説明

ガスワイピング装置

【課題】 溶融金属中に金属板を浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対から気流を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する溶融金属めっき装置のガスワイピング装置において、比較的メンテナンスフリーで、エッジオーバーコートを安定に抑制できるガスワイピング装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも通板材のエッジ近傍領域に通板材の表裏に一対の気流遮蔽板を通板材から隙間を開けてスリットノズルの上方、下方、または上下双方の位置に設置することを特徴としたガスワイピング装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属中に金属板を浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対から気流を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する溶融金属めっき装置のガスワイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のガスワイピング装置を示す図である。図11(a)は図11(b)のA−A矢視に沿う断面図であり、図11(b)は側面断面図である。この図に示すように、溶融金属浴3中に金属板2をシンクロール4を用いて浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対であるスリットノズル1から気流21を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する装置は、従来から使われていたが、通板材のエッジで金属板表面の溶融金属の厚みが厚くなる、エッジオーバーコートが発生していた。これはガスワイピングの圧力がエッジで低下することが原因であると考えられ、従来から多くの対策案が提案されていた。
【0003】
図12は、特開2003−321757号公報(特許文献1)のガスワイピングの装置におけるエッジプレート6を用いたエッジオーバーコート対策方法を示す図である。図12(a)は図12(b)のA−A矢視に沿う断面図であり、図12(b)は側面断面図である。この図に示すように、エッジプレート6を通板材から5mm以下の距離に設置し、エッジを見かけ上なくすことにより、ガス流れを均一にし、ガスワイピングの圧力のエッジでの低下をなくそうとしていた。通板材の面方向の振動によって、エッジプレートと通板材が同一平面上にない配置となると、この効果はなくなるので、サポートロール5を用いて振動を抑えるか、特開平9−118971号公報(特許文献2)や特開平7−173596号公報(特許文献3)のように、エッジプレートの通板材側の形状を工夫していた。また、通板材の蛇行に対しては特開平10−251820号公報(特許文献4)のように、エッジプレート6と通板材の距離を一定に保つようにしていた。
【0004】
図13は、特開平10−265930号公報(特許文献5)、特開平8−232055号公報(特許文献6)等のガスワイピング装置での補助ノズル7を用いたエッジオーバーコート対策方法を示した図である。図13(a)は図13(b)のA−A矢視に沿う断面図であり、図13(b)は側面断面図である。これはエッジで低下するガスワイピングの圧力を補うものであるが、調整が難しい場合は、特開平9−143664号公報(特許文献7)のように補助ノズルにガイド板を組み合わせることで容易にエッジ圧力を均一にする案があった。
【0005】
図14は、特開2002−30408号公報(特許文献8)、特開昭52−91740号公報(特許文献9)のガスワイピング装置での吸引ノズル8を用いたエッジオーバーコート対策方法を示した図である。図14(a)は図14(b)のA−A矢視に沿う断面図であり、図14(b)は側面断面図である。これは吸引ノズル8を用いてエッジの乱流を吸引することにより、流れを安定化させ、エッジオーバーコート抑制を狙うものである。
【0006】
【特許文献1】特開2003−321757号公報
【特許文献2】特開平9−118971号公報
【特許文献3】特開平7−173596号公報
【特許文献4】特開平10−251820号公報
【特許文献5】特開平10−265930号公報
【特許文献6】特開平8−232055号公報
【特許文献7】特開平9−143664号公報
【特許文献8】特開2002−30408号公報
