ガスケット
【課題】小型軽量で剛性が低く、かつ高性能なエンジンでも必要なシール性能を確保可能なガスケットを提供する。
【解決手段】金属製の基板1と、基板1の燃焼室孔2周りに積層されるシム板4とを備える。基板1に燃焼室孔2の周縁に沿って基板ビード3が形成されている。シム板4は、基板1における第1平坦部B1、基板ビード形成位置A、及び第2平坦部B2と対向配置される大きさを有する。シム板4の第1基板1と対向する部分に、複数条の補助ビード5aが形成されている。
【解決手段】金属製の基板1と、基板1の燃焼室孔2周りに積層されるシム板4とを備える。基板1に燃焼室孔2の周縁に沿って基板ビード3が形成されている。シム板4は、基板1における第1平坦部B1、基板ビード形成位置A、及び第2平坦部B2と対向配置される大きさを有する。シム板4の第1基板1と対向する部分に、複数条の補助ビード5aが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締結ボルトで締め付けることにより、上記接合面間をシールするガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板及びシム板を有するガスケットとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載のガスケットがある。
特許文献1に記載のガスケットでは、基板の燃焼室孔の周囲に基板ビードが設けられ、その基板ビードを覆うようにしてシム板が基板に対向配置されている。そのシム板は、基板における燃焼室孔端部から基板ビードより外側の水孔位置までの当該基板に対向するような大きさの板である。そのシム板には、基板におけるビードより燃焼室側の平坦部及び燃焼室より外側の平端部にそれぞれ当接するように、1条だけの補助ビードが成型されている。そして、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締付けボルトを締め付けたときに、エンジンの変形等で剛性の弱い部分において隙間が発生したても、シム板に成型された補助ビードが追随して、基板ビード側にガスや冷却水が進入することを防止するものである。
【0003】
また、特許文献2に記載したガスケットでも、基板の燃焼室孔の周囲に基板ビードが設けられ、その基板ビードを覆うようにしてシム板が基板に対向配置されている。そのシム板は、基板における燃焼室孔端部から基板ビードより外側の水孔位置までの当該基板に対向するような大きさの板である。また、シム板は、燃焼室孔側端部が折り返されて2重になっていると共に、基板ビードより外側には補助ビードが成型されている。そして、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締付けボルトを締め付けたときに、ガスケットの板厚の差分エンジンを変形させて締め付けられて、基板ビードよりも燃焼室孔側の面圧を高めている。しかし、エンジンは剛体でないから締め付けボルト間で変形差が発生する。これに対し、上記変形差を改善するために、シム板における、2重になって面圧の高い燃焼室側端部の部分の厚さを周方向に沿って変化するように鍛造成型して、面圧の高い部分は低く、面圧の低い部分は高くして周方向に沿った面圧の平均化を図っている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−5292号公報
【特許文献2】特開2002−31237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年急速に技術革新が進み、エンジンの小型軽量化でエンジン剛性もさらに低下する傾向があるが、特許文献1のガスケットでは、基板に併設された上記シム板は基板より板厚も薄いために当該シム板に形成される補助ビードのバネ力は小さく、また、基板ビードよりも燃焼室側に成型した当該補助ビードが1条だけでは、その補助ビードが発生する面圧も低いことから、特に面圧の弱いボルト間においては、高い燃焼圧がシム板の1条の補助ビードを変形させて高温のガスが補助ビードを通過し、基板ビードまで至ることがあり、このことは長期的にみると、この熱の影響で基板ビードも徐徐に劣化するといった、不具合に繋がることを、発明者らは見いだした。
【0006】
一方、特許文献2に記載のガスケットでは、シム板の燃焼室孔側の端部を折り返し2重にして面圧の増大を図ると共に、折り返して厚くなった円周上の板厚に抑揚変化を付けることで、燃焼室穴近傍の面圧の増大と周方向に沿った圧の平均化を図ったものである。これは、静止状態では効果は認められるものの、近年、急速な技術進歩で小型軽量、高性能化でバルブ数の増加、圧縮比の増大、燃料希薄燃焼技術の向上等でエンジン剛性がさらに低下し、さらに燃焼温度の高騰で熱による変形が大きく、特に冷却時から急速加熱冷却の繰り返しでボア間は熱変形が大きくなっているようなエンジンへの適用を考えた場合、特許文献2の技術に上記特許文献1に記載の技術を併用したとしても、熱変形と更に同時に起る燃焼爆発圧でシリンダヘッドは脈動する結果、ボルトの弾性域でボルト近傍は吸収出来るものの、ボルト間やボア間は変形追随力が不足して補いきれずガスの吹き抜けに繋がることがあることを発明者らは見いだした。特にディーゼルエンジン等、高い圧縮比のエンジンに適用した場合に、上記問題は発生しやすい。
本発明は、上記のような知見からなされたもので、小型軽量化で剛性が低くかつ出力が大きなエンジンであっても十分にシールが可能なガスケットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、燃焼室孔が開口すると共にその燃焼室孔を囲むようにビードが設けられた基板と、その基板の燃焼室周りに積層配置され且つ当該基板よりも板厚が薄いシム板と、を備え、上記シム板は、基板における上記基板ビード形成位置と当該基板ビード形成位置を挟んで燃焼室側の平坦部分である第1平坦部及び燃焼室から離間した側の平坦部分である第2平坦部に対向するガスケットにおいて、
上記シム板における上記第1平坦部と対向する位置に、燃焼室孔周縁に沿って延びる補助ビードを2条以上設けたことを特徴とするものである。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記シム板における上記第2平坦部と対向する位置に、第2の補助ビードを設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記第1平坦部と対向するシム板の部分は、シム板が2枚以上積層されて板厚が厚い増厚部となっており、その増厚部を構成するシム板の少なくとも1枚に、上記補助ビードが形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成に対し、上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記シム板および板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における、上記第1平坦部及び第2平坦部と重なる位置の少なくとも一方に、当該副板を板厚方向に屈曲変形することで突出させた突起を、燃焼室孔周縁に沿って延びるように設けたことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記形状の1枚のシム板及び板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における上記シム板と対向する部分をその他の部分よりも、対向するシム板の総板厚の1/3〜2/3の量だけ反対側に凹むようにオフセットさせて段差を付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型軽量で剛性が低く、かつ高性能なエンジンでも必要なシール性能を確保可能なガスケットを提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の一例である金属ガスケットを説明するための要部平面図、図2は図1のI−I線の要部断面図である。
