説明

ガス分析器

ガスの濃度、特にガスの成分の乾燥モル分率を測定するためのガス分析器システムおよび方法。前記システムおよび方法により、高速フラックス測定を含む多くの環境モニタリング用途のための、ガス密度および/またはガスの乾燥モル分率の迅速な測定を可能となる。新規の連結設計により、流路を内包するセルの工具不要の取り外しが可能となり、現場における光学要素の清掃が可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ガス分析、より詳細にはガスの濃度を測定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中の二酸化炭素濃度の増加、ならびにその結果としての温室効果および気候変化は、科学的研究の重要トピックとなっている。地球規模での炭素バランスを理解するためには、大気と陸地および海洋の生態系との間での二酸化炭素およびエネルギーの変換速度を特定することが必要である。これらの速度を特定するために、いわゆる「渦相関法」と呼ばれる測定技術が広く用いられている。地表上数百メートル以内の空気は、ほとんど乱流であり、そのため、「渦巻」と呼ばれる乱流構造(可変サイズの渦)が、二酸化炭素および水蒸気を含むガスならびに地表と大気との間の熱およびモーメンタムの垂直輸送の大部分を担っている。そのような輸送の速度は、風速の垂直成分、二酸化炭素および水蒸気の濃度、ならびに気温に対する同時の高頻度の測定から算出することができる。
【0003】
二酸化炭素および水蒸気の濃度を測定するために、ガス分析器を使用して、ガス試料を通過する適切な波長域の光の透過率を分析することができる。いくつかのガス分析器では、二酸化炭素および水蒸気の未知のガス濃度を含有する試料ガスを試料セルに入れ、ならびに二酸化炭素および水蒸気を含有しないかまたは既知の濃度の二酸化炭素および水蒸気を含有する参照ガスを参照セルに入れる。分析器は、試料セルを通って伝送された光と参照セルを通って伝送された光との間の差に比例する較正された信号から、試料セル内の未知のガス濃度を測定する。
【0004】
渦相関法の適用においては、必要な周波数応答(frequency response)を分析器が得るために、粉塵および花粉に満ちている環境空気を、高い流率において分析器を通過さなければならない。前記空気をフィルターに通している場合でも、特に長期間設置されていた場合には、試料セルが汚染されていることが予想されるので、清掃のために検出器を工場に回収する必要がある。これは、特に、分析器が、遠隔地、例えば、アマゾン流域、アラスカの北斜面、またはアフリカの砂漠など、において使用されている場合に、コストがかかり時間を浪費するプロセスである。
【0005】
したがって、改良されたガス分析器が必要とされている。特に、容易に清掃することができ、かつ堅調な測定性能を提供するガス分析器が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
簡単な概要
ガスの濃度、特にガスの成分の乾燥モル分率を測定するためのシステムおよび方法を提供する。様々な態様によるシステムおよび方法により、高速フラックス測定を含めた多くの環境モニタリング用途のための、ガス密度および/またはガスの乾燥モル分率の迅速な測定が可能となる。
【0007】
様々な態様により、ガス濃度の迅速な測定と同時に採取ガスの圧力および温度の迅速な測定を可能にするシステムおよび方法を提供する。さらに、様々な態様による装置は、有利には、以前に既存する装置と比較して、実質的により短い吸気管、および実質的により低い電力消費を用いることができる。
【0008】
様々な態様はさらに、工具不要の取り外し可能なガスセルにいくつかの新規の要素を備えるガス分析器のための、独特な機械的光学設計における解決法も提供する。様々な態様はさらに、ガス流中の温度および圧力測定を用いて、取り外し可能なガスセル中のガスの乾燥モル分率の測定を可能にする。
【0009】
本発明の一局面により、通常、検出器を備える検出器部分と、光源を備える放射源部分と、放射源部分と検出器部分との間に取り外し可能に配置された取り外し可能なガスセルとを備えるガス分析器が提供される。前記取り外し可能なガスセルは、通常、ガスフローチャンネル、例えば、内包されたガスフローチャンネル、を画定するハウジング構造を備え、取り付けられている場合には、光源からの放射光は、光路に沿ってガスフローチャンネルを通って検出器部分に到る。前記ガスセルはさらに、通常、ガス入口ポートと、ガス出口ポートと、フローチャンネルを流れるガスの温度測定するように適合された第一温度センサーと、ガスフローチャンネルにおけるハウジング構造の内部点に位置される圧力センサーであって、前記フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーとを備え、この場合、前記入口ポートおよび出口ポートは、ハウジング構造に位置されている。ある特定の局面において、前記取り外し可能なガスセルは、さらに、出口ポートの近位に位置された第二温度センサーを備え、この場合、第一温度センサーは入口ポートの近位に位置されている。
【0010】
