説明

カラー画像記録装置

【課題】画像形成速度を高くすることができるようにする。
【解決手段】トナー像を形成する複数の画像形成部12Y、12M、12C、12Kと、搬送ベルト20と、トナー像の転写を行う転写手段と、前記トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更する画像形成速度変更手段とを有する。この場合、トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更するようになっているので、トナーを十分に溶融させることができ、画像品位を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー画像記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像形成部を有し、該各画像形成部は、記録素子をライン状に配列して形成される記録ヘッドを備える。そして、記録媒体は、用紙収容カセットから1枚ずつ給紙され、搬送ベルトに吸着されて前記記録素子の配列方向に対して直角の方向に搬送される。
【0003】
前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーによってライン単位で各色のトナー像を形成し、該トナー像を前記記録媒体の上に順次重ねるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のカラー画像記録装置においては、所定の色のトナー像だけを形成する場合でも、すべての色の画像形成部が作動させられ、各画像形成部の感光体ドラムと搬送ベルトとが直接に、又は記録媒体を介して接触させられるようになっているので、感光体ドラム及び搬送ベルトが摩耗して寿命が短くなってしまう。
【0005】
そこで、各画像形成部を選択的に退避位置と画像形成位置とに置き、所定の色のトナー像だけを形成することができるようにしたカラー画像記録装置が考えられるが、その場合、カラー画像を形成するときも、モノクロ画像を形成するときも定着器における定着速度によって画像形成速度が決定されてしまうので、画像形成速度を高くすることができない。
【0006】
本発明は、前記従来のカラー画像記録装置の問題点を解決して、画像形成速度を高くすることができるカラー画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明のカラー画像記録装置においては、トナー像を形成する複数の画像形成部と、該各画像形成部に沿って走行させられるエンドレスの搬送ベルトと、該搬送ベルトを挟んで、前記各画像形成部と対向させて配設され、トナー像の転写を行う転写手段と、前記トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更する画像形成速度変更手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、カラー画像記録装置においては、トナー像を形成する複数の画像形成部と、該各画像形成部に沿って走行させられるエンドレスの搬送ベルトと、該搬送ベルトを挟んで、前記各画像形成部と対向させて配設され、トナー像の転写を行う転写手段と、前記トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更する画像形成速度変更手段とを有する。
【0009】
この場合、トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更するようになっているので、トナーを十分に溶融させることができ、画像品位を向上させることができる。また、モノクロ画像を形成するときの画像形成速度を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の説明の前提となる技術の第1の形態におけるカラー画像記録装置の第1の概略図、図2は本発明の説明の前提となる技術の第1の形態におけるカラー画像記録装置の第2の概略図、図3は本発明の説明の前提となる技術の第1の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図、図4は本発明の説明の前提となる技術の第1の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【0012】
図において、カラー画像記録装置11には、4組の第1〜第4の印刷機構P1〜P4が記録媒体21の搬送方向に沿って順にタンデム型に配設され、前記第1〜第4の印刷機構P1〜P4は、いずれも電子写真方式LEDプリント機構から成る。
【0013】
前記第1の印刷機構P1は、イエローの画像形成部12Y、感光体ドラム16の表面を露光するLEDヘッド13Y、及び前記画像形成部12Yによって形成されたイエローのトナー像を記録媒体21に転写する転写手段としての転写ローラ14Yから成る。
【0014】
また、前記第2の印刷機構P2は、マゼンタの画像形成部12M、前記感光体ドラム16の表面を露光するLEDヘッド13M、及び前記画像形成部12Mによって形成されたマゼンタのトナー像を記録媒体21に転写する転写手段としての転写ローラ14Mから成る。
【0015】
そして、前記第3の印刷機構P3は、シアンの画像形成部12C、前記感光体ドラム16の表面を露光するLEDヘッド13C、及び前記画像形成部12Cによって形成されたシアンのトナー像を記録媒体21に転写する転写手段としての転写ローラ14Cから成る。
【0016】
さらに、前記第4の印刷機構P4は、ブラックの画像形成部12K、前記感光体ドラム16の表面を露光するLEDヘッド13K、及び前記画像形成部12Kによって形成されたブラックのトナー像を記録媒体21に転写する転写手段としての転写ローラ14Kから成る。
【0017】
前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、いずれも同じ構造を有し、軸15を中心にして矢印a方向に回転させられる感光体ドラム16、該感光体ドラム16の表面を一様にかつ均一に帯電させる帯電ローラ17、及び現像部18から成る。そして、該現像部18は、現像ローラ19、図示されないトナータンク等から成る。
【0018】
次に、前記LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kについて説明する。
【0019】
該LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kは、いずれも、図示されないLEDアレイ、該LEDアレイを駆動する図示されないドライブIC、該ドライブICを搭載する図示されない基板、前記LEDアレイの光を集光する図示されないロッドレンズアレイ等から成り、図示されないインタフェース部を介して上位装置から送信されるカラー画像信号に従ってLEDアレイを選択的に発光させ、感光体ドラム16の表面に静電潜像を形成する。そして、該静電潜像に現像ローラ19上のトナーが静電気力によって付着させられ、トナー像が形成される。
【0020】
なお、各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kは、ばね17aによって図において下方に向けて押圧される。
【0021】
また、前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kの感光体ドラム16と転写ローラ14Y、14M、14C、14Kとの間には、エンドレスの搬送ベルト20が走行自在に配設され、各転写部を構成する。
【0022】
そして、前記画像形成部12Yの現像部18にはイエローのトナーが、画像形成部12Mの現像部18にはマゼンタのトナーが、画像形成部12Cの現像部18にはシアンのトナーが、画像形成部12Kの現像部18にはブラックのトナーがそれぞれ収容される。
【0023】
また、第1の印刷機構P1のLEDヘッド13Yにはカラー画像信号のうちイエロー画像信号が、第2の印刷機構P2のLEDヘッド13Mにはカラー画像信号のうちマゼンタ画像信号が、第3の印刷機構P3のLEDヘッド13Cにはカラー画像信号のうちシアン画像信号が、第4の印刷機構P4のLEDヘッド13Kにはカラー画像信号のうちブラック画像信号がそれぞれ入力される。
【0024】
そして、記録媒体21の搬送方向におけるフレーム24の上流側の端部には突起24aが形成され、該突起24aは、カラー画像記録装置11の本体に形成された図示されないガイド溝に対して回転自在に係合させられる。また、記録媒体21の搬送方向における前記フレーム24の下流側の端部には突起板部24bが形成される。
