説明

カラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、ユーザの意図する色調整画像を簡単かつ適切に出力する。
【解決手段】カラー画像形成装置1は、複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されて出力されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いた評価値を対応させた学習データを予めハードディスク14に記憶して、カラー画像の出力に際して要求する色調整が、感覚言語を用いて操作部13から指定されると、コントローラ制御部11が、該感覚言語に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを学習データから抽出して、抽出した色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成し、新たな色補正パラメータを学習データに登録するとともに、該色補正パラメータの組み合わせを用いてカラー画像データに色調整を施した後、プロッタ22で用紙にカラー画像を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、出力画像の色調整を簡単かつ適切に行うカラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複合装置、複写装置、プリンタ装置等の画像形成装置においては、近年、カラー化が進み、カラー画像形成装置は、カラー原稿を読み取ったカラー画像データやコンピュータ等の外部装置から送られてきたカラー画像データに基づいて、用紙やフィルム等の被記録媒体(以下、単に、用紙という。)にカラー画像を記録出力する。
【0003】
そして、従来のカラー画像形成装置においては、カラー画像の出力に際して、操作表示部で、物理量(色補正パラメータ値等)を操作することで指示された色調整値に基づいて、画像データに色調整等の画像処理を施して、画像形成部から用紙にカラー画像を記録出力している。したがって、分かりにくい物理量で色調整の指示操作を行う必要があり、利用性が悪いという問題があった。
【0004】
そして、従来、色調整パラメータの組み合わせによって変化する出力画像の印象を感覚的な言葉で定義した色心理パラメータと色調整パラメータの組み合わせを対応させて記憶し、色心理パラメータが指定されると、指定された色心理パラメータと対応する色調整パラメータの組み合わせを実行する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、色心理パラメータを指定することで色調整を行うことはできるが、ユーザの意図しない色調整結果の画像が出力されると、さらに細かな画像調整を実行するためのパラメータを物理量で指示することとなる。この物理的に指示される色調整用のパラメータの振りと、ユーザにとっての感覚的な画像変化の傾向が必ずしも一致しない場合が多く、ユーザが指定したパラメータによる実際の画像変化がユーザの意図したものと異なることが多々あり、パラメータの再設定等の面倒な試行錯誤のプロセスを行う必要があった。
【0006】
また、本来、人間の感性は、個々人によって異なり、同じ画像に対して、ユーザ毎に受ける印象が異なってくることを考慮する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、簡単に意図する色調整されたカラー画像を出力することのできるカラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されて出力されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いて評価された評価値とを対応させたデータベースを予め記憶して、カラー画像データに基づくカラー画像の出力に際してカラー出力画像に対して要求する色調整品質が感覚言語で指定されると、指定された該感覚言語に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを該データベースから抽出して、抽出した色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成し、新たな色補正パラメータを該データベースに登録するとともに、生成した新たな色補正パラメータの組み合わせを用いてカラー画像データに色調整を施して、該カラー画像データに基づいて被記録媒体にカラー画像を出力することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記データベースをユーザ毎に記憶し、カラー画像の出力に際して、ユーザ情報が入力されると、該ユーザ情報に対応するユーザの該データベースから前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを抽出して、抽出した該色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して生成した新たな色補正パラメータの組み合わせを該ユーザの該データベースに登録することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、前記色調整後の前記カラー画像データに基づいて出力したカラー画像に対する評価が色調整品質の再指定要求であると、前記感覚言語を用いた色調整品質の再指定を可能として、再指定された該感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出し、抽出した該色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成して、生成した新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データベースに登録することを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明は、指定された前記感覚言語に対して相関関係の高い感覚言語を選択し、指定された該感覚言語と選択した該感覚言語の両方に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単に意図する色調整されたカラー画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を適用したカラー画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】学習データの一例を示す図。
