説明

カートリッジ収納装置

【課題】簡単な構成で、容易にカートリッジの誤挿入を防止することができるカートリッジ収納装置を提供する。
【解決手段】カートリッジ収納装置10を、挿入されたカートリッジ50を収納するスロット11と、スロット11に設けられカートリッジ50を出入り口11D側に常時押出す定荷重バネ20と、スロット11の一側面の内側に設けられ左右方向に往復移動可能とされカートリッジ50を正常な姿勢で係止し、非正常な姿勢で係止しないように機能する位置決め機構12と、一端部が位置決め機構12に付勢されてカートリッジ50の挿入方向Aに沿ってスライドするスライド部材15と、スライド部材15に付勢されて左右方向に移動してカートリッジ50を保持しまたは保持を解除するストッパ部材16と、ストッパ部材16をカートリッジ50側に常時付勢する板バネ17と、を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ収納装置に係り、さらに詳しくは、1個または複数のカートリッジを収納する収納体において、誤った方向で挿入されたカートリッジを保持しないことでカートリッジの誤挿入を防止するカートリッジ収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カセット自動装填装置のカセット保留室内に、オペレータ側およびカセット移送機構のいずれからでも、カセットを挿入および排出することができるカセット保留装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、オペレータがカセット保留室内にカセットを誤挿入した場合、そのカセットをカセット保留室内からオペレータ側に直ちに排出することができるような構成が開示されている。
【0003】
また、カートリッジの挿入時に誤挿入を防止するカートリッジ誤挿入防止装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2では、凹みが設けられたカートリッジの挿入通路にカートリッジの周辺に接して応動する第1の摺接子と、凹みに接して応動する第2の摺接子と、第1の摺接子の変位を検出する第1の検出手段と、第2の摺接子の変位を検出する第2の検出手段とが設けられ、これらの検出手段が作動するタイミングによりカートリッジの誤挿入を検出する構成が開示されている。
【0004】
さらに、カートリッジを複数巻収納する場合に、カートリッジ誤挿入を防止するテープカートリッジオートローダーのマガジンが知られている(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献3では、一方の入り口からカートリッジを挿入し、他方の出口からカートリッジを取り出す構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−239460号公報
【特許文献2】特開平09−204727号公報
【特許文献3】特開平11−045534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に開示されたカセット保留装置では、一つのカセットに一巻のカートリッジが収納されたもので、複数個の棚枠がカセット移送機の移動スペースの両側に沿って2列に並べられており、それぞれの棚枠に、上下多数段のカセット収納棚が設けられた構成である。そのため、高さ方向のスペースが多く必要となる。そして、この構成では、マガジンを収納するラックの高さが一定に抑えられた定格のテープライブラリ(オートローダ)装置には適用できない。
【0007】
前記特許文献2に開示されたカートリッジ誤挿入防止装置では、誤挿入を検知してカートリッジを排出させるために、マイクロスイッチやモータ等の電気的な仕組みを用いるため、機構が複雑になるという課題がある。
【0008】
前記特許文献3に開示されたテープカートリッジオートローダーのマガジンでは、一方の入り口からカートリッジを挿入し、他方の出口からカートリッジを取り出す構造であり、入り口と出口との構造をそれぞれ別構造としなければならない。そのため、構造が複雑となり、製作の手間も多くかかる。
また、最初に正しい方向でカートリッジを挿入してから間隔をあけずに誤方向のカートリッジを挿入した場合、誤挿入を防止することができないという課題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で、容易に且つ自動的にカートリッジの誤挿入を防止することができるカートリッジ収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明のカートリッジ収納装置は、出入り口から挿入されたカートリッジを収納する収納空間を有する収納体と、この収納体に設けられ前記挿入されたカートリッジを前記出入り口側に常時押出すカートリッジ押出し機構と、前記収納体の内部で当該収納体の一側面の内側に設けられ当該一側面と直交する方向に往復移動可能とされ、前記カートリッジが正常な姿勢で挿入されたとき係合し非正常な姿勢で挿入されたとき係合しないように機能する位置決め機構と、一端部が前記位置決め機構に付勢されて前記カートリッジの挿入方向に沿ってスライドするスライド部材と、このスライド部材に付勢されて当該スライド部材のスライド方向と直交する方向に移動して前記カートリッジを保持し又は保持状態を解除するストッパ部材と、このストッパ部材を前記出入り口側に常時付勢するストッパ付勢手段と、を備えて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカートリッジ収納装置は以上のように構成されているので、これによれば、収納体の収納空間にカートリッジが正常な姿勢で挿入されたときは、そのカートリッジに位置決め機構が係合するので、容易に保持できる。
