説明

カーボン複合めっき電線及びその製造方法

【課題】 めっき後においては加工性及びハンドリング性に優れたカーボン複合めっき電線及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 金属芯線11と、その金属芯線11上に形成されたカーボン複合めっき皮膜12とを有するように構成した。カーボン複合めっき皮膜は、カーボン材料として、カーボンファイバー又はカーボンナノチューブを含有してもよいし、めっき金属として、銅、ニッケル、鉄、クロム、金、銀、白金、ロジウム、及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかを含有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン複合めっき電線及びその製造方法に関し、更に詳しくは、カーボンナノファイバーを分散剤とした複合めっき電線及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)又はカーボンナノファイバー(CNF)と呼ばれる微細炭素繊維(直径200nm以下、アスペクト比10以上)は、炭素の基本骨格(6員環)が軸方向に配列していることが特徴であり、その特徴に由来する、熱伝導性、電気伝導性、摺動特性、機械的強度等の特性に優れていることが期待でき、幅広い用途に用いられようとしている。
【0003】
そうした用途の一つに、上記微細炭素繊維からの電界放出(field emission)が検討され、ディスプレー用材料としての有用性が注目されている。この電界放出を実現するには強電界を得る必要があるが、そのためには、エミッタ材料として先端を鋭く尖らせる必要がある。この点、微細炭素繊維は、アスペクト比が大きく、鋭い先端をもち、化学的に安定で機械的にも強靭であって、かつ高温での安定性にも優れていることから、電界放出のエミッタ材料として有用であると考えられている。
【0004】
また、発光デバイスにおける大きな面積を有する冷陰極として、微細炭素繊維を含むペーストを、基板上にスクリーン印刷法等で向きを揃えて多数本固定することが検討されている。しかし、多数本の微細炭素繊維を基板上に向きを揃えて固定するのは、スクリーン印刷法等によっては必ずしも容易ではなかった。
【0005】
例えば、印刷に使用する微細炭素繊維を含むペーストは、導電性を付与する低融点金属の粉末と有機溶剤とを混合して作製されている。そして、そのペーストを印刷した後、150℃・30分程度の乾燥工程にて余分な有機溶剤成分を揮発させ、その後、ピーク温度500〜850℃×10分程度の焼成工程を行うことによって、微細炭素繊維を基板上に固着させ、導電性を確保している。しかしながら、微細炭素繊維はカーボンであるため、焼成時の高温により分解してしまうという問題がある。
【0006】
こうした中、下記特許文献1では、いわゆる分散めっきによって金属中に微細炭素繊維又はその誘導体を混入させることのできるめっき構造物及びその製造方法が提案され、そのめっき工程中において、微細炭素繊維を起立させた状態でめっき皮膜に固定し、多数の電界放出端を有する電界放出素子(エミッタ)を容易に形成できると報告されている。
【特許文献1】特開2004−156074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した電界放出素子として応用可能で、量産性に優れ、めっき後においては加工性及びハンドリング性に優れたカーボン複合めっき電線及びその製造方法を提供することを目的とする。なお、特に電界放出特性に優れたカーボン複合めっき電線及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のカーボン複合めっき電線は、金属芯線と、当該金属芯線上に形成されたカーボン複合めっき皮膜とを有することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、カーボン複合めっき皮膜を金属芯線上に形成したので、得られたカーボン複合めっき電線は、電界放出素子として応用可能で、量産性に優れ、加工性及びハンドリング性に優れたものとなる。特に本発明は、電線上にカーボン複合めっき皮膜が形成されているので、カーボン(微細炭素繊維)の先端が電線の周り360°の方向に放射状に向くように配置させることができる。その結果、電界放出特性をより一層向上させることができるという利点がある。
【0010】
本発明のカーボン複合めっき電線において、前記カーボン複合めっき皮膜は、カーボン材料として、カーボンファイバー又はカーボンナノチューブを含有してもよいし、めっき金属として、銅、ニッケル、鉄、クロム、金、銀、白金、ロジウム、及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかを含有してもよい。
【0011】
本発明のカーボン複合めっき電線において、前記金属芯線は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、タングステン、モリブデン、チタン、白金及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかの材料とすることができる。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法は、めっき液中にカーボン材料を分散させた状態で金属芯線に給電してカーボン複合めっき皮膜を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のカーボン複合めっき電線及びその製造方法によれば、カーボン複合めっき皮膜を金属芯線上に形成したので、得られたカーボン複合めっき電線は、電界放出素子として応用可能で、量産性に優れ、加工性及びハンドリング性に優れたものとなる。
