説明

カラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造

【課題】金属板を丸めて円筒状とした、スリットを有してなるカラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造であって、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品において亀裂が発生し難いカラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造を提供する。
【解決手段】樹脂成形品32へ組み付けられる、金属板を丸めて円筒状とした、スリットS1を有してなるカラー41において、前記円筒の上端面または下端面を構成し、ボルト50の軸力を受ける少なくとも一方の端面Ta,Tbが、ボルト50の締め付け前において、該端面Ta,Tbの占める面積が最大となる円筒の軸方向に垂直な平面を基準平面La,Lbとしたとき、該基準平面La,Lbから円筒の外に向かう凸部41a,41bを有してなるカラー41とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品へ組み付けられ、該樹脂成形品を固定するためのボルトの締め付けによる軸力を受けるカラー、および該カラーの前記樹脂成形品への組み付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品へ組み付けられ、該樹脂成形品を固定するためのボルトの締め付けによる軸力を受けるカラーが、例えば、特許文献1,2に開示されている。
【0003】
特許文献1に示されるカラーは、金属板を丸めて円筒状とし、該円筒の側面において金属板の両端が対向する、スリットを有してなるカラーとなっている。このようなカラーは、円筒軸に垂直な面においてC字形となることから、Cカラーと呼ばれる。
【0004】
また、特許文献1では、自動車のエアクリーナが、Cカラーの周囲にインシュレーゴムを介在させて、ボルト、スプリングワッシャ、平座金、およびナットにより、車体等のステーに取り付けられている。
【0005】
一方、特許文献2に示されるカラーは、鍛造やプレスで円筒状とし、該円筒の側面にスリットを有していないカラーとなっている。このようなカラーは、円筒軸に垂直な面においてO字形となることから、Oカラーと呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−27816号公報
【特許文献2】特開2009−168723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
Cカラーは、Oカラーに較べて、低コストで製造することが可能である。一方、従来のCカラーは、ボルト締め付けによる高い軸力が印加されると、スリットが広がり、その広がる力(引裂き力)で周りの樹脂が破壊され易いという問題点がある。このため、特許文献1においては、ボルトを締め付けに伴うスリットの広がりが抑制されるように、両端を噛み合い形状としている。
【0008】
しかしながら、両端を噛み合い形状としてスリットの広がり変形を抑制した場合であっても、Cカラーのスリット位置が周りの樹脂成形品のウエルド部(樹脂成形時、異なる経路を通って流動する樹脂同士が衝突する部分)に一致すると、わずかな広がり力(引裂き力)で周りの樹脂成形品に微小亀裂が発生し、信頼性が低下する。
【0009】
このため、特許文献1に示される、インシュレーゴムを介在させてエアクリーナを固定するカラーのように、樹脂成形品に引裂き力が伝達し難い状態での使用や、一般的にボルトの軸力が低い状態での使用に限定されてきた。
【0010】
そこで本発明は、金属板を丸めて円筒状とした、スリットを有してなるカラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造であって、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品において亀裂が発生し難いカラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、金属板を丸めて円筒状とし、該円筒の側面において前記金属板の両端が対向する、スリットを有してなり、樹脂成形品へ組み付けられ、該樹脂成形品を固定するためのボルトの締め付け軸力を受けるカラーであって、前記円筒の上端面または下端面を構成し、前記ボルトの軸力を受ける少なくとも一方の端面が、ボルトの締め付け前において、該端面の占める面積が最大となる円筒の軸方向に垂直な平面を基準平面としたとき、該基準平面から円筒の外に向かう凸部を有してなることを特徴としている。
【0012】
上記カラーは、金属板を丸めて円筒状とし、該円筒の側面において前記金属板の両端が対向する、スリットを有してなるカラー(以下、円筒軸に垂直な面においてC字形となることから、Cカラーと呼ぶ)である。
【0013】
Cカラーは、鍛造やプレスで円筒状とし、該円筒の側面にスリットを有していないカラー(以下、円筒軸に垂直な面においてO字形となることから、Oカラーと呼ぶ)に較べて、低コストで製造することが可能である。一方、従来のCカラーは、Oカラーに較べて、ボルト締め付けによる高い軸力が印加されると、スリットが広がり、その広がる力(引裂き力)で周りの樹脂が破壊され易いという問題点がある。
【0014】