これに対して、カートリッジが非正常な姿勢で挿入されたとき、そのカートリッジに位置決め機構が係合せず、また、ストッパ部材がカートリッジを保持できないように作用する。一方、挿入されたカートリッジはカートリッジ押出し機構の作用により常時出入り口側に押出されているので、非正常な姿勢で挿入されたカートリッジは出入り口から排出される。その結果、簡単な構成で、容易に且つ自動的にカートリッジの誤挿入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のカートリッジ収納装置の第1実施形態を示す一部断面の全体平面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】前記第1実施形態の主要構成部材の動きを示す図である。
【図4】前記第1実施形態の要部の詳細を示す平断面図である。
【図5】前記図4の状態から変化した状態を示す平断面図である。
【図6】前記図5におけるVI矢視図である。
【図7】前記第1実施形態でカートリッジが正常な姿勢で挿入される際の途中の状態を示す一部断面の平面図である。
【図8】前記第1実施形態でカートリッジが非正常な姿勢で挿入された状態を示す一部断面の平面図である。
【図9】本発明のカートリッジ収納装置の第2実施形態で2枚のカートリッジが正常な姿勢で挿入された状態を示す一部断面の全体平面図である。
【図10】前記図9におけるX−X線に沿った縦断面図である。
【図11】前記第2実施形態で1枚目のカートリッジが非正常な姿勢で挿入され、2枚目のカートリッジが正常な姿勢で挿入された状態を示す一部断面の平面図である。
【図12】前記第2実施形態で1枚目のカートリッジが正常な姿勢で挿入され、2枚目のカートリッジが非正常な姿勢で挿入された状態を示す一部断面の平面図である。
【図13】本発明のカートリッジ収納装置の第3実施形態を示す一部断面の全体平面図である。
【図14】前記第3実施形態でカートリッジが正常な姿勢で挿入される際の途中の状態を示す一部断面の平面図である。
【図15】前記第3実施形態でカートリッジが非正常な姿勢で挿入された状態を示す一部断面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明のカートリッジ収納装置の実施形態を説明する。
図1〜図8には第1実施形態が示されている。
本発明のカートリッジ収納装置(以下、単に収納装置という)10は、収納体であるスロット11のカートリッジ用出入り口11Dからカートリッジ50が正常な姿勢で挿入されたときは、そのまま保持し、カートリッジ50が誤挿入、つまり非正常な姿勢で挿入されたときは、そのカートリッジ50を上記出入り口11Dから自動的に排出することでカートリッジ50の誤挿入を防止しようとするものである。
【0014】
図1、図2には、収納装置10の収納空間S内にカートリッジ50が正常な姿勢で収納された状態が示されている。
【0015】
ここで、図1において、カートリッジ50の挿入方向を矢印Aで表すと共にカートリッジ50の排出方向を矢印Bで表し、挿入方向Aおよび排出方向Bと直交する方向を矢印Cで表しこれを左右方向とする。
また、図1において、下側をスロット11の前方側、上側をスロット11の後方側とする。そして、上記出入り口11Dはスロット11の前方側に形成されている。
【0016】
図1、図2に示すように、収納装置10は、全体が薄型箱形状の前記スロット11を備えて構成され、カートリッジ50は、スロット11の出入り口11Dから挿入され、正常な姿勢の場合は、上記収納空間S内に収納されるようになっている。
【0017】
スロット11は、上面部11A、底面部11B、3面の側面部11C、および開口された1側面を有して形成され、その開口部が上記出入り口11Dとなっている。
また、上記上面部11A、底面部11B、3面の側面部11Cで囲まれた空間がカートリッジ50を収納する収納空間Sを構成している。
【0018】
カートリッジ50は、出入り口11Dから正常な姿勢で挿入され、スロット11の収納空間S内を挿入方向Aに沿って後方側に所定距離スライドしたとき、所定位置に保持される。また、出入り口11Dから非正常な姿勢で挿入されたときは、その出入り口11Dから自動的に排出されるようになっている。
【0019】
カートリッジ50には、そのカートリッジ50が正常な姿勢で挿入される際の指標となる方向マーク50Bが挿入方向Aの先端部表面に記されている。また、カートリッジ50の挿入方向Aに沿い且つ方向マーク50Bの左側角部には、三角形に切り欠かれた切除部50Aが形成されている。
【0020】
スロット11には、上記カートリッジ50を所定位置に位置決め固定する位置決め機構12と、この位置決め機構12に付勢されカートリッジ50の挿入方向Aおよび排出方向Bに沿ってスライドするスライド部材15と、このスライド部材15の動きに連動して前記左右方向Cにスライドするストッパ部材16と、カートリッジ50を常時出入り口11D側に押し出すように作用するカートリッジ押出し機構を構成する定荷重バネ20とが設けられている。
【0021】
位置決め機構12とスライド部材15とはスロット11の溝部11E(図4〜図6も参照)内に収納されるようになっており、この溝部11Eは、スロット11においてカートリッジ50の挿入方向Aに沿った一方側の側面内壁に形成されている。
