カード発行装置およびカード発行方法
【課題】印刷前にカードの検査を実施することで、正常なカードを発行する精度を向上させるカード発行装置およびカード発行方法を提供する。
【解決手段】正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する記録部と、カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を記録部に出力するセンサ部と、カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態をセンサ部により検出した第2の情報と第1の情報の一致率を求め、一致率が基準判定値以下のとき、収納されていた印刷前のカードが正常でないと判定する処理部と、正常でないと判定した印刷前のカードを収納する回収部と、を備えるカード発行装置である。
【解決手段】正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する記録部と、カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を記録部に出力するセンサ部と、カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態をセンサ部により検出した第2の情報と第1の情報の一致率を求め、一致率が基準判定値以下のとき、収納されていた印刷前のカードが正常でないと判定する処理部と、正常でないと判定した印刷前のカードを収納する回収部と、を備えるカード発行装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを検査するカード発行装置およびカード発行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カード発行装置を用いて各種カードに必要事項を印刷してからカードを発行する場合に、印刷が正常に行われたか否かは印刷完了後に、発行されたカードの現物を人間が目視で判断している。必要事項とは、口座番号、社員番号、名前、生年月日、有効期限などの印刷情報である。例えば、金融機関などの担当者が、発行された大量枚数のキャッシュカードを目視によりチェックするときや、またはカード発行装置が大量枚数のカードを連続して印刷したときに、チェック漏れが生じることがある。特に、個人を特定する記号や数字の抜け、掠れている場合、問題となる。また、印刷前のカードに付着していたゴミ(埃、糸くず等)や汚れにより、印刷が正常に行われない場合もある。
【0003】
カードの検査をする技術として、例えば、リライトブルカードの印刷情報とリライトブルカードの券面の画像データとを比較してリライトブルカードの印刷状態を判定することにより、リライトブル処理の信頼性を高める技術が知られている。このリライトブルカードの印刷情報によれば、リライトブルカードに印刷する印刷情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された印刷情報を印刷するリライト印字部とを備えている。そして、リライト印字部により印刷されたリライトブルカードの表面の画像を読み取るカード表面読み取り部と、カード表面読み取り部により読み取られたリライトブルカードの表面の画像データと、記憶部に記憶された印刷情報とを比較して、比較した結果が所定の関係にある場合、リライトブルカードの印刷が正常であると判断してリライトブルカードを発行する。
【0004】
また、消耗品を節約することが可能であるとともに、効率よくIDカードを発行することが可能なIDカード作成装置が知られている。このIDカード作成装置は、IDカードに内蔵されたICチップに所定データを記録するとともにICチップから所定データを読み取るデータ処理部と、IDカード表面に所定情報を印刷する画像印刷部及び文字印刷部を備えている。そして、データ処理部による記録処理または読取処理を行なった際に異常が発生した不良ICチップを内蔵したIDカードを、画像印刷部及び文字印刷部による印刷処理を施すことなく集積部の第2集積箱にリジェクトする。
【0005】
また、IDカード作成装置に関し、IDカード作成装置として不良カードを出さないようにしたIDカード作成装置が知られている。IDカードを作成するIDカード作成装置において、該IDカード作成装置の最終段に、作成されたIDカードを照合するIDカード照合部が設けられている。
【0006】
また、カード発行からカード受け取りまでのタイムラグを無くし、カードが使用出来ない期間を排除する技術が知られている。この技術によれば、顧客がデータを入力する顧客操作表示部と、カードを集積し、カード発行ごとに1枚ずつ繰り出すカード繰出部と、該カード繰出部より繰り出したカードに所定のデータを印字するカードプリンタと、該カードプリンタで印字したカードを装置から排出して顧客に発行するカード排出部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−282837号公報
【特許文献2】特開2003−99718号公報
【特許文献3】特開2003−30592号公報
【特許文献4】特開2000−280661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、印刷前にカードの検査を実施することで、正常なカードを発行する確実性を高めるカード発行装置およびカード発行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の態様のひとつであるカードに印刷をして発行するカード発行装置は、記録部、センサ部、処理部、回収部を備えている。
記録部は、正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する。センサ部は、上記カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を上記記録部に出力する。処理部は、上記カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態を上記センサ部により検出した上記第2の情報と上記第1の情報の一致率を求め、上記一致率が基準判定値以下のとき、上記収納されていた上記印刷前のカードが正常でないと判定する。回収部は、上記処理部で正常でないと判定された上記印刷前のカードを収納する。
【発明の効果】
【0010】
実施の態様によれば、印刷前にカードの検査を実施することで、正常なカードを発行する確実性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カード発行装置1に端末2から直接発行指示をする場合の一実施例を示す図である。
【図2】端末がサーバに発行許可を得てから、カード発行装置に発行指示をする場合の一実施例を示す図である。
【図3】カード発行装置の構造の一実施例を示す図である。
【図4】カード発行装置の制御部の一実施例を示す図である。
【図5】カード発行装置の動作の一実施例を示す図である。
【図6】印刷前カードの検査の一実施例を示す図である。
【図7】回収時と印刷移行時の動作の一実施例を示す図である。
【図8】正常なカードに印刷する動作の一実施例を示す図である。
【図9】印刷が正常であるときの発行動作の一実施例を示す図である。
【図10】印刷前カードが正常で印刷に失敗したときの発行動作の一実施例を示す図である。
【図11】印刷前カード(裏面)が異常のときの発行動作の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、実施形態について詳細を説明する。
図1と図2は、実施態様のシステムの一実施例を示す図である。図1は、カード発行装置1に端末2から直接発行指示をする場合の一実施例を示している。また、図1では店舗などに設置されたカード発行装置1と複数の端末2(端末A、端末B、端末C)などがローカルに接続されている場合を示している。
【0013】
カード発行装置1は、キャッシュカード、クレジットカード、Identification Card(IDカード)、ポイントカードなどに、例えば、口座番号、社員番号、名前、生年月日、有効期限、写真などの必要事項を、印刷して発行する装置である。また、カード発行装置1は、印刷前のカードに破損があるか、印刷前にカードに付いた付着物があるか、印刷前にカードの異常があるか否かを検査する。カードの破損とは、カードについた傷、カードの一部分の欠損、カードの歪み、カードの折れなどである。カードの付着物とは、埃、汚れなどである。カードの異常は、必要事項を印刷する前のカードの印刷状態、ICチップ設置位置などの状態の異常である。ここで、カードの破損、カードに付着物があるか否かを検査する方法は、例えば、センサやカメラなどにより予め撮影した正常なカードの画像情報と、印刷対象のカードを撮影した画像情報とを、パターンマッチングなどの画像処理技術を用いて類似点または相違点を比較することにより正常である否かを判定する。また、カード発行装置1は、印刷前カードが正常であると判断された後、実際にカードに印刷した内容をセンサなどで読み取り、その内容と正常なカードの画像情報を比較して正常に印刷がされているか否かを判定する。印刷した内容の読み取りは、既存の文字認識処理や顔認識処理を用いて行う。正常にカードに必要事項が印刷されているか否かの判定において、印刷された必要事項が文字である場合、印刷されている文字を文字認識処理により認識し、認識した文字情報と、印刷するために用いた情報に含まれる文字情報を比較する。そして、全ての文字が一致すれば正常と判定する。文字以外の印刷された必要事項が正常に印刷されているかを判定する場合、例えば、写真、模様、マーク、コードなどが正常にカードに印刷されているか否かの判定は、パターンマッチングを用いて判定することが考えられる。特に、証明写真や複雑な模様、マーク、コードなどは、精度の高い画像処理を用いることが求められる。
【0014】
端末2はPersonal Computer(PC)、業務に特化した専用端末などであり、図1に示される端末2(端末A、端末B、端末C)は、少なくともカード発行装置1と通信をする機能を備えている。また、端末2はカードの発行を指示するために発行指示通知をカード発行装置1に送信する。また、カード発行装置1から出力されるカードが正常に発行されたことを示す正常通知と、カードが正常に発行されなかったことを示す異常通知を、端末2は受信して、端末2が備えている出力部に出力する。ここで、端末2が備えている出力部は、例えば、液晶モニタやディスプレイ装置やプリンタなどである。また、端末2は発行指示通知を生成するために用いる情報、カードを印刷するために用いる情報などを記録する記録部を備える。また、記録部は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリや、ハードディスクなどである。
【0015】
図2は、端末2がサーバ3に発行許可を得てから、カード発行装置1に発行指示をする場合の一実施例を示している。図2の場合、カード発行装置1と複数の端末2がローカルに接続され、さらにカード発行装置1と複数の端末2はサーバ3とネットワーク4を介して接続されている。例えば、図2に示したシステムとして店舗に設置されたサーバや、クラウドコンピューティングなども考えられる。
【0016】
