カラーを利用したコンピュータオブジェクトの記録、再生、通信の方法、記録および/または再生の装置、記録媒体
【課題】カラーの有する特性に着目し、当該カラーをデータや情報を表現する媒体として利用し、1ドットに印刷されたカラーの色種や色差を複数のデータ等に対応させることにより、1ドット当たりの情報量を1ビットを超える量に増大させ、記録(記憶)の容量の肥大化を軽減するコンピュータオブジェクトの表現方法、記録、再生、通信の方法を提供する。
【解決手段】産業分野や日常生活等の上でコンピュータの内部またはコンピュータに介して取り扱われる文字、図形、数式、画像、音声等のデータ・情報であるコンピュータオブジェクトについてカラーあるいはカラー数値を利用して表現、記録、再生、通信を行う。カラーの有する特性に着目してカラーをデータや情報を表現する媒体として利用する。これにより記録容量の肥大化を軽減する。
【解決手段】産業分野や日常生活等の上でコンピュータの内部またはコンピュータに介して取り扱われる文字、図形、数式、画像、音声等のデータ・情報であるコンピュータオブジェクトについてカラーあるいはカラー数値を利用して表現、記録、再生、通信を行う。カラーの有する特性に着目してカラーをデータや情報を表現する媒体として利用する。これにより記録容量の肥大化を軽減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業分野や日常生活等の上でコンピュータに関連して取り扱われる文字、図形、数式、画像、音声等のデータまたは情報についてカラーを利用して表現、記録または記憶、再生、通信を行う方法、記録および/または再生の装置、カラーを利用した記録媒体、さらにカラーを利用して暗号を作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の情報を記録する従来の方法として、直接に紙に記載する方法、コンピュータに関連するフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD、DVD等の記録媒体に記録する方法等が知られている。最近では、コンピュータの発達に伴って特に記録媒体が多く用いられている。さらにプリント基板においていくつかの各種情報を記録する方法として、当該プリント基板の適宜な箇所に点を表示し、これらの点の組み合わせにより少量の情報を記録する方法もある。さらにプリント基板に各種情報を記録する他の方法として、バーコードによる方法、点またはチェック模様を当該プリント基板等に打刻する方法、またはこれらを組み合わせる方法がある。ただしその場合に、記録される情報は、点、線、模様、またはこれらの組み合わせによる画像、または点、線等が存在する位置によって表される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の情報記録方法の主流は、コンピュータの発達に伴い、情報を2進化して記録媒体に記録する方法である。当該記録媒体は、コンピュータがハードウェアとソフトウェアの点で非常に発達したことに伴って、大きく進歩してきた。記録媒体における情報の記録の仕方は、基本的に、記録媒体上の最小の記録単位(以下では「1ドット」という。また最少記録単位が記録される箇所を「ドット」と呼ぶ。)に1ビットの情報を対応させている。それ故に、上記記録媒体については、近年、情報量の膨大化に伴って記録容量の肥大化を招いている。
【0004】
本発明の主な目的は、上記の記録容量の肥大化の問題に鑑みて、カラー(色)の有する特性に着目し、当該カラーをデータや情報を表現する媒体として利用し、1ドットに印刷されたカラーの色種や色差を複数のデータ等に対応させることにより、1ドット当たりの情報量を1ビットを超える量(例えば2ビット、8ビット、16ビット等)に増大させ、記録(または記憶)の容量の肥大化を軽減するコンピュータオブジェクトの表現方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、カラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して、コンピュータオブジェクトの記録、再生、通信の方法を提供することにある。
【0006】
さらに本発明の他の目的は、カラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して構成されるコンピュータオブジェクトの記録および/または再生の装置を提供することにある。
【0007】
さらに本発明の他の目的は、一般的な紙、樹脂板等の安価な記録媒体を利用して大量のデータや情報を記録する方法および装置を提供することにある。
【0008】
さらに本発明の他の目的は、カラーを利用したデータ・情報の記録の方法を利用してなる記録媒体を提供することにある。
【0009】
加えて本発明の他の目的は、上記のカラーを利用したデータ・情報の記録をさらに活用して暗号の作成方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、さらに、上記のごときカラーを利用してなるデータ・情報の記録を通信回線および通信装置に応用し、情報の大量配信を図ることのできる方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下の説明において、カラー(色)、カラーエンティティー、コンピュータオブジェクト等の概念が用いられる。
【0012】
現在のコンピュータでは数百万種以上の印刷可能なカラーを認識することができる。そこでカラーを利用してデータや情報を表現するという技術思想を提案する。
【0013】
ここで「カラー(色)」とは、原則として、可視光に基づいて通常の人間が視覚により認識する物理的実在であり、さらに、コンピュータが認識することを可能にする関係上、概念的に可視光以外の周波数の光による物理的実在も含まれるものとする。
【0014】
上記の複数のカラーのそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応付ける。ここで「コンピュータオブジェクト」とは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報(以下必要に応じて「データ・情報」と記す)のことを意味する。かかるコンピュータオブジェクトを記録することを、対応付けられたカラーを記録媒体のドットに印刷することによって実現する。カラーを利用したかかる記録を記録媒体に行うことによって、同時にコンピュータオブジェクトを記憶することが可能となる。この場合において、カラーを属性として記録媒体のドットに印刷されたもの(これを「実体」とする)を「カラーエンティティ」と呼ぶことにする。
【0015】
上記のごとくコンピュータオブジェクトはカラーエンティティのカラーにより記録される。以上の記録を実現するためには、コンピュータオブジェクトをカラーを利用して表現する方法が重要となり、本発明ではカラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法が提案される。本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を基礎にして、本発明に係る記録(記憶)、再生、通信の各方法が実現される。また本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して記録および/または再生の装置が提案される。さらに本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して暗号作成の方法が提案される。
【0016】
さらに、カラーを直接に記録できない媒体(例えばフロッピー(登録商標)ディスク等)に記録するとき、または通信を行うときには、カラーに対応したカラー数値を用いてコンピュータオブジェクトを伝達するように構成する。
【0017】
以上の考え方に基づいて、コンピュータオブジェクトに対してカラーを対応付け、複数のコンピュータオブジェクトを異なるカラーによって表現する。
【0018】
上記のごとくコンピュータの内部でまたはコンピュータを介して取り扱われる複数のコンピュータオブジェクトのそれぞれに異なるカラーを対応付ける。このように対応付けられたカラーとコンピュータオブジェクトの関係を「カラー・オブジェクト関係」と呼ぶことにする。記録媒体上で1つまたは複数の点(以下「カラードット」と呼ぶ)に印刷したカラーを属性とするもの(すなわちカラーエンティティ)によって、それに対応するコンピュータオブジェクトを表現することが可能となる。
【0019】
コンピュータオブジェクトを表現するカラーエンティティが記録される記録媒体は、例えば、ペーパー、樹脂板、ガラス、基板、セラミック板、シート、液晶板、カラーとして記録可能な媒体、およびその組み合わせで構成されたものである。
【0020】
上記の本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法(または記録方法)を前提として、カラーを利用して表現される本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録装置が構成される。この記録装置は、CPU(中央処理装置)とカラー出力装置、さらに必要なデータやプログラムを格納する記憶装置(主記憶装置、補助記憶装置)を含んでいる。コンピュータオブジェクトの記録装置では、コンピュータオブジェクトをカラーへ変換し、記録する方法が実施される。すなわちコンピュータオブジェクトの記録装置では、或るコンピュータオブジェクトの記録指示がなされたとき、CPUは、予め定められたカラー・オブジェクト関係に基づき、コンピュータオブジェクトをカラーに変換する。さらにCPUは、カラー出力命令をカラー出力装置に対して発する。カラー出力装置は、そのカラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを出力し、記録する。カラー出力装置は、カラープリンタ等である。
【0021】
また上記の本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法(または再生方法)を前提として、カラーを利用して表現される本発明に係るコンピュータオブジェクトの再生装置が構成される。この再生装置は、CPUとカラー入力装置、さらに必要なデータやプログラムを格納する記憶装置を含んでいる。コンピュータオブジェクトの再生装置では、カラーをコンピュータオブジェクトへ変換して再現する方法が実施される。すなわちコンピュータオブジェクトの再生装置では、カラー入力装置によって記録媒体上のカラードットのカラーを読み込む。カラー入力装置としては、CCDカメラ、カラースキャナー等である。CPUは、入力されたカラーをカラー・オブジェクト関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する。さらにCPUは、再現したコンピュータオブジェクトを、表示し、音声出力し、画像出力し、印刷し、保管し、または通信する。
【0022】
上記のコンピュータオブジェクトの記録装置と再生装置を一体化してコンピュータオブジェクトの記録および再生を可能にするコンピュータオブジェクトの記録再生装置を実現することができる。
【0023】
上記の構成において、カラーの代わりに、各々のコンピュータオブジェクトにそれぞれ異なる数値(この数値を「カラー数値」と呼ぶ)を対応させ(対応付けられたカラー数値とコンピュータオブジェクトの関係を「カラー数値・オブジェクト関係」と呼ぶ)、これによりコンピュータオブジェクトを表現することもできる。
【0024】
上記のカラー数値に対してはカラーを割り当て(カラーとカラー数値の関係を「カラー・カラー数値関係」と呼ぶ)、カラー数値・オブジェクト関係およびカラー・カラー数値関係の両方を使ってコンピュータオブジェクトをカラーに対応付けることも可能である。
【0025】
コンピュータオブジェクトをカラーに変換し、あるいはカラーをコンピュータオブジェクトに変換する場合において、カラー・オブジェクト関係の代わりに、カラー・カラー数値関係およびカラー数値・オブジェクト関係の両方を用いて記録装置または再生装置を構成することも可能である。
【0026】
上記のカラーの代わりにそれに対応したカラー数値を用いて、ネットワークによる通信、あるいはデータ記憶媒体によるデータ伝達により複数のコンピュータ間で通信を行い、受信したカラー数値をカラー数値・オブジェクト関係を用いて必要に応じてコンピュータオブジェクトに再現するようにし、通信経路やデータ伝達の経路上ではコンピュータオブジェクトそのものを扱わないようにする。
【0027】
コンピュータオブジェクトの表現方法や記録方法等、および記録装置等では、カラー数値の設定の方法に関しては、カラーの再現性を考慮してカラー数値の要素数の最大許容範囲が定め、その範囲内でカラー数値を設定することが望ましい。
【0028】
複数のコンピュータオブジェクトグループを構成し、その各々に対し異なる対応関係を持つカラー数値・オブジェクト関係を作り、取り扱うすべてのコンピュータオブジェクトを複数のコンピュータオブジェクトグループのいずれかに配置する方法が提案される。このとき、コンピュータオブジェクトグループを識別するのに、グループ毎にカラー数値 (必然的にカラー)を割り当てておけばよい。この方法は、コンピュータオブジェクトの配置を取り扱い易いようにするためにも有用であると共に、取り扱うコンピュータオブジェクトの数が上記カラー数値の要素数の最大許容範囲を超える場合に有効である。
【0029】
前述した複数のコンピュータオブジェクトグループを第1の階層のグループと呼ぶことにして、この第1階層のグループの数が多くなった場合、第1階層のグループをグループ分けし、複数の第2階層のグループを作り、第1階層のグループは第2階層グループのいずれかに含まれるようにする。さらに同様にして順次に第3階層、第4階層、…を作成して、それら各階層のグループにカラー数値を対応させる方法を提案する。これにより、コンピュータオブジェクトの配置をさらに柔軟に行うことができると共に、どのように多くのコンピュータオブジェクトでも有限個のカラーに対応させることができる。
【0030】
コンピュータオブジェクトをカラー数値に変換し、そのカラー数値をカラーに変換し、そのカラーをコンピュータオブジェクトに変換したとき、変換後のコンピュータオブジェクトが変換前のコンピュータオブジェクトに同一になるように、カラー数値・オブジェクト関係、カラー・カラー数値関係、カラー・オブジェクト関係(このような条件を充たすコンピュータオブジェクトに関する3種の関係を、「循環オブジェクト関係」と総称する)を定める。
【0031】
コンピュータオブジェクトをカラーまたはカラー数値に変換して通信、データ伝達、記録(記憶)するときに、コンピュータオブジェクトを再現するのに必要な循環オブジェクト関係の1つあるいは複数の対応関係を、同時に通信、データ伝達、記録(記憶)することにより、受信側がコンピュータオブジェクトを再現するための関係を所持していない場合でも、受信したカラー数値をコンピュータオブジェクトに再現できる方法が提案される。
【0032】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法では、或る任意の階層のグループに含むあらゆるコンピュータオブジェクトをその組み合わせで表現できるようにした要素的なコンピュータオブジェクト(例えばJISコードで定められている英数記号や日本語文字、さらに或るコンピュータグループ内においてコンピュータオブジェクトの要素として共通に使われるもの。このようなコンピュータオブジェクトを「共通オブジェクト」と呼ぶ)を定め、その共通オブジェクトにより一連のコンピュータオブジェクトを表現することも可能である。
【0033】
上記共通オブジェクトとそれに対応するカラー、カラー数値(これらをそれぞれ「共通カラー」、「共通カラー数値」と呼ぶ)の間に、カラー・オブジェクト関係、カラー数値・オブジェクト関係、およびカラー・カラー数値関係(これら共通オブジェクトに関する関係を総称して 「共通オブジェクト関係」と呼ぶ)を定める。それにより一連のコンピュータオブジェクトを共通カラー数値あるいは共通カラーのみを用いて通信、データ伝達、記録、再現(再生)が行われる。
【0034】
コンピュータオブジェクトを共通カラーまたは共通カラー数値を用いて通信、データ伝達、記録するときに、同時に共通オブジェクト関係を付加する方法が提案される。
【0035】
循環オブジェクト関係のなかに共通オブジェクト関係を包含させて、それにより一連のコンピュータオブジェクトをカラー数値あるいはカラーに変換して通信、データ伝達、記録(記憶)、再現(再生)する。
【0036】
コンピュータオブジェクトの記録方法または記録装置において、前述したカラードットの出力に関して、記録媒体の記録面に番地を付与し、その番地に合わせてカラードットを配置する。
【0037】
上記において、カラードットの出力、入力の順を番地で指定できるようにすることが好ましい。