溝部11Eは、図6に示すように、上記一方側の側面内壁の幅方向両側にガイド部11Fを設けた形状の断面凹状に形成されている。
そして、溝部11Eは、前記出入り口11Dから前記後方側に向かってカートリッジ50の長さ寸法に略対応する位置まで延びた長さに形成されている。
【0022】
位置決め機構12は、図1、図4、図5に示すように、溝部11Eにおけるスロット11の後方側端部に設けられている。
位置決め機構12は、カートリッジ50の前記切除部50Aと係合する断面山形状の突起部材13と、この突起部材13を溝部11Eの内壁から図4に示すように矢印C1方向に突出するように付勢する突出付勢手段である圧縮バネ14とで構成されている。
【0023】
突起部材13は、断面略山形状に形成されており、頂点が挿入方向Aと直交するように、つまり、断面山形状の二辺の端部を結ぶ線が上記溝部11Eの壁面と平行になるように配置され、その状態で、平常時には、矢印C1で示すように、溝部11Eの内壁から前記収納空間S側に突出している。
また、突起部材13は、カートリッジ50のスライドによりその側面に押圧されたときは、図5に示すように、圧縮バネ14の付勢力に抗して矢印C2で示すように、溝部11E側に押され且つその溝部11E内に収納されるようになっている。つまり、突起部材13は、前記左右方向Cに沿って往復移動できるようになっている。
また、圧縮バネ14は、その一端が上記溝部11Eの底面に固着され、他端が突起部材13に固着されている。
【0024】
前記スライド部材15は、溝部11E内を挿入方向Aおよび排出方向Bに沿ってスライド可能な縦長の板状に形成され、このスライド部材15におけるスロット11の後方側の一端部は前記突起部材13と係合可能となっている。
すなわち、スライド部材15の一端部は、溝部11Eの内壁から前記出入り口11D側に向かって低くなる傾斜面15Aに形成されており、この傾斜面15Aと上記突起部材13の前方側の一端部とが係合可能となっている。そのため、前述のように、スライド部材15は、カートリッジ50のスライドにより突起部材13が押圧されて溝部11Eの内壁側に移動する動きに連動し、つまり突起部材13に付勢され、矢印B方向に沿ってスライドする。
【0025】
前記ストッパ部材16は、スライド部材15の他端と係合すると共に、そのスライド部材15のスライド運動に連動して前記左右方向Cにスライド自在となっている。
すなわち、ストッパ部材16は、図6に示すように、スロット11の一方側の側面の幅寸法より大きな寸法の長さと、図4に示すように、通常時において、一端面が一方側の側面と同一線上に位置すると共に、他端部の端面がスライド部材15を越えて所定寸法延びて形成されている。そして、この延設部の出入り口11D側の端面、つまり内側端面にカートリッジ50が当接することで保持されるようになっている。
【0026】
また、図4、図5に示すように、ストッパ部材16のカートリッジ50側端部には傾斜面16Aが形成されている。この傾斜面16Aは、前記溝部11Eの内側の側面に対応する上端面からスロット11の前方側に向かって低くなる傾斜に形成されている。
【0027】
傾斜面16Aは、図4に示すように、スライド部材15がスライドしない初期状態から、図5に示すように、スライド部材15がスライドした状態に至るとき、スライド部材15の平坦な他端部に押されてストッパ部材16の傾斜面16Aが左側にスライドして開いた状態となり、これにより、カートリッジ50が前記出入り口11Dから排出されるようになっている。
【0028】
このようなストッパ部材16は、前述のように左右方向Cにスライド自在とさせるために、ストッパ付勢手段である板バネ17により常時スロット11の内方側に付勢されている。
すなわち、図4、図5に示すように、板バネ17はストッパ部材16の外側端部とスロット11の一方側の側面外側とにわたって架けわたされている。この板バネ17は、図6に示すように、一方側の側面の幅寸法と略同じ幅寸法に形成されている。
【0029】
ここで、カートリッジ50の挿入方向Aに沿った長さ寸法(縦寸法という)と、位置決め機構12の突起部材13と、スライド部材15と、ストッパ部材16との寸法的な相互関係を説明する。
カートリッジ50の縦寸法は、図1、図4に示すように、カートリッジ50の後端面がストッパ部材16の前記内側端面に当接し保持されているとき、スライド部材15の他端部はストッパ部材16の上記内側端面と同一線上にあり、スライド部材15の一端の傾斜面15Aは、突起部材13の一辺の傾斜面13Aと重なる位置にまで延びている。
また、突起部材13の傾斜面13Aは、正常な姿勢で挿入された際のカートリッジ50の切除部50Aと係止し合えるようになっており、これにより、カートリッジ50の位置決めが可能となっている。
【0030】
前記定荷重バネ20は、図2、図3に詳細を示すように、スロット11の前記収納空間S内に配置されている。
この定荷重バネ20は、そのストロークが長くても、短くても、常に一定の力で、引き出したり押し出したりできるように構成されたものである。
定荷重バネ20は、バネ収納部20Aと、このバネ収納部20Aに巻着収納されたバネ部20Bとで構成されている。そして、引き出されたバネ部20Bの先端取付け部20Cがスロット11の前記上面部11Aの裏面で出入り口11D寄りに固着され、バネ収納部20Aがスロット11の内部空間S内に移動フリーの状態で収納されている。
【0031】