【0025】
さらに、記録媒体21の搬送方向における前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kより下流側には、それぞれカムシャフト22がカラー画像記録装置11の本体に対して回転自在に支持されていて、前記カムシャフト22の両端の近傍に偏心カム23が前記突起板部24bと対向させて固定される。
【0026】
ところで、前記各フレーム24は、ばね17aによってLEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを介して下方に向けて押圧される。そして、カムシャフト22が回転させられると、偏心カム23が回転しながら突起板部24bを押し上げ、ばね17aの付勢力に抗し、各フレーム24を突起24aを支点にして偏心カム23の偏心量だけ時計回りに回転させる。
【0027】
なお、前記各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kはカラー画像記録装置11のアッパカバー11aに取り付けられているので、該アッパカバー11aを開くことによって、各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kの上から除去し、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを着脱することができる。
【0028】
また、前記カムシャフト22にはワンウェイベアリング22aを介してギヤ25が配設され、該ギヤ25は、二段ギヤ26を介して、モータ28の回転軸に固定されたモータギヤ27と噛合させられる。一方、前記感光体ドラム16の端部にはギヤ16aが配設され、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが選択的に噛合させられる。なお、前記カムシャフト22、ワンウェイベアリング22a、偏心カム23、ギヤ25、二段ギヤ26、モータギヤ27及びモータ28によって画像形成部移動手段が構成される。
【0029】
ところで、通常、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、図3に示されるように画像形成位置に置かれ、該画像形成位置において、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが噛合させられ、前記モータ28を正方向に駆動することによって、感光体ドラム16を一定速度で矢印a方向に回転させることができるようになっている。このとき、ギヤ25が回転させられるが、前記ワンウェイベアリング22aが空転するので、カムシャフト22及び偏心カム23は回転しない。なお、偏心カム23とカラー画像記録装置11の本体との間にはばね23aが配設され、該ばね23aは、偏心部23bが常に矢印e方向に向くように前記偏心カム23を付勢する。
【0030】
そして、前記モータ28を逆方向に駆動すると、前記ワンウェイベアリング22aはロックされ、ばね23aの付勢力に抗してカムシャフト22及び偏心カム23を回転させる。このとき、図4に示されるように、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、突起24aを支点にして時計回りに回転させられて退避位置に置かれ、該退避位置において前記二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合が解除される。なお、前記カムシャフト22にはスリット円板29が固定され、該スリット円板29にはスリット29aが形成される。そして、該スリット29aをフォトセンサ30によって検出することにより、偏心カム23の位置を知ることができる。
【0031】
また、図3及び4に示されるように、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kのフレーム24には、LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを各感光体ドラム16と対向させるための窓穴13aが形成され、該窓穴13aによって、各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを画像形成部12Y、12M、12C、12Kに対して位置決めすることができるようになっている。
【0032】
前記搬送ベルト20は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムから成り、継目の無いエンドレス状に形成されていて、駆動ローラ31、従動ローラ32及び張設ローラ33間に張設される。なお、搬送ベルト20の抵抗値は、記録媒体21が静電気力によって搬送ベルト20に吸着され、かつ、記録媒体21が搬送ベルト20から分離させられたときに、搬送ベルト20に残存する静電気が自然に除電されるような範囲に設定される。
【0033】
そして、前記駆動ローラ31(図2)は、図示されないベルト走行用モータに連結され、該ベルト走行用モータによって矢印f方向に回転させられる。また、張設ローラ33は、図示されないばねによって矢印g方向に付勢され、搬送ベルト20にテンションを加える。
【0034】
前記搬送ベルト20の上半部20aは、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各転写部を通して張設され、搬送ベルト20の下半部20bは、前記張設ローラ33とクリーニングブレード34の先端との間を通して張設される。
【0035】
該クリーニングブレード34は、可撓性のゴム材又はプラスチック材から成り、搬送ベルト20の表面に残留したトナーを廃トナータンク35に削り落とす。
【0036】
そして、カラー画像記録装置11の図1における右下側には給紙機構36が配設され、該給紙機構36は、用紙収容カセット、ホッピング機構及びレジストローラ45から成り、前記用紙収容カセットは、記録媒体収容箱37、押上板38及び押圧手段39から成る。また、前記ホッピング機構は、弁別手段40、ばね41及び給紙ローラ42から成り、前記弁別手段40はばね41によって給紙ローラ42に圧接される。
【0037】
この場合、記録媒体収容箱37に収容された記録媒体21は、押上板38を介して押圧手段39によって給紙ローラ42に圧接され、該給紙ローラ42を矢印h方向に回転させると、前記弁別手段40によって1枚ずつ弁別されて給紙され、ガイド43、44によって案内されて、レジストローラ45に送られる。
【0038】
続いて、前記記録媒体21は、更に媒体ガイド46によって案内され、吸着ローラ47と搬送ベルト20との間に送られる。なお、前記吸着ローラ47は、搬送ベルト20を介して従動ローラ32に圧接されていて、給紙機構36から送られてきた記録媒体21を帯電させ、静電気力によって搬送ベルト20に吸着させる。そのために、前記吸着ローラ47は高抵抗の半導電性ゴム材によって形成される。そして、前記媒体ガイド46には、記録媒体21の前端を検出する図示されないフォトセンサが配設される。
【0039】
また、前記搬送ベルト20を介して駆動ローラ31と対向させて、図示されない除電器が配設される。該除電器は、搬送ベルト20に吸着されて送られた記録媒体21を除電し、吸着状態を解除して搬送ベルト20から分離しやすくする。そして、前記記録媒体21の搬送方向における除電器より下流側には、記録媒体21の後端を検出する図示されないフォトセンサが配設される。
【0040】
また、記録媒体21の搬送方向における前記除電器及びフォトセンサより下流側には、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各転写部において記録媒体21に転写された各色のトナー像を定着するために定着器48が配設される。該定着器48は、記録媒体21上のトナーを加熱するヒートローラ49、及び該ヒートローラ49と対向させて配設され、記録媒体21を加圧する加圧ローラ50を有する。
【0041】
前記ヒートローラ49は、アルミニウム等の心金の上にシリコーンゴム等の弾性体を被覆し、該弾性体の表面にオフセットを防止するためのフッ素樹脂を被覆することによって形成される。また、前記加圧ローラ50は、アルミニウム等の心金の上にシリコーンゴム等の弾性体を被覆することによって形成される。そして、前記ヒートローラ49と対向させて図示されないサーミスタが配設され、該サーミスタによってヒートローラ49の温度が検出され、検出された温度によってヒートローラ49内の図示されないヒータをオン・オフ制御することができるようになっている。なお、ヒートローラ49の表面に、オイルローラ、オイルパッド等によってオフセット防止液を供給することができる。
