説明

ガス供給装置

【課題】大容量のガスを小スペースで、且つ安定して供給出来るガス供給装置を実現する。
【解決手段】所定のガスを供給するガス供給装置において、前記所定のガスの冷媒が内蔵される冷媒コンテナと、この冷媒コンテナに設けられ前記冷媒を加熱する加熱手段と、この冷媒コンテナの出力口に接続された流量計と、前記冷媒コンテナに設けられた安全弁とを具備したことを特徴とするガス供給装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量のガスを供給するガス供給装置に関するものである。
さらに詳しくは、冷媒コンテナ内の冷媒をガス化して、大容量のガスを安定供給するガス供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
ガスをガス供給装置であるガスボンベから供給する図である。
図において、高圧ガス11が入っているガスボンベ12の出力口に、圧力レギュレーター13が取り付けられている。
圧力レギュレーター13の出力口には、流量計14が取り付けられている。
【0003】
以上の構成において、ガスボンベ12の出力口に圧力レギュレーター13が取り付けられる。
流量計14でガス11の流量を確認し、圧力レギュレーター13で圧力を制御することで流量を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−172300号公報
【特許文献2】実開平06−078699号公報
【特許文献3】特開平07−002223号公報
【特許文献4】特開2002−130596号公報
【特許文献5】特開2005−052757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置においては、以下の問題点がある。
ガスボンベは、例えば、15MPaと高圧な状態でガスを詰め込んでいる。
しかし、大気圧にすると、ボンベ容量の150倍しか得られない。
そのため大容量のガスを安定に供給するためには、何本ものガスボンベを用意し、配置、配管するスペースを必要とし、設置コストも掛かる。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、大容量のガスを小スペースで、且つ安定して供給出来るガス供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1のガス供給装置においては、
所定のガスを供給するガス供給装置において、前記所定のガスの冷媒が内蔵される冷媒コンテナと、この冷媒コンテナに設けられ前記冷媒を加熱する加熱手段と、この冷媒コンテナの出力口に接続された流量計と、前記冷媒コンテナに設けられた安全弁とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2のガス供給装置においては、請求項1記載のガス供給装置において、
前記冷媒は、ヘリウムが使用されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3のガス供給装置においては、請求項1又は請求項2記載のガス供給装置において、
前記加熱手段は、一端側が前記冷媒コンテナ内に設けられ他端側が前記冷媒コンテナ外に設けられた熱伝導棒を具備したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4のガス供給装置においては、請求項3記載のガス供給装置において、
前記熱伝導棒は銅材からなる棒体が使用されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5のガス供給装置においては、請求項1又は請求項2記載のガス供給装置において、
前記加熱手段は、前記流量計からの信号に基づき制御信号を出力する制御部と、前記冷媒コンテナ内の冷媒内に設けられ前記制御信号に基づき制御されるヒータとを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
冷媒をガス化するので、大容量のガスを小スペースで供給できるガス供給装置が得られる。
ガスの供給停止間隔を大幅に伸ばすことが出来、メンテナンスコストを低減できるガス供給装置が得られる。
熱伝導棒の冷媒コンテナへの挿入する長さを変えることで、冷媒への熱侵入量を制御して、冷媒のガス化する量を調整出来、ガスを安定に供給することができる。
【0013】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
特に、ヘリウム回収装置用リザーバコンテナとして適用することで、ヘリウム供給間隔を大幅に伸ばすことが出来るガス供給装置が得られる。
【0014】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
加熱手段は、一端側が冷媒コンテナ内に設けられ、他端側が冷媒コンテナ外に設けられた熱伝導棒が設けられたので、加熱手段が簡潔なガス供給装置が得られる。
【0015】
本発明の請求項4によれば、次のような効果がある。
熱伝導棒は銅材からなる棒体が使用されたので、銅材は熱伝導率が良好なので、加熱手段の効率が良好なガス供給装置が得られる。
【0016】
本発明の請求項5によれば、次のような効果がある。
加熱手段は、流量計からの信号に基づき制御信号を出力する制御部と、冷媒内に設けられ制御信号に基づき制御されるヒータとが設けられたので、冷媒のガス化する量を精度良く調整出来、ガスを精度良く、安定に供給することができるガス供給装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図3】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図である。