本発明の別の局面により、通常、検出器を備える検出器部分と、光源を備える放射源部分と、前記放射源部分と検出器部分との間に取り外し可能に配置された取り外し可能なガスセルとを備えるガス分析器が提供される。前記取り外し可能なガスセルは、通常、ガスフローチャンネル、例えば、内包されたガスフローチャンネル、を画定するハウジング構造を備え、取り付けられている場合には、光源からの放射光は、光路に沿ってガスフローチャンネルを通って検出器部分に到る。前記ガスセルはさらに、通常、ガス入口ポートと、ガス出口ポートと、入口ポートの近位に位置された第一温度センサーと、出口ポートの近位に位置された第二温度センサーとを備え、この場合、前記入口ポートおよび出口ポートは、ハウジング構造に位置されている。ある特定の局面において、前記ガス分析器は、ガスフローチャンネルにおけるハウジング構造の内部点に位置された圧力センサーであって、前記フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーを備える。
【0011】
ある特定の局面において、前記ガス分析器は、温度センサー、圧力センサー、および検知器に連結されたインテリジェンスモジュールを備える。前記インテリジェンスモジュールは、通常、検出器信号と、圧力センサーによるガスの圧力および温度センサーによるガスの温度の実質的に同時の測定とに基づいて、ガスフローチャンネル内のガスの成分の乾燥モル分率を特定するように適合される。ある特定の局面において、前記インテリジェンスモジュールは、第一および第二温度センサーから受け取った温度信号の、空間的分離に起因する遅延を補正し、前記遅延は、通常、フローチャンネルにおけるガスの流率の関数である。ある特定の局面において、前記ガス分析器は、検出器部分の近位に第一光学窓と、放射源部分の近位に第二光学窓とを備え、この場合、第一および第二光学窓は、放射源部分および検出器部分内の構成要素のための気密封止を提供する。
【0012】
本発明のさらに別の局面により、ガス分析器のフローセル中のガスの成分の乾燥モル分率を測定するための方法が提供される。前記方法は、通常、ガスを、フローセル中を通して流す工程と、前記フローセル中のガスの成分の光の吸収を測定する工程と、実質的に同時にフローセルの入口ポートでのガスの温度T1を測定する工程と、実質的に同時に前記フローセルの出口でのガスの温度T2を測定する工程と、実質的に同時に前記フローセルの内部点でのガスの圧力Pを測定する工程とを含む。前記方法はさらに、通常、測定された吸光度、P、T1、およびT2に基づいて、ガスの成分の乾燥モル分率を特定する工程も含む。ある特定の局面において、ガスの成分は、CO2およびH2Oを含み、この場合、前記ガスは空気である。
【0013】
さらなる局面により、ガスの成分の乾燥モル分率を測定するガス分析システムが提供される。前記システムは、通常、入口ポートから出口ポートへと中をガスが流れるフローセルと、前記フローセルを通って光を伝送するように構成された光源と、前記フローセル中のガスの成分による光の吸収を表す吸光度信号を出力するように構成された検出器サブシステムとを備える。前記システムはさらに、通常、前記フローセルの入口ポートの近位に位置された第一温度センサーと、前記フローセルの出口ポートの近位に位置された第二温度センサーと、前記フローセル中の内部点での圧力を測定するように適合された圧力センサーとを備え、前記システムはさらに、通常、第一および第二温度センサー、圧力センサー、ならびに検出器サブシステムに連結されたインテリジェンスモジュールを備える。前記インテリジェンスモジュールは、通常、吸光度信号と、ガスの圧力ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の実質的に同時の測定とに基づいて、成分の乾燥モル分率を特定するように適合される。ある特定の局面において、ガスの圧力ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定は、お互いの約0.2秒以内に行われる。ある特定の局面において、圧力センサーによるガスの圧力の測定ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定は、約1.0Hz以上の頻度で行われる。
【0014】
別の局面により、ガス分析器システムの光源部分と検出器部分との間に配置されるように適合された取り外し可能なガスセルが提供される。前記取り外し可能なガスセルは、通常、ガスフローチャンネルと、前記ガスフローチャンネルの一方の端部にある第一開口部と、前記ガスフローチャンネルのもう一方の端部にある第二開口部とを画定するハウジング構造を備え、この場合、前記第一および第二開口部は、光源からの光がセルを通過して検出器部分に到るための光路を画定する。前記ガスセルはさらに、通常、ガス入口ポートと、ガス出口ポートと、入口ポートの近位に位置された第一温度センサーと、出口ポートの近位に位置された第二温度センサーとを備え、この場合、前記入口ポートおよび出口ポートは光軸から外れてハウジング構造に位置されている。ある特定の局面において、前記ガスセルは、ガスフローチャンネル中の、ハウジング構造の内部点に位置された圧力センサーであって、フローセル中の内部点でのガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーを備える。ある特定の局面において、第一および第二温度センサーの少なくとも一方は、それぞれのポートによって画定される流路の中心点に位置された熱電対を備える。
【0015】
さらなる別の局面により、ガス分析器システムの光源部分と検出器部分との間に配置されるように適合された取り外し可能なガスセルが提供される。前記取り外し可能なガスセルは、通常、ガスフローチャンネルと、前記ガスフローチャンネルの一方の端部にある第一開口部と、前記ガスフローチャンネルのもう一方の端部にある第二開口部とを画定するハウジング構造を備え、この場合、前記第一および第二開口部は、光源からの光がセルを通過して検出器部分に到るための光路を画定する。前記ガスセルはさらに、通常、ガス入口ポートと、ガス出口ポートと、フローチャンネルを流れるガスの温度測定するように適合された第一温度センサーと、前記フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーとを備え、この場合、前記入口ポートおよび出口ポートは、光軸から外れてハウジング構造に位置されている。
