説明

ガイドシステム、及びガイドプログラム

【課題】異常が発生した主装置の構造や撮影装置での撮影に不慣れなユーザであっても、装置の異常発生箇所を撮影できるガイドシステム及びガイドプログラムを提供する。
【解決手段】主装置である画像形成装置2に装着されたパネルユニット3は、画像形成装置2の液晶モニタ31及びタッチパネル32として機能する。パネルユニット3は、画像形成装置2から取り外すことができ、画像形成装置2を撮影する撮影装置として機能する。ガイドシステム1では、画像形成装置2に異常が発生したときに、ユーザがパネルユニット3により画像形成装置2を撮影すると、撮影画像に基づいて生成されたガイド情報がパネルユニット3に表示される。ガイド情報としては、例えば、ユーザを異常発生箇所に誘導する情報や正常な状態に戻すための情報が表示される。ユーザは、パネルユニット3に表示されたガイド情報に従うことで、画像形成装置2を正常な状態に戻すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常を解消するためのガイド情報を生成するガイドシステム及びガイドプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、紙詰まりなどの異常が発生したときに、異常を解消するための方法を表示パネルに表示するものがあった。また、ユーザが携帯電話の画像撮影部で画像形成装置を構成するパーツを撮影すると、撮影したパーツのメンテナンス情報などを、携帯電話の表示部に表示する情報通知システムがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−66967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、異常が発生したときに、異常の解消方法が表示パネルに表示されていたとしても、携帯電話での撮影や画像形成装置の構造に不慣れなユーザは、どこをどのように撮影すればよいかがわからないことがあった。そのため、画像形成装置のメンテナンスの必要な箇所を撮影できず、異常を解消できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、異常が発生した主装置の構造や撮影装置での撮影に不慣れなユーザであっても、主装置の異常発生箇所を撮影できるガイドシステム及びガイドプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のガイドシステムは、撮影装置と主装置とを備えている。主装置は、異常検出部を備えている。異常検出部は、主装置において異常が発生した際に、異常発生箇所を検出する。また、撮影装置は、撮影部と表示部を備えている。撮影部は、主装置を撮影する。表示部は、撮影部が撮影した主装置の撮影画像を表示する。さらに、撮影装置及び前記主装置は、通信部を備えている。通信部は、異常検出部が検出した異常発生箇所に関する情報と、撮影部が撮影した主装置の撮影画像と、を送受信する。また、撮影装置または主装置は、解析部と情報生成部を備えている。解析部は、撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、前記異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれているかどうかを解析する。情報生成部は、解析部の解析結果に応じて、異常を解消するまでの誘導を行うガイド情報を生成し、このガイド情報を前記表示部に順次表示させる。
【0007】
ガイドシステムでは、主装置に異常が発生したときに、ユーザが撮影装置の撮影部により主装置の任意の箇所を撮影すると、撮影画像に異常発生箇所が含まれているかどうかに応じて、異常を解消するまでの誘導を行うガイド情報が撮影装置の表示部に表示される。例えば、撮影画像に異常発生箇所が含まれていない場合には、異常発生箇所の方向を示すガイド情報を表示する。また、撮影画像に異常発生箇所が含まれている場合には、異常発生箇所の輪郭の画像をガイド情報として表示する。また、異常発生箇所が撮影できると、さらに異常を解消するためのガイド情報を表示する。したがって、画像形成装置や撮影装置に不慣れなユーザであっても、ユーザはガイド情報に従うことで、撮影装置で撮影する箇所を順次変更して、異常発生箇所の画像を撮影できるので、異常発生箇所の場所を把握して、異常を解消できる。
【0008】
撮影装置と主装置は、上記の処理を行うプログラムを実行するコンピュータを備えた構成としてもよい。
【0009】
上記発明のガイドシステムにおいては、撮影装置は、主装置に着脱自在に装着され、操作部を備えている。操作部は、主装置に装着されているときに、主装置に対する操作を受け付ける。主装置の通信部は、撮影装置が主装置に装着されているときに、異常検出部が検出した異常発生箇所に関する情報であって、表示部に表示させる情報を撮影装置に送信する。
【0010】
ガイドシステムでは、主装置で異常が発生するまでは、撮影装置は操作部として主装置に装着されている。そのため、主装置で異常が発生したときには、異常発生箇所に関する情報、例えば、異常発生箇所の位置の情報や異常発生箇所の輪郭の情報などを、主装置に装着された状態で取得できる。したがって、撮影装置から取り外された後に、異常発生箇所に誘導するガイド情報や、異常を解消するためのガイド情報を速やかに表示することができる。また、撮影装置が主装置から取り外された後の通信量を抑制できる。また、別途、撮影装置を用意することなく、画像形成装置の異常発生箇所を撮影できる。
【0011】
上記発明のガイドシステムでは、主装置は、複数のマーカーを備えている。情報生成部は、撮影部が撮影した主装置の撮影画像に含まれる複数のマーカーの画像に基づいて、主装置の撮影箇所を特定して、異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれているかどうかを解析する。
【0012】
主装置に複数のマーカーを設けておき、主装置を撮影することで、マーカーに基づいて、主装置のどの箇所を撮影したかを判別できる。例えば、主装置の外面毎に異なる色のマーカーを設けたり、同じ面でも扉によって異なる形状のマーカーを設けたりするとよい。これにより、撮影装置での撮影箇所を特定できるので、正確なガイド情報を生成できる。
【0013】
上記発明のガイドシステムでは、撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、複数のマーカーの画像が含まれていない場合には、解析部は主装置を撮影していないと判定し、情報生成部は主装置の撮影を指示するガイド情報を生成する。
【0014】
主装置の外面には、主装置のどの箇所を撮影したかを判別できるように、複数のマーカーを設けているので、撮影装置の撮影画像にマーカーの画像が含まれていない場合には、主装置を撮影していない可能性が高い。この場合には、主装置の撮影を指示することで、ユーザを異常発生箇所に誘導することができる。
