説明

ガス供給ユニット

【課題】ガス供給量を安定させることができるガス供給ユニットを提供すること。
【解決手段】マスフローコントローラ14と、前記マスフローコントローラ14に接続する第1流体制御弁15と、前記第1流体制御弁と並列に接続された第2流体制御弁17と、前記第2流体制御弁の二次側に配置された第3流体制御弁と、を有し、前記第3流体制御弁は、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧に基づいて弁開度を調整されるものであるガス供給ユニット1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作用ガスを供給するガス供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置において、例えば、ウエハ表面に薄膜を形成させるCVD装置では、薄膜材料を構成する元素からなる1種又は数種の作用ガスをウエハ上に供給している。このとき、ウエハ表面に形成される薄膜を所望のものにするために、例えば特許文献1に記載されるガス供給ユニットをCVD装置に組み込み、ウエハ上に供給される作用ガスを一定量連続して供給する。
【0003】
図17は、従来のガス供給ユニット100の回路図である。
ガス供給ユニット100は、ハンドバルブ11と、レギュレータ12と、圧力計13と、マスフローコントローラ14と、第1遮断弁15とが設置された供給ライン4を備える。供給ライン4は、上流側が作用ガス供給源2に接続され、下流側が処理室3に接続されている。供給ライン4は、マスフローコントローラ14と第1遮断弁15との間から排気ライン5が分岐している。排気ライン5は、第2遮断弁17を配置され、真空ポンプ6に接続されている。真空ポンプ6には、処理室3も接続している。
【0004】
かかるガス供給ユニット100は、プロセス時には、第1遮断弁15を開き、第2遮断弁17を閉じた状態で、マスフローコントローラ14によって流量制御された作用ガスを処理室3に供給する。一方、プロセス時以外は、第1遮断弁15を閉じ、第2遮断弁17を開いた状態で、作用ガスを排気ライン5に流しながら、処理室3を真空引きする。従って、第1遮断弁15と第2遮断弁17とは、交互に開閉される。
【0005】
【特許文献1】特開2000−122725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のガス供給ユニット100は、マスフローコントローラ14が作用ガスの流量を調整するにもかかわらず、積算流量がばらついていた。積算流量がばらつく理由は、以下の通りと考えられる。
【0007】
第1遮断弁15が弁閉状態から弁開状態に切り替えられ、第2遮断弁17が弁開状態から弁閉状態に切り替えられるときに、第1遮断弁15の二次側圧力P1と第2遮断弁17の二次側圧力P2とが同じ圧力であれば、マスフローコントローラ14の二次側圧力は変動せず、作用ガスが所定流量で第1遮断弁15を通過して処理室3に供給される。ところが、実際には、第1遮断弁15の二次側圧力P1と第2遮断弁17の二次側圧力P2とが同じ圧力であることは少ない。
【0008】
例えば、第2遮断弁17の方が第1遮断弁15よりCv値が大きい場合や、排気ライン5の方が供給ライン4より流路径が大きい場合や管路が短い場合などには、排気ライン5の方が供給ライン4より作用ガスが流れやすい。この場合、第1遮断弁15を閉状態、第2遮断弁17を開状態にすると、排気ライン5の方が供給ライン4より真空引きされやすく、排気ライン5の真空度が供給ライン4の真空度より高くなる。また例えば、排気ライン5への排気時間が処理室3への供給時間より短い場合には、排気ライン5の真空度が供給ライン4の真空度より高くなる。これらの要因によって、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より高くなる。
【0009】
この場合に、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替えると共に、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えると、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第1遮断弁15の一次側圧力より高いため、作用ガスが第1遮断弁15側からマスフローコントローラ14側に逆流する。これにより、マスフローコントローラ14の二次側圧力が上昇し、マスフローコントローラ14の動作差圧が小さくなるため、マスフローコントローラ14の流量が減少する。この結果、処理室3に供給する作用ガスの積算流量が減少する。処理室3内の圧力状態で確認すると、例えば図9のようにX1だけ減少している。
【0010】
逆に、例えば、第1遮断弁15の方が第2遮断弁17よりCv値が大きい場合や、供給ライン4の方が排気ライン5より流路径が大きい場合や管路が短い場合などには、供給ライン4の方が排気ライン5より作用ガスが流れやすい。この場合に、第1遮断弁15を閉状態、第2遮断弁17を開状態にすると、供給ライン4の方が排気ライン5より真空引きされやすく、処理室3の真空度が排気ライン5の真空度より高くなる。また例えば、処理室3へのガス供給時間が排気ライン5からの排気時間より短い場合には、供給ライン4の真空度が排気ライン5の真空度より高くなる。これらの要因によって、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より低くなる。
【0011】