【0016】
ある特定の局面において、取り外し可能なガスセルは、大気と入口ポートとを連結するガス吸気管を備え得るかまたはガス吸気管と連結され得る。前記吸気管は、有利には2.0メートル未満の長さ、より有利には約1.0メートル未満の長さを有し得る。
【0017】
図面および特許請求の範囲を含めて本明細書の残りの部分を参照すれば、本発明の他の特徴および利点について理解するであろう。本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の様々な態様の構造および動作と同様に、添付の図面と関連して以下において詳細に説明する。図面において、似たような参照番号は、同一の要素または機能的に類似した要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一態様による取り外し可能な試料フローセルを備えるガス分析器を示す。
【図2】一態様による、試料セルの入口および出口において使用される熱電対の設計を示す。
【図3】一態様による圧力測定スキームのダイアグラムである。
【図4】非絶縁性(上部)フローセルおよび絶縁性(下部)フローセルに対するフローセル内の熱伝導率を示す。
【図5】セル挿入体が取り外された状態の試料セルを含む一態様を示す。
【図6】一態様による、ガスフローセルに対する温度および圧力測定スキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
本発明は、二酸化炭素および水蒸気などのガスの密度を測定するためのシステムおよび方法を提供する。前記システムおよび方法は、乱気流構造において特に有用である。例えば、ある特定の態様において、前記システムおよび方法は、有利には、試料を採取し、高速かつ高帯域幅においてガスの濃度、温度、および圧力を測定し、ならびにガス成分の乾燥モル分率の計算を可能にする。
【0020】
操作上の概要
様々な態様によるガス分析器は、概して、光源と、試料セルと、検出器とを備える。前記試料セルは、ある局面において、内部の清掃および修理を容易にするために、取り外し可能である。本明細書において開示されるガス分析器は、異なる波長域において高い吸光度を有する1種または複数種のガスの濃度を測定するために使用することができる。例えば、一用途において、試料ガス、通常は空気、中のCO2および水蒸気(H2O)の濃度を測定するために、ガス分析器を使用することができる。概して、ガス分析器は、非分散型赤外線(NDIR)吸収法を用いて、試料セルおよび参照セルを通過した赤外線の吸収の差または較正された参照信号との差に基づいて試料セル中のガスの濃度を測定する。有利には、前記ガス分析器は、長い吸気管を必要とせず、とりわけ、ガス成分の乾燥モル分率の計算を可能にする高速測定を行うことができる。
【0021】
操作において、光源は、試料セルおよび参照セルを通過する波長のスペクトルを有する光を伝送する。試料セル中に存在するガスは、様々な波長域において光を吸収する。例えば、CO2は4.255μmに高い吸収を有し、水蒸気は2.595μmに高い吸収を有する。ガス(例えば、CO2およびH2O)によって吸収された波長域を感知する検出器によって、試料セルを出た光を検出するか、あるいは1種のガスによって吸収される波長域をそれぞれ感知する2つの検出器を使用してもよい。試料セル中のガスの濃度は、試料セルおよび参照セルにおける吸収の差または参照信号との差を計算することによって特定することができる。例えば、参照セルに非吸収体ガスが入れられている場合、試試料セルにおいて検出された信号を、参照セルにおいて検出された信号と比較することにより、試料セル中のガス濃度の絶対測定を提供する。米国特許第6,317,212号および同第6,369,387号は、光学フィルターの構成および技術を含めて、開路および閉路のガス分析器における様々な特徴を開示しており、なお、前記各特許は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0022】
上記において説明したように、ガス分析器の汚染は、結果として不正確な濃度測定を生じる可能性がある。汚染は、試料セルにおいて生じ得、ならびに光源および検出器を収容するガス分析器の部分においても生じ得る。さらに、不正確な濃度測定は、ガス温度の変動によっても生じ得る。以下の態様は、これらの課題に対する解決策を提供するものである。これらの態様のいずれもが、単独において、またはお互いとの組み合わせにおいて使用することができることに注目されたい。
【0023】
取り外し可能なフローセル
様々な態様により、ガス分析器は、放射源および検出器の光学窓などの光学要素の、現場での清掃を容易にするために、試料フローセルの簡単で工具不要の取り外しを可能にする実装スキームを有する。そのような実装スキームは、有利には、乾燥剤および洗浄(scrub)経路の維持を可能にし(例えば、前述において参照により組み入れられた米国特許第6,317,212号を参照のこと)、ならびに有利には、放射源と検出器との間の距離の繰り返し可能な設定も可能にする。
【0024】