【0038】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの再生方法または再生装置では、上記の記録媒体の形状、またはその上に出力するカラードットの配置の形状を、円盤状、四角形等の多角形、あるいはその他の任意形状とし、記録媒体の組成構成は任意自在とし、記憶媒体のカラードット出力面を回転可能あるいは任意方向への移動可能にする。また記憶媒体のカラーエンティティ出力面を移動可能または静止可能にする。さらに記録媒体を着脱可能に、または駆動可能、回転可能、静止可能に保持する。さらに記録媒体の保持具を回転可能にして、保持具の回転に従ってカラードットを入出力可能にする。
【0039】
上記の記録媒体に関して、コーティング等によりカラーエンティティの変色を防止可能とする。
【0040】
上記のカラー・オブジェクト関係に関して、通信回線と通信装置に基づいてその関係の対応付けを可能にする。
【0041】
上記のカラードットの配置に関して、記録媒体におけるカラードット出力面(表示面)を、制御部と記憶部とセキュリティ部の各領域とその他の領域に区分し、各領域を任意に編成可能にする。
【0042】
上記の構成において、カラードットのデータの送受信を双方向通信で可能にし、カラードットに関するデータの記録あるいは配信内容のチェック・更新を可能にする。
【0043】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録方法、再生方法、あるいは記録装置、再生装置、記録再生装置でのコンピュータオブジェクトの通信、伝達、記録の再生において、入力した一連のカラーもしくはカラー数値のすべてまたは特定の一部の値により、受入れ可否の判断を行い、受入れ否の場合と受入れ可の場合とは異なる処理(この処理を「カラーフィルタ」と呼ぶ)を行うようにする。
【0044】
上記のカラーフィルタにおいて、カラーまたはカラー数値のリスト (このリストを「フィルタ対応表」と呼ぶ)を用意し、入力したカラーまたはカラー数値をフィルタ対応表に照らし合わせることにより、受入れ可否の判断を行うようにする。
【0045】
上記のカラーフィルタにおいて、一連のカラーまたはカラー数値に対して受入れ否の判断を行った場合、それらのデータを表示して処理決定を行わせ、あるいはそれらのデータを通信、伝達、再生の元に返送する等の処理を行うようにしたカラーフィルタ機能を有する。
【0046】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録方法および記録装置において、1つまたは複数の特定のカラー(この特定のカラーを「特定カラー」と呼ぶ)に、カラー・オブジェクト関係に基づきあるいはカラー・オブジェクト関係に独立に特定の機能を割り当て、上記コンピュータオブジェクトグループ階層の指定機能、カラーエンティティをコンピュータオブジェクトに変換する前の諸判断チェック機能またはセキュリティ機能などを持たせることを可能にする。
【0047】
カラーの経年変化を補正するため、またカラー入出力装置間のカラーの入出力の特性の違いを補正するために特定カラーを使用する方法を示す。例えば上記特定カラーの1つに1または複数のカラー情報を持たせ、そのカラーエンティティに続いてその指定された複数のカラーをカラーエンティティとして出力する。このようにすれば、カラーエンティティを入力する側は、その特定カラーが指定した情報により1あるいは複数の補正用カラーエンティティを読み取り、読み取ったカラーと特定カラーに指定されたカラー情報の相違により経年変化または装置差によるカラーの相違の補正を可能にする。
【0048】
以上の説明では、カラーエンティティの属性はカラーのみとしてきたが、カラー以外の属性を使用することもできる。すなわち、カラーに加えて、円、四角、バー等の図形の形や、その他の印刷可能な特性を含めた複数の属性の中から選んだ1または複数の属性をカラーエンティティの属性(このような属性を「汎カラー」と呼ぶ)としてコンピュータオブジェクトに対応付けてコンピュータオブジェクトの表現方法、記録方法、再生方法、通信方法、記録装置、再生装置、または記録再生装置を示す。このように複合の特性を使用した場合でも、それに対してカラー数値を割り当て循環オブジェクト関係を構成する。
【0049】
カラーエンティティあるいはカラー数値によるコンピュータオブジェクトの記録と、それによらないコンピュータオブジェクトの記録、例えば通常の文字などを同一の記録媒体(例えば紙等)上に混在させることができる。
【0050】
記録媒体上の連続した、あるいは任意配置の複数のカラードットを使用して1つのコンピュータオブジェクトを記録することもできる。複数の異なる汎カラーの組み合わせに対して1つのコンピュータオブジェクトまたはカラー数値を対応付けるカラー・オブジェクト関係またはカラー・カラー数値関係を構成することにより、記録媒体上の連続したあるいは任意配置の複数のカラードットに対し1つのコンピュータオブジェクトを記録することを可能にする。
【0051】
予め出力されている、あるいは出力が定められているカラーエンティティあるいはカラー数値があって、後からそれらのカラーあるいはカラー数値のそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応させる場合もある。この場合には、新たにカラー・オブジェクト関係あるいはカラー数値・オブジェクト関係を形作り、その関係をカラーあるいはカラー数値の入力時に使う。
【0052】
以上のようにカラーまたは汎カラーを属性とするカラーエンティティによってコンピュータオブジェクトを表現し、コンピュータオブジェクトを記録等させる方法および装置によって次ような作用が生じる。
【0053】
1ドットあたりの記録容量を、カラーの印刷・読取の分解能・精度の限界まで複数ビットとし、記録容量(記憶容量)を高めることができる。1ドットに文字、記号、図形、数式、画像、音声等の様々な種類の情報を対応させることができる。相当量の情報を簡便なスペースで記録保持することが可能となる。記録媒体の選択の幅が広くなる。記録媒体を安価にする。記録認識の装置またはシステムを簡便にすることが可能となる。カラーの組合せによる記録により大量な情報の記録と管理を容易にする。情報の伝達・通信、書物・印刷物の保管保存等において等価的にデータ圧縮の作用を持つ。装着冶具の利用によって紙等へ情報記録を行うことが可能なことから、娯楽ソフト、日常生活上のソフトを安価に簡便に製作できる。普通紙等の安価な記憶媒体により大量の情報を記録でき、このため高価な大量記憶装置を代替することができる。同時に環境作用や省エネ作用を有する。
【0054】
上記のコンピュータオブジェクトの表現方法、記録方法、再生方法、通信方法をさらに発展させて暗号作成方法として活用し、一般的に情報をカラーやカラー数値で表現し、情報をカラー数値として通信することにより、情報の大量送信が可能になると共に、暗号としての機能が発揮され、通信途中での情報の安全性を高める。カラーが印刷される記録媒体の記録面には番地が付与され、カラーエンティティの出力、入力の順をこの番地で指定することによって情報がカラーで表現される。
【0055】
通常の記号とカラー、カラー数値を選択的に使用することから、ドットの使用量を減縮することが可能となる。対応表を使用することによりコンピュータオブジェクトに対し、伝達・送信するカラー、カラー数値の減縮作用が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。この説明によって本発明の内容がさらに明らかにされる。
【0057】
図1は本発明の基本的な実施形態を示す。この実施形態による装置(概念的に記録および/または再生の装置、すなわち記録装置、再生装置、記録再生装置を含む)は、カラーを利用してコンピュータオブジェクトを表現する本発明に係る方法が適用されたコンピュータシステムの例を示している。破線で描かれたブロック10はコンピュータを示している。このコンピュータ10は、CPU(中央処理装置)11と主記憶装置12と補助記憶装置13と入出力制御装置14から構成されている。コンピュータ10は、本発明のための専用のコンピュータとして構成されている必要はなく、また専用コンピュータとして単体として独立している必要はない。例えば、コンピュータ10は印刷装置にもともと組み込まれているコンピュータまたはMPUの一部にあって、本発明に係るカラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を可能にし、これによりカラーによるコンピュータオブジェクトの記録、再生、通信(伝達)等を行う機能を実現するものであってもよい。CPU11は、コンピュータオブジェクトをカラーに変換して出力装置を介して出力を行い、また反対に入力装置を介して読み込まれたカラーをコンピュータオブジェクトに再現するという機能を有している。当該機能は、上記の主記憶装置12または補助記憶装置13において、複数のコンピュータオブジェクトと複数のカラーとの対応関係を有しているテーブルと、このテーブルを参照しながら変換と入出力処理を実行するプログラムを備えることにより実現される。上記のカラーの代わりに、各カラーに対応するカラー数値を用いることもできる。補助記憶装置13は、コンピュータオブジェクトを記憶し、前述したカラー・オブジェクト関係(またはそれに代わるものとしてカラー・カラー数値関係もしくはカラー数値・オブジェクト関係)を、データベースまたはその他の類似形式にて記憶させておくものである。補助記憶装置13は図示されるごとくコンピュータ10に内蔵してもよいし、あるいはコンピュータ10に対して外付けで設けることもできる。さらに補助記憶装置13は、コンピュータ10の外部にあって、使用時のみに接続するように構成することもできる。入出力制御装置14は、CPU11による入出力の指示に基づいて、コンピュータ10に接続される複数の入力装置と複数の出力装置の内のいずれかを選択してその入出力の処理動作を制御するものである。またコンピュータ10に対しては、入出力制御装置14を介して、さらに通信装置(通信回線を含む)15を経由して他のコンピュータ16が接続されている。従って入出力制御装置14は、CPU11の通信の指示に従って、通信装置15を選択し当該通信装置を経由して他のコンピュータ16との間で通信を行う機能も有している。図1では通信装置15は線で概念的に示されているが、通信機能を有する手段を含むものとする。
【0058】
以上において、入出力制御装置14と、入力装置、出力装置、通信装置のいずれかとの間のデータの伝送では、直接接続、WAN・LAN経由接続等の接続の種類、また有線、無線通信、赤外線通信など伝送の方式等の種々の通信に関する方式を限定するものではない。
【0059】
上記のコンピュータ10に対して各種の出力装置と入力装置、あるいは入出力装置が付設されている。
【0060】
コンピュータ10に接続される出力装置は、例えば、カラーエンティティを出力する装置、またはカラー数値を出力する装置、または再現されたコンピュータオブジェクトを出力する装置である。カラーエンティティを出力する装置としては、プリンター21(カラープリンター)、ファクシミリ22、その他の装置23に含まれるカラー出力装置がある。これらのカラーエンティティ出力装置は、コンピュータ10の出力指示に基づいてカラーエンティティを記録媒体に印刷する。またカラー数値を出力する装置としては、FDD・HDD31、MOD32、CD・LD・MD・DVD・SDVD33、さらに前述のその他の装置23に含まれる記憶装置がある。これらのカラー数値出力装置は、カラー数値を出力する。さらに再現されたコンピュータオブジェクトを出力する装置としては、上記の各種の出力装置に加えて、音声変換装置41、音声・映像変換装置42がある。これらのコンピュータオブジェクト出力装置は、カラーエンティティまたはカラー数値から変換されたコンピュータオブジェクトを目的・用途に応じて出力する。
【0061】
上記の出力装置の説明では、コンピュータ10に対して接続され得る各種の出力装置が接続された例が説明されたが、コンピュータ10において前述のすべての出力装置が接続されている必要はない。
【0062】
コンピュータ10に接続される入力装置は、カラーエンティティを入力する装置、またはカラー数値を入力する装置、または記録しようとするコンピュータオブジェクトを入力する装置である。カラーエンティティを入力する装置としては、CCDカメラ51、OCR52、上記のファクシミリ22、その他の装置23に含まれるカラーを読むことのできる装置がある。これらの装置は、カラーエンティティのカラーを読み込んでコンピュータ10に入力する。カラー数値を入力する装置としては前述のFDD・HDD31、MOD32、CD・LD・MD・DVD・SDVD33、その他の装置23に含まれる記憶装置がある。これらの装置は、カラー数値を読み込んでコンピュータ10に入力する。記録しようとするコンピュータオブジェクトを入力する装置としては、上記の入力装置に加えて、音声変換装置41、音声・映像変換装置42がある。これらの装置は、記録すべきコンピュータオブジェクトをコンピュータ10に読み込む。
【0063】
上記において、CCDカメラ51に関しては、その下方に撮影対象である記録媒体201が配置される。記録媒体は201は保持装置202によって水平に保持されている。保持装置202は水平方向への駆動を行うための駆動装置203を備えている。記録媒体201の上には表示対象(または表示物)であるカラーエンティティ204が表示されている。このカラーエンティティ204がCCDカメラ51によって撮影される。なおCCDカメラ51は駆動制御部205を備えている。
【0064】
図1では、さらに、前述の出力装置、入力装置、および入出力装置に対して、記録媒体60が示されている。記録媒体60としては、ペーパー(普通紙等、例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)61、樹脂板(例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)62、ガラス63、木板64、スピーカ65、シート(例えばカード類、有価証券、身分証、書籍等)66、液晶板(またはPDP、例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)67、これらに類似するその他の記録媒体(その他の表示物、音響、映像)68等のいくつかの例が示されている。これらの記録媒体は、その表面または内部にカラーエンティティまたはカラー数値を記録する。図1において、記録されるカラーエンティティまたはカラー数値は、記録媒体60での表示対象71として示されている。記録媒体60は、前述の出力装置に対しては当該出力装置による書込み作用によって表示対象71がその表面または内部に記録される手段として機能し、また前述の入力装置に対しては、当該入力装置による読込み作用によって、その表面または内部に記録された表示対象71が読み込まれる手段として機能する。コンピュータ10と記録媒体60の間では、各出力装置を介して書込み72という作用関係で関係付けられ、各入力装置を介して読込み73という作用関係で関係付けられている。コンピュータ10と記録媒体60の間の領域74は、書込みと読込みで関係が形成される作用領域である。またFDD・HDD31やファクシミリ22などのごとく出力装置および入力装置として機能する入出力装置では、書込みと読込みの2つの作用75が発揮されている。また記録媒体60で、例えばスピーカ65を利用する場合には、出力としての書込みあるいは入力としての読込みではなく、音声変換装置41が用いられる。
【0065】
上記の記憶媒体60は、これに対して出力を行ったコンピュータ10のみならず、同様な機能を有する他のコンピュータでも入力を行うことができる。この作用によってコンピュータ間でのデータ伝送を行うことができる。
【0066】
通信装置15は、電話回線などを使用したWAN(広域ネットワーク、インターネットを含む)、またはLAN(地域内情報通信網)である。これらの通信装置15によって、他のコンピュータ16(またはコンピュータシステム)との間で、コンピュータオブジェクトの情報がカラー数値または一般的なデータとして伝達される。通信装置15による通信において、通信路、通信方式、通信装置の種類は任意のものを使用することができ、限定されない。
【0067】
他のコンピュータ16については、特定のコンピュータに限定するものではなく、本発明によるコンピュータオブジェクトの記録(記憶)・再生の装置の全体または一部を備えておれば足りる。コンピュータ16においては、本発明によるカラーエンティティまたはカラー数値によりデータ・情報を交換することが可能である。
【0068】
次に、コンピュータオブジェクトをカラーエンティティまたはカラー数値に変換して出力する方法、および逆にカラーエンティティまたはカラー数値をコンピュータオブジェクトに再現する方法を説明する。
【0069】