【0042】
さらに、前記記録媒体21の搬送方向における定着器48より下流側には排出口51が配設され、該排出口51の外側には図示されない排出スタッカが配設される。印刷が行われた後の記録媒体21は、排出口51を介して前記排出スタッカに排出される。
【0043】
次に、前記構成のカラー画像記録装置11の動作について説明する。
【0044】
まず、カラー画像記録装置11の図示されない電源を投入すると、カラー画像記録装置11の図示されない制御装置は、所定の初期設定を実行した後、ヒートローラ49内のヒータを通電させてウォーミングアップを行い、ヒートローラ49を設定温度にする。
【0045】
このとき、ヒートローラ49と対向させて配設されたサーミスタによって、ヒートローラ49の温度が検出され、検出された温度に対応して前記ヒータがオン・オフ制御される。
【0046】
そして、前記ヒートローラ49が設定温度になると、図示されない外部装置、すなわち、ホストコンピュータからカラー画像記録装置11にカラー画像信号が送信され、カラー画像記録装置11は、前記カラー画像信号をイエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号に分解し、各イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号を図示されないメモリにそれぞれ格納する。
【0047】
ここで、カラー画像信号を分解したときに、イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号のすべてが得られる場合は、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kによって各色のトナー像が形成される。そのために、前記制御装置は、前記モータ28を回転させて各画像形成部12Y、12M、12C、12Kを画像形成位置に置き、各感光体ドラム16と各転写ローラ14Y、14M、14C、14Kとを搬送ベルト20を介して圧接させ、前記ベルト走行用モータによって搬送ベルト20を感光体ドラム16の周速とほぼ同じ速度で走行させる。その結果、各感光体ドラム16上に各色のトナー像が形成され、該トナー像が記録媒体21に重ねて転写される。
【0048】
また、カラー画像信号を分解したときに、イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号のうちいずれかが得られない場合は、それに対応する色のトナー像は形成されない。すなわち、所定の画像形成部が退避位置に置かれ、その他の画像形成部だけによってトナー像が形成される。
【0049】
例えば、イエローのトナー像を形成しない場合は、第1の印刷機構P1のモータ28を逆方向に駆動すると、ワンウェイベアリング22aがロックされ、カムシャフト22及び偏心カム23を回転させる。そして、偏心カム23が突起板部24bを押し上げ、画像形成部12Yは、突起24aを支点にして時計回りに回転させられ、退避位置に置かれるとともに、二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合が解除される。
【0050】
また、画像形成部12Yが退避位置に置かれた後、偏心部23bがカムシャフト22の真上又は少し手前の位置になると、前記スリット29aがフォトセンサ30によって検出され、モータ28は、停止させられ、かつ、制御装置の図示されないモータ保持手段によって励磁され、停止位置で保持される。したがって、ばね23aの付勢力によって偏心カム23が元の位置に戻ることがなく、画像形成部12Yは前記退避位置に保持される。
【0051】
次に、この状態からイエローのトナー像を形成するために画像形成部12Yを前記画像形成位置に置く場合、第1の印刷機構P1のモータ28が正方向に駆動される。このとき、ワンウェイベアリング22aが空転し、モータ28の回転は偏心カム23に伝達されなくなる。その結果、ばね23aの付勢力は、カムシャフト22をワンウェイベアリング22aがロックされる方向に回転させようとするので、偏心カム23は、徐々に逆方向に回転させられ、元の位置、すなわち、偏心部23bが矢印e方向に向く位置で停止させられる。
【0052】
このとき、同時に、画像形成部12YはLEDヘッド13Yを介してばね17aの付勢力によって突起24aを支点にして半時計回りに回転させられ、画像形成位置に置かれる。そして、感光体ドラム16が搬送ベルト20に圧接させられ、かつ、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが噛合させられる。その結果、前記第1の印刷機構P1によってイエローのトナー像を形成することができるようになる。なお、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが反時計回りに回転させられたとき、画像形成部12Y、12M、12C、12Kの各フレーム24が、カラー画像記録装置11の本体に形成された図示されないストッパに突き当たると、回転が停止させられる。
【0053】
このように、第1の印刷機構P1のモータ28を正方向に駆動することによって、画像形成部12Yを画像形成位置に置き、イエローのトナー像を形成することができるとともに、前記モータ28を逆方向に駆動することによって、画像形成部12Yを退避位置に置き、イエローのトナー像を形成しないようにすることができる。
【0054】
また、同様に、第2〜第4の印刷機構P2〜P4の各モータ28を正方向に駆動することによって、対応する画像形成部12M、12C、12Kを画像形成位置に置き、各モータ28を逆方向に駆動することによって、対応する画像形成部12M、12C、12Kを退避位置に置くことができる。
【0055】
したがって、所定の色のトナー像だけを形成する場合、他の色の画像形成部の感光体ドラム16を搬送ベルト20及び記録媒体21から離すことができるので、感光体ドラム16及び搬送ベルト20が摩耗するのを抑制することができ、感光体ドラム16及び搬送ベルト20の寿命を長くすることができる。また、他の色の画像形成部を作動させないので、他の色のトナーの劣化を小さくすることができ、トナーの寿命を長くすることができるだけでなく、画像品位を向上させることができる。
【0056】
さらに、前記モータ28を正方向に駆動することによって、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kを退避位置から画像形成位置に徐々に移動させることができるので、画像形成部12Y、12M、12C、12Kに衝撃を与えることがなくなる。
【0057】
なお、モータ28の逆方向の駆動を開始するとき、感光体ドラム16はわずかに逆方向に回転させられるが、二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合が直ちに解除されるので、感光体ドラム16の逆方向の回転が画像形成部12Y、12M、12C、12Kに悪影響を与えることはない。
【0058】
次に、本発明の説明の前提となる技術の第2の形態について説明する。
【0059】
図5は本発明の説明の前提となる技術の第2の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図、図6は本発明の説明の前提となる技術の第2の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。なお、第1の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0060】
図に示されるように、記録媒体21(図1)の搬送方向におけるフレーム24の上流側の端部には突起24aが形成され、該突起24aは、カラー画像記録装置11の本体に形成された図示されないガイド溝に対して回転自在に係合させられる。また、記録媒体21の搬送方向における前記フレーム24の下流側の端部には突起板部24bが形成される。
【0061】
さらに、記録媒体21の搬送方向における前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kより下流側には、カムシャフト22がカラー画像記録装置11の本体に対して回転自在に支持されていて、前記カムシャフト22の両端の近傍に偏心カム123が前記突起板部24bと対向させて固定される。