このため、請求項1に記載のCカラーは、前記円筒の上端面または下端面を構成し、前記ボルトの軸力を受ける少なくとも一方の端面が、ボルトの締め付け前において、該端面の占める面積が最大となる円筒の軸方向に垂直な平面を基準平面としたとき、該基準平面から円筒の外に向かう凸部を有してなる構成としている。
【0015】
上記凸部を有していない従来のCカラーは、樹脂成形品へ組み付ける際に、円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂成形品に対するスリットの位置を制御できていなかった。このため、従来のCカラーでは、例えばスリットの位置が周りの樹脂成形品のウエルド部(樹脂成形時、異なる経路を通って流動する樹脂同士が衝突する部分)に一致すると、わずかな広がり力(引裂き力)で周りの樹脂成形品に微小亀裂が発生し、信頼性が低下するといった問題があった。このため、従来のCカラーは、一般的にボルトの軸力が低い状態での使用に限定されてきた。
【0016】
これに対して、上記凸部を有する請求項1に記載のCカラーは、該凸部を、樹脂成形品へ組み付ける際の位置決めに利用することができる。すなわち、当該Cカラーを樹脂成形品へ組み付ける際、上記凸部を利用して、円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットの位置が周りの樹脂成形品における最大強度が確保できる位置と一致するように、当該Cカラーを樹脂成形品に対して位置決めすることができる。従って、当該Cカラーは、従来の凸部を有していないCカラーに較べて、組み付けられる樹脂成形品に微小亀裂が発生し難く、高い信頼性を確保することができ、高軸力での使用も可能になる。また、低軸力での使用であれば、従来の凸部を有していないCカラーに較べて、円筒の軸方向の厚さを薄くすることができ、コストダウンが可能である。
【0017】
以上のようにして、上記Cカラーは、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品において亀裂が発生し難い構成となっている。このため、広範囲の製品に適用することができる。
【0018】
上記Cカラーの凸部は、上述したようにスリットの樹脂成形品に対する位置決めに利用することができるが、材質や形状を適宜設定することで他の効果を持たせることもできる。
【0019】
例えば請求項2に記載のように、上記Cカラーは、前記凸部が、前記端面において、前記側面のスリットの端部を頂点としたスロープ状である構成とすることができる。
【0020】
上記スロープ状の凸部は、ボルトを締め付けた時に弾性変形させることによって弾性による軸力を発生させ、ボルトによる締結力を強化することができる。言ってみれば、Cカラーに、バネ座金(スプリングワッシャ)と同じ効果を持たせることが可能である。
【0021】
この場合、バネ座金と同様の効果を得るためには、請求項3に記載のように、前記凸部が、前記スリットを間に挟んで前記円筒の上端面と下端面に、180°回転対称に配置されてなることが好ましい。
【0022】
また、上記Cカラーは、請求項4に記載のように、前記凸部が、角柱状であり、該凸部が、前記スリットの近くにおける前記金属板の一方の端に、前記円筒の軸方向に垂直な面を対称面として、前記上端面と下端面に面対称に配置されてなる構成としてもよい。
【0023】
上記円筒の上端面と下端面に面対称に配置される角柱状の凸部は、ボルトの締め付け初期においてボルトの軸力が該凸部に集中的に印加され、該凸部が弾性変形することによって弾性による軸力が発生する。従って、この場合も、ボルトによる締結力を強化することができる。
【0024】
また、上記Cカラーは、請求項5に記載のように、前記金属板の両端が、前記円筒の軸方向およびそれに垂直な方向で相互に噛み合うように、それぞれ鉤状に形成されてなり、前記スリットが、前記円筒の軸方向に垂直なS字形状を有してなる構成とすることが好ましい。
【0025】
当該Cカラーにおいては、スリットの幅を十分に小さく設定することで、ボルトを締め付けたとき上記金属板の相互に噛み合う鉤状に形成された両端が引っ掛かり、両端が弾性変形(もしくは塑性変形)してスリットの隙間が潰される。これによって、スリットが広がろうとする引裂き力がキャンセルされ、スリットの広がり変形を抑制することができる。
【0026】
この場合、円筒の軸方向で均一な引っ掛かり力とするため、請求項6に記載のように、前記スリットが、180°回転対称形状を有してなることが好ましい。
【0027】
また、請求項7に記載のように、前記S字形状のスリットの折れ曲がり部における内側の前記金属板の両端が、前記折れ曲がり部に向かって、尖った形状に形成されてなる構成としてもよい。
【0028】
これによれば、ボルトを締め付けたとき上記尖った形状の両端にボルトの軸力が集中的に印加されるようにして、該尖った形状の両端の先を潰すことで、対向する金属板の両端の隙間を埋める。これによって、当初あったスリットの幅を小さくすることができ、上記鉤状に形成された両端の引っ掛かり力によるスリットの広がり変形抑制効果を高めることができる。
【0029】
上記Cカラーにおける前記凸部は、請求項8に記載のように、製造コストの増大を回避するため、前記金属板から一体的に形成されてなることが好ましい。
【0030】
また、これに限らず、上記Cカラーは、請求項9に記載のように、前記金属板の両端が、前記円筒の軸方向で相互に噛み合うように、該軸方向に垂直な方向の突き出し部をそれぞれ有してなり、前記突き出し部において、前記円筒の上端面から下端面まで貫く貫通穴が、前記金属板に形成され、前記金属板と別体で形成され、前記貫通穴に挿入することにより前記凸部として機能する柱状部品と、前記金属板とで、前記カラーが構成されていてもよい。