(構成)
まず構成について説明すると、本実施形態の金属ガスケットは、図1及び図2に示すように、金属製の基板1と、その基板1よりも薄肉に形成されて当該基板1の燃焼室孔2周りに積層されるシム板4とを備える。
【0013】
上記基板1には、ボアに対応する位置に燃焼室孔2が開口すると共に、その燃焼室孔2の周縁に沿って燃焼室孔2を囲繞するようにフルビードからなる基板ビード3が形成されている。その基板ビード3の外周側には、水孔7や油孔8などの液孔及びボルト孔6が適宜開口し、シールが必要な箇所に、別途ビードが形成されている。
ここで、上記基板1における、基板ビード3よりも燃焼室側の平坦部を第1平坦部B1と、基板ビード3の外周側の平坦部を第2平坦部B2と呼ぶ。第2平坦部B2は、基板ビード3と液孔7,8及びボルト孔6との間の平坦部であるが、基板ビード3近傍の平坦部が好ましい。
【0014】
上記シム板4は、燃焼室孔2と同じ大きさの開口を有する円環状の薄板であって、上記基板1における第1平坦部B1、基板ビード形成位置A、及び第2平坦部B2と対向配置される大きさを有する。これにより、燃焼室孔2の周囲と他の部分との間に板厚差が設けられる。
なお、上記シム板4は、燃焼室孔2毎にそれぞれ設けられるが、組み付け易いように、本実施形態では、隣り合うシム板4が、連結部4aを介して連結されて1枚の板となっている。
また、本実施形態のシム板4は、図2のように、基板ビード3の凸部側を覆うように配置されている。
【0015】
上記シム板4には、上記基板1における基板ビード形成位置Aより燃焼室孔2側にある第1平坦部B1と対向する部分に、複数条(図2では3条の場合を例示している。)の補助ビード5aが、燃焼室孔2周縁を囲むように形成されている。各補助ビード5aは、シム板4を基板1側が凸となるように厚さ方向に屈曲して成型されたもので、厚さ方向に弾性変形可能となっている。この各補助ビード5aは、基板1の基板ビード3よりも高さが低く設定されている。
ここで、ボルト締結時の締め付け力は相対的に、ボルト孔近傍で大きく、ボルト孔間で小さい。本実施の形態では、図示は省略するが、補助ビード5aの高さ寸法を、ボルト孔近傍から各ボルト孔間の中央部に向けて次第に高くなるように、燃焼室孔2の周方向に沿って抑揚を付けている。
【0016】
(作用効果など)
次に、上記構成における作用効果などについて説明する。
上記構成のガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装して締結ボルトで締め付けると、基板ビード3、補助ビード5aの順に板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時においては、シム板4を配置した燃焼室孔2の周囲の厚肉部分と他の薄肉部分(基板1の外周縁部)との板厚差により、燃焼室孔2の周囲に面圧が集中してシール条件が一番厳しいシリンダボア端部周囲に最大荷重が作用して、当該燃焼室孔2の周縁のシールがなされる。
【0017】
この実施の形態では、シム板4を、基板ビード3とも対向するように積層配置して他の部分との板厚差を設けているため、基板ビード3の燃焼室孔2側にだけシム板4を配置して他の部分との板厚差を設けた場合に比べて、シリンダボア端部周囲(第1平坦部B1の部分)に作用する最大荷重が低くなる一方で、圧縮変形した基板ビード3の弾性反発力よるシール圧、基板ビード3の燃焼室孔2側に設けられた補助ビード5aのシール圧の弾性反発力によるシール圧が発生し、高温高圧の燃焼ガスに対して補助ビード5aによる一次シール、基板ビード3による二次シールがなされる。
【0018】
そして、エンジンが稼動すると、温度は上昇し膨張で面圧も上昇し、更に、爆発による振動振幅も発生するが、板厚もビードの幅も高さも異なる二種類のビード3,5aは相手のビードの欠点を補い合う効果を奏する。
このとき、シム板4に成型した2条以上の補助ビード5aは、基板ビード3より燃焼室側の第1平坦部B1に当接して面圧の高いボルト近傍は大きく変形し、面圧の低いボア間やボルト間は面圧に比例して変形して上述の1次シールを形成するわけであるが、本実施形態では、シム板4の補助ビード5aが2条以上形成されていることから、1次シールではあるが、2本のシールラインを有していることになる。
【0019】
すなわち、シム板4は基板1より板厚も薄いために当該シム板4に形成される各補助ビード5a単体のバネ力は小さいが、本実施形態では、2条以上の補助ビード5aを設けることで、基板ビード3よりも燃焼室孔2側に配置した補助ビード5aで発生する面圧を高くすることが出来る。また、2条以上の補助ビード5aによるラビリンス効果も期待できる。このため、特に面圧の弱いボルト間において、高い燃焼圧がシム板4の燃焼室孔2に近い側の1条目の補助ビード5aを変形させ高温のガスが当該補助ビード5aを通過することがあっても、その外周側の補助ビード5aでシールが行われることから、高温のガスが基板ビード3まで至ることが防止され、高温ガスとの接触による熱の影響で、経時的に基板ビード3が徐徐に劣化するといった、不具合に繋がることが防止される。これによって、最近急速な技術進歩で小型軽量、高性能化でバルブ数の増加、圧縮比の増大、燃料希薄燃焼技術の向上等でエンジン剛性は低下し、さらに燃焼温度の高騰で熱による変形が大きく、特に冷却時から急速加熱冷却の繰り返しでボア間は熱変形が大きいようなエンジンに採用しても、ボルト間やボア間でも十分な変形追随力が確保されてガスの吹き抜けを防止出来るようになる。
【0020】
また、複数条の補助ビード5aとすることで、補助ビード5aで負担する圧が大きくなり、補助ビード5aが基板ビード3の全屈を防止するストッパとして作用することも出来る。
また、締付け圧の小さいボルト間においても補助ビード5aによる圧が増大することで、補助ビード5aが基板ビード3を加勢して持ち上げる方向に弾性力を発揮することで、基板1の振動を抑えることが出来る。
このように、本実施形態のガスケットは、エンジンの小型軽量化、高性能化が急速に進化しエンジン剛性の低下を補う構造となっている。
ここで、図3のように、シム板4における、第2平坦部B2と対向する部分(基板ビード3の外周側と対向する部分)にも第2の補助ビード5bを設けても良い。
【0021】
このようにすると、基板ビード3の外側にも第2の補助ビード5bが成型されることから、ボア側から見ると3次シール効果、基板ビード3前後のシム板4に成型した補助ビード5a、5bと基板1に成型した基板ビード3がエンジンに装着締結される時にお互いに共同して1,2,3次シールラインを形成し、エンジン剛性に対応して各部で協力してシールすることになる。例えば変形の大きいボルト間では、変形量の大きい基板ビード3が最初に変形を始め大きく変形して行くと、ボルトに近いシム板4の第2の補助ビード5bが接触変形し続いて燃焼室側の補助ビード5aが変形して行き、締結が完了した時エンジンの剛性とガスケットのばね応力が均衡する。