【0015】
上記発明のガイドシステムでは、情報生成部は、特定した主装置の撮影箇所と、異常検出部が検出した異常発生箇所と、の位置関係を求めて、この位置関係に基づいて、前記異常発生箇所の方向を示すガイド情報を生成する。
【0016】
この構成では、撮影装置の表示部には、異常発生箇所の方向を示すガイド情報が表示されるので、このガイド情報に従って撮影箇所を変更することで、主装置の異常発生箇所を撮影することができる。
【0017】
上記発明のガイドシステムでは、情報生成部は、撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれている場合には、異常発生箇所の輪郭の画像を含むガイド情報を生成する。
【0018】
この構成では、撮影装置の表示部に、ガイド情報として、主装置における異常発生箇所の輪郭の画像が、撮影画像とともに表示されるので、ユーザは撮影装置の表示部を見ながら撮影装置を動かすことで、異常発生箇所の輪郭の画像と撮影画像に含まれる異常発生箇所の画像とを一致させることができる。したがって、異常発生箇所を特定できる。
【0019】
上記発明のガイドシステムにおいては、撮影部が撮影した主装置の撮影画像は、ライブビュー画像であるとすることができる。ライブビュー画像とは、撮影部の出力をリアルタイムで表示部に映し出す画像である。解析部は、情報生成部が生成した異常発生箇所の輪郭の画像と、撮影部が撮影した主装置のライブビュー画像と、が一致するかどうかを解析し、異常発生箇所の輪郭の画像と、主装置のライブビュー画像と、が一致したときに、撮影部に前記異常発生箇所の静止画像を撮影させる。また、情報生成部は、撮影部が撮影した静止画像とともに表示させるガイド情報を生成し、このガイド情報を静止画像とともに表示部に表示させる。
【0020】
ガイドシステムでは、異常発生箇所の静止画像を撮影して、ガイド情報とともに表示するので、ユーザは、自身の近くに撮影装置を置いて、表示内容を確認しながら異常の解消作業を行うことができる。
【0021】
上記発明のガイドシステムでは、撮影装置は、制御部を備えている。制御部は、操作部が、表示部に表示された主装置の撮影画像に表示された複数の駆動部品のいずれかを単体で動作させる単体シミュレーションモードを受け付けた後に、選択された駆動部品の単体動作指示を受け付けると、選択された駆動部品を単体で動作させる制御信号を出力する。
【0022】
この構成では、主装置の構成部品をそれぞれ単体で動作させることができる。これにより、構成部品が正常に動作するかどうかを1つずつ確認できるので、異常の原因となった構成部品を特定できる。
【0023】
上記発明のガイドシステムは、主装置と撮影装置に加えて、サーバを備えている。サーバは、記憶部と、サーバ通信部を備えている。記憶部は、主装置のメンテナンス情報を記憶する。サーバ通信部は、メンテナンス情報の送信要求を受信すると、この送信要求に対応するメンテナンス情報を記憶部から読み出して送信する。主装置の通信部は、異常検出部が検出した異常発生箇所のメンテナンス情報の送信要求をサーバに送信し、サーバが送信したメンテナンス情報を受信する。撮影装置の通信部は、前記主装置が送信したメンテナンス情報を受信し、表示部は、前記撮影装置の通信部が受信したメンテナンス情報を表示する。
【0024】
この構成では、サービスセンターから主装置のメンテナンス情報を取得して、撮影装置の表示部で内容を確認できる。そのため、メンテナンス情報として、例えば異常発生箇所のより詳しい情報を送受信するように構成することで、この情報に基づいて異常発生箇所を正常な状態に戻すことができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、撮影装置での撮影や異常が発生した主装置の構造に不慣れなユーザであっても、主装置の異常発生箇所を撮影することができ、異常発生箇所の位置を把握できる。また、ガイド情報に従って、主装置を正常な状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係るガイドシステムのブロックである。
【図2】(A)は、画像形成装置の上部斜視図である。(B)は、撮影装置の表面側を示す斜視図である。(C)は、撮影装置の裏面側を示す斜視図である。
【図3】画像形成装置の内部構成を示す正面透視図である。
【図4】(A)は、画像形成装置の上面図である。(B)は、画像形成装置の左側面である。(C)は、画像形成装置の正面図である。(D)は、画像形成装置の右側面図である。
【図5】ガイドシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】(A)は、画像形成装置の異常発生箇所を含まない撮影画像の例である。(B)は、画像形成装置の撮影画像に表示されたガイド情報の例である。
【図7】(A)は、画像形成装置の異常発生箇所(中央ドア)を含む撮影画像の例である。(B)は、画像形成装置の撮影画像に表示されたガイド情報の例である。
【図8】(A)は、画像形成装置の異常発生箇所(給紙ローラ対)を含む撮影画像の例である。(B)は、画像形成装置の撮影画像に表示されたガイド情報の例である。
【図9】図5とは処理の分担が異なる場合の、ガイドシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】単体シミュレーションモードの処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】(A)は、画像形成装置の撮影画像である。(B)は、単体シミュレーションモード実行時の表示画像である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、ガイドシステムを構成する主装置が画像形成装置、撮影装置がパネルユニットの場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図1に示すように、ガイドシステム1は、画像形成装置2と、パネルユニット3を備えている。パネルユニット3は、画像形成装置2に着脱自在に装着されている。
【0029】
画像形成装置2は、表示部13、操作部14、画像読取部15、画像形成部16、給紙部17、異常検出部18、記憶部19、画像処理部20、通信部21、及び制御部22を備えている。
【0030】
パネルユニット3は、表示部13、操作部14、撮影部23、画像処理部24、音声処理部25、記憶部26、通信部27、及び制御部28を備えている。パネルユニット3は、画像形成装置2に装着されているときには、画像形成装置2の表示部13及び操作部14として機能する。そのため、画像形成装置2とパネルユニット3において、表示部と操作部は同符号を付している。
【0031】