【図3】対話型遺伝的アルゴリズム処理を示すフローチャート。
【図4】画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図5】選択された感覚言語と相関の高い感覚言語についてもデータ抽出する場合の画像形成制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図5は、本発明のカラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明のカラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したカラー画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0016】
図1において、カラー画像形成装置1は、コントローラ部2とエンジン部3を備えており、カラー複写装置、カラー複合装置、カラーファクシミリ装置、カラープリンタ装置等である。
【0017】
コントローラ部2は、コントローラ制御部11、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)12、操作部13、ハードディスク(HDD)14、メモリ15及びネットワークI/F16等を備えており、エンジン部3は、スキャナ21、プロッタ22、読み取り制御部23、書き込み制御部24及びエンジン制御部25等を備えている。なお、操作部13は、実際には、コントローラ部2の外側に配置されている。
【0018】
まず、コントローラ部2について説明する。コントローラ制御部(パラメータ抽出手段、パラメータ生成手段、登録制御手段、色調整手段、再指定制御手段、感覚言語選択手段)11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、ROM内には、カラー画像形成装置1の基本プログラム、本発明のカラー画像形成プログラム及びシステムデータ等が格納されている。コントローラ制御部11は、CPUがROMのプログラムや後述するハードディスク14のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用して、カラー画像形成装置1の各部を制御して、カラー画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明のカラー画像形成方法を実行する。
【0019】
すなわち、カラー画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明のカラー画像形成方法を実行するカラー画像形成プログラムを読み込んでコントローラ制御部11のROMやハードディスク14等に導入することで、後述する感覚言語と色補正パラメータの組み合わせとの相関に遺伝的アルゴリズムを適用して、ユーザによる感覚言語を用いた画像イメージの指定に対して適切な色調整を行うカラー画像調整出力処理を行うカラー画像形成方法を実行する画像形成装置として構築されている。このカラー画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0020】
カラー画像形成装置1は、電源投入時に、コントローラ部2のコントローラ制御部11が、ROM内のブートプログラムに従って、ハードディスク14内のOS(オペレーションシステム)及びアプリケーションソフトウェアを含む各種プログラムを読み出してメモリ15上に展開した後、各種プログラムに従って動作、また、各種プログラムを必要に応じて選択的に実行して、カラー画像形成装置1を制御することで、遺伝的アルゴリズムシステムを用いた色調整を伴うカラー画像出力処理を実行する。
【0021】
ASIC12は、多機能デバイスボードであり、コントローラ制御部11の制御対象となる操作部13、ハードディスク14、メモリ15等の共有化を図って、アーキテクチャの面からアプリケーションプログラム等の開発の効率化を支援する。
【0022】
操作部(指定手段、ユーザ情報入力手段、評価入力手段)13は、カラー画像形成装置1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイやLED(Light Emitting Diode)等のランプを備え、操作キーからは、カラー画像形成装置1を利用した複写処理、プリンタ処理、スキャナ処理等に必要な各種操作や後述するように遺伝的アルゴリズムを用いたカラー画像調整出力処理における各種操作が行われる。操作部13は、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容やカラー画像形成装置1からユーザに通知する各種情報が表示される。
【0023】
ハードディスク(データ記憶手段)14は、大量のデータを記憶保持する不揮発性の記憶装置であり、コントローラ制御部11の制御下で、OS(オペレーティングシステム)を含むプログラム、各種設定データ、画像データ等の各種データ、特に、後述する学習データDb(図2参照)を蓄積する。なお、カラー画像形成装置1は、ハードディスク14に、メモリ15内のデータを蓄積しておくこともでき、また、各種設定データについては、不揮発性メモリを備えているときには、該不揮発性メモリに各種設定データを記憶するようにしてもよい。