この場合に、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替えると共に、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えると、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第1遮断弁15の一次側圧力より低いため、作用ガスがマスフローコントローラ14側から第1遮断弁15側に多量に流れる。これにより、マスフローコントローラ14の二次側圧力が下降し、マスフローコントローラ14の動作差圧が大きくなるため、マスフローコントローラ14の流量が増加する。この結果、処理室3に供給する作用ガスの積算流量が増加する。処理室3内の圧力状態で確認すると、例えば図12のようにX2だけ増加している。
【0012】
従って、第1,第2遮断弁15,17や配管、マスフローコントローラ14の個体差や経年変化、第1,第2遮断弁15,17の弁開閉制御状態などの複合的要因により、積算流量がばらつく。積算流量のばらつきは、処理室3に供給する作用ガスのガス供給量を不安定にし、成膜品質にばらつきを生じさせるため、好ましくない。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ガス供給量を安定させることができるガス供給ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るガス供給ユニットは、次のような構成を有している。
(1)マスフローコントローラと、前記マスフローコントローラに接続する第1流体制御弁と、前記第1流体制御弁と並列に接続された第2流体制御弁と、前記第2流体制御弁の二次側に配置された第3流体制御弁と、を有し、前記第3流体制御弁は、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧に基づいて弁開度を調整されるものであるガス供給ユニットである。
【0015】
(2)(1)に記載の発明において、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧を測定する差圧測定手段を有し、前記第3流体制御弁は、前記差圧測定手段の測定結果に基づいて動作するものである。
【0016】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記第1流体制御弁の二次側に配置される第4流体制御弁を有し、前記第3流体制御弁と前記第4流体制御弁とにより、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力とを調整する。
【0017】
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載の発明において、前記第1流体制御弁の二次側圧力又は前記第2流体制御弁の二次側圧力に生じた異常を報知する異常報知手段を有する。
【0018】
(5)(1)乃至(4)の何れか一つに記載の発明において、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧が±20kPa未満に調整されるものである。
【発明の効果】
【0019】
上記構成を有する本発明のガス供給ユニットは、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力との差圧に基づいて第3流体制御弁の弁開度を調整することにより、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力とを同じ圧力にする。但し、ここでいう同じ圧力は、完全同一だけでなく、圧力差が±20kPa未満の場合とすることが望ましい(圧力差を±20kPa未満とする根拠については、後述する。)。そのため、第1流体制御弁を弁閉状態から弁開状態にしたときに、ガスがマスフローコントローラ側に逆流して積算流量が極端に減少したり、ガスがマスフローコントローラ側から第1流体制御弁側に多量に流れて積算流量が極端に増加しない。よって、本発明のガス供給ユニットによれば、ガス供給量を安定させることができる。
【0020】
尚、第3流体制御弁は、圧力制御弁で構成してもよいし、流量制御弁で構成してもよい。そして、第3流体制御弁は、電気信号や操作圧によって弁開度を自動調整されるものであってもよいし、手動で弁開度を調整するものであってもよい。
【0021】
また、本発明のガス供給ユニットは、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力との差圧を差圧測定手段により測定し、その測定結果に基づいて第3流体制御弁が動作するので、第2流体制御弁の二次側圧力と第1流体制御弁の二次側圧力との圧力差を同じ圧力(望ましくは圧力差±20kPa未満)にさせることができる。
【0022】
尚、差圧測定手段は、第1流体制御弁と第2流体制御弁の二次側にそれぞれ配置する第1圧力測定手段と第2圧力測定手段で構成してもよいし、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力との差圧を測る1個の差圧計で構成してもよい。
【0023】
また、本発明のガス供給ユニットは、第1流体制御弁と第2流体制御弁の二次側にそれぞれ配置される第4流体制御弁と第3流体制御弁によって、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力とを調整するので、第1流体制御弁の二次側圧力と第2流体制御弁の二次側圧力との圧力差を短時間のうちに同じ圧力(望ましくは圧力差±20kPa未満)にさせることができる。