【0031】
当該Cカラーにおいては、上記貫通穴に挿入された柱状部品が前記凸部として機能し、樹脂成形品への組み付けに際して、円筒の軸方向に垂直な面内におけるスリットの位置決めに利用可能である。また、上記貫通穴に挿入された柱状部品は、ボルトを締め付けたとき、金属板の相互に噛み合う突き出し部の広がり変形を抑制する。さらに、ボルトの締め付け初期には、上記柱状部品にボルトの軸力が集中的に印加されるため、該柱状部品を潰すことで前記貫通穴を埋め、相互に噛み合う突き出し部の広がり変形抑制効果がさらに高められる。
【0032】
請求項10〜13に記載の発明は、上記Cカラーの樹脂成形品への組み付け構造に関する。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、前記スリットが、前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記カラーの中心と該スリットを結ぶ直線の延長上に前記樹脂成形品のウエルド部が位置しないように、配置されてなることを特徴としている。
【0034】
上記組み付け構造は、前記Cカラーの凸部によるスリットの位置決め機能を利用して、ボルトを締め付けたとき広がり変形が発生するスリットと、樹脂成形品において強度が低いウエルド部とが、円筒の軸方向に垂直な面内において同じ位置に重ならないようにするものである。
【0035】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、前記スリットが、前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記カラーの中心と該スリットを結ぶ直線の延長上に前記樹脂成形品の最小肉厚部が位置しないように、配置されてなることを特徴としている。
【0036】
上記組み付け構造は、前記Cカラーの凸部によるスリットの位置決め機能を利用して、ボルトを締め付けたとき広がり変形が発生するスリットと、樹脂成形品において強度が低い最小肉厚部とが、円筒の軸方向に垂直な面内において同じ位置に重ならないようにするものである。
【0037】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、前記スリットが、前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記樹脂成形品の成形時における金型の樹脂ゲート位置と前記カラーの中心を結ぶ直線に対して、カラーの中心と該スリットを結ぶ直線が直交するように、配置されてなることを特徴としている。
【0038】
上記組み付け構造は、前記Cカラーの凸部によるスリットの位置決め機能を利用して、ボルトを締め付けたとき広がり変形が発生するスリットが、円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂ゲート位置とカラーの中心を結ぶ直線方向で鎖状高分子が平行して並び、樹脂成形品において強度の高い円筒の外周位置に重なるようにするものである。
【0039】
請求項13に記載の発明は、請求項3に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、前記スロープが、前記ボルトの頭部側において該ボルトの回転方向に沿って高くなるように配置されてなることを特徴としている。
【0040】
上記組み付け構造は、ボルトの締め付け時において前記Cカラーのスロープ状の凸部をスムーズに変形させるため、ボルトの回転方向に対するスロープ状の凸部の配置関係を適切に設定するものである。
【0041】
以上のようにして、上記したカラーおよび該カラーの樹脂成形品への組み付け構造は、金属板を丸めて円筒状とした、スリットを有してなるCカラーおよび該Cカラーの樹脂成形品への組み付け構造であって、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品において亀裂が発生し難く、広範囲の製品に適用することができる、安価で高い信頼性を有したCカラーおよび該Cカラーの樹脂成形品への組み付け構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一例であるカラー41がケースの樹脂成形品32へ一体成形された、MRE(磁気抵抗素子)センサ40の右側面図である。
【図2】図1に示したMREセンサ40の製造方法の一例を示す図で、樹脂成形工程における図1の一点鎖線A−Aに沿った断面を拡大して示した図である。
【図3】(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたカラー41について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、(b)は、カラー41に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40を台座部60へ固定した状態を示した図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれ、Cカラー41を用いた別のMREセンサ40a,40bの右側面図で、Cカラー41の周りを拡大して示した図である。