ガイドシステム1は、さらにサーバ4を備えた構成としてもよい。サーバ4は、画像形成装置2とパネルユニット3が設置された場所から離れたサービスセンターに設置されている。
【0032】
サーバ4は、通信部41、表示部42、操作部43、撮影部44、画像処理部45、音声処理部46、記憶部47、及び制御部48を備えている。通信部41は、本発明のサーバ通信部に相当する。
【0033】
各部の動作の詳細は後述する。
【0034】
パネルユニット3は、画像形成装置2に取り付けられているときには、通信部27が画像形成装置2の通信部21と接続されており、後述するように、通信部21から通信部27へ異常発生箇所に関する情報が送信される。パネルユニット3の表示部13、操作部14、及び通信部27は、接離自在な接合部材(例えば、コネクタ)5を介して、画像形成装置2の制御部22及び通信部21と接続されている。
【0035】
なお、パネルユニット3が画像形成装置2に取り付けられているときには、通信部21,27を介さずに、制御部22と制御部28を直接接続して、信号や情報の送受信を行うように構成してもよい。
【0036】
パネルユニット3は、画像形成装置2から取り外されたときには、主装置である画像形成装置2を撮影するための撮影装置(カメラ)として機能し、表示部13に撮影部23で撮影したライブビュー画像や静止画像を表示し、操作部14でユーザの操作を受け付ける。
【0037】
パネルユニット3は、画像形成装置2から取り外されると、内蔵する撮像素子からの出力をリアルタイムで映し出すライブビュー画像を表示部42に表示する。また、パネルユニット3は、操作部43で撮影操作が行われたときや所定のタイミングで、静止画像を撮影する。
【0038】
また、パネルユニット3が画像形成装置2に取り外されたときには、通信部21と通信部27は無線通信を行う。
【0039】
なお、図1においては、制御部22が、表示部13と操作部14を直接制御する構成としたが、これに限るものではなく、制御部22が制御部28を介して表示部13と操作部14を間接的に制御するように構成してもよい。
【0040】
ガイドシステム1では、画像形成装置2に異常が発生したときに、ユーザがパネルユニット3を画像形成装置2から取り外して、被写体として画像形成装置2を撮影すると、撮影画像に基づいて生成されたガイド情報がパネルユニット3の表示部13に表示される。ガイド情報としては、例えば、ユーザを異常発生箇所に誘導する情報や、画像形成装置2を正常な状態に戻すための情報が表示される。ユーザは、パネルユニット3に表示されたガイド情報に従うことで、画像形成装置や撮影装置に不慣れであっても、画像形成装置2の異常を解消して正常な状態に戻すことができる。
【0041】
次に、画像形成装置2及びパネルユニット3の具体的な構成について説明する。
【0042】
図2(A)に示すように、画像形成装置2は、その上部前側にパネルユニット3を備えている。
【0043】
図2(B)に示すように、パネルユニット3は、表面側に、表示部13である液晶モニタ31と、操作部14であるタッチパネル32と、音声処理部25であるマイク33及びスピーカ34を備えている。また、図2(C)に示すように、パネルユニット3は、裏面側に、撮影部23であるカメラ35及びLEDライト36を備えている。カメラ35は、不図示の撮像素子を内蔵している。
【0044】
図3に示すように、画像形成装置2は、画像読取部15として、原稿台50、カバー51及びスキャナユニット52を備えている。また、画像形成装置2は、画像形成部16として、画像形成ユニット60〜63、一次転写ベルト64、支持ローラ65、一次転写ベルト駆動ローラ66、一次転写ローラ641〜644、二次転写ユニット68、及び定着ユニット69を備えている。また、画像形成装置2は、給紙部17として、トレイ70、給紙ローラ対71〜74、及び排紙ローラ対75を備えている。
【0045】
画像形成ユニット60〜63は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各トナー像を形成する。
【0046】
画像形成ユニット60〜63の上方には、無端ベルトである一次転写ベルト64が配置されている。一次転写ベルト64は、支持ローラ65と一次転写ベルト駆動ローラ66に掛け渡されてループ状に張架され、矢印Rの方向に回転する。一次転写ベルト64の内周側には、一次転写ローラ641〜644が配置されている。一次転写ローラ641〜644は、一次転写ベルト64を挟んで、各画像形成ユニット60〜63に設けられた感光体ドラム600〜603に対向している。
【0047】
画像形成ユニット60〜63の下方には、トレイ70が配置されている。
【0048】
画像形成装置2の制御部22は、液晶モニタ31(表示部13)に印刷メニューなどを表示させる。制御部22は、タッチパネル32(操作部14)で印刷メニューの選択などの操作を受け付けたことを検出すると、原稿台50に置かれた原稿の画像をスキャナユニット52で読み取らせる。スキャナユニット52は、読み取ったカラー画像データを画像処理部20へ出力する。
【0049】
画像処理部20は、カラー画像データが入力されると、カラー画像からイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの単色画像を生成し、各単色画像を、画像形成部16の画像形成ユニット60〜63に出力する。画像形成ユニット60〜63は、入力された単色画像に基づいて単色トナー像を形成する。画像形成ユニット60〜63がそれぞれ形成した単色トナー像は、一次転写ローラ641〜644により一次転写ベルト64上に重ね合うように順に一次転写されて、1つのカラートナー像となる。一次転写ベルト64は、一次転写されたトナー像を一次転写ベルト駆動ローラ66と二次転写ユニット68が対向する二次転写位置へ搬送する。
【0050】
制御部22は、画像形成部16がカラートナー画像を形成しているときに、給紙部17により用紙Pを搬送する。すなわち、制御部22は、トレイ70に収納された用紙Pを、搬送路に配置された複数の給紙ローラ対71〜74により、二次転写ユニット68が一次転写ベルト64と対向する二次転写位置まで、矢印Yの方向に搬送する。この二次転写位置において、一次転写ベルト64上のカラートナー像が用紙Pに二次転写される。
【0051】
制御部22は、カラートナー像が二次転写された用紙Pを、定着ユニット69に搬送して、用紙Pにカラートナー像を定着させる。そして、制御部22は、カラートナー像が定着した用紙Pを、排紙ローラ対75により画像形成装置2から排出する。
【0052】
画像形成装置2の各部には、異常を検出するためのセンサが設けられている。各センサは、異常検出部18に相当する。例えば、給紙ローラ対71〜74には、ローラの回転・停止を検出するセンサ81〜84が設置されており、用紙Pの搬送中に紙詰まり(ジャム)が発生して、ローラ対の回転が停止すると、エラー信号を出力する。制御部22は、エラー信号が入力されると、後述のように、ガイド情報の生成を行う。