尚、第4流体制御弁は、圧力制御弁で構成してもよいし、流量制御弁で構成してもよい。
【0024】
また、本発明のガス供給ユニットは、第1流体制御弁の二次側圧力又は第2流体制御弁の二次側圧力に生じた異常を報知するので、不安定なガス供給を未然に防止することができる。
尚、異常報知手段は、アラームなどの音声出力手段でも、ランプの点滅や液晶パネルのメッセージ表示などの表示手段であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明に係るガス供給ユニットの一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
(第1実施形態)
<回路構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス供給ユニット1の回路図である。
第1実施形態のガス供給ユニット1は、図17に示す従来のガス供給ユニット100と基本的な構成が同じである。そのため、図1に示すガス供給ユニット1は、従来のガス供給ユニット100と共通する構成には、同一符号を付している。第1実施形態のガス供給ユニット1は、従来のガス供給ユニット100と同様に、例えばCVD装置に組み込まれる。ガス供給ユニット1は、供給ライン4と、分岐ライン5を備える。供給ライン4は、ユニット1の外部に設けられた作用ガス供給源2と処理室3とを接続する。排気ライン5は、供給ライン4から分岐して、ユニット1の外部に設けられた真空ポンプ6に接続する。尚、真空ポンプ6には、処理室3も接続している。
【0027】
供給ライン4には、上流側からハンドバルブ11と、レギュレータ12と、圧力計13と、マスフローコントローラ14と、「第1流体制御弁」の一例である第1遮断弁15と、「差圧測定手段」の一例である圧力計16とが配置されている。
一方、排気ライン5には、上流側から、「第2流体制御弁」の一例である第2遮断弁17と、「差圧測定手段」の一例である圧力計18と、「第3流体制御弁」の一例である圧力制御弁19が配設されている。
【0028】
ガス供給ユニット1は、第1,第2遮断弁15,17、圧力計16,18、圧力制御弁19及び制御装置40によって圧力制御装置20が構成されている。圧力制御装置20は、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にさせるように圧力制御弁19に動作信号Vpを出力する。但し、ここでいう同じ圧力は、完全同一だけでなく、圧力差±20kPa未満の場合をいうものとする(数値の根拠は後述する。)。尚、第1,第2遮断弁15,17は、外部装置42から動作信号Vs,Vvを入力し、弁開閉動作を制御される。
【0029】
<具体的構成>
図2は、ガス供給ユニット1の平面図である。図3は、図2の図中A方向から見たガス供給ユニットの側面図である。図4は、図2の図中B方向から見たガス供給ユニットの側面図である。尚、図3及び図4の図中太線は、作用ガスの流れを示す。
図2及び図3に示すように、ガス供給ユニット1は、ハンドバルブ11と、レギュレータ12と、圧力計13と、マスフローコントローラ14と、第2遮断弁17と、第1遮断弁15と、圧力計16とを、流路ブロック21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32の上面に上方からボルトで固定し、直列一体に連結している。
【0030】
ハンドバルブ11は、入力ポートが流路ブロック21の入力部21aに連通する。入力部21aは、作用ガス供給源2に接続される。そのため、作用ガス供給源2から入力部21aに供給された作用ガスは、ハンドバルブ11によって供給・遮断を制御される。ハンドバルブ11の出力ポートは、流路ブロック22を介してレギュレータ12の入力ポートに接続している。レギュレータ12の出力ポートは、流路ブロック23を介して圧力計13の入力ポートに接続し、レギュレータ12によって調整された圧力を圧力計13で測定する。。圧力計13の出力ポートは、流路ブロック23,24,25を介してマスフローコントローラ14の入力ポートに接続する。
【0031】
マスフローコントローラ14の出力ポートは、流路ブロック26,27,28,29,30を介して第1遮断弁15の入力ポートに接続し、流量調整された作用ガスが第1遮断弁15に供給される。第1遮断弁15の出力ポートは、流路ブロック31を介して圧力計16の入力ポートに接続し、第1遮断弁15の二次側圧力P1が測定される。圧力計16の出力ポートは、流路ブロック32の出力部32aに連通している。出力部32aには、処理室3が接続される。
【0032】
流路ブロック29の上面には、第2遮断弁17とバイパスブロック36が上方からボルトで固定されている。流路ブロック29は、マスフローコントローラ14と第1遮断弁15とを連通させる流路から分岐した流路が上面に開口し、第2遮断弁17の入力ポートに接続している。流路ブロック29は、上面からV字流路が形成され、第2遮断弁17の出力ポートとバイパスブロック36とを連通させている。
【0033】
図2及び図4に示すように、圧力計18と圧力制御弁19は、流路ブロック33,34,35に上方からボルトで固定され、直列一体に連結されている。流路ブロック33の上面には、バイパスブロック36が上方からボルトで固定されている。圧力計18は、入力ポートが、流路ブロック33、バイパスブロック36、流路ブロック29を介して第2遮断弁27の出力ポートに接続し、第2遮断弁27の二次側圧力P2を測定する。
【0034】
圧力計18の出力ポートは、流路ブロック34を介して圧力制御弁19の入力ポートに接続する。圧力制御弁19は、出力ポートが流路ブロック35の排気部35aに連通し、圧力計18から供給された作用ガスの圧力を調整して排気部35aに出力する。排気部35aは、真空ポンプ6に接続される。