【図5】図1〜図3に示したCカラー41の変形例を示す図で、Cカラー42を有するMREセンサ40cの断面を拡大して示した図である。(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー42について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、(b)は、Cカラー42に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40cを台座部60へ固定した状態を示した図である。
【図6】図5に示したCカラー42の変形例を示す図で、Cカラー43を有するMREセンサ40dの断面を拡大して示した図である。(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー43について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、(b)は、Cカラー43に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40cを台座部60へ固定した状態を示した図である。
【図7】図1〜図3に示したCカラー41の別の変形例を示す図で、Cカラー44を有するMREセンサ40eの断面を拡大して示した図であり、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー44について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示している。
【図8】凸部を丸められた金属板と別体で構成した例を示す図で、Cカラー45を有するMREセンサ40fの断面を拡大して示した図であり、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー45について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための形態を、図に基づいて説明する。
【0044】
図1は、本発明の一例であるカラー41がケースの樹脂成形品32へ一体成形された、MRE(磁気抵抗素子)センサ40の右側面図である。図2は、図1に示したMREセンサ40の製造方法の一例を示す図で、樹脂成形工程における図1の一点鎖線A−Aに沿った断面を拡大して示した図である。また、図3(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたカラー41について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、図3(b)は、カラー41に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40を台座部60へ固定した状態を示した図である。尚、図3(a),(b)は、図2と同様で、それぞれ各状態における図1の一点鎖線A−Aに沿った断面を拡大して示した図である。
【0045】
図1のMREセンサ40においては、カラー41が、ケースの樹脂成形品32のフランジ部に一体成形されている。図1のMREセンサ40で使用されているカラー41は樹脂成形品32へ組み付けられ、該樹脂成形品32をボルト50で台座部60へ固定するためのもので、図3(b)に示したように、ボルト50の締め付け軸力を受ける。図1のカラー41は、金属板を丸めて円筒状としたもので、該円筒の側面において金属板の両端が対向する、スリットS1を有している。(以下、円筒軸に垂直な面においてC字形となることから、Cカラーと呼ぶ)。図1のCカラー41が有するスリットS1は、円筒の軸方向に伸びた直線状である。
【0046】
一方、図1のCカラー41は、金属板を丸めた円筒の上端面Taと下端面Tbに、図3(a)に示すスロープ状の凸部41a,41bを有している。該凸部41a,41bは、厳密に定義すると、図3(a)に示すように、Cカラー41において、それぞれ円筒の上端面Taと下端面Tbを構成し、ボルト50の軸力を受ける端面Ta,Tbが、ボルト50の締め付け前において、該端面Ta,Tbの占める面積が最大となる円筒の軸方向に垂直な平面を基準平面La,Lbとしたとき、該基準平面La,Lbから円筒の外に向かう部分である。図1〜図3に示したCカラー41は、凸部41a,41bが、端面Ta,Tbにおいて、側面のスリットS1の端部を頂点としたスロープ状である。
【0047】
図1に示すMREセンサ40においては、上記Cカラー41の凸部41a,41bを、樹脂成形品32に対する円筒の軸方向に垂直な面内でのスリットS1の位置決めに利用している。すなわち、図2に示すように、Cカラー41の凸部41a,41bが、金型Ka,Kbに形成された凹部Ka1,Kb1と嵌合するようにして、スリットS1が円筒の軸方向に垂直な面内で所定の位置となるように、Cカラー41を金型Ka,Kbに対して位置決めする。この状態で、図1に示す樹脂ゲートから樹脂を金型Ka,Kbに流し込み、カラー41と樹脂成形品32を一体成形する。これによって、図1に示すように、製造されたMREセンサ40のCカラー41は、スリットS1が常に樹脂成形品32のウエルド部(樹脂成形時、異なる経路を通って流動する樹脂同士が衝突する部分)と反対側に位置するようにしている。
【0048】
ところで、円筒の側面にスリットを有しているCカラーは、鍛造やプレスで円筒状とし、該円筒の側面にスリットを有していないカラー(以下、円筒軸に垂直な面においてO字形となることから、Oカラーと呼ぶ)に較べて、低コストで製造することが可能である。一方、従来のCカラーは、Oカラーに較べて、ボルト締め付けによる高い軸力が印加されると、スリットが広がり、その広がる力(引裂き力)で周りの樹脂が破壊され易いという問題点があった。
