説明

ガスタービンの中間冷却装置、これを用いたガスタービン

【課題】熱源としての有効利用が可能で比較的小型、軽量であるとともに、漏洩故障によってもガスタービンの運転に支障を来さない中間冷却装置を提供する。
【解決手段】複数段の圧縮機2,3と、これにより圧縮された空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器4と、燃焼器4からの燃焼ガスにより駆動されるタービン5と、を備えたガスタービン1において、圧縮機2,3の途中段に熱交換器7を介設する。この熱交換器7は、中間冷却装置であるスターリング機関8の作動ガスを加熱するためのもので、圧縮機2,3による圧縮空気の流路内に配設され、圧縮空気と作動ガスとを直接的に熱交換させる。航空機用ガスタービンであれば、スターリング機関8の低温側熱交換器11を低温の大気が通過するように配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの圧縮機の途中段に介設する中間冷却装置に関し、特に、航空機用エンジンのような小型化、軽量化の求められるガスタービンに好適な中間冷却装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1、2に開示されるように、ガスタービンの圧縮仕事の軽減等を図るべく圧縮機の途中段に中間冷却器を介在させることは公知であり、プラント等の定置形システムにおいては既に実用化された例も多い。この場合に中間冷却器は、比較的低温の熱源としても利用可能であり、これを建物の暖房(特許文献1)や給湯、温水プール等の付帯設備において利用すること(特許文献2)も既に提案されている。
【0003】
また、近年、環境意識の高まりに加えて石油系燃料価格の高騰等により、航空機業界においても燃料消費の低減を目指して種々の取り組みがなされており、航空機用のガスタービン(いわゆるジェットエンジン等)においても燃費低減のための技術的な新機軸が検討されている。
【0004】
例えば前記のような中間冷却器を採用することができれば、航空機用ガスタービンにおいても圧縮機の圧力比が向上し、その圧縮仕事の低減による燃費の低減、出力の向上等が図られるとともに、冷却後の空気によってタービンの高温部等を効果的に冷却できるといった様々なメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−193910号公報
【特許文献2】特開2006−220150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来一般に航空機用途では小型、軽量であることが最重要課題とされ、ガスタービンの圧縮機に中間冷却器を設けた実例はない。また、前記のように中間冷却器を熱源として見た場合も、その用途が暖房や給湯のような比較的低温のものに限られることから、この観点からも航空機用のガスタービンには中間冷却器のような寸法、重量の増大を招く機器は付帯しないのが常識であった。
【0007】
さらに、前記従来例のような定置形ガスタービンの中間冷却器では、圧縮機の途中段に冷却水の循環する熱交換器を介在させていることから、仮に熱交換器から冷却水が漏洩するような故障が起きると、この冷却水が圧縮空気と共に燃焼器に輸送されて、燃焼の悪化ひいては失火を招くおそれがあった。この点からも中間冷却器は、重量のある頑丈な熱交換器を設置可能な定置形のガスタービンに適したものといえる。
【0008】
かかる諸点に鑑みて本発明の目的は、熱源としての有効利用が可能で比較的小型、軽量であるとともに、たとえ漏洩故障が起きたとしてもガスタービンの運転に問題を生じない中間冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために本発明は、ガスタービンにスターリング機関を組み合わせて、このスターリング機関の作動ガスが流通する高温側の熱交換器を、圧縮機の途中段の中間冷却器として利用するものである。
【0010】
すなわち、本発明は、複数段の圧縮機と、これにより圧縮された空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンと、を備えたガスタービンに設けられ、前記圧縮機の途中段に熱交換器を介設してなる中間冷却装置が対象である。そして、前記熱交換器としては、スターリング機関の作動ガスを加熱する高温側の熱交換器を利用し、その作動ガスと前記圧縮機の圧縮空気とを伝熱壁を介して直接的に熱交換させるよう、圧縮空気の流路内に熱交換器を配設したものである。
【0011】
前記構成の中間冷却装置を備えたガスタービンでは、熱交換器により圧縮機の途中段にて圧縮空気が冷却されることから、圧力比が向上するとともに、圧縮仕事の低減による燃費の低減、出力の向上等が図られる。また、冷却した空気によってタービンの高温部等を効果的に冷やすことも可能になる。