コンピュータオブジェクトをカラーに変換するにはカラー・オブジェクト関係が用いられる。図2は、カラー・オブジェクト関係の例を示し、コンピュータ10で具体的に使用する表の形に表現したカラー・オブジェクト対応表100を示している。カラー・オブジェクト対応表100の左列100aには使用される複数の異なるカラーが並べられ、右の列100bには各カラーに対応するコンピュータオブジェクトが記されている。この例において赤1、赤2、橙1、橙2、橙3、…は異なるカラーを表している。赤1、赤2、橙1、橙2、橙3のカラーのそれぞれには、例えば、“T”というアルファベット、“谷”という漢字、 “谷電機工業株式会社”という日本語文字列、“ABC002”という図版で表されるクリームハンダ印刷機の設計図、“DEF876”という記号で表されるクリームハンダ印刷機で使用するソフトウェアなどを対応付けている。
【0070】
上記のカラー・オブジェクト関係において、カラーについてはそれを印刷するまたは読み取る分解能には限界がある。このカラー分解の最大数は、16ビット相当の分解能があるとして65536、24ビット相当の分解能があるとして1700万弱である。一方、コンピュータ10で処理するコンピュータオブジェクトの数は一般にそれより多数である。このときは、処理するすべてのコンピュータオブジェクトを複数のグループに分け、そのグループ毎に別個のカラー・オブジェクト対応表を持たせればよい。当然のことながら、これらの複数のカラー・オブジェクト対応表においては、カラーは共通であり、対応するコンピュータオブジェクトが相互に異なっている。このとき、各々のカラー・オブジェクト対応表にグループを表すカラーを対応付ける。カラーエンティティとして出力するときは、グループを表すカラーと個別のコンピュータオブジェクトを表すカラーの両者を出力する。グループ分けにあたっては、できる限り関係が深く同時に使用する可能性の高いコンピュータオブジェクトを1つのグループに入れるようにすることが好ましい。
【0071】
さらにカラー・オブジェクト関係は、カラーとコンピュータオブジェクトの中間にカラー数値なる量を介在させることにより、カラー・カラー数値関係とカラー数値・オブジェクト関係の2種類の関係に分けて持たせることもできる。このようにすると、コンピュータ10での取り扱いにおいて利便を生じる。このことを図3〜図5を参照して説明する。
【0072】
図3はカラー・カラー数値関係を表の形で表現したカラー・カラー数値対応表101であり、図4はカラー数値・オブジェクト関係を表の形で表現したカラー数値・オブジェクト対応表102である。図3において左列101aのカラーは図2で説明した左列100aのカラーと同じものであり、図4の右列102bのコンピュータオブジェクトは図2の右列100bのコンピュータオブジェクトと同じものである。対応表101,102のいずれにも存在するカラー数値により両対応表を結合することができる。カラー・カラー数値対応表101ではカラー数値は右列101bにあり、カラー数値・オブジェクト対応表102ではカラー数値は左列102aにある。これらの対応表101,102を結合した結果として得られるカラーとコンピュータオブジェクトの関係は、図2に示した関係と全く同じものである。
【0073】
図2において対応表が複数あるときは、図5に示すように、1つのカラー・カラー数値対応表103に対し複数(図示例では一般的にn個)のカラー数値・オジェクト対応表104−1〜104−nを作ればよい。このときカラー数値・オブジェクト対応表(1〜n)104−1〜104−nに対しそれぞれにカラーを割り当てることになる。
【0074】
もしコンピュータオブジェクトの数が多くてカラー数値・オブジェクト対応表で表すグループ(これを「第1階層グループ」と呼ぶ)の総数nが前述のカラー分解最大数を超えるとき、またはコンピュータオブジェクトの配置の利便性のために、第1階層グループをさらにグループ分けし(第1階層グループをグループ分けしたものを「第2階層グループ」と呼ぶ)、各第2階層グループに含まれる第1階層グループの数がカラー分解最大数を超えないようにする。コンピュータオブジェクトの数がさらに多い場合には、適宜に、第3、第4の階層を作ればよい。コンピュータ10内での通常の処理においては上記のカラー数値を使い、カラーエンティティとして出力するときのみカラーに変換して使う。これによりコンピュータ10内での処理が簡便になる。またカラーエンティティ以外の形で記録媒体に記録出力するときや、他のコンピュータ16と通信装置15を介して通信するときにはカラー数値を用いるのが適切である。
【0075】
図6Aはコンピュータオブジェクト(O)とカラー数値(N)とカラーエンティティのカラー(C)との関係を示している。図6Aに示すごとく、コンピュータオブジェクト91とカラー数値92とカラーエンティティのカラー93の三者の間には相互に変換できるという関係がある。図中の矢印94,95,96は相互変換の関係を表している。これらの相互変換の関係94,95,96において、コンピュータオブジェクト91とカラー数値92を関係付ける矢印95による相互変換関係は前述したカラー数値・オブジェクト関係であり、コンピュータオブジェクト91とカラー93を関係付ける矢印94による相互変換関係は前述したカラー・オブジェクト関係であり、カラー数値92とカラー93を関係付ける矢印96による相互変換関係は前述したカラー・カラー数値関係である。これらの三者の相互関係を「循環オブジェクト関係」と呼ぶことにする。
【0076】
上記の循環オブジェクト関係に関しては、図6Bに示されるように、コンピュータオブジェクト(O)とカラー数値(N)とカラーエンティティのカラー(C)を任意に2つずつの組を作ることにより3つの組a,b,cを作ることができる。組aはカラー・オブジェクト関係94に基づくコンピュータオブジェクト91とカラー93の組である。組bはカラー数値・オブジェクト関係95に基づくコンピュータオブジェクト91とカラー数値92の組である。組cはカラー・カラー数値関係96に基づくカラー数値92とカラー93の組である。
【0077】
図1で説明したように或るコンピュータ10と他のコンピュータ16の間で通信装置15を経由してデータのやり取りのための通信を行う場合において、データのやり取りをカラー数値を用いて暗号として行うには図6Cに示される関係を、コンピュータ10,16の各々が有することが必要である。つまり、通信装置15によるコンピュータ10からコンピュータ16へのデータの送信をカラー数値を利用した暗号手法で行うようにするためには、コンピュータ10,16が両方共に前述の組aであって同じ変換関係を有していることが必要である。
【0078】
なお、図6Cに示される上記関係はコンピュータ10,16の間でのみ有していることに限定されるものではなく、コンピュータ10とこのコンピュータ10に接続される入出力装置であるプリンタ21やその他の装置23等との間で情報を暗号としてやり取りする場合も、図6Cに示される上記関係を有するように構成できるものである。
【0079】
以上のように同じ変換関係を有する組a,b,cの選択およびこれらの組合せ・変換関係の構成は任意である。
【0080】
また通信装置15に代えてFDD、HDDなどのその他の記録媒体によるコンピュータ処理においても上記と同様に可能である。
【0081】
次に、図7を参照して、コンピュータ10において、コンピュータオブジェクトをカラーエンティティまたはカラー数値の形へ変換し、記録し、または通信により伝達し、または再現等する手順を説明する。
【0082】
コンピュータ10に対して、記録媒体60に記録された1つまたは複数のデータまたは情報(データ・情報:文字、記号、図形、数式、画像、音声など)111が与えられたとき、コンピュータ10はそれらを前述した入力装置112によって読み込む。コンピュータ10に読み込まれたデータ・情報は、コンピュータ10内においてコンピュータオブジェクト113として示されている。当該コンピュータオブジェクト113は、直ちに処理されるか、または一旦補助記憶装置13に保管される。補助記憶装置13におけるブロック114はコンピュータオブジェクトの記憶の状態を示している。
【0083】
次にCPU11は、コンピュータオブジェクト113をカラー数値115に変換する。CPU11では、前述の主記憶装置12(図7では図示せず)に格納されるプログラムに基づきカラー数値・オブジェクト変換部116を実現し、このカラー数値・オブジェクト変換部116が、補助記憶装置13に格納された前述のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いて、読み込んだまたは補助記憶装置13に保管されたコンピュータオブジェクトをカラー数値115へ変換する。データ・情報をカラー数値として記録する場合、あるいは通信による情報伝送をする場合は、上記のカラー数値115そのものを、入出力制御装置14を介して出力しまたは通信する。すなわち、入出力制御装置14およびデータ入出力装置117を介して記録されたカラー数値118として出力され、また入出力制御装置14および他のコンピュータとの情報通信部119を介して配信カラー数値120として出力される。
【0084】
さらにデータ・情報をカラーエンティティとして記録する場合は、前述の主記憶装置12に格納されるプログラムによってCPU11内にカラー・カラー数値変換部121が実現され、このカラー・カラー数値変換部121が補助記憶装置13に保管されたカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115をカラーに変換し、入出力制御装置14およびカラー入出力装置122を介してカラーエンティティ123を出力する。
【0085】
反対にカラーエンティティ123を入力するときは、カラー入出力装置122の入力装置部分、例えば前述のCCDカメラ51等の入力装置により、各カラードットのカラーエンティティを読み取り、入出力制御装置14を介してカラーとして入力する。CPU11内のカラー・カラー数値変換部121は、入力されたカラーを、補助記憶装置13のカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115に変換する。得られたカラー数値115は、さらに、CPU11内のカラー数値・オブジェクト変換部116によって補助記憶装置13のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いてコンピュータオブジェクト113に変換され、こうして再現が行われる。再現されたコンピュータオブジェクト113は、出力装置124により再現されたデータ・情報125として出力され、利用に供する。
【0086】
カラーエンティティ123から変換されたカラー数値115は、そのまま記録されるか、あるいは通信により他のコンピュータに伝送されることもあり得る。また他のコンピュータから通信にて伝送されたカラー数値、あるいはデータ入出力装置117から入力されたカラー数値をデータ・情報として再現する場合は、カラーエンティティから変換されたカラー数値を再現する場合と同様な手順がとられる。
【0087】
図7に示した構成において、コンピュータオブジェクト113の入出力装置130には上記のごとく入力装置112と出力装置124を含むが、目的に応じて必要なものが用いられる。カラーエンティティやカラー数値の入出力装置および情報通信部131にはカラー入出力装置122、データ入出力装置117および他のコンピュータとの情報通信部119を含むが、目的に応じて必要なものを用いることができる。
【0088】
次に図8を参照して「選別」に関する構成について説明する。ここで「選別」とは、データ入出力装置または通信装置(通信回線を含む)を通じて不要なデータを配信しない、または取り込まないようにする処理をいう。この選別に当たっては、図8に示すように、CPU11の内部にカラーフィルタと呼ばれるフィルタ部141を設ける。図8は、図7のカラーフィルタに関する部分を抜き出して示した図であり、図7に示された機能の部分が必要に応じて構成されている。従って図8において、図7に示された要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0089】
図8に示されたフィルタ部141は、外部とのデータの出し入れに際し、データ入出力装置117を経由してカラー数値118として入出力されたデータを、補助記憶装置13に予め格納されているフィルタ対応表142に基づいて選別される。フィルタ対応表142には、取り入れ可能なカラー数値とその他のデータが格納されている。外部から一連のカラー数値データがCPU11に入力されたとき、フィルタ部141はフィルタ対応表142を参照し、例えばフィルタ対応表142に存在しないカラー数値が含まれている場合には、その一連のカラー数値を無効と判断して、コンピュータオブジェクトあるいはカラーへ変換する処理を行わないようにする。さらにフィルタ対応表142に取入れ不可のカラー数値を入れておくこともできる。この場合には、上記とは反対に、フィルタ部141は、フィルタ対応表142にあるカラー数値が含まれている場合に無効と判断する。さらにフィルタ対応表142には、取入れ可能なカラー数値と取入れ不可のカラー数値の両者を含ませることもできる。このような構成を有するフィルタ対応表を使用することにより、通信経路、入出力経路、その他の経路で不要なデータが混入した場合またはデータが改変された場合に、無効なデータを除去できる。
【0090】
1つのコンピュータオブジェクトグループ内で、またはより上の階層のコンピュータオブジェクトグループに属する複数のコンピュータオブジェクトグループの間で、個別事項、内容、性質、量、大きさ等の属性が共通である、または同一であるコンピュータオブジェクトを「共通オブジェクト」として定めることができる。共通オブジェクトを用いてコンピュータオブジェクトを表現することにより、コンピュータオブジェクトの表現がより簡便にすることができる。このときには、共通オブジェクトに対応するカラー、カラー数値を「共通カラー」、「共通カラー数値」として定め、これらの間に前述した循環関係を規定する。この循環関係に基づいて、共通オブジェクト、共通カラー、共通カラー数値を相互に変換して取り扱う。
【0091】
次に記録媒体について説明する。記録媒体は図1で記録媒体60として説明され、記録媒体60の例としてペーパー61、樹脂板62、ガラス63、木板64等が挙げられた。記録媒体はその形としては方形状、円形状、その他の任意の形を取り得る。図9は方形状の記録媒体151を示し、図10は円形状の記録媒体152を示している。記録媒体151,152のそれぞれの記録面に複数(多数)のカラーエンティティ161が配置されている。カラーエンティティ161の並べ方としては、法形状の記録媒体151の場合には縦横の直線状に並べるのが一般的であり、円形状の記録媒体152の場合には図11に示すように渦巻状の配列162または図12に示すように同心円状(または同心楕円状)の配列163が一般的である。記録媒体の形やカラーエンティティの配置の方法については、使用する記録媒体や入出力装置の特性に応じて任意に選択することができる。
【0092】
記録媒体の1つの記録面は目的に応じて複数の領域に分けて使用され得る。例えば図9および図12に示した記録媒体151,152においては制御部81、記憶部82、セキュリティ部83の各領域に分けられている。また図12に示した記録媒体152では、それらの3つの領域に加えて、中心の部分に補助領域部84を設けている。
【0093】
上記において制御部81の領域は、その記録媒体単独で、あるいは電話回線など通信回線を使って他のコンピュータと情報を送受信することを可能にする制御用情報を持たせる領域である。例えば前述したカラー・オブジェクト関係またはカラー数値・オブジェクト関係を複数として、さらには多階層で構成するとき、階層の情報、あるいはどのカラー数値〜オブジェクト関係を用いたデータであるかの制御情報を、この制御部81の領域に格納しておく。記憶部82は、コンピュータオブジェクトに対応したカラーエンティティの記録領域である。セキュリティ部83は、簡便容易な記録再生と複製を回避するためのセキュリティ情報を格納する。非許諾者によるカラーエンティティの読取り・複製が行われようとするときにそれを防止する機能が働くようにする。補助領域部84は、カラーエンティティの記録、再生、入出力、その他必要な情報を格納する領域である。いずれの領域も基本的にカラーエンティティに基づいて情報が記憶される。その意味の与え方はそれぞれの実用の都度決めておくものとする。
【0094】