図において、図3と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図3との相違部分のみ説明する。
【0019】
図1において、冷媒コンテナ21は、所定のガス22の冷媒23が内蔵される。
この場合は、ガス22はヘリウムが使用されている。
加熱手段24と、この冷媒コンテナ21に設けられ、冷媒23を加熱する。
【0020】
この場合は、加熱手段24は、一端側が冷媒コンテナ21内に設けられ、他端側が冷媒コンテナ21の外に設けられ、銅材からなる熱伝導棒241が使用されている。
流量計25は、冷媒コンテナ21の出力口211に接続されている。
安全弁26は、冷媒コンテナ21に設けられている。
【0021】
以上の構成において、冷媒23をガス化するために冷媒コンテナ21の中に熱伝導棒241を入れて、その挿入する長さで、ガス22の流量を調整するものである。
冷媒23をガス化すると大容量のガス22を得ることができる。例えばヘリウムの場合、冷媒をガス化して常温にすると約750倍の容量のガスを得ることができる。
熱伝導棒241を冷媒コンテナ21内に挿入すると、冷媒23への熱侵入量が増えてガス化する。
【0022】
冷媒コンテナ21の出力口211に付けられた流量計25で流量を計測し、所定の流量が得られるだけ熱伝導棒241を挿入し固定することで、ガス22が安定供給される。
この場合は、熱伝導棒241として、熱伝導の良い物質、たとえば銅などが使用される。
冷媒コンテナ21は、ガスボンベのように圧力容器ではないので、安全弁26が付けられる。
【0023】
この結果、
冷媒23をガス化するので、大容量のガス22を小スペースで供給できるガス供給装置が得られる。
ガス22の供給停止間隔を大幅に伸ばすことが出来、メンテナンスコストを低減できるガス供給装置が得られる。
【0024】
熱伝導棒241の冷媒コンテナ21への挿入する長さを変えることで、冷媒23への熱侵入量を制御して、冷媒23のガス化する量を調整出来、ガス22を安定に供給することができるガス供給装置が得られる。
【0025】
図2は、本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
本実施例においては、加熱手段31は、流量計25からの信号に基づき制御信号を出力する制御部311と、冷媒コンテナ21内の冷媒23内に設けられ、制御信号に基づき制御されるヒータ312とを有する。
【0026】
即ち、冷媒23をガス化するために冷媒コンテナ21の中にヒーター312を入れて、制御部311で電力を制御することでガス22の流量を調整するものである。
冷媒23をガス化すると大容量のガス22を得ることができる。例えばヘリウムの場合、冷媒をガス化して常温にすると約750倍の容量のガスを得ることができる。
【0027】
冷媒23のガス化にはヒーター312を使用し、その電力で冷媒23へ加える熱量を調整する。
出力口211に付けられた流量計25で流量を計測し、流量が一定になるようにヒーター312の電力を制御することでガス22を安定に供給する。
冷媒コンテナ21はガスボンベのように圧力容器ではないので、安全弁26が付けられる。
【0028】
この結果、加熱手段31は、流量計25からの信号に基づき、制御信号を出力する制御部311と、冷媒23内に設けられ、制御信号に基づき制御されるヒータ312とが設けられたので、冷媒23のガス化する量を精度良く調整出来、ガス22を精度良く、安定に供給することができるガス供給装置が得られる。
【0029】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0030】
11 高圧ガス
12 ガスボンベ
13 圧力レギュレータ
14 流量計
21 冷媒コンテナ
211 出力口
22 ガス
23 冷媒
24 加熱手段
241 熱伝導棒
25 流量計
26 安全弁
31 加熱手段
311 制御部
312 ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のガスを供給するガス供給装置において、
前記所定のガスの冷媒が内蔵される冷媒コンテナと、
この冷媒コンテナに設けられ前記冷媒を加熱する加熱手段と、
この冷媒コンテナの出力口に接続された流量計と、
前記冷媒コンテナに設けられた安全弁と
を具備したことを特徴とするガス供給装置。
【請求項2】
前記冷媒は、ヘリウムが使用されたこと
を特徴とする請求項1記載のガス供給装置
【請求項3】
前記加熱手段は、一端側が前記冷媒コンテナ内に設けられ他端側が前記冷媒コンテナ外に設けられた熱伝導棒
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記熱伝導棒は銅材からなる棒体が使用されたこと
を特徴とする請求項3記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記加熱手段は、前記流量計からの信号に基づき制御信号を出力する制御部と、
前記冷媒コンテナ内の冷媒内に設けられ前記制御信号に基づき制御されるヒータと
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−286006(P2010−286006A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137932(P2009−137932)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】