【0012】
さらに、その熱交換器において圧縮空気とスターリング機関の作動ガスとを直接的に熱交換させることで、このスターリング機関の作動ガスを効果的に加熱することができる。スターリング機関によって例えばガスタービンの補機や発電機等を駆動することにより、ガスタービンの総合的な熱効率が向上する。
【0013】
スターリング機関は比較的小型、軽量で高効率な機関であるから、これを付加することによる重量増は少なくて済む。しかも、仮に熱交換器から作動ガスが漏洩して、燃焼器に輸送されたとしても、冷却水のように大きな問題を生じることはない。この点からはスターリング機関の作動ガスとして、ヘリウムガスのような不燃性のガスを用いることが望ましい。
【0014】
つまり、本発明に係るスターリング機関を用いた中間冷却装置によると、ガスタービンの圧縮空気から回収した熱をエネルギとして有効利用することが可能であり、比較的小型、軽量で航空機用途にも適するとともに、仮に作動ガスの漏洩する故障が起きたとしても、ガスタービンの運転に支障を来すことがない。
【0015】
好ましい態様として前記ガスタービンの圧縮機が、動翼を支持する内周側のロータと、静翼を支持する外周側のケースと、を備えた軸流式のものである場合、その途中段において熱交換器は、圧縮機のロータ及びケースの間の圧縮空気の流路全体に亘って円環状に設けてもよい。また、そのケースの外周側には、スターリング機関の複数のピストン/シリンダを周方向に間隔を空けて配設してもよい。こうすれば既存のガスタービンにも大きな設計変更なく、寸法や重量の増大を抑えながら設けることが可能である。
【0016】
その場合に、前記複数のピストン/シリンダのうち、隣り合うもの同士を再生器を介して連結し、いわゆる復動形(ダブルアクティング形)のスターリング機関としてもよい。こうすれば、より小型化、軽量化及び高出力に有利になる。
【0017】
そうして小型、軽量であり効率の高いスターリング機関を用いた中間冷却装置は、航空機用のガスタービンに好適である。航空機の場合は飛行中の外気温度がかなり低いので、作動ガスを冷却する低温側の熱交換器は大気と熱交換するように配設してもよい。こうすれば、高温側との低温側との温度差が大きくなり、スターリング機関の効率をさらに高めることができる。
【0018】
例えばガスタービンが、圧縮機の前段にファンの設けられているターボファン等であれば、このファンからの排気が流通するファンケース内に前記低温側の熱交換器を収容してもよい。この熱交換器への排気の流量を調整することによって低温側の作動ガスの温度を変更し、スターリング機関の出力を制御することが可能になる。
【0019】
また、航空機用ガスタービンに限らず、船舶用や産業用のガスタービンにも本発明は適用できる。船舶用のガスタービンにおいては航空機用のものを転用することも多く、小型化、軽量化のメリットが大きいことは勿論、高温側の熱交換器から作動ガスが漏洩してもガスタービンの運転に支障を来さないことも、航空機と同じく船舶の運航を確保するという観点から重要である。
【0020】
特に、ガスタービンの運転に液化ガス燃料を用いる場合は、この液化ガス燃料と作動ガスとを熱交換させるように低温側の熱交換器を配設してもよい。こうすれば、高温側との温度差が非常に大きくなって、スターリング機関の効率が著しく高くなるだけでなく、スターリング機関からの廃熱を、液化ガス燃料を気化させる熱源として有効に利用することができる。
【0021】
見方を変えれば、本発明は、複数段の圧縮機と、これにより圧縮された空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、前記圧縮機の途中段に熱交換器を介在させて、前記の如き(後述の請求項1〜7の発明に係る)中間冷却装置が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
以上より、本発明に係るガスタービンの中間冷却装置によると、小型、軽量で高効率であるというスターリング機関の特徴に鑑み、その作動ガスを加熱する高温側の熱交換器をガスタービンの中間冷却器として利用することで、ガスタービンの圧縮機途中段から回収した熱をエネルギとして有効利用することができる。
【0023】
また、熱交換器から作動ガスが漏洩することがあっても、ガスタービンの運転に支障を来すことはなく、航空機用や船舶用のガスタービンに好適である。特に航空機用とした場合は、低温の外気と熱交換するように低温側の熱交換器を設けることで、また、船舶用或いは産業用とした場合は液化ガス燃料と熱交換するように低温側の熱交換器を設けることで、スターリング機関の効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るガスタービン、及びその中間冷却装置であるスターリング機関の系統図である。