【0014】
特に本発明のカーボン複合めっき電線は、長尺の電線を芯線としているので、連続生産が容易で生産性がよいと共に、ほぼエンドレスに製造することができ、コスト的にも有利である。
【0015】
さらに本発明のカーボン複合めっき電線は、金属芯線上にカーボン複合めっき皮膜が形成されているので、カーボン(微細炭素繊維)の先端が電線の周り360°の方向に放射状に向くように配置させることができる。その結果、低い電界閾値で電子が放出することになり、電流密度を大きくして大電流を流すことができるので、電界放出特性をより一層向上させることができる。
【0016】
また、本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法によれば、金属芯線の外周上にカーボン複合めっきを施すので、被めっき材の形状による電流密度のばらつきが無く、その結果、被めっき材である金属芯線に対して均一な電圧(電場)がかかる。その結果、金属芯線の円周上に均一な厚さでめっき皮膜を形成できると共に、円周上に均一な含有量でカーボンを含有させることができる。こうして得られたカーボン複合めっき電線は、360°の円周上に均一な含有量でカーボンが含有しているので、電界放出特性を極めて安定させることができる。
【0017】
また、本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法によれば、平板にめっきしたものとは異なり、めっき条件(カーボン材料の含有量、電流密度、等々)を容易に変化させることができ、そうしためっき条件の変化によっても、360°の円周上のカーボン材料の含有量のバラツキやめっき厚のバラツキを極めて小さくすることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のカーボン複合めっき電線及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
(カーボン複合めっき電線)
図1は、本発明のカーボン複合めっき電線の一例を示す模式的な断面図であり、(A)は全体断面図であり、(B)は部分断面図である。本発明のカーボン複合めっき電線10は、金属芯線11と、その金属芯線11上に形成されたカーボン複合めっき皮膜12とを有している。
【0020】
金属芯線11は、各種の金属芯線を用いることができ、その材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、タングステン、モリブデン、チタン、白金及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかの材料を挙げることができる。いずれの材質を選択するかは、それぞれの特徴を考慮して選択され、例えば、導電性、耐食性、強度、等を考慮して選択される。金属芯線11の直径も特に限定されないが、50μm程度の細線から2mm程度の太線まで、広い範囲の金属芯線を適用可能である。
【0021】
カーボン複合めっき皮膜12は、カーボン材料13を含有する分散めっき皮膜である。このめっき皮膜を構成するめっき金属としては、銅、ニッケル、鉄、クロム、金、銀、白金、ロジウム、及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかを挙げることができる。いずれの材質を選択するかは、それぞれの特徴を考慮して選択され、例えば、導電性、耐食性、強度、等を考慮して選択される。
【0022】
めっき金属中に含有されるカーボン材料13としては、カーボンファイバー及びカーボンナノチューブを挙げることができる。本発明においては、各種のカーボン材料がめっき金属中に均一に分散されている。これらのカーボン材料13は、熱伝導性、導電性、強度、摺動性(潤滑性)、復元力(反発力)等に優れており、また、化学的に安定で比表面積が小さく、吸着水分量も極めて小さいという特徴がある。本発明のカーボン複合めっき電線10は、こうした特徴を有するカーボン材料13を含む分散めっき皮膜12を金属芯線11上に有するので、電界放出素子に適用した場合には、強い電場をかけなくとも高効率に大量の電子を放出させることができると共に、長期間の使用に耐えることができ、安定であるという利点がある。
【0023】
カーボン複合めっき皮膜12の厚さは、主に金属芯線11の直径との関係で決定され特に限定されないが、通常金属芯線の直径の1%〜30%程度の厚さであることが好ましい。なお、電鋳のように厚く付けることも可能であり、最大数十mm(10mm程度)でめっきすることもできる。
【0024】
なお、カーボンファイバーをカーボン材料13として用いた場合、そのカーボンファイバーがめっき金属中で「立つ」ように、放射状に含有させることができる。
【0025】
すなわち、本発明においては、被めっき材が円形断面を有する金属芯線であるので、カーボンファイバーの先端が電線の周り360°の方向に放射状に向くように配置させることができる。その結果、電界放出のエミッタ材料のような電界放出素子として適用すれば、めっき皮膜表面から飛び出しているカーボンファイバーの尖った先端が、電界放出のエミッタ材料となるので、電界放出素子として好ましく適用することが可能であると共に、その電界放出特性をより一層向上させることができるという利点がある。めっき電線表面のカーボン材料は、放射状に配置する傾向にあるので、平板状の電極よりも電子が放出し易いといメリットがある。
