説明

ガス化ストリームから二酸化炭素および水素を製造する構成および方法

脱炭セクションと脱硫セクションを有した構成で、シフト合成ガスまたは非シフト合成ガスから硫黄化合物と二酸化炭素を除去するための、合成ガス処理プラントが構成される。脱炭セクション内の溶媒はフラッシングによって再生および冷却され、脱硫セクションでは溶媒は、外部熱を使用してストリッピングによって再生されることが最も好ましい。硫化カルボニルが脱硫セクションで加水分解によって除去されること、またそのようにして製造された硫化水素は下流の吸収器内で除去されることがなおさらに好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年2月22日に出願された同時係属中の米国特許仮出願第60/891133号の優先権を主張する。
【0002】
本発明の分野は、合成ガスストリームからの水素および二酸化炭素の製造、特に炭素排出物および硫黄排出物を軽減するために硫黄スカベンジャおよび溶媒が使用される構成および方法である。
【背景技術】
【0003】
追加の電力を生産するために、石炭、残渣油、および他の精製廃物のガス化が複合サイクル発電プラントと統合される場合が多い(IGCC)。ガス化から出る合成ガスは、主にH2、CO2、CO、H2S、およびCOSを含むことから、合成ガスが発電プラントの燃料ガスとして使用されるところでは、硫黄を除去するように処理される場合が多い。このようなIGCCプラントは、低級質の炭素質製造物を改質して電気を生成することについてかなり有効であるが、特に燃焼ガスタービンの排気から、多量の炭素排出物および硫黄排出物(二酸化硫黄、CO2など)が発生される場合が多い。
【0004】
CO2排出物を軽減するために多数のアプローチが取られている。その典型的な例示的方法について、Ronningらに付与された米国特許第5832712号明細書で述べられている。ここでは、ガスタービンの排気が、CO2を除去するように溶媒を使用して処理される。しかし、大気圧とガスタービンの排気内の比較的低いCO2分圧とにおいて作業がなされるために、これらのプロセスの全てまたはほとんど全ては極めて高コストで、エネルギー的に非効率となる傾向にある。あるいは、1つまたは複数の膜は、ガスタービンの上流にある合成ガスからH2およびCO2を物理的に分離するために使用される。膜システムは、ガス容量および製造物−ガス仕様に対して、高度に適応する場合が多い。しかしながら、ここでは、ストリンジェントな二酸化CO2除去が必要とされ、膜システムは典型的には、複数段階、および段階の間の再圧縮が必要となるため、高コストとなることが多い。
【0005】
他のアプローチでは、酸性ガスと反応して酸性ガスとの(典型的には、非共有結合的)複合物を形成する化学溶媒が使用される。酸性ガスと溶媒の化学反応を含むプロセスでは、合成ガスは典型的には、例えば米国特許第3563695号明細書で述べられているように弱無機酸のアルカリ塩溶液で、または例えば米国特許第2177068号明細書で述べられているように有機酸または塩基のアルカリ溶液で洗浄される。しかし、一般的に化学溶媒は大規模な加熱と貧溶媒による冷却とを必要とし、高溶媒の再循環をさらに必要とする場合が多く、これは合成ガス内の酸性ガス濃度と比例して増大する。したがって、このようなプロセスは、酸性ガス含有量の低い非シフト合成ガスを処理するのに適しているが、大量(30容量%を超えるなど)のCO2を含むシフト合成ガスを処理するには問題がある。
【0006】
なおさらなるアプローチでは、酸性ガスの除去に物理的溶媒が使用される。物理的溶媒は、酸性ガスの吸収がCO2の分圧に比例して増大することから、合成ガスが比較的大きなCO2分圧(シフト合成ガス等)を有する場合に、特に有利である。酸性ガスの物理的吸収はさらに、選択性溶媒の物理的特性、供給ガスの組成、圧力、および温度に依存する。例えば、米国特許第2863527号明細書で例示されているように、低沸点の有機的物理溶媒としてメタノールが使用されてもよい。しかし、そのような溶媒は溶媒冷却のために低温冷却を必要とし、これはエネルギー集約型である。
【0007】