【図2】航空機用のターボファン・エンジンに適用した第1の実施形態を、圧縮機やタービンの軸心を含む平面において示す縦断面図である。
【図3】圧縮機の途中段における熱交換器の配置を模式的に示す説明図である。
【図4】スターリング機関の動作の説明図である。
【図5】スターリングサイクルのPV線図である。
【図6】船舶用のガスタービンに適用した第2の実施形態に係る図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係るガスタービン及びスターリング機関の系統図であり、図2は、このガスタービンとしてより具体的に航空機用のターボファン・エンジンに適用した第1の実施形態を示す。また、図3には圧縮機の途中段における熱交換器の配置を模式的に示す。
【0026】
図1の下側に模式的に示すように、多段式のガスタービン1は、それぞれ空気を吸入して(吸気)圧縮する中圧圧縮機2と高圧圧縮機3とを備え、これらによって圧縮した高温高圧の空気を燃焼器4へ供給するとともに、この燃焼器4内へ燃料を噴射して燃焼させるものである。そして、燃焼器4からの燃焼ガスによりタービン5を駆動するとともに、燃焼ガスの一部は後方にジェット噴流として噴出させて推力を得る。図の例ではタービン5も前段の高圧タービン5aと後段の中圧タービン5bとを備えており、それぞれがシャフト6a,6bを介して高圧圧縮機3、中圧圧縮機2を駆動する。
【0027】
また、中圧圧縮機2と高圧圧縮機3との間には熱交換器7が設けられており、中圧圧縮機2により圧縮された200〜400℃くらいの高温の空気から熱を奪って、これを冷却する中間冷却器として機能する。この熱交換器7は、図1の上側に示すスターリング機関8の作動ガス(ヘリウムガスが好ましい)を加熱するための温熱源であり、以下に述べるように圧縮空気の流路内に配設されて、この圧縮空気とスターリング機関8の作動ガスとを直接的に熱交換させる。
【0028】
スターリング機関8は、一例としてピストン/シリンダを複数、備えた複動形(ダブルアクティング形)のもので、図1の上側には基本的な構成として、互いに接続された2本のシリンダ9を示し、それ以外のピストン/シリンダの図示は省略している。そのピストン/シリンダ動作について詳しくは後述するが、各シリンダ9の内部空間はピストン10によって長手方向に二分されていて、一方の空間9aが隣り合う別のシリンダ9の他方の空間9bに連通されている。
【0029】
そして、前記のようにガスタービン1の圧縮機2,3の途中段に介設されている高温側の熱交換器7が、各シリンダ9の一方の空間9a(以下、高温空間という)に接続され、この高温空間9a内の作動ガスを加熱する。一方、各シリンダ9の他方の空間9b(以下、低温空間という)は、後述するように低温の大気(冷熱源)と熱交換する低温側の熱交換器11に接続されている。
【0030】
また、各シリンダ9のピストン10は各々連接棒10aによりクランク軸12に接続されており、互いに位相のずれを有して往復動作する。このことで、前記のように連通されている高温空間9aと低温空間9bとの間で、再生器13を介して作動ガスが移動するとともに、クランク軸12からは回転力が出力される。
【0031】
そのクランク軸12からの出力は、例えば図示しない発電機やガスタービン1の補機の駆動に用いられる。スターリング機関8は、シンプルな構造で小型、軽量化が可能であり、静粛性、信頼性にも優れており、特に航空機用のガスタービンに用いて好適である。また、スターリング機関8の熱効率は理論上はカルノーサイクルと同じで極めて高く、これを用いることでガスタービン1の総合的な熱効率の向上が図られる。
【0032】
−ガスタービン−
図2に示す第1の実施形態においてガスタービン1は、航空機用のターボファン・エンジン100である。同図の左端に示すように、このターボファン・エンジン100のファンケース101の前端部付近には大型のファン102が収容されており、図示しないシャフトを介してタービン5により駆動される。このファン102は低圧圧縮機として機能するものであり、ファンケース101内に取り込んだ空気(外気)を圧縮しながら後方(図の右方)へと送り出す。
【0033】
そのファン102からの空気流の大部分(一例として90%くらい)は、ファンケース101とその内周側のダクト構成部材103との間、即ち断面円環状のダクト104内を流通し、中圧圧縮機2等をバイパスする比較的低速の排気噴流としてファンケース101の後方に噴出する。一方、ファン102からの空気流の一部は中圧圧縮機2に取り込まれ、燃焼器4での燃焼に供される。こうしてファン102からの空気流の大部分をそのまま後方に噴出させる高バイパス比のターボファン・エンジン100では、排気噴流の無効エネルギーが少なくなり、燃費の低減に有利である。