【0035】
<制御装置>
図1に示すように、制御装置40は、制御回路41と異常報知手段43とを備える。制御回路41には、圧力計16,18と圧力制御弁19が接続している。制御回路41は、圧力計16,18から第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を入力して差圧を算出し、算出した差圧に基づいて圧力制御信号Vpを圧力制御弁19に出力する。一方、異常報知手段43は制御回路41に接続し、圧力計16,18が検出した圧力P1,P2に異常がある場合(例えば、圧力P1,P2が上限値を超えている場合や、圧力P1,P2の差圧が所定値より大きい場合など)に、アラームの発呼や警告灯の表示などにより異常を報知する。尚、異常報知手段43は、異常報知時に外部装置42に異常信号を出力する。
【0036】
尚、本実施形態では、制御装置40を含んだ圧力制御装置20をガス供給ユニット1に組み込んでいるが、制御装置40をガス供給ユニット1に外付けしてもよい。例えば、制御装置40を、半導体制御装置の制御部など上位装置に設け、上位装置を圧力計16,18、圧力制御弁19に配線によって通信可能に接続してもよい。
【0037】
<動作説明>
次に、ガス供給ユニット1の動作について説明する。
ガス供給ユニット1は、プロセス時以外の場合には、手動弁11と第2遮断弁17と圧力制御弁19を弁開し、第1遮断弁15を弁閉する。作用ガス供給源2から入力部21aに供給された作用ガスは、手動弁11からレギュレータ12、圧力計13、マスフローコントローラ14、第2遮断弁17、圧力計18、圧力制御弁19、排気部35aを介して真空ポンプ6へ排気される。
【0038】
このとき、制御回路41は、圧力計16,18から第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を入力している。制御回路41は、常時、二次側圧力P1,P2の差圧を測定し、二次側圧力P1,P2が同じ圧力(本実施形態では圧力差が±20kPa未満)になるように圧力制御弁19に圧力制御信号Vpを出力する。
【0039】
具体的には、制御回路41は、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より高い場合には、圧力制御弁19に弁開度を小さくする圧力制御信号Vpを出力する。圧力制御弁19が弁開度を閉じる方向にコンダクタンスを小さくすることにより排気される作用ガスの量が減少し、第2遮断弁17の二次側圧力P2が上昇する。
【0040】
また、制御回路41は、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より低い場合には、圧力制御弁19に弁開度を大きくする圧力制御信号Vpを出力する。圧力制御弁19が弁開度を開く方向にコンダクタンスを大きくすることにより排気される作用ガスの量が増加し、第2遮断弁17の二次側圧力P2が低下する。
【0041】
上記のようにして、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力(本実施形態では圧力差±20kPa未満)にした状態で、ガス供給ユニット1は、外部より第1,第2遮断弁15,17が操作され、作用ガスを処理室3に供給する。
【0042】
<作用効果>
本実施形態のガス供給ユニット1の作用効果について説明する。
発明者らは、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2が、処理室3内の圧力P3及びマスフローコントローラ14にどのような影響を与えるか調べた。
【0043】
図5、図7、図10は、第1遮断弁15の弁開閉動作とマスフローコントローラ14の流量との関係を調べた流量測定試験の試験結果を示し、縦軸にマスフローコントローラ流量(SLM)を示し、横軸に時間(sec)を示す。尚、図5、図7、図10は、マスフローコントローラ流量と第1,第2遮断弁15,17の開閉動作との関係を示すため、第1,第2遮断弁15,17の開閉状態を表に重ねて記載している。
図6、図8、図11は、第1,第2遮断弁15,17の弁開閉動作と処理室3の圧力P3との関係を調べた出力圧検定試験の試験結果を示し、縦軸にライン圧力P1,P2(kPa)と処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示し、横軸に時間(sec)を示す。尚、図6、図8、図11は、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力及び処理室3内の圧力変動と第1,第2遮断弁15,17の開閉動作との関係を示すため、第1,第2遮断弁15,17の開閉状態を表に重ねて記載している。
図9及び図12は、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を異なった圧力にした場合と、二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした場合とで処理室3の圧力P3がどのように異なるかをまとめた図である。
【0044】
図5に示すように、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした状態で第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替える場合には、マスフローコントローラ14の二次側圧力が変化しないため一定であり、処理室3へのガス供給流量が安定する。
【0045】
