説明

カルボキシル基とアミド基を有する化合物及びその応用

【課題】 良い水溶性を持ち、広い領域に渡って応用されるカルボキシル基とアミド基を有する化合物を提供する。
【解決手段】 本発明は一般式(1):
【化1】


(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されるカルボキシル基とアミド基を有する化合物を提供する。前記カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボキシル基とアミド基を有する化合物に係り、特にカルボキシル基とアミド基を有する水溶性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、美白効果があるカルボキシル基を有する化合物は様々な化粧品によく使用されている。例えば、アゼライン酸は一般的化粧用原料である、且つ抗ニキビと美白作用を持つ。しかし、アゼライン酸は化粧品の基質に溶解し難いので、これは皮膚浸透率に影響して、それによって化粧品の調製ことを困難になることである。
【0003】
より良い化粧用の材料を開発するために、肌の美白作用と化粧品の基質への溶解性は、同時に考慮されなければならない。このように、カルボキシル基を有する化合物は、相次いで合成される。しかし、一般に市販の美白品が水溶液であるとき、彼らの水溶性はまだ満たされない。たとえば、カルボキシル基を有する非塩性固形物は水溶液に成り難い。したがって、非塩性固形物が用途に制限されて、使用上に不都合である。
【0004】
そのような問題を解決するために、固形塩類は、開発において非常に重要になる。たとえば、特許文献1はα―アミノ酸と無毒性カチオンの構造から構成して、カルボキシル基を有する塩類化合物を明らかにした、そこで、その水溶性はイオン分離からある。つまり、使用中の間、固形原料は溶媒に溶解すべき、次に、他の化粧品用原料を混ぜ合わせられる。このように、固形原料は、直接他の材料を混ぜ合わせられることができないので、使用上に不便である。
【0005】
現在では、前記のカルボキシル基を有する化合物の水溶性がまだ満たされないから、カルボキシル基を有する化合物はまだ開発中である。上記の説明からみれば、新しい水溶性カルボキシル基を有する化合物の開発が重要なことである。
【0006】
【特許文献1】国際公開番号WO2006010590A1。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の問題に対して、本発明は、産業の需要を満たすために、カルボキシル基とアミド基を有する化合物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般式(1):
【化15】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されて、
カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性を促し、前記カルボキシル基と前記アミド基末端のアミノ基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化16】


【化17】

に表示されることを特徴とする、カルボキシル基とアミド基を有する化合物を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物は、従来の固形塩類原料と比較して、より良い水溶性を持ち、広い領域に応用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物に対して具体的に説明する。本発明の好ましい実施例は詳細に説明されるが、本発明は以下の詳細な記述のほかに、広くその他の実施例で実施可能であり、且つ本発明の範囲は以下の説明により制限されず、請求項の記載に準じるものとする。
【0011】
本発明の第一実施形態はカルボキシル基とアミド基を有する化合物を開示し、それは、一般式(1):
【化18】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されるカルボキシル基とアミド基を有する化合物である。前記炭素原子数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの直鎖状アルキル基が挙げられる。前記炭素原子数1〜6の分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル、イソブチル、イソペンチルなどの分岐鎖状アルキル基が挙げられる。前記カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性である。カルボキシル基とアミド基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化19】


【化20】

に表示される二つ場合がある。一番目の場合は二つ分子間で発生し、ある分子のカルボキシル基の負の部分電荷(δ-)が他の分子のアミド基末端のアミノ基に引き寄せられている、しかし、二番目の場合は一分子内で発生すること、つまり、一分子内にカルボキシル基とアミド基が互いに引き寄せられている。上述の化合物は水に溶かし易いので、簡単に水溶液または油-水混合溶液(w/o、または、o/w)(例えば乳剤または油-水分離溶液)を成ることができる。本発明によるカルボキシル基とアミド基を有する化合物の水溶解度が5%以上である、好ましくは15%以上である。他の従来の固形塩類化合物と比較して、上述の化合物は予め溶解工程を必要としなくて、直接使われることができるが、確かに予め溶解工程を経ることもできる。
【0012】
本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物は、その具体例として、例えば、
式(2):
【化21】

で表示される9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸(9-(3-Dimethylamino-propylcarbamoyl) nonanoic acid)、
式(3):
【化22】

で表示される9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸(9-(2-Dimethylamino-ethylcarbamoyl) nonanoic acid)、
式(4):
【化23】