【0034】
中圧圧縮機2は、この例では軸流式の多段圧縮機であって、複数段(図の例では5段)の動翼21を支持するドラム20(ロータ)と、このドラム20の外周を取り囲んで、動翼21の前後に交互に並ぶように静翼(図示は省略)を支持する圧縮機ケース22と、を備えている。前記のようにファン102から中圧圧縮機2に送り込まれた空気流は、各段の静翼及び動翼21の間を通過する間に圧縮されて、前記ドラム20及び圧縮機ケース22の間の断面円環状の圧縮流路を後方へ送られる。この空気の圧縮比に対応するように圧縮流路の断面積は前方から後方に向かって徐々に減少している。
【0035】
そうして中圧圧縮機2において圧縮されて高温(例えば200〜400℃くらい)になった空気は、図3に模式的に示すように圧縮流路の断面全体に亘って設けられている熱交換器7を通過して一旦、冷却された後に高圧圧縮機3に取り込まれる。この高圧圧縮機3は、中圧圧縮機2と概ね同じ構造の多段式圧縮機であり、動翼31を支持するドラム30と圧縮機ケース32との間を流通する間に、圧縮空気の温度及び圧力はさらに上昇する。そして、所定の高温高圧状態になった空気が燃焼器4へと供給される。
【0036】
一例として燃焼器4はいわゆる環状燃焼器であり、詳しい説明は省略するが、内筒壁と外筒壁とに囲まれた円環状の燃焼室にその筒軸方向一端の燃焼器入り口から、前記のように高温高圧状態の空気が供給される。そして、その入り口付近で燃焼室に臨む燃料噴射ノズルから燃料が噴射され、前記高温高圧状態の空気と混ざり合って良好に燃焼される。燃焼器4内では燃焼ガスにさらに2次空気、3次空気が供給されて完全燃焼が図られるとともに、燃焼ガスが希釈されて適温に調整された状態で、燃焼器出口から後方に向けて噴出される。
【0037】
その燃焼ガスの噴流を受けるタービン5は、前記の中圧圧縮機2,高圧圧縮機3と同様に静翼、動翼からなる複数段を有する軸流式タービンであって、図の例では前段の高圧タービン5a及び後段の中圧タービン5bの他に、ファン102を駆動するための低圧タービン5cを最後段に備えている。図示は省略するが、ファン102と低圧タービン5cとを連結するシャフトは、互いに同軸配置されている中空状シャフト6a,6bの内部に挿通されて、同軸状に配置されている。
【0038】
そして、高圧タービン5a、中圧タービン5b及び低圧タービン5cをそれぞれ駆動し、これらを介して高圧圧縮機3、中圧圧縮機2及びファン102を駆動する仕事を行った後に、さらに高温高圧状態を維持している燃焼ガスが排気ノズル105において、その内部エネルギ(熱エネルギ)を運動エネルギに変換され、高速のジェット噴流となって後方に噴出される。
【0039】
ところで、前記したように中圧圧縮機2と高圧圧縮機3との間には中間冷却器として機能する熱交換器7が介設されている。図2に示すように熱交換器7は、圧縮機ケース22の後端部付近において内周側のドラム20との間の圧縮流路の断面全体に亘って配設されている。すなわち、図3に模式的に示すように圧縮機2,3やタービン5の軸心の方向に見ると、内周側のドラム20と圧縮機ケース22との間には8本の支柱23が放射状に延びていて、これにより周方向に区分された8つの領域に1つずつ熱交換器ユニット70が配設されている。
【0040】
その熱交換器ユニット70は一例としてプレートフィン型のものであり(チューブフィン型チューブ型等であってもよい)、プレート間の流路を流れるスターリング機関8の作動ガスが、伝熱壁であるプレート及び波板状のフィンを介して圧縮空気と直接的に熱交換するようになっている。こうして別途、冷媒を介在させることなく直接的に熱交換することから、熱交換効率が高い。
【0041】
また、それぞれの熱交換器ユニット70に対応して圧縮機ケース22,32の外周側に、スターリング機関8の8つのシリンダ9が周方向に互いに間隔を空けて配設されている。この例では図2に示すように、シリンダ9は、圧縮機ケース32とダクト構成部材103との間の構造的な空間部に配設されている。そして、各シリンダ9の長手方向の一方の端(図2の左端)が高温側パイプ9c(図1を参照)を介して、対応する熱交換器ユニット70と接続されている。
【0042】
なお、図には模式的に高温側パイプ9cを1本だけ示しているが、実際には高温側パイプ9cは複数のパイプからなり、各シリンダ9毎にその端部のお椀状の部分全体に亘って接続されている。これは、以下に述べる低温側パイプ9dについても同様である。
【0043】