図1は、一態様による取り外し可能な試料フローセル20を備えるガス分析器10を示している。試料セル20は、ガス入口ポート25とガス出口ポート30とを有するハウジング構造を備える。円筒部分40は、ガス流路を画定し、それぞれの端部に2つの開口部を有する。前記円筒部分は、セル20のハウジング構造の一部であってもよいし、またはそれ自体がハウジング構造から分離されていてもよい。操作において、ガスは、入力ポート25から入り、円筒部分40によって画定される流路を通って流れ、出口ポート30から出る。一態様において、圧力センサー35(外側部分が示されている)が、流路内の内部点での圧力を測定するように位置されている。
【0025】
取り外し可能な試料セル20は、ガス分析器10の構造体22と連結するように構成されている。構造体22は、放射源部分60を備え、前記部分は、光源または放射線源ならびに関連する電気的および光学的要素を収容する。構造体22はさらに、検出器部分50も備え、前記部分は、1つまたは複数の検出器ならびに関連する電気的および光学的要素を収容する。第一光学窓70は、一態様において、図1に示されているように、放射源部分60の近位に備わっている。第二光学窓(図示されず)は、一態様において、検出器部分50の近位に備わっている。通常の操作では、放射源部分60から放射された光(通常はIR光)は、第一および第二光学窓によって画定される光学路に沿って検出器部分50まで移動する。一態様において、試料セル20とハウジング22とが連結されている状態の場合に、それらの間においてより堅調な封止を提供するために、第一および第二光学窓に隣接してOリングが備わっている。
【0026】
連結されている状態のとき、円筒部分40によって画定されるガス流路は、第一および第二光学窓によって画定される光学路と実質的に一致する。前記光学路と流路は、必ずしも一致している必要はなく、ガス流路の一部のみが、光学路と連続して画定されていればよいということは理解されたい。円筒部分40は、ハウジング22から外された場合に、端部が開放された流路を有するが、構造体22の第一および第二光学窓の代わりに、またはそれらに加えて、光学窓が、流路のどちらかの端部において、試料セル20に連結され得るかまたは試料セル20の上に位置され得ることも理解される。
【0027】
一態様において、試料セル20をガス分析器ハウジング構造22に連結するため、および連結を解くために、カラム23に対する検出器部分50の距離を増加または減少するための1つまたは複数の蝶ねじ(2つ示されている)が備わっている。連結されている状態の場合、使用者は、蝶ねじを作動させるだけで、検出器部分50をカラム23から十分な距離に離して、試料セル20を取り外すことができる。同様に、試料セル20を前記ガス分析器に連結するためには、使用者は、検出器部分50を十分な距離に広げて、カラム23に隣接するようにセル20を挿入し、かつ蝶ねじを作動させて検出器部分50をカラム23に再係合し、同時に試料セル20を検出器部分50と放射源部分60との間に係合する。光学窓およびOリングは、試料セル20のガス流路に対する気密封止を確実にするための役に立つ。代替の連結メカニズムとしては、バイオネット(例えば、カメラにおいて使用されるような)、締め金、クリップ、または他の締結メカニズムが挙げられる。
【0028】
有利には、図1に示された設計は、試料セル20および関連する要素の容易な取り外しを可能にする。機械的実装スキームは、放射源および検出器の光学窓を清掃するための、試料セルの容易で工具不要の取り外しを可能にする。これは、塵に対して空気試料をフィルターにかけることを必要としない、ガス分析器(例えば、IRガス分析器またはIRGA)の使用を可能にする(空気流のための電力要件を低くする)。気密封止を維持しかつ試料セルの取り外しを可能にするために、図1に示すように、検出器筐体50は、組立品の残りの部分から離される。CO2およびH2O不含の空気を流すための、検出器筐体50から循環カラム部分23を通って放射源筐体60まで到る気密路、ならびに必要な電気的要素が備わっている。ガス分析器は、検出器部分50がカラム23から離れるのに加えて、またはその代わりに、取り付けメカニズムにより、放射源部分60がカラム23から離れることができるようにも構成され得る。
【0029】
温度および圧力測定
試料ガスの温度を知ることは、様々な測定、例えば、数密度からのモル分率の計算など、のために重要である。一態様により、前記温度は、流路における任意の光学信号(例えば、IRGA信号)を遮断しないような方式において、試料セル20の入口ポート25および出口ポート30において測定される。前記セルにおける体積平均温度は、試料ガスの流率の変化に対する入口温度と出口温度との間の関係から算出することができる。ある特定の局面において、例えば、汎用関数は、TIRGA=f(Tin、Tout、Tblock、U)であり、この場合、Uはセルを通過する平均速度である。ある特定の局面において、例えば、円筒40のブロック温度を測定するため、および/または流路における様々な場所でのガス温度を測定するために、さらなる温度センサーを使用してもよい。
【0030】
一態様において、入口および出口温度は、使い捨て熱電対(例えば、E型熱電対)を使用して測定される。例えば、ある特定の局面において、熱電対は、試料ガスが流れるための貫通孔を有するプリント基板を横断して、糸を強く張った状態で吊される。図2は、一態様による試料セルの入口ポートおよび出口ポートにおいて使用される熱電対の設計を示している。プリント基板80は、熱電対ビーズ85が糸で吊される開口部を有する。ある特定の局面において、前記プリント基板は、前記開口部が、入口/出口ポート25/30のガス流路と連続するように、構造体20に含まれるか、または構造体20上に取り付けられている。Oリング90は、気密性ガス路を提供する。この設計では、温度測定がガス流の中心軸において確実に実施されるようにすると共に、熱電対を容易に取り替えることができる。一般的に、同じ周波数応答による正確な測定を得ることが望ましい。