【0024】
メモリ15は、RAM等で構成され、各種プログラムを記憶するプログラムメモリ、コントローラ制御部11がデータ処理を行う際に使用するワークメモリ及び画像データが展開される画像展開メモリ等として使用される。
【0025】
ネットワークI/F16は、図示しないネットワークに接続されており、該ネットワークを介してパーソナルコンピュータ等の外部装置と通信を行う。
【0026】
次に、エンジン部3について説明する。スキャナ21は、スキャナ動作、コピー動作、ファクシミリ送信動作時に、原稿に読み取り光を照射して、該原稿の反射光をCCD(Charge Coupled Device )等の光電変換素子で光電変換することで、該原稿を主走査・副走査し、該原稿の画像を読み取って、RGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)のカラー画像データとして、読み取り制御部23に出力する。
【0027】
読み取り制御部23は、スキャナ21を制御して原稿の画像を読み取らせて、スキャナ21の読み取った原稿のRGBのアナログ画像をA/D変換してデジタルのRGBの画像データをコントローラ部2のASIC12に出力する。
【0028】
プロッタ(画像出力手段)22は、電子写真方式のプロッタが用いられており、図示しないが、電子写真方式で用紙やフィルム等の被記録媒体(以下、単に、用紙という。)に、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の4色のカラー画像データに基づいてカラー画像を印刷するのに必要な部品、例えば、YMCB用の感光体が順次並んで配設されていて、各色の感光体の周囲に、各色用の光書き込み部、現像部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている。プロッタ22は、カラー画像データ及び制御信号により各色用の光書き込み部を動作させて、各色用の感光体上に静電潜像を形成し、各色用の現像部により各色のトナーを、対応する各色の感光体上に供給して現像して、各色のトナー画像を形成する。プロッタ22は、給紙部から用紙を各色の感光体と転写部との間に給紙して、各色用の感光体上に形成されている各色のトナー画像を、用紙に順次重ね合わせて転写させてカラートナー画像を形成し、カラートナー画像の転写された用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、カラー画像を用紙に印刷出力する画像出力処理を行う。
【0029】
書き込み制御部24は、エンジン制御部25の制御下で、コントローラ部2のASIC12から送られてくるカラー画像データに基づいて、プロッタ22の各色の光書き込み部を制御して、それぞれカラー画像データに基づいて変調されたレーザ光を、対応する色の感光体上に照射させ、感光体上に対応する色の画像データに応じた静電潜像を形成させる。
【0030】
エンジン制御部25は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ROM内のプログラム及びコントローラ部2からの指示に基づいて、読み取り制御部23及び書き込み制御部24を介して、スキャナ21による原稿読み取り動作及びプロッタ22による印刷動作を制御する。
【0031】
そして、カラー画像形成装置1は、コントローラ制御部11が、スキャナ21の読み取ったカラー画像データ(RGBのカラー画像データ)またはモノクロ画像データやネットワークI/F16を介して外部装置から送られてきたRGBのカラー画像データまたはモノクロ画像データに対して種々の画像処理を施して、ハードディスク14に蓄積する。また、カラー画像形成装置1は、画像の印刷出力を行う場合、スキャナ21の読み取ったRGBのカラー画像データまたはモノクロ画像データ、ネットワークI/F16を介して外部装置から送られてきたRGBのカラー画像データまたはモノクロ画像データ、あるいは、ハードディスク14の蓄積データ(RGBのカラー画像データまたはモノクロ画像データ)を、YMCBの各色版の画像データ、または、モノクロ(グレイスケール)の画像データに変換して、メモリ15に展開し、このメモリ15に展開した画像データをASIC12を介してエンジン部3の書き込み制御部24に転送する。
【0032】
そして、コントローラ制御部11は、印刷出力する際、RGBのカラー画像データに対して、色調整処理を行うが、この色調整処理では、ユーザの指定する感覚言語と色補正パラメータの組み合わせとの相関に遺伝的アルゴリズムを適用して、ユーザが感覚言語によって行う画像イメージの指定に応じた適切なカラー画像調整処理を施して印刷出力する。そこで、カラー画像形成装置1は、所定のカラー原稿を読み取ったカラー画像データに対して、色調整処理に用いる色補正パラメータの組み合わせをランダムに変化させて色調整処理を施し、この色調整後のカラー画像データに基づいてプリンタ22で、用紙にカラー画像を印刷出力する。カラー画像形成装置1は、このカラー出力画像に対する評価を、「鮮やかな」、「くっきりとした」、「きれいな」、・・等の5段階で重み付けして表現する感覚言語を、操作部13のディスプレイに表示して、ユーザ毎に、該感覚言語を選択させ、該ユーザを特定するユーザID(ユーザ特定情報)に対応させて、ユーザの選択した感覚言語を表す評価値(5段階評価値)と該カラー印刷出力画像に用いた色補正パラメータの組み合わせを対応させた感覚言語評価値/色補正パラメータの組み合わせ相関データベースを、例えば、図2に示すような学習データDbとして取得して、ハードディスク14に格納する。なお、図2には、原稿に対して、複数の色補正パラメータa、b、c、d、e、f、・・・の組み合わせを用いて色調整処理を施したカラー出力画像A、B、C、Dに対して、ユーザが操作部13で選択した「鮮やかな」、「くっきりとした」、「きれいな」、・・等の5段階で重み付けして表現する感覚言語を「1」〜「5」の感覚言語評価値で登録したデータベースとなっており、カラー出力画像データ、該カラー出力画像データを生成するのに用いた色補正パラメータの組み合わせ及びユーザの選択した「1」〜「5」の感覚言語評価値が対応付けて登録されている。そして、カラー画像形成装置1は、ハードディスク14に、図2に示すような学習データDbがユーザ毎に該ユーザのユーザIDに対応させて格納されている。