すなわち、各シリンダ9の長手方向の他方の端(図2の右端)には低温側パイプ9d(図1を参照)が接続され、この低温側パイプ9dの反対の端部がスターリング機関8の低温側の熱交換器11に接続されている。図2に示すように低温側の熱交換器11はファンケース101内に収容されており、ダクト104を流通する低温の空気が通過する。詳細は図示しないが低温側熱交換器11も、ダクト104の断面の周方向に間隔を空けて並んだ複数のユニットからなり、それらのユニットの間をファン102からの空気流が低抵抗で流通可能となっている。
【0044】
また、本実施形態では、前記低温側の熱交換器11よりも上流に、ファン102からの空気流を案内する可動ベーンのような流量調整部材106が設けられている。この流量調整部材106は、図示しないアクチュエータによって動作され、ファン102からの空気の流れを低温側熱交換器11の各ユニットと、それらの間の流路とに振り分けることにより、低温側熱交換器11への空気の流量を調整する流量調整手段として機能する。この空気の流量調整によって、スターリング機関8の出力制御が可能になる。
【0045】
−スターリング機関−
図3を参照して上述したように本実施形態のスターリング機関8は、8つのピストン/シリンダが圧縮機ケース32の外周側において周方向に並んでいて、図1にのみ示すが、隣り合う2つのシリンダ9同士の高温空間9a及び低温空間9bが連通パイプ9eによって連通され、その途中には再生器13が介在されている。この2つのシリンダ9のピストン10は、概ね90度の位相差で往復動作し、これに伴い、以下に述べるように高温空間9aと低温空間9bとの間で作動ガスが移動する。
【0046】
つまり、本実施形態のスターリング機関8は、2つのピストン/シリンダからなるα形のものを基本とし、さらに1つのシリンダ9内にピストン10によって2つの作動空間を形成することで小型化、軽量化を図ったものである。各々2つの作動空間を有する4つのピストン/シリンダを90度の位相差で4つ組み合わせれば、α型のスターリング機関を4つ構成することができる。本実施形態では8つのピストン/シリンダによって8つ分の高出力が得られる。
【0047】
以下に図4及び図5を参照して、スターリング機関8の動作と熱サイクルについて詳しく説明する。なお、図4(a)〜(f)において上側のシリンダ9の右側の低温空間9bは、図示しない別のシリンダ9の高温空間9aに連通されており、一方、図の下側のシリンダ9の左側の高温空間9aも、また別のシリンダ9の低温空間9bに連通されている。しかし、ここでは便宜上、上側シリンダ9の高温空間9aと下側シリンダ9の低温空間9bとによる機関の動作についてのみ説明する。
【0048】
まず、同図(a)において、上側シリンダ9のピストン10と下側シリンダ9のピストン10は概ね同じ位置にあるが、両者の位相は概ね90度くらいずれていて、上側シリンダ9は、図の左端である高温側死点の手前にあり、一方、下側シリンダ9は高温側死点を過ぎたところにある。クランクの機械的な性質によって、死点の少し手前からこれを過ぎるまでのピストン10の動作は非常に小さくなる。
【0049】
同図(a)から同図(b)の間にクランク軸12は90度くらい回動し、上側シリンダ9が高温側死点を超えて前記図(a)の下側シリンダ9とほぼ同じ位置に達する。この間、この上側シリンダ9のピストン10は、高温側死点の付近にあってあまり動作しない一方で、下側シリンダ9のピストン10は、高温側死点の付近から低温側に向かって大きく動作する。この間、下側シリンダ9では低温空間9bにおいて作動ガスが温度を概ね一定に保ったまま圧縮される(等温圧縮)。つまり、図5のPV線上では、点(1)の状態から点(2)の状態まで変化し、矢印で示すように放熱する。
【0050】
続いて図4(b)から図4(c)の間にもクランク軸12は90度くらい回動し、これにより上側シリンダ9ではピストン10が高温側死点の付近から低温側に向かって、また、下側シリンダ9ではピストン10が行程の略中央から、図の右端である低温側死点の手前まで動作する。つまり、2つのピストン10が概ね同期して動作し、これにより作動ガスは、容積の減少する下側シリンダ9の低温空間9bから容積の増大する上側シリンダ9の高温空間9aへと移動する。この際、作動ガスは再生器13を通過することにより加熱され(等容加熱)、図5の(2)→(3)において吸熱する。
【0051】
続いて図4(c)から図4(d)の間にもクランク軸12は90度くらい回動するが、今度は低温側死点の付近にある下側シリンダ9のピストン10があまり動作せず、一方、上側シリンダ9ではピストン10が行程の略中央から低温側死点の手前まで大きく動作する。この上側シリンダ9の高温空間9aでは加熱された作動ガスが、温度を概ね一定に保ったまま膨張し(等温膨張)、図5の(3)→(4)において矢印で示すように吸熱する。
【0052】