従って、出入り口11Dからカートリッジ50を挿入し、且つ押し込むと、そのカートリッジ50の挿入方向先端部に押されて、バネ部20Bおよびバネ収納部20Aが挿入方向Aに沿って移動するようになる。
【0032】
ここで、スロット11の内部空間Sと挿入されるカートリッジ50との間には、そのカートリッジ50の厚さ方向に所定間隔の隙間S1(図2参照)が設定されており、その隙間S1内を上記バネ部20Bが引き出されるようになっている。従って、バネ部20Bの引き出しがカートリッジ50の移動の邪魔をすることがない。
そして、定荷重バネ20の付勢力により、固着されている先端取付け部20Cでバネ収納部20Aが常時出入り口11D側に引張られるようになっている。つまり、定荷重バネ20は、カートリッジ50を常時一定の力で出入り口11D側に押し出すように作用している。
【0033】
次に、以上のような構成の収納装置10の作用を説明する。
【0034】
まず、図7に基づいて、スロット11内に正常な姿勢でカートリッジ50が挿入される場合を説明する。
【0035】
カートリッジ50が挿入される前の状態、つまり収納装置10の初期状態では、スロット11のストッパ部材16が板バネ17の付勢力により左右方向Cの右側に移動しており、出入り口11Dの一部を塞ぐように閉じられた状態である(図1参照)。
また、定荷重バネ20は、固着された先端取付け部20Cに引張られてバネ収納部20Aがその先端取付け部20Cで支持され、且つ収納空間S内に移動フリーの状態で位置している。
【0036】
以上のような初期状態でカートリッジ50を挿入するには、当該カートリッジ50の挿入方向Aに沿った一側面をストッパ部材16の内側端面に押し当て、ストッパ部材16を板バネ17の付勢力に抗して、矢印C2で示すように、左右方向Cの左側にスライドさせて開いた状態にし、押し当てたままの状態でカートリッジ50を出入り口11Dから挿入して押し込む。
【0037】
カートリッジ50が、定荷重バネ20の付勢力に抗して挿入方向Aに沿って所定距離押し込まれると、カートリッジ50の先端に押されて、バネ部20Bおよび定荷重バネ20のバネ収納部20Aも挿入方向Aに沿って移動する。
図7の状態からカートリッジ50がさらに押し込まれると、そのカートリッジ50の切除部50Aがスロット11の側面内壁から収納空間Sに向いて突出している位置決め機構12の突起部材13に係止する。
【0038】
カートリッジ50の切除部50Aが突起部材13に係合しながらさらに押し込まれ、切除部50Aが完全に突起部材13と当接した時点で、カートリッジ50の一側面とストッパ部材16の前記内側端面との係合が外れる。
【0039】
すると、板バネ17の付勢力によりストッパ部材16が、矢印C1(図4参照)に沿って左右方向Cの右側方向にスライドして初期位置に復帰する。一方、位置決め機構12の突起部材13に係合しているカートリッジ50は、定荷重バネ20の付勢力によって出入り口11D側に押圧される。しかし、ストッパ部材16が初期位置に復帰していて出入り口11Dが閉じられた状態となっているので、カートリッジ50はストッパ部材16でストップされ、且つそのストッパ部材16の内側端面にカートリッジ50が当接し、これにより、カートリッジ50はスロット11の収納空間S内に保持される。そして、この状態が、前記図1に示した状態である。
【0040】
前述のように、スロット11内に正常な姿勢で挿入されたカートリッジ50を取り出す場合は、操作者が、板バネ17の付勢力に抗してストッパ部材16開き、カートリッジ50が出入り口11Dから排出可能な状態とし、引き続き、定荷重バネ20で押されているカートリッジ50を取り出せばよい。
【0041】
次に、図8に示すように、スロット11内にカートリッジ50が非正常な姿勢で挿入され、つまり誤挿入された場合の説明をする。
この場合も、最初に、ストッパ部材16が初期位置にある状態から、カートリッジ50の切除部50Aのない端面をストッパ部材16の内側面に押し当てたままの状態で、スロット11内に挿入し、且つ押し込む。
【0042】
しかし、誤挿入された場合、スライド部材15と当接しているカートリッジ50の側面には切除部50Aがないので、その側面に押されて突起部材13が溝部11E側に移動し、かつその溝部11E内に収納される。突起部材13の溝部11E内への移動により、当該突起部材13の一端部の傾斜面13Aにスライド部材15の傾斜面15Aが係合し、且つ突起部材13に付勢されてスライド部材15が排出方向Bに沿って出入り口11D側にスライドする。
【0043】
すると、スライド部材15のスライド運動に連動してストッパ部材16が矢印C2方向に沿って左方向にスライドして開き、これにより、カートリッジ50が出入り口11Dから排出可能な状態となる。
一方で、カートリッジ50と定加重バネ20とは係合状態であり、カートリッジ50は定加重バネ20の付勢力によりスロット11の前方側に押されているので、ストッパ部材16が開いた状態のスロット11の出入り口11Dから自動的に排出される。
【0044】
以上のような構成の収納装置10によれば、次のような効果が得られる。
(1)スロット11の収納空間Sにカートリッジ50が正常な姿勢で挿入されたときは、そのカートリッジ50に位置決め機構12の突起部材13が係止し、同時にストッパ部材16が作用するので、カートリッジ50を容易に保持できる。
【0045】