【0033】
なお、色補正パラメータとは、赤、青、緑、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの濃度やガンマテーブル、コントラスト等のパラメータである。
【0034】
そして、コントローラ制御部11は、カラー画像データに基づく印刷出力の指示操作に際して、ユーザが操作部13で印刷出力する画像に求める画像イメージを、感覚言語によって選択指定すると、該選択指定された感覚言語の感覚言語評価値に基づいてハードディスク14の学習データDbから色補正パラメータの組み合わせを取得し、該色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)、特に、対話型遺伝的アルゴリズム(Interactive Genetic Algorithm:IGA)を適用して、新しい色補正パラメータを生成して、新しい該色補正パラメータを用いて出力対象のカラー画像データに色調整処理を施すとともに、新しい該色補正パラメータを学習データDbに追加して登録して、次の印刷出力の指示操作において感覚言語が選択指定されると、該新たな色補正パラメータの追加登録されている学習データDbに基づいて色補正パラメータの組み合わせを決定して、上記同様に新しい色補正パラメータの生成と色調整処理を行うというカラー画像調整出力処理を行う。
【0035】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のカラー画像形成装置1は、印刷出力において、学習データDbを用いて感覚言語による色調整指示に応じた色補正パラメータの抽出と抽出した色補正パラメータに対する対話型遺伝的アルゴリズムを用いた新たな色補正パラメータの生成を行って、新たな色補正パラメータによるカラー画像データに対する色調整処理を施すとともに、学習データDbの更新を行う。
【0036】
まず、新たな色補正パラメータの生成に適用する遺伝的アルゴリズムについて説明する。遺伝的アルゴリズムは、生物が環境に適応して進化する過程を工学的に模倣した学習的アルゴリズムである。自然界における生物の進化過程においては、ある世代を形成している個体の集合、すなわち、母集団の中で環境に、より適応した個体が、より高い確率で生き残り、次の世代に子を残すが、このメカニズムをモデル化して、環境に対して最もよく適応した個体、すなわち、目的関数に対して最適値を与えるような解を計算機上で求めるのが遺伝的アルゴリズムの概念である。
【0037】
遺伝的アルゴリズムでは、上述のように適応した個体を選択するために、適合度関数によって適合度を計算して、その適合度が高いものを選択するが、この適合度をユーザが与えるのが対話型遺伝的アルゴリズムであり、本実施例のカラー画像形成装置1は、5段階で適合度を評価している。
【0038】
そして、対話型遺伝的アルゴリズムは、図3に示すように、アルゴリズム処理を行う。すなわち、予め設定された数だけランダムに個体を生成し、この個体の集団を初期母集団とする母集団の初期化処理を行う(ステップS101)。次に、対話型遺伝的アルゴリズムは、個体の表示を行って、ユーザによる評価を求め(ステップS102)、ユーザが主観に基づいて個体を評価して適合度を与える(ステップS103)。評価方法としては、全ての個体に対して、100点満点で点数をつける方法、5点満点で点数をつける方法、良い、悪い等の2段階で評価する方法等があるが、本実施例では、5点満点で点数をつける方法を用いている。
【0039】
対話型遺伝的アルゴリズムは、次に、ユーザによって判断される終了判定を行い(ステップS104)、ユーザが求めているものが得られていると判断すると、終了を選択して処理を終了する。ユーザが求めているものが得られていないと判断すると、対話型遺伝的アルゴリズムは、再度、評価、選択、交叉、突然変異という遺伝的処理を繰り返して、例えば、一定世代数繰り返した後に終了する。
【0040】
そして、終了条件で終了でないときには、対話型遺伝的アルゴリズムは、選択処理を行う(ステップS105)。この選択処理は、生物の適者生存を模倣したもので、各個体の適合度から生き残りやすさを求めて次世代の母集団を形成する。本実施例のカラー画像形成装置1は、適合度を5段階評価で表し、次世代の母集団としては、5段階評価で4以上の個体を選択する。
【0041】
また、対話型遺伝的アルゴリズムは、交叉を行う(ステップS106)。この交叉は、生物の有性生殖を模倣したもので、交叉率に基づいて、個体間で染色体情報を交換し、新しい個体を生成する。本実施例のカラー画像形成装置1は、この交叉によって、ステップS105で選択した個体における色補正パラメータの組み合わせの組み替えを行い、組み替え後の色補正パラメータの組み合わせを用いて、カラー画像データに色調整処理を施して、新たな画像を印刷出力する。
【0042】
さらに、対話型遺伝的アルゴリズムは、個体の持つ遺伝子を突然変異率に基づいて対立遺伝子に置き換える突然変異を行う。この突然変異は、自然界におけるDNAの複写の際に起こるコピーミスにあたるが、本実施例のカラー画像形成装置1では、この突然変異を新たな色補正パラメータの生成には適用しない。
【0043】
次に、本実施例のカラー画像形成装置1における上記対話型遺伝的アルゴリズムを適用した画像形成処理について、図4に基づいて説明する。
【0044】