例えば、熱電対の周波数応答が体積周波数応答、例えば、フローセルの物理的応答など、に一致することが望ましい。例えば、.002"熱電対は、有利には、IRGA内の体積平均化による信号減衰と実質的に同じである、15リットル/分(LPM)流に対する周波数応答を提供する。一態様において、前記測定は、わずかばかりのタイミングの変動および周波数の変動となるように、お互いに同調している。例えば、ガス濃度(例えば、CO2およびH2O)、温度、および圧力の測定は、お互いに、有利には約0.2秒以内に、より有利には約0.1秒以内に行われ、ある特定の態様においては、これは、以下においてより詳細に説明されるであろう乾燥モル分率の計算を可能にする。この信号は、以下においてより詳細に説明されるであろう時間変動/遅延となるように、リアルタイムで調整され得る。
【0031】
ある特定の態様において、単一の温度センサーが使用される。例えば、単一の温度センサーは、入口ポートの近位、出口ポートの近位、またはフローセルの内部部分の近位に位置され得る。温度測定を実施することができ、ならびに単一温度センサーの信号および既知のパラメータ、例えば、流率、フローセル体積など、を使用して、体積温度を計算することができる。しかしながら、上記において説明したような2つ(またはそれ以上)の温度センサーの使用により、フローセルにおけるガスのより堅調で正確な温度が提供されることは理解される。
【0032】
数密度からのモル分率の計算を容易にするためには、フローセル内の圧力を知ることも重要である。図3は、一態様による圧力測定スキームのダイアグラムである。一態様において、圧力センサー、例えばセンサー35、は差圧センサーを含む。センサーヘッドをできるだけコンパクトに維持するために、一態様では、試料セルから高頻度で圧力データを得るための絶対圧力/差圧変換器が連結されたセットが使用される(絶対センサーを測定する圧力センサーはかなり嵩張り得るため)。フローセルの内部のガスの圧力は、差圧に平均圧を加えることによって特定することができる。一態様において、前記圧力センサーは、高速圧力センサーである。有用な圧力センサーは、圧電抵抗シリコン差圧変換器(例えば、MPX2010DP、Freescale Semiconductor Inc.(Motorola))および圧電抵抗シリコン絶対圧力変換器(MPX4115A、Freescale Semiconductor Inc.(Motorola))を含む。当業者には明かであるような他の圧力センサーを使用してもよい。
【0033】
一態様により、試料フローセルは、低熱伝導性材料で作られている絶縁性スリーブおよび/または空気もしくは真空のポケットを備える。有用な材料としては、低CO2吸収プラスチック(例えば、Teflon PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、すべてのプラスチックがいくらかのCO2および水蒸気を吸収するのに対し、Teflonは吸収が例外的に低いので、非常に有用であり得る)および他の好適な材料が挙げられる。二重壁真空金属スリーブまたは他の設計を使用してもよい。そのようなスリーブは、有利には、ガス分析器の熱放散、例えば、ガス分析器のエレクトロニクスに起因する熱放散など、からの空気流を分断することによって、(正確さを最大にするために)入口および出口の熱電対の間の温度変化を最小にする。一般的に、温度変化が大きくなるほど、2つの測定された温度の関数としての体積平均温度の間のキャラクタリゼーションに頼る部分が大きくなる。したがって、熱絶縁性スリーブが使用される場合には、前記スリーブによって、フローセルの少なくとも一部がシステムの他の構成要素から絶縁されるべきである。図4は、非絶縁性(上部)フローセルおよび絶縁性(下部)フローセルに対するフローセル内の熱伝導率の例を示す。上部画像は、典型的な金属試料セルであり、その一方で、下部画像は、熱フラックスのみがどちらかの端部の窓から来ている絶縁されたセルを示している。図示されているように、熱フラックスはかなり減少しており、温度測定における誤差も非常に減少している。両方の場合において、誤差は、正確な温度から入口および出口温度の非加重平均を引くことによって算出される。
【0034】
図5は、セル挿入体95(ガス流路を画定する)を取り外した状態の、試料セルを備える一態様を示す。図示されているように、入口ポートおよび出口ポートの両方の近位の熱電対板80の位置および封止スキームが示されている。
【0035】
モル分率測定
モル分率を特定し出力するために、計算はリアルタイムで実施すべきである。これを実現するために、デジタルエレクトロニクスが、様々な信号を受信して、リアルタイムで計算を実施する。高速の温度および圧力信号が、空間的に分離されているセンサーから取得される。さらに、各センサーは、通常、独自の特徴的な周波数応答を有する(これらは、場合によって流率に依存する)。一態様により、センサーのタイミングが揃えられ(例えば、遅延を除去され)、必要であれば、(例えば、その位置において温度を直接測定することなく)試料セルの中央におけるモル分率を計算するために周波数応答が用いられる。図6に示されているように、一態様により、入口温度は、場所「A」において測定され、圧力は、場所「B」において測定され、出口温度は、場所「C」において測定され、ならびにガス濃度は、点線による枠内の体積平均測定である。ある特定の局面において、信号の整合は、信号を受信したときに、(例えば、そのような信号を処理するように適合されたインテリジェンスモジュールによって)リアルタイムで行われる。しかしながら、信号処理は、後で実施してもよいことは理解されたい。例えば、信号または信号を表すデータを保存して、測定が実施された後しばらくしてから、処理するためにインテリジェンスモジュールに提供されてもよい。