図13は記録媒体上のカラーエンティティの状態を示す。図13では方形の記録媒体171が示され、ドット配列が縦横直線上の例を示している。中空または数字の入った○によってカラーエンティティが印刷される1つ1つのドットを表している。記録媒体171の一面に描かれた多数の碁盤目172を一点鎖線173でいくつかの部分に分けて、異なるカラーエンティティの状態を表している。174で示される部分は中空の○で構成されている。この○はコンピュータオブジェクトとの対応関係がないものでカラーエンティティが印刷されていない状態と同等であり、カラーエンティティが配置されるドットの位置を示している。数字の入った○は、コンピュータオブジェクトと対応付けられた、すなわち何らかのコンピュータオブジェクトを具体的に表すカラーエンティティを示している。1,2,3,…は情報の並びの正規の順序を示している。175で示した部分においてはカラーエンティティは本来の順序で並んでいる。この場合には配列の順番でカラーエンティティを読み込んでいけば一連の意味ある情報が得られることになる。15で示した部分は、情報の本来の順番と異なる並べ方をした例である。この並べ方の情報は前述のセキュリティ部83に存在する。部分176のように配置されたカラーエンティティを読取るときは、まず配置の順にカラーエンティティのカラーを入力した後に、セキュリティ部83の配置順序情報により順番を並べ替えることによって元のコンピュータオブジェクトに再現する。ここでセキュリティ部83に格納する配置順序情報は、カラーエンティティの配置を直接表すものとは限らず、その情報をコンピュータオブジェクトとして持たせてそれをカラーオブジェクトで表したものでよい。部分176のように配列することにより、配置順序情報を与えられていない者はカラーエンティティをコンピュータオブジェクトに再現することができないことになり、情報の暗号化と同等の働きをもたらすことになる。
【0095】
177で示された部分は、カラーエンティティにカラーとは別の属性を合わせ持たせた例である。▲の記号178などはカラーという属性に加えて形その他の属性を持つものである。このように複数の属性およびカラーを組み合わせることにより、1ドットで表現できる情報量を増やすことを可能にする。
【0096】
図14と図15はカラーエンティティの変色防止方法の例を示し、記録媒体の側面図を示している。図14に示された例では、カラーエンティティが印刷された記録媒体181の全表面にカラー変色防止被膜182が設けられている。図15に示された例では、記録媒体181のカラーエンティティが印刷された表面でカラーエンティティが印刷された部分だけに対してカラー変色防止被膜が設けられている。
【0097】
以上、図を参照して説明された本実施形態は一例であって、本発明は上記の実施形態に限定されたものでなく、発明の要旨に範囲を逸脱しない限りにおいて任意に改変して実施し得るものである。
【0098】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、コンピュータオブジェクトのそれぞれに1つのカラーを割り付け、カラーでコンピュータオブジェクトを記録等するようにしたため、次の効果を奏する。記録の最小単位の1ドットにつき1ビットを超える容量のデータを記録でき、大量の情報の記録等を容易に行うことができる。記録媒体として紙等の安価なものを使用でき、このため経済性に優れる。記録保存のスペースを小さくすることが可能であり、紙の書籍などの保管が用意である。音楽、画像、映像など娯楽分野において、その記録・再生を非常に安価に行うことができる。単位スペースあたりの安価、簡便なデータ・情報の記録を可能にする。情報データの保存圧縮効果が大きいという利点を有している。高価な記憶装置からの代替が安価・簡便に行うことが可能である。カラー・オブジェクト関係の多重化、多層化により、データの圧縮効果が生じる。また対応表を有していないと、情報を取り出せないので、記録媒体そのものに著作保護効果を有する。記録媒体を応用することによりコンピュータの外部記憶装置としても使用可能である。多数の送信先に大量の情報の送信と、その情報の任意選択を可能にし、送信資料の縮減する効果を持つ。通常の記号とカラー、カラー数値を選択的に使用することによりドットの使用量を減縮する効果が大である。対応表を使用することにより、コンピュータオブジェクトに比し、伝達・送信するカラー、カラー数値の減縮効果が大である。データ・保護の観点で暗号化を促進できるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明は、コンピュータオブジェクトをカラーを利用して表現し、カラーで記録、再生、通信し、大量の情報の記録等を行い、記録媒体として安価なものを使用し、経済性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】カラーを利用してコンピュータオブジェクトを表現する本発明に係る方法が適用されたコンピュータシステムの構成例を示し、カラーエンティティと表示対象の記録に関する関係を示す図である。
【図2】カラーとコンピュータオブジェクトの関係の一例を対応表で示す図である。
【図3】カラーとカラー数値の関係の一例を対応表で示した図である。
【図4】カラー数値とオブジェクトの関係の一例を対応表で示す図である。
【図5】複数のカラー数値・オブジェクト対応表を示す図である。
【図6A】コンピュータオブジェクトとカラー数値とカラーの循環関係を示した図である。
【図6B】コンピュータオブジェクトとカラー数値とカラーの循環関係において2つずつの対の関係を示した図である。
【図6C】或るコンピュータと他のコンピュータの間の情報のやり取りでカラーを暗号として利用する場合の各コンピュータが有する関係を示す図である。
【図7】コンピュータオブジェクトの入出力の手順の例を示したブロック構成図である。
【図8】カラーフィルタによって選別を行うための構成を示したブロック図である。
【図9】一面にカラーエンティティを表示する方形の記録媒体と表示要素の集合の一例を示した図である。
【図10】一面にカラーエンティティを表示する円形の記録媒体と表示要素の集合の一例を示した図である。
【図11】円形の記録媒体における表示要素の並べ方の一例を示す概念図である。
【図12】円形の記録媒体における表示要素の並べ方の他の例を示し、さらに割当て領域を示した図である。
【図13】カラーエンティティを表示する記録媒体の一表示例を示した図である。
【図14】カラーエンティティの変色防止を行う第1の構成例を有する記録媒体の側面図である。
【図15】カラーエンティティの変色防止を行う第2の構成例を有する記録媒体を有する記録媒体の側面図である。
【符号の説明】
【0101】
10 コンピュータ
11 CPU
100 カラー・オブジェクト対応表
101 カラー・カラー数値対応表
102 カラー数値・オブジェクト対応表
103 カラー・カラー数値対応表
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業分野や日常生活等の上でコンピュータに関連して取り扱われる文字、図形、数式、画像、音声等のデータまたは情報についてカラーを利用して表現、記録または記憶、再生、通信を行う方法、記録および/または再生の装置、カラーを利用した記録媒体、さらにカラーを利用して暗号を作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の情報を記録する従来の方法として、直接に紙に記載する方法、コンピュータに関連するフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD、DVD等の記録媒体に記録する方法等が知られている。最近では、コンピュータの発達に伴って特に記録媒体が多く用いられている。さらにプリント基板においていくつかの各種情報を記録する方法として、当該プリント基板の適宜な箇所に点を表示し、これらの点の組み合わせにより少量の情報を記録する方法もある。さらにプリント基板に各種情報を記録する他の方法として、バーコードによる方法、点またはチェック模様を当該プリント基板等に打刻する方法、またはこれらを組み合わせる方法がある。ただしその場合に、記録される情報は、点、線、模様、またはこれらの組み合わせによる画像、または点、線等が存在する位置によって表される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の情報記録方法の主流は、コンピュータの発達に伴い、情報を2進化して記録媒体に記録する方法である。当該記録媒体は、コンピュータがハードウェアとソフトウェアの点で非常に発達したことに伴って、大きく進歩してきた。記録媒体における情報の記録の仕方は、基本的に、記録媒体上の最小の記録単位(以下では「1ドット」という。また最少記録単位が記録される箇所を「ドット」と呼ぶ。)に1ビットの情報を対応させている。それ故に、上記記録媒体については、近年、情報量の膨大化に伴って記録容量の肥大化を招いている。
【0004】
本発明の主な目的は、上記の記録容量の肥大化の問題に鑑みて、カラー(色)の有する特性に着目し、当該カラーをデータや情報を表現する媒体として利用し、1ドットに印刷されたカラーの色種や色差を複数のデータ等に対応させることにより、1ドット当たりの情報量を1ビットを超える量(例えば2ビット、8ビット、16ビット等)に増大させ、記録(または記憶)の容量の肥大化を軽減するコンピュータオブジェクトの表現方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、カラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して、コンピュータオブジェクトの記録、再生、通信の方法を提供することにある。
【0006】
さらに本発明の他の目的は、カラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して構成されるコンピュータオブジェクトの記録および/または再生の装置を提供することにある。
【0007】
さらに本発明の他の目的は、一般的な紙、樹脂板等の安価な記録媒体を利用して大量のデータや情報を記録する方法および装置を提供することにある。
【0008】
さらに本発明の他の目的は、カラーを利用したデータ・情報の記録の方法を利用してなる記録媒体を提供することにある。
【0009】
加えて本発明の他の目的は、上記のカラーを利用したデータ・情報の記録をさらに活用して暗号の作成方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、さらに、上記のごときカラーを利用してなるデータ・情報の記録を通信回線および通信装置に応用し、情報の大量配信を図ることのできる方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下の説明において、カラー(色)、カラーエンティティー、コンピュータオブジェクト等の概念が用いられる。
【0012】
現在のコンピュータでは数百万種以上の印刷可能なカラーを認識することができる。そこでカラーを利用してデータや情報を表現するという技術思想を提案する。
【0013】
ここで「カラー(色)」とは、原則として、可視光に基づいて通常の人間が視覚により認識する物理的実在であり、さらに、コンピュータが認識することを可能にする関係上、概念的に可視光以外の周波数の光による物理的実在も含まれるものとする。
【0014】
上記の複数のカラーのそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応付ける。ここで「コンピュータオブジェクト」とは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報(以下必要に応じて「データ・情報」と記す)のことを意味する。かかるコンピュータオブジェクトを記録することを、対応付けられたカラーを記録媒体のドットに印刷することによって実現する。カラーを利用したかかる記録を記録媒体に行うことによって、同時にコンピュータオブジェクトを記憶することが可能となる。この場合において、カラーを属性として記録媒体のドットに印刷されたもの(これを「実体」とする)を「カラーエンティティ」と呼ぶことにする。
【0015】
上記のごとくコンピュータオブジェクトはカラーエンティティのカラーにより記録される。以上の記録を実現するためには、コンピュータオブジェクトをカラーを利用して表現する方法が重要となり、本発明ではカラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法が提案される。本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を基礎にして、本発明に係る記録(記憶)、再生、通信の各方法が実現される。また本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して記録および/または再生の装置が提案される。さらに本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法を利用して暗号作成の方法が提案される。
【0016】
さらに、カラーを直接に記録できない媒体(例えばフロッピー(登録商標)ディスク等)に記録するとき、または通信を行うときには、カラーに対応したカラー数値を用いてコンピュータオブジェクトを伝達するように構成する。
【0017】
以上の考え方に基づいて、コンピュータオブジェクトに対してカラーを対応付け、複数のコンピュータオブジェクトを異なるカラーによって表現する。
【0018】
上記のごとくコンピュータの内部でまたはコンピュータを介して取り扱われる複数のコンピュータオブジェクトのそれぞれに異なるカラーを対応付ける。このように対応付けられたカラーとコンピュータオブジェクトの関係を「カラー・オブジェクト関係」と呼ぶことにする。記録媒体上で1つまたは複数の点(以下「カラードット」と呼ぶ)に印刷したカラーを属性とするもの(すなわちカラーエンティティ)によって、それに対応するコンピュータオブジェクトを表現することが可能となる。
【0019】
コンピュータオブジェクトを表現するカラーエンティティが記録される記録媒体は、例えば、ペーパー、樹脂板、ガラス、基板、セラミック板、シート、液晶板、カラーとして記録可能な媒体、およびその組み合わせで構成されたものである。
【0020】
上記の本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法(または記録方法)を前提として、カラーを利用して表現される本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録装置が構成される。この記録装置は、CPU(中央処理装置)とカラー出力装置、さらに必要なデータやプログラムを格納する記憶装置(主記憶装置、補助記憶装置)を含んでいる。コンピュータオブジェクトの記録装置では、コンピュータオブジェクトをカラーへ変換し、記録する方法が実施される。すなわちコンピュータオブジェクトの記録装置では、或るコンピュータオブジェクトの記録指示がなされたとき、CPUは、予め定められたカラー・オブジェクト関係に基づき、コンピュータオブジェクトをカラーに変換する。さらにCPUは、カラー出力命令をカラー出力装置に対して発する。カラー出力装置は、そのカラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを出力し、記録する。カラー出力装置は、カラープリンタ等である。
【0021】
また上記の本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法(または再生方法)を前提として、カラーを利用して表現される本発明に係るコンピュータオブジェクトの再生装置が構成される。この再生装置は、CPUとカラー入力装置、さらに必要なデータやプログラムを格納する記憶装置を含んでいる。コンピュータオブジェクトの再生装置では、カラーをコンピュータオブジェクトへ変換して再現する方法が実施される。すなわちコンピュータオブジェクトの再生装置では、カラー入力装置によって記録媒体上のカラードットのカラーを読み込む。カラー入力装置としては、CCDカメラ、カラースキャナー等である。CPUは、入力されたカラーをカラー・オブジェクト関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する。さらにCPUは、再現したコンピュータオブジェクトを、表示し、音声出力し、画像出力し、印刷し、保管し、または通信する。
【0022】
上記のコンピュータオブジェクトの記録装置と再生装置を一体化してコンピュータオブジェクトの記録および再生を可能にするコンピュータオブジェクトの記録再生装置を実現することができる。
【0023】
上記の構成において、カラーの代わりに、各々のコンピュータオブジェクトにそれぞれ異なる数値(この数値を「カラー数値」と呼ぶ)を対応させ(対応付けられたカラー数値とコンピュータオブジェクトの関係を「カラー数値・オブジェクト関係」と呼ぶ)、これによりコンピュータオブジェクトを表現することもできる。
【0024】
上記のカラー数値に対してはカラーを割り当て(カラーとカラー数値の関係を「カラー・カラー数値関係」と呼ぶ)、カラー数値・オブジェクト関係およびカラー・カラー数値関係の両方を使ってコンピュータオブジェクトをカラーに対応付けることも可能である。
【0025】
コンピュータオブジェクトをカラーに変換し、あるいはカラーをコンピュータオブジェクトに変換する場合において、カラー・オブジェクト関係の代わりに、カラー・カラー数値関係およびカラー数値・オブジェクト関係の両方を用いて記録装置または再生装置を構成することも可能である。