カラー画像形成装置1は、上述のように、予め所定の原稿に対して色補正パラメータの組み合わせをランダムに変化させて色調整処理を施した後にプリンタ22でカラー画像出力したカラー出力画像に対してユーザに評価アンケートを行った、5段階の評価値と色補正パラメータの組み合わせの感覚言語評価値/色補正パラメータの組み合わせ相関データベースを、ユーザ毎にユーザIDに対応させて学習データDbとして取得して、ハードディスク14に格納している。
【0045】
この状態で、カラー画像形成装置1は、図4に示すように、スキャナ21で読み取った原稿のカラー画像データ、ネットワークI/F16を介して外部装置から送られてきたカラ画像データ、または、ハードディスク14に既に蓄積されているカラー画像データに対して、操作部13で印刷命令操作(カラー画像出力命令操作)があると(ステップS201)、コントローラ制御部11が、ASIC12を介して操作部13のディスプレイに、カラー出力画像のイメージを5段階で表現する感覚言語(「鮮やかな」、「くっきりとした」、「きれいな」、・・等)を表示するとともに、ユーザが出力させたいカラー画像のイメージを該感覚言語によって選択することを促すメッセージとともに表示し、また、ユーザを特定するユーザIDの入力を促すメッセージを表示する。この表示に応じて、ユーザが操作部13を操作して、感覚言語の選択とユーザIDの入力を行う(ステップS202)
コントローラ制御部11は、入力されたユーザIDに対応する学習データDbをハードディスク14から読み出して(ステップS203)、ステップS202で選択された感覚言語のうち、感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する(ステップS204)。この感覚言語の重みが「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する処理は、上述した対話型遺伝的アルゴリズムの選択処理に対応する。例えば、図2の学習データDbの場合、選択された感覚言語が、「鮮やかな」であると、コントローラ制御部11は、カラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせとして、カラー出力画像A/Bの色補正パラメータの組み合わせを抽出する。
【0046】
次に、コントローラ制御部11は、抽出した色補正パラメータの組み合わせにおける色補正パラメータの組み替えを行って、画像データに施す新たな色補正パラメータの組み合わせを生成する(ステップS205)。この新たな色補正パラメータの組み合わせを生成する処理は、上述した対話型遺伝的アルゴリズムの交叉処理に対応する。例えば、図2の学習データDbの場合、カラー出力画像Aの色補正パラメータの組み合わせa/bの値0.3/0.6、画像Bの色補正パラメータの組み合わせc/d/e/fの値0.2/0.7/0.6/0.5を組み合わせて、a/b/c/d/e/fの値を、0.3/0.6/0.2/0.7/0.6/0.5とする。
【0047】
コントローラ制御部11は、組み替えた新たな色補正パラメータの組み合わせによって印刷対象のカラー画像データに対して色調整処理を施した後、画像データをエンジン部3に出力して、プロッタ22にカラー画像を用紙に印刷出力させ(ステップS206)、出力画像に対する評価選択画面を操作部13のディスプレイに出力させて、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しているか判定する(ステップS207)。この評価選択画面には、例えば、「出力画像はイメージと一致していますか」のメッセージと、「はい」、「いいえ」の選択ボタンを表示して、「はい」ボタンと「いいえ」ボタンのいずれが操作されたかによってカラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しているか判定する。
【0048】
ステップS207で、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しているとき、YESのときには、コントローラ制御部11は、組み替えた新しい色補正パラメータの組み合わせをハードディスク14の学習データDbに保存して、次回以降同じユーザが同じ感覚言語を入力したときに、学習データDbに保存した新しい色補正パラメータの組み合わせに基づいて、上記同様に色補正パラメータを生成して、カラー画像データを色調整処理してカラー画像を出力できるようにして、処理を終了する(ステップS208)。
【0049】
ステップS207で、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しないとき、NOのときには、コントローラ制御部11は、カラー出力画像に対して、再度、感覚言語選択画面を操作部13のディスプレイに表示して、ユーザに感覚言語を選択させて、選択された感覚言語のうち、感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する感覚言語による重み付けを上記同様に行う(ステップS209)。
【0050】
そして、コントローラ11は、新たに抽出した色補正パラメータの組み合わせにおける色補正パラメータの組み替えを行って、画像データに施す新たな色補正パラメータの組み合わせを生成して、この新たな重み付け結果の色補正パラメータの組み合わせを、そのユーザの学習データDbに、新たな色補正パラメータの組み合わせとして追加/更新する(ステップS210)。
【0051】
なお、上記説明においては、選択された感覚言語に基づいて抽出した色補正パラメータの組み替えを行った新たな色補正パラメータの組み合わせに基づいて色調整処理を行っているが、組み替えを行う色補正パラメータの組み合わせとしては、選択された感覚言語に基づいて抽出した色補正パラメータの組み合わせだけでなく、図5に示すように、選択された感覚言語と相関の高い感覚言語を選択して該感覚言語に基づいて抽出した色補正パラメータの組み合わせをも組み替え対象として色補正パラメータの組み替えを行って新たな色補正パラメータの組み合わせを生成してもよい。