【0022】
また、第2の補助ビード5bによる三次シールがなされることで、第2の補助ビード5bによるシール圧で水孔7から冷却水が基板ビード3側へ浸入することを阻止することができる。
ここで、基板ビード3の燃焼室孔2側に設けられた補助ビード5aの高さ寸法を燃焼室孔2から離間する側に設けられた第2の補助ビード5bの高さ寸法より高くするようにしてもよい。このようにすると、ボルト締結位置から離れた位置(面圧が低くなる側)での補助ビード5aの圧縮変形量を多くすることができるので、両補助ビード5a、5bによる燃焼室孔2の径方向におけるシール圧の均一化を図ることができる。
【0023】
また、上記実施の形態では、シム板4の補助ビード5aと基板1の基板ビード3との間隔を周方向に沿って略均一にしているが、これに代えて、補助ビード5aの周方向の軌跡をボルト孔近傍は基板ビード3に接近させ、各ボルト孔間は基板ビード3から離間させることにより、面圧を調整して周方向におけるシール圧の均一化を図るようにしてもよい。
また、上記第1平坦部B1と対向する複数条の補助ビード5aをフルビードで形成する場合を例示しているが、必ずしもフルビードにする必要はなく、例えばステップ状のハーフビードを組み合わせて2条以上の補助ビード5aを形成しても良い。使用条件によって、フルビードとハーフビードとを使い分ければ良い。
【0024】
また、基板1は1枚である必要はない、例えば図4や図5のように、2枚の基板1を積層して構成し、その2枚の基板1間にシム板4を配置しても良い。この例では、上下の基板1の基板ビード3の凸部側を互いに対向配置しているが、凹部側を対向配置しても良い。また、シム板4についても2枚以上としても良い。
図6及び図7に示す変形例は、2条の補助ビード5a及び第2の補助ビード5bをステップ状のハーフビードで構成する場合と、基板ビード3の凹部側を対向配置した場合の例示である。
【0025】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットの基本構成は、図8に示すように、第1実施形態と同様であるが、第1平坦部B1と対向するシム板4部分の板厚を増厚したものである。
すなわち、シム板4について、燃焼室孔2側の部分を折り返すことでシム板4を2枚積層して増厚部4bとしたものである。
【0026】
(作用効果など)
このガスケットにあっては、上記作用・効果の他に、次のような作用・効果を有する。
すなわち、基板ビード3よりも燃焼室側のシム板部分を増厚することで、第1平坦部B1での面圧が増大する。この結果、エンジン運転時の脈動振幅はさらに微小となりシム板4に成型した補助ビード5aで変形対応出来る。
また、第1平坦部B1に対向する部分のシム板4の板厚を増厚することで、その分だけ基板ビード3の全屈を防止することが出来る。
ここで、本実施形態では、第1平坦部B1で積層しているシム板4部分のうち、折り返し部でない側に上記複数条の補助ビード5aを形成した場合を例示しているが、折り返し部側に複数条の補助ビード5aを設けたり、2枚ともに補助ビード5aを個別に設けたりしても良い。
【0027】
また、増厚部4bは、複数枚のシム板4をかしめなどで接合して構成しても良い。
また、図9のように、第1平坦部B1に対向配置されている、積層された2枚のシム板4分を共に波打たせるように板厚方向に成型して2条以上の補助ビード5aを作成しても良い。
ここで、基板1は1枚である必要はない、例えば図10や図11のように、2枚の基板1を積層して構成し、その2枚の基板1間にシム板4を配置しても良い。この例では、上下の基板1の基板ビード3の凸部側を互いに対向配置している。また、シム板4についても2枚以上としても良い。
また、積層する2枚の基板1は、基板ビード3の凹部側が対向するように配置しても良い。
【0028】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットは、図12に示すように、上述の基板ビード3を備える基板1を2枚積層し、その2枚の基板1の間に、上記補助ビード5aを有する1枚のシム板4と共に、厚さ調整用の副板10を介挿したものである。副板10は、基板1とほぼ同じ大きさの板であり、本実施形態では、基板1よりも厚い場合を例示している。
【0029】
詳説すると、上下の2枚の基板1が、互いの基板ビード3の凸部側が対向するように積層されている。また、副板10におけるシム板4と対向する部分(シム板4が当接する範囲)を、他の部分よりも、シム板4の総板厚の1/2の量だけ下方にオフセットさせることで、燃焼室孔2側に段差10aが設けられている。その段差10aによって上記副板10の上面に形成された段差10a凹部に、シム板4が載置(嵌合)されている。ここで、上記オフセット量は、1/3〜2/3の範囲で設定すればよい。もっとも好ましくは、上述のとおり対向する部分のシム板4の厚さの1/2の量である。
また、シム板4には、上記と同様に、補助ビード5a、5bが形成されている。各補助ビード5a、5bは共にフルビードとされ、且つ、補助ビード5aの高さが補助ビード5bより高くなっている。
【0030】
(作用・効果など)
このように副板10を介挿することで、ガスケットの厚さを所望の厚さに調整することが出来る。
また、シム板4の厚さの1/2の段差10aを副板10に設けることで、ボルト締付け時に、上下の基板1に対し均等な荷重を負荷させることが可能となる。
ここで、上記実施形態では、上側の基板1にのみシム板4が対向配置される場合を例示しているが、副板10と下側の基板1との間に、シム板4を配置しても良いし、副板10の上側と下側の両方にそれぞれシム板4を配置しても良い。副板10の上下両側にそれぞれシム板4を配する場合には、上記段差10aを設ける必要はない。もっとも副板10の上下両面にシム板4を嵌合する凹部を形成して位置決めを容易にしても良い。
【0031】
また、図13のように、シム板4の第1平坦部B1と対向する部分が増厚されている場合には、その増厚の半分つまりシム板4一枚分の厚さだけ、当該増厚部4bと対向する部分に2段目の段差10aを設ければよい。
図13では、対向するシム板4の厚さに応じて2段、段差10aが形成されているが、増厚部4bと対向する部分に2段目の段差10aを設けなくても良い。この場合であっても、オフセット量は、対向する総板厚の1/3〜2/3の範囲に収まる。
【0032】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第3実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットの基本構造は、図14に示すように、上記第3実施形態と同様であるが、副板10に突起11を設けたことが異なる。
【0033】
本実施形態では、副板10における、上記複数条の補助ビード5aの形成範囲と重なる部分に対し、板厚方向に突出させるように屈曲変形させてビード状の突起11を設けてある。この突起11は、基板ビード3よりも突出量が低いとともに燃焼室孔2周縁部に沿って延びると共に、板厚方向への荷重によって塑性変形するものである。