【0026】
上記のカラーの代わりにそれに対応したカラー数値を用いて、ネットワークによる通信、あるいはデータ記憶媒体によるデータ伝達により複数のコンピュータ間で通信を行い、受信したカラー数値をカラー数値・オブジェクト関係を用いて必要に応じてコンピュータオブジェクトに再現するようにし、通信経路やデータ伝達の経路上ではコンピュータオブジェクトそのものを扱わないようにする。
【0027】
コンピュータオブジェクトの表現方法や記録方法等、および記録装置等では、カラー数値の設定の方法に関しては、カラーの再現性を考慮してカラー数値の要素数の最大許容範囲が定め、その範囲内でカラー数値を設定することが望ましい。
【0028】
複数のコンピュータオブジェクトグループを構成し、その各々に対し異なる対応関係を持つカラー数値・オブジェクト関係を作り、取り扱うすべてのコンピュータオブジェクトを複数のコンピュータオブジェクトグループのいずれかに配置する方法が提案される。このとき、コンピュータオブジェクトグループを識別するのに、グループ毎にカラー数値 (必然的にカラー)を割り当てておけばよい。この方法は、コンピュータオブジェクトの配置を取り扱い易いようにするためにも有用であると共に、取り扱うコンピュータオブジェクトの数が上記カラー数値の要素数の最大許容範囲を超える場合に有効である。
【0029】
前述した複数のコンピュータオブジェクトグループを第1の階層のグループと呼ぶことにして、この第1階層のグループの数が多くなった場合、第1階層のグループをグループ分けし、複数の第2階層のグループを作り、第1階層のグループは第2階層グループのいずれかに含まれるようにする。さらに同様にして順次に第3階層、第4階層、…を作成して、それら各階層のグループにカラー数値を対応させる方法を提案する。これにより、コンピュータオブジェクトの配置をさらに柔軟に行うことができると共に、どのように多くのコンピュータオブジェクトでも有限個のカラーに対応させることができる。
【0030】
コンピュータオブジェクトをカラー数値に変換し、そのカラー数値をカラーに変換し、そのカラーをコンピュータオブジェクトに変換したとき、変換後のコンピュータオブジェクトが変換前のコンピュータオブジェクトに同一になるように、カラー数値・オブジェクト関係、カラー・カラー数値関係、カラー・オブジェクト関係(このような条件を充たすコンピュータオブジェクトに関する3種の関係を、「循環オブジェクト関係」と総称する)を定める。
【0031】
コンピュータオブジェクトをカラーまたはカラー数値に変換して通信、データ伝達、記録(記憶)するときに、コンピュータオブジェクトを再現するのに必要な循環オブジェクト関係の1つあるいは複数の対応関係を、同時に通信、データ伝達、記録(記憶)することにより、受信側がコンピュータオブジェクトを再現するための関係を所持していない場合でも、受信したカラー数値をコンピュータオブジェクトに再現できる方法が提案される。
【0032】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの表現方法では、或る任意の階層のグループに含むあらゆるコンピュータオブジェクトをその組み合わせで表現できるようにした要素的なコンピュータオブジェクト(例えばJISコードで定められている英数記号や日本語文字、さらに或るコンピュータグループ内においてコンピュータオブジェクトの要素として共通に使われるもの。このようなコンピュータオブジェクトを「共通オブジェクト」と呼ぶ)を定め、その共通オブジェクトにより一連のコンピュータオブジェクトを表現することも可能である。
【0033】
上記共通オブジェクトとそれに対応するカラー、カラー数値(これらをそれぞれ「共通カラー」、「共通カラー数値」と呼ぶ)の間に、カラー・オブジェクト関係、カラー数値・オブジェクト関係、およびカラー・カラー数値関係(これら共通オブジェクトに関する関係を総称して 「共通オブジェクト関係」と呼ぶ)を定める。それにより一連のコンピュータオブジェクトを共通カラー数値あるいは共通カラーのみを用いて通信、データ伝達、記録、再現(再生)が行われる。
【0034】
コンピュータオブジェクトを共通カラーまたは共通カラー数値を用いて通信、データ伝達、記録するときに、同時に共通オブジェクト関係を付加する方法が提案される。
【0035】
循環オブジェクト関係のなかに共通オブジェクト関係を包含させて、それにより一連のコンピュータオブジェクトをカラー数値あるいはカラーに変換して通信、データ伝達、記録(記憶)、再現(再生)する。
【0036】
コンピュータオブジェクトの記録方法または記録装置において、前述したカラードットの出力に関して、記録媒体の記録面に番地を付与し、その番地に合わせてカラードットを配置する。
【0037】
上記において、カラードットの出力、入力の順を番地で指定できるようにすることが好ましい。
【0038】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの再生方法または再生装置では、上記の記録媒体の形状、またはその上に出力するカラードットの配置の形状を、円盤状、四角形等の多角形、あるいはその他の任意形状とし、記録媒体の組成構成は任意自在とし、記憶媒体のカラードット出力面を回転可能あるいは任意方向への移動可能にする。また記憶媒体のカラーエンティティ出力面を移動可能または静止可能にする。さらに記録媒体を着脱可能に、または駆動可能、回転可能、静止可能に保持する。さらに記録媒体の保持具を回転可能にして、保持具の回転に従ってカラードットを入出力可能にする。
【0039】
上記の記録媒体に関して、コーティング等によりカラーエンティティの変色を防止可能とする。
【0040】
上記のカラー・オブジェクト関係に関して、通信回線と通信装置に基づいてその関係の対応付けを可能にする。
【0041】
上記のカラードットの配置に関して、記録媒体におけるカラードット出力面(表示面)を、制御部と記憶部とセキュリティ部の各領域とその他の領域に区分し、各領域を任意に編成可能にする。
【0042】
上記の構成において、カラードットのデータの送受信を双方向通信で可能にし、カラードットに関するデータの記録あるいは配信内容のチェック・更新を可能にする。
【0043】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録方法、再生方法、あるいは記録装置、再生装置、記録再生装置でのコンピュータオブジェクトの通信、伝達、記録の再生において、入力した一連のカラーもしくはカラー数値のすべてまたは特定の一部の値により、受入れ可否の判断を行い、受入れ否の場合と受入れ可の場合とは異なる処理(この処理を「カラーフィルタ」と呼ぶ)を行うようにする。
【0044】
上記のカラーフィルタにおいて、カラーまたはカラー数値のリスト (このリストを「フィルタ対応表」と呼ぶ)を用意し、入力したカラーまたはカラー数値をフィルタ対応表に照らし合わせることにより、受入れ可否の判断を行うようにする。
【0045】
上記のカラーフィルタにおいて、一連のカラーまたはカラー数値に対して受入れ否の判断を行った場合、それらのデータを表示して処理決定を行わせ、あるいはそれらのデータを通信、伝達、再生の元に返送する等の処理を行うようにしたカラーフィルタ機能を有する。
【0046】
本発明に係るコンピュータオブジェクトの記録方法および記録装置において、1つまたは複数の特定のカラー(この特定のカラーを「特定カラー」と呼ぶ)に、カラー・オブジェクト関係に基づきあるいはカラー・オブジェクト関係に独立に特定の機能を割り当て、上記コンピュータオブジェクトグループ階層の指定機能、カラーエンティティをコンピュータオブジェクトに変換する前の諸判断チェック機能またはセキュリティ機能などを持たせることを可能にする。
【0047】
カラーの経年変化を補正するため、またカラー入出力装置間のカラーの入出力の特性の違いを補正するために特定カラーを使用する方法を示す。例えば上記特定カラーの1つに1または複数のカラー情報を持たせ、そのカラーエンティティに続いてその指定された複数のカラーをカラーエンティティとして出力する。このようにすれば、カラーエンティティを入力する側は、その特定カラーが指定した情報により1あるいは複数の補正用カラーエンティティを読み取り、読み取ったカラーと特定カラーに指定されたカラー情報の相違により経年変化または装置差によるカラーの相違の補正を可能にする。
【0048】
以上の説明では、カラーエンティティの属性はカラーのみとしてきたが、カラー以外の属性を使用することもできる。すなわち、カラーに加えて、円、四角、バー等の図形の形や、その他の印刷可能な特性を含めた複数の属性の中から選んだ1または複数の属性をカラーエンティティの属性(このような属性を「汎カラー」と呼ぶ)としてコンピュータオブジェクトに対応付けてコンピュータオブジェクトの表現方法、記録方法、再生方法、通信方法、記録装置、再生装置、または記録再生装置を示す。このように複合の特性を使用した場合でも、それに対してカラー数値を割り当て循環オブジェクト関係を構成する。
【0049】
カラーエンティティあるいはカラー数値によるコンピュータオブジェクトの記録と、それによらないコンピュータオブジェクトの記録、例えば通常の文字などを同一の記録媒体(例えば紙等)上に混在させることができる。
【0050】
記録媒体上の連続した、あるいは任意配置の複数のカラードットを使用して1つのコンピュータオブジェクトを記録することもできる。複数の異なる汎カラーの組み合わせに対して1つのコンピュータオブジェクトまたはカラー数値を対応付けるカラー・オブジェクト関係またはカラー・カラー数値関係を構成することにより、記録媒体上の連続したあるいは任意配置の複数のカラードットに対し1つのコンピュータオブジェクトを記録することを可能にする。
【0051】
予め出力されている、あるいは出力が定められているカラーエンティティあるいはカラー数値があって、後からそれらのカラーあるいはカラー数値のそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応させる場合もある。この場合には、新たにカラー・オブジェクト関係あるいはカラー数値・オブジェクト関係を形作り、その関係をカラーあるいはカラー数値の入力時に使う。
【0052】
以上のようにカラーまたは汎カラーを属性とするカラーエンティティによってコンピュータオブジェクトを表現し、コンピュータオブジェクトを記録等させる方法および装置によって次ような作用が生じる。
【0053】
1ドットあたりの記録容量を、カラーの印刷・読取の分解能・精度の限界まで複数ビットとし、記録容量(記憶容量)を高めることができる。1ドットに文字、記号、図形、数式、画像、音声等の様々な種類の情報を対応させることができる。相当量の情報を簡便なスペースで記録保持することが可能となる。記録媒体の選択の幅が広くなる。記録媒体を安価にする。記録認識の装置またはシステムを簡便にすることが可能となる。カラーの組合せによる記録により大量な情報の記録と管理を容易にする。情報の伝達・通信、書物・印刷物の保管保存等において等価的にデータ圧縮の作用を持つ。装着冶具の利用によって紙等へ情報記録を行うことが可能なことから、娯楽ソフト、日常生活上のソフトを安価に簡便に製作できる。普通紙等の安価な記憶媒体により大量の情報を記録でき、このため高価な大量記憶装置を代替することができる。同時に環境作用や省エネ作用を有する。
【0054】
上記のコンピュータオブジェクトの表現方法、記録方法、再生方法、通信方法をさらに発展させて暗号作成方法として活用し、一般的に情報をカラーやカラー数値で表現し、情報をカラー数値として通信することにより、情報の大量送信が可能になると共に、暗号としての機能が発揮され、通信途中での情報の安全性を高める。カラーが印刷される記録媒体の記録面には番地が付与され、カラーエンティティの出力、入力の順をこの番地で指定することによって情報がカラーで表現される。
【0055】
通常の記号とカラー、カラー数値を選択的に使用することから、ドットの使用量を減縮することが可能となる。対応表を使用することによりコンピュータオブジェクトに対し、伝達・送信するカラー、カラー数値の減縮作用が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。この説明によって本発明の内容がさらに明らかにされる。
【0057】
図1は本発明の基本的な実施形態を示す。この実施形態による装置(概念的に記録および/または再生の装置、すなわち記録装置、再生装置、記録再生装置を含む)は、カラーを利用してコンピュータオブジェクトを表現する本発明に係る方法が適用されたコンピュータシステムの例を示している。破線で描かれたブロック10はコンピュータを示している。このコンピュータ10は、CPU(中央処理装置)11と主記憶装置12と補助記憶装置13と入出力制御装置14から構成されている。コンピュータ10は、本発明のための専用のコンピュータとして構成されている必要はなく、また専用コンピュータとして単体として独立している必要はない。例えば、コンピュータ10は印刷装置にもともと組み込まれているコンピュータまたはMPUの一部にあって、本発明に係るカラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現方法を可能にし、これによりカラーによるコンピュータオブジェクトの記録、再生、通信(伝達)等を行う機能を実現するものであってもよい。CPU11は、コンピュータオブジェクトをカラーに変換して出力装置を介して出力を行い、また反対に入力装置を介して読み込まれたカラーをコンピュータオブジェクトに再現するという機能を有している。当該機能は、上記の主記憶装置12または補助記憶装置13において、複数のコンピュータオブジェクトと複数のカラーとの対応関係を有しているテーブルと、このテーブルを参照しながら変換と入出力処理を実行するプログラムを備えることにより実現される。上記のカラーの代わりに、各カラーに対応するカラー数値を用いることもできる。補助記憶装置13は、コンピュータオブジェクトを記憶し、前述したカラー・オブジェクト関係(またはそれに代わるものとしてカラー・カラー数値関係もしくはカラー数値・オブジェクト関係)を、データベースまたはその他の類似形式にて記憶させておくものである。補助記憶装置13は図示されるごとくコンピュータ10に内蔵してもよいし、あるいはコンピュータ10に対して外付けで設けることもできる。さらに補助記憶装置13は、コンピュータ10の外部にあって、使用時のみに接続するように構成することもできる。入出力制御装置14は、CPU11による入出力の指示に基づいて、コンピュータ10に接続される複数の入力装置と複数の出力装置の内のいずれかを選択してその入出力の処理動作を制御するものである。またコンピュータ10に対しては、入出力制御装置14を介して、さらに通信装置(通信回線を含む)15を経由して他のコンピュータ16が接続されている。従って入出力制御装置14は、CPU11の通信の指示に従って、通信装置15を選択し当該通信装置を経由して他のコンピュータ16との間で通信を行う機能も有している。図1では通信装置15は線で概念的に示されているが、通信機能を有する手段を含むものとする。
【0058】
以上において、入出力制御装置14と、入力装置、出力装置、通信装置のいずれかとの間のデータの伝送では、直接接続、WAN・LAN経由接続等の接続の種類、また有線、無線通信、赤外線通信など伝送の方式等の種々の通信に関する方式を限定するものではない。
【0059】
上記のコンピュータ10に対して各種の出力装置と入力装置、あるいは入出力装置が付設されている。
【0060】
コンピュータ10に接続される出力装置は、例えば、カラーエンティティを出力する装置、またはカラー数値を出力する装置、または再現されたコンピュータオブジェクトを出力する装置である。カラーエンティティを出力する装置としては、プリンター21(カラープリンター)、ファクシミリ22、その他の装置23に含まれるカラー出力装置がある。これらのカラーエンティティ出力装置は、コンピュータ10の出力指示に基づいてカラーエンティティを記録媒体に印刷する。またカラー数値を出力する装置としては、FDD・HDD31、MOD32、CD・LD・MD・DVD・SDVD33、さらに前述のその他の装置23に含まれる記憶装置がある。これらのカラー数値出力装置は、カラー数値を出力する。さらに再現されたコンピュータオブジェクトを出力する装置としては、上記の各種の出力装置に加えて、音声変換装置41、音声・映像変換装置42がある。これらのコンピュータオブジェクト出力装置は、カラーエンティティまたはカラー数値から変換されたコンピュータオブジェクトを目的・用途に応じて出力する。
【0061】
上記の出力装置の説明では、コンピュータ10に対して接続され得る各種の出力装置が接続された例が説明されたが、コンピュータ10において前述のすべての出力装置が接続されている必要はない。
【0062】
