説明

カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体の製造方法、カラーフィルタ用樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置

【課題】分散性及び分散安定性に優れ、200℃以上の高温加熱工程時において、顔料の析出抑制機能を発現するカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液、及び該複合化顔料誘導体分散液を用いたカラーフィルタ用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体、(B)(メタ)アクリル酸エステルのエステル化されている水酸基が末端にアミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基等からなり、そのアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤、及び(C)溶媒を含有する顔料誘導体分散体からなる、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体、(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤、及び(C)溶媒を含有する顔料誘導体分散体の、前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基が重合されてなる、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化1】

(式(I)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。上記アルキル基、アルキレン基はそれぞれ置換基を有していても良い。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
【請求項2】
前記(A)顔料誘導体が、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有する顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体、及び、下記一般式(3)で表されるN置換非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上の顔料誘導体である、請求項1に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化2】

(一般式(1)中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Xは、アリーレン基を表し、当該アリーレン基は、ハロゲン原子、アリールスルホニル基、アシル基、又は−(C=O)−C−(C=O)−により置換されていても良い。)
【化3】

(一般式(2)中、Pcは、置換基を有していても良く、ヘテロ原子を含んでいても良い多環式化合物基を表す。Aは、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、及び炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基よりなる群から選択される置換基であり、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは同一であっても異なっていても良い。)
【化4】

(一般式(3)中、A及びAは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又は、1価の有機基を表し、n’及びn”はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、n’及びn”がそれぞれ2以上の整数の場合、複数あるA又はAは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R、Rii及びRiiiは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、アリール基、シアノ基、−C(R’)=C(R”)R”’又は−C≡C−R””を表し、R’、R”、R”’及びR””は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の飽和又は不飽和アルキル基を表す。但し、R、Rii及びRiiiのうち、少なくとも1つは、アリール基、シアノ基、−C(R’)=C(R”)R”’又は−C≡C−R””である。)
【請求項3】
前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合体が、前記一般式(I)で表される構成単位(1)と、下記一般式(II)で表される構成単位(2)とを有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成したブロック共重合体である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化5】

(式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。上記アルキル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ置換基を有していても良い。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
【請求項4】
前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合体が、下記一般式(I’)で表される窒素含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらに前記窒素含有モノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化6】

(式(I’)中、R、R、R、及びAは、それぞれ式(I)と同じである。)
【請求項5】
前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(III)又は、一般式(IV)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである、請求項4に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化7】

(式(III)及び、式(IV)中、R21は水素原子又はメチル基であり、R22は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、−[CH(R23)−CH(R24)−O]−R25、−[(CH−O]−R25、−[CO−(CH−O]−R25、−CO−O−R26又は−O−CO−R27で示される1価の基である。R23及びR24は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
25は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR28で示される1価の基であり、R26は、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、−[CH(R23)−CH(R24)−O]−R25、−[(CH−O]−R25、−[CO−(CH−O]−R25で示される1価の基である。R27は炭素数1〜18のアルキル基であり、R28は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
【請求項6】
前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素が重合性基を有するハロゲン化アラルキルである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【請求項7】
前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合性基を有する有機酸化合物が、下記一般式(V)及び/又は下記一般式(VI)で表される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【化8】

(式(V)及び式(VI)中、R及びRa’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra’’で示される1価の基であり、Ra’’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基であり、Rは水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。但し、R及びRa’のうちいずれかは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra’’で示される1価の基であり、且つ、Ra’’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基、及び、Rが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH、又は−CO−C(CH)=CHである。
は、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基、及び、Rが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH、又は−CO−C(CH)=CHである。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
【請求項8】
前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び重合性基を有する有機酸化合物の重合性基が、エチレン性不飽和二重結合含有基である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
【請求項9】
下記の工程1及び工程2を有するカラーフィルタ用複合化顔料誘導体の製造方法。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させる重合工程
【化9】

(式(I)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。上記アルキル基、アルキレン基はそれぞれ置換基を有していても良い。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
【請求項10】
少なくとも前記請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液、又は前記請求項9に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、分散安定化剤と、バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用樹脂組成物。
【請求項11】
下記の工程1〜工程3を有するカラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させて、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体を調製する工程
工程3.前記カラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、バインダー成分とを混合する工程
【化10】

(式(I)中、Rは、水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。上記アルキル基、アルキレン基はそれぞれ置換基を有していても良い。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
【請求項12】
前記請求項10に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物、又は前記請求項11に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法で得られたカラーフィルタ用樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
【請求項13】
前記請求項12に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】
前記請求項12に記載のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−53226(P2013−53226A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192074(P2011−192074)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】