板厚方向の荷重による上記突起11の変形について、塑性変形が支配的とするには、たとえば、硬度の低い軟質な金属、例えば亜鉛メッキを施した鉄板から製造すればよい。硬度で示すとHv200以下の材料から副板10を構成すれば良い。
その他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0034】
(作用効果など)
本実施形態では、第1平坦部B1について、複数条の補助ビード5aを設けることで、1条の補助ビード5aを設ける場合に比べて、ボルト締付けの際に負担する荷重が大きくなると共に、負荷される荷重に応じて上記副板10の突起11が荷重を受け荷重に応じた量だけ塑性変形する。このとき、ボルト締付け時に、ボルト孔近傍よりもボルト孔間に負荷される荷重は小さいことから、その荷重に応じて各部の突起11が塑性変形して自然と高さ調整がなされる。この結果、突起11が塑性変形することでボア周縁部の面圧が過度に高くなるのを防止しつつ、さらに周方向に沿ったガスケットの厚さが締付け時の荷重に応じて自動的に抑揚が付くことで、ボア周縁部の周方向に沿った面圧が自動的に均一化する。このため、予め負荷される荷重に合わせて周方向に沿った補助ビード5aの高さに抑揚を精度良く付けなくても、また抑揚を全然設けなくても、ボア周縁部の周方向に沿った面圧が均一化させることが出来る。
【0035】
なお、上記塑性変形する突起11の高さ及び幅を周方向に沿って変化させておいても良い。この場合には、相対的にボルト孔間で高く若しくは幅狭となるように調整すればよい。高く若しくは幅狭とするほど突起11の剛性が高くなり潰れにくくなって圧を負担しやすくなる。
ここで、上記実施形態では、突起11を1条だけ設ける場合を例示しているが、2条以上設けても良い。また、ボア周縁部について、ボルト孔間のガスケット厚を相対的に高くしたいから、ボルト孔間の部分にのみ上記燃焼室孔2に沿った突起11を設けても良い。
【0036】
また、図15のように、第2平坦部B2における第2の補助基板ビード形成位置Aと対向する部分にも周方向に延びる突起11を設けても良い。このようにすると、第2の補助基板ビード形成位置Aにおける周方向の面圧の均一化が図られ、ボルト孔間においても適切な面圧を補助ビード5aで発生可能となって、液孔からの液体が基板ビード3側により侵入しにくくなって、より基板ビード3の寿命、つまりガスケットの寿命が向上する。
【0037】
また、図16のように、シム板4の第1平坦部B1と対向する部分のシム板4が2枚以上の増厚部4bが形成されていても良い。
ここで、上記全実施形態において、第1平坦部と対向する位置に、シム板4を2枚以上積層する例として、図10などにおいては、折り返して積層する場合を例示しているが、これに限定されるものではない。積層されるシム板4は別体でも良いし、積層されるシム板4の間に副板10が介挿された状態となっていても良いし、積層されるシム板4,4同士が連結している必要もない。図17〜図21にその一例を示す。なお、図17〜20では、一方のシム板4を副板10若しくは基板1に溶接等によって固定した場合を例示している。また、上述のように、積層されるシム板4は3枚以上であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係るガスケットを示す要部平面図である。
【図2】図1におけるI-I線断面図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図6】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図7】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図8】本発明に基づく第2実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図11】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図12】本発明に基づく第3実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図13】本発明に基づく第3実施形態に係る変形例を示す図である。
【図14】本発明に基づく第4実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図15】本発明に基づく第4実施形態に係る変形例を示す図である。
【図16】本発明に基づく第4実施形態に係る変形例を示す図である。
【図17】実施形態の変形例を示す図である。
【図18】実施形態の変形例を示す図である。
【図19】実施形態の変形例を示す図である。
【図20】実施形態の変形例を示す図である。
【図21】実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 基板
2 燃焼室孔
3 基板ビード
4 シム板
4b 増厚部
5a 補助ビード
5b 第2の補助ビード
10 副板
10a 段差
11,12 突起
A 基板ビード形成位置
B1 第1平坦部
B2 第2平坦部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締結ボルトで締め付けることにより、上記接合面間をシールするガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板及びシム板を有するガスケットとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載のガスケットがある。
特許文献1に記載のガスケットでは、基板の燃焼室孔の周囲に基板ビードが設けられ、その基板ビードを覆うようにしてシム板が基板に対向配置されている。そのシム板は、基板における燃焼室孔端部から基板ビードより外側の水孔位置までの当該基板に対向するような大きさの板である。そのシム板には、基板におけるビードより燃焼室側の平坦部及び燃焼室より外側の平端部にそれぞれ当接するように、1条だけの補助ビードが成型されている。そして、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締付けボルトを締め付けたときに、エンジンの変形等で剛性の弱い部分において隙間が発生したても、シム板に成型された補助ビードが追随して、基板ビード側にガスや冷却水が進入することを防止するものである。
【0003】
また、特許文献2に記載したガスケットでも、基板の燃焼室孔の周囲に基板ビードが設けられ、その基板ビードを覆うようにしてシム板が基板に対向配置されている。そのシム板は、基板における燃焼室孔端部から基板ビードより外側の水孔位置までの当該基板に対向するような大きさの板である。また、シム板は、燃焼室孔側端部が折り返されて2重になっていると共に、基板ビードより外側には補助ビードが成型されている。そして、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介装され、締付けボルトを締め付けたときに、ガスケットの板厚の差分エンジンを変形させて締め付けられて、基板ビードよりも燃焼室孔側の面圧を高めている。しかし、エンジンは剛体でないから締め付けボルト間で変形差が発生する。これに対し、上記変形差を改善するために、シム板における、2重になって面圧の高い燃焼室側端部の部分の厚さを周方向に沿って変化するように鍛造成型して、面圧の高い部分は低く、面圧の低い部分は高くして周方向に沿った面圧の平均化を図っている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−5292号公報