【0052】
すなわち、コントローラ制御部11は、カラー画像データに対して、操作部13で印刷命令操作(カラー画像出力命令操作)があると(ステップS301)、操作部13のディスプレイに、カラー出力画像のイメージを5段階で表現する感覚言語を、ユーザが出力させたいカラー画像のイメージを該感覚言語によって選択することを促すメッセージとともに表示するとともに、ユーザを特定するユーザIDの入力を促すメッセージを表示し、ユーザがこの表示に応じて、操作部13を操作して、感覚言語の選択とユーザIDの入力を行う(ステップS302)。
【0053】
コントローラ制御部11は、入力されたユーザIDに対応する学習データDbをハードディスク14から読み出して(ステップS303)、ステップS302で選択された感覚言語のうち、感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する(ステップS304)。この感覚言語の重みが「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する処理は、上述した対話型遺伝的アルゴリズムの選択処理に対応する。例えば、図2の学習データDbの場合、選択された感覚言語が、「鮮やかな」であると、コントローラ制御部11は、カラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせとして、カラー出力画像A/Bの色補正パラメータの組み合わせを抽出する。
【0054】
次に、コントローラ制御部11は、選択された感覚言語と相関の高い感覚言語を選択する(ステップS305)。例えば、図2の学習データDbの場合、上述のように、「鮮やかな」が選択された感覚言語であると、重みにおいて、「きれいな」と相関が高い(強い)ため、コントローラ制御部11は、「きれいな」を相関の高い感覚言語として選択する。
【0055】
コントローラ制御部11は、ステップS305で選択した感覚言語のうち、該感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する(ステップS306)。この感覚言語の重みが「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する処理は、上述した対話型遺伝的アルゴリズムの選択処理に対応する。例えば、コントローラ制御部11は、図2の学習データDbの場合、ユーザによって選択された感覚言語「鮮やかな」と相関の高い感覚言語として「きれいな」を選択すると、その感覚言語の重みが4以上のカラー出力画像であるカラー出力画像Dの色補正パラメータの組み合わせを抽出する。
【0056】
コントローラ制御部11は、2つの感覚言語において抽出した色補正パラメータの各組み合わせにおける色補正パラメータの組み替えを行って、画像データに施す新たな色補正パラメータの組み合わせを生成する(ステップS307)。この新たな色補正パラメータの組み合わせを生成する処理は、上述した対話型遺伝的アルゴリズムの交叉処理に対応する。例えば、図2の学習データDbの場合、カラー出力画像Aの色補正パラメータの組み合わせa/bの値0.3/0.6、画像Bの色補正パラメータの組み合わせc/の値0.2/0.7、画像Dの色補正パラメータの組み合わせe/fの値0.7/0.1を組み合わせて、a/b/c/d/e/fの値を、値0.3/0.6/0.2/0.7/0.7/0.1とする。
【0057】
コントローラ制御部11は、組み替えた新たな色補正データによって印刷対象のカラー画像データに対して色調整処理を施した後、画像データをエンジン部3に出力して、プロッタ22にカラー画像を用紙に印刷出力させ(ステップS308)、出力画像に対する評価選択画面を操作部13のディスプレイに出力させて、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しているか判定する(ステップS309)。
【0058】
ステップS309で、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しているとき、YESのときには、コントローラ制御部11は、組み替えた新しい色補正パラメータの組み合わせをハードディスク14の学習データDbに保存して、次回以降同じユーザが同じ感覚言語を入力したときに、学習データDbに保存した新しい色補正パラメータの組み合わせに基づいて、上記同様に色補正パラメータを生成して、カラー画像データを色調整処理してカラー画像を出力できるようにして、処理を終了する(ステップS310)。
【0059】
ステップS309で、カラー出力画像がユーザの抱いていたイメージと一致しないとき、NOのときには、コントローラ制御部11は、カラー出力画像に対して、再度、感覚言語選択画面を操作部13のディスプレイに表示して、ユーザに感覚言語を選択させて、選択された感覚言語のうち、感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する感覚言語による重み付け、及び、選択された感覚言語と相関の高い感覚言語のうち、感覚言語の評価値である重みが、「4」以上であるカラー出力画像の色補正パラメータの組み合わせを抽出する感覚言語による重み付けを上記同様に行う(ステップS311)。
【0060】
そして、コントローラ11は、2つの感覚言語において抽出した色補正パラメータの各組み合わせにおける色補正パラメータの組み替えを行って、画像データに施す新たな色補正パラメータの組み合わせを生成して、この新たな重み付け結果を、そのユーザの学習データDbに、新たなデータとして追加/更新する(ステップS312)。
【0061】