で表示される9−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸(9-(2-Diisopropylamino-ethylcarbamoyl) nonanoic acid)、
式(5):
【化24】

で表示される8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸(8-(3-Dimethylamino-propylcarbamoyl)-octanoic acid)、
式(6):
【化25】

で表示される8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸(8-(2-Dimethylamino-ethylcarbamoyl) octanoic acid)、
式(7):
【化26】

で表示される8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸(8-(2-Diisopropylamino-ethylcarbamoyl) octanoic acid)が挙げられる。
【0013】
本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物は化粧品と、スキンケア用品と、美白品と、サンブロック用品と、洗浄品と、医薬用途と皮膚科用途などに応用されることは好ましい。
【0014】
本発明の第二実施形態はカルボキシル基とアミド基を有する化合物を開示し、それは、
【化27】


【化28】


の反応から生成され、一般式(1):
【化29】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されるカルボキシル基とアミド基を有する化合物である。前記カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性である。カルボキシル基とアミド基末端のアミノ基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化30】


【化31】

表示される二つ場合がある。
【0015】
上述の化合物は水に溶かし易いので、簡単に水溶液または油-水混合溶液(w/o、または、o/w)(例えば乳剤または油-水分離溶液)を成ることができる。本発明によるカルボキシル基とアミド基を有する化合物の水溶解度が5%以上である、好ましくは15%以上である。他の従来の固形塩類化合物と比較して、上述の化合物は予め溶解工程を必要としなくて、直接使われることができるが、確かに予め溶解工程を経ることもできる。上述の本発明による化合物を使用するとき、二つ方法があり、つまり、(1)化合物が原料溶液に直接添加される、又は(2)原料溶液に添加される前に化合物溶液をなる。
【0016】
本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物は化粧品と、スキンケア用品と、美白品と、サンブロック用品と、洗浄品と、医薬用途と皮膚科用途などに応用されることは好ましい。
【0017】
本発明の第三実施形態はカルボキシル基とアミド基を有する化合物の合成方法を開示し、前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物は一般式(1):
【化32】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示される。
【0018】
カルボキシル基とアミド基を有する化合物の合成反応は次のとおり
【化33】

示す。上述の合成方法は更に撹拌工程を含む、なお更に加熱工程を含む。
【0019】
上記ではnが6〜10の整数を表し、mが2〜4の整数を表し、RとRが同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。Rは水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。前記カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性である。本発明によるカルボキシル基とアミド基を有する化合物の水溶解度が5%以上である、好ましくは15%以上である。
【0020】
本発明の第四実施形態はカルボキシル基とアミド基を有する化合物を含む化粧品を開示し、それは、一般式(1):
【化34】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されるカルボキシル基とアミド基を有する化合物を含有する化粧品。前記カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性である。カルボキシル基とアミド基末端のアミノ基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化35】


【化36】

表示される二つ場合がある。
【0021】
アゼライン酸と比較して、前記本発明の化合物は良い水溶性である、水に溶かし易い。本発明の化合物を使用するとき、水溶液または油-水混合溶液(w/o、または、o/w)の状態で使用できる。他の従来の固形塩類化粧品原料と比較して、上述の合成物は一つの原料だけとして単に使われることができるか、他の原料を混ぜ合わせられることができる。他の原料を混ぜ合わせられる場合は、上述の合成物が液体原料の混成に直接加えられることができるか、溶媒で溶かされることができて、それから、他の原料に混ざることもできる。どちらの方法でも、使われることができる。
【0022】
前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物は、その具体例として、例えば、
式(2):
【化37】

で表示される9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸、
式(3):
【化38】

で表示される9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸、
式(4):
【化39】

で表示される9−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸、
式(5):
【化40】

で表示される8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸、
式(6):
【化41】

で表示される8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸、
式(7):
【化42】

で表示される8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸が挙げられる。
【実施例】
【0023】
8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸の合成:
【化43】