コンピュータ10に接続される入力装置は、カラーエンティティを入力する装置、またはカラー数値を入力する装置、または記録しようとするコンピュータオブジェクトを入力する装置である。カラーエンティティを入力する装置としては、CCDカメラ51、OCR52、上記のファクシミリ22、その他の装置23に含まれるカラーを読むことのできる装置がある。これらの装置は、カラーエンティティのカラーを読み込んでコンピュータ10に入力する。カラー数値を入力する装置としては前述のFDD・HDD31、MOD32、CD・LD・MD・DVD・SDVD33、その他の装置23に含まれる記憶装置がある。これらの装置は、カラー数値を読み込んでコンピュータ10に入力する。記録しようとするコンピュータオブジェクトを入力する装置としては、上記の入力装置に加えて、音声変換装置41、音声・映像変換装置42がある。これらの装置は、記録すべきコンピュータオブジェクトをコンピュータ10に読み込む。
【0063】
上記において、CCDカメラ51に関しては、その下方に撮影対象である記録媒体201が配置される。記録媒体は201は保持装置202によって水平に保持されている。保持装置202は水平方向への駆動を行うための駆動装置203を備えている。記録媒体201の上には表示対象(または表示物)であるカラーエンティティ204が表示されている。このカラーエンティティ204がCCDカメラ51によって撮影される。なおCCDカメラ51は駆動制御部205を備えている。
【0064】
図1では、さらに、前述の出力装置、入力装置、および入出力装置に対して、記録媒体60が示されている。記録媒体60としては、ペーパー(普通紙等、例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)61、樹脂板(例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)62、ガラス63、木板64、スピーカ65、シート(例えばカード類、有価証券、身分証、書籍等)66、液晶板(またはPDP、例えば図画、書籍、雑誌、新聞、画像等)67、これらに類似するその他の記録媒体(その他の表示物、音響、映像)68等のいくつかの例が示されている。これらの記録媒体は、その表面または内部にカラーエンティティまたはカラー数値を記録する。図1において、記録されるカラーエンティティまたはカラー数値は、記録媒体60での表示対象71として示されている。記録媒体60は、前述の出力装置に対しては当該出力装置による書込み作用によって表示対象71がその表面または内部に記録される手段として機能し、また前述の入力装置に対しては、当該入力装置による読込み作用によって、その表面または内部に記録された表示対象71が読み込まれる手段として機能する。コンピュータ10と記録媒体60の間では、各出力装置を介して書込み72という作用関係で関係付けられ、各入力装置を介して読込み73という作用関係で関係付けられている。コンピュータ10と記録媒体60の間の領域74は、書込みと読込みで関係が形成される作用領域である。またFDD・HDD31やファクシミリ22などのごとく出力装置および入力装置として機能する入出力装置では、書込みと読込みの2つの作用75が発揮されている。また記録媒体60で、例えばスピーカ65を利用する場合には、出力としての書込みあるいは入力としての読込みではなく、音声変換装置41が用いられる。
【0065】
上記の記憶媒体60は、これに対して出力を行ったコンピュータ10のみならず、同様な機能を有する他のコンピュータでも入力を行うことができる。この作用によってコンピュータ間でのデータ伝送を行うことができる。
【0066】
通信装置15は、電話回線などを使用したWAN(広域ネットワーク、インターネットを含む)、またはLAN(地域内情報通信網)である。これらの通信装置15によって、他のコンピュータ16(またはコンピュータシステム)との間で、コンピュータオブジェクトの情報がカラー数値または一般的なデータとして伝達される。通信装置15による通信において、通信路、通信方式、通信装置の種類は任意のものを使用することができ、限定されない。
【0067】
他のコンピュータ16については、特定のコンピュータに限定するものではなく、本発明によるコンピュータオブジェクトの記録(記憶)・再生の装置の全体または一部を備えておれば足りる。コンピュータ16においては、本発明によるカラーエンティティまたはカラー数値によりデータ・情報を交換することが可能である。
【0068】
次に、コンピュータオブジェクトをカラーエンティティまたはカラー数値に変換して出力する方法、および逆にカラーエンティティまたはカラー数値をコンピュータオブジェクトに再現する方法を説明する。
【0069】
コンピュータオブジェクトをカラーに変換するにはカラー・オブジェクト関係が用いられる。図2は、カラー・オブジェクト関係の例を示し、コンピュータ10で具体的に使用する表の形に表現したカラー・オブジェクト対応表100を示している。カラー・オブジェクト対応表100の左列100aには使用される複数の異なるカラーが並べられ、右の列100bには各カラーに対応するコンピュータオブジェクトが記されている。この例において赤1、赤2、橙1、橙2、橙3、…は異なるカラーを表している。赤1、赤2、橙1、橙2、橙3のカラーのそれぞれには、例えば、“T”というアルファベット、“谷”という漢字、 “谷電機工業株式会社”という日本語文字列、“ABC002”という図版で表されるクリームハンダ印刷機の設計図、“DEF876”という記号で表されるクリームハンダ印刷機で使用するソフトウェアなどを対応付けている。
【0070】
上記のカラー・オブジェクト関係において、カラーについてはそれを印刷するまたは読み取る分解能には限界がある。このカラー分解の最大数は、16ビット相当の分解能があるとして65536、24ビット相当の分解能があるとして1700万弱である。一方、コンピュータ10で処理するコンピュータオブジェクトの数は一般にそれより多数である。このときは、処理するすべてのコンピュータオブジェクトを複数のグループに分け、そのグループ毎に別個のカラー・オブジェクト対応表を持たせればよい。当然のことながら、これらの複数のカラー・オブジェクト対応表においては、カラーは共通であり、対応するコンピュータオブジェクトが相互に異なっている。このとき、各々のカラー・オブジェクト対応表にグループを表すカラーを対応付ける。カラーエンティティとして出力するときは、グループを表すカラーと個別のコンピュータオブジェクトを表すカラーの両者を出力する。グループ分けにあたっては、できる限り関係が深く同時に使用する可能性の高いコンピュータオブジェクトを1つのグループに入れるようにすることが好ましい。
【0071】
さらにカラー・オブジェクト関係は、カラーとコンピュータオブジェクトの中間にカラー数値なる量を介在させることにより、カラー・カラー数値関係とカラー数値・オブジェクト関係の2種類の関係に分けて持たせることもできる。このようにすると、コンピュータ10での取り扱いにおいて利便を生じる。このことを図3〜図5を参照して説明する。
【0072】
図3はカラー・カラー数値関係を表の形で表現したカラー・カラー数値対応表101であり、図4はカラー数値・オブジェクト関係を表の形で表現したカラー数値・オブジェクト対応表102である。図3において左列101aのカラーは図2で説明した左列100aのカラーと同じものであり、図4の右列102bのコンピュータオブジェクトは図2の右列100bのコンピュータオブジェクトと同じものである。対応表101,102のいずれにも存在するカラー数値により両対応表を結合することができる。カラー・カラー数値対応表101ではカラー数値は右列101bにあり、カラー数値・オブジェクト対応表102ではカラー数値は左列102aにある。これらの対応表101,102を結合した結果として得られるカラーとコンピュータオブジェクトの関係は、図2に示した関係と全く同じものである。
【0073】
図2において対応表が複数あるときは、図5に示すように、1つのカラー・カラー数値対応表103に対し複数(図示例では一般的にn個)のカラー数値・オジェクト対応表104−1〜104−nを作ればよい。このときカラー数値・オブジェクト対応表(1〜n)104−1〜104−nに対しそれぞれにカラーを割り当てることになる。
【0074】
もしコンピュータオブジェクトの数が多くてカラー数値・オブジェクト対応表で表すグループ(これを「第1階層グループ」と呼ぶ)の総数nが前述のカラー分解最大数を超えるとき、またはコンピュータオブジェクトの配置の利便性のために、第1階層グループをさらにグループ分けし(第1階層グループをグループ分けしたものを「第2階層グループ」と呼ぶ)、各第2階層グループに含まれる第1階層グループの数がカラー分解最大数を超えないようにする。コンピュータオブジェクトの数がさらに多い場合には、適宜に、第3、第4の階層を作ればよい。コンピュータ10内での通常の処理においては上記のカラー数値を使い、カラーエンティティとして出力するときのみカラーに変換して使う。これによりコンピュータ10内での処理が簡便になる。またカラーエンティティ以外の形で記録媒体に記録出力するときや、他のコンピュータ16と通信装置15を介して通信するときにはカラー数値を用いるのが適切である。
【0075】
図6Aはコンピュータオブジェクト(O)とカラー数値(N)とカラーエンティティのカラー(C)との関係を示している。図6Aに示すごとく、コンピュータオブジェクト91とカラー数値92とカラーエンティティのカラー93の三者の間には相互に変換できるという関係がある。図中の矢印94,95,96は相互変換の関係を表している。これらの相互変換の関係94,95,96において、コンピュータオブジェクト91とカラー数値92を関係付ける矢印95による相互変換関係は前述したカラー数値・オブジェクト関係であり、コンピュータオブジェクト91とカラー93を関係付ける矢印94による相互変換関係は前述したカラー・オブジェクト関係であり、カラー数値92とカラー93を関係付ける矢印96による相互変換関係は前述したカラー・カラー数値関係である。これらの三者の相互関係を「循環オブジェクト関係」と呼ぶことにする。
【0076】
上記の循環オブジェクト関係に関しては、図6Bに示されるように、コンピュータオブジェクト(O)とカラー数値(N)とカラーエンティティのカラー(C)を任意に2つずつの組を作ることにより3つの組a,b,cを作ることができる。組aはカラー・オブジェクト関係94に基づくコンピュータオブジェクト91とカラー93の組である。組bはカラー数値・オブジェクト関係95に基づくコンピュータオブジェクト91とカラー数値92の組である。組cはカラー・カラー数値関係96に基づくカラー数値92とカラー93の組である。
【0077】
図1で説明したように或るコンピュータ10と他のコンピュータ16の間で通信装置15を経由してデータのやり取りのための通信を行う場合において、データのやり取りをカラー数値を用いて暗号として行うには図6Cに示される関係を、コンピュータ10,16の各々が有することが必要である。つまり、通信装置15によるコンピュータ10からコンピュータ16へのデータの送信をカラー数値を利用した暗号手法で行うようにするためには、コンピュータ10,16が両方共に前述の組aであって同じ変換関係を有していることが必要である。
【0078】
なお、図6Cに示される上記関係はコンピュータ10,16の間でのみ有していることに限定されるものではなく、コンピュータ10とこのコンピュータ10に接続される入出力装置であるプリンタ21やその他の装置23等との間で情報を暗号としてやり取りする場合も、図6Cに示される上記関係を有するように構成できるものである。
【0079】
以上のように同じ変換関係を有する組a,b,cの選択およびこれらの組合せ・変換関係の構成は任意である。
【0080】
また通信装置15に代えてFDD、HDDなどのその他の記録媒体によるコンピュータ処理においても上記と同様に可能である。
【0081】
次に、図7を参照して、コンピュータ10において、コンピュータオブジェクトをカラーエンティティまたはカラー数値の形へ変換し、記録し、または通信により伝達し、または再現等する手順を説明する。
【0082】
コンピュータ10に対して、記録媒体60に記録された1つまたは複数のデータまたは情報(データ・情報:文字、記号、図形、数式、画像、音声など)111が与えられたとき、コンピュータ10はそれらを前述した入力装置112によって読み込む。コンピュータ10に読み込まれたデータ・情報は、コンピュータ10内においてコンピュータオブジェクト113として示されている。当該コンピュータオブジェクト113は、直ちに処理されるか、または一旦補助記憶装置13に保管される。補助記憶装置13におけるブロック114はコンピュータオブジェクトの記憶の状態を示している。
【0083】
次にCPU11は、コンピュータオブジェクト113をカラー数値115に変換する。CPU11では、前述の主記憶装置12(図7では図示せず)に格納されるプログラムに基づきカラー数値・オブジェクト変換部116を実現し、このカラー数値・オブジェクト変換部116が、補助記憶装置13に格納された前述のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いて、読み込んだまたは補助記憶装置13に保管されたコンピュータオブジェクトをカラー数値115へ変換する。データ・情報をカラー数値として記録する場合、あるいは通信による情報伝送をする場合は、上記のカラー数値115そのものを、入出力制御装置14を介して出力しまたは通信する。すなわち、入出力制御装置14およびデータ入出力装置117を介して記録されたカラー数値118として出力され、また入出力制御装置14および他のコンピュータとの情報通信部119を介して配信カラー数値120として出力される。
【0084】
さらにデータ・情報をカラーエンティティとして記録する場合は、前述の主記憶装置12に格納されるプログラムによってCPU11内にカラー・カラー数値変換部121が実現され、このカラー・カラー数値変換部121が補助記憶装置13に保管されたカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115をカラーに変換し、入出力制御装置14およびカラー入出力装置122を介してカラーエンティティ123を出力する。
【0085】
反対にカラーエンティティ123を入力するときは、カラー入出力装置122の入力装置部分、例えば前述のCCDカメラ51等の入力装置により、各カラードットのカラーエンティティを読み取り、入出力制御装置14を介してカラーとして入力する。CPU11内のカラー・カラー数値変換部121は、入力されたカラーを、補助記憶装置13のカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115に変換する。得られたカラー数値115は、さらに、CPU11内のカラー数値・オブジェクト変換部116によって補助記憶装置13のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いてコンピュータオブジェクト113に変換され、こうして再現が行われる。再現されたコンピュータオブジェクト113は、出力装置124により再現されたデータ・情報125として出力され、利用に供する。
【0086】
カラーエンティティ123から変換されたカラー数値115は、そのまま記録されるか、あるいは通信により他のコンピュータに伝送されることもあり得る。また他のコンピュータから通信にて伝送されたカラー数値、あるいはデータ入出力装置117から入力されたカラー数値をデータ・情報として再現する場合は、カラーエンティティから変換されたカラー数値を再現する場合と同様な手順がとられる。
【0087】
図7に示した構成において、コンピュータオブジェクト113の入出力装置130には上記のごとく入力装置112と出力装置124を含むが、目的に応じて必要なものが用いられる。カラーエンティティやカラー数値の入出力装置および情報通信部131にはカラー入出力装置122、データ入出力装置117および他のコンピュータとの情報通信部119を含むが、目的に応じて必要なものを用いることができる。
【0088】
次に図8を参照して「選別」に関する構成について説明する。ここで「選別」とは、データ入出力装置または通信装置(通信回線を含む)を通じて不要なデータを配信しない、または取り込まないようにする処理をいう。この選別に当たっては、図8に示すように、CPU11の内部にカラーフィルタと呼ばれるフィルタ部141を設ける。図8は、図7のカラーフィルタに関する部分を抜き出して示した図であり、図7に示された機能の部分が必要に応じて構成されている。従って図8において、図7に示された要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
【0089】