【0062】
前記偏心カム123において、偏心方向の偏心量が最大となる偏心部123aに、位置保持手段としてのわずかな平坦部123bが形成され、前記偏心カム123の回転に伴って前記突起板部24bの下面24cに前記平坦部123bが到達すると、下面24cと平坦部123bとが合致し、偏心カム123はディテントされる。
【0063】
ところで、前記各フレーム24は、ばね17aによってLEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを介して下方に向けて押圧される。そして、カムシャフト22が回転させられると、偏心カム123が回転しながら突起板部24bを押し上げ、フレーム24は、前記ばね17aの付勢力に抗し、突起24aを支点にして偏心カム123の偏心量だけ時計回りに回転させられる。
【0064】
また、前記カムシャフト22には電磁クラッチ122を介してギヤ25が配設され、該ギヤ25は、二段ギヤ26を介してギヤ127と噛合させられる。該ギヤ127は、第1〜第4の印刷機構P1〜P4ごとに配設されるが、図示されないギヤ列を介して図示されない共通のモータの回転軸に連結される。この場合、一つの共通のモータを駆動するだけで、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各ギヤ25を回転させることができる。
【0065】
一方、感光体ドラム16の端部にはギヤ16aが配設され、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが選択的に噛合させられる。また、前記電磁クラッチ122は、通電状態において、ギヤ25の回転をカムシャフト22に伝達し、該カムシャフト22を回転させるとともに、非通電状態において、ギヤ25とカムシャフト22との間の動力伝達を遮断し、ギヤ25を空転させ、カムシャフト22をフリー状態にする。なお、前記共通のモータ、ギヤ列、カムシャフト22、ギヤ25、二段ギヤ26、電磁クラッチ122、偏心カム123及びギヤ127によって画像形成部移動手段が構成される。
【0066】
ところで、通常、前記電磁クラッチ122は非通電状態に置かれ、偏心カム123は、偏心部123aが各突起板部24bを上方へ押し上げない任意の位置において停止させられる。その結果、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、図5に示されるように画像形成位置に置かれ、該画像形成位置において、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが噛合させられる。
【0067】
この状態において、前記モータを駆動すると、二段ギヤ26を介して各ギヤ16a、25が回転させられるが、電磁クラッチ122は非通電状態に置かれているので、カムシャフト22に回転は伝達されず、感光体ドラム16だけが一定速度で矢印a方向に回転させられる。
【0068】
したがって、所定の色のトナー像だけを形成する場合、トナー像を形成しない色の画像形成部の電磁クラッチ122を通電状態に置くと、ギヤ25の回転がカムシャフト22に伝達され、偏心カム123が回転させられ、突起板部24bを上方へ押し上げ、二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合を解除する。
【0069】
そして、図6に示されるように、下面24cと平坦部123aとが合致し、前記偏心カム123はディテントされる。
【0070】
その結果、トナー像を形成しない色の画像形成部は、退避位置に置かれ、該退避位置において、前記二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合が解除される。
【0071】
また、前記カムシャフト22にはスリット円板29が固定され、該スリット円板29にはスリット29aが形成される。そして、該スリット29aをフォトセンサ30によって検出することにより、偏心カム123の位置を知ることができる。
【0072】
本技術の形態において、スリット29aは、前記平坦部123aと下面24cとが合致する位置の近傍においてフォトセンサ30によって検出されるように設定される。
【0073】
したがって、スリット29aは、前記平坦部123aと下面24cとが合致する位置の近傍に到達すると、フォトセンサ30によって検出され、検出信号が図示されない制御回路に送られて前記電磁クラッチ122が非通電状態に置かれる。このとき、平坦部123aと下面24cとが合致し、偏心カム123がディテントされる。
【0074】
その結果、各フレーム24の突起板部24bを上方に押し上げた状態が維持されるだけでなく、偏心カム123が更に回転させられて画像形成部12Y、12M、12C、12Kが反時計方向に回転させられることはない。
【0075】
このように、前記モータを駆動して第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各ギヤ127に回転を伝達するとともに、各電磁クラッチ122を選択的に通電させた後、非通電状態に置くことによって所定の退避位置に置くことができる。
【0076】
そして、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kを退避位置から画像形成位置に移動させるときに、前記モータを駆動しながら電磁クラッチ122を一定時間通電状態に置いて、偏心カム123のディテントが解除される位置までカムシャフト22を回転させると、前記ばね17aの付勢力によって偏心カム123が回転させられる。その結果、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは反時計方向に回転させられ、画像形成位置に置かれる。
【0077】
このように、トナー像を形成しない色の画像形成部の電磁クラッチ122を通電状態に置くことによって偏心カム123を回転させることができるので、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kに共通の一つのモータを配設するだけでよく、カラー画像記録装置11のコストを低くすることができる。また、前記モータを正方向及び逆方向に切り換えて駆動する必要がないので制御を容易に行うことができる。
【0078】
また、偏心カム123に平坦部123aが形成されているので、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを退避位置に保持するために電磁クラッチ122を通電状態に置き続ける必要がない。したがって、電磁クラッチ122の消費電力を少なくすることができるだけでなく、電磁クラッチ122による発熱を少なくすることができる。
【0079】
次に、本発明の説明の前提となる技術の第3の形態について説明する。
【0080】
図7は本発明の説明の前提となる技術の第3の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図、図8は本発明の説明の前提となる技術の第3の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。なお、第1の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0081】
図に示されるように、記録媒体21(図1)の搬送方向におけるフレーム24の上流側の端部には突起24aが形成され、該突起24aは、カラー画像記録装置11の本体に形成された図示されないガイド溝に対して回転自在に係合させられる。また、記録媒体21の搬送方向における前記フレーム24の下流側の端部には歯形24fが、前記突起24aを中心とする円周上、又は前記突起24aを中心とする円の接線上に形成される。
【0082】
さらに、記録媒体21の搬送方向における前記各画像形成部12Y、12M、12C、12Kより下流側には、ギヤシャフト60がカラー画像記録装置11の本体に対して回転自在に支持されていて、前記ギヤシャフト60の両端の近傍に、ほぼ4分の1周にわたり歯形61aが形成されたギヤ61が固定される。なお、前記各歯形24f、61aによって連動機構が構成される。なお、前記ギヤ61における歯形61aが形成されていないほぼ4分の3周の外径は、前記歯形61aの谷の径よりも小さくされる。
【0083】