【0053】
次に、画像形成装置2の外面には、複数のマーカー(位置標識)が設けられている。画像形成装置2の外面にマーカーを設けるのは、パネルユニット3で画像形成装置2のどの箇所を撮影したかを判別するためである。図4(A)〜図4(D)に示すように、画像形成装置2には、面毎に、同じ模様で形状が異なる複数のマーカーを設けている。すなわち、上面2Uには、市松模様のマーカー90Aを、カバー51の中央部に設けている。左側面2Lには、縦線模様のマーカー91A〜91Eを、スキャナユニット52の右側面、中央ドア101の左上端部と右下端部、及び下部ドア102の左上端部と右下端部に設けている。前面2Fには、格子模様のマーカー92A〜92Gを、上部ドア103の上部、中央ドア104の左上端部と右下端部、第1用紙トレイ105の左端部、第2用紙トレイ106の右端部、第3用紙トレイ107の左端部、及び第4用紙トレイ108の右端部に設けている。右側面2Rには、横線模様のマーカー93A〜93Gを、上部ドア109の右上端部と左下端部、中央ドア110の右上端部と左下端部、及び下部ドア111の右上端部と左下端部に設けている。
【0054】
なお、画像形成装置2の面毎に、同じ色で模様が異なる複数のマーカーや、同じ色で形状が異なる複数のマーカーを設けるようにしてもよい。また、マーカーは、画像形成装置2の外面に限らず、ドアなどの外装を開けた内側や、画像形成装置2の内部に設けてもよい。これにより、ドアなどの外装を開けてから
また、パネルユニット3で撮影した画像中にマーカーが3つ以上含まれるように、画像形成装置2の外面に設けるマーカーの数や配置を変更し、撮影画像において、各マーカーの位置関係に基づいて、画像形成装置2の撮影箇所を演算により求めてもよい。また、マーカーを設けずに画像認識により、画像形成装置2の撮影箇所を求めることも可能である。
【0055】
記憶部19は、各マーカー90A、91A〜91E、92A〜92G、93A〜93Gの設置位置、模様、形状の情報を記憶しており、制御部22は、必要に応じてマーカーの情報を記憶部19から読み出す。なお、図4には、サイズの大きなマーカーを設けた例を示したが、撮影箇所を特定できるのであれば、任意のサイズのマーカーを設ければよい。
【0056】
次に、画像形成装置2において異常が発生した場合の処理について説明する。画像形成装置2及びパネルユニット3は、予め設定されたガイドプログラムを記憶部19,26から読み出して、以下に説明する処理を実行する。
【0057】
図5に示すように、画像形成装置2の制御部22は、タッチパネル32でコピーの開始操作を受け付けると画像形成処理を行う(S1)。制御部22は、異常が発生しなければ、引き続き画像形成処理を行う(S2:N)。制御部22は、画像形成処理中に異常が発生すると(S2:Y)、異常発生箇所に関する情報を記憶部19から取得する。例えば、給紙ローラ対73において紙詰まりが発生して、センサ83が異常信号を出力した場合、制御部22は、給紙ローラ対73の異常を解消するには中央ドア110を開ける必要があることや、中央ドア110に設けられているマーカーは、マーカー93D,93Eであることを記憶部19から読み出す。また、制御部22は、中央ドア110とその周囲の輪郭の画像データや、中央ドア110を開けたときの内部の輪郭画像データを記憶部19から読み出す。そして、中央ドア110(マーカー93D,93E)を撮影目標箇所に設定する(S3)。
【0058】
そして、制御部22は、通信部21から、パネルユニット3の通信部27へ、中央ドア110とその周囲の輪郭の画像データと、中央ドア110を開けたときの内部の輪郭画像データを送信する。
【0059】
また、制御部22は、液晶モニタ31に表示させるガイド情報として、以下の内容を生成する。すなわち、(1)画像形成装置2の右側面2Rに設けられた中央ドア110の内部で異常が発生したこと、(2)正常な状態に戻すためのガイドを行うので、パネルユニット3を取り外して、右側面2Rの中央ドア110付近を撮影すること、(3)中央ドア110の位置がわからない場合は、誘導するので、まず、画像形成装置2の任意の箇所を撮影することを含むガイド情報を生成する。そして、制御部22は、このガイド情報を通信部21から送信する(S4)。
【0060】
制御部22は、パネルユニット3が画像形成装置2から取り外されるまで、ステップS4の処理を続ける(S5:N)。画像形成装置2の制御部22は、パネルユニット3が画像形成装置2から取り外されたことを不図示のセンサなどにより検出すると(S5:Y)、パネルユニット3が撮影したライブビュー画像データの受信を待ち受ける(S6:N)。
【0061】
パネルユニット3の制御部28は、画像形成装置2の通信部21から送信された輪郭の画像を通信部27で受信すると、記憶部26に記憶させる。また、制御部28は、パネルユニット3を画像形成装置2から取り外す旨のガイド情報を通信部27で受信すると、液晶モニタ31にこのガイド情報を表示する(S21)。
【0062】
制御部28は、パネルユニット3が画像形成装置2から取り外されたことを、不図示のセンサなどにより検出すると(S22:Y)、カメラ35の撮像素子からの出力であるライブビュー画像をリアルタイムで表示部42に表示する。また、制御部28は、ライブビュー画像を画像処理部24に処理させて、ライブビュー画像データを通信部27により画像形成装置2へ送信する(S23)。なお、前記のように、パネルユニット3の通信部27は、画像形成装置2から取り外されたときには、画像形成装置2の通信部21と無線通信により、情報や画像データの送受信を行う。
【0063】
制御部28は、ステップS23〜S24の処理を繰り返して、次にガイド情報を受信するのを待ち受ける(S24:N)。
【0064】
制御部22は、ライブビュー画像データを受信すると(S6:Y)、画像処理部20により画像データを解析する(S7)。すなわち、制御部22は、画像データを画像処理部20で処理して、画像データ中に画像形成装置2に設けられたマーカーを抽出する。そして、このマーカーの外観(色、模様、形状など)に基づいて、パネルユニット3の撮影位置を判定する。
【0065】
制御部22は、画像形成装置2に設けられているマーカーが画像データに含まれていない、すなわち、画像形成装置2の異常発生箇所が含まれていないときには(S8:N)、画像形成装置2が撮影されていないと判定する。そして、画像形成装置2を撮影するように指示するガイド情報を生成して、通信部21から送信する(S9)。なお、制御部22は、本発明の解析部と情報生成部に相当する。
【0066】