【特許文献2】特開2002−31237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年急速に技術革新が進み、エンジンの小型軽量化でエンジン剛性もさらに低下する傾向があるが、特許文献1のガスケットでは、基板に併設された上記シム板は基板より板厚も薄いために当該シム板に形成される補助ビードのバネ力は小さく、また、基板ビードよりも燃焼室側に成型した当該補助ビードが1条だけでは、その補助ビードが発生する面圧も低いことから、特に面圧の弱いボルト間においては、高い燃焼圧がシム板の1条の補助ビードを変形させて高温のガスが補助ビードを通過し、基板ビードまで至ることがあり、このことは長期的にみると、この熱の影響で基板ビードも徐徐に劣化するといった、不具合に繋がることを、発明者らは見いだした。
【0006】
一方、特許文献2に記載のガスケットでは、シム板の燃焼室孔側の端部を折り返し2重にして面圧の増大を図ると共に、折り返して厚くなった円周上の板厚に抑揚変化を付けることで、燃焼室穴近傍の面圧の増大と周方向に沿った圧の平均化を図ったものである。これは、静止状態では効果は認められるものの、近年、急速な技術進歩で小型軽量、高性能化でバルブ数の増加、圧縮比の増大、燃料希薄燃焼技術の向上等でエンジン剛性がさらに低下し、さらに燃焼温度の高騰で熱による変形が大きく、特に冷却時から急速加熱冷却の繰り返しでボア間は熱変形が大きくなっているようなエンジンへの適用を考えた場合、特許文献2の技術に上記特許文献1に記載の技術を併用したとしても、熱変形と更に同時に起る燃焼爆発圧でシリンダヘッドは脈動する結果、ボルトの弾性域でボルト近傍は吸収出来るものの、ボルト間やボア間は変形追随力が不足して補いきれずガスの吹き抜けに繋がることがあることを発明者らは見いだした。特にディーゼルエンジン等、高い圧縮比のエンジンに適用した場合に、上記問題は発生しやすい。
本発明は、上記のような知見からなされたもので、小型軽量化で剛性が低くかつ出力が大きなエンジンであっても十分にシールが可能なガスケットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、燃焼室孔が開口すると共にその燃焼室孔を囲むようにビードが設けられた基板と、その基板の燃焼室周りに積層配置され且つ当該基板よりも板厚が薄いシム板と、を備え、上記シム板は、基板における上記基板ビード形成位置と当該基板ビード形成位置を挟んで燃焼室側の平坦部分である第1平坦部及び燃焼室から離間した側の平坦部分である第2平坦部に対向するガスケットにおいて、
上記シム板における上記第1平坦部と対向する位置に、燃焼室孔周縁に沿って延びる補助ビードを2条以上設けたことを特徴とするものである。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記シム板における上記第2平坦部と対向する位置に、第2の補助ビードを設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記第1平坦部と対向するシム板の部分は、シム板が2枚以上積層されて板厚が厚い増厚部となっており、その増厚部を構成するシム板の少なくとも1枚に、上記補助ビードが形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成に対し、上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記シム板および板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における、上記第1平坦部及び第2平坦部と重なる位置の少なくとも一方に、当該副板を板厚方向に屈曲変形することで突出させた突起を、燃焼室孔周縁に沿って延びるように設けたことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記形状の1枚のシム板及び板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における上記シム板と対向する部分をその他の部分よりも、対向するシム板の総板厚の1/3〜2/3の量だけ反対側に凹むようにオフセットさせて段差を付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型軽量で剛性が低く、かつ高性能なエンジンでも必要なシール性能を確保可能なガスケットを提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の一例である金属ガスケットを説明するための要部平面図、図2は図1のI−I線の要部断面図である。
(構成)
まず構成について説明すると、本実施形態の金属ガスケットは、図1及び図2に示すように、金属製の基板1と、その基板1よりも薄肉に形成されて当該基板1の燃焼室孔2周りに積層されるシム板4とを備える。
【0013】
上記基板1には、ボアに対応する位置に燃焼室孔2が開口すると共に、その燃焼室孔2の周縁に沿って燃焼室孔2を囲繞するようにフルビードからなる基板ビード3が形成されている。その基板ビード3の外周側には、水孔7や油孔8などの液孔及びボルト孔6が適宜開口し、シールが必要な箇所に、別途ビードが形成されている。
ここで、上記基板1における、基板ビード3よりも燃焼室側の平坦部を第1平坦部B1と、基板ビード3の外周側の平坦部を第2平坦部B2と呼ぶ。第2平坦部B2は、基板ビード3と液孔7,8及びボルト孔6との間の平坦部であるが、基板ビード3近傍の平坦部が好ましい。
【0014】
上記シム板4は、燃焼室孔2と同じ大きさの開口を有する円環状の薄板であって、上記基板1における第1平坦部B1、基板ビード形成位置A、及び第2平坦部B2と対向配置される大きさを有する。これにより、燃焼室孔2の周囲と他の部分との間に板厚差が設けられる。
なお、上記シム板4は、燃焼室孔2毎にそれぞれ設けられるが、組み付け易いように、本実施形態では、隣り合うシム板4が、連結部4aを介して連結されて1枚の板となっている。
また、本実施形態のシム板4は、図2のように、基板ビード3の凸部側を覆うように配置されている。
【0015】
上記シム板4には、上記基板1における基板ビード形成位置Aより燃焼室孔2側にある第1平坦部B1と対向する部分に、複数条(図2では3条の場合を例示している。)の補助ビード5aが、燃焼室孔2周縁を囲むように形成されている。各補助ビード5aは、シム板4を基板1側が凸となるように厚さ方向に屈曲して成型されたもので、厚さ方向に弾性変形可能となっている。この各補助ビード5aは、基板1の基板ビード3よりも高さが低く設定されている。
ここで、ボルト締結時の締め付け力は相対的に、ボルト孔近傍で大きく、ボルト孔間で小さい。本実施の形態では、図示は省略するが、補助ビード5aの高さ寸法を、ボルト孔近傍から各ボルト孔間の中央部に向けて次第に高くなるように、燃焼室孔2の周方向に沿って抑揚を付けている。
【0016】
(作用効果など)
次に、上記構成における作用効果などについて説明する。