図8に示されたフィルタ部141は、外部とのデータの出し入れに際し、データ入出力装置117を経由してカラー数値118として入出力されたデータを、補助記憶装置13に予め格納されているフィルタ対応表142に基づいて選別される。フィルタ対応表142には、取り入れ可能なカラー数値とその他のデータが格納されている。外部から一連のカラー数値データがCPU11に入力されたとき、フィルタ部141はフィルタ対応表142を参照し、例えばフィルタ対応表142に存在しないカラー数値が含まれている場合には、その一連のカラー数値を無効と判断して、コンピュータオブジェクトあるいはカラーへ変換する処理を行わないようにする。さらにフィルタ対応表142に取入れ不可のカラー数値を入れておくこともできる。この場合には、上記とは反対に、フィルタ部141は、フィルタ対応表142にあるカラー数値が含まれている場合に無効と判断する。さらにフィルタ対応表142には、取入れ可能なカラー数値と取入れ不可のカラー数値の両者を含ませることもできる。このような構成を有するフィルタ対応表を使用することにより、通信経路、入出力経路、その他の経路で不要なデータが混入した場合またはデータが改変された場合に、無効なデータを除去できる。
【0090】
1つのコンピュータオブジェクトグループ内で、またはより上の階層のコンピュータオブジェクトグループに属する複数のコンピュータオブジェクトグループの間で、個別事項、内容、性質、量、大きさ等の属性が共通である、または同一であるコンピュータオブジェクトを「共通オブジェクト」として定めることができる。共通オブジェクトを用いてコンピュータオブジェクトを表現することにより、コンピュータオブジェクトの表現がより簡便にすることができる。このときには、共通オブジェクトに対応するカラー、カラー数値を「共通カラー」、「共通カラー数値」として定め、これらの間に前述した循環関係を規定する。この循環関係に基づいて、共通オブジェクト、共通カラー、共通カラー数値を相互に変換して取り扱う。
【0091】
次に記録媒体について説明する。記録媒体は図1で記録媒体60として説明され、記録媒体60の例としてペーパー61、樹脂板62、ガラス63、木板64等が挙げられた。記録媒体はその形としては方形状、円形状、その他の任意の形を取り得る。図9は方形状の記録媒体151を示し、図10は円形状の記録媒体152を示している。記録媒体151,152のそれぞれの記録面に複数(多数)のカラーエンティティ161が配置されている。カラーエンティティ161の並べ方としては、法形状の記録媒体151の場合には縦横の直線状に並べるのが一般的であり、円形状の記録媒体152の場合には図11に示すように渦巻状の配列162または図12に示すように同心円状(または同心楕円状)の配列163が一般的である。記録媒体の形やカラーエンティティの配置の方法については、使用する記録媒体や入出力装置の特性に応じて任意に選択することができる。
【0092】
記録媒体の1つの記録面は目的に応じて複数の領域に分けて使用され得る。例えば図9および図12に示した記録媒体151,152においては制御部81、記憶部82、セキュリティ部83の各領域に分けられている。また図12に示した記録媒体152では、それらの3つの領域に加えて、中心の部分に補助領域部84を設けている。
【0093】
上記において制御部81の領域は、その記録媒体単独で、あるいは電話回線など通信回線を使って他のコンピュータと情報を送受信することを可能にする制御用情報を持たせる領域である。例えば前述したカラー・オブジェクト関係またはカラー数値・オブジェクト関係を複数として、さらには多階層で構成するとき、階層の情報、あるいはどのカラー数値〜オブジェクト関係を用いたデータであるかの制御情報を、この制御部81の領域に格納しておく。記憶部82は、コンピュータオブジェクトに対応したカラーエンティティの記録領域である。セキュリティ部83は、簡便容易な記録再生と複製を回避するためのセキュリティ情報を格納する。非許諾者によるカラーエンティティの読取り・複製が行われようとするときにそれを防止する機能が働くようにする。補助領域部84は、カラーエンティティの記録、再生、入出力、その他必要な情報を格納する領域である。いずれの領域も基本的にカラーエンティティに基づいて情報が記憶される。その意味の与え方はそれぞれの実用の都度決めておくものとする。
【0094】
図13は記録媒体上のカラーエンティティの状態を示す。図13では方形の記録媒体171が示され、ドット配列が縦横直線上の例を示している。中空または数字の入った○によってカラーエンティティが印刷される1つ1つのドットを表している。記録媒体171の一面に描かれた多数の碁盤目172を一点鎖線173でいくつかの部分に分けて、異なるカラーエンティティの状態を表している。174で示される部分は中空の○で構成されている。この○はコンピュータオブジェクトとの対応関係がないものでカラーエンティティが印刷されていない状態と同等であり、カラーエンティティが配置されるドットの位置を示している。数字の入った○は、コンピュータオブジェクトと対応付けられた、すなわち何らかのコンピュータオブジェクトを具体的に表すカラーエンティティを示している。1,2,3,…は情報の並びの正規の順序を示している。175で示した部分においてはカラーエンティティは本来の順序で並んでいる。この場合には配列の順番でカラーエンティティを読み込んでいけば一連の意味ある情報が得られることになる。15で示した部分は、情報の本来の順番と異なる並べ方をした例である。この並べ方の情報は前述のセキュリティ部83に存在する。部分176のように配置されたカラーエンティティを読取るときは、まず配置の順にカラーエンティティのカラーを入力した後に、セキュリティ部83の配置順序情報により順番を並べ替えることによって元のコンピュータオブジェクトに再現する。ここでセキュリティ部83に格納する配置順序情報は、カラーエンティティの配置を直接表すものとは限らず、その情報をコンピュータオブジェクトとして持たせてそれをカラーオブジェクトで表したものでよい。部分176のように配列することにより、配置順序情報を与えられていない者はカラーエンティティをコンピュータオブジェクトに再現することができないことになり、情報の暗号化と同等の働きをもたらすことになる。
【0095】
177で示された部分は、カラーエンティティにカラーとは別の属性を合わせ持たせた例である。▲の記号178などはカラーという属性に加えて形その他の属性を持つものである。このように複数の属性およびカラーを組み合わせることにより、1ドットで表現できる情報量を増やすことを可能にする。
【0096】
図14と図15はカラーエンティティの変色防止方法の例を示し、記録媒体の側面図を示している。図14に示された例では、カラーエンティティが印刷された記録媒体181の全表面にカラー変色防止被膜182が設けられている。図15に示された例では、記録媒体181のカラーエンティティが印刷された表面でカラーエンティティが印刷された部分だけに対してカラー変色防止被膜が設けられている。
【0097】
以上、図を参照して説明された本実施形態は一例であって、本発明は上記の実施形態に限定されたものでなく、発明の要旨に範囲を逸脱しない限りにおいて任意に改変して実施し得るものである。
【0098】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、コンピュータオブジェクトのそれぞれに1つのカラーを割り付け、カラーでコンピュータオブジェクトを記録等するようにしたため、次の効果を奏する。記録の最小単位の1ドットにつき1ビットを超える容量のデータを記録でき、大量の情報の記録等を容易に行うことができる。記録媒体として紙等の安価なものを使用でき、このため経済性に優れる。記録保存のスペースを小さくすることが可能であり、紙の書籍などの保管が用意である。音楽、画像、映像など娯楽分野において、その記録・再生を非常に安価に行うことができる。単位スペースあたりの安価、簡便なデータ・情報の記録を可能にする。情報データの保存圧縮効果が大きいという利点を有している。高価な記憶装置からの代替が安価・簡便に行うことが可能である。カラー・オブジェクト関係の多重化、多層化により、データの圧縮効果が生じる。また対応表を有していないと、情報を取り出せないので、記録媒体そのものに著作保護効果を有する。記録媒体を応用することによりコンピュータの外部記憶装置としても使用可能である。多数の送信先に大量の情報の送信と、その情報の任意選択を可能にし、送信資料の縮減する効果を持つ。通常の記号とカラー、カラー数値を選択的に使用することによりドットの使用量を減縮する効果が大である。対応表を使用することにより、コンピュータオブジェクトに比し、伝達・送信するカラー、カラー数値の減縮効果が大である。データ・保護の観点で暗号化を促進できるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明は、コンピュータオブジェクトをカラーを利用して表現し、カラーで記録、再生、通信し、大量の情報の記録等を行い、記録媒体として安価なものを使用し、経済性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】カラーを利用してコンピュータオブジェクトを表現する本発明に係る方法が適用されたコンピュータシステムの構成例を示し、カラーエンティティと表示対象の記録に関する関係を示す図である。
【図2】カラーとコンピュータオブジェクトの関係の一例を対応表で示す図である。
【図3】カラーとカラー数値の関係の一例を対応表で示した図である。
【図4】カラー数値とオブジェクトの関係の一例を対応表で示す図である。
【図5】複数のカラー数値・オブジェクト対応表を示す図である。
【図6A】コンピュータオブジェクトとカラー数値とカラーの循環関係を示した図である。
【図6B】コンピュータオブジェクトとカラー数値とカラーの循環関係において2つずつの対の関係を示した図である。
【図6C】或るコンピュータと他のコンピュータの間の情報のやり取りでカラーを暗号として利用する場合の各コンピュータが有する関係を示す図である。
【図7】コンピュータオブジェクトの入出力の手順の例を示したブロック構成図である。
【図8】カラーフィルタによって選別を行うための構成を示したブロック図である。
【図9】一面にカラーエンティティを表示する方形の記録媒体と表示要素の集合の一例を示した図である。
【図10】一面にカラーエンティティを表示する円形の記録媒体と表示要素の集合の一例を示した図である。
【図11】円形の記録媒体における表示要素の並べ方の一例を示す概念図である。
【図12】円形の記録媒体における表示要素の並べ方の他の例を示し、さらに割当て領域を示した図である。
【図13】カラーエンティティを表示する記録媒体の一表示例を示した図である。
【図14】カラーエンティティの変色防止を行う第1の構成例を有する記録媒体の側面図である。
【図15】カラーエンティティの変色防止を行う第2の構成例を有する記録媒体を有する記録媒体の側面図である。
【符号の説明】
【0101】
10 コンピュータ
11 CPU
100 カラー・オブジェクト対応表
101 カラー・カラー数値対応表
102 カラー数値・オブジェクト対応表
103 カラー・カラー数値対応表
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータによるコンピュータオブジェクトの記録方法であり、
前記コンピュータオブジェクトを記録するとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき、前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換するステップと、
記録媒体にカラーエンティティを記録するステップと、
からなることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項2】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、前記カラーと前記コンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項1記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項3】
前記カラーの再現性を考慮して前記カラー数値の要素数の最大許容範囲を定め、その範囲内でカラー数値を設定することを特徴とする請求項2記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項4】
前記カラーエンティティの出力に関して、記録媒体の記録面に番地を付与し、その番地に合わせてカラードットを配置することを特徴とする請求項1記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項5】
前記カラーエンティティの出力、入力の順を番地で指定したことを特徴とする請求項4記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項6】
前記カラードットの配置に関し、記録媒体の記録出力面を、制御部と記憶部とセキュリティ部とその他領域に区分し、各部位を任意に編成可能にすることを特徴とする請求項4記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項7】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの記録装置であり、
前記複数のコンピュータオブジェクトのうち或るコンピュータオブジェクトを記録する指示がなされたとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき、前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換してカラー出力命令を発する処理部と、
前記カラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを記録するカラー出力装置と、
を備えることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録装置。
【請求項8】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、前記カラーと前記コンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項7記載のコンピュータオブジェクトの記録装置。
【請求項9】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータによるコンピュータオブジェクトの再生方法であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するステップと、
入力された前記カラーをカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現するステップと、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力するステップと、
からなることを特徴とするコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項10】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項9記載のコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項11】
前記カラーの再現性を考慮して前記カラー数値の要素数の最大許容範囲を定め、その範囲内でカラー数値を設定することを特徴とする請求項10記載のコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項12】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの再生装置であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するカラー入力装置と、
入力された前記カラーをカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する処理部と、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力する出力装置と、
を備えることを特徴とするコンピュータオブジェクトの再生装置。
【請求項13】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項12記載のコンピュータオブジェクトの再生装置。
【請求項14】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの記録再生装置であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するカラー入力装置と、