サーバ3は、少なくとも端末2などと通信をする機能を備えている。図2に示した端末2は、カードを発行するための発行許可を得るために発行依頼通知を生成し、サーバ3に送信する。なお、発行依頼通知には、カードを発行する対象の利用者に関する情報が含まれていてもよい。次に、サーバ3は発行依頼通知を受信すると、発行依頼通知に対する回答として、カードの発行を許可する発行許可通知を端末2に送信し、許可しないときは発行しないことを示す通知を端末2に送信する。許可するか否かの判定は、例えば、利用者に関する情報を用いて行われた審査の結果であり、審査に合格すれば許可とする。例えば、審査とは、身元調査などカードを発行してもよいか否かを判定するものである。なお、審査をしなくてもよく、発行依頼通知に含まれる情報をサーバ3の記録部に記録したことを確認したのち、発行許可通知を端末2に送信してもよい。発行許可通知には、印刷する際に必要な情報として必要事項を含めてもよい。また、サーバ3は、印刷する際に必要な情報などを記録する記録部を備える。また、記録部は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリや、ハードディスクなどである。
【0017】
なお、図2に示した端末2は、発行許可通知を受信するとカード発行装置1に発行指示通知を送信する。また、図1に示した端末2と同様に、カード発行装置1から出力されるカードが正常に発行されたことを示す通知と、カードが正常に発行されなかったことを示す通知を、端末2は受信して、端末2が備えている出力部に出力する。
【0018】
カード発行装置1について説明する。
図3は、カード発行装置1の構造の一実施例を示す図である。
カード発行装置1は、リーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、制御部304、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309を備えている。
【0019】
リーダ/ライタ部301はカードに設けられた記録媒体にデータの読み書きを行う装置で、例えば、ICカードであればICチップにデータを書き込むこと、ICチップのデータを読み出すことが可能である。また、利用者にカードを発行する発行口310を備えている。なお、本例ではICカードについて説明しているが、ICカードに限定するものではない。
【0020】
センサ部302は、印刷前カードの印刷領域または全体を、ラインセンサ、カメラで読み取り、汚れ、埃の有無を検査するための情報を取得する。カメラは、例えば、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)カメラ、Charge Coupled Device(CCD)カメラなどである。
【0021】
印刷部303は、カードに印刷をする印刷装置である。例えば、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの印刷装置である。なお、印刷装置はカードに印刷できる印刷装置であれば特に限定するものではない。
【0022】
制御部304はカード発行装置1のリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308などを制御する。
回収部305は、破損、付着物、異常、印刷に失敗した印刷前のカードあるいは印刷に失敗した印刷後のカードを回収する収納箱である。
【0023】
ホッパ部306は、印刷前カードの収納箱である。なお、本例では一種類のカードについてのみを収納しているが、複数の種類のカードを別々のホッパに収納してもよい。
反転部307はカードの表面と裏面を反転させる機構である。例えば、表面はカードにICチップが設けられている面である。
【0024】
搬送部308は、搬送路309上を移動してホッパ部306から印刷前カードを取得し、制御部304からの指示により、各部にカードを搬送する。
図3に示したリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309は、搬送部308によりカードを搬送する際に、効率よく搬送できるように配置されている。ホッパ部306とセンサ部302は、搬送路309を挟んで対向して配置され、センサ部302の搬送路309と逆側の隣に印刷部303が配置されている。搬送部308を用いずに、印刷部303とセンサ部302の間は、搬送中のカード312に対する汚れ等を防止するために、内部のローラ311などで挟んだ状態で直接カード312の受け渡しが可能な隣接した配置にしている。このように配置することにより、印刷前カードを検査する際に、ホッパ部306から印刷前カードを取り搬送部308に移動し、そのままセンサ部302に印刷前カードを移動することができる。また、回収部305と反転部307を、ホッパ部306を挟んで両側に配置することにより、正常でないカードの回収と、表面と裏面の印刷をするカードの反転を行う際に搬送部308の移動距離を短縮することができる。その結果、カード発行装置1を小さくすることができる。
【0025】
図4は、カード発行装置1の制御部の一実施例を示す図である。
図4では制御部304は、処理部401、記録部402、記録媒体読取装置403、入出力インタフェース404(入出力I/F)、通信インタフェース405(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス406によってそれぞれ接続されている。なお、図4では制御部304は、処理部401、記録部402、通信インタフェース405(通信I/F)だけであってもよい。
【0026】
処理部401は、記録部402に格納されているカード発行装置1を動作させるプログラムを実行する。処理部401は、カード発行装置1のリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308などを制御する。また、処理部401は、Central Processing Unit(CPU)であってもよいし、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いて実現してもよい。
【0027】
記録部402には、処理部401が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。記録部402は、例えば、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどであってもよい。記録部402には、印刷前カードの正常な状態の画像情報を端末2またはサーバ3から受信して記録してもよい。または、カード発行装置1で読み込んだ正常な状態の印刷前カードの画像情報を記録してもよい。
【0028】
また、記録部402は、印刷前カードの現物をセンサ部302で読み込んだ画像情報を記録する。また、記録部402は、端末2またはサーバ3から受信した印刷に必要なデータを記録している。記録部402は、印刷後カードの現物を読み込んだ画像情報を記録する。
【0029】
記録媒体読取装置403は、処理部401の制御にしたがって記録媒体407に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体407に記録媒体読取装置403の制御で書き込まれたデータを記録させたり、記録媒体407に記録されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体407は、コンピュータで読み取り可能なnon−transitory(非一時的)な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc (DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory (CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk (MO)などがある。
【0030】
入出力インタフェース404には、入出力装置408が接続され、ユーザが入力した情報を受信し、バス406を介して処理部401に送信する。また、処理部401からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。入出力装置408は、例えば、タッチパネルなどが考えられる。
【0031】
通信インタフェース405は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLocal Area Network(LAN)接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0032】
図5は、カード発行装置1の動作の一実施例を示す図である。
ステップS01では、制御部304が端末2からカードの発行指示通知を受信する。例えば、端末2から出力された発行指示通知を、制御部304の通信インタフェース405を介して処理部401が受信する。図1の例では端末A、端末B、端末Cのいずれかひとつがカード発行装置1に発行指示通知を出力する。図2の例では端末A、端末B、端末Cのいずれかひとつがサーバ3から発行許可通知を受信して、カード発行装置1に発行指示通知を出力する。
【0033】
発行指示通知は、装置特定情報、装置設定情報、装置内カード情報を有している。装置特定情報は、例えば、カード発行装置1の装置番号、Internet Protocol Address(IPアドレス)などの装置を特定するために用いる情報である。装置設定情報は、ホッパ部306のホッパ数、反転部307がカード発行装置1に備えられているか否かなどを示す情報である。装置内カード情報は、ホッパ部306内のカードの数や種類などを示す情報である。
【0034】
また、発行指示通知は、印刷前カードに関する情報として、例えば、ホッパ部306の有する1つ以上のホッパごとに収納されている印刷前カードの表面と裏面の画像情報と文字情報を有している。また、印刷前カードの検査に用いる判定基準に関する情報を有している。印刷前カードの表面と裏面の画像情報は、正常な印刷前カードの表面と裏面をセンサまたはカメラなどで撮影した画像情報である。印刷前カードの表面と裏面の文字情報は、正常な印刷前カードの表面と裏面に印刷されている文字、数字、記号などの情報である。印刷前カードの検査に用いる判定基準は、印刷前カードが破損しているか、付着物があるか、異常があるか、印刷が失敗しているか、を判定するために用いる基準である。なお、表面と裏面の画像情報と文字情報は発行指示通知と分けて端末2から制御部304へ出力してもよい。また、端末2からではなく入出力装置408を用いて直接記録部402に記録してもよい。
【0035】
また、発行指示通知は、印刷前カードの表面または裏面に印刷する画像や文字の印刷位置と印刷情報を有している。印刷情報は、画像情報、文字情報を有し、印刷後カードの検査に用いる判定基準も有している。画像情報は、例えば、印刷前カードに印刷する写真、表、ロゴなどの情報である。文字情報は、例えば、印刷前カードに印刷する文字、数字、記号などの情報である。印刷後カードの検査に用いる判定基準は、画像情報に基づいて印刷された写真、表、ロゴなどが正しく印刷されているか否かを判定する際に用いる基準である。文字情報に基づいて印刷された文字、数字、記号などが正しく印刷されているか否かを判定する際に用いる基準である。なお、基準として印刷に用いた文字情報を用いてもよい。なお、印刷前カードに印刷する画像情報と文字情報は発行指示通知と分けて端末2から制御部304へ出力してもよい。また、端末2からではなく入出力装置408を用いて直接記録部402に記録してもよい。その場合、正常な印刷前のカードの画像をカード発行装置1のセンサ部302で読み取り、読み取った画像情報を記録部402に記録する。
【0036】
また、複数のカードを発行する場合には、現在収納されているカードの枚数を発行指示通知に設定する。また、複数の異なるカードを発行する場合には、印刷する対象になるカードが収納されているホッパを選択するための識別情報を発行指示通知に設定する。
【0037】