【0049】
上記問題点を解決するため、図1のMREセンサ40で採用しているCカラー41は、金属板を丸めた円筒の上端面Taと下端面Tbに、凸部41a,41bを有している。
【0050】
上記凸部を有していない従来のCカラーは、樹脂成形品へ組み付ける際に、円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂成形品に対するスリットの位置を制御できていなかった。このため、スリットの位置が周りの樹脂成形品のウエルド部に一致すると、わずかな広がり力(引裂き力)で周りの樹脂成形品に微小亀裂が発生し、信頼性が低下するといった問題があった。このため、従来のCカラーは、一般的にボルトの軸力が低い状態での使用に限定されてきた。
【0051】
これに対して、凸部41a,41bを有したCカラー41は、上記したように、該凸部41a,41bを、樹脂成形品32へ組み付ける際の位置決めに利用することができる。すなわち、当該Cカラー41を樹脂成形品32へ組み付ける際、凸部41a,41bを利用して、円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットS1の位置が周りの樹脂成形品32における最大強度が確保できる位置と一致するように、Cカラー41を樹脂成形品32に対して位置決めすることができる。従って、本実施形態に示すCカラー41は、従来の凸部を有していないCカラーに較べて、組み付けられる樹脂成形品32に微小亀裂が発生し難く、高い信頼性を確保することができ、高軸力での使用も可能になる。また、低軸力での使用であれば、従来の凸部を有していないCカラーに較べて、円筒の軸方向の厚さを薄くすることができ、コストダウンが可能である。
【0052】
以上のようにして、図1〜図3で例示したCカラー41は、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品32において亀裂が発生し難く、広範囲の製品に適用することができる、安価で高い信頼性を有したCカラーとなっている。
【0053】
尚、図1〜図3で例示したCカラー41は、金属板を丸めた円筒の上端面Taと下端面Tbの両方に、凸部41a,41bを有していた。しかしながらこれに限らず、上記スリットS1を位置決めするための凸部は、Cカラーにおいて円筒の上端面または下端面を構成し、ボルト50の軸力を受ける少なくとも一方の端面に有していればよい。また、図2では、樹脂成形工程においてCカラー41を金型Ka,Kbに位置決めし、Cカラー41を樹脂成形品32と一体成形する例を示した。しかしながらこれに限らず、例えば予め成形してある樹脂成形品32の貫通穴に対して、凸部41a,41bを利用してCカラー41のスリットS1を位置決めし、該貫通穴にCカラー41を圧入するようにしてもよい。
【0054】
また、本発明に係るCカラー41の凸部41a,41bは、上述したようにスリットS1の樹脂成形品32に対する位置決めに利用することができるが、材質や形状を適宜設定することで他の効果を持たせることもできる。
【0055】
例えば、図1〜図3に示したCカラー41は、凸部41a,41bが、端面Ta,Tbにおいて、側面のスリットS1の端部を頂点としたスロープ状である。該スロープ状の凸部41a,41bは、図3(b)に示すように、ボルト50を締め付けた時に弾性変形させることによって弾性による軸力を発生させ、ボルト50による締結力を強化することができる。言ってみれば、Cカラー41に、バネ座金(スプリングワッシャ)と同じ効果を持たせることが可能である。バネ座金と同様の効果を得るためには、図3(a)に示すCカラー41のように、凸部41a,41bが、スリットS1を間に挟んで金属板の円筒の上端面Taと下端面Tbに、180°回転対称に配置されてなることが好ましい。
【0056】
また、図3(a),(b)に示すように、Cカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造は、凸部41a,41bのスロープが、ボルト50の頭部側において該ボルト50の回転方向に沿って高くなるように配置された組み付け構造となっている。該組み付け構造は、ボルト50の締め付け時においてCカラー41のスロープ状の凸部41a,41bをスムーズに変形させるため、ボルト50の回転方向に対するスロープ状の凸部41a,41bの配置関係を適切に設定するものである。
【0057】
図4(a),(b)は、それぞれ、上記と同じCカラー41を用いた別のMREセンサ40a,40bの右側面図で、Cカラー41の周りを拡大して示した図である。
【0058】
図1に示したMREセンサ40において、樹脂成形品32のウエルド部は、Cカラー41の円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂成形品32の最小肉厚部でもあり、最も強度が低い部分である。このため、図1のMREセンサ40におけるCカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造では、凸部41a,41bによるスリットS1の位置決め機能を利用して、Cカラー41の円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットS1が樹脂成形品32のウエルド部と反対側に位置するようにしていた。