(2)スロット11の収納空間Sにカートリッジ50が非正常な姿勢で挿入されたときは、そのカートリッジ50に位置決め機構12の突起部材13が係止せず、また、ストッパ部材16が外側に開くので、カートリッジ50は保持されない。一方、挿入されたカートリッジ50は定荷重バネ20により、常時出入り口11D側に押出されるようになっているので、非正常な姿勢で挿入されたカートリッジは出入り口11Dから排出される。その結果、簡単な構成で、容易に且つ自動的にカートリッジ50の誤挿入を防止することができる。
【0046】
(3)位置決め機構12が、突起部材13と圧縮バネ14とで構成され、突起部材13がスロット11の一方側の側面に形成された溝部11Eと収納空間Sとの間で往復移動することで、カートリッジ50を係止状態または非係止状態、つまり排出状態とすることができる。その結果、位置決め機構12を簡単な構成とすることができる。
【0047】
(4)位置決め機構12における突起部材13の左方向C2への移動に付勢されてスライド部材15が挿入方向Aに沿って出入り口11D側にスライドし、さらに、このスライド部材15に連動してストッパ部材16が、矢印C2で示すように、左右方向Cの左側に移動し、カートリッジ50を保持できないような構成されているので、簡単な構成で、誤挿入されたカートリッジ50を排出することができる。
【0048】
(5)位置決め機構12、スライド部材15およびストッパ部材16が連動することでカートリッジ50が排出可能とされ、ストッパ部材16でカートリッジ50を保持するためには、板バネ17でストッパ部材16を、矢印C1で示すように、出入り口11Dを閉じる方向に常時付勢することで可能となっているので、簡単な構成とすることができる。
【0049】
(6)スライド部材15がスロット11の溝部11E内に収納され、位置決め機構12の突起部材13も当該突起部材13が後退したとき溝部11E内に収納され、スロット11における一方側の側面の内壁面から突出しないようになっているので、スロット11の内側寸法を大きくしなくてすむ。
【0050】
(7)スライド部材15がスロット11の溝部11E内に収納され、スライド時には溝部11Eのガイド部11Fでガイドされる。その結果、安定したスライドが可能となる。
【0051】
(8)スロット11の上面部11Aの裏面に定加重バネ20が設けられ、この定加重バネ20がカートリッジ50を常時一定の力で前方に押し出すように作用しているので、カートリッジ50が誤挿入されたとき、安全に且つ自動的に排出することができる。
【0052】
次に、図9〜図12に基づいて、本発明の収納装置の第2実施形態を説明する。
本第2実施形態の収納装置30は、収納体であるスロット31内に複数のカートリッジ50、具体的には3枚のカートリッジ50,51を収納できるように構成したものである。なお、図9〜図12では、スロット31が、3枚のカートリッジ50を収納できる大きさに形成されているが、実際には2枚のカートリッジ50,51が収納された状態で説明する。
【0053】
この収納装置30では、上述のように、2枚のカートリッジ50,51と図示しない1枚のカートリッジを収納できるようになっているので、スロット31の大きさと、溝部31Dの長さとがそれぞれに対応できるようになっており、溝部31Dに3枚のスライド部材15,35,36が配置されるようになっている。
なお、本第2実施形態の収納装置30では、上記構造が前記第1実施形態の収納装置10と異なっているのみであり、その他の構成は同じである。
従って、本第2実施形態の収納装置30において第1実施形態の収納装置10における各構成部材と同一のものについては、同一符号を付すと共に、異なる構成部材、機構のみを詳細に説明する。
【0054】
図9、図10に示すように、スロット31は、3枚のスライド部材15,35,36と3個の前記位置決め機構12とを挿入方向Aに沿って直列状態で収納できる大きさに形成されている。
スロット31は、上面部31A、底面部31B、3面の側面部31C、および開口された1側面を有して形成され、その開口部が出入り口31Dとなっている。
また、上記上面部31A、底面部31B、3面の側面部31Cで囲まれた空間がカートリッジ50を収納する収納空間Sを構成している。
さらに、このスロット31の前記挿入方向Aに沿った溝部31Dが、3枚のスライド部材15,35,36に対応してスロット31の一方側の側面の内側面に形成されている。
【0055】
溝部31Dの内部には、スロット31の前方側の出入り口31Dから後方側に向かって順に第1の前記スライド部材15と位置決め機構12、第2のスライド部材35と位置決め機構12、第3のスライド部材36と位置決め機構12がそれぞれ配置されている。
【0056】
3箇所に配置される各位置決め機構12の突起部材13は、カートリッジ50が正常な姿勢で挿入された場合、1枚目のカートリッジ50、2枚目のカートリッジ51および3枚目のカートリッジ(図略)の各切除部50A,51Aにそれぞれ係合可能となっている。
【0057】
また、スロット31の出入り口31D側に配置された突起部材13の左右方向Cの往復運動に連動して、第1のスライド部材15が挿入方向Aおよび排出方向Bに沿って前後方向にスライドし、次の位置に配置された突起部材13の左右方向Cの往復運動に連動して、第2のスライド部材35が上記と同様に前後方向にスライドし、同様にスロット31の後方側に配置された突起部材13の左右方向の往復運動に連動して第3のスライド部材36が前後方向にスライドするようになっている。
【0058】
ここで、第1のスライド部材15は、前述のように、前記第1実施形態の収納装置10のスライド部材15と同一形状、同一寸法で構成されているが、第2、第3のスライド部材35,36は、第1のスライド部材15と形状が異なっている。