上記構成のガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装して締結ボルトで締め付けると、基板ビード3、補助ビード5aの順に板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時においては、シム板4を配置した燃焼室孔2の周囲の厚肉部分と他の薄肉部分(基板1の外周縁部)との板厚差により、燃焼室孔2の周囲に面圧が集中してシール条件が一番厳しいシリンダボア端部周囲に最大荷重が作用して、当該燃焼室孔2の周縁のシールがなされる。
【0017】
この実施の形態では、シム板4を、基板ビード3とも対向するように積層配置して他の部分との板厚差を設けているため、基板ビード3の燃焼室孔2側にだけシム板4を配置して他の部分との板厚差を設けた場合に比べて、シリンダボア端部周囲(第1平坦部B1の部分)に作用する最大荷重が低くなる一方で、圧縮変形した基板ビード3の弾性反発力よるシール圧、基板ビード3の燃焼室孔2側に設けられた補助ビード5aのシール圧の弾性反発力によるシール圧が発生し、高温高圧の燃焼ガスに対して補助ビード5aによる一次シール、基板ビード3による二次シールがなされる。
【0018】
そして、エンジンが稼動すると、温度は上昇し膨張で面圧も上昇し、更に、爆発による振動振幅も発生するが、板厚もビードの幅も高さも異なる二種類のビード3,5aは相手のビードの欠点を補い合う効果を奏する。
このとき、シム板4に成型した2条以上の補助ビード5aは、基板ビード3より燃焼室側の第1平坦部B1に当接して面圧の高いボルト近傍は大きく変形し、面圧の低いボア間やボルト間は面圧に比例して変形して上述の1次シールを形成するわけであるが、本実施形態では、シム板4の補助ビード5aが2条以上形成されていることから、1次シールではあるが、2本のシールラインを有していることになる。
【0019】
すなわち、シム板4は基板1より板厚も薄いために当該シム板4に形成される各補助ビード5a単体のバネ力は小さいが、本実施形態では、2条以上の補助ビード5aを設けることで、基板ビード3よりも燃焼室孔2側に配置した補助ビード5aで発生する面圧を高くすることが出来る。また、2条以上の補助ビード5aによるラビリンス効果も期待できる。このため、特に面圧の弱いボルト間において、高い燃焼圧がシム板4の燃焼室孔2に近い側の1条目の補助ビード5aを変形させ高温のガスが当該補助ビード5aを通過することがあっても、その外周側の補助ビード5aでシールが行われることから、高温のガスが基板ビード3まで至ることが防止され、高温ガスとの接触による熱の影響で、経時的に基板ビード3が徐徐に劣化するといった、不具合に繋がることが防止される。これによって、最近急速な技術進歩で小型軽量、高性能化でバルブ数の増加、圧縮比の増大、燃料希薄燃焼技術の向上等でエンジン剛性は低下し、さらに燃焼温度の高騰で熱による変形が大きく、特に冷却時から急速加熱冷却の繰り返しでボア間は熱変形が大きいようなエンジンに採用しても、ボルト間やボア間でも十分な変形追随力が確保されてガスの吹き抜けを防止出来るようになる。
【0020】
また、複数条の補助ビード5aとすることで、補助ビード5aで負担する圧が大きくなり、補助ビード5aが基板ビード3の全屈を防止するストッパとして作用することも出来る。
また、締付け圧の小さいボルト間においても補助ビード5aによる圧が増大することで、補助ビード5aが基板ビード3を加勢して持ち上げる方向に弾性力を発揮することで、基板1の振動を抑えることが出来る。
このように、本実施形態のガスケットは、エンジンの小型軽量化、高性能化が急速に進化しエンジン剛性の低下を補う構造となっている。
ここで、図3のように、シム板4における、第2平坦部B2と対向する部分(基板ビード3の外周側と対向する部分)にも第2の補助ビード5bを設けても良い。
【0021】
このようにすると、基板ビード3の外側にも第2の補助ビード5bが成型されることから、ボア側から見ると3次シール効果、基板ビード3前後のシム板4に成型した補助ビード5a、5bと基板1に成型した基板ビード3がエンジンに装着締結される時にお互いに共同して1,2,3次シールラインを形成し、エンジン剛性に対応して各部で協力してシールすることになる。例えば変形の大きいボルト間では、変形量の大きい基板ビード3が最初に変形を始め大きく変形して行くと、ボルトに近いシム板4の第2の補助ビード5bが接触変形し続いて燃焼室側の補助ビード5aが変形して行き、締結が完了した時エンジンの剛性とガスケットのばね応力が均衡する。
【0022】
また、第2の補助ビード5bによる三次シールがなされることで、第2の補助ビード5bによるシール圧で水孔7から冷却水が基板ビード3側へ浸入することを阻止することができる。
ここで、基板ビード3の燃焼室孔2側に設けられた補助ビード5aの高さ寸法を燃焼室孔2から離間する側に設けられた第2の補助ビード5bの高さ寸法より高くするようにしてもよい。このようにすると、ボルト締結位置から離れた位置(面圧が低くなる側)での補助ビード5aの圧縮変形量を多くすることができるので、両補助ビード5a、5bによる燃焼室孔2の径方向におけるシール圧の均一化を図ることができる。
【0023】
また、上記実施の形態では、シム板4の補助ビード5aと基板1の基板ビード3との間隔を周方向に沿って略均一にしているが、これに代えて、補助ビード5aの周方向の軌跡をボルト孔近傍は基板ビード3に接近させ、各ボルト孔間は基板ビード3から離間させることにより、面圧を調整して周方向におけるシール圧の均一化を図るようにしてもよい。
また、上記第1平坦部B1と対向する複数条の補助ビード5aをフルビードで形成する場合を例示しているが、必ずしもフルビードにする必要はなく、例えばステップ状のハーフビードを組み合わせて2条以上の補助ビード5aを形成しても良い。使用条件によって、フルビードとハーフビードとを使い分ければ良い。
【0024】
また、基板1は1枚である必要はない、例えば図4や図5のように、2枚の基板1を積層して構成し、その2枚の基板1間にシム板4を配置しても良い。この例では、上下の基板1の基板ビード3の凸部側を互いに対向配置しているが、凹部側を対向配置しても良い。また、シム板4についても2枚以上としても良い。
図6及び図7に示す変形例は、2条の補助ビード5a及び第2の補助ビード5bをステップ状のハーフビードで構成する場合と、基板ビード3の凹部側を対向配置した場合の例示である。
【0025】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットの基本構成は、図8に示すように、第1実施形態と同様であるが、第1平坦部B1と対向するシム板4部分の板厚を増厚したものである。
すなわち、シム板4について、燃焼室孔2側の部分を折り返すことでシム板4を2枚積層して増厚部4bとしたものである。
【0026】
(作用効果など)
このガスケットにあっては、上記作用・効果の他に、次のような作用・効果を有する。
すなわち、基板ビード3よりも燃焼室側のシム板部分を増厚することで、第1平坦部B1での面圧が増大する。この結果、エンジン運転時の脈動振幅はさらに微小となりシム板4に成型した補助ビード5aで変形対応出来る。
また、第1平坦部B1に対向する部分のシム板4の板厚を増厚することで、その分だけ基板ビード3の全屈を防止することが出来る。