また、制御部22は、画像形成装置2に設けられているマーカーが画像データに含まれているときには、撮影画像に含まれているマーカーに基づいて、画像形成装置2の撮影されている箇所を特定する。そして、制御部22は、画像形成装置2を撮影した撮影画像に、画像形成装置2の異常発生箇所が含まれているかどうかを解析する。制御部22は、解析の結果、画像形成装置2を撮影した撮影画像に、画像形成装置2の異常発生箇所が含まれていないときには(S8:N)、異常発生箇所の方向を示すガイド情報を生成して、通信部21から送信する(S9)。
【0067】
例えば、図6(A)に示すような撮影画像の場合、制御部22は、画像処理部20により画像処理を行って、撮影画像からマーカー90A、91A、91B、92A、92B、及び92Cを抽出する。そして、制御部22は、記憶部19からマーカーの情報を読み出して、各マーカーが設けられている位置を確認する。抽出したマーカーは、画像形成装置2の上面2U、左側面2Lの上部、及び前面2Fの上部に設けているものである。そのため、制御部22は、画像形成装置2の左上端部を中心とした箇所が撮影されていると判定する。異常発生箇所が給紙ローラ対73の場合、制御部22は、撮影箇所と目標撮影箇所との位置関係を確認し、さらに装置の右側に移動する必要があるため、パネルユニット3の液晶モニタ31に表示させるガイド情報として、右下方向を示す矢印の画像を生成する。また、必要に応じて、異常発生箇所へ誘導する文言をガイド情報として生成するようにしてもよい。図6(B)に、この場合のパネルユニット3の液晶モニタ31に表示するガイド情報の一例を示す。
【0068】
また、制御部22は、画像形成装置2を撮影した撮影画像に、画像形成装置2の異常発生箇所が含まれているときには(S8:Y)、異常発生箇所の輪郭の画像を液晶モニタ31に表示するように指示する信号を生成して、通信部21から送信する(S10)。
【0069】
例えば、図7(A)に示すような撮影画像の場合、制御部22は、画像処理部20により画像処理を行って、撮影画像からマーカー93A、93B、93C、及び93Dを抽出する。抽出したマーカーは、画像形成装置2の右側面2Rの上部に設けているものと、中央ドア110に設けられているものである。そのため、制御部22は、画像形成装置2の右側面上部が撮影されていると判定する。
【0070】
また、撮影画像には、中央ドア110に設けられているマーカー93Dが含まれており、目標撮影箇所の一部が含まれている。そのため、制御部22は、パネルユニット3にステップS3で送信していた中央ドア110の輪郭の画像95を表示するように、パネルユニット3に指示する。また、必要に応じて、撮影箇所と目標撮影箇所との位置関係に基づいて、前方に移動して、やや下側を撮影するように誘導する矢印の画像や文言をガイド情報として生成して送信するようにしてもよい。図7(B)に、この場合のパネルユニット3の液晶モニタ31に表示するガイド情報の一例を示す。
【0071】
なお、輪郭の画像としては、ライブビュー画像と区別できるように、点線やカラー画像として表示するとよい。
【0072】
パネルユニット3の制御部28は、ガイド情報を通信部27で受信すると(S24:Y)、液晶モニタ31に、ライブビュー画像とともに、受信したガイド情報を表示させる(S25)。そして、制御部28は、輪郭画像の表示指示を受信していなければ(S26:N)、ステップS23以降の処理を行う。
【0073】
一方、制御部28は、輪郭画像の表示指示を受信していれば(S26:Y)、記憶部26に記憶した中央ドア110の輪郭の画像を読み出して、ライブビュー画像とともに表示する。また、制御部28は、輪郭の画像とライブビュー画像とを重ねた表示した画像データを通信部27から送信する(S27)。制御部28は、画像形成装置2からの静止画像の撮影指示を通信部27で受信していなければ(S28:N)、ステップS23以降の処理を行う。
【0074】
制御部22は、パネルユニット3から、輪郭の画像とライブビュー画像とを重ねた表示した画像データを受信すると、画像処理部20で画像処理を行い、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致したかどうかを解析する(S11:N)。
【0075】
制御部22は、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致すると(S11:Y)、静止画像の撮影指示を通信部21から送信する(S12)。
【0076】
なお、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致した際には、静止画像の撮影指示とともに、一致したことがユーザにわかるように、輪郭の画像の表示変更指示を送信してもよい。例えば、輪郭の画像を点線で表示している場合には、一致したときには実線に変更するとよい。また、輪郭の画像をカラー画像として表示している場合には、一致する前と、一致したときの色を変更するようにしてもよい。また、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致したことを伝えるガイド情報を表示してもよい。
【0077】
制御部28は、画像形成装置2からの静止画像の撮影指示を通信部27で受信すると(S28:Y)、静止画像を自動的に撮影する(S29)。
【0078】
制御部22は、続いて、静止画像とともに表示するガイド情報を生成して、通信部21からパネルユニット3に送信する(S13)。
【0079】
例えば、制御部22は、中央ドア110を開けて、中央ドア110の内部のライブビュー画像を液晶モニタ31に表示させるように指示するガイド情報を生成して送信する。
【0080】
制御部28は、画像形成装置2から、通信部27でガイド情報を受信すると(S30:Y)、液晶モニタ31にガイド情報を表示させる(S31)。
【0081】
制御部28は、パネルユニット3を画像形成装置2に取り付ける指示を通信部27で受信していなければ(S32:N)、ステップS23以降の処理を行う。
【0082】
制御部22は、ステップS12において静止画像の撮影指示を送信後に、センサ83からの異常信号が引き続き出力されており、異常が解消していなければ(S14:N)、ステップS6以降の処理を繰り返す。
【0083】
例えば、制御部22は、中央ドア110が開けられると、中央ドア110の内部の輪郭画像を表示させる(S10、S26,S27)。制御部22は、ライブビュー画像と輪郭の画像が一致すると(S11:Y)、図8(A)に示すように、中央ドア110の内部に設けられた給紙ローラ対73の静止画像をパネルユニット3に撮影させる(S12、S28,S29)。また、中央ドア110の内部のライブビュー画像を解析して、給紙ローラ対73において紙詰まりが発生している場合には、図8(B)に示すように紙を取り除くように指示するガイド情報を生成して、中央ドア110の内部の静止画像とともに表示させる(S13、S30)。このように、液晶モニタ31に静止画像を表示させることで、ユーザは、パネルユニット3を近くに置いて、表示を見ながら異常を解消する作業を行うことができる。