そのため、図6に示すように、処理室3の圧力P3は、第1遮断弁15が弁開してから弁閉するまでの間、緩やかに上昇して、リニアに変化する。
【0046】
よって、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした状態で第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替える場合には、マスフローコントローラ14や第1,第2遮断弁15,17などの個体差と関係なく、マスフローコントローラ14の流量が一定になり、処理室3への作用ガスの供給流量が安定する。
【0047】
ところが、図8に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa高い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替える場合には、処理室3内の圧力P3は、第1遮断弁15を弁開状態に切り替えた瞬間低下し、その後、第1遮断弁15を弁開状態から弁閉状態に切り替えるまで上昇する。これは、第1遮断弁15を開き、第2遮断弁17を閉じた瞬間、第1遮断弁15の一次側圧力の方が第1遮断弁15の二次側圧力より低いため、処理室3側からガス供給ユニット1側に作用ガスが逆流する逆流現象が起こることが理由と考えられる。
【0048】
このため、図7に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa高い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えた場合に、マスフローコントローラ14の流量は、第1遮断弁15が弁閉状態から弁開状態に切り替えられ、第2遮断弁が弁開状態から弁閉状態に切り替えられる瞬間に減少した後、設定流量に調整される。これは、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替える瞬間に起こる逆流現象によってマスフローコントローラ14の二次側圧力が上昇し、マスフローコントローラ14の動作差圧が小さくなるためである。
【0049】
図9に示すように、処理室3内の圧力P3について、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした場合(図中太線)と、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa高い場合(図中実線)とを比較すると、図中X1に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa高い場合(図中実線)の処理室3内の圧力P3は、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした場合(図中太線)の処理室3内の圧力P3より全体的に低くなる。
【0050】
上記試験結果より、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa高い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えると、第1遮断弁15を開いた瞬間に、処理室3側のガスがマスフローコントローラ14側に逆流することにより、マスフローコントローラ14の二次側の圧力が上昇してマスフローコントローラ14の動作差圧が小さくなるため、マスフローコントローラ14の流量が一時的に変動することが分かる。そのため、処理室3内の圧力P3の上昇率は、二次側圧力P1,P2を同じ圧力にした状態で第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替える場合より全体的に小さくなり、処理室3への作用ガスの積算流量が不十分になることが分かる。
【0051】
一方、図11に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa低い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えた場合には、処理室3内の圧力P3は、第1遮断弁15を開いてから閉じるまでの間、放物線を描くように大きく上昇する。これは、第1遮断弁15を開き、第2遮断弁17を閉じる瞬間、第1遮断弁15の一次側圧力の方が第1遮断弁15の二次側圧力より高いため、処理室3側に作用ガスが多量に流れる過流現象が起こることが理由と考えられる。
【0052】
このため、図10に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa低い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えた場合には、マスフローコントローラ14の流量は、第1遮断弁15が弁閉状態から弁開状態に切り替えられ、第2遮断弁17が弁開状態から弁閉状態に切り替えられる瞬間に設定流量より多くなり、その後、設定流量に安定する。これは、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えた瞬間に起こる過流現象によってマスフローコントローラ14の二次側圧力が下降し、マスフローコントローラ14の動作差圧が大きくなるために生じると考えられる。これにより、第1遮断弁15を開いた瞬間に、作用ガスが設定流量より多く処理室3側に流れていることが分かる。
【0053】