【0059】
これに対して、図4(a)のMREセンサ40aにおけるCカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造では、凸部41a,41bによるスリットS1の位置決め機能を利用して、Cカラー41の円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットS1が、図中に二点鎖線で示したCカラー41の中心と該スリットS1を結ぶ直線の延長上に樹脂成形品32の最小肉厚部が位置しないように、樹脂ゲート位置側の肉厚部に配置されている。
【0060】
また、図4(b)のMREセンサ40bにおけるCカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造では、スリットS1が、図中に一点鎖線で示した樹脂成形品32の成形時における金型の樹脂ゲート位置とCカラー41の中心を結ぶ直線に対して、図中に二点鎖線で示したCカラー41の中心と該スリットS1を結ぶ直線が直交するように、配置されている。
【0061】
図1のMREセンサ40や図4(a)のMREセンサ40aのように、凸部41a,41bによるスリットS1の位置決め機能を有したCカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造では、Cカラー41の凸部41a,41bによるスリットS1の位置決め機能を利用して、ボルト50を締め付けたとき広がり変形が発生するスリットS1と、樹脂成形品32において強度が低いウエルド部や最小肉厚部とが、円筒の軸方向に垂直な面内において同じ位置に重ならないようにすることが好ましい。このためには、スリットS1が、Cカラー41の円筒の軸方向に垂直な面内において、Cカラー41の中心と該スリットS1を結ぶ直線の延長上に樹脂成形品32のウエルド部や最小肉厚部が位置しないように、配置されてなる構成とする。
【0062】
また、図4(b)で例示したMREセンサ40bにおけるCカラー41の樹脂成形品32への組み付け構造は、Cカラー41の凸部41a,41bによるスリットS1の位置決め機能を利用して、ボルト50を締め付けたとき広がり変形が発生するスリットS1が、円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂ゲート位置とCカラー41の中心を結ぶ直線(図4(b)の一点鎖線)方向で鎖状高分子が平行して並び、樹脂成形品32において強度の高い円筒の外周位置に重なるようにするものである。このためには、スリットS1が、Cカラー41の円筒の軸方向に垂直な面内において、樹脂成形品32の成形時における金型Ka,Kbの樹脂ゲート位置とCカラー41の中心を結ぶ直線に対して、Cカラー41の中心と該スリットS1を結ぶ直線が直交するように、配置されてなる構成とする。
【0063】
図5は、図1〜図3に示したCカラー41のより好ましい変形例を示す図で、Cカラー42を有するMREセンサ40cの断面を拡大して示した図である。図5(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー42について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、図5(b)は、Cカラー42に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40cを台座部60へ固定した状態を示した図である。尚、図5(a),(b)は、それぞれ各状態における図1の一点鎖線A−Aに沿った断面を拡大して示した図である。また、図5に示すMREセンサ40cにおいて、図1〜図3に示したMREセンサ40と同様の部分については、同じ符号を付した。
【0064】
図5に示すMREセンサ40cのCカラー42は、図1〜図3に示したCカラー41と較べて、円筒状に丸められた金属板の両端42a,42bが、円筒の軸方向およびそれに垂直な方向で相互に噛み合うように、それぞれ鉤状に形成されている。そして、これに伴い、円筒の側面において金属板の両端42a,42bが対向するスリットS2が、円筒の軸方向に垂直で、直角に折れ曲がったS字形状を有している。
【0065】
図5(a)に示すCカラー42においては、スリットS2の幅を十分に小さく設定することで、図5(b)に示すようにボルト50を締め付けたとき、上記金属板の相互に噛み合う鉤状に形成された両端42a,42bが引っ掛かり、両端42a,42bが弾性変形(もしくは塑性変形)してスリットS2の隙間が潰される。これによって、図1〜図3のCカラー41で見られたスリットS1が広がろうとする引裂き力がキャンセルされ、スリットS2の広がり変形を抑制することができる。この場合、円筒の軸方向で均一な引っ掛かり力とするためには、図5に示すCカラー42のように、スリットS2が、180°回転対称形状を有していることが好ましい。
【0066】
尚、図5に示すCカラー42についても、図1〜図3に示したCカラー41と同様に、金属板を丸めた円筒の上端面Taと下端面Tbに、スロープ状の凸部41a,41bを有している。従って、図5のCカラー42についても、該凸部41a,41bを利用して、円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットS2の位置が周りの樹脂成形品32における最大強度が確保できる位置と一致するように位置決め可能であることは言うまでもない。また、図示を省略したが、ボルト50を締め付けた時にスロープ状の凸部41a,41bを弾性変形させることによって、弾性による軸力を発生させ、ボルト50による締結力を強化することが可能である。
