディング装置1の制御プログラムやパラメータ等が記憶されている。
【0014】
HDD5は、カラオケ自動レコーディング装置1の制御プログラムやカメラ7で撮影され人物と合成するための複数の背景画像などが格納されているハードディスクドライブである。DVDドライブ6は、CPU2で背景と合成された映像に伴奏音と歌唱音を含んだMPEG2方式で符号化されたデータを記録媒体であるDVDに記録するドライブ装置である。
【0015】
カメラ7は、図示しないカラオケの伴奏音に合わせて歌唱している人物(歌唱者)を撮影しているビデオカメラであり、撮影した映像はビデオI/F8と、バス12を介してCPU2に送られる。
【0016】
オーディオI/F9は、図示しないカラオケ装置から出力されたカラオケの伴奏音と歌唱音とをバス12を介してCPU2に出力する。なお、伴奏音と歌唱音は両方が合成された音声として入力しても良いし、別々に入力しても良い。
【0017】
操作部10は、複数のボタン等が設けられカラオケ自動レコーディング装置1の操作を行う。この操作は、DVDへの記録の開始/終了や、カメラ7の操作および合成する背景画像の選択などである。なお、操作部10はリモートコントローラ(リモコン)で構成しても良いし、カラオケ自動レコーディング装置1本体部とリモコンの双方で操作可能としても良い。
【0018】
モニタ11は、カラオケ自動レコーディング装置1の操作画面やカメラ7が撮影した映像あるいは合成画像などが表示される表示装置であり、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。
【0019】
このように構成されたカラオケ自動レコーディング装置1は、まず、DVDドライブ6にDVDのディスクをセットする。そして、操作部10でモニタ10に表示される操作画面を参照しながらHDD5に格納されている背景画像を選択し、録画を開始する操作を行うと、カメラ7は歌唱者の撮影を開始する。CPU2で歌唱者と選択した背景画像と合成して伴奏音と歌唱音とを含むMPEG2で符号化したデータとしてDVDドライブ6からDVDに記録する。そして、歌唱が終了したら、操作部10で録画を終了する操作を行うことでDVDへの記録を終了する。
【0020】
本実施形態によれば、CPU2が、コアA2aとコアB2bの2つのコアCPUから構成され、コアA2aに、ビデオI/F8を介して入力されたカメラ7で撮影された映像と、HDD5に予め格納されている背景画像とを合成(クロマキー合成)させ、コアB2bに、合成した映像とオーディオI/F9を介して入力されるカラオケの伴奏音と、その伴奏音に合わせて歌唱している人物の歌声(歌唱音)と、を含みMPEG2方式で符号化したデータをDVDドライブ6に出力させるので、合成処理と合成映像と音声の符号化および出力処理をそれぞれのコアCPUで行うことができ、各動作がそれぞれ同時かつ独立に行うことができ、専用の装置を用いずに、リアルタイムに使用者が歌唱している姿に任意の背景画像を合成してDVDに記録することができる。
【0021】
なお、上述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 カラオケ自動レコーディング装置
2 CPU(合成手段、カラオケ映像記録手段)
2a コアA(異なるCPU)
2b コアB(異なるCPU)
5 HDD(記憶手段)
7 カメラ
10 操作部(撮影条件設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伴奏音に合わせて歌唱している人物を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した映像のうち前記人物部分と合成するための背景画像を記憶した記憶手段と、前記カメラが撮影した映像のうちの前記人物部分と前記記憶手段に記憶した背景画像とを合成する合成手段と、前記合成手段が合成した合成映像に前記伴奏音および前記人物の歌唱音とを含んだデータを記録媒体に記録するカラオケ映像記録手段と、を備えているカラオケ自動レコーディング装置であって、
前記合成手段と、前記カラオケ映像記録手段と、がそれぞれ異なるCPUで構成され、各々の前記CPUが独立して同時に動作することを特徴とするカラオケ自動レコーディング装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−10240(P2012−10240A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146148(P2010−146148)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(510179467)株式会社ユニバーサル・ビジネス・クラブ (2)
【Fターム(参考)】