ここで、本実施形態では、第1平坦部B1で積層しているシム板4部分のうち、折り返し部でない側に上記複数条の補助ビード5aを形成した場合を例示しているが、折り返し部側に複数条の補助ビード5aを設けたり、2枚ともに補助ビード5aを個別に設けたりしても良い。
【0027】
また、増厚部4bは、複数枚のシム板4をかしめなどで接合して構成しても良い。
また、図9のように、第1平坦部B1に対向配置されている、積層された2枚のシム板4分を共に波打たせるように板厚方向に成型して2条以上の補助ビード5aを作成しても良い。
ここで、基板1は1枚である必要はない、例えば図10や図11のように、2枚の基板1を積層して構成し、その2枚の基板1間にシム板4を配置しても良い。この例では、上下の基板1の基板ビード3の凸部側を互いに対向配置している。また、シム板4についても2枚以上としても良い。
また、積層する2枚の基板1は、基板ビード3の凹部側が対向するように配置しても良い。
【0028】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットは、図12に示すように、上述の基板ビード3を備える基板1を2枚積層し、その2枚の基板1の間に、上記補助ビード5aを有する1枚のシム板4と共に、厚さ調整用の副板10を介挿したものである。副板10は、基板1とほぼ同じ大きさの板であり、本実施形態では、基板1よりも厚い場合を例示している。
【0029】
詳説すると、上下の2枚の基板1が、互いの基板ビード3の凸部側が対向するように積層されている。また、副板10におけるシム板4と対向する部分(シム板4が当接する範囲)を、他の部分よりも、シム板4の総板厚の1/2の量だけ下方にオフセットさせることで、燃焼室孔2側に段差10aが設けられている。その段差10aによって上記副板10の上面に形成された段差10a凹部に、シム板4が載置(嵌合)されている。ここで、上記オフセット量は、1/3〜2/3の範囲で設定すればよい。もっとも好ましくは、上述のとおり対向する部分のシム板4の厚さの1/2の量である。
また、シム板4には、上記と同様に、補助ビード5a、5bが形成されている。各補助ビード5a、5bは共にフルビードとされ、且つ、補助ビード5aの高さが補助ビード5bより高くなっている。
【0030】
(作用・効果など)
このように副板10を介挿することで、ガスケットの厚さを所望の厚さに調整することが出来る。
また、シム板4の厚さの1/2の段差10aを副板10に設けることで、ボルト締付け時に、上下の基板1に対し均等な荷重を負荷させることが可能となる。
ここで、上記実施形態では、上側の基板1にのみシム板4が対向配置される場合を例示しているが、副板10と下側の基板1との間に、シム板4を配置しても良いし、副板10の上側と下側の両方にそれぞれシム板4を配置しても良い。副板10の上下両側にそれぞれシム板4を配する場合には、上記段差10aを設ける必要はない。もっとも副板10の上下両面にシム板4を嵌合する凹部を形成して位置決めを容易にしても良い。
【0031】
また、図13のように、シム板4の第1平坦部B1と対向する部分が増厚されている場合には、その増厚の半分つまりシム板4一枚分の厚さだけ、当該増厚部4bと対向する部分に2段目の段差10aを設ければよい。
図13では、対向するシム板4の厚さに応じて2段、段差10aが形成されているが、増厚部4bと対向する部分に2段目の段差10aを設けなくても良い。この場合であっても、オフセット量は、対向する総板厚の1/3〜2/3の範囲に収まる。
【0032】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第3実施形態と同様な部分などについては、同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態のガスケットの基本構造は、図14に示すように、上記第3実施形態と同様であるが、副板10に突起11を設けたことが異なる。
【0033】
本実施形態では、副板10における、上記複数条の補助ビード5aの形成範囲と重なる部分に対し、板厚方向に突出させるように屈曲変形させてビード状の突起11を設けてある。この突起11は、基板ビード3よりも突出量が低いとともに燃焼室孔2周縁部に沿って延びると共に、板厚方向への荷重によって塑性変形するものである。
板厚方向の荷重による上記突起11の変形について、塑性変形が支配的とするには、たとえば、硬度の低い軟質な金属、例えば亜鉛メッキを施した鉄板から製造すればよい。硬度で示すとHv200以下の材料から副板10を構成すれば良い。
その他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0034】
(作用効果など)
本実施形態では、第1平坦部B1について、複数条の補助ビード5aを設けることで、1条の補助ビード5aを設ける場合に比べて、ボルト締付けの際に負担する荷重が大きくなると共に、負荷される荷重に応じて上記副板10の突起11が荷重を受け荷重に応じた量だけ塑性変形する。このとき、ボルト締付け時に、ボルト孔近傍よりもボルト孔間に負荷される荷重は小さいことから、その荷重に応じて各部の突起11が塑性変形して自然と高さ調整がなされる。この結果、突起11が塑性変形することでボア周縁部の面圧が過度に高くなるのを防止しつつ、さらに周方向に沿ったガスケットの厚さが締付け時の荷重に応じて自動的に抑揚が付くことで、ボア周縁部の周方向に沿った面圧が自動的に均一化する。このため、予め負荷される荷重に合わせて周方向に沿った補助ビード5aの高さに抑揚を精度良く付けなくても、また抑揚を全然設けなくても、ボア周縁部の周方向に沿った面圧が均一化させることが出来る。
【0035】
なお、上記塑性変形する突起11の高さ及び幅を周方向に沿って変化させておいても良い。この場合には、相対的にボルト孔間で高く若しくは幅狭となるように調整すればよい。高く若しくは幅狭とするほど突起11の剛性が高くなり潰れにくくなって圧を負担しやすくなる。
ここで、上記実施形態では、突起11を1条だけ設ける場合を例示しているが、2条以上設けても良い。また、ボア周縁部について、ボルト孔間のガスケット厚を相対的に高くしたいから、ボルト孔間の部分にのみ上記燃焼室孔2に沿った突起11を設けても良い。
【0036】
また、図15のように、第2平坦部B2における第2の補助基板ビード形成位置Aと対向する部分にも周方向に延びる突起11を設けても良い。このようにすると、第2の補助基板ビード形成位置Aにおける周方向の面圧の均一化が図られ、ボルト孔間においても適切な面圧を補助ビード5aで発生可能となって、液孔からの液体が基板ビード3側により侵入しにくくなって、より基板ビード3の寿命、つまりガスケットの寿命が向上する。
【0037】
また、図16のように、シム板4の第1平坦部B1と対向する部分のシム板4が2枚以上の増厚部4bが形成されていても良い。
ここで、上記全実施形態において、第1平坦部と対向する位置に、シム板4を2枚以上積層する例として、図10などにおいては、折り返して積層する場合を例示しているが、これに限定されるものではない。積層されるシム板4は別体でも良いし、積層されるシム板4の間に副板10が介挿された状態となっていても良いし、積層されるシム板4,4同士が連結している必要もない。図17〜図21にその一例を示す。なお、図17〜20では、一方のシム板4を副板10若しくは基板1に溶接等によって固定した場合を例示している。また、上述のように、積層されるシム板4は3枚以上であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係るガスケットを示す要部平面図である。