前記フレーム24は、ばね17aによってLEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを介して下方に向けて押圧される。そして、ギヤシャフト60が矢印i方向に回転させられると、歯形61a、24fが互いに噛合し、前記ばね17aの付勢力に抗し、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが突起24aを支点にして歯形61aの分だけ時計回りに回転させられる。
【0084】
また、前記ギヤシャフト60を矢印i方向に回転させるために、前記ギヤシャフト60にはワンウェイベアリング22aを介してギヤ25が配設され、該ギヤ25は、ギヤ65a、65b及び二段ギヤ26を介し、モータ28の回転軸に固定されたモータギヤ27と噛合させられる。一方、感光体ドラム16の端部にはギヤ16aが配設され、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが選択的に噛合させられる。なお、前記ギヤ25、61、65a、65b、二段ギヤ26、モータギヤ27、モータ28及びギヤシャフト60によって画像形成部移動手段が構成される。
【0085】
前記ワンウェイベアリング22aは、ギヤ25を矢印i方向に回転させると前記ギヤシャフト60を同方向に回転させるが、ギヤ25を矢印i方向と逆方向に回転させると前記ギヤシャフト60に回転を伝達しない。この場合、ギヤ25を固定した状態でギヤシャフト60を矢印i方向に自由に回転させることはできるが、ギヤシャフト60を一旦矢印i方向に回転させると、モータ28を正方向に駆動しない限りギヤシャフト60を元の位置に戻すことはできない。
【0086】
なお、各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kはカラー画像記録装置11のアッパカバー11aに取り付けられているので、各歯形61a、24fが互いに噛合した状態であっても、前記アッパカバー11aを開くことによって、各LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kの上から除去し、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを着脱することができる。
【0087】
また、前記ギヤ61における歯形61aが形成された部分の近傍には、該歯形61aが形成された部分を常に下方へ付勢するための付勢部材63の一方の端部が連結され、前記付勢部材63の他方の端部がカラー画像記録装置11の本体に連結される。そして、前記歯形61aが矢印i方向と逆方向に回転させられ、前記歯形24fの最下端部から噛合が解除された位置において、前記歯形61aが矢印i方向と逆方向にそれ以上回転するのを規制するために、前記ギヤ61に規制腕部67が、カラー画像記録装置11の本体に規制部材64がそれぞれ形成される。
【0088】
また、前記ギヤ25は、カラー画像記録装置11の本体に対して回転自在に配設されたギヤ65a、65b及び二段ギヤ26を介して感光体ドラム16のギヤ16aと噛合させられる。したがって、前記感光体ドラム16を矢印a方向に回転させるとき、すなわち、トナー像を形成するときには、ギヤ25は矢印i方向と逆方向に回転させられる。その結果、前記ワンウェイベアリング22aは空転させられ、ギヤシャフト60はフリー状態になるので、付勢部材63の付勢力によって前記規制腕部67は規制部材64と係止させられる。
【0089】
一方、トナー像を形成しないときには、ギヤ25を矢印i方向に回転させると、ギヤ61が矢印i方向に回転させられ、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが突起24aを支点にして時計回りに回転させられる。
【0090】
また、前記ギヤシャフト60にはスリット円板29が固定され、該スリット円板29にはスリット29aが形成される。そして、該スリット29aをフォトセンサ30によって検出することにより、前記歯形61aの位置を知ることができる。本技術の形態においては、ギヤ61が矢印i方向に回転させられ、前記各歯形61a、24fの噛合が解除された直後の位置において、前記スリット29aがフォトセンサ30によって検出される。
【0091】
前記規制腕部67は、前記歯形61a、24fの噛合が解除されたときに、位置保持手段として前記歯形24fの最下端部と当接し、歯形61a、24fの噛合が解除されても、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを退避位置に維持する。したがって、ギヤ25を矢印i方向と逆方向に回転させない限り、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは画像形成位置に戻ることはない。
【0092】
前記構成のカラー画像記録装置11において、すべての画像形成部12Y、12M、12C、12Kによってトナー像を形成する場合、感光体ドラム16が矢印a方向に回転するようにモータ28を駆動すると、ワンウェイベアリング22aが空転し、前記付勢部材63の付勢力によって前記規制腕部67が規制部材64に係止させられる。
【0093】
一方、所定の色のトナー像だけを形成する場合、図示されない制御装置によって対応する画像形成部のモータ28を駆動してギヤ25を矢印i方向に回転させると、前記歯形61aが矢印i方向と逆方向に回転させられて前記歯形24fと噛合し、画像形成部を前記ばね17aの付勢力に抗して突起24aを支点にして時計回りに回転させる。
【0094】
このとき、感光体ドラム16はわずかに逆方向に回転させられるが、二段ギヤ26とギヤ16aとの噛合が解除されるので、感光体ドラム16の逆方向の回転が画像形成部に悪影響を与えることはない。
【0095】
また、同時に、感光体ドラム16と搬送ベルト20との接触も解除されるので、感光体ドラム16及び搬送ベルト20が摩耗するのを抑制することができる。
【0096】
そして、ギヤ61が矢印i方向に回転させられ、歯形61a、24fの噛合が解除された後は、規制腕部67と規制部材64とが係合させられて画像形成部の退避位置が維持される。したがって、ギヤ61を矢印i方向と逆方向に回転させない限り、画像形成部は画像形成位置に戻ることはない。次に、歯形61aと歯形24fとの噛合が解除された直後の位置においてスリット29aがフォトセンサ30によって検出されると、図示されない制御装置のモータ停止手段によってモータ28が停止させられる。
【0097】
また、前記モータ28を逆方向に駆動すると、ギヤ61が矢印i方向と逆方向に回転させられ、前記画像形成部を画像形成位置に置くことができる。なお、このとき、ギヤ61は、付勢部材63の付勢力によって矢印i方向と逆方向に回転させられ、規制腕部67と規制部材64とが係止する位置に戻る。
【0098】
さらに、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを画像形成位置から退避位置に移動させる間、又は退避位置から画像形成位置に移動させる間に、歯形61aと歯形24fとが噛合した状態で画像形成部12Y、12M、12C、12Kを上方に引き抜いてカラー画像記録装置11から取り外した場合でも、ワンウェイベアリング22aが空転し、前記ギヤ61はフォトセンサ30がスリット29aを検出する位置まで回転させられて停止させられるので、画像形成部12Y、12M、12C、12Kをカラー画像記録装置11に再びセットしたときに、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは退避位置に置かれる。したがって、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを誤ってセットすることがなくなり、搬送ベルト20及び感光体ドラム16に損傷を与えるのを防止することができる。
【0099】
次に、本発明の説明の前提となる技術の第4の形態について説明する。
【0100】
図9は本発明の説明の前提となる技術の第4の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図である。なお、第1の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0101】