ステップS02で制御部304は、受信した発行指示通知の有する必要事項に関する情報を記録部402に記録する。例えば、制御部304の処理部401は、記録部402に発行指示通知とともに出力された、必要事項である装置設定情報、装置内カード情報、印刷前カードに関する情報、印刷情報などを記録する。なお、印刷情報以外の必要事項は、端末2またはサーバ3から情報を取得せず予め記録部402に記録しておいてもよい。
【0038】
ステップS03で制御部304は、ホッパ部306から印刷前のカードを取り出し、センサ部302に搬送する指示を出力する。例えば、制御部304の処理部401は、搬送部308をホッパ部306の位置まで移動する指示を搬送部308に出力する。搬送部308は、指示を受信するとホッパ部306の位置まで移動して停止する。次に、制御部304はホッパ部306から印刷前のカードを取り出す指示をホッパ部306に出力する。ホッパ部306は、指示を受信すると搬送部308に印刷前カードを移動する。カードの種類が複数あるときは、カードの種類を指定して対象の種類のカードを搬送部308に移動する。制御部304は、搬送部308をセンサ部302の位置に移動して、印刷前カードをセンサ部302に移動する指示を搬送部308に出力する。図3ではホッパ部306とセンサ部302は搬送路309を挟んで向かい合う構造であるので、搬送部308は移動する必要はない。
【0039】
ステップS04で制御部304は、センサ部302に置かれた印刷前カードの表面あるいは裏面の状態を、センサまたはカメラを用いて検出した結果を、記録部402に記録する。
ステップS05では、制御部304が印刷前カードの状態を検査し、正常であればステップS07に移行し、正常でなければステップS06に移行する。
【0040】
図6は、印刷前カードの検査の一実施例を示す図である。
ホッパ部306から取り出した印刷前カードの画像情報に対応する印刷前カード画像602、603と、記録部402に記録されている正常な印刷前カードの画像情報に対応する印刷前カード画像601を比較する。例えば、パターンマッチングなどの画像処理を用いて比較する。その結果、印刷前カード画像602のように表面に破損、付着物、異常、印刷の失敗が無いときは、印刷前カード画像601と同等であると判定される。例えば、判定を印刷前カード画像601と印刷前カード画像602のそれぞれの画素の画素値を比較して異なる画素をカウントして、記録部402に記録した判定基準に記録されているカウント値以下であれば同等とする。また、印刷前カード画像603のように表面に破損604、付着物605があるときは、印刷前カード画像601と異なると判定される。例えば、判定を印刷前カード画像601と印刷前カード画像603のそれぞれの画素の画素値を比較して異なる画素をカウントして、記録部402に記録した判定基準に記録されているカウント値より多ければ異なると判定する。なお、上記判定では、画素の画素値を比較して異なる画素数と判定基準を用いているが、判定方法は上記判定に限定されるものではない。例えば、カード発行装置1に収納している印刷前カードをセンサ部302により検出した印刷前カード画像602または603と、記録部402に記録されている印刷前カード画像601の一致率を求め、一致率が基準判定値以下のとき、印刷前カードが正常でないと判定してもよい。また、一致率が基準判定値より高いとき、印刷前のカードが正常であると判定してもよい。
【0041】
なお、カード全体を比較するのではなく、記録部402に保管した、受信した印刷情報には印刷位置が記録されているため、印刷前カードのその印刷箇所に汚れが無いかを検査するだけでもよい。なお、印刷位置は印刷をする印刷領域が分かるものであればよい。
【0042】
ステップS06で制御部304は、印刷前カードが正常でないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、搬送部308にセンサ部302の位置に移動して、センサ部302の位置で搬送部308を停止して印刷前カードを搬送部308に移動する指示を出力する。搬送部308が正常でない印刷前カードを取得すると、制御部304は、搬送部308に回収部305の位置に移動して、回収部305の位置で搬送部308を停止して印刷前カードを回収部305に移動する指示を出力する。次に、制御部304は、回収部305に正常でない印刷前カードを回収する指示を出力する。回収部305がない場合には、カードに印刷せず、装置を休止状態にしてもよい。
【0043】
図7は、回収時と印刷移行時の動作の一実施例を示す図である。
図7に示すカード発行装置1は図3で説明した、リーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、制御部304、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309を備えている。センサ部302で印刷前カードが正常でないと判定されたときカードは、矢印701に示す経路で回収される。正常である場合には、カードは印刷部303に矢印702の経路で移動する。
【0044】
なお、印刷前カードが正常でなければ回収部305に搬送して、その後、新たにカードを自動的に再発行する。また、回収部305がない場合、装置エラーとしてカードを取り除き易い位置まで搬送する。例えば、装置カバーを開けて、利用者がカードを除去する。
装置エラーとして、カードを装置外に放出してもよい。
【0045】
ステップS07では、制御部304が記録部402より印刷情報を読み出す。
ステップS08では、制御部304が印刷部303にカードを搬送して、カードに印刷する指示を出力する。印刷完了後、制御部304が印刷部303からセンサ部302にカードを搬送する指示を出力する。
【0046】
図8は、正常なカードに印刷する動作の一実施例を示す図である。
制御部304が、記録部402より読み出す印刷情報は、記録部402の図8のテーブル801に記録されており、印刷に必要な情報が記録されている。図8の例では、テーブル801は「位置情報」「印刷情報」を有している。「位置情報」には、「A」「B」「C」が記録されている。本例では、印刷位置を便宜上「A」「B」「C」と表している。例えば、印刷位置は印刷するカードの予め決められた基点から縦方向と横方向の距離を記録することが考えられる。なお、印刷場所が分かるものであればよく、上記基点からの距離に限定されるものではない。
【0047】
「印刷情報」には、「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」「Image」が記録されている。本例では、印刷情報を便宜上「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」「Image」と表しているが限定されるものではない。例えば、「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」は文字情報の一例を示している。「Image」は画像情報を呼び出すためのコードの一例を示しており、「Image」には写真、ロゴなどの画像情報が関連付けられて記録部402に記録されている。
【0048】
次に、図8のカード802の何処に印刷するかを位置情報に基づいて検出する。本例では、検出したテーブル801の「A」に対応する「A位置」、「B」に対応する「B位置」、「C」に対応する「C位置」を検出する。次に、「A位置」に「TAROSUZUKI 12/12」を印刷し、「B位置」に「1234567890123456」を印刷し、「C位置」に「Image」に対応する画像を印刷する。
【0049】
ステップS09では、制御部304がセンサ部302に印刷後のカードの表面あるいは裏面の状態を読み込む指示を出力する。次に、制御部304は、センサ部302が読み込んだ印刷後カードの画像情報を記録部402に記録する。
【0050】
ステップS10で制御部304は、ステップS09で読み込んだ画像情報を用いて文字認識をして、文字認識結果と印刷情報の文字情報が一致しているか否かを判定する。一致していればステップS11に移行し、一致しなければステップS12に移行する。文字認識は、Optical Character Reader(OCR)などの技術を用いてカード上の印刷をした文字を認識することが考えられる。一致しているか否かの判定は、認識した文字と文字情報を既存の技術を用いて比較し、全ての文字が一致しているか否かを判定する。
【0051】
ステップS11では、制御部304がステップS09で読み込んだ画像情報を用いて画像認識をして、画像認識結果と印刷情報の印刷画像情報が一致しているか否かを判定する。一致していればステップS14に移行し、一致しなければステップS13に移行する。画像認識は、カードの表面あるいは裏面の状態を、センサまたはカメラを用いて検出して、記録部402に記録する。上記説明したパターンマッチングなどの技術を用いてカード上の印刷した画像を認識することが考えられる。一致しているか否かの判定は、認識した画像と画像情報を既存の技術を用いて比較し、画像が一致しているか否かを判定する。例えば、写真、表、ロゴなどをそれぞれ重ね合わせて一致率を算出して、判定基準の90%以上のとき一致していると判定することが考えられる。なお、写真の場合、顔に汚れや埃が付いているカードを発行すると、クレームになり易いため、顔の部分は、厳しい検査をし、顔以外の背景や体の部分は緩い検査にすることが考えられる。すなわち、厳しい検査をするときは判定基準を高く設定し、緩い検査をするときは判定基準を低く設定する。
【0052】
印刷後カードの印刷が正常にされているか否かの判定を早く行うために、印刷位置の文字と画像だけをセンサ部302で取得して、文字と画像を認識してもよい。
ステップS12では制御部304が、印刷後カードが正常に印刷されていないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、回収部305に正常でない印刷後カードを回収する指示を出力する。
【0053】
ステップS13では制御部304が、印刷後カードが正常に印刷されていないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、回収部305に正常でない印刷後カードを回収する指示を出力する。
【0054】
ステップS14では、制御部304がカードの裏面に印刷するか否かを判定する。裏面に印刷する場合にはステップS15に移行し、裏面に印刷しない場合にはステップS18に移行する。制御部304がカードの裏面に印刷する情報があるか否かを判定し、印刷する情報がある場合はステップS15に移行し、印刷する情報がない場合はステップS18に移行する。
【0055】
ステップS15で制御部304は、カードの裏面に印刷がされているか否かを、記録部402に記録されている状態情報を用いて判定する。印刷されている場合にはステップS18に移行し、印刷されていない場合にはステップS16に移行する。状態情報は、例えば、「表面」「裏面」「表面印刷」「裏面印刷」などの情報を有している。「表面」にはカードが現在表面を向いていることを示す情報が記録されている。例えば、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「裏面」にはカードが現在裏面を向いていることを示す情報が記録されている。例えば、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「表面印刷」はカードの表面に印刷がされたことを示す情報である。例えば、カードの表面に印刷が完了した場合に、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「裏面印刷」はカードの裏面に印刷がされたことを示す情報である。例えば、カードの裏面に印刷が完了した場合に、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。なお、本例ではフラグを立てているがテーブルを用意してもよい。