【0084】
ユーザは、このガイド情報がパネルユニット3に表示されると、指示に従って紙を取り除き、中央ドア110を閉じる。これにより、センサ83は、異常信号の出力を停止する。
【0085】
制御部22は、センサ83からの異常信号の出力が停止し、異常が解消すれば(S14:Y)、パネルユニット3の取り付けを指示するガイド情報を生成し、通信部21から送信させる(S15)。
【0086】
パネルユニット3の制御部28は、パネルユニット3の取り付けを指示するガイド情報を通信部27で受信すると(S32:Y)、このガイド情報を液晶モニタ31に表示させる(S33、S34:N)。制御部28は、パネルユニット3が画像形成装置2に取り付けられたことを不図示のセンサで検出すると(S34:Y)、処理を終了する。
【0087】
画像形成装置2の制御部22は、パネルユニット3が取り付けられたことを不図示のセンサで検出すると(S16:Y)、異常を解消するための処理を終了する。そして、画像形成処理が途中の場合には、画像形成処理を再開する。
【0088】
上記の説明では、画像形成装置2で画像処理やガイド情報の生成を行う構成としたが、パネルユニット3が画像処理やガイド情報の生成を行うように構成することも可能である。この場合、画像形成装置2とパネルユニット3は、以下のように動作する。
【0089】
なお、この場合、各マーカー90A、91A〜91E、92A〜92G、93A〜93Gの設置位置、模様、形状の情報を、記憶部26が記憶し、制御部22は、必要に応じてマーカーの情報を記憶部26から読み出す。記憶部26は、各マーカーの情報を予め記憶していてもよいし、後述のステップS21において画像形成装置2から異常発生箇所の情報やガイド情報を受信する際に、各マーカーの情報を取得してもよい。
【0090】
以下の説明では、図5に示したフローチャートと同じ処理及びほぼ同様の処理には同符号を付して、説明を簡略化する。
【0091】
図9に示すように、画像形成装置2の制御部22は、前述のステップS1〜S5の処理を行う。すなわち、制御部22は、画像形成中に異常を検出すると(S1、S2)、異常発生箇所の情報と、異常発生箇所の近傍に設けられているマーカーの情報を記憶部19から読み出して、通信部21からパネルユニット3に送信する(S3)。また、制御部22は、表示部13に、異常が発生したことや、パネルユニット3を取り外して、右側面2Rの中央ドア110付近を撮影することなどを表示する(S4)。そして、制御部22は、パネルユニット3が画像形成装置2から取り外されると(S5:Y)、異常が解消するまで待機する(S14:N)。
【0092】
パネルユニット3の制御部28は、前述のステップS21〜S23の処理を行う。すなわち、制御部28は、画像形成装置2から異常発生箇所の情報やガイド情報を受信し、パネルユニット3の取り外し指示などを液晶モニタ31に表示する(S21)。また、制御部28は、パネルユニット3が画像形成装置2から取り外されると、ライブビュー画像を液晶モニタ31に表示する(S22:Y、S23)。
【0093】
制御部28は、続いて、前述のステップS7、S8、S9、S25の処理を行う。すなわち、前記のように、ライブビュー画像を解析し、異常発生箇所を含まれていない場合には、異常発生箇所に誘導するガイド情報を生成して液晶モニタ31に表示する。なお、制御部28は、本発明の解析部と情報生成部に相当する。
【0094】
制御部28は、ライブビュー画像に異常発生箇所が含まれている場合には(S8:Y)、異常発生箇所の輪郭の画像を液晶モニタ31に表示する(S27)。
【0095】
制御部28は、画像処理部20で画像処理を行い、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致したかどうかを解析し(S11:N)、輪郭の画像とライブビュー画像とが一致すると(S11:Y)、静止画像を自動的に撮影する(S29)。また、制御部28は、液晶モニタ31にガイド情報を表示させる(S31)。
【0096】
制御部28は、画像形成装置2から、パネルユニット3を画像形成装置2に取り付ける指示を通信部27で受信していなければ(S32:N)、ステップS23以降の処理を繰り返し行う。
【0097】
最終的に、ユーザは、中央ドア110を開けた後に、給紙ローラ対73において詰まった紙を取り除くように指示するガイド情報が表示されると指示に従って紙を取り除き、中央ドア110を閉じる。これにより、センサ83は、異常信号の出力を停止する。
【0098】
制御部22は、センサ83からの異常信号の出力が停止し、異常が解消すれば(S14:Y)、パネルユニット3の取り付けを指示するガイド情報を生成し、通信部21から送信させる(S15)。
【0099】
パネルユニット3の制御部28は、パネルユニット3の取り付けを指示するガイド情報を通信部27で受信すると(S32:Y)、このガイド情報を液晶モニタ31に表示させる(S33、S34:N)。制御部28は、パネルユニット3が画像形成装置2に取り付けられたことを不図示のセンサで検出すると(S34:Y)、処理を終了する。
【0100】
画像形成装置2の制御部22は、パネルユニット3が取り付けられたことを不図示のセンサで検出すると(S16:Y)、異常を解消するための処理を終了する。そして、画像形成処理が途中の場合には、画像形成処理を再開する。
【0101】
次に、ガイドシステム1では、画像形成装置において異常が発生した場合に、サービスセンターからメンテナンス情報を提供することも可能である。
【0102】
例えば、ガイド情報に従って処理を行っても異常が解消しなかったり、異常を解消するための詳細な情報を知りたかったりした場合、ユーザは、液晶モニタ31に表示された詳細情報取得ボタンを操作する。パネルユニット3の制御部28は、この操作を検出すると、メンテナンス情報の送信要求を通信部27からサーバ4へ送信する。画像形成装置2の制御部22は、メンテナンス情報の送信要求を通信部21で中継して、サービスセンターのサーバ4に送信する。サーバ4の制御部48は、異常発生箇所のメンテナンス情報の送信要求を通信部41で受信すると、異常発生箇所に対応するより詳細なメンテナンス情報を記憶部47から読み出す。そして、制御部48は、通信部41から画像形成装置2にメンテナンス情報を送信する。画像形成装置2の制御部22は、通信部21でメンテナンス情報を受信すると、パネルユニット3にメンテナンス情報を送信する。パネルユニット3の制御部28は、通信部27でメンテナンス情報を受信すると、液晶モニタ31(表示部13)にメンテナンス情報を表示させる。これにより、ユーザは、メンテナンス情報に基づいて、画像形成装置2で発生した異常を解消できる。
【0103】