この場合、カムシャフト22の一方の端部にはワンウェイベアリング22aを介してギヤ25が配設され、該ギヤ25とギヤ70とが噛合させられ、該ギヤ70とモータ28の回転軸に固定されたモータギヤ27とが噛合させられる。また、前記ギヤ70は二段ギヤ26の大ギヤ26aと噛合させられ、二段ギヤ26の小ギヤ26bと感光体ドラム16のギヤ16aとがギヤ71を介して噛合させられる。なお、前記カムシャフト22、ワンウェイベアリング22a、偏心カム23、ギヤ25、70、モータギヤ27及びモータ28によって画像形成部移動手段が構成され、ギヤ16a、70、71及び二段ギヤ26によってギヤ列が構成される。
【0102】
前記ワンウェイベアリング22aは、ギヤ25が矢印s方向に回転させられるときに空転し、ギヤ25の回転をカムシャフト22に伝達しない。逆に、前記ワンウェイベアリング22aは、ギヤ25が矢印t方向に回転させられるときにロックされ、ギヤ25の回転をカムシャフト22に伝達し、偏心カム23を矢印t方向に回転させる。そして、ギヤ25が矢印s方向に回転させられるときに感光体ドラム16が矢印a方向に回転させられる。
【0103】
また、前記ギヤ16aは、帯電ローラ17及び現像ローラ19の各ギヤと噛合させられ、感光体ドラム16が回転させられると帯電ローラ17及び現像ローラ19が回転させられる。
【0104】
次に、前記構成のカラー画像記録装置11の動作について説明する。
【0105】
まず、モータ28を逆方向に駆動して、ギヤ25を矢印t方向に回転させると、ワンウェイベアリング22aはロックされ、カムシャフト22及び偏心カム23が矢印t方向に回転させられる。したがって、偏心カム23は、フレーム24の突起板部24bを持ち上げ、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを突起24aを支点にして時計回りに回転させて退避位置に置く。
【0106】
このとき、感光体ドラム16は、ギヤ25が矢印t方向に回転させられるのに伴ってわずかに逆方向に回転させられるが、二段ギヤ26によって減速が行われるので回転量が少なくなる。したがって、感光体ドラム16及び搬送ベルト20が摩耗するのを一層抑制することができる。
【0107】
次に、モータ28を正方向に駆動して、ギヤ25を矢印s方向に回転させると、ワンウェイベアリング22aは空転する。そして、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、突起24aを支点にして反時計回りに回転させられて画像形成位置に置かれる。
【0108】
次に、本発明の説明の前提となる技術の第5の形態について説明する。
【0109】
図10は本発明の説明の前提となる技術の第5の形態における画像形成部の斜視図、図11は本発明の説明の前提となる技術の第5の形態における感光体ドラムのギヤの状態図である。なお、第1の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0110】
図において、70はカラー画像記録装置11(図1)の本体に対して回転自在に配設されたギヤであり、該ギヤ70は、感光体ドラム16のギヤ16aと噛合させられるとともに、ギヤ71を介して二段ギヤ26の小ギヤ26bと噛合させられる。また、前記二段ギヤ26の大ギヤ26aはモータ28の回転軸に固定されたモータギヤ27と噛合させられる。したがって、前記モータ28を正方向に駆動することによって、感光体ドラム16を矢印a方向に回転させることができる。なお、前記ギヤ16a、25、70、71、ワンウェイベアリング22a、二段ギヤ26、モータギヤ27及びモータ28によって画像形成部移動手段が構成される。
【0111】
また、ギヤ25が、ワンウェイベアリング22aを介してフレーム24に対し、回転自在に支持され、前記ギヤ16aと噛合させられる。この場合、感光体ドラム16が矢印a方向に回転すると、ギヤ25は矢印s方向に空転し、感光体ドラム16が矢印a方向と逆方向に回転しようとすると、ワンウェイベアリング22aがロックしてギヤ25は矢印t方向には回転しない。
【0112】
そして、前記モータ28を逆方向に駆動し、ギヤ70を図11に示される矢印u方向に回転させると、感光体ドラム16はワンウェイベアリング22aがロックしているので回転しない。したがって、感光体ドラム16がギヤ70の歯の高さ分だけ矢印r方向に回転させられ、これに伴って、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが、ばね17aの付勢力に抗して、突起24aを支点にして時計回りに回転させられ、退避位置に置かれる。なお、前記ギヤ16aによって第1のギヤが、ギヤ25によって第2のギヤが、ギヤ70によって第3のギヤがそれぞれ構成される。
【0113】
そして、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kのフレーム24に形成された突起24gを、カラー画像記録装置11の本体に固定されたフォトセンサ91が検出すると、モータ28が停止させられる。なお、この位置において、ギヤ70の歯先とギヤ16aの歯先とが接触する。
【0114】
また、92はカラー画像記録装置11の所定位置に形成されたストッパであり、該ストッパ92は、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが反時計回りに回転させられてフレーム24の一部が突き当たったときに、回転を停止させる。
【0115】
これに対して、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kが退避位置に置かれたときに、モータ28を正方向に駆動すると、ギヤ70の歯先とギヤ16aの歯先とが接触し、噛合を開始する。そして、モータ28を更に正方向に駆動すると、ギヤ25が矢印s方向に回転させられるので、感光体ドラム16は矢印a方向に回転させられる。したがって、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、ばね17aの付勢力によって突起24aを支点にして反時計回りに回転させられ、画像形成位置に置かれる。
【0116】
その後は、ワンウェイベアリング22aを空転させながら、感光体ドラム16は矢印a方向に回転し続ける。
【0117】
ところで、前記各技術の形態において、第1〜第4の印刷機構P1〜P4の各転写部において記録媒体21に転写された各色のトナー像を定着するために、定着器48が配設される。ところが、前記カラー画像記録装置11において、カラー画像を形成する場合、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重ねて転写されるので、トナー層は最高で4層になる。そして、トナー層の数が多くなると、各色のトナーを十分に溶融させることができず、画像品位が低下してしまう。
【0118】
また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)シートに重ねて転写されたトナー像を定着する場合、各色のトナーが十分に溶融していないと、定着されたカラーのトナー像の表面に凹凸が生じ、透過光が乱反射して十分に投影されなくなってしまう。そこで、透過光を十分に投影させるために、ヒートローラ49(図2)に十分な熱量を供給する必要が生じるが、前記ヒートローラ49への熱量の供給を多くするためには、消費電力が大きなヒータが必要になるだけでなく、ヒートローラ49の温度が設定温度になるまでの時間が長くなり、図示されない電源を投入した直後にカラー画像記録装置11を使用することができなくなってしまう。
【0119】
また、前記各技術の形態のようなダンデム型のカラー画像記録装置11においては、カラー画像を形成するときも、モノクロ画像を形成するときも定着器48における定着速度によって記録速度が決定されてしまうので、モノクロ画像を形成するときの記録速度を高くすることができない。
【0120】
そこで、画像品位を向上させることができ、OHPシートに画像を形成したときに、透過光を十分に投影させることができ、モノクロ画像を形成するときの記録速度を高くすることができるようにした本発明の実施の形態について説明する。
【0121】
図12は本発明の実施の形態における画像形成部の斜視図である。なお、第4の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0122】