【図2】図1におけるI-I線断面図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図6】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図7】本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を示す図である。
【図8】本発明に基づく第2実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図11】本発明に基づく第2実施形態に係る変形例を示す図である。
【図12】本発明に基づく第3実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図13】本発明に基づく第3実施形態に係る変形例を示す図である。
【図14】本発明に基づく第4実施形態に係るガスケットを示す断面図である。
【図15】本発明に基づく第4実施形態に係る変形例を示す図である。
【図16】本発明に基づく第4実施形態に係る変形例を示す図である。
【図17】実施形態の変形例を示す図である。
【図18】実施形態の変形例を示す図である。
【図19】実施形態の変形例を示す図である。
【図20】実施形態の変形例を示す図である。
【図21】実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 基板
2 燃焼室孔
3 基板ビード
4 シム板
4b 増厚部
5a 補助ビード
5b 第2の補助ビード
10 副板
10a 段差
11,12 突起
A 基板ビード形成位置
B1 第1平坦部
B2 第2平坦部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室孔が開口すると共にその燃焼室孔を囲むようにビードが設けられた基板と、その基板の燃焼室周りに積層配置され且つ当該基板よりも板厚が薄いシム板と、を備え、上記シム板は、基板における上記基板ビード形成位置と当該基板ビード形成位置を挟んで燃焼室側の平坦部分である第1平坦部及び燃焼室から離間した側の平坦部分である第2平坦部に対向するガスケットにおいて、
上記シム板における上記第1平坦部と対向する位置に、燃焼室孔周縁に沿って延びる補助ビードを2条以上設けたことを特徴とするガスケット。
【請求項2】
上記シム板における上記第2平坦部と対向する位置に、第2の補助ビードを設けたことを特徴とする請求項1に記載したガスケット。
【請求項3】
上記第1平坦部と対向するシム板の部分は、シム板が2枚以上積層されて板厚が厚い増厚部となっており、その増厚部を構成するシム板の少なくとも1枚に、上記補助ビードが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したガスケット。
【請求項4】
上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記シム板および板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における、上記第1平坦部及び第2平坦部と重なる位置の少なくとも一方に、当該副板を板厚方向に屈曲変形することで突出させた突起を、燃焼室孔周縁に沿って延びるように設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したガスケット。
【請求項5】
上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記形状の1枚のシム板及び板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における上記シム板と対向する部分をその他の部分よりも、対向するシム板の総板厚の1/3〜2/3の量だけ反対側に凹むようにオフセットさせて段差を付けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したガスケット。
【請求項1】
燃焼室孔が開口すると共にその燃焼室孔を囲むようにビードが設けられた基板と、その基板の燃焼室周りに積層配置され且つ当該基板よりも板厚が薄いシム板と、を備え、上記シム板は、基板における上記基板ビード形成位置と当該基板ビード形成位置を挟んで燃焼室側の平坦部分である第1平坦部及び燃焼室から離間した側の平坦部分である第2平坦部に対向するガスケットにおいて、
上記シム板における上記第1平坦部と対向する位置に、燃焼室孔周縁に沿って延びる補助ビードを2条以上設けたことを特徴とするガスケット。
【請求項2】
上記シム板における上記第2平坦部と対向する位置に、第2の補助ビードを設けたことを特徴とする請求項1に記載したガスケット。
【請求項3】
上記第1平坦部と対向するシム板の部分は、シム板が2枚以上積層されて板厚が厚い増厚部となっており、その増厚部を構成するシム板の少なくとも1枚に、上記補助ビードが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したガスケット。
【請求項4】
上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記シム板および板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における、上記第1平坦部及び第2平坦部と重なる位置の少なくとも一方に、当該副板を板厚方向に屈曲変形することで突出させた突起を、燃焼室孔周縁に沿って延びるように設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したガスケット。
【請求項5】
上記形状の基板を2枚積層配置すると共に、その2枚の基板の間に、上記形状の1枚のシム板及び板厚調整用の副板が介挿されるガスケットにおいて、
上記副板における上記シム板と対向する部分をその他の部分よりも、対向するシム板の総板厚の1/3〜2/3の量だけ反対側に凹むようにオフセットさせて段差を付けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したガスケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−139177(P2007−139177A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364972(P2005−364972)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000230261)日本メタルガスケット株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000230261)日本メタルガスケット株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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