【特許文献9】特開昭52−91740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、図12にはエッジプレート6を用いたエッジオーバーコート対策方法を示している。この方法では、エッジプレートと通板材の隙間が5mm以上となった場合、エッジ流れ安定化の効果が低下し、5mm以下の隙間ではZnの付着が発生し、メンテ性が低下した。また、図13では補助ノズルを用いたエッジオーバーコート対策方法を示している。この方法では、補助ノズルの板側端の圧力が不連続となり、調整が難しい。さらに、図14においては、吸引を用いたエッジオーバーコート対策方法を示す。この方法も、ガス流れが安定する場合と安定しない場合があり、調整が難しかった。
【0008】
上述したような、従来の方法による課題に鑑み、本発明においては、比較的メンテナンスフリーで、エッジオーバーコートを安定に抑制できるガスワイピング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明者はガスワイピング装置について広く研究を行った。これにより以下の知見を得た。
図15は、従来の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図で、図15(a)は通板材に垂直な方向から見た図であり、図15(b)は通板側面から見た通板材がある断面での板衝突噴流の流れ11を示す図であり、図15(c)は通板側面から見た通板材がない断面での板外衝突噴流の流れ12を示す図であり、(d)は(a)の平面図である。
【0010】
板衝突噴流の流れ11と板外衝突噴流の流れ12は流れ状態が大きく異なっており、通板材エッジ13の衝突噴流ライン10から少し上で、板衝突噴流の流れ11と板外衝突噴流の流れ12の干渉14が発生し、この部分に剥離流れ18を起こし、通板材上の溶融金属に外向きのせん断力19を作用させ、エッジ方向に溶融金属を移動させ、エッジオーバーコートを引き起こしていたことがわかった。この剥離流れ18の影響する領域が本発明で対象とするエッジ近傍である。
【0011】
図1は、本発明のガスワイピング装置を示した図である。図1(a)は図1(b)A−A矢視に沿う断面図であり、図1(b)はガスワイピング装置の側面断面である。この図に示すように、通板材2は溶融金属浴3内に導かれ、溶融金属浴3内に設けられたシンクロール4により進行方向を変え、サポートロール5を介してめっき浴外に引き上げ、通板材2を挟んで配置したスリットノズルの対であるスリットノズル1から気流21を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製された後、所要のめっきが施されるものである。この場合に、気流遮蔽板9をスリットノズルの上方に設置することで、後述する図2に示す作用によって、板衝突噴流の流れと板外衝突噴流の流れの両方で、渦流れが形成され、流れの相違が小さくなる。一方、エッジでの流れをも安定化することが可能となった。
【0012】
本発明は上記の知見を基になされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
(1)溶融金属中に金属板を浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対から気流を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する溶融金属めっき装置のガスワイピング装置において、少なくとも通板材のエッジ近傍領域に、通板材の表裏に、一対の気流遮蔽板を通板材から隙間を開けて、スリットノズルの上方、下方、または上下双方の位置に設置したことを特徴とするガスワイピング装置。
【0013】
(2)前記気流遮蔽板を前記通板材の全幅以上に設置したことを特徴とする(1)記載のガスワイピング装置。
(3)前記通板材の外側に隙間を開けてエッジプレートを設置したことを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
【0014】
(4)前記通板材の板幅より内側の気流遮蔽板とスリットノズルの間にガス吐出口を設置したことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
(5)前記気流遮蔽板とスリットノズルで囲まれた空間の両端にガス吸引装置を設置したことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
【0015】
(6)前記気流遮蔽板が通板材の全幅以上でエッジから外の気流遮蔽板長さE[m]が(1)式を満たすように設置することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
ただし、δ[m]は通板材とスリットノズルのギャップ長さとする。
10δ≦E … (1)
(7)前記気流遮蔽板と通板材の隙間L[m]が(2)式を満たすことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
δ≦L … (2)
【0016】
(8)前記気流遮蔽板とスリットノズルとの中心間高低差H[m]が(3)式を満たすことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のガスワイピング装置。