【0067】
図6は、図5に示したCカラー42の変形例を示す図で、Cカラー43を有するMREセンサ40dの断面を拡大して示した図である。図6(a)は、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー43について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示した図であり、図6(b)は、Cカラー43に対してボルト50を締め付け、MREセンサ40cを台座部60へ固定した状態を示した図である。
【0068】
図6に示すMREセンサ40dのCカラー43は、図5に示したCカラー42と較べて、S字形状のスリットS3の折れ曲がり部における内側の金属板の両端43a,43bが、前記折れ曲がり部に向かって、尖った形状に形成されている。
【0069】
図6(a)に示すCカラー43においては、ボルト50を締め付けたとき上記尖った形状の両端43a,43bにボルト50の軸力が集中的に印加されるようにして、図6(b)に示すように該尖った形状の両端43a,43bの先を潰すことで、対向する金属板の両端43a,43bの隙間を埋める。これによって、当初あったスリットS3の幅を小さくすることができ、上記鉤状に形成された両端43a,43bの引っ掛かり力によるスリットS3の広がり変形抑制効果を高めることができる。
【0070】
図7は、図1〜図3に示したCカラー41の別の変形例を示す図で、Cカラー44を有するMREセンサ40eの断面を拡大して示した図であり、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー44について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示している。
【0071】
以上の図1〜図6に示したCカラー41〜43は、いずれも、スロープ状の凸部41a,41bを有しており、該凸部41a,41bを、円筒の軸方向に垂直な面内におけるスリットS1〜S3の樹脂成形品32に対する位置決めに利用していた。しかしながら、Cカラーのスリットの位置決めに利用する凸部は、上記スロープ状のものに限らない。
【0072】
図7のMREセンサ40eが有しているCカラー44は、凸部44a,44bが、角柱状であり、該凸部44a,44bが、スリットS4の近くにおける金属板の一方の端に、円筒の軸方向に垂直な面を対称面として、上端面Taと下端面Tbに面対称に配置されている。
【0073】
図7に示すCカラー44についても、上記角柱状の凸部44a,44bを利用して、円筒の軸方向に垂直な面内において、スリットS4の位置が周りの樹脂成形品32における最大強度が確保できる位置と一致するように位置決め可能である。また、円筒の上端面Taと下端面Tbに面対称に配置される上記角柱状の凸部44a,44bは、ボルト50の締め付け初期においてボルトの軸力が該凸部44a,44bに集中的に印加され、該凸部44a,44bが弾性変形することによって弾性による軸力が発生する。従って、図7のCカラー44についても、ボルト50による締結力を強化することができる。
【0074】
以上の図1〜図7に示したCカラー41〜44では、いずれも、凸部41a,41bおよび凸部44a,44bが、金属板から一体的に形成されていた。これによって、製造コストの増大を回避することができる。しかしながら、これに限らず、Cカラーにおいてスリットの位置決めに利用する凸部を、丸められた金属板と別体で構成するようにしてもよい。
【0075】
図8は、上記凸部を丸められた金属板と別体で構成した例を示す図で、Cカラー45を有するMREセンサ40fの断面を拡大して示した図であり、樹脂成形品32へ一体成形されたCカラー45について、ボルト50の締め付け前の状態を模式的に示している。
【0076】
図8に示すCカラー45は、金属板の両端が円筒の軸方向で相互に噛み合うように、該軸方向に垂直な方向の突き出し部45a,45bをそれぞれ有している。該突き出し部45a,45bにおいては、円筒の上端面から下端面まで貫く貫通穴45cが、金属板に形成されている。そして、金属板と別体で形成され、貫通穴45cに挿入することにより前記凸部として機能する柱状部品45dと、前記金属板とで、Cカラー45が構成されている。
【0077】
図8に示すCカラー45においては、貫通穴45cに挿入された柱状部品45dが前記凸部として機能し、樹脂成形品32への組み付けに際して、円筒の軸方向に垂直な面内におけるスリットS5の位置決めに利用可能である。また、貫通穴45cに挿入された柱状部品45dは、ボルト50を締め付けたとき、金属板の相互に噛み合う突き出し部45a,45bの広がり変形を抑制する。さらに、ボルト50の締め付け初期には、柱状部品45dにボルト50の軸力が集中的に印加されるため、該柱状部品45dを潰すことで貫通穴45cを埋め、相互に噛み合う突き出し部45a,45bの広がり変形抑制効果がさらに高められる。
【0078】
以上のようにして、上記したCカラーおよび該Cカラーの樹脂成形品への組み付け構造は、いずれも、金属板を丸めて円筒状とした、スリットを有してなるCカラーおよび該Cカラーの樹脂成形品への組み付け構造であって、ボルトの締め付け軸力が高い場合であっても周りの樹脂成形品において亀裂が発生し難い構成となっている。このため、広範囲の製品に適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