この場合、カラー画像信号を分解したときに、イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号のすべてが得られる場合は、各画像形成部12Y、12M、12C、12K(図1及び2)によって各色のトナー像が形成される。そして、各画像形成部12Y、12M、12C、12Kを画像形成位置に置き、感光体ドラム16と転写ローラ14Y、14M、14C、14Kとを搬送ベルト20を介して圧接させ、モータ28を回転させるとともに、図示されないベルト走行用モータによって搬送ベルト20を感光体ドラム16の周速とほぼ同じ速度で走行させると、各感光体ドラム16上のトナー像を記録媒体21に転写することができる。なお、カムシャフト22、ワンウェイベアリング22a、偏心カム23、ギヤ25、70、モータギヤ27及びモータ28によって画像形成部移動手段が構成される。
【0123】
また、カラー画像信号を分解したときに、イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号のうちいずれかが得られない場合は、対応する色のトナー像は形成されない。そのために、所定の色の画像形成部が退避位置に置かれ、その他の色の画像形成部だけによってトナー像が形成される。
【0124】
ところで、モノクロ画像を形成する場合は、トナー層は1層になり、定着器48の負担は極めて小さいが、レッド(イエローとマゼンタとの混色)、グリーン(イエローとシアンとの混色)又はブルー(マゼンタとシアンとの混色)のカラー画像を形成する場合は、使用される画像形成部は2個になり、トナー層は2層になる。
【0125】
さらに、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色でカラー画像を形成する場合は、トナー層は3層になり、イエロー、マゼンタ及びシアンのほかにブラックを追加すると、トナー層は4層になる。
【0126】
そして、記録媒体21が紙であるときに、4層のトナー層から成るカラーのトナー像を完全に定着することが可能な定着器48の設定温度及び定着速度が、それぞれ、150〔℃〕、4〔PPM(1分当たりページ数)〕であるとすると、カラーのトナー像を150〔℃〕の設定温度で完全に定着することが可能な定着器48の定着速度は、3層のトナー層から成るトナー像の場合は5〔PPM〕になり、2層のトナー層から成るトナー像の場合は6〔PPM〕になり、1層のトナー層から成るトナー像の場合は8〔PPM〕になる。したがって、トナー層が少ないほど、記録速度を高くすることができる。
【0127】
そこで、記録媒体21が紙であり、定着器48を前記設定温度に保ってモノクロ画像を形成する場合は、制御装置94は、画像形成部12Y、12M、12Cの各モータ28を逆方向に駆動して、ギヤ25を矢印t方向に回転させる。このとき、ワンウェイベアリング22aはロックされ、カムシャフト22及び偏心カム23が矢印t方向に回転させられる。したがって、偏心カム23はフレーム24の突起板部24bを持ち上げ、画像形成部12Y、12M、12Cを突起24aを支点にして時計回りに回転させて退避位置に置く。
【0128】
一方、制御装置94は、画像成形部12Kのモータ28を正方向に駆動して、ギヤ25を矢印s方向に回転させると、ワンウェイベアリング22aは空転する。そして、画像形成部12Kは、突起24aを支点にして反時計回りに回転させられ、画像形成位置に置かれる。
【0129】
また、前記制御装置94は、画像形成部12Kにおける感光体ドラム16、帯電ローラ17及び現像ローラ19、並びに転写ローラ14K、駆動ローラ31、レジストローラ45及びヒートローラ49を、いずれも8〔PPM〕に相当する記録速度で回転させる。
【0130】
そのために、前記制御装置94の図示されない記録速度変更手段は、カラー画像信号に基づいて、トナー層の数、すなわち、画像形成位置に置かれる画像形成部の数を判断し、該画像形成部の数に対応させて記録速度を変更する。
【0131】
そして、記録媒体21が紙であり、定着器48を前記設定温度に保って2層のトナー層から成るカラー画像を形成する場合、前記制御装置94は、所定の二つの画像形成部を画像形成位置に置き、前記画像形成部における感光体ドラム16、帯電ローラ17及び現像ローラ19、並びに転写ローラ、駆動ローラ31、レジストローラ45及びヒートローラ49を、いずれも6〔PPM〕に相当する記録速度で回転させる。
【0132】
また、記録媒体21が紙であり、定着器48を前記設定温度に保って3層のトナー層から成るカラー画像を形成する場合、前記制御装置94は、所定の三つの画像形成部を画像形成位置に置き、前記画像形成部における感光体ドラム16、帯電ローラ17及び現像ローラ19、並びに転写ローラ、駆動ローラ31、レジストローラ45及びヒートローラ49を、いずれも5〔PPM〕に相当する記録速度で回転させる。
【0133】
さらに、記録媒体21が紙であり、定着器48を前記設定温度に保って4層のトナー層から成るカラー画像を形成する場合、前記制御装置94は、所定の四つの画像形成部を画像形成位置に置き、前記画像形成部における感光体ドラム16、帯電ローラ17及び現像ローラ19、並びに転写ローラ、駆動ローラ31、レジストローラ45及びヒートローラ49を、いずれも4〔PPM〕に相当する記録速度で回転させる。
【0134】
このように、画像形成位置に置かれる画像形成部の数に対応させて記録速度を変更するようになっているので、トナーを十分に溶融させることができ、画像品位を向上させることができる。また、モノクロ画像を形成するときの記録速度を高くすることができる。
【0135】
そして、記録媒体21がOHPシートである場合、制御装置94は、定着器48の設定温度を15〔℃〕前後高めに設定する。
【0136】
したがって、トナーを十分に溶融させることができるので、OHPシートに画像を形成したときに、透過光を十分に投影させることができる。この場合、記録媒体21がOHPシートであるかどうかは、媒体ガイド46に配設された図示されないフォトセンサによって検出される。
【0137】
ところで、前記各技術の形態においては、搬送ベルト20を停止させた状態で、モータ28を逆方向に駆動することによって、画像形成部12Y、12M、12Cを突起24aを支点にして時計回りに回転させて退避位置に置くようにしているが、モータ28を逆方向に駆動することによって各感光体ドラム16はわずかに逆方向に回転させられる。このとき、各感光体ドラム16と搬送ベルト20との間でわずかな滑り接触が起こるので、画像形成部12Y、12M、12Cを画像形成位置から退避位置に繰り返し置くと、感光体ドラム16の表面が摩耗してしまう。
【0138】
また、前記各技術の形態においては、カラー画像記録装置11を長時間使用すると、クリーニングブレード34の先端の腹部にトナーが付着し、搬送ベルト20の走行に伴いトナーが搬送ベルト20の表面によって擦られ、騒音(鳴き)を発生させてしまう。
【0139】
そこで、画像形成部12Y、12M、12Cを画像形成位置から退避位置に繰り返し置いても、感光体ドラム16の表面が摩耗することがなく、カラー画像記録装置11を長時間使用しても、搬送ベルト20の走行に伴い騒音が発生することがない本発明の説明の前提となる技術の第6の形態について説明する。
【0140】
図13は本発明の説明の前提となる技術の第6の形態におけるカラー画像記録装置の第1の概略図、図14は本発明の説明の前提となる技術の第6の形態におけるカラー画像記録装置の第2の概略図である。なお、第1の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、第7の形態においては、画像形成部12Y、12M、12C、12Kの構造は第4の形態と同じであるので、図9を援用することによって、その詳細な説明を省略する。
【0141】
この場合、駆動手段としての図示されないベルト走行用モータを正方向及び逆方向に回転させることができるようになっていて、第1の駆動モードにおいて、前記ベルト走行用モータを正方向に駆動することによって駆動ローラ31を矢印f1方向に回転させ、搬送ベルト20を矢印j1方向に走行させることができ、第2の駆動モードにおいて、前記ベルト走行用モータを逆方向に駆動することによって駆動ローラ31を矢印f2方向に回転させ、搬送ベルト20を矢印j2方向に走行させることができる。
【0142】
前記構成のカラー画像記録装置11において、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは、図示されない電源を投入したとき及び記録動作を終了したときには必ず退避位置に置かれる。
【0143】
すなわち、電源が投入されると、画像形成位置に置かれていて、フォトセンサ30がスリット29aを検出していない画像形成部が、突起24aを支点にして時計回りに回転させられて退避位置に置かれる。
【0144】