【0056】
ステップS16では、制御部304がカードをセンサ部302より反転部307へ搬送し、印刷後カードを反転する指示を出力する。
センサ部302から搬送部308にカードを移動し、搬送部308を反転部307の位置まで移動させ、搬送部308から反転部307にカードを移動する。反転部307はカードを反転させて裏面にする。
【0057】
ステップS17ではカードを反転した後、制御部304が反転部307より印刷部303に搬送し、カードに印刷情報に基づいて印刷を行う指示を出力する。次に、制御部304は印刷部303からセンサ部302にカードを搬送する指示を出力して、ステップS04に移行する。
【0058】
反転部307から搬送部308にカードを移動し、搬送部308をセンサ部302の位置まで移動させ、搬送部308からセンサ部302にカードを移動し、さらにセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。印刷部303ではカードの裏面に印刷をして、印刷したカードをセンサ部302に移動する。
ステップS18では、制御部304が正常に印刷されたカードを発行して、処理を終了する。
【0059】
図9、10、11に印刷カードの発行手順を示す。
図9は、印刷が正常であるときの発行動作の一実施例を示す図である。
図9の(1)〜(12)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面または裏面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(7)では印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308からリーダ/ライタ部301に印刷済カードを移動する。リーダ/ライタ部301で、必要データを印刷済カードに書き込み、正常カードを発行する。
【0060】
(8)〜(12)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では裏面に印刷をするデータが有るため、印刷部303からセンサ部302を経由し搬送部308により反転部307に表面が正常に印刷されたカードが、移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(11)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(12)では印刷部303で印刷をして、(5)と同様に印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。その後、裏面に印刷をする場合は(6)で裏面の印刷を検査し、(7)で表面と裏面の印刷が済んだカードを搬送部308に移動して、搬送部308からリーダ/ライタ部301に印刷済カードを移動する。
【0061】
図10は、印刷前カードが正常で印刷に失敗したときの発行動作の一実施例を示す図である。図10の(1)〜(13)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図10の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面または裏面の検査を行う。図10の×印は正常でないことを示している。
(13)では印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0062】
(8)〜(12)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では、(6)で表面が正常に印刷され、裏面に印刷をするデータがあるため、表面が正常に印刷されたカードを、印刷部303からセンサ部302を経由して、センサ部302から搬送部308に移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図10の○印は正常であることを示している。
(11)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(12)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。(6)で裏面の検査を行う。図10の×印は正常でないことを示している。そして、(13)で印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0063】
図11は、印刷前カード(裏面)が異常のときの発行動作の一実施例を示す図である。
図11の(1)〜(13)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図11の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面の検査を行う。図11の○印は正常であることを示している。
【0064】
(8)〜(10)(13)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では、(6)で表面が正常に印刷され、裏面に印刷をするデータがあるため、表面が正常に印刷されたカードを、印刷部303からセンサ部302を経由して、センサ部302から搬送部308に移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図11の×印は正常でないことを示している。そして、(13)で印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0065】
なお、印刷直後にカードの検査を行うことが重要(搬送中のカードに対する汚れ等を防止するために、直接ローラ等で挟んだ状態でカードの受け渡しが可能な隣接した配置)であるため、プリンタの横(隣)にセンサ部302を配置する。
【0066】
従来は、装置が印刷したカードは、そのまま排出し、排出したカードを担当者やそのカードを手にした人が目視確認していた。そのため、大量にカードが発行された場合、全てのカードを担当者がチェックしなくてはならないので、時間と労力を必要としていた。
【0067】
また、正常でないカードが排出されると、セキュリティ上そのカードの管理にも注意が必要となる。例えば、正常でないカードをむやみに廃棄することができないため、担当者は正常でないカードであっても厳重に保管をしている。
【0068】
また、正常でないカードの発生要因としては、印刷前カードに汚れや埃が付着していることも多分にあった。
しかし、上記実施態様を用いることにより、印刷前、印刷後にカードを検査しているので、カード排出後の目視確認が不要となる。
【0069】
また、検査により正常でないカードと判断した場合、カード発行装置1を休止状態にして、端末2またはサーバ3に対して正常でないことを通知する。それにより、担当者にとってカードが正常であるか否かが明確になり、正常でないカードを取り除くことが容易になる。
【0070】
また、正常でないカードを装置内の回収部305で保管することにより、正常でないカードの管理の信頼性と安全性が向上する。また、正常でないカードを装置内の回収部305で保管することにより、装置を休止状態にせずに、次のカードを発行することが可能である。
【0071】
印刷する前に、カードに汚れや埃が付着していないかを検査するため、汚れのないカードに印刷することになり、正常でないカードの発生が減少する。すなわち、カードの発行能率が大幅に向上する。
【0072】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施例は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
【符号の説明】
【0073】
1 カード発行装置
2 端末
3 サーバ
4 ネットワーク
301 リーダ/ライタ部
302 センサ部
303 印刷部
304 制御部
305 回収部
306 ホッパ部
307 反転部
308 搬送部
309 搬送路
401 処理部
402 記録部
403 記録媒体読取装置
404 入出力インタフェース(入出力I/F)
405 通信インタフェース(通信I/F)
406 バス
407 記録媒体
408 入出力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを検査するカード発行装置およびカード発行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カード発行装置を用いて各種カードに必要事項を印刷してからカードを発行する場合に、印刷が正常に行われたか否かは印刷完了後に、発行されたカードの現物を人間が目視で判断している。必要事項とは、口座番号、社員番号、名前、生年月日、有効期限などの印刷情報である。例えば、金融機関などの担当者が、発行された大量枚数のキャッシュカードを目視によりチェックするときや、またはカード発行装置が大量枚数のカードを連続して印刷したときに、チェック漏れが生じることがある。特に、個人を特定する記号や数字の抜け、掠れている場合、問題となる。また、印刷前のカードに付着していたゴミ(埃、糸くず等)や汚れにより、印刷が正常に行われない場合もある。
【0003】
カードの検査をする技術として、例えば、リライトブルカードの印刷情報とリライトブルカードの券面の画像データとを比較してリライトブルカードの印刷状態を判定することにより、リライトブル処理の信頼性を高める技術が知られている。このリライトブルカードの印刷情報によれば、リライトブルカードに印刷する印刷情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された印刷情報を印刷するリライト印字部とを備えている。そして、リライト印字部により印刷されたリライトブルカードの表面の画像を読み取るカード表面読み取り部と、カード表面読み取り部により読み取られたリライトブルカードの表面の画像データと、記憶部に記憶された印刷情報とを比較して、比較した結果が所定の関係にある場合、リライトブルカードの印刷が正常であると判断してリライトブルカードを発行する。
【0004】
また、消耗品を節約することが可能であるとともに、効率よくIDカードを発行することが可能なIDカード作成装置が知られている。このIDカード作成装置は、IDカードに内蔵されたICチップに所定データを記録するとともにICチップから所定データを読み取るデータ処理部と、IDカード表面に所定情報を印刷する画像印刷部及び文字印刷部を備えている。そして、データ処理部による記録処理または読取処理を行なった際に異常が発生した不良ICチップを内蔵したIDカードを、画像印刷部及び文字印刷部による印刷処理を施すことなく集積部の第2集積箱にリジェクトする。
【0005】
また、IDカード作成装置に関し、IDカード作成装置として不良カードを出さないようにしたIDカード作成装置が知られている。IDカードを作成するIDカード作成装置において、該IDカード作成装置の最終段に、作成されたIDカードを照合するIDカード照合部が設けられている。
【0006】
また、カード発行からカード受け取りまでのタイムラグを無くし、カードが使用出来ない期間を排除する技術が知られている。この技術によれば、顧客がデータを入力する顧客操作表示部と、カードを集積し、カード発行ごとに1枚ずつ繰り出すカード繰出部と、該カード繰出部より繰り出したカードに所定のデータを印字するカードプリンタと、該カードプリンタで印字したカードを装置から排出して顧客に発行するカード排出部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−282837号公報