なお、パネルユニット3を画像形成装置2から取り外したときだけでなく、パネルユニット3を画像形成装置2に装着しているときにも、メンテナンス情報をサーバ4から取得して表示部13に表示させることができる。
【0104】
また、ユーザは、液晶モニタ31に表示されたヘルプボタン(センター呼び出しボタン)を操作すると、サービスセンターの係員と直接会話して、異常を解消できるように構成することも可能である。例えば、前記のように、サービスセンターのサーバ4を、表示部42、撮影部44、及び音声処理部46を備えた構成にする。また、前記のように、パネルユニット3を、液晶モニタ31、撮影部23、及び音声処理部25を備えた構成にする。そして、パネルユニット3と画像形成装置2とサーバ4の間で通信を行い、サービスセンターの係員と、パネルユニット3を所持するユーザと、がリアルタイムで会話ができるようにする。このように、ユーザと係員が異常を解消するための会話をすることで、画像形成装置2で発生した異常を解消することができる。
【0105】
次に、ガイドシステム1では、モータやファンなどを単体で動作させて、異常な箇所を特定できる単体シミュレーションモードを行うことができる。この単体シミュレーションモードでは、単体動作させたい箇所を撮影すると、その箇所の構成部品がパネルユニット3の液晶モニタ31に表示される。ユーザは、単体で動作させる部品をタッチすると、その部品の駆動するモータなどの駆動部品に動作を指示する制御信号が送られる。このとき、モータやセンサの状態が液晶モニタ31に表示されるので、ユーザは、モータが動作しているかどうかを確認できる。
【0106】
単体シミュレーションモードでは、具体的には、以下のような処理を行う。
【0107】
ユーザは、単体シミュレーションモードを行うときには、画像形成装置2の単体で動作させる箇所をパネルユニット3で撮影し、続いて、パネルユニット3の液晶モニタ31に表示された単体シミュレーションモードの選択ボタンを操作する。これにより、選択ボタンの操作時に撮影されていた箇所について、単体シミュレーションモードが開始される。
【0108】
図10に示すように、パネルユニット3の制御部28は、ライブビュー画像を液晶モニタ31に表示中に(S51)、選択ボタンの操作を検出すると(S52)、そのときに液晶モニタ31に表示されていた箇所の静止画像を撮影し、パネルユニット3から画像形成装置2へ、この静止画像のデータを送信する(S53)。
【0109】
制御部22は、画像データを受信すると(S61)、撮影箇所をマーカーに基づいて特定する(S62)。例えば、図11(A)に示すように、撮影画像にマーカー92Cとマーカー92Eを抽出した場合には、給紙ローラ対71〜74が設置されている箇所と特定する。
【0110】
そして、制御部22は、静止画像に含まれる画像形成装置2の構成部品である給紙ローラ対71〜74の画像データを記憶部19から読み出して、パネルユニット3に送信する。また、給紙ローラ対71〜74に設けられているセンサ81〜84の状態や、給紙ローラ対71〜74を駆動するモータの状態の情報をパネルユニット3に送信する(S63)。なお、これらの情報は、状態が変化する毎に送信される。
【0111】
パネルユニット3の制御部28は、画像データやモータ・センサの状態情報を受信すると(S54)、受信した画像データと状態情報を液晶モニタ31に表示する(S55)。例えば、図11(B)に示すような画像を表示する。
【0112】
ユーザは、パネルユニット3の液晶モニタ31に表示された給紙ローラ対71をタッチする。
【0113】
制御部28は、液晶モニタ31に表示させている画像において、給紙ローラ対71がタッチされた(選択された)ことを検出すると(S56)、選択された箇所の情報を単体動作指示として画像形成装置2に送信する(S57)。
【0114】
制御部22は、給紙ローラ対71が選択されたこと(単体動作指示)をパネルユニット3から受信すると(S64)、給紙ローラ対71を駆動するモータを単体で動作させる制御信号を出力して、給紙ローラ対を駆動させる(S65)。このとき、モータが回転すれば、モータの状態表示は、停止から回転に変わる。一方、モータが回転しなければ、モータの状態表示は、停止のまま変化しない。
【0115】
ユーザは、パネルユニット3の液晶モニタ31された給紙ローラ対71を駆動するモータの状態を確認すると、液晶モニタ31に表示された給紙ローラ対71を再度タッチする。
【0116】
制御部28は、液晶モニタ31に表示させている画像において、給紙ローラ対71が再度タッチされた(選択された)ことを検出すると(S58)、選択された箇所の情報を画像形成装置2に送信する(S59)。
【0117】
制御部22は、給紙ローラ対71が再度選択されたことをパネルユニット3から受信すると(S66)、給紙ローラ対71を駆動するモータを停止する制御信号を出力して、給紙ローラ対71を駆動するモータを停止させる(S67)。
【0118】
このように、各部を単体で動作させて、各部の状態を確認することで、故障しているかどうかを確認できるので、異常の原因を特定することができる。
【0119】
なお、図10に示したフローチャートでは、ユーザが確認したい箇所を撮影し、ユーザが駆動部品を個別に動作させて確認を行ったが、画像形成装置2が自動的に駆動部品の動作確認を行うように構成してもよい。例えば、ユーザは、動作確認したい箇所の静止画像を撮影装置で撮影する。画像形成装置2は、静止画像に写っている箇所に含まれる駆動部品を順番に、一つずつ動作させる。このとき、各駆動部品には、動作を指示する制御信号を出力して一定時間、動作するかどうかをセンサの出力信号などで確認して、その結果を記憶する。そして、確認した全駆動部品の動作確認結果(センサの出力信号など)に基づいて、動作しなかった駆動部品を表示させる。これにより、単体シミュレーションモードを容易に行うことができる。
【0120】
なお、ガイドシステム1では、パネルユニット3が撮影した画像に基づいて、撮影箇所を特定したが、パネルユニット3に姿勢検出センサや画像形成装置2に対する相対位置を検出するセンサ(例えば、ジャイロセンサ)を設けて、このようなセンサにより、撮影異常発生箇所を撮影するように、誘導するガイド情報を生成するように構成してもよい。
【0121】
また、パネルユニット3で撮影するようにしたが、ビデオカメラや、携帯電話のカメラで撮影した画像を用いるようにしてもよい。このとき、ビデオカメラや携帯電話は、画像形成装置2と無線通信する通信部を備えた構成とする。
【0122】
また、以上の説明では、画像形成装置とパネルユニットを備えたガイドシステムについて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、操作パネルを取り外すことが可能で撮影部を設けることができる装置であれば、他の装置であってもよい。例えば、自動車に取り付けているカーナビゲーション装置のタッチパネル式表示部を取り外し可能にし、この表示部に撮影部や通信部を設けて、自動車の異常の確認や異常の解消を行うシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0123】