図12に示すように、処理室3内の圧力P3について、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にする場合(図中太線)と、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa低い場合(図中実線)とを比較すると、図中X2に示すように、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa低い場合(図中実線)の処理室3内の圧力P3は、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同じ圧力にする場合(図中太線)の処理室3内の圧力P3より全体的に高くなる。
【0054】
上記試験結果より、第1遮断弁15の二次側圧力P1が第2遮断弁17の二次側圧力P2より20kPa低い状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替えると、第1遮断弁15を開いた瞬間は、第1遮断弁15の一次側圧力が第1遮断弁15の二次側圧力より高いため、作用ガスが第1遮断弁15側から処理室3側へ多量に流れて、マスフローコントローラ14の二次側圧力が下降する。これにより、マスフローコントローラ14は、動作差圧が大きくなり、流量が一時的に変動する。そのため、処理室3内の圧力P3の上昇率は、二次側圧力P1,P2を同じ圧力にする状態で、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態に切り替え、第2遮断弁17を弁開状態から弁閉状態に切り替える場合より全体的に大きくなり、処理室3への作用ガスの積算流量が過剰になることが分かる。
【0055】
従って、第1実施形態のガス供給ユニット1は、第1遮断弁15の二次側圧力P1と第2遮断弁17の二次側圧力P2を圧力計16,18で測定し、二次側圧力P1,P2を同じ圧力にさせるように圧力制御弁19の弁開度(コンダクタンス)を調整した後、第1遮断弁15を弁閉状態から弁開状態にする。ここで、同じ圧力は、二次側圧力P1,P2の圧力差が±20kPa未満であることが望ましい。これは、図8及び図11に示すように、二次側圧力P1,P2の圧力差が20kPa以上であると、図9及び図12に示すように処理室3の圧力P3が、二次側圧力P1,P2が同じ圧力の場合より大きくずれ、積算流量にばらつきを生じるためである。このように、二次側圧力P1,P2の差圧に基づいて圧力制御弁19の弁開度を調整することにより、マスフローコントローラ14の二次側圧力が第1,第2遮断弁15,17の動作にかかわらず常に安定する。このため、第1実施形態のガス供給ユニット1は、処理室3側の作用ガスがマスフローコントローラ14側に逆流し、積算流量が極端に減少したり、マスフローコントローラ14側から第1遮断弁15側に作用ガスが多量に流れ、積算流量が極端に増加する不具合を回避して、処理室3に供給する作用ガスのガス供給量を安定させることができる。
【0056】
特に、図7及び図10に示すように、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2が同じ圧力(圧力差±20kPa未満)でない状態で、第1遮断弁15が弁閉状態から弁開状態に切り替えられ、第2遮断弁17が弁開状態から弁閉状態に切り替えられる場合には、マスフローコントローラ14の二次側圧力が急激に変化し、マスフローコントローラ14の動作差圧が変化するため、流量が不安定になる。この場合に、流量が安定するのには、数百msecかかる。このため、第1,第2遮断弁15,17の弁開閉状態を切り替えるサイクルタイムが短いほど、積算流量への影響が大きく、二次側圧力P1,P2を同じ圧力(圧力差±20kPa未満)にさせて第1遮断弁15を開くようにすることの効果が大きい。
【0057】
しかも、マスフローコントローラ14、第1,第2遮断弁15,17その他の機器は、個体差があり、経年変化を生じやすい。そのため、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2の圧力が一致しにくいが、圧力制御弁19により、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2の圧力差を±20kPa未満にさせるため、マスフローコントローラ14や第1,第2遮断弁15,17などに個体差や経年変化が生じても、作用ガスの供給量を安定させることができる。
【0058】
ガス供給ユニット1の積算流量が安定することにより、成膜条件を固定することができる。よって、半導体製造装置では、第1実施形態のガス供給ユニット1を使用することにより、成膜品質が向上する。
【0059】
また、第1実施形態のガス供給ユニット1は、第1遮断弁15の二次側圧力P1を圧力センサ16で測定し、第2遮断弁17の二次側圧力P2を圧力センサ18で測定し、測定した二次側圧力P1,P2の差圧を算出して圧力制御弁19の弁開度を調整するので、第2遮断弁17の二次側圧力P2を第1遮断弁15の二次側圧力P1と同じ圧力(圧力差±20kPa未満)にさせることができる。
【0060】
更に、第1実施形態のガス供給ユニット1は、第1遮断弁15の二次側圧力P1又は第2遮断弁17の二次側圧力P2に異常が生じた場合には、異常報知手段43がアラームを鳴らしたり、警告灯を点灯させるなどして、ユーザに異常を報知する。よって、第1実施形態のガス供給ユニット1は、不安定なガス供給を未然に防止することができる。
【0061】
(第2実施形態)
続いて、本発明に係るガス供給ユニット1の第2実施形態について、図面を参照して説明する。図13は、第2実施形態に係るガス供給ユニット61の平面図である。図14は、図13に示す回路を具体化したガス供給ユニット61の側面図である。