【特許文献2】特開2003−99718号公報
【特許文献3】特開2003−30592号公報
【特許文献4】特開2000−280661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、印刷前にカードの検査を実施することで、正常なカードを発行する確実性を高めるカード発行装置およびカード発行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の態様のひとつであるカードに印刷をして発行するカード発行装置は、記録部、センサ部、処理部、回収部を備えている。
記録部は、正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する。センサ部は、上記カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を上記記録部に出力する。処理部は、上記カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態を上記センサ部により検出した上記第2の情報と上記第1の情報の一致率を求め、上記一致率が基準判定値以下のとき、上記収納されていた上記印刷前のカードが正常でないと判定する。回収部は、上記処理部で正常でないと判定された上記印刷前のカードを収納する。
【発明の効果】
【0010】
実施の態様によれば、印刷前にカードの検査を実施することで、正常なカードを発行する確実性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カード発行装置1に端末2から直接発行指示をする場合の一実施例を示す図である。
【図2】端末がサーバに発行許可を得てから、カード発行装置に発行指示をする場合の一実施例を示す図である。
【図3】カード発行装置の構造の一実施例を示す図である。
【図4】カード発行装置の制御部の一実施例を示す図である。
【図5】カード発行装置の動作の一実施例を示す図である。
【図6】印刷前カードの検査の一実施例を示す図である。
【図7】回収時と印刷移行時の動作の一実施例を示す図である。
【図8】正常なカードに印刷する動作の一実施例を示す図である。
【図9】印刷が正常であるときの発行動作の一実施例を示す図である。
【図10】印刷前カードが正常で印刷に失敗したときの発行動作の一実施例を示す図である。
【図11】印刷前カード(裏面)が異常のときの発行動作の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、実施形態について詳細を説明する。
図1と図2は、実施態様のシステムの一実施例を示す図である。図1は、カード発行装置1に端末2から直接発行指示をする場合の一実施例を示している。また、図1では店舗などに設置されたカード発行装置1と複数の端末2(端末A、端末B、端末C)などがローカルに接続されている場合を示している。
【0013】
カード発行装置1は、キャッシュカード、クレジットカード、Identification Card(IDカード)、ポイントカードなどに、例えば、口座番号、社員番号、名前、生年月日、有効期限、写真などの必要事項を、印刷して発行する装置である。また、カード発行装置1は、印刷前のカードに破損があるか、印刷前にカードに付いた付着物があるか、印刷前にカードの異常があるか否かを検査する。カードの破損とは、カードについた傷、カードの一部分の欠損、カードの歪み、カードの折れなどである。カードの付着物とは、埃、汚れなどである。カードの異常は、必要事項を印刷する前のカードの印刷状態、ICチップ設置位置などの状態の異常である。ここで、カードの破損、カードに付着物があるか否かを検査する方法は、例えば、センサやカメラなどにより予め撮影した正常なカードの画像情報と、印刷対象のカードを撮影した画像情報とを、パターンマッチングなどの画像処理技術を用いて類似点または相違点を比較することにより正常である否かを判定する。また、カード発行装置1は、印刷前カードが正常であると判断された後、実際にカードに印刷した内容をセンサなどで読み取り、その内容と正常なカードの画像情報を比較して正常に印刷がされているか否かを判定する。印刷した内容の読み取りは、既存の文字認識処理や顔認識処理を用いて行う。正常にカードに必要事項が印刷されているか否かの判定において、印刷された必要事項が文字である場合、印刷されている文字を文字認識処理により認識し、認識した文字情報と、印刷するために用いた情報に含まれる文字情報を比較する。そして、全ての文字が一致すれば正常と判定する。文字以外の印刷された必要事項が正常に印刷されているかを判定する場合、例えば、写真、模様、マーク、コードなどが正常にカードに印刷されているか否かの判定は、パターンマッチングを用いて判定することが考えられる。特に、証明写真や複雑な模様、マーク、コードなどは、精度の高い画像処理を用いることが求められる。
【0014】
端末2はPersonal Computer(PC)、業務に特化した専用端末などであり、図1に示される端末2(端末A、端末B、端末C)は、少なくともカード発行装置1と通信をする機能を備えている。また、端末2はカードの発行を指示するために発行指示通知をカード発行装置1に送信する。また、カード発行装置1から出力されるカードが正常に発行されたことを示す正常通知と、カードが正常に発行されなかったことを示す異常通知を、端末2は受信して、端末2が備えている出力部に出力する。ここで、端末2が備えている出力部は、例えば、液晶モニタやディスプレイ装置やプリンタなどである。また、端末2は発行指示通知を生成するために用いる情報、カードを印刷するために用いる情報などを記録する記録部を備える。また、記録部は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリや、ハードディスクなどである。
【0015】
図2は、端末2がサーバ3に発行許可を得てから、カード発行装置1に発行指示をする場合の一実施例を示している。図2の場合、カード発行装置1と複数の端末2がローカルに接続され、さらにカード発行装置1と複数の端末2はサーバ3とネットワーク4を介して接続されている。例えば、図2に示したシステムとして店舗に設置されたサーバや、クラウドコンピューティングなども考えられる。
【0016】
サーバ3は、少なくとも端末2などと通信をする機能を備えている。図2に示した端末2は、カードを発行するための発行許可を得るために発行依頼通知を生成し、サーバ3に送信する。なお、発行依頼通知には、カードを発行する対象の利用者に関する情報が含まれていてもよい。次に、サーバ3は発行依頼通知を受信すると、発行依頼通知に対する回答として、カードの発行を許可する発行許可通知を端末2に送信し、許可しないときは発行しないことを示す通知を端末2に送信する。許可するか否かの判定は、例えば、利用者に関する情報を用いて行われた審査の結果であり、審査に合格すれば許可とする。例えば、審査とは、身元調査などカードを発行してもよいか否かを判定するものである。なお、審査をしなくてもよく、発行依頼通知に含まれる情報をサーバ3の記録部に記録したことを確認したのち、発行許可通知を端末2に送信してもよい。発行許可通知には、印刷する際に必要な情報として必要事項を含めてもよい。また、サーバ3は、印刷する際に必要な情報などを記録する記録部を備える。また、記録部は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリや、ハードディスクなどである。
【0017】
なお、図2に示した端末2は、発行許可通知を受信するとカード発行装置1に発行指示通知を送信する。また、図1に示した端末2と同様に、カード発行装置1から出力されるカードが正常に発行されたことを示す通知と、カードが正常に発行されなかったことを示す通知を、端末2は受信して、端末2が備えている出力部に出力する。
【0018】
カード発行装置1について説明する。
図3は、カード発行装置1の構造の一実施例を示す図である。
カード発行装置1は、リーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、制御部304、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309を備えている。
【0019】
リーダ/ライタ部301はカードに設けられた記録媒体にデータの読み書きを行う装置で、例えば、ICカードであればICチップにデータを書き込むこと、ICチップのデータを読み出すことが可能である。また、利用者にカードを発行する発行口310を備えている。なお、本例ではICカードについて説明しているが、ICカードに限定するものではない。
【0020】
センサ部302は、印刷前カードの印刷領域または全体を、ラインセンサ、カメラで読み取り、汚れ、埃の有無を検査するための情報を取得する。カメラは、例えば、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)カメラ、Charge Coupled Device(CCD)カメラなどである。
【0021】
印刷部303は、カードに印刷をする印刷装置である。例えば、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの印刷装置である。なお、印刷装置はカードに印刷できる印刷装置であれば特に限定するものではない。
【0022】
制御部304はカード発行装置1のリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308などを制御する。
回収部305は、破損、付着物、異常、印刷に失敗した印刷前のカードあるいは印刷に失敗した印刷後のカードを回収する収納箱である。
【0023】
ホッパ部306は、印刷前カードの収納箱である。なお、本例では一種類のカードについてのみを収納しているが、複数の種類のカードを別々のホッパに収納してもよい。
反転部307はカードの表面と裏面を反転させる機構である。例えば、表面はカードにICチップが設けられている面である。
【0024】
搬送部308は、搬送路309上を移動してホッパ部306から印刷前カードを取得し、制御部304からの指示により、各部にカードを搬送する。
図3に示したリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309は、搬送部308によりカードを搬送する際に、効率よく搬送できるように配置されている。ホッパ部306とセンサ部302は、搬送路309を挟んで対向して配置され、センサ部302の搬送路309と逆側の隣に印刷部303が配置されている。搬送部308を用いずに、印刷部303とセンサ部302の間は、搬送中のカード312に対する汚れ等を防止するために、内部のローラ311などで挟んだ状態で直接カード312の受け渡しが可能な隣接した配置にしている。このように配置することにより、印刷前カードを検査する際に、ホッパ部306から印刷前カードを取り搬送部308に移動し、そのままセンサ部302に印刷前カードを移動することができる。また、回収部305と反転部307を、ホッパ部306を挟んで両側に配置することにより、正常でないカードの回収と、表面と裏面の印刷をするカードの反転を行う際に搬送部308の移動距離を短縮することができる。その結果、カード発行装置1を小さくすることができる。
【0025】
図4は、カード発行装置1の制御部の一実施例を示す図である。