このように、本実施例のカラー画像形成装置1は、複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されて出力されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いて評価された評価値とを対応させた学習データ(データベース)Dbを予めハードディスク(データ記憶手段)14に記憶して、カラー画像データに基づくカラー画像の出力に際してカラー出力画像に対して要求する色調整品質が、感覚言語で操作部13の操作によって指定されると、コントローラ制御部11が、指定された該感覚言語に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを該学習データDbから抽出して、抽出された色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成し、新たな色補正パラメータを該学習データDbに登録するとともに、生成された新たな色補正パラメータの組み合わせを用いてカラー画像データに色調整を施して、該カラー画像データに基づいてプロッタ22で用紙(被記録媒体)にカラー画像を出力させている。
【0062】
したがって、出力画像の色調整として感覚言語で指定されると、感覚言語と色補正パラメータの組み合わせに対して、遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータを生成して、該新たな色補正パラメータでカラー画像データを色調整して、色調整後のカラー画像データに基づいてカラー画像出力を行うことができるとともに、該新たな色補正パラメータを学習データDbに登録させているので、ユーザが複雑な色補正パラメータを入力することなく、簡単にユーザの意図に適した色調整を行ってカラー画像を出力することができる。
【0063】
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、学習データDbをユーザ毎にハードディスク14に記憶し、カラー画像の出力に際して、操作部13からユーザID(ユーザ情報)が入力されると、該ユーザIDに対応するユーザの学習データDbから感覚言語に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを抽出して、抽出した該色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して生成した新たな色補正パラメータの組み合わせを該ユーザの学習データDbに登録している。
【0064】
したがって、ユーザ毎に、該ユーザにとってより適切な色調整を行うことができ、簡単に各ユーザそれぞれの意図に対応して色調整されたカラー画像を出力することができる。
【0065】
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、色調整後のカラー画像データに基づいてプロッタ22で出力したカラー画像に対する評価が色調整品質の再指定要求であると、コントローラ制御部11が、感覚言語を用いた操作部13での色調整品質の再指定を可能として、再指定された該感覚言語に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを学習データDbから抽出し、抽出した該色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成して、生成した新たな色補正パラメータの組み合わせを学習データDbに登録している。
【0066】
したがって、出力されたカラー画像がユーザの意図に沿っていないときにも、ユーザが複雑な色補正パラメータを入力することなく、簡単かつ適切に感覚言語を用いて色調整品質を再設定することができ、簡単にユーザの意図に適した色調整されたカラー画像を出力することができる。
【0067】
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、コントローラ制御部11が、指定された感覚言語に対して相関関係の高い感覚言語を選択し、指定された該感覚言語と選択した該感覚言語の両方に対して適合度の高い色補正パラメータの組み合わせを学習データDbから抽出している。
【0068】
したがって、ユーザが直接指定した感性データである感覚言語とその感覚言語に近い感性データである感覚言語に沿った色補正パラメータの組み合わせを抽出して、色調整することができ、より一層ユーザの意図する画像品質のカラー画像を出力することができる。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、ユーザの意図するカラー出力画像を簡単かつ適切に色調整して出力するプリンタ装置、複写装置、複合装置等のカラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 カラー画像形成装置
2 コントローラ部
3 エンジン部
11 コントローラ制御部
12 ASIC
13 操作部
14 ハードディスク(HDD)
15 メモリ
16 ネットワークI/F
21 スキャナ
22 プロッタ
23 読み取り制御部
24 書き込み制御部
25 エンジン制御部
Db 学習データ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開平7−203230号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いて予め評価された評価値とを対応させたデータベースを記憶するデータ記憶手段と、
カラー画像データに基づくカラー画像の出力に際して出力画像に対して要求する色調整品質が前記感覚言語で指定される指定手段と、
前記指定手段で指定された前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出するパラメータ抽出手段と、
抽出された前記色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成するパラメータ生成手段と、