【0026】
また、電線表面から放射状にかつ高密度にカーボンが固着されているので、このカーボン複合めっき電線の表面に電場を印加すると、電子を電線内に閉じ込めている表面のポテンシャル障壁が低くかつ薄くなり、電子がトンネル効果により真空中に放出される現象(いわゆる電界放出)が容易に発生する。この点は、カーボン複合めっき皮膜が形成されていない従来タイプの電線を加熱した熱放出型電子源(熱陰極)では、加熱するために多くの電力が必要となるのとは対照的である。
【0027】
また、本発明のカーボン複合めっき電線は、広い温度範囲(常温域)で安定した電界放出特性が得られるので、省電力・長寿命・高輝度な冷陰極型蛍光表示管用フィラメントとして利用できる。
【0028】
(カーボン複合めっき電線の製造方法)
本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法は、めっき液中にカーボン材料を分散させた状態で金属芯線に給電してカーボン複合めっき皮膜を形成することを特徴とする。
【0029】
めっき液としては、通常、上述しためっき金属の無機塩と、支持電解質と、カーボン材料とを少なくとも有する分散めっき液が用いられる。このめっき液には、必要に応じて、界面活性剤、光沢剤、塩素成分等の各種の添加剤が含有される。特に本発明のような分散めっきは、多少の撥水性を有するカーボン材料をめっき液中で均一に分散させておくことが重要であるので、界面活性剤を添加することが好ましい。めっき液中へのカーボン材料の分散量は、めっき液の性質やめっき皮膜中に含有させとうよする量によって任意に設定されるが、通常、2〜10g/Lの範囲内で分散させることが好ましい。
【0030】
めっきは、予め所定の寸法に線引き加工された金属芯線を前処理し、めっき液中のカーボン材料を分散させた状態でその金属芯線に給電して行われる。金属芯線への前処理としては、金属一般に対して行われる前処理であればよく、特に限定されない。めっきは、電気めっきであっても無電解めっきであっても構わないが、無電解めっきの場合には還元剤を含有する。めっき条件についても、カーボン材料の含有量や、得られためっき金属の物性(硬さ、強度、耐食性)を考慮して任意の条件が設定される。そうした条件としては、例えば、電流密度、液温、撹拌強度等を挙げることができる。めっき後のカーボン複合めっき電線は、各種の洗浄工程を経て得ることができる。
【0031】
なお、必要に応じてアニールを施してもよいし、逆電解を印加したり、材料によっては化成処理を施すこともできる。また、金属芯線の変更にも容易に対応可能であり、用途により極細線から太い線材まで容易に製造することができる。
【0032】
めっき装置については特に限定されないが、連続生産可能なめっき装置であることが好ましい。例えば、めっき液循環タンクを備えたオーバーフロー型のめっき槽を好ましく用いることができる。こうしためっき槽は、分散材料であるカーボン材料の撹拌効果もあり、めっき槽中で均一に分散させることができると共に、めっき液循環タンクにカーボン材料を容易に補給することができる。なお、電解脱脂や酸洗い等の前処理工程や後処理工程についても、オーバーフロー型の処理槽とすることが便利である。
【0033】
以上説明したように、本発明のカーボン複合めっき電線及びその製造方法によれば、カーボン複合めっき皮膜を金属芯線上に形成したので、得られたカーボン複合めっき電線は、電界放出素子として応用可能で、量産性に優れ、加工性及びハンドリング性に優れたものとなる。
【0034】
また、本発明においては、長尺の電線を芯線としているので、連続生産が容易で生産性がよいと共に、ほぼエンドレスに製造することができ、コスト的にも有利である。また、オーバーフローによるめっき槽を金属芯線を連続して走らせることができるので、そのオーバーフローにより、めっき液中のカーボンの分散状態を常に均一にすることができる。しかも、連続製造中に徐々に減少するめっき液中のカーボン量の補給が容易である。具体的には、オーバーフローするめっき槽にめっき液を供給するためのめっき液循環タンクに補給することができる。
【0035】
また、本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法によれば、金属芯線の外周上にカーボン複合めっきを施すので、被めっき材の形状による電流密度のばらつきが無く、その結果、被めっき材である金属芯線に対して均一な電圧(電場)がかかるので、金属芯線の円周上に均一な厚さでめっき皮膜を形成できると共に、円周上に均一な含有量でカーボンを含有させることができる。こうして得られたカーボン複合めっき電線は、360°の円周上に均一な含有量でカーボンが含有しているので、電界放出特性を極めて安定させることができる。
【0036】
また、本発明のカーボン複合めっき電線の製造方法によれば、平板にめっきしたものとは異なり、めっき条件(カーボン材料の含有量、電流密度、等々)を容易に変化させることができ、そうしためっき条件の変化によっても、360°の円周上のカーボン材料の含有量のバラツキやめっき厚のバラツキを極めて小さくすることができるという利点がある。
【実施例】
【0037】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