図4では制御部304は、処理部401、記録部402、記録媒体読取装置403、入出力インタフェース404(入出力I/F)、通信インタフェース405(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス406によってそれぞれ接続されている。なお、図4では制御部304は、処理部401、記録部402、通信インタフェース405(通信I/F)だけであってもよい。
【0026】
処理部401は、記録部402に格納されているカード発行装置1を動作させるプログラムを実行する。処理部401は、カード発行装置1のリーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308などを制御する。また、処理部401は、Central Processing Unit(CPU)であってもよいし、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いて実現してもよい。
【0027】
記録部402には、処理部401が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。記録部402は、例えば、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどであってもよい。記録部402には、印刷前カードの正常な状態の画像情報を端末2またはサーバ3から受信して記録してもよい。または、カード発行装置1で読み込んだ正常な状態の印刷前カードの画像情報を記録してもよい。
【0028】
また、記録部402は、印刷前カードの現物をセンサ部302で読み込んだ画像情報を記録する。また、記録部402は、端末2またはサーバ3から受信した印刷に必要なデータを記録している。記録部402は、印刷後カードの現物を読み込んだ画像情報を記録する。
【0029】
記録媒体読取装置403は、処理部401の制御にしたがって記録媒体407に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体407に記録媒体読取装置403の制御で書き込まれたデータを記録させたり、記録媒体407に記録されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体407は、コンピュータで読み取り可能なnon−transitory(非一時的)な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc (DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory (CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk (MO)などがある。
【0030】
入出力インタフェース404には、入出力装置408が接続され、ユーザが入力した情報を受信し、バス406を介して処理部401に送信する。また、処理部401からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。入出力装置408は、例えば、タッチパネルなどが考えられる。
【0031】
通信インタフェース405は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLocal Area Network(LAN)接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0032】
図5は、カード発行装置1の動作の一実施例を示す図である。
ステップS01では、制御部304が端末2からカードの発行指示通知を受信する。例えば、端末2から出力された発行指示通知を、制御部304の通信インタフェース405を介して処理部401が受信する。図1の例では端末A、端末B、端末Cのいずれかひとつがカード発行装置1に発行指示通知を出力する。図2の例では端末A、端末B、端末Cのいずれかひとつがサーバ3から発行許可通知を受信して、カード発行装置1に発行指示通知を出力する。
【0033】
発行指示通知は、装置特定情報、装置設定情報、装置内カード情報を有している。装置特定情報は、例えば、カード発行装置1の装置番号、Internet Protocol Address(IPアドレス)などの装置を特定するために用いる情報である。装置設定情報は、ホッパ部306のホッパ数、反転部307がカード発行装置1に備えられているか否かなどを示す情報である。装置内カード情報は、ホッパ部306内のカードの数や種類などを示す情報である。
【0034】
また、発行指示通知は、印刷前カードに関する情報として、例えば、ホッパ部306の有する1つ以上のホッパごとに収納されている印刷前カードの表面と裏面の画像情報と文字情報を有している。また、印刷前カードの検査に用いる判定基準に関する情報を有している。印刷前カードの表面と裏面の画像情報は、正常な印刷前カードの表面と裏面をセンサまたはカメラなどで撮影した画像情報である。印刷前カードの表面と裏面の文字情報は、正常な印刷前カードの表面と裏面に印刷されている文字、数字、記号などの情報である。印刷前カードの検査に用いる判定基準は、印刷前カードが破損しているか、付着物があるか、異常があるか、印刷が失敗しているか、を判定するために用いる基準である。なお、表面と裏面の画像情報と文字情報は発行指示通知と分けて端末2から制御部304へ出力してもよい。また、端末2からではなく入出力装置408を用いて直接記録部402に記録してもよい。
【0035】
また、発行指示通知は、印刷前カードの表面または裏面に印刷する画像や文字の印刷位置と印刷情報を有している。印刷情報は、画像情報、文字情報を有し、印刷後カードの検査に用いる判定基準も有している。画像情報は、例えば、印刷前カードに印刷する写真、表、ロゴなどの情報である。文字情報は、例えば、印刷前カードに印刷する文字、数字、記号などの情報である。印刷後カードの検査に用いる判定基準は、画像情報に基づいて印刷された写真、表、ロゴなどが正しく印刷されているか否かを判定する際に用いる基準である。文字情報に基づいて印刷された文字、数字、記号などが正しく印刷されているか否かを判定する際に用いる基準である。なお、基準として印刷に用いた文字情報を用いてもよい。なお、印刷前カードに印刷する画像情報と文字情報は発行指示通知と分けて端末2から制御部304へ出力してもよい。また、端末2からではなく入出力装置408を用いて直接記録部402に記録してもよい。その場合、正常な印刷前のカードの画像をカード発行装置1のセンサ部302で読み取り、読み取った画像情報を記録部402に記録する。
【0036】
また、複数のカードを発行する場合には、現在収納されているカードの枚数を発行指示通知に設定する。また、複数の異なるカードを発行する場合には、印刷する対象になるカードが収納されているホッパを選択するための識別情報を発行指示通知に設定する。
【0037】
ステップS02で制御部304は、受信した発行指示通知の有する必要事項に関する情報を記録部402に記録する。例えば、制御部304の処理部401は、記録部402に発行指示通知とともに出力された、必要事項である装置設定情報、装置内カード情報、印刷前カードに関する情報、印刷情報などを記録する。なお、印刷情報以外の必要事項は、端末2またはサーバ3から情報を取得せず予め記録部402に記録しておいてもよい。
【0038】
ステップS03で制御部304は、ホッパ部306から印刷前のカードを取り出し、センサ部302に搬送する指示を出力する。例えば、制御部304の処理部401は、搬送部308をホッパ部306の位置まで移動する指示を搬送部308に出力する。搬送部308は、指示を受信するとホッパ部306の位置まで移動して停止する。次に、制御部304はホッパ部306から印刷前のカードを取り出す指示をホッパ部306に出力する。ホッパ部306は、指示を受信すると搬送部308に印刷前カードを移動する。カードの種類が複数あるときは、カードの種類を指定して対象の種類のカードを搬送部308に移動する。制御部304は、搬送部308をセンサ部302の位置に移動して、印刷前カードをセンサ部302に移動する指示を搬送部308に出力する。図3ではホッパ部306とセンサ部302は搬送路309を挟んで向かい合う構造であるので、搬送部308は移動する必要はない。
【0039】
ステップS04で制御部304は、センサ部302に置かれた印刷前カードの表面あるいは裏面の状態を、センサまたはカメラを用いて検出した結果を、記録部402に記録する。
ステップS05では、制御部304が印刷前カードの状態を検査し、正常であればステップS07に移行し、正常でなければステップS06に移行する。
【0040】
図6は、印刷前カードの検査の一実施例を示す図である。
ホッパ部306から取り出した印刷前カードの画像情報に対応する印刷前カード画像602、603と、記録部402に記録されている正常な印刷前カードの画像情報に対応する印刷前カード画像601を比較する。例えば、パターンマッチングなどの画像処理を用いて比較する。その結果、印刷前カード画像602のように表面に破損、付着物、異常、印刷の失敗が無いときは、印刷前カード画像601と同等であると判定される。例えば、判定を印刷前カード画像601と印刷前カード画像602のそれぞれの画素の画素値を比較して異なる画素をカウントして、記録部402に記録した判定基準に記録されているカウント値以下であれば同等とする。また、印刷前カード画像603のように表面に破損604、付着物605があるときは、印刷前カード画像601と異なると判定される。例えば、判定を印刷前カード画像601と印刷前カード画像603のそれぞれの画素の画素値を比較して異なる画素をカウントして、記録部402に記録した判定基準に記録されているカウント値より多ければ異なると判定する。なお、上記判定では、画素の画素値を比較して異なる画素数と判定基準を用いているが、判定方法は上記判定に限定されるものではない。例えば、カード発行装置1に収納している印刷前カードをセンサ部302により検出した印刷前カード画像602または603と、記録部402に記録されている印刷前カード画像601の一致率を求め、一致率が基準判定値以下のとき、印刷前カードが正常でないと判定してもよい。また、一致率が基準判定値より高いとき、印刷前のカードが正常であると判定してもよい。
【0041】
なお、カード全体を比較するのではなく、記録部402に保管した、受信した印刷情報には印刷位置が記録されているため、印刷前カードのその印刷箇所に汚れが無いかを検査するだけでもよい。なお、印刷位置は印刷をする印刷領域が分かるものであればよい。
【0042】
ステップS06で制御部304は、印刷前カードが正常でないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、搬送部308にセンサ部302の位置に移動して、センサ部302の位置で搬送部308を停止して印刷前カードを搬送部308に移動する指示を出力する。搬送部308が正常でない印刷前カードを取得すると、制御部304は、搬送部308に回収部305の位置に移動して、回収部305の位置で搬送部308を停止して印刷前カードを回収部305に移動する指示を出力する。次に、制御部304は、回収部305に正常でない印刷前カードを回収する指示を出力する。回収部305がない場合には、カードに印刷せず、装置を休止状態にしてもよい。
【0043】
図7は、回収時と印刷移行時の動作の一実施例を示す図である。
図7に示すカード発行装置1は図3で説明した、リーダ/ライタ部301、センサ部302、印刷部303、制御部304、回収部305、ホッパ部306、反転部307、搬送部308、搬送路309を備えている。センサ部302で印刷前カードが正常でないと判定されたときカードは、矢印701に示す経路で回収される。正常である場合には、カードは印刷部303に矢印702の経路で移動する。