そのために、フォトセンサ30が、スリット29aを検出していない画像形成部のモータ28だけを逆方向に駆動し、ギヤ25を矢印t方向に回転させる。このとき、ワンウェイベアリング22aはロックされ、カムシャフト22及び偏心カム23が矢印t方向に回転させられる。したがって、偏心カム23はフレーム24の突起板部24bを持ち上げ、画像形成部12Y、12M、12Cを突起24aを支点にして時計回りに回転させて退避位置に置く。そして、前記モータ28は、フォトセンサ30がスリット29aを検出する位置まで回転させられて停止させられる。
【0145】
ここで、前記ギヤ25が矢印t方向に回転すると、感光体ドラム16は矢印a方向と反対の方向に回転させられるが、二段ギヤ26によって減速されるので、感光体ドラム16の回転量は少ない。
【0146】
そして、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kを画像形成位置から退避位置に置く間に、前記ベルト走行用モータを逆方向に駆動することによって駆動ローラ31を矢印f2方向に回転させ、搬送ベルト20を矢印j2方向に走行させる。この場合、搬送ベルト20の走行速度は搬送ベルト20を矢印j1方向に走行させるときと等しくする。
【0147】
したがって、各感光体ドラム16と搬送ベルト20との間で滑り接触が起こるのを防止することができるので、画像形成部12Y、12M、12C、12Kを画像形成位置から退避位置に繰り返し置いても、感光体ドラム16の表面が摩耗することがなくなる。
【0148】
また、このとき、クリーニングブレード34の先端の腹部に付着したトナー80が、搬送ベルト20の矢印j2方向に走行させるのに伴い、搬送ベルト20の表面に戻される。したがって、前記クリーニングブレード34の先端の腹部に付着したトナー80が搬送ベルト20の表面によって擦られることがなくなるので、騒音を発生させるのを防止することができる。なお、搬送ベルト20の表面に戻されたトナー81は、次の記録動作において、搬送ベルト20が矢印j1方向に走行させられたときに、前記クリーニングブレード34によって廃トナータンク35に削り落とされる。
【0149】
さらに、記録動作中に何らかの理由でクリーニングブレード34の先端にめくれ現象が起こることがあるが、前記搬送ベルト20を矢印j2方向に走行させることによってめくれ現象を解消することができる。
【0150】
次に、記録動作において、例えば、カラー画像信号を分解したときに、イエロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号及びブラック画像信号が得られる場合は、画像形成部12Y、12M、12C、12Kが画像形成位置に置かれる。そのために、画像形成部12Y、12M、12C、12Kの各モータ28を正方向に駆動し、ギヤ25を矢印s方向に回転させる。このとき、ワンウェイベアリング22aが空転し、モータ28の回転は偏心カム23に伝達されなくなる。
【0151】
そして、前記モータ28は、フォトセンサ30がスリット29aを検出する位置まで回転させられて停止させられる。このとき、同時に、画像形成部12Y、12M、12C、12Kは突起24aを支点にして半時計回りに回転させられ、画像形成位置に置かれる。そして、感光体ドラム16が搬送ベルト20に圧接させられ、かつ、前記二段ギヤ26とギヤ16aとが噛合させられる。その結果、前記第3、第4の印刷機構P3、P4によってイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像を形成することができるようになる。
【0152】
また、前記画像形成部12Y、12M、12C、12Kを退避位置から画像形成位置に置く間に、前記ベルト走行用モータを正方向に駆動することによって駆動ローラ31を矢印f1方向に回転させ、搬送ベルト20を矢印j1方向に走行させる。この場合、搬送ベルト20の走行速度は感光体ドラム16の周速度と等しくする。
【0153】
この状態から、給紙機構36に収容されている記録媒体21に対して印刷が行われる。
【0154】
そして、記録動作が終了すると、フォトセンサ30がスリット29aを検出していない画像形成部が、突起24aを支点にして時計回りに回転させられて退避位置に置かれる。
【0155】
また、前記画像形成部が画像形成位置から退避位置に置かれる間に、前記ベルト走行用モータが逆方向に駆動され、駆動ローラ31が矢印f2方向に回転させられ、搬送ベルト20が矢印j2方向に走行させられる。
【0156】
前記実施の形態においては、感光体ドラム16の表面を露光する手段としてLEDヘッド13Y、13M、13C、13Kを使用しているが、LEDヘッド13Y、13M、13C、13Kに代えて図示されないレーザ、液晶シャッタ等を使用することもできる。
【0157】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の説明の前提となる技術の第1の形態におけるカラー画像記録装置の第1の概略図である。
【図2】本発明の説明の前提となる技術の第1の形態におけるカラー画像記録装置の第2の概略図である。
【図3】本発明の説明の前提となる技術の第1の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図4】本発明の説明の前提となる技術の第1の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図5】本発明の説明の前提となる技術の第2の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図6】本発明の説明の前提となる技術の第2の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図7】本発明の説明の前提となる技術の第3の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図8】本発明の説明の前提となる技術の第3の形態における退避位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図9】本発明の説明の前提となる技術の第4の形態における画像形成位置に置かれた画像形成部の斜視図である。
【図10】本発明の説明の前提となる技術の第5の形態における画像形成部の斜視図である。
【図11】本発明の説明の前提となる技術の第5の形態における感光体ドラムのギヤの状態図である。
【図12】本発明の実施の形態における画像形成部の斜視図である。
【図13】本発明の説明の前提となる技術の第6の形態におけるカラー画像記録装置の第1の概略図である。
【図14】本発明の説明の前提となる技術の第6の形態におけるカラー画像記録装置の第2の概略図である。
【符号の説明】
【0159】
11 カラー画像記録装置
12Y、12M、12C、12K 画像形成部
14Y、14M、14C、14K 転写ローラ
16 感光体ドラム
16a、25、61、65a、65b、70、71、127 ギヤ
20 搬送ベルト
21 記録媒体
22 カムシャフト
22a ワンウェイベアリング
23 偏心カム
24 フレーム
24f、61a 歯形
26 二段ギヤ
27 モータギヤ
28 モータ
34 クリーニングブレード
60 ギヤシャフト
64 規制部材
80、81 トナー
94 制御装置
122 電磁クラッチ
123 偏心カム
123b 平坦部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トナー像を形成する複数の画像形成部と、
(b)該各画像形成部に沿って走行させられるエンドレスの搬送ベルトと、
(c)該搬送ベルトを挟んで、前記各画像形成部と対向させて配設され、トナー像の転写を行う転写手段と、
(d)前記トナー像を構成するトナー層の数に対応させて画像を形成する速度を変更する画像形成速度変更手段とを有することを特徴とするカラー画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−58915(P2006−58915A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328771(P2005−328771)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【分割の表示】特願平9−283350の分割
【原出願日】平成9年10月16日(1997.10.16)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】