【0024】
アゼライン酸(100g、0.532モル)はメタノール(100mL)に溶かされた、それから、硫酸(H2SO4)は反応容器に加えられた。還流温度で3時間反応させる。反応後、メタノールは蒸発によって取り除かれる。粗製混合物には水を添加し、酢酸エチルで抽出されて生成物を得て、それから、減圧蒸留でジメチルアゼラートを得る。ジメチルアゼラート(100g、0.462モル)はメタノール(100mL)に溶かされ、それから、Ba(OH)2・8H2O(58.5g、0.185モル)は反応容器へ注がれる。混合物は、45°Cで一晩、反応させる。反応後、Ba-塩はメタノールで洗われて、それから、塩酸(HCl)によって酸性化されて、モノメチルアゼラートを得る。
【0025】
それから、モノメチルアゼラート(10g、0.0495モル)とN-ヒドロキシコハク酸イミド(N-Hydroxysuccinimide)(6.26g、0.0544モル)は、THFに溶かされた。ジシクロヘキシルカルボジイミド(Dicyclohexylcarbodiimide)(12.24g、0.0592モル)とTHFの溶液は、反応容器へ注がれた。室温で一晩反応して、ジシクロヘキシル尿素(DCU;Dicyclohexylurea)はフィルタで取り除かれた。ジメチルアミノプロピルアミン(5.5g、0.0544モル)は、反応容器に加わられて、一晩反応された。溶媒を除去して、酢酸エチル/H2Oで抽出された。蒸発の後、8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸メチルを得た。8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸メチルは、メタノールに溶かされて、さらにNaOH/メタノール(1N、50ml)に溶かされた。混合物は室温で3〜6時間撹拌されて、真空の下で濃縮された。残りは、HCl/酢酸エチル(1N、55ml)で酸性化された。粗製品はカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/メタノール)で精製された。そして、[8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸-ハイドロクロライド]を得た。
【0026】
成分分析:
8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸(I)の化学式は次のとおり示す。
【化44】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が258である(図5を参照)。NMRスペクトルによって、1H: 1.33, b, 6H, 1.58~1.61, b, 4H, 2.14〜2.20, m, 4H, 2.62~2.65, t, 2H, 3.30~3.38, t, 2H, 4.94~4.95, b, 1H(図2を参照)。
8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸(II)の化学式は次のとおり示す。
【化45】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が314である(図4を参照)。NMRスペクトルによって、1H: 1.32, 1.33,1.35, 3s, 12H, 1.40~1.41, m, 6H, 1.60~1.61, b, 4H, 2.24~2.27, m, 4H, 3.20~3.26, m, 2H, 3.54~3.57, t, 2H, 3.78~3.80, m, 2H, 4.88, b, 1H(図1を参照)。
8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸(III)の化学式は次のとおり示す。
【化46】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が272である(図6を参照)。NMRスペクトルによって、1H:1.33, b, 6H, 1.57~1.63, m, 4H, 1.84~1.90, m, 2H, 2.14~2.21, m, 4H, 2.68, s, 6H, 2.90~2.93, s, t, 2H, 3.23~3.25, t, 2H, 5.15, s, 1H(図3を参照)。
9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸(IV)の化学式は次のとおり示す。
【化47】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が272である(図10を参照)。NMRスペクトルによって、1.3-1.4,s, 8H; 1.49-1.62,m, 4H; 2.0-2.24,m, 4H; 2.8,s, 6H; 3.1,t,2H; 3.5,m, 2H; 4.8,s, 1H(図7を参照)。
9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸(V)の化学式は次のとおり示す。
【化48】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が286である(図11を参照)。NMRスペクトルによって、1.2,s, 8H; 1.46-1.50,m, 4H; 1.7,m, 2H; 2.0,t, 2H; 2.1,t, 2H; 2.6,s, 6H; 2.8,t, 2H; 3.0,m, 2H; 7.9,s, 1H; 11.4,s, 1H(図8を参照)。
9−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸(VI)の化学式は次のとおり示す。
【化49】

Mass-ESIスペクトルによって、分子量が328である。
【0027】
マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)(ドーパを基質とし):
予備:L−ドーパ(L-Dopa;L-3,4-dihydroxyphenylalanine; 1mg/mL)はpH=6.5の緩衝液に溶かされた。試料は水に溶かされて、2%水溶液になった。
方法:900μLのL−ドーパ溶液は100μLの試料溶液(または空白溶液)に加えられて、紫外可視分光光度計(Thermal Spectronic)で475nmで(As0またはAb0)測定された。15μLのマッシュルーム・チロシン緩衝液は、混合溶液に加えられた。3分間の反応後、混合溶液は紫外可視分光光度計(Thermal Spectronic)で測定された(As3またはAb3)。(図12を参照)
計算:

【0028】
【表1】

マッシュルーム・チロシナーゼの抑制(ドーパを基質とし)
【0029】
マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)(チロシンを基質とし):
予備:チロシン(5mg/mL)はpH=6.5の緩衝液に溶かされた。試料は水に溶かされて、2%水溶液になった。
方法:900μLのチロシン溶液は100μLの試料溶液(または空白溶液)に加えられて、紫外可視分光光度計(Thermal Spectronic)で492nmで(As0またはAb0)測定された。40μLのマッシュルーム・チロシン緩衝液は、混合溶液に加えられた。60分間の反応後、混合溶液は紫外可視分光光度計(Thermal Spectronic)で測定された(As60またはAb60)(図13を参照)。
計算:

【0030】
【表2】

マッシュルーム・チロシナーゼの抑制(チロシンを基質とし)
【0031】
【表3】

水溶解度
【0032】
以上の実施例は本発明を説明するために提示されたものであり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の要旨より離脱せずに当業者がなしうる各種の変更或いは修飾することは、本発明の請求範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(II)8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸のH-NMRスペクトルを示す図である。
【図2】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(I)8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸のH-NMRスペクトルを示す図である。
【図3】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(III)8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸のH-NMRスペクトルを示す図である。
【図4】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(II)8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図5】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(I)8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図6】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(III)8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図7】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(IV)9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸のH-NMRスペクトルを示す図である。
【図8】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(V)9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸のH-NMRスペクトルを示す図である。
【図9】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(VI)9−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図10】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(IV)9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図11】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(V)9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸のMass-ESIスペクトルを示す図である。
【図12】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(I)8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸と、(II)8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸と、(III)8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸と、(IV)9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸と、(V)9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸とのマッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(ドーパを基質とし)結果を示す図である。
【図13】本発明のカルボキシル基とアミド基を有する化合物が(I)8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸と、(II)8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸と、(III)8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸と、(IV)9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸と、(V)9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸とのマッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(チロシンを基質とし)結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】


(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されて、
カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性を促し、前記カルボキシル基と前記アミド基末端のアミノ基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化2】



【化3】

に表示されることを特徴とする、カルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項2】
化粧品と、スキンケア用品と、美白用品と、サンブロック用品と、洗浄用品と、医薬用途と皮膚科用途に応用できることを特徴とする請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項3】
式(2):
【化4】

で表示される9−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)ノナン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項4】
式(3):
【化5】

で表示される9−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項5】
式(4):
【化6】

で表示される9−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)ノナン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項6】
式(5):
【化7】

で表示される8−(3−ジメチルアミノ−プロピルカルバモイル)オクタン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項7】
式(6):
【化8】

で表示される8−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項8】
式(7):
【化9】

で表示される8−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)オクタン酸である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項9】
カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せられて、それによって、化合物の水溶解度が5%以上である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項10】
ドーパを基質とし、マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)で前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物のチロシナーゼ活性抑制率は30%以上である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項11】
チロシンを基質とし、マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)で前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物のチロシナーゼ活性抑制率は60%以上である請求項1記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項12】
【化10】


【化11】


の反応から生成され、一般式(1):
【化12】

(式中、nは6〜10の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、R1とR2は同じ、それぞれ、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す)で表示されて、
カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、前記アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せあって四級アンモニウム塩の構造を形成することで化合物の水溶性を促し、前記カルボキシル基と前記アミド基末端のアミノ基が互いに引き寄せられる状態は次のとおり:
【化13】


【化14】

に表示されることを特徴とする、カルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項13】
化粧品と、スキンケア用品と、美白用品と、サンブロック用品と、洗浄用品と、医薬用途と皮膚科用途に応用できることを特徴とする請求項12記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項14】
カルボキシル基は負の部分電荷(δ-)を有し、アミド基末端のアミノ基とカルボキシル基が互いに引き寄せられて、それによって、化合物の水溶解度が5%以上である請求項12記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項15】
ドーパを基質とし、マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)で前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物のチロシナーゼ活性抑制率は30%以上である請求項12記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。
【請求項16】
チロシンを基質とし、マッシュルーム・チロシナーゼ・テスト(mushroom tyrosinase test)で前記カルボキシル基とアミド基を有する化合物のチロシナーゼ活性抑制率は60%以上である請求項12記載のカルボキシル基とアミド基を有する化合物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−57662(P2011−57662A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127120(P2010−127120)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(510154028)新▲うぃ▼生技股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】