説明

ガスコンロ

【課題】従来の電動バルブユニットでは、モータがブロック状のバルブユニット本体の側面に取り付けられる。バルブユニット本体は天板の下方に収納されるので、天板上にこぼれた煮汁などの液体は天板の下面に回り込み、バルブユニット本体に滴下するおそれがある。モータが側面に取り付けられているので、モータ内部やバルブユニット本体内に煮汁等が侵入し故障が生じるおそれがある。
【解決手段】バルブユニット本体を板状に形成すると共に、このバルブユニット本体を水平になるように支持し、モータをバルブユニット本体の下面に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板上に設けられた複数のガスバーナの火力を調節する電動のバルブ装置を備えたガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
天板に複数のガスバーナが設けられているガスコンロが知られている。また、このようなガスコンロにはガスバーナを備えたグリル庫が設けられている場合がある。このようなガスコンロでは、各バーナにガスを供給するガス供給路には各ガスバーナへのガスの供給量を個別に制御するためのバルブ装置が介設されている。
【0003】
バルブ装置は手動で操作してもよいが、近年モータで開度を調節する電動バルブが提案されている。例えば、バルブユニット本体を設け、このバルブユニット本体に各バルブ装置を設けて一体のユニットとし、このバルブユニット本体にモータを取り付けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このものではバルブユニット本体をブロック状に形成し、ブロック状のバルブユニット本体の側面に開口を設けて流量調節用の閉子をセットし、さらにその開口を塞ぐように閉子を回転させるモータを取り付けている。
【特許文献1】特開2002−31336号公報(図3,図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載されたものでは、モータがブロック状のバルブユニット本体の側面に取り付けられる。バルブユニット本体は天板の下方に収納されるので、天板上にこぼれた煮汁などの液体は天板の下面に回り込み、バルブユニット本体に滴下するおそれがある。
【0006】
バルブユニット本体の側面にモータが取り付けられていると、この滴下した煮汁等の液体がモータの取付部分からバルブユニット本体の内部に侵入するおそれが生じる。また、モータ内にこの液体が侵入すればモータ内でショート故障が生じたり回転子を固着させるなど、モータが作動しなくなるおそれも生じる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、電動のバルブ装置に煮汁等が滴下しても故障などの不具合が生じないガスコンロを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明によるガスコンロは、天板上に複数のガスバーナを備え、これらガスバーナにガスを供給するガス供給路に、モータで開度が増減制御される火力調節部を備えたバルブ装置を各々介設した電動バルブ手段を、上記天板の下方に収納したガスコンロにおいて、各バルブ装置を並列に並べた状態で一体に連結した板状のバルブユニット本体を形成すると共に、このバルブユニット本体を天板の下方に水平になるように支持し、モータをバルブユニット本体の下面に取り付けたことを特徴とする。
【0009】
モータを板状のバルブユニット本体の下面に取り付けることにより、バルブユニット本体に煮汁等が滴下しても、モータの接続部やモータ自体に煮汁等がかかりにくくなる。なお、バルブユニット本体は水平になるように支持されるが、ここでいう水平とは厳密な意味での水平ではなく、バルブユニット本体の下面に取り付けられたモータに煮汁等がかからないという作用を奏しさえすればよく、ほぼ水平に支持される状態も含む概念である。
【0010】
また、上記バルブユニット本体の下面に、モータとの接続部を囲繞する囲い壁を垂設すれば、モータの接続部近傍まで煮汁等が進入しても、この囲い壁で接続部への煮汁等の侵入を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、バルブユニット本体へのモータの接続部をバルブユニット本体の下面に設けたので、煮汁等が接続部やモータまで流れることが防止でき、従って煮汁等が接続部からバルブユニット本体内へ侵入することが防止され、また煮汁等がモータにかかることが防止される。そのため、モータが故障したり、煮汁等がバルブユニット本体内へ侵入したことによる不具合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照して、1は本発明によるガスコンロであり、天板11には大バーナ11a、中バーナ11b、小バーナ11cの3つのガスバーナが設けられている。また、このガスコンロ1にはグリル12が設けられており、図示しないがグリル12内には上下1対のガスバーナが設けられている。