前記新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データ記憶手段の前記データベースに登録する登録制御手段と、
生成された前記新たな色補正パラメータの組み合わせを用いて前記カラー画像データに色調整を施す色調整手段と、
色調整された前記カラー画像データに基づいて被記録媒体にカラー画像を出力する画像出力手段と、
を備えていることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記カラー画像形成装置は、
カラー画像の出力を要求するユーザを特定するユーザ情報を入力するユーザ情報入力手段を備え、
前記データ記憶手段は、
前記データベースをユーザ毎に記憶し、
前記パラメータ抽出手段は、
カラー画像の出力に際して前記ユーザ情報入力手段から入力された前記ユーザ情報に対応するユーザの前記データベースから前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを抽出し、
前記登録制御手段は、
前記新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データ記憶手段の前記ユーザの前記データベースに登録することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記カラー画像形成装置は、
前記色調整後の前記カラー画像データに基づいて前記画像出力手段の出力したカラー画像に対する評価を入力する評価入力手段と、
前記評価入力手段から入力された評価が色調整品質の再指定要求であると、前記指定手段による前記感覚言語を用いた色調整品質の再指定を行わせる再指定制御手段と、
を備え、
前記パラメータ抽出手段は、
再指定された前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出し、
前記パラメータ生成手段は、
抽出された前記色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成し、
前記登録制御手段は、
生成された前記新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データ記憶手段の前記データベースに登録することを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記カラー画像形成装置は、
前記指定手段で指定された前記感覚言語に対して相関関係の高い感覚言語を選択する感覚言語選択手段を備え、
前記パラメータ抽出手段は、
前記指定手段で指定された前記感覚言語と前記感覚言語選択手段の選択した前記感覚言語の両方に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されて出力されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いて予め評価された評価値とを対応させたデータベースをデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶制御処理ステップと、
カラー画像データに基づくカラー画像の出力に際してカラー出力画像に対して要求される色調整品質を指定する前記感覚言語を取得する指定取得処理ステップと、
前記指定取得処理ステップで指定された前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出するパラメータ抽出処理ステップと、
抽出された前記色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成するパラメータ生成処理ステップと、
前記新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データ記憶手段の前記データベースに登録する登録制御処理ステップと、
生成された前記新たな色補正パラメータの組み合わせを用いて前記カラー画像データに色調整を施す色調整処理ステップと、
色調整された前記カラー画像データに基づいて被記録媒体にカラー画像を出力する画像出力処理ステップと、
を有していることを特徴とするカラー画像形成方法。
【請求項6】
コンピュータに、
複数の色補正パラメータの組み合わせと該色補正パラメータの組み合わせで色調整されて出力されたカラー出力画像に対して複数の感覚言語を用いて予め評価された評価値とを対応させたデータベースをデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶制御処理と、
カラー画像データに基づくカラー画像の出力に際してカラー出力画像に対して要求される色調整品質を指定する前記感覚言語を取得する指定取得処理と、
前記指定取得処理で指定された前記感覚言語に対して適合度の高い前記色補正パラメータの組み合わせを前記データベースから抽出するパラメータ抽出処理と、
抽出された前記色補正パラメータの組み合わせに対して遺伝的アルゴリズムを適用して新たな色補正パラメータの組み合わせを生成するパラメータ生成処理と、
前記新たな色補正パラメータの組み合わせを前記データ記憶手段の前記データベースに登録する登録制御処理と、
生成された前記新たな色補正パラメータの組み合わせを用いて前記カラー画像データに色調整を施す色調整処理と、
色調整された前記カラー画像データに基づいて被記録媒体にカラー画像を出力する画像出力処理と、
を実行させることを特徴とするカラー画像形成プログラム。
【請求項7】
請求項6記載のカラー画像形成プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−156593(P2012−156593A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11270(P2011−11270)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】