第2実施形態のガス供給ユニット61は、「第4流体制御弁」の一例である圧力制御弁62を圧力計16の二次側に配置した点が、第1実施形態のガス供給ユニット1と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する構成を説明し、共通する構成については第1実施形態と同じ符号を図面に付し、説明を省略する。
【0062】
圧力制御弁62は、入力ポートが流路ブロック63を介して圧力計16に出力ポートに接続し、出力ポートが流路ブロック32の出力部32aに連通している。制御装置40は、制御回路41が圧力制御弁62に接続し、圧力制御信号Vpaを圧力制御弁62に出力する。
【0063】
第2実施形態のガス供給ユニット61は、圧力計16,18が測定した第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2に基づいて、圧力制御弁19,62に圧力制御信号Vp,Vpaを出力し、圧力調整弁19,62の弁開度を調整する。圧力制御弁19,62により第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2を同時に制御するので、短時間のうちに二次側圧力P1,P2を同じ圧力(圧力差を±20kPa未満)にさせることができる。
【0064】
(第3実施形態)
続いて、本発明に係るガス供給ユニット1の第3実施形態について、図面を参照して説明する。図15は、第3実施形態に係るガス供給ユニット71の平面図である。
第3実施形態のガス供給ユニット71は、圧力計16,18の変わりに、「差圧測定手段」の一例である差圧計72を設けた点が、第1実施形態のガス供給ユニット1と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する構成を説明し、共通する構成については第1実施形態と同じ符号を図面に付し、説明を省略する。
【0065】
ガス供給ユニット71は、第1,第2遮断弁15,17の二次側に差圧計72が接続している。排気ライン5では、差圧計72の二次側に圧力制御弁19が配設されている。制御装置40は、制御回路41が差圧計72に接続し、差圧計72から第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2の差圧を入力して圧力制御弁19に圧力制御信号Vpを出力し、二次側圧力P1,P2を同じ圧力(圧力差±20kPa未満)にさせる。
【0066】
第3実施形態のガス供給ユニット71は、圧力計16,18の変わりに差圧計72を用いるので、第1実施形態のガス供給ユニット1よりフットスペースを小さくできると共に、安価にできる。
【0067】
(第4実施形態)
続いて、本発明に係るガス供給ユニット1の第3実施形態について、図面を参照して説明する。図16は、第4実施形態に係るガス供給ユニット81の平面図である。
第4実施形態のガス供給ユニット81は、圧力制御弁19の変わりに、「第3流体制御弁」の一例である手動式流量調整弁82を使用した点が、第1実施形態のガス供給ユニット1と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する構成を説明し、共通する構成については第1実施形態と同じ符号を図面に付し、説明を省略する。
【0068】
ガス供給ユニット81は、圧力計18の二次側に、手動で弁開度を調整する手動式流量調整弁82を配設している。圧力制御装置83は、手動式流量調整弁82を用いるので、制御装置40を備えない。
【0069】
第4実施形態のガス供給ユニット81は、第2遮断弁17を弁閉状態、第1遮断弁15を弁開状となるときに、圧力計16,18が示す圧力を同じ圧力(圧力差±20kPa未満)にするように手動式流量調整弁82の弁開度を調整する。この調整は、例えば、定期メンテナンス時の他、マスフローコントローラ14の流量が乱れた場合などに行うとよい。
【0070】
かかる第4ガス供給ユニット81は、手動式流量調整弁82を用いることにより制御装置40が不要になるので、第1実施形態のガス供給ユニット1より簡易なユニットになり、コストダウンすることができる。
【0071】
また、第4実施形態のガス供給ユニット81では、圧力計16,18を省き、マスフローコントローラ14の流量が一定値を示すように手動式流量調整弁82の弁開度を調整してもよい。圧力計16,18がなくても、マスフローコントローラ14の流量が一定であることで、第1,第2遮断弁15,17の二次側圧力P1,P2の圧力差が小さいことを確認できるからである。
【0072】
尚、本発明のガス供給ユニットは、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、流量測定のためにマスフローコントローラ14を使用したが、マスフローメータを使用してもよい。
例えば、上記第2実施形態では、供給ライン4に圧力制御弁62を配置したが、圧力制御弁62に換えて手動式流量調整弁を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス供給ユニットの回路図である。
【図2】図1に示す回路を具体化したガス供給ユニットの平面図である。
【図3】図2の図中A方向から見たガス供給ユニットの側面図である。図中太線は、作用ガスの流れを示す。
【図4】図2の図中B方向から見たガス供給ユニットの側面図である。図中太線は、作用ガスの流れを示す。