【0044】
なお、印刷前カードが正常でなければ回収部305に搬送して、その後、新たにカードを自動的に再発行する。また、回収部305がない場合、装置エラーとしてカードを取り除き易い位置まで搬送する。例えば、装置カバーを開けて、利用者がカードを除去する。
装置エラーとして、カードを装置外に放出してもよい。
【0045】
ステップS07では、制御部304が記録部402より印刷情報を読み出す。
ステップS08では、制御部304が印刷部303にカードを搬送して、カードに印刷する指示を出力する。印刷完了後、制御部304が印刷部303からセンサ部302にカードを搬送する指示を出力する。
【0046】
図8は、正常なカードに印刷する動作の一実施例を示す図である。
制御部304が、記録部402より読み出す印刷情報は、記録部402の図8のテーブル801に記録されており、印刷に必要な情報が記録されている。図8の例では、テーブル801は「位置情報」「印刷情報」を有している。「位置情報」には、「A」「B」「C」が記録されている。本例では、印刷位置を便宜上「A」「B」「C」と表している。例えば、印刷位置は印刷するカードの予め決められた基点から縦方向と横方向の距離を記録することが考えられる。なお、印刷場所が分かるものであればよく、上記基点からの距離に限定されるものではない。
【0047】
「印刷情報」には、「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」「Image」が記録されている。本例では、印刷情報を便宜上「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」「Image」と表しているが限定されるものではない。例えば、「TAROSUZUKI 12/12」「1234567890123456」は文字情報の一例を示している。「Image」は画像情報を呼び出すためのコードの一例を示しており、「Image」には写真、ロゴなどの画像情報が関連付けられて記録部402に記録されている。
【0048】
次に、図8のカード802の何処に印刷するかを位置情報に基づいて検出する。本例では、検出したテーブル801の「A」に対応する「A位置」、「B」に対応する「B位置」、「C」に対応する「C位置」を検出する。次に、「A位置」に「TAROSUZUKI 12/12」を印刷し、「B位置」に「1234567890123456」を印刷し、「C位置」に「Image」に対応する画像を印刷する。
【0049】
ステップS09では、制御部304がセンサ部302に印刷後のカードの表面あるいは裏面の状態を読み込む指示を出力する。次に、制御部304は、センサ部302が読み込んだ印刷後カードの画像情報を記録部402に記録する。
【0050】
ステップS10で制御部304は、ステップS09で読み込んだ画像情報を用いて文字認識をして、文字認識結果と印刷情報の文字情報が一致しているか否かを判定する。一致していればステップS11に移行し、一致しなければステップS12に移行する。文字認識は、Optical Character Reader(OCR)などの技術を用いてカード上の印刷をした文字を認識することが考えられる。一致しているか否かの判定は、認識した文字と文字情報を既存の技術を用いて比較し、全ての文字が一致しているか否かを判定する。
【0051】
ステップS11では、制御部304がステップS09で読み込んだ画像情報を用いて画像認識をして、画像認識結果と印刷情報の印刷画像情報が一致しているか否かを判定する。一致していればステップS14に移行し、一致しなければステップS13に移行する。画像認識は、カードの表面あるいは裏面の状態を、センサまたはカメラを用いて検出して、記録部402に記録する。上記説明したパターンマッチングなどの技術を用いてカード上の印刷した画像を認識することが考えられる。一致しているか否かの判定は、認識した画像と画像情報を既存の技術を用いて比較し、画像が一致しているか否かを判定する。例えば、写真、表、ロゴなどをそれぞれ重ね合わせて一致率を算出して、判定基準の90%以上のとき一致していると判定することが考えられる。なお、写真の場合、顔に汚れや埃が付いているカードを発行すると、クレームになり易いため、顔の部分は、厳しい検査をし、顔以外の背景や体の部分は緩い検査にすることが考えられる。すなわち、厳しい検査をするときは判定基準を高く設定し、緩い検査をするときは判定基準を低く設定する。
【0052】
印刷後カードの印刷が正常にされているか否かの判定を早く行うために、印刷位置の文字と画像だけをセンサ部302で取得して、文字と画像を認識してもよい。
ステップS12では制御部304が、印刷後カードが正常に印刷されていないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、回収部305に正常でない印刷後カードを回収する指示を出力する。
【0053】
ステップS13では制御部304が、印刷後カードが正常に印刷されていないことを示すエラー通知を生成して、端末2またはサーバ3に通知する。制御部304は、回収部305に正常でない印刷後カードを回収する指示を出力する。
【0054】
ステップS14では、制御部304がカードの裏面に印刷するか否かを判定する。裏面に印刷する場合にはステップS15に移行し、裏面に印刷しない場合にはステップS18に移行する。制御部304がカードの裏面に印刷する情報があるか否かを判定し、印刷する情報がある場合はステップS15に移行し、印刷する情報がない場合はステップS18に移行する。
【0055】
ステップS15で制御部304は、カードの裏面に印刷がされているか否かを、記録部402に記録されている状態情報を用いて判定する。印刷されている場合にはステップS18に移行し、印刷されていない場合にはステップS16に移行する。状態情報は、例えば、「表面」「裏面」「表面印刷」「裏面印刷」などの情報を有している。「表面」にはカードが現在表面を向いていることを示す情報が記録されている。例えば、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「裏面」にはカードが現在裏面を向いていることを示す情報が記録されている。例えば、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「表面印刷」はカードの表面に印刷がされたことを示す情報である。例えば、カードの表面に印刷が完了した場合に、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。「裏面印刷」はカードの裏面に印刷がされたことを示す情報である。例えば、カードの裏面に印刷が完了した場合に、記録部402などの決められたアドレスに対応する記録箇所にフラグを立てるなどする。なお、本例ではフラグを立てているがテーブルを用意してもよい。
【0056】
ステップS16では、制御部304がカードをセンサ部302より反転部307へ搬送し、印刷後カードを反転する指示を出力する。
センサ部302から搬送部308にカードを移動し、搬送部308を反転部307の位置まで移動させ、搬送部308から反転部307にカードを移動する。反転部307はカードを反転させて裏面にする。
【0057】
ステップS17ではカードを反転した後、制御部304が反転部307より印刷部303に搬送し、カードに印刷情報に基づいて印刷を行う指示を出力する。次に、制御部304は印刷部303からセンサ部302にカードを搬送する指示を出力して、ステップS04に移行する。
【0058】
反転部307から搬送部308にカードを移動し、搬送部308をセンサ部302の位置まで移動させ、搬送部308からセンサ部302にカードを移動し、さらにセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。印刷部303ではカードの裏面に印刷をして、印刷したカードをセンサ部302に移動する。
ステップS18では、制御部304が正常に印刷されたカードを発行して、処理を終了する。
【0059】
図9、10、11に印刷カードの発行手順を示す。
図9は、印刷が正常であるときの発行動作の一実施例を示す図である。
図9の(1)〜(12)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面または裏面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(7)では印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308からリーダ/ライタ部301に印刷済カードを移動する。リーダ/ライタ部301で、必要データを印刷済カードに書き込み、正常カードを発行する。
【0060】
(8)〜(12)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では裏面に印刷をするデータが有るため、印刷部303からセンサ部302を経由し搬送部308により反転部307に表面が正常に印刷されたカードが、移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図9ではカードが正常であると判定されている。図9の丸印は正常であることを示している。
(11)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(12)では印刷部303で印刷をして、(5)と同様に印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。その後、裏面に印刷をする場合は(6)で裏面の印刷を検査し、(7)で表面と裏面の印刷が済んだカードを搬送部308に移動して、搬送部308からリーダ/ライタ部301に印刷済カードを移動する。
【0061】
図10は、印刷前カードが正常で印刷に失敗したときの発行動作の一実施例を示す図である。図10の(1)〜(13)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図10の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面または裏面の検査を行う。図10の×印は正常でないことを示している。
(13)では印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0062】
(8)〜(12)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では、(6)で表面が正常に印刷され、裏面に印刷をするデータがあるため、表面が正常に印刷されたカードを、印刷部303からセンサ部302を経由して、センサ部302から搬送部308に移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図10の○印は正常であることを示している。
(11)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(12)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。(6)で裏面の検査を行う。図10の×印は正常でないことを示している。そして、(13)で印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0063】
図11は、印刷前カード(裏面)が異常のときの発行動作の一実施例を示す図である。
図11の(1)〜(13)の矢印の示す処理について説明する。