23,31,41〜45 (C)カラー
Ta,Tb 端面
41a,41b,44a,44b 凸部
42a,42b,43a,43b 両端
45a,45b 突き出し部
45c 貫通穴
45d 柱状部品
32 樹脂成形品
S1〜S5 スリット
50 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を丸めて円筒状とし、該円筒の側面において前記金属板の両端が対向する、スリット(S1〜S5)を有してなり、樹脂成形品(32)へ組み付けられ、該樹脂成形品を固定するためのボルト(50)の締め付け軸力を受けるカラーであって、
前記円筒の上端面(Ta)または下端面(Tb)を構成し、前記ボルトの軸力を受ける少なくとも一方の端面が、ボルトの締め付け前において、
該端面の占める面積が最大となる円筒の軸方向に垂直な平面を基準平面(La,Lb)としたとき、該基準平面から円筒の外に向かう凸部(41a,41b,44a,44b)を有してなることを特徴とするカラー。
【請求項2】
前記凸部(41a,41b)が、
前記端面において、前記側面のスリットの端部を頂点としたスロープ状であることを特徴とする請求項1に記載のカラー。
【請求項3】
前記凸部が、
前記スリットを間に挟んで前記円筒の上端面と下端面に、180°回転対称に配置されてなることを特徴とする請求項2に記載のカラー。
【請求項4】
前記凸部(44a,44b)が、角柱状であり、
該凸部が、
前記スリットの近くにおける前記金属板の一方の端に、前記円筒の軸方向に垂直な面を対称面として、前記上端面と下端面に面対称に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載のカラー。
【請求項5】
前記金属板の両端(42a,42b,43a,43b)が、前記円筒の軸方向およびそれに垂直な方向で相互に噛み合うように、それぞれ鉤状に形成されてなり、
前記スリット(S2,S3)が、前記円筒の軸方向に垂直なS字形状を有してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラー。
【請求項6】
前記スリットが、180°回転対称形状を有してなることを特徴とする請求項5に記載のカラー。
【請求項7】
前記S字形状のスリット(S3)の折れ曲がり部における内側の前記金属板の両端(43a,43b)が、前記折れ曲がり部に向かって、尖った形状に形成されてなることを特徴とする請求項5または6に記載のカラー。
【請求項8】
前記凸部が、
前記金属板から一体的に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカラー。
【請求項9】
前記金属板の両端が、前記円筒の軸方向で相互に噛み合うように、該軸方向に垂直な方向の突き出し部(45a,45b)をそれぞれ有してなり、
前記突き出し部において、前記円筒の上端面から下端面まで貫く貫通穴(45c)が、前記金属板に形成され、
前記金属板と別体で形成され、前記貫通穴に挿入することにより前記凸部として機能する柱状部品(45d)と、前記金属板とで、前記カラー(45)が構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のカラー。
【請求項10】
請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、
前記スリットが、
前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記カラーの中心と該スリットを結ぶ直線の延長上に前記樹脂成形品のウエルド部が位置しないように、配置されてなることを特徴とするカラーの樹脂成形品への組み付け構造。
【請求項11】
請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、
前記スリットが、
前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記カラーの中心と該スリットを結ぶ直線の延長上に前記樹脂成形品の最小肉厚部が位置しないように、配置されてなることを特徴とするカラーの樹脂成形品への組み付け構造。
【請求項12】
請求項1に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、
前記スリットが、
前記円筒の軸方向に垂直な面内において、前記樹脂成形品の成形時における金型の樹脂ゲート位置と前記カラーの中心を結ぶ直線に対して、カラーの中心と該スリットを結ぶ直線が直交するように、配置されてなることを特徴とするカラーの樹脂成形品への組み付け構造。
【請求項13】
請求項3に記載のカラーの前記樹脂成形品への組み付け構造であって、
前記スロープが、前記ボルトの頭部側において該ボルトの回転方向に沿って高くなるように配置されてなることを特徴とするカラーの樹脂成形品への組み付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−219923(P2012−219923A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86691(P2011−86691)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】