3δ≦H≦10δ … (3)
(9)前記通板材とエッジプレートの隙間C[m]が(4)式を満たすことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のガスワイピング装置にある。
ただし、D[m]は通板材の蛇行しろとする。
D≦C … (4)
【0017】
なお、通板材のエッジ近傍領域とは、スリットノズルの衝突噴流と通板材のエッジが干渉して乱流を発生させる、通板材のエッジを挟んだ通板材側および外側の領域のことである。また、エッジプレートとは、通板材の外側に隙間を空けてスリットノズルの衝突噴流の位置に設置した板のことである。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本発明による気流遮蔽板を設置することにより、板衝突噴流と板外衝突噴流とで流れの干渉が軽減され、メンテナンスフリーで、エッジオーバーコートを安定に抑制できるガスワイピング装置を提供できた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
溶融金属中に金属板を浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対から気流を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する溶融金属めっき装置のガスワイピング装置において、少なくとも通板材のエッジ近傍領域に通板材の表裏に一対の気流遮蔽板を通板材から隙間を開けてスリットノズルの上方に設置したことを特徴とするガスワイピング装置について、図2から図10を用いて説明する。
【0020】
図2は、本発明での通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図で、図2(a)は通板材に垂直な方向から見た図であり、図2(b)は通板側面から見た通板材がある断面での板衝突噴流の流れ11を示す図であり、図2(c)は通板側面から見た通板材がない断面での板外衝突噴流の流れ12を示す図であり、(d)は(a)の平面図である。
【0021】
この図に示すように、気流遮蔽板9をスリットノズルの上方に設置することで、空間を区切られ、板衝突噴流の流れ11と板外衝突噴流の流れ12の両方で、渦流れ17が形成され、流れの相違が小さくなった。また、気流遮蔽板9により、気流遮蔽板9とスリットノズル1とで囲まれる空間内にスリットノズルからのガスが供給されるため、外向き流れが作られ、板衝突噴流の流れと板外衝突噴流の流れの干渉14が外に流されるため、エッジでの流れが安定化した。
【0022】
図3は、本発明でのスリットノズルの下方の通板材のエッジ近傍領域に気流遮蔽板を設置した場合の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図で、図3(a)は通板材に垂直な方向から見た図であり、図3(b)は通板側面から見た通板材がある断面での板衝突噴流の流れ11を示す図であり、図3(c)は通板側面から見た通板材がない断面での板外衝突噴流の流れ12を示す図である。この図に示すように、気流遮蔽板9をスリットノズルの下方に設置することで、左右のスリットノズルからの気流の上方向の流れに起因するカルマン渦状の乱流が抑制され、板衝突噴流の流れ11と板外衝突噴流の流れ12の両方で、流れの相違が小さくなった。
【0023】
図4は、本発明でのスリットノズルの上下双方の通板材のエッジ近傍領域に気流遮蔽板を設置した場合の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図で、図4(a)は通板材に垂直な方向から見た図であり、図4(b)は通板側面から見た通板材がある断面での板衝突噴流の流れ11を示す図であり、図4(c)は通板側面から見た通板材がない断面での板外衝突噴流の流れ12を示す図である。この図に示すように、気流遮蔽板9をスリットノズルの上方に設置した場合と下方に設置した効果が重なり、左右のスリットノズルからの気流の上方向の流れに起因するカルマン渦状の乱流が抑制され、板衝突噴流の流れ11と板外衝突噴流の流れ12の両方で、流れの相違が小さくなった。
【0024】
図5は、本発明での気流遮蔽板の位置関係を示した図で、図5(a)は側面断面図であり、図5(b)は正面断面図である。また、図6は、本発明での気流遮蔽板を有するガスワイピング装置の斜視図である。この図5および図6に示すように、気流遮蔽板は少なくとも通板材のエッジ近傍領域に設置することで、エッジでの流れが安定化ができたが、気流遮蔽板を通板材の全幅以上でエッジから外の気流遮蔽板E[m]が(1)式を満たすように設置することで、流れはより安定化した。ただし、δ[m]は通板材とスリットノズルのギャップ長さとする。
10δ≦E … (1)
【0025】