【0059】
すなわち、第1のスライド部材15がその一端部に傾斜面15Aを有する形状となっているのに対して、第2、第3のスライド部材35,36は、それぞれの一端部に傾斜面35A,36A、他端部に傾斜面35B,36Bを有する形状となっている。
そして、第2、第3のスライド部材35,36の傾斜面35A,36Aは、第1のスライド部材15の傾斜面15Aと同じ方向に同じ傾斜角度で形成され、他端部の傾斜面35B,36Bも上記傾斜面35A,36Aと同じ方向に同じ傾斜角度で形成されている。
【0060】
次に、以上のような構成の収納装置30の作用を説明する。
【0061】
本第2実施形態の収納装置30の作用は、前記第1実施形態の収納装置10の作用と略同じである。
すなわち、図9に示すように、1枚目のカートリッジ50が正常な姿勢で挿入され、引き続き2枚目のカートリッジ51が正常な姿勢で挿入されて押込まれたとき、1枚目のカートリッジ50は2枚目のカートリッジ51に押され、挿入方向Aに沿ってスロット31の後方側に移動する。
【0062】
両カートリッジ50,51が所定距離押込まれたとき、まず1枚目のカートリッジ50の切除部50Aがそれに対応する位置決め機構12の突起部材13に係止され、次いで、2枚目のカートリッジ51の切除部51Aがそれに対応する位置決め機構12の突起部材13に係止される。
【0063】
そして、このとき、前記ストッパ部材16は板バネ17の付勢力により矢印C1方向に沿って右側に移動して閉じる。一方、両カートリッジ50,51は定荷重バネ20の付勢力により出入り口11D側に押圧されている。しかし、上記のように、ストッパ部材16が閉じているので、2枚目のカートリッジ51が、ストッパ部材16の内側端面に当接して保持されることになる。このとき、1枚目のカートリッジ5は、2枚目のカートリッジ51と対向端面が当接しているので、当該2枚目のカートリッジ51と共に保持されることになる。
【0064】
これに対して、図11に示すように、1枚目のカートリッジ50が非正常な姿勢で挿入された後、2枚目のカートリッジ51が正常な姿勢で挿入されたときは、2枚とも排出されるようになる。
【0065】
すなわち、まず、1枚目のカートリッジ50が非正常な姿勢で出入り口31Dから挿入され、引き続き2枚目のカートリッジ51が正常な姿勢で挿入され且つさらに押込まれたとき、1枚目のカートリッジ50は2枚目のカートリッジ51に押され、挿入方向Aに沿ってスロット31の後方側に移動する。
【0066】
両カートリッジ50,51が所定位置まで押込まれたとき、1枚目のカートリッジ50のスライド部材35と当接している側面には切除部50Aがないので、その側面に押されて位置決め機構12の突起部材13が溝部31E側に移動し、かつその溝部31E内に収納されている。
【0067】
このとき、スライド部材35は、突起部材13に付勢されて出入り口31D側に向かってスライドしている。また、このスライド部材35のスライドに付勢されて、2枚目のカートリッジ51用の突起部材13が溝部31E側に移動し、かつその溝部31E内に収納されている。
その結果、2枚目のカートリッジ51が正常な姿勢で挿入された場合でも、そのカートリッジ51の切除部51Aに係止する突起部材13がスライド部材35のスライドに付勢されて溝部31E内に引っ込んだ状態なので、カートリッジ51は係止されない。
【0068】
一方、1枚目のカートリッジ50が定荷重バネ20の付勢力により出入り口11D側に押圧されている。また、2枚目のカートリッジ51と1枚目のカートリッジ50とは対向する端面同士が当接しているので、定荷重バネ20により1枚目のカートリッジ50と共に出入り口11D側に押圧される。
したがって、上述のように、両カートリッジ50,51とも突起部材13により係止されていないので、まず、2枚目のカートリッジ51が出入り口11Dから自動的に排出され、引き続き1枚目のカートリッジ50が出入り口11Dから排出される。
【0069】
両カートリッジ50,51が排出されたら、ストッパ部材16が板バネ17の付勢力により出入り口11Dの一部を塞ぐように閉じられ、そのストッパ部材16の矢印C1に沿った右方向へのスライドにより、スライド部材15がスロット31の後方側にスライドすると共に、そのスライド部材15に付勢されて2枚目のカートリッジ51用の突起部材13が収納空間S側に突出する。
それに連れて、1枚目のカートリッジ50用のスライド部材35がスロット31の後方側にスライドすると共に、そのスライド部材35に付勢されて1枚目のカートリッジ50用の突起部材13が収納空間S側に突出する。
【0070】
また、両カートリッジ50,51が排出されたら、定荷重バネ20は、スロット31に固定された先端取付け部20C側に移動し、その位置で収納空間S内に収容された状態となり、初期状態となる。
【0071】
以上、2枚のカートリッジ50,51が正常な姿勢で挿入された場合と、1枚目が非正常な姿勢、2枚目が正常な姿勢で挿入された場合とを説明したが、今度は、図12に示すように、1枚目が正常な姿勢、2枚目が非正常な姿勢で挿入された場合を説明する。
【0072】
1枚目のカートリッジ50が正常な姿勢で出入り口31Dから挿入された後、引続き2枚目のカートリッジ51が非正常な姿勢で挿入されて押込まれると、まず、1枚目のカートリッジ50は、その切除部50Aが1枚目のカートリッジ50用の突起部材13により係止される。
【0073】