【0036】
一態様により、本明細書において開示された様々な態様によるガス分析器を使用して乾燥モル分率が特定される。有利には、本明細書において開示されたようなガス分析器は、高帯域幅での乾燥モル分率測定を行うことができる。例えば、ある特定の周波数応答、例えば10Hzなどにおいて、CO2または他のガス成分の乾燥モル分率を特定することが望ましい。これを出力するために、一態様により、以下の工程が実施される。最初に、流率が、例えば約10Hz以上の排気頻度で容量を排気するIRGAを通して導入される。例えば、入口ポートから入ってフローセルを通り出口ポートから出る環境空気の流れが、所望の流率において開始される。次いで、場所「A」および場所「C」において、体積平均と同様の周波数応答により、温度が測定される(例えば、.002"直径のE型熱電対は、IRGAを通る15リットル/分(LPM)の流率と同様の応答をする)。圧力(例えば、差圧)は、他の測定と同様の周波数応答により、場所Bにおいて測定される。温度測定は、お互いに、および圧力測定に対して、実質的に同時に行われる。AおよびCでの温度は、空間的分離に対して補正される(例えば、TA(t+遅延)およびTc(t−遅延)のように補正され、この場合、遅延は、流率と流路/IRGAの幾何学的配置との関数である)。これらの測定と同時に、検出器システムは、ガス成分(例えば、二酸化炭素および水蒸気)の濃度を特定する。ある特定の局面において、すべての信号(例えば、温度、圧力、吸光度)の帯域幅は、フローセル体積を通る流れの物理的時間定数(例えば、体積で除された流率)に一致される。添付Aは、乾燥モル分率を特定するための例示的計算を示している。特定された乾燥モル分率は、返され得、例えば、表示され得、または後の使用のために保存され得る。
【0037】
本明細書および他の箇所において、水蒸気を含んだ状態でのモル分率(例えば、CO2モル分率)について言及する場合には、通常、用語「モル分率」が使用され、水蒸気を除去した後のモル分率について言及する場合には、通常、用語「乾燥モル分率」が使用され、ならびに、ある特定の例において、高速測定を意味するために、用語「瞬間モル分率」または「瞬間乾燥モル分率」が使用され得ることは理解されたい。
【0038】
モル分率決定プロセスを含めたガス分析プロセスは、コンピュータシステムのプロセッサにおいて実行されているコンピュータコードによって実施され得る。前記コードは、ガス分析プロセスの様々な局面および工程を実施するようにプロセッサを制御するための指示を有している。前記コードは、通常、ハードディスク、RAM、または携帯用媒体、例えば、CD、DVDなど、に保存される。同様に、前記プロセスは、通常、プロセッサに連結されたメモリユニットに保存されている指示を実行する1つまたは複数のプロセッサを具備するインテリジェンスモジュールを備えたガス分析器において実行され得る。前記インテリジェンスモジュールは、ガス分析器の一部であるか、またはガス分析器に直接的または間接的に連結されている別個のシステムの一部であり得る。そのような指示を有するコードは、コードソースへのネットワーク接続またはダイレクト接続を通じて、または周知の携帯用媒体を使用して、ガス分析器のメモリユニットにダウンロードされ得る。
【0039】
当業者は、本発明のプロセスは、例えばC、C++、C#、Fortran、VisualBasicなどの様々なプログラム言語、ならびにデータのビジュアル化および分析に有用な、予めパッケージされたルーチン、関数、プロシージャを提供するMathematica(登録商標)などのアプリケーション、を使用してコード化することができるということを理解されたい。後者の他の例は、MATLAB(登録商標)である。
【0040】
例を用いて特定の態様の観点から本発明を説明してきたが、本発明は、開示された態様に限定されるものでないことは理解されるべきである。むしろ、本発明は、当業者に明らかであろう様々な修正および同様の配置も包含することが意図される。したがって、添付のクレームの範囲は、すべてのそのような修正および同様の配置を包含するように、最も広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)検出器を備える検出器部分と;
b)光源を備える放射源部分と;
c)ガスフローチャンネルを画定するハウジング構造であって、該光源からの光が、光路に沿って該ガスフローチャンネルを通って該検出器部分に到る、ハウジング構造;
ガス入口ポート;
ガス出口ポートであって、該入口および出口ポートが、該ハウジング構造に位置している、ガス出口ポート;
該フローチャンネルを流れるガスの温度を測定するように適合された第一温度センサー;および
該ガスフローチャンネルにおける該ハウジング構造の内部点に位置する圧力センサーであって、該フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された、圧力センサー
を備える、該放射源部分と該検出器部分との間に取り外し可能に配置された取り外し可能なガスセルと
を含む、ガス分析器。
【請求項2】
取り外し可能なガスセルが、出口ポートの近位に位置する第二温度センサーをさらに備え、前記第一温度センサーは入口ポートの近位に位置している、請求項1記載のガス分析器。
【請求項3】
a)検出器を備える検出器部分と;
b)光源を備える放射源部分と;
c)ガスフローチャンネルを画定するハウジング構造であって、該光源からの光が、光路に沿って該ガスフローチャンネルを通って該検出器部分に到る、ハウジング構造;