(1)ではホッパ部306より印刷前カードを取り出してセンサ部302の方向に移動する。
(2)では搬送部308からセンサ部302にカードを移動する。
(3)ではセンサ部302で印刷前カードの表面の検査を行う。図11の丸印は正常であることを示している。
(4)ではセンサ部302から印刷部303にカードを移動する。
(5)では印刷部303で印刷をして、印刷部303からセンサ部302に印刷したカードを移動する。
(6)ではセンサ部302で印刷後カードの表面の検査を行う。図11の○印は正常であることを示している。
【0064】
(8)〜(10)(13)は、裏面に印刷する場合について示している。
(8)では、(6)で表面が正常に印刷され、裏面に印刷をするデータがあるため、表面が正常に印刷されたカードを、印刷部303からセンサ部302を経由して、センサ部302から搬送部308に移動する。そして、反転部307でカードを裏面にする。
(9)では反転部307からカードをセンサ部302に移動する。
(10)ではセンサ部302で印刷前カードの裏面の検査を行う。図11の×印は正常でないことを示している。そして、(13)で印刷済カードを搬送部308に移動して、搬送部308から回収部305に印刷済カードを移動する。
【0065】
なお、印刷直後にカードの検査を行うことが重要(搬送中のカードに対する汚れ等を防止するために、直接ローラ等で挟んだ状態でカードの受け渡しが可能な隣接した配置)であるため、プリンタの横(隣)にセンサ部302を配置する。
【0066】
従来は、装置が印刷したカードは、そのまま排出し、排出したカードを担当者やそのカードを手にした人が目視確認していた。そのため、大量にカードが発行された場合、全てのカードを担当者がチェックしなくてはならないので、時間と労力を必要としていた。
【0067】
また、正常でないカードが排出されると、セキュリティ上そのカードの管理にも注意が必要となる。例えば、正常でないカードをむやみに廃棄することができないため、担当者は正常でないカードであっても厳重に保管をしている。
【0068】
また、正常でないカードの発生要因としては、印刷前カードに汚れや埃が付着していることも多分にあった。
しかし、上記実施態様を用いることにより、印刷前、印刷後にカードを検査しているので、カード排出後の目視確認が不要となる。
【0069】
また、検査により正常でないカードと判断した場合、カード発行装置1を休止状態にして、端末2またはサーバ3に対して正常でないことを通知する。それにより、担当者にとってカードが正常であるか否かが明確になり、正常でないカードを取り除くことが容易になる。
【0070】
また、正常でないカードを装置内の回収部305で保管することにより、正常でないカードの管理の信頼性と安全性が向上する。また、正常でないカードを装置内の回収部305で保管することにより、装置を休止状態にせずに、次のカードを発行することが可能である。
【0071】
印刷する前に、カードに汚れや埃が付着していないかを検査するため、汚れのないカードに印刷することになり、正常でないカードの発生が減少する。すなわち、カードの発行能率が大幅に向上する。
【0072】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施例は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
【符号の説明】
【0073】
1 カード発行装置
2 端末
3 サーバ
4 ネットワーク
301 リーダ/ライタ部
302 センサ部
303 印刷部
304 制御部
305 回収部
306 ホッパ部
307 反転部
308 搬送部
309 搬送路
401 処理部
402 記録部
403 記録媒体読取装置
404 入出力インタフェース(入出力I/F)
405 通信インタフェース(通信I/F)
406 バス
407 記録媒体
408 入出力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに印刷をして発行するカード発行装置であって、
正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する記録部と、
前記カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を前記記録部に出力するセンサ部と、
前記カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態を前記センサ部により検出した前記第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値以下のとき、前記収納されていた前記印刷前のカードが正常でないと判定する処理部と、
前記処理部で正常でないと判定された前記印刷前のカードを収納する回収部と、
を備えることを特徴とするカード発行装置。
【請求項2】
前記カード発行装置は、
前記記録部に記録している印刷情報を用いて、前記印刷前のカードに印刷をする印刷部を備え、
前記印刷部と前記センサ部の配置は、前記印刷部と前記センサ部の間でカードを直接搬送する配置であることを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項3】
前記カード発行装置に収納している印刷前のカードを前記センサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値より高いとき、前記収納していた印刷前のカードが正常であると判定をする処理部と、
印刷前のカードが正常であると判定したのち、前記センサ部は、該印刷前のカードを前記印刷部に移動し、
前記印刷部は、前記正常な印刷前のカードに印刷をして、印刷後のカードを前記センサ部に移動し、
前記センサ部が前記印刷後のカードの印刷を検出して、検出した結果である第3の情報と印刷情報が一致しているとき、印刷後のカードが正常であると判定をする処理部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のカード発行装置。
【請求項4】
カードに印刷をして発行するカード発行方法であって、
正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録部に記録し、
前記カード発行装置に収納されている印刷前のカードをセンサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値以下のとき、前記収納していた印刷前のカードが正常でないと判定し、
正常でないと判定された印刷前のカードを収納する前記回収部に、前記正常でないカードを前記センサ部から搬送する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とするカード発行方法。
【請求項5】
前記カード発行装置に収納している印刷前のカードを前記センサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値より高いとき、前記収納していた印刷前のカードが正常であるか否かを判定し、
正常であると判定されたとき、前記印刷前のカードに印刷をする印刷部に移動し、
印刷情報を用いて、正常な前記印刷前のカードを前記印刷部により印刷をし、
印刷したのち、印刷後のカードを前記センサ部に移動し、
前記センサ部が前記印刷後のカードを検出した結果である第3の情報と前記印刷情報が一致しているとき、前記印刷後のカードが正常であるか否かを判定する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とする請求項4に記載のカード発行方法。
【請求項1】
カードに印刷をして発行するカード発行装置であって、
正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録する記録部と、
前記カードの面の状態を検出して、検出した結果である第2の情報を前記記録部に出力するセンサ部と、
前記カード発行装置に収納されている印刷前のカードの面の状態を前記センサ部により検出した前記第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値以下のとき、前記収納されていた前記印刷前のカードが正常でないと判定する処理部と、
前記処理部で正常でないと判定された前記印刷前のカードを収納する回収部と、
を備えることを特徴とするカード発行装置。
【請求項2】
前記カード発行装置は、
前記記録部に記録している印刷情報を用いて、前記印刷前のカードに印刷をする印刷部を備え、
前記印刷部と前記センサ部の配置は、前記印刷部と前記センサ部の間でカードを直接搬送する配置であることを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項3】
前記カード発行装置に収納している印刷前のカードを前記センサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値より高いとき、前記収納していた印刷前のカードが正常であると判定をする処理部と、
印刷前のカードが正常であると判定したのち、前記センサ部は、該印刷前のカードを前記印刷部に移動し、
前記印刷部は、前記正常な印刷前のカードに印刷をして、印刷後のカードを前記センサ部に移動し、
前記センサ部が前記印刷後のカードの印刷を検出して、検出した結果である第3の情報と印刷情報が一致しているとき、印刷後のカードが正常であると判定をする処理部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のカード発行装置。
【請求項4】
カードに印刷をして発行するカード発行方法であって、
正常な印刷前のカードの面の状態を記録した第1の情報を記録部に記録し、
前記カード発行装置に収納されている印刷前のカードをセンサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値以下のとき、前記収納していた印刷前のカードが正常でないと判定し、
正常でないと判定された印刷前のカードを収納する前記回収部に、前記正常でないカードを前記センサ部から搬送する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とするカード発行方法。
【請求項5】
前記カード発行装置に収納している印刷前のカードを前記センサ部により検出した第2の情報と前記第1の情報の一致率を求め、前記一致率が基準判定値より高いとき、前記収納していた印刷前のカードが正常であるか否かを判定し、
正常であると判定されたとき、前記印刷前のカードに印刷をする印刷部に移動し、
印刷情報を用いて、正常な前記印刷前のカードを前記印刷部により印刷をし、
印刷したのち、印刷後のカードを前記センサ部に移動し、
前記センサ部が前記印刷後のカードを検出した結果である第3の情報と前記印刷情報が一致しているとき、前記印刷後のカードが正常であるか否かを判定する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とする請求項4に記載のカード発行方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図8】
【公開番号】特開2012−6358(P2012−6358A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146878(P2010−146878)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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