1…ガイドシステム 2…画像形成装置 3…パネルユニット 4…サーバ 13…表示部 14…操作部 15…画像読取部 16…画像形成部 17…給紙部 18…異常検出部 19,26…記憶部 20…画像処理部 21…通信部 22…制御部 23…撮影部 24…画像処理部 25…音声処理部 27…通信部 28…制御部 41…通信部 42…表示部 43…操作部 44…撮影部 45…画像処理部 46…音声処理部 47…記憶部 48…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置と主装置とを備えたガイドシステムであって、
前記主装置は、
主装置において異常が発生した際に、異常発生箇所を検出する異常検出部を備え、
前記撮影装置は、
主装置を撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像を表示する表示部と、を備え、
前記撮影装置及び前記主装置は、
前記異常検出部が検出した異常発生箇所に関する情報と、前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像と、を送受信する通信部を備え、
前記撮影装置または前記主装置は、
前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、前記異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれているかどうかを解析する解析部と、
前記解析部の解析結果に応じて、異常を解消するまでの誘導を行うガイド情報を生成し、このガイド情報を前記表示部に順次表示させる情報生成部と、を備えたことを特徴とするガイドシステム。
【請求項2】
前記撮影装置は、
前記主装置に着脱自在に装着され、前記主装置に装着されているときに、前記主装置に対する操作を受け付ける操作部を備え、
前記主装置の通信部は、前記撮影装置が前記主装置に装着されているときに、前記異常検出部が検出した異常発生箇所に関する情報であって、前記表示部に表示させる情報を前記撮影装置に送信する、請求項1に記載のガイドシステム。
【請求項3】
前記主装置は、複数のマーカーを備え、
前記解析部は、前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像に含まれる前記複数のマーカーの画像に基づいて主装置の撮影箇所を判定して、前記異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれているかどうかを解析する、請求項1または2に記載のガイドシステム。
【請求項4】
前記解析部は、前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、前記複数のマーカーの画像が含まれていない場合には、主装置を撮影していないと判定し、
前記情報生成部は、その場合に、主装置の撮影を指示するガイド情報を生成する、請求項3に記載のガイドシステム。
【請求項5】
前記情報生成部は、前記撮影部が撮影した主装置の撮影箇所と、前記異常検出部が検出した異常発生箇所と、の位置関係を求めて、この位置関係に基づいて、前記異常発生箇所の方向を示すガイド情報を生成する、請求項1乃至4のいずれかに記載のガイドシステム。
【請求項6】
前記情報生成部は、前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、前記異常検出部が検出した異常発生箇所が含まれている場合には、前記異常発生箇所の輪郭の画像を含むガイド情報を生成する、請求項1乃至5のいずれかに記載のガイドシステム。
【請求項7】
前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像は、ライブビュー画像であり、
前記解析部は、前記情報生成部が生成した前記異常発生箇所の輪郭の画像と、前記撮影部が撮影した主装置のライブビュー画像と、が一致するかどうかを解析し、前記異常発生箇所の輪郭の画像と、前記主装置のライブビュー画像と、が一致したときに、前記撮影部に前記異常発生箇所の静止画像を撮影させ、
前記情報生成部は、前記撮影部が撮影した静止画像とともに表示させるガイド情報を生成し、このガイド情報を前記静止画像とともに前記表示部に表示させる、請求項6に記載のガイドシステム。
【請求項8】
前記操作部が、前記表示部に表示された主装置の撮影画像に表示された複数の駆動部品のいずれかを単体で動作させる単体シミュレーションモードを受け付けた後に、選択された駆動部品の単体動作指示を受け付けると、
前記選択された駆動部品を単体で動作させる制御信号を出力する制御部を備えた請求項7に記載のガイドシステム。
【請求項9】
前記主装置のメンテナンス情報を記憶する記憶部と、メンテナンス情報の送信要求を受信すると、該送信要求に対応するメンテナンス情報を前記記憶部から読み出して送信するサーバ通信部と、を有するサーバを備え、
前記主装置の通信部は、前記異常検出部が検出した異常発生箇所に関するメンテナンス情報の送信要求を前記サーバに送信し、前記サーバが送信したメンテナンス情報を受信して、前記撮影装置に送信し、
前記撮影装置の通信部は、前記主装置が送信したメンテナンス情報を受信し、
表示部は、前記撮影装置の通信部が受信したメンテナンス情報を表示する、請求項1乃至8のいずれかに記載のガイドシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のガイドシステムの各部が行う処理を、コンピュータに実行させるガイドプログラムであって、
前記異常検出部から主装置の異常発生箇所の情報が入力されるステップと、
前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像が入力されるステップと、
前記撮影部が撮影した主装置の撮影画像に、前記主装置の異常発生箇所が含まれているかどうかを解析するステップと、
解析結果に応じて、異常を解消するまでの誘導を行うガイド情報を生成するステップと、
前記ガイド情報を前記表示部に順次表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるガイドプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−220803(P2012−220803A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87835(P2011−87835)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】