【図5】第1,第2遮断弁の二次側圧力を同じにする場合における第1遮断弁の弁開閉動作とマスフローコントローラの流量との関係を調べた流量測定試験の試験結果を示す。縦軸は、マスフローコントローラ流量(SLM)を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【図6】第1,第2遮断弁の二次側圧力を同じにする場合における第1,第2遮断弁の弁開閉動作と処理室の圧力との関係を調べた出力圧検定試験の試験結果を示す。縦軸は、ライン圧力P1,P2(kPa)と処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示し、横軸は、時間(sec)を示す。
【図7】第1遮断弁の二次側圧力が第2遮断弁の二次側圧力より高い場合における第1遮断弁の弁開閉動作とマスフローコントローラの流量との関係を調べた流量測定試験の試験結果を示す。縦軸は、マスフローコントローラ流量(SLM)を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【図8】第1遮断弁の二次側圧力が第2遮断弁の二次側圧力より高い場合における第1,第2遮断弁の弁開閉動作と処理室の圧力との関係を調べた出力圧検定試験の試験結果を示す。縦軸は、ライン圧力P1,P2(kPa)と処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示し、横軸は、時間(sec)を示す。
【図9】図8に示す流量検定時における処理室内の圧力変動を、第1,第2遮断弁の二次側圧力とが等しい場合と比較した図である。縦軸は、処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示す。横軸は、時間(sec)を示す。
【図10】第1遮断弁の二次側圧力が第2遮断弁の二次側圧力より低い場合における第1遮断弁の弁開閉動作とマスフローコントローラの流量との関係を調べた流量測定試験の試験結果を示す。縦軸は、マスフローコントローラ流量(SLM)を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【図11】第1遮断弁の二次側圧力が第2遮断弁の二次側圧力より低い場合における第1,第2遮断弁の弁開閉動作と処理室の圧力との関係を調べた出力圧検定試験の試験結果を示す。縦軸は、ライン圧力P1,P2(kPa)と処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示し、横軸は、時間(sec)を示す。
【図12】図11に示す流量検定時における処理室内の圧力変動を、第1遮断弁の二次側圧力と第2遮断弁の二次側圧力とが等しい場合と比較した図である。縦軸は、処理室内圧力変動ΔP3(Pa)を示す。横軸は、時間(sec)を示す。
【図13】本発明の第2実施形態に係るガス供給ユニットの回路図である。
【図14】図13に示す回路を具体化したガス供給ユニットの側面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係るガス供給ユニットの回路図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係るガス供給ユニットの回路図である。
【図17】従来のガス供給ユニットの回路図である。
【符号の説明】
【0074】
1,61,71,81 ガス供給ユニット
15 第1遮断弁(第1流体制御弁)
16 圧力計(差圧計測手段)
17 第2遮断弁(第2流体制御弁)
18 圧力計(差圧計測手段)
19 圧力制御弁(第3流体制御弁)
43 異常報知手段
62 圧力制御弁(第4流体制御弁)
72 差圧計(差圧計測手段)
82 手動式流量調整弁(第3流体制御弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスフローコントローラと、
前記マスフローコントローラに接続する第1流体制御弁と、
前記第1流体制御弁と並列に接続された第2流体制御弁と、
前記第2流体制御弁の二次側に配置された第3流体制御弁と、を有し、
前記第3流体制御弁は、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧に基づいて弁開度を調整されるものであること
を特徴とするガス供給ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧を測定する差圧測定手段を有し、
前記第3流体制御弁は、前記差圧測定手段の測定結果に基づいて動作すること
を特徴とするガス供給ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流体制御弁の二次側に配置される第4流体制御弁を有し、
前記第3流体制御弁と前記第4流体制御弁とにより、前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力とを調整すること
を特徴とするガス供給ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流体制御弁の二次側圧力又は前記第2流体制御弁の二次側圧力に生じた異常を報知する異常報知手段を有すること
を特徴とするガス供給ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流体制御弁の二次側圧力と前記第2流体制御弁の二次側圧力との差圧が±20kPa未満に調整されるものであること
を特徴とするガス供給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−234027(P2008−234027A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69194(P2007−69194)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】