前記複数のコンピュータオブジェクトのうち或るコンピュータオブジェクトを記録する指示がなされたとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換してカラー出力命令を発し、または入力された前記カラーを前記のカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する処理部と、
前記カラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを記録するカラー出力装置と、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力する出力装置とを備え、
前記コンピュータオブジェクトの記録と再生を行うことを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録再生装置。
【請求項15】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項14記載のコンピュータオブジェクトの記録再生装置。
【請求項16】
ペーパー、樹脂板、ガラス、基板、セラミック板、シート、液晶板、カラーとして記録可能な媒体、およびその組合せで構成され、コンピュータオブジェクトを表現するためのカラーエンティティを出力できるようにしたことを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
コーティングによりカラーエンティティの変色を防止したことを特徴とする請求項16記載の記録媒体。
【請求項18】
前記記録媒体の形状あるいはその上のカラードットの配置の形状を、円盤状、多角形、その他任意の形状とし、記録媒体の組成構成は任意自在とし、前記記録媒体のカラーエンティティ出力面を回転可能あるいは任意方向移動可能に、または前記記録媒体のカラーエンティティ出力面を移動可能、静止可能にし、または前記記録媒体を着脱可能にかつ駆動可能、回転可能、静止可能に保持することを可能にし、または保持具を回転可能にして保持具の回転に従ってカラーエンティティを入出力可能にすることを特徴とする請求項16記載の記録媒体。
【請求項19】
前記カラードットの配置に関し、前記記録媒体の記録出力面を制御部と記憶部とセキュリティ部とその他領域に区分し、各部位を任意に編成可能にすることを特徴とする請求項18記載の記録媒体。
【請求項20】
1つまたは複数の特定のカラーに、カラー・オブジェクト関係に基づきあるいはカラー・オブジェクト関係とは独立に特定の機能を割り当て、コンピュータオブジェクトグループ階層の指定機能、カラーエンティティをコンピュータオブジェクトに変換する前の諸判断チェック機能またはセキュリティ機能などを持たせることを可能にすることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項21】
カラーの経年変化を補正するため、またカラー入出力装置間のカラーの入出力の特性の違いを補正するために、前記特定カラーの1つに複数のカラー情報を持たせ、そのカラーエンティティに続いてその指定された複数のカラーをカラーエンティティとして配置し、そのカラーエンティティの読取時にカラーの補正を可能にすることを特徴とする請求項20記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項22】
カラーに加えて、円、四角やバーなど図形の形あるいはその他の印刷可能な属性を含めた複数の属性の中から選んだ、1あるいは複数の属性をカラーエンティティの属性としてコンピュータオブジェクトに対応付けて記録するコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項23】
カラーエンティティあるいはカラー数値によるコンピュータオブジェクトの記録とそれによらないコンピュータオブジェクトの記録を同一記録媒体上に混在することを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項24】
複数の異なる汎カラーの組み合わせに対して1つのコンピュータオブジェクトあるいはカラー数値を対応付けるカラー・オブジェクト関係またはカラー・カラー数値関係を構成して、記録媒体上の連続したあるいは任意配置の複数のカラードットに対し1つのコンピュータオブジェクトを記録可能にすることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項25】
予め出力されているあるいは出力が定められている任意の数のカラーエンティティあるいはカラー数値がある場合に、それらカラーあるいはカラー数値のそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応させるときに新たに、カラー・オブジェクト関係あるいはカラー数値・オブジェクト関係を形作ることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項1】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータによるコンピュータオブジェクトの記録方法であり、
前記コンピュータオブジェクトを記録するとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき、前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換するステップと、
記録媒体にカラーエンティティを記録するステップと、
からなることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項2】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、前記カラーと前記コンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項1記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項3】
前記カラーの再現性を考慮して前記カラー数値の要素数の最大許容範囲を定め、その範囲内でカラー数値を設定することを特徴とする請求項2記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項4】
前記カラーエンティティの出力に関して、記録媒体の記録面に番地を付与し、その番地に合わせてカラードットを配置することを特徴とする請求項1記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項5】
前記カラーエンティティの出力、入力の順を番地で指定したことを特徴とする請求項4記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項6】
前記カラードットの配置に関し、記録媒体の記録出力面を、制御部と記憶部とセキュリティ部とその他領域に区分し、各部位を任意に編成可能にすることを特徴とする請求項4記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項7】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの記録装置であり、
前記複数のコンピュータオブジェクトのうち或るコンピュータオブジェクトを記録する指示がなされたとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき、前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換してカラー出力命令を発する処理部と、
前記カラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを記録するカラー出力装置と、
を備えることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録装置。
【請求項8】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、前記カラーと前記コンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項7記載のコンピュータオブジェクトの記録装置。
【請求項9】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータによるコンピュータオブジェクトの再生方法であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するステップと、
入力された前記カラーをカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現するステップと、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力するステップと、
からなることを特徴とするコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項10】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項9記載のコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項11】
前記カラーの再現性を考慮して前記カラー数値の要素数の最大許容範囲を定め、その範囲内でカラー数値を設定することを特徴とする請求項10記載のコンピュータオブジェクトの再生方法。
【請求項12】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの再生装置であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するカラー入力装置と、
入力された前記カラーをカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する処理部と、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力する出力装置と、
を備えることを特徴とするコンピュータオブジェクトの再生装置。
【請求項13】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項12記載のコンピュータオブジェクトの再生装置。
【請求項14】
複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの記録再生装置であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するカラー入力装置と、
前記複数のコンピュータオブジェクトのうち或るコンピュータオブジェクトを記録する指示がなされたとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換してカラー出力命令を発し、または入力された前記カラーを前記のカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する処理部と、
前記カラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを記録するカラー出力装置と、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力する出力装置とを備え、
前記コンピュータオブジェクトの記録と再生を行うことを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録再生装置。
【請求項15】
前記コンピュータオブジェクトを前記カラーに変換するとき、または前記カラーを前記コンピュータオブジェクトに変換するとき、カラーとコンピュータオブジェクトの対応関係を用いる代わりに、カラーとカラー数値の対応関係と、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係とを用いることを特徴とする請求項14記載のコンピュータオブジェクトの記録再生装置。
【請求項16】
ペーパー、樹脂板、ガラス、基板、セラミック板、シート、液晶板、カラーとして記録可能な媒体、およびその組合せで構成され、コンピュータオブジェクトを表現するためのカラーエンティティを出力できるようにしたことを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
コーティングによりカラーエンティティの変色を防止したことを特徴とする請求項16記載の記録媒体。
【請求項18】
前記記録媒体の形状あるいはその上のカラードットの配置の形状を、円盤状、多角形、その他任意の形状とし、記録媒体の組成構成は任意自在とし、前記記録媒体のカラーエンティティ出力面を回転可能あるいは任意方向移動可能に、または前記記録媒体のカラーエンティティ出力面を移動可能、静止可能にし、または前記記録媒体を着脱可能にかつ駆動可能、回転可能、静止可能に保持することを可能にし、または保持具を回転可能にして保持具の回転に従ってカラーエンティティを入出力可能にすることを特徴とする請求項16記載の記録媒体。
【請求項19】
前記カラードットの配置に関し、前記記録媒体の記録出力面を制御部と記憶部とセキュリティ部とその他領域に区分し、各部位を任意に編成可能にすることを特徴とする請求項18記載の記録媒体。
【請求項20】
1つまたは複数の特定のカラーに、カラー・オブジェクト関係に基づきあるいはカラー・オブジェクト関係とは独立に特定の機能を割り当て、コンピュータオブジェクトグループ階層の指定機能、カラーエンティティをコンピュータオブジェクトに変換する前の諸判断チェック機能またはセキュリティ機能などを持たせることを可能にすることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項21】
カラーの経年変化を補正するため、またカラー入出力装置間のカラーの入出力の特性の違いを補正するために、前記特定カラーの1つに複数のカラー情報を持たせ、そのカラーエンティティに続いてその指定された複数のカラーをカラーエンティティとして配置し、そのカラーエンティティの読取時にカラーの補正を可能にすることを特徴とする請求項20記載のコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項22】
カラーに加えて、円、四角やバーなど図形の形あるいはその他の印刷可能な属性を含めた複数の属性の中から選んだ、1あるいは複数の属性をカラーエンティティの属性としてコンピュータオブジェクトに対応付けて記録するコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項23】
カラーエンティティあるいはカラー数値によるコンピュータオブジェクトの記録とそれによらないコンピュータオブジェクトの記録を同一記録媒体上に混在することを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項24】
複数の異なる汎カラーの組み合わせに対して1つのコンピュータオブジェクトあるいはカラー数値を対応付けるカラー・オブジェクト関係またはカラー・カラー数値関係を構成して、記録媒体上の連続したあるいは任意配置の複数のカラードットに対し1つのコンピュータオブジェクトを記録可能にすることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【請求項25】
予め出力されているあるいは出力が定められている任意の数のカラーエンティティあるいはカラー数値がある場合に、それらカラーあるいはカラー数値のそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応させるときに新たに、カラー・オブジェクト関係あるいはカラー数値・オブジェクト関係を形作ることを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−102790(P2007−102790A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270691(P2006−270691)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2000−620548(P2000−620548)の分割
【原出願日】平成12年5月24日(2000.5.24)
【出願人】(000209474)谷電機工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2000−620548(P2000−620548)の分割
【原出願日】平成12年5月24日(2000.5.24)
【出願人】(000209474)谷電機工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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