通板材と気流遮蔽板の接触を避けるため、気流遮蔽板と通板材の隙間L[m]は(2)式を満たすことが望ましい。
δ≦L … (2)
気流遮蔽板とスリットノズルとの中心間高低差H[m]は(3)式を満たすようにした。この範囲で渦流れ17が安定して形成された。
3δ≦H≦10δ … (3)
【0026】
図7は、本発明のエッジプレート付のガスワイピング装置を示した図である。通板材の外側に隙間を開けてエッジプレートを設置することで、流れはより安定化した。通板材とエッジプレートの隙間C[m]は(4)式を満たすようにした。ただし、D[m]は通板材の蛇行しろとする。特許文献4では通板材の蛇行にあわせて通板材とエッジプレートの隙間間隔を保つように追従させる必要があったが、本発明では通板材の蛇行にエッジプレートを追従させなくても、不安定な流れが抑制できる。
D≦C … (4)
【0027】
上記に加え、さらなる安定化を狙う時や、設置をするうえで障害物があって気流遮蔽板を設置しにくい場合について説明する。図8は、本発明の気流遮蔽板とエッジプレートとガス吐出口付のガスワイピング装置を示した図である。図9は、本発明の気流遮蔽板とエッジプレートとガス吐出口とガス吸引装置付のガスワイピング装置を示した図である。ガス吐出口15から流出したガス流れは、スリットノズル1と気流遮蔽板9と通板材2で囲まれる空間に、中央から端に向かっての気流20を形成する。また、ガス吸引装置16は通板材2と気流遮蔽板9とスリットノズル1で囲まれた空間の両端に設置され、ガスを吸引することで中央から端への気流20を形成する。
【0028】
これらの気流によって、図15で示した板衝突噴流と板外衝突噴流とで流れの干渉14が軽減され、不安定な流れが抑制できる。図10は、本発明のスリットノズル下方の気流遮蔽板とエッジプレート付のガスワイピング装置を示した図である。スリットノズル下方にエッジプレート6を取り付けることにより、障害物があって気流遮蔽板をスリットノズル上方に設置しにくい場合でも、不安定な流れが抑制できる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
溶融亜鉛中に1m幅の金属板を浸漬通板させた後、溶融亜鉛の自由表面上に連続的に引き上げ、1m幅の金属板の通板材を挟んで配置した1mm×1.2m幅のスリットノズルの対から音速で空気の気流21を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製するガスワイピング装置において、スリットノズルの上方の少なくとも通板材のエッジ近傍領域に通板材の表裏に一対の気流遮蔽板を通板材から隙間を開けて設置した。ただし、通板材とスリットノズルのギャップ長さδ=0.005[m]とした。
【0030】
気流遮蔽板は通板材の全幅以上でエッジから外の気流遮蔽板E[m]=0.1[m]とした。このときEは(1)式を満たすので、流れは安定化した。
10δ≦E … (1)
気流遮蔽板と通板材の隙間L[m]=0.005[m]とした。このときLは(2)式を満たすので、流れは安定化した。
δ≦L … (2)
【0031】
気流遮蔽板とスリットノズルとの中心間高低差H[m]=0.025とした。このときHは(3)式を満たすので、流れは安定化した。
3δ≦H≦10δ … (3)
通板材の蛇行しろD[m]は0.005mmであった。通板材の外側に隙間を開けて縦横が60mm×60mm厚み1mmのエッジプレートを設置した。通板材とエッジプレートの隙間C[m]は6mmとした。Cは(4)式を満たすので、流れは安定化した。
δ≦C … (4)
【0032】
配管等がスリットノズル上方にある場合、気流遮蔽板をスリットノズル下方に設置した。δ=0.005[m]であったので、E=0.1[m]、L[m]=0.005[m]、H[m]=0.025、C[m]=6mmとした。これらは式(1)〜(4)を満たすので、流れは安定化した。さらなる安定化を狙う場合、気流遮蔽板をスリットノズル上下双方に設置した。δ=0.005[m]であったので、上下E=0.1[m]、H[m]=0.025、C[m]=6mmとした。上方の気流遮蔽板については、L[m]=0.005[m]、下方の気流遮蔽板については、L[m]=0.01[m]とした。これらは式(1)〜(4)を満たすので、流れは安定化した。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のガスワイピング装置を示した図である。
【図2】本発明での通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図である。
【図3】本発明でのスリットノズルの下方の通板材のエッジ近傍領域に気流遮蔽板を設置した場合の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図である。