分散めっき液として、硫酸銅220g/L、硫酸55g/L、塩酸50mg/L、カーボン材料(昭和電工株式会社、気相法炭素繊維、商品名:VGCF、繊維径150nm、繊維長10〜20μm)10g/L、界面活性剤(和光純薬工業株式会社、商品名:PA5000)0.14g/Lを含有するものを用いた。金属芯線は、直径0.085mmの銅線を用い、その銅線を電解脱脂、酸洗いした後、上記のめっき液に供して分散めっきを行った。めっき条件は、陽極として含リン銅を用い、電流密度4A/dm、電気量10C/cm、液温30℃、スターラー撹拌(強)の条件とし、厚さ3.5μmとなるまでめっきした。めっき後は、水洗、超音波洗浄、アルコール洗浄等を行った後に乾燥させて、実施例1のカーボン複合めっき電線を作製した。
【0039】
(実施例2)
めっき液中のカーボン材料を5g/Lに変更した他は実施例1と同様にして、実施例2のカーボン複合めっき電線を作製した。
【0040】
(実施例3)
めっき液中のカーボン材料を2g/Lに変更した他は実施例1と同様にして、実施例3のカーボン複合めっき電線を作製した。
【0041】
(結果)
図2は、得られたカーボン複合めっき電線の表面写真である。上段は2000倍での写真であり、下段は750倍での写真である。めっき皮膜中にカーボンファイバーが含有しているのが確認された。
【0042】
また、実施例1〜3で得られたカーボン複合めっき電線について、電子放出特性を測定した。図3は、電子放出特性の測定方法を示す概略図であり、図3(A)はここで使用した測定方法の模式図であり、図3(B)は従来型の平板サンプルを測定する場合の参考模式図である。ここでは、図3(A)に示したように、内径2.0mmの円筒状電極31の中心に、得られたカーボン複合めっき電線10を配置して、真空チャンバー内で測定した。このとき用いたサンプルは、長さ20mmで直径0.092mmであり、放出面積は0.058cmであった。また、電極間距離は約1mmであり、到達真空度を5.2×10−5Paとした。その結果を図4に示す。ターンオン電界(電界閾値)は約0.7V/μmであった。
【0043】
さらに得られたカーボン複合めっき電線は、カーボン(微細炭素繊維)の先端が電線の周り360°の方向に放射状に向くように配置しているので、低い電界閾値で電子が放出することになり、電流密度を大きくして大電流を流すことができる。その結果、電界放出特性をより一層向上させることが可能となる。
【0044】
電界放出に適したカーボンナノチューブは、直径が数ナノメートルと細いほど電子放出し易いといわれている。従来、多層カーボンナノチューブ(繊維径約10nm)を用いた電界放出素子の電子放出における電界閾値は約3/μm程度であった。また、極細カーボンナノチューブ(繊維径約2nm)を用いた電界放出素子の電子放出における電界閾値が約1V/μm程度であった。こうした従来のものに対し、本発明に係る実施例1のカーボン複合めっき電線は、繊維径150nmという太いカーボン材料を用いているにも拘らず、電界閾値が約0.7V/μmという非常に高い電子放出性を示していた。
【0045】
こうした本発明のカーボン複合めっき電線は、広い温度範囲(常温域)で安定した電界放出を実現可能であると共に、放出された電子を蛍光体に衝突させることで、省電力・長寿命・高輝度な冷陰極の蛍光表示管のフィラメントとしての利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のカーボン複合めっき電線の一例を示す模式的な断面図であり、(A)は全体断面図であり、(B)は部分断面図である。
【図2】得られたカーボン複合めっき電線の表面写真である。
【図3】電子放出特性の測定方法を示す概略図である。
【図4】電界電子放出特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0047】
10 カーボン複合めっき電線
11 金属芯線
12 カーボン複合めっき皮膜
13 カーボン材料
31 円筒形電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属芯線と、当該金属芯線上に形成されたカーボン複合めっき皮膜とを有することを特徴とするカーボン複合めっき電線。
【請求項2】
前記カーボン複合めっき皮膜は、カーボンファイバー又はカーボンナノチューブを含有することを特徴とする請求項1に記載のカーボン複合めっき電線。
【請求項3】
前記カーボン複合めっき皮膜は、銅、ニッケル、鉄、クロム、金、銀、白金、ロジウム及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボン複合めっき電線。
【請求項4】
前記金属芯線は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、タングステン、モリブデン、チタン、白金及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかの材料であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカーボン複合めっき電線。
【請求項5】
めっき液中にカーボン材料を分散させた状態で金属芯線に給電してカーボン複合めっき皮膜を形成することを特徴とするカーボン複合めっき電線の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−265667(P2006−265667A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−87332(P2005−87332)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】