これに対して、非正常な姿勢で挿入された2枚目のカートリッジ51は、当該2枚目のカートリッジ51の溝部31E側と対向する側面でカートリッジ51用の突起部材13を押圧した状態である。そうすると、当該突起部材13のスライド運動に連動してスライド部材15が出入り口31D側にスライドした状態となり、また、ストッパ部材16が開いたままの状態となる。その結果、定荷重バネ20の付勢力により2枚目のカートリッジ51がスロット31の出入り口31Dから自動的に排出される。
【0074】
2枚目のカートリッジ51がスロット31の出入り口31Dから排出されると同時に、ストッパ部材16が板バネ17の付勢力により右方向にスライドして閉じる。このとき、1枚目のカートリッジ50が定加重バネ20の付勢力により出入り口31D側に押出される途中であるが、出入り口31Dに達したときは、閉じられているストッパ部材16の内側端面に当接され、その位置で保持される。
この後、1枚目のカートリッジ50が保持された状態で、再度2枚目のカートリッジ51を正常な姿勢で挿入し、所定の位置に両カートリッジ50,51を保持させることになる。
【0075】
また、図示しないが、1枚目のカートリッジ50、2枚目のカートリッジ51とも非正常な姿勢で挿入された場合、つまり誤挿入された場合、カートリッジ50用の突起部材13およびカートリッジ51用の突起部材13ともスロット31の溝部31Eの内壁側に押された状態であり、前述のように、定加重バネ20の付勢力により2枚目のカートリッジ51、1枚目のカートリッジ50の順に排出される。
【0076】
以上のような構成の第2実施形態の収納装置30によれば、前記(1)〜(8)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(9)カートリッジ50等が複数スロット31内に収納される場合でも、それぞれのカートリッジ50等に対応する突起部材13、スライド部材15およびストッパ部材16の協働作用により、誤挿入されたカートリッジ50等を容易に、且つ自動的に排出することができる。
【0077】
次に、図13〜図15に基づいて、本発明の収納装置の第3実施形態を説明する。
本第3実施形態の収納装置40は、その位置決め機構として、前記第1実施形態および第2実施形態の収納装置10,30の突起部材13と圧縮バネ14からなる位置決め機構12に代えて、板バネ42を使用したものである。
【0078】
この収納装置40では、位置決め機構42とスライド部材45の構成とが、前記第1実施形態の収納装置10の位置決め機構12およびスライド部材15と異なるが、その他の構成は同じである。従って、本第3実施形態の収納装置40において第1実施形態の収納装置10における各構成部材と同一のものについては、同一符号を付すと共に、異なる構成部材、機構のみを詳細に説明する。
【0079】
図13等に示すように、収納体であるスロット41は、上面部41A、底面部41B、3面の側面部41C、および開口された1側面を有して形成され、その開口部が出入り口41Dとなっている。
また、上記上面部41A、底面部41B、3面の側面部41Cで囲まれた空間がカートリッジ50を収納する前記収納空間Sを構成している。
さらに、このスロット41の前記挿入方向Aに沿って、且つ一方側の側面の内側面に溝部41Dが形成されている。そして、この溝部41E内には、スライド部材45が挿入方向Aに沿って前後方向にスライド自在に収納されている。このスライド部材45の一端面と後端面とも平坦面となっている。
【0080】
このようなスライド部材45の一端面には前記板バネ42の一端が係合している。そして、その板バネ42の他端は、上記一方側の側面の内壁に固着されている。
板バネ42は、溝部41Eの幅方向全体にわたる幅寸法に形成され、断面三角形形状に形成されている。
【0081】
次に、以上のような構成の収納装置40の作用を説明する。
まず、図14に示すように、正常な姿勢でカートリッジ50がスロット11内に挿入される場合、カートリッジ50の溝部41E側の側端面を、ストッパ部材16の内側端面に押当てると共に左側に押したまま、出入り口41Dから挿入し、そのまま押込む。
【0082】
図14の状態から、カートリッジ50がさらに挿入方向Aに沿って押込まれると、カートリッジ50の切除部50が板バネ42の突出先端に係止される。このとき、カートリッジ50の一側端面とストッパ部材16との係合が外れ、同時にストッパ部材16が板バネ17の付勢力により右方向にスライドして閉じられる。
そのため、カートリッジ50が定加重バネ20により出入り口11D側に排出方向Bに沿って押出されているが、ストッパ部材16が閉じているので、カートリッジ50は排出されず、その後端部がストッパ部材16の内側端面に当接して保持される。そして、この状態が図13に示されている。
【0083】
これに対して、図15に示すように、カートリッジ50が誤挿入された場合、板バネ42およびスライド部材45と対向するカートリッジ50の側面に切除部50Aがないため、カートリッジ50の側面で板バネ42が押圧されたままの状態となる。従って、板バネ42に付勢されてスライド部材45が前進した状態でストッパ部材16も開いたままの状態である。
一方で、カートリッジ50は定加重バネ20で前方に押圧されているので、誤挿入されたカートリッジ50は、スロット11の出入り口11Dから自動的に排出されることになる。
【0084】