ガス入口ポート;
ガス出口ポートであって、該入口および出口ポートが、該ハウジング構造に位置している、ガス出口ポート;
該入口ポートの近位に位置する第一温度センサー;および
該出口ポートの近位に位置する第二温度センサー
を備える、該放射源部分と該検出器部分との間に取り外し可能に配置された取り外し可能なガスセルと
を含む、ガス分析器。
【請求項4】
ガスフローチャンネルにおけるハウジング構造の内部点に位置する圧力センサーであって、フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーをさらに備える、請求項3記載のガス分析器。
【請求項5】
第一および第二温度センサー、圧力センサー、ならびに検知器に連結されたインテリジェンスモジュールであって、検出器信号と、該圧力センサーによるガスの圧力ならびに該第一および第二温度センサーによるガスの温度の実質的に同時の測定とに基づいて、フローチャンネル内のガスの成分の乾燥モル分率を特定するように適合されたインテリジェンスモジュールをさらに備える、請求項4記載のガス分析器。
【請求項6】
ガスの圧力ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定が、お互いに約0.2秒以内に行われる、請求項5記載のガス分析器。
【請求項7】
ガスの圧力ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定が、約1.0Hz以上の頻度で行われる、請求項5記載のガス分析器。
【請求項8】
インテリジェンスモジュールが、第一および第二温度センサーから受け取った温度信号の、空間的分離に起因する遅延を補正し、該遅延が、フローチャンネルにおけるガスの流率の関数である、請求項5記載のガス分析器。
【請求項9】
ガスの成分が、CO2およびH2Oを含み、かつ該ガスは空気である、請求項5記載のガス分析器。
【請求項10】
圧力センサーが高速圧力センサーである、請求項4記載のガス分析器。
【請求項11】
取り外し可能なガスセルが、フローチャンネルを画定する少なくともハウジング構造をガス分析器の構成要素から熱的に絶縁するように適合された熱絶縁性スリーブをさらに備える、請求項3記載のガス分析器。
【請求項12】
圧力センサーが高速圧力センサーである、請求項1記載のガス分析器。
【請求項13】
ガス分析器のフローセル中のガスの成分の乾燥モル分率を測定するための方法であって:
該フローセルを通してガスを流す工程;
該フローセル中のガスの成分の光吸光度を測定する工程;
実質的に同時に該フローセルの入口ポートでのガスの温度T1を測定する工程;
実質的に同時に該フローセルの出口でのガスの温度T2を測定する工程;
実質的に同時に該フローセルの内部点でのガスの圧力Pを測定する工程;および
測定された吸光度、P、T1、およびT2に基づいて、ガスの成分の乾燥モル分率を特定する工程
を含む方法。
【請求項14】
吸光度を特定する工程が、検出器信号と参照信号を比較する工程を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
吸光度を測定する工程が:
既知の波長域を有する光を、フローセルを通して伝送する工程;
伝送された光を検出器で受ける工程;および
伝送された光の、ガス成分による吸光度を特定する工程
を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
伝送する工程が、広い波長域または狭い波長域を有する光を、狭い帯域通過のフィルターを通して伝送する工程であって、狭い通過帯域のフィルターは既知の波長域の光の大部分を通過させる、工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
T1、T2、およびPの測定が、お互いに約0.2秒以内に行われる、請求項13記載の方法。
【請求項18】
T1、T2、およびPの測定が、約1.0Hz以上の頻度で行われる、請求項13記載の方法。
【請求項19】
ガスの成分が、CO2およびH2Oを含み、かつ該ガスは空気である、請求項13記載の方法。
【請求項20】
乾燥モル分率を特定する工程が、入口ポートおよび出口ポートから受け取った温度信号の、空間的分離に起因する遅延を補正する工程を含み、該遅延が、フローセル内のガスの流率の関数である、請求項13記載の方法。
【請求項21】
測定された圧力Pが、平均圧力または差圧のうちの一方である、請求項13記載の方法。
【請求項22】
ガスの成分の乾燥モル分率を測定するガス分析システムであって:
入口ポートから出口ポートへと中をガスが流れるフローセルと;
該フローセルを通過して光を伝送するように構成された光源と;
該フローセル中のガスの成分による光吸光度を表す吸光度信号を出力するように構成された検出器サブシステムと;
該フローセルの該入口ポートの近位に位置する第一温度センサーと;
該フローセルの該出口ポートの近位に位置する第二温度センサーと;
該フローセル中の内部点での圧力を測定するように適合された圧力センサーと;
該第一および第二温度センサー、該圧力センサー、ならびに該検知器サブシステムに連結されたインテリジェンスモジュールであって、吸光度信号と、ガスの圧力ならびに該第一および第二温度センサーによるガスの温度の実質的に同時の測定とに基づいて、該成分の乾燥モル分率を特定するように適合された、インテリジェンスモジュールと
を備える、システム。
【請求項23】
ガスの圧力ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定が、お互いに約0.2秒以内に行われる、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