【図4】本発明でのスリットノズルの上下双方の通板材のエッジ近傍領域に気流遮蔽板を設置した場合の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図である。
【図5】本発明での気流遮蔽板の位置関係を示した図である。
【図6】本発明での気流遮蔽板を有するガスワイピング装置の斜視図である。
【図7】本発明の気流遮蔽板とエッジプレート付のガスワイピング装置を示した図である。
【図8】本発明の気流遮蔽板とエッジプレートとガス吐出口付のガスワイピング装置を示した図である。
【図9】本発明の気流遮蔽板とエッジプレートとガス吐出口とガス吸引装置付のガスワイピング装置を示した図である。
【図10】本発明のスリットノズル下方の気流遮蔽板とエッジプレート付のガスワイピング装置を示した図である。
【図11】従来のガスワイピング装置を示した図である。
【図12】従来のガスワイピング装置でのエッジプレートを用いたエッジオーバーコート対策方法を示した図である。
【図13】従来のガスワイピング装置での補助ノズルを用いたエッジオーバーコート対策方法を示した図である。
【図14】従来のガスワイピング装置での吸引を用いたエッジオーバーコート対策方法を示した図である。
【図15】従来の通板材エッジ近傍でのガス流れを示した図である。
【符号の説明】
【0034】
1 スリットノズル
2 通板材
3 溶融金属浴
4 シンクロール
5 サポートロール
6 エッジプレート
7 補助ノズル
8 吸引ノズル
9 気流遮蔽板
10 衝突噴流ライン
11 板衝突噴流の流れ
12 板外衝突噴流の流れ
13 通板材エッジ
14 板衝突噴流の流れと板外衝突噴流の流れの干渉
15 ガス吐出口
16 ガス吸引装置
17 渦流れ
18 剥離流れ
19 せん断力
20 中央から端に向かっての気流
21 スリットノズルからの気流


特許出願人 新日本製鐵株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1



【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属中に金属板を浸漬通板させた後、溶融金属の自由表面上に連続的に引き上げ、通板材を挟んで配置したスリットノズルの対から気流を吹き付けて金属板表面の溶融金属の厚みを均一に調製する溶融金属めっき装置のガスワイピング装置において、少なくとも通板材のエッジ近傍領域に、通板材の表裏に、一対の気流遮蔽板を通板材から隙間を開けてスリットノズルの上方、下方、または上下双方の位置に設置したことを特徴とするガスワイピング装置。
【請求項2】
前記気流遮蔽板を前記通板材の全幅以上に設置したことを特徴とする請求項1記載のガスワイピング装置。
【請求項3】
前記通板材の外側に隙間を開けてエッジプレートを設置したことを特徴とする請求項1または2に記載のガスワイピング装置。
【請求項4】
前記通板材の板幅より内側の気流遮蔽板とスリットノズルの間にガス吐出口を設置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスワイピング装置。
【請求項5】
前記気流遮蔽板とスリットノズルで囲まれた空間の両端にガス吸引装置を設置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスワイピング装置。
【請求項6】
前記気流遮蔽板が通板材の全幅以上でエッジから外の気流遮蔽板長さE[m]が(1)式を満たすように設置することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスワイピング装置。
ただし、δ[m]は通板材とスリットノズルのギャップ長さとする。
10δ≦E … (1)
【請求項7】
前記気流遮蔽板と通板材の隙間L[m]が(2)式を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスワイピング装置。
δ≦L … (2)
【請求項8】
前記気流遮蔽板とスリットノズルとの中心間高低差H[m]が(3)式を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガスワイピング装置。
3δ≦H≦10δ … (3)
【請求項9】
前記通板材とエッジプレートの隙間C[m]が(4)式を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のガスワイピング装置。
ただし、D[m]は通板材の蛇行しろとする。
D≦C … (4)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−291282(P2006−291282A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113021(P2005−113021)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】