そして、図4(d)から図4(e)の間では低温側死点の付近にある上側シリンダ9のピストン10が再びあまり動作しなくなる一方、下側シリンダ9のピストン10は低温側死点の付近から高温側に向かって大きく動作する。また、同図(e)から同図(f)の間では、上側シリンダ9のピストン10が低温側死点の付近から高温側に向かって動作し、下側シリンダ9のピストン10は高温側死点の手前に至る。ここから前記した図(a)までの間に、上側シリンダ9のピストン10が高温側死点の手前に至り、下側シリンダ9のピストン10は高温側死点の付近にある。
【0053】
この(d)→(e)→(f)→(a)を通して見ると、上側、下側の両方のシリンダ9においてピストン10が低温側死点の付近から高温側死点の付近まで動作し、作動ガスは上側シリンダ9の高温空間9aから押し出され、再生器13を通過する際に冷却されて下側シリンダ9の低温空間9bへと移動する。つまり、作動ガスは図5の(4)→(1)において矢印で示すように放熱しながら、等容冷却される。
【0054】
こうしてクランク軸12の1回転半する間に、隣り合う2つのシリンダ9同士の連通されている高温空間9a、低温空間9bにおいて、図5に示すようなスターリングサイクルが1サイクル行われる。そして、回転するクランク軸12に連結された発電機やエンジン補機が駆動される。つまり、ターボファン・エンジン100の圧縮機2,3の間で圧縮空気を冷却するとともに、その廃熱を利用して発電や補記駆動を行うことで、総合的な熱効率の向上が図られる。
【0055】
以上、説明した第1の実施形態に係るターボファン・エンジン100によると、比較的小型、軽量で高効率なスターリング機関8を組み合わせ、その作動ガスを加熱するための高温側熱交換器7を中圧圧縮機2と高圧圧縮機3との間に介設して、圧縮空気を冷却するようにしたから、その圧力比を向上させて、圧縮仕事の低減による燃費の低減、出力の向上等を実現できる。冷却した圧縮空気の一部をタービン5の動翼等、高温部分の冷却に利用することも可能になる。
【0056】
しかも、前記の高温側熱交換器7は中圧圧縮機2と高圧圧縮機3との間の圧縮空気の流路に収まり、スターリング機関8のピストン/シリンダを含めてもエンジンの寸法や重量の増大はあまり大きくはない。既存のエンジンをベースにして大きな設計変更をすることなく、追加することが可能である。また、高温側熱交換器7のプレート間の流路を流れる作動ガスが圧縮空気と直接的に熱交換することから、熱交換の効率も高い。
【0057】
一方、作動ガスを冷却する低温側の熱交換器11は、ファンケース101内に収容し、ダクト104を流通する低温の空気と作動ガスとを直接的に熱交換させるが、航空機の飛行中に外気は高空であればマイナス40℃にもなり、高温側熱交換器7との温度差が大きくなる。よって、高温側と低温側との温度差が拡大するほど、熱力学的サイクル効率が高くなるというスターリング機関8のメリットを最大限に活かすことができる。
【0058】
その上さらに、仮に熱交換器7から作動ガスが漏洩し、燃焼器4にまで輸送されたとしても、これは不燃性のヘリウムガスであるから燃焼器4において失火等の大きな問題を引き起こすことはない。このことは航空機の運行を確保するために重要である。
【0059】
−第2の実施形態−
図6には、船舶用のガスタービン110に適用した第2の実施形態を示す。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。図の例ではガスタービン110は、小型軽量で高出力の得られる航空転用型であり、中圧圧縮機2や高圧圧縮機3、タービン5等、いわゆるガス発生器の基本的な構造は前記した第1実施形態のものと同様である。但し、ガスタービン110において中圧圧縮機2の前段にファン102は配設されておらず、その代わりに低圧ターボ5cには出力シャフト6が連結されていて、駆動力を外に取り出すことができる。なお、図に符号24として示すのは、中圧圧縮機2の前段に配置された動翼であり、ドラム20や動翼21と一体に回転する。ここからの空気はその全量が中圧圧縮機2に供給される。
【0060】
また、航空機用と比較すれば寸法の制限が緩いことから、図の例では燃焼器4としては交換・保守の容易な缶形燃焼器のものが用いられている。すなわち、圧縮機2,3やタービン5の軸心を取り囲むよう放射状に複数本の燃焼筒40が配設され、それぞれに外周端の燃焼筒入り口から高温高圧状態の空気が供給されるともに、各燃焼筒40に個別に配設されている燃料噴射ノズル41から燃料が噴射されて燃焼される。燃焼ガスは、燃焼筒40の内周端においてタービン5寄りに偏向して設けられた燃焼筒出口から噴出して、タービン5に供給される。
【0061】