ガスの圧力の測定ならびに第一および第二温度センサーによるガスの温度の測定が、約1.0Hz以上の頻度で行われる、請求項22記載のシステム。
【請求項25】
ガスの成分が、CO2およびH2Oを含み、かつ該ガスは空気である、請求項22記載のシステム。
【請求項26】
フローセルが、光源と検出器サブシステムとの間の構造体に、取り外し可能に取り付けられている、請求項22記載のシステム。
【請求項27】
インテリジェンスモジュールがさらに、第一および第二温度センサーから受け取った温度信号の、空間的分離に起因する遅延を補正するように適合されており、該遅延が、フローセルにおけるガスの流率の関数である、請求項22記載のシステム。
【請求項28】
システムの他の構成要素からフローセルの少なくとも一部を絶縁するように構成された熱絶縁性スリーブをさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項29】
第一および第二温度センサーのそれぞれが、それぞれのポートによって画定される流路の中心点に位置する熱電対を備える、請求項22記載のシステム。
【請求項30】
ガス分析器システムの光源部分と検出器部分との間に配置されるように適合されている取り外し可能なガスセルであって:
ガスフローチャンネルを画定するハウジング構造と;
該ガスフローチャンネルの一方の端部における第一開口部と;
該ガスフローチャンネルのもう一方の端部における第二開口部であって、該第一および第二開口部は、光源からの光が該セルを通過して該検出器部分に伝わる光路を画定する、第二開口部と;
ガス入口ポートと;
ガス出口ポートであって、該入口および出口ポートは、光軸から外れて該ハウジング構造に位置している、ガス出口ポートと;
該入口ポートの近位に位置する第一温度センサーと;
該出口ポートの近位に位置する第二温度センサーと
を備える、取り外し可能なガスセル。
【請求項31】
ガスフローチャンネルにおけるハウジング構造の内部点に位置する圧力センサーであって、フローセル中の内部点でのガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーをさらに備える、請求項30記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項32】
第一および第二温度センサーの少なくとも一方が、それぞれのポートによって画定される流路の中心点に位置する熱電対を備える、請求項30記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項33】
ガス分析器システムの光源部分と検出器部分との間に配置されるように適合された取り外し可能なガスセルであって:
ガスフローチャンネルを画定するハウジング構造と;
該ガスフローチャンネルの一方の端部における第一開口部と;
該ガスフローチャンネルのもう一方の端部における第二開口部であって、該第一および第二開口部は、光源からの光がセルを通過して検出器部分に伝わる光路を画定する、第二開口部と;
ガス入口ポートと;
ガス出口ポートであって、該入口および出口ポートは、光軸から外れて該ハウジング構造に位置している、ガス出口ポートと;
該フローチャンネルを流れるガスの温度を測定するように適合された第一温度センサーと;
該フローセル中の内部点におけるガスの圧力を測定するように適合された圧力センサーと
を備える、取り外し可能なガスセル。
【請求項34】
出口ポートの近位に位置する第二温度センサーをさらに備え、前記第一温度センサーは入口ポートの近位に位置している、請求項33記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項35】
第一および第二温度センサーの少なくとも一方が、それぞれのポートによって画定される流路の中心点に位置する熱電対を備える、請求項34記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項36】
大気と入口ポートとを連結するガス吸気管であって、約1.0メートル未満の長さを有するガス吸気管をさらに備える、請求項33記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項37】
大気と入口ポートとを連結するガス吸気管であって、約1.0メートル未満の長さを有するガス吸気管をさらに備える、請求項30記載の取り外し可能なガスセル。
【請求項38】
大気とガス入口ポートとを連結するガス吸気管であって、約1.0メートル未満の長さを有するガス吸気管をさらに備える、請求項1記載のガス分析器。
【請求項39】
検出器部分の近位に第一光学窓と、放射源部分の近位に第二光学窓とをさらに備え、該第一および第二光学窓が、該放射源部分および該検出器部分内の構成要素のための気密封止を提供する、請求項1記載のガス分析器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−507734(P2012−507734A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535547(P2011−535547)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082671
【国際公開番号】WO2010/053486
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508247040)リ−コール インコーポレーティッド (5)
【Fターム(参考)】