【0013】
図2を参照して、これら各バーナにガスを供給すると共にガスの供給量を個別に制御して火力を調節する電動ガスバルブユニットが設けられている。この電動ガスバルブユニットのバルブユニット本体2にはガスが流入するする流入口21が設けられ、各ガスバーナにガスを供給する供給口2a、2b、2c、2dが設けられている。
【0014】
流入口21の下流には元弁22が設けられており、この元弁22が閉弁すると各バーナへのガスの供給が停止される。また、元弁22を通過したガスはガスバーナへ繋がるガス供給路に分岐される。各ガス供給路には各々バルブ装置3a、3b、3c、3dが介設されている。各バルブ装置にはバーナの点火状態で開弁保持される電磁安全弁31と、ガスの供給量を増減して火力を調節する火力調節部32とが内蔵されている。この火力調節部32はモータ4によって駆動されるように構成されている。なお、バルブ装置3dにはガバナ30が設けられている。
【0015】
図3を参照して、バルブユニット本体2はバルブ装置を並列に並べた状態で一体になるように、鋳造により板状に形成されている。そして、バルブユニット本体2が略水平な状態で天板11の下方に取り付けられるように、1対の脚板3Lが取り付けられている。上記4個の各モータ4は図示のように1体に予め組み立てられており、バルブユニット本体2の下面に取り付けられる。
【0016】
4個のモータ4には各々連結部材4a、4b、4cが取り付けられいるが、図において左端の連結部材4aと長穴41とで各モータ4をバルブユニット本体2に対して位置決めするようにした。そして位置決めされた状態で3個の貫通孔42にネジを挿通して、モータ4をバルブユニット本体2に固定する。
【0017】
図4を参照して、バルブユニット本体2の下面には、各連結部材4a、4b、4cが連結される連結部に、連結部材を囲繞する囲い壁23a、23b、23cが設けられており、モータ4をバルブユニット本体2に連結すると、各連結部材が囲い壁内に挿入されるようにした。ただし、両端の囲い壁23a、23bの高さを中央の2つの囲い壁23cより高くした。従って、4個の連結部材が同時に囲い壁に挿入されるのではなく、最初に両端の連結部材4a、4bが囲い壁23a、23bに挿入され、続いて残りの2個の連結部材4cが囲い壁23cに挿入されるようにした。このように2段階に分けて挿入されるので、連結作業をスムーズに行うことができる。
【0018】
そして、図5に示すように、囲い壁23aの内周面を機械加工しておき、連結部材4aが隙間無く囲い壁23aに挿入されるように構成し、さらに連結部材4aを中心にする揺動方向の位置を、バルブユニット本体2に形成したボス24が長穴41に挿入されることにより規制して、各モータ4の位置決めを行うようにした。
【0019】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】ガスの流れを示すブロック図
【図3】電動バルブユニットの外観図
【図4】モータの取付状態を示す図
【図5】モータの位置決めを示す図
【符号の説明】
【0021】
1 ガスコンロ
2 バルブユニット本体
2a 供給口
3a、3b、3c、3d バルブ装置
4 モータ
4a、4b、4c 連結部材
11 天板
11a 大バーナ
11b 中バーナ
11c 小バーナ
22 元弁
23a、23b、23c 囲い壁
31 電磁安全弁
32 火力調節部
41 長穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板上に複数のガスバーナを備え、これらガスバーナにガスを供給するガス供給路に、モータで開度が増減制御される火力調節部を備えたバルブ装置を各々介設した電動バルブ手段を、上記天板の下方に収納したガスコンロにおいて、各バルブ装置を並列に並べた状態で一体に連結した板状のバルブユニット本体を形成すると共に、このバルブユニット本体を天板の下方に水平になるように支持し、モータをバルブユニット本体の下面に取り付けたことを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
上記バルブユニット本体の下面に、モータとの接続部を囲繞する囲い壁を垂設したことを特徴とする請求項1に記載のガスコンロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−41823(P2009−41823A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206302(P2007−206302)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】