前記燃焼筒40の燃料噴射ノズル41に供給する燃料としては、一例として液化天然ガス(LNG)が用いられる。LNGは液体の状態で高圧タンク42に貯留されており、必要に応じて暖められてガス化され、燃料ポンプ43によって所定圧力まで昇圧されて、燃料噴射ノズル41に供給される。後述するが本実施形態では、LNGを暖めるための熱源としてスターリング機関8の低温側の熱交換器11を利用している。
【0062】
さらに、本実施形態のガスタービン110では、前記燃焼器4からの燃焼ガスを受けるタービン5についても第1実施形態のものとは異なる部分がある。前段の高圧タービン5a、後段の中圧タービン5bはそれぞれ高圧圧縮機3、中圧圧縮機2を駆動するが、この中圧圧縮機2の駆動力の一部は歯車列により減速されて低圧圧縮機111の駆動に用いられる。また、最後段の低圧タービン5cからは後方に出力シャフト6が延びており、減速機等を介して船舶のスクリューを駆動したり、或いはスクリューを回転させるための発電機を駆動するようになっている。
【0063】
そうしてスクリューの駆動のための仕事を行う低圧タービン5cを駆動した後の燃焼ガスには、航空機用エンジンのようなジェット噴流になるほどの内部エネルギーは残されていないので、本実施形態のガスタービン110には排気ノズル105は設けられていない。低圧タービン5cからの排気は、図示しない再熱器に送って廃熱を回収した後に、煙突等から排出すればよい。再熱器において回収した廃熱を利用して、高圧圧縮機3の圧縮空気を再加熱するようにすれば、中間冷却との組み合わせで熱利用効率がさらに高くなり、好ましい。
【0064】
そして、本実施形態のガスタービン110において、中間冷却装置であるスターリング機関8の高温側熱交換器7は、上述した第1の実施形態と同様に中圧圧縮機2と高圧圧縮機3との間の圧縮空気の流路にその円環状の断面全体に亘って配設されている。一方、低温側の熱交換器11は、図6に模式的に示すように燃焼器4へ供給されるLNGが通過するように配設されて、スターリング機関8の作動ガスと極低温のLNGとを熱交換させるようになっている。
【0065】
すなわち、燃焼器4の各燃焼筒40にそれぞれLNGを供給する燃料供給系において、高圧タンク42から燃料ポンプ43に至るLNGの供給ライン44に高温側熱交換器7が介設されており、ここにおいて作動ガスは効果的に冷却され、LNGは効果的に暖められる。こうして極低温のLNGを利用することでスターリング機関8において高温側と低温側との温度差が非常に大きくなり、その効率は極めて高くなる。しかも、スターリング機関8からの廃熱も有効利用されることになる。
【0066】
したがって、この第2の実施形態に係る船舶用ガスタービン110においても、第1の実施形態と同じく中間冷却によって圧力比の向上、圧縮仕事の低減、出力の向上等の効果が得られる。また、回収した熱を温熱源とし、極低温のLNGを冷熱源として利用することから、スターリング機関8の効率が非常に高くなり、ガスタービン110の総合的な熱効率が向上する。仮に作動ガスが漏洩したとしても、ガスタービン110の運転に支障を来すことがなく、船舶の運行を確保できる。
【0067】
−その他の実施形態−
なお、上述した第1、第2の実施形態は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。例えば、第1の実施形態においては航空機用のガスタービンとして燃費性能に優れた高バイパス比のターボファン・エンジン100に適用した場合を説明したが、これに限らず、低バイパス比のターボファン・エンジンやターボプロップ・エンジンに適用してもよいし、或いはターボジェット・エンジンに適用してもよい。
【0068】
ターボプロップ・エンジンやターボジェット・エンジンに適用した場合は、第1の実施形態のようなファンケース101を有しないので、スターリング機関8の低温側熱交換器11は、エンジンのケースの外周を覆うような専用のケース内に収容して、外気が通過するように配設してもよい。
【0069】
一方、スターリング機関8の高温側の熱交換器7は、前記のようなガスタービンの種類に依らず、前記の各実施形態と同様に圧縮機の途中段において内周側のドラム(ロータ)と外周側のケースとの間の圧縮流路の断面全体に亘って配置してもよいし、これに限らず、例えばその圧縮流路の断面の一部分だけに配置してもよい。
【0070】
また、前記の各実施形態においてガスタービン1の圧縮機2,3及びタービン5は、いずれも軸流式のものであるが、これに限ることもなく、例えば遠心式の圧縮機やラジアルタービンを備えたガスタービンに本発明を適用してもよい。
【0071】
また、スターリング機関8についても前記の各実施形態において説明した構造、配置には限定されず、例えばピストン/シリンダの数は8つでなくてもよいし、それらを圧縮機ケース32の外周側に配設する必要もない。また、復動形のスターリング機関8にも限定されず、その基本となる2ピストン形(α形)、ディスプレーサ形(β形及びγ形)、フリーピストン形のような種々の構造のスターリング機関を用いることができる。