以上のような構成の第3実施形態の収納装置 によれば、前記(1)〜(8)と略同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(10)位置決め機構が板バネ42で構成されており、前記第1実施形態および第2実施形態の収納装置10,30の突起部材13と圧縮バネ14からなる位置決め機構12に比べて構成が簡単であり、使用部材も少なくてすむ。
【0085】
以上、前記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、前記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0086】
例えば、前記各実施形態では、定荷重バネ20の先端取付け部20Cの固定を、それぞれスロット11,31の上面部11A,31Aの裏面に固着して行なっているが、これに限らない。各スロット11,31の下面部11B,31Bの裏面に固着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、1個または複数のカートリッジを、その収納体であるスロットに、間違った向き、つまり誤挿入したとき、そのカートリッジを自動的に排出できるようにする際に利用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 カートリッジ収納装置(第1実施形態)
11 収納体であるスロット
11D 出入り口
11E 溝部
12 位置決め機構
13 位置決め機構を構成する突起部材
14 位置決め機構を構成する突出付勢手段である圧縮バネ
15 スライド部材
16 ストッパ部材
17 ストッパ付勢手段である板バネ
20 カートリッジ押出し機構である定荷重バネ
20C 先端取付け部
30 カートリッジ収納装置(第2実施形態)
31 収納体であるスロット
31D 出入り口
31E 溝部
35 スライド部材
36 スライド部材
40 カートリッジ収納装置(第3実施形態)
41 収納体であるスロット
41D 出入り口
41E 溝部
45 スライド部材
50 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口から挿入されたカートリッジを収納する収納空間を有する収納体と、
この収納体に設けられ前記挿入されたカートリッジを前記出入り口側に常時押出すカートリッジ押出し機構と、
前記収納体の内部で当該収納体の一側面の内側に設けられ当該一側面と直交する方向に往復移動可能とされ、前記カートリッジが正常な姿勢で挿入されたとき係合し非正常な姿勢で挿入されたとき係合しないように機能する位置決め機構と、
一端部が前記位置決め機構に付勢されて前記カートリッジの挿入方向に沿ってスライドするスライド部材と、
このスライド部材に付勢されて当該スライド部材のスライド方向と直交する方向に移動して前記カートリッジを保持し又は保持状態を解除するストッパ部材と、
このストッパ部材を前記出入り口側に常時付勢するストッパ付勢手段と、を備えて構成したことを特徴とするカートリッジ収納装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジ収納装置において、
前記収納体の前記スライド部材に対応した内壁部に前記カートリッジの挿入方向に沿った溝部を形成すると共にこの溝部に前記位置決め機構とスライド部材とを配置し、
前記位置決め機構を、
前記カートリッジに形成された切除部と係合する突起部材と、この突起部材を前記カートリッジの挿入方向と直交し且つ前記溝部から突出する方向に常時付勢する突出付勢手段と、で構成したことを特徴とするカートリッジ収納装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカートリッジ収納装置において、
前記突起部材を、断面山形状に形成すると共にその二辺の端部を結ぶ線が前記溝部の壁面と平行になるように配置し、
前記突起部材の端部の一辺と係合する前記スライド部材の一端面を傾斜面としたことを特徴とするカートリッジ収納装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載のカートリッジ収納装置において、
前記収納体の大きさを、複数個の前記カートリッジを挿入方向に直列状態で収納できる大きさに形成し、
前記複数個のカートリッジのそれぞれに前記位置決め機構およびスライド部材を対応させると共にそれらの位置決め機構およびスライド部材を前記溝内に一列に配置したことを特徴とするカートリッジ収納装置。
【請求項5】
請求項1に記載のカートリッジ収納装置において、
前記収納体の前記スライド部材に対応した内壁部に前記カートリッジの挿入方向に沿った溝部を形成し、
この溝部に、前記スライド部材と当該スライド部材を付勢するスライド付勢部材の一部とを配置し、
このスライド付勢部材を板状のバネ部材で構成すると共に前記収納空間側に突出する山形状に形成したことを特徴とするカートリッジ収納装置。
【請求項6】
請求項5に記載のカートリッジ収納装置において、
前記板状のバネ部材を、その一端部を前記収納体の前記一側面の内側壁部に固着し他端部を前記スライド部材の一端部に係止したことを特徴とするカートリッジ収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−272150(P2010−272150A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121041(P2009−121041)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】