【0072】
さらに、第2の実施形態においては航空転用形の船舶用ガスタービン110に適用し、且つ燃料としてLNGを用いる場合について説明したが、LNG以外の液化ガス燃料を用いてもよいし、それ以外の種々の燃料を用いる船舶用ガスタービン110にも本発明は適用できる。液化ガス燃料を用いない場合はスターリング機関8の低温側熱交換器11を例えば海水が流通するように設けてもよく、低温の海水によって効果的に作動ガスを冷却することができる。
【0073】
また、航空機用、船舶用にも限定されず、本発明の中間冷却装置はいわゆる産業用のガスタービンに適用してもよく、この場合にガスタービンの構造は、前記第2の実施形態の船舶用ガスタービン110に類似したものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係るガスタービンの中間冷却装置は、小型軽量で高効率なスターリング機関を利用し、回収した熱を有効利用できるとともに、漏洩故障の際にもガスタービンの運転に支障を来すことがないので、特に航空機用として好適である。
【符号の説明】
【0075】
1 ガスタービン
2 中圧圧縮機(圧縮機)
20 ドラム(ロータ)
21 動翼
22 圧縮機ケース
3 高圧圧縮機(圧縮機)
30 ドラム(ロータ)
31 動翼
32 圧縮機ケース
4 燃焼器
5 タービン
7 高温側熱交換器
8 スターリング機関(中間冷却装置)
9 シリンダ
10 ピストン
11 低温側熱交換器
13 再生器
100 ターボファン・エンジン(ガスタービン)
101 ファンケース
102 ファン
106 流量調整部材(流量調整手段)
110 船舶用ガスタービン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段の圧縮機と、これにより圧縮された空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンと、を備えたガスタービンに設けられ、前記圧縮機の途中段に熱交換器を介設してなる中間冷却装置において、
前記熱交換器は、スターリング機関の作動ガスを加熱する高温側の熱交換器であって、その作動ガスと前記圧縮機の圧縮空気とを伝熱壁を介して直接的に熱交換させるよう、該圧縮空気の流路内に配設されていることを特徴とするガスタービンの中間冷却装置。
【請求項2】
前記スターリング機関の作動ガスが不燃性のガスである、請求項1の中間冷却装置。
【請求項3】
前記圧縮機が、動翼を支持する内周側のロータと、静翼を支持する外周側のケースと、を備えた軸流式のものであり、
前記熱交換器は、前記圧縮機のロータ及びケースの間の圧縮空気の流路全体に亘って円環状に設けられ、
前記ケースの外周側には、前記スターリング機関の複数のピストン/シリンダが周方向に間隔を空けて配設されている、請求項1又は2のいずれかの中間冷却装置。
【請求項4】
前記複数のピストン/シリンダのうち、隣り合うもの同士が再生器を介して連結されている、請求項3の中間冷却装置。
【請求項5】
前記ガスタービンが航空機用のものであり、
前記スターリング機関は、作動ガスを冷却する低温側の熱交換器が大気と接触するように配設されている、請求項1〜4のいずれか1つの中間冷却装置。
【請求項6】
前記圧縮機の前段にはファンが設けられ、このファンからの排気が流通するファンケース内には、前記低温側の熱交換器が収容されるとともに、この低温側の熱交換器への排気の流量を調整可能な流量調整手段が設けられている、請求項5の中間冷却装置。
【請求項7】
前記ガスタービンが、液化ガス燃料を用いるものであり、
前記スターリング機関の低温側の熱交換器は、作動ガスと前記液化ガス燃料とを熱交換させるように配設されている、請求項1〜4のいずれか1つの中間冷却装置。
【請求項8】
複数段の圧縮機と、これにより圧縮された空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備え、
前記圧縮機の途中段に熱交換器を介在させて、前記請求項1〜7のいずれか1つの中間冷却装置が設けられていることを特徴とするガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−31729(P2012−31729A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169108(P2010−169108)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】