代替え方法として、米国特許第2926751号明細書で述べられているようにプロピレンカーボネート、ならびに米国特許第3505784号明細書で述べられているようにN−メチルピロリドンまたはグリコールエーテルを使用したものなどの物理的溶媒が、環境温度または環境温度よりも僅かに低い温度で作動されてもよい。このような溶媒は冷却の要件を有利に軽減することができるが、プロピレンカーボネートに基づいた大抵の吸収プロセスは、特に高圧の供給ガスからCO2を除去する際に極めて効果的となる。知られているさらなる方法では、物理的溶媒には、ポリグリコール、特に米国特許第2649166号明細書で示されているようにジメトキシテトラエチレングリコールのエーテル、あるいは米国特許第3773896号明細書で述べられているようにN置換モルホリンも含まれてもよい。物理的溶媒の使用はエネルギーの必要を著しく軽減するが、さまざまな困難がなお存在する。なかでもCO2およびH2Sの除去がしばしば不十分で不完全となって、今日のストリンジェントな排出要件を満たせなくなる。さらに、酸性ガスがH2Sである場合、CO2の共吸収が極めて高く、これが次いで下流の硫黄プラントにとって問題となる。
【0008】
H2S除去のために物理的溶媒を使用した、知られている例示的なガス処理構成が、従来技術の図1に表されている。ここでは非シフト合成ガス1が、H2S選択的溶媒のストリーム9を使用して吸収器50内で処理される。吸収器の富溶媒、ストリーム4が弁54を介して圧力低下されてストリーム10を形成し、これが分離装置55にフラッシュされる。ストリーム22および2を介して圧縮機56を使用して、フラッシュされたガスを吸収器に再循環させることによって、富溶媒内のH2のほぼ全てとCO2の少なくとも一部とが回収される。フラッシュされた液体ストリーム12は弁57を介してさらに圧力降下されてストリーム13を形成し、これが熱交換器58によって加熱されてストリーム14を形成する。富溶媒は再生器59で再生されて、酸性ガスストリーム15および貧溶媒16を製造する。再生の加熱および冷却の要件を満たすために、再沸器61および冷却器60が使用される。貧溶媒はポンプ62によってさらにポンピングされ、ストリーム17および18を介してそれぞれ交換器58および66で冷却されて、冷却された貧溶媒ストリーム9を吸収器に提供する。次いで処理された合成ガスストリーム6は、ストリーム5を介してIGCC発電プラント53への燃料ガスとして、また任意選択で、水素精製ユニット52への供給ガス7として使用される。水素精製ユニット52は、膜分離器と圧力スイング吸着床とをさらに含んでもよい。
【0009】
このような構成では、物理的溶媒による処理は、溶媒内の酸性ガスの物理的平衡によって制限されることを認識されたい。物理的溶媒は、熱を使用せずに圧力をある程度下げることによって有利に再生され得るが、物理的溶媒は、H2SおよびCOSを低レベル(4ppmv未満など)に除去するのにコスト高の低温冷却(−40°F以下等)を必要とする。ほぼ全ての溶媒プロセスは、CO2富環境(シフトされた合成ガス等)内で大量のCO2を共吸収し、その結果それらの硫黄吸収能力を低下させてしまい、より強力な溶媒循環および再生効率を必要としながら、望ましくないCO2排出物を発生させる。残念なことに、このような構成はCO2濃度の高い酸性ガスも作り出し、これは下流の硫黄プラントにとっては問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この結果、合成ガスからH2SおよびCO2を除去するための多数の構成および方法が当分野で知られているものの、それらの全てまたはほぼ全てが様々な欠点を有する。したがって、特にCO2含有量の高い合成ガスに対して、H2SおよびCO2の改良された除去の方法および構成がなお求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、酸性ガス、特に硫化水素および二酸化炭素を除去するために合成ガスを処理する構成および方法を対象としている。そのように処理された合成ガスは様々な方法で使用され得(IGCC発電プラント内の燃焼など)、二酸化炭素は保管および/または移送のために封鎖または液化されてもよい。ここで企図された方法およびプラントは、別個の吸収器が酸性ガス成分を吸収する脱硫セクションと脱炭セクションを有することが最も好ましい。次いでフラッシングおよびストリッピングによってそれぞれのセクションで溶媒が再生される。これは大きなエネルギー節約をもたらす。
【0012】
本発明の主題の一態様においては、プラントが、副吸収器の上流のCOS加水分解ユニットの上流に主吸収器を含む脱硫セクションに合成ガスを供給するガス化ユニットを備える。主吸収器および副吸収器は、第1溶媒で合成ガスからH2Sを順次吸収して、脱硫合成ガスを製造する。次いで脱炭化セクションが脱硫合成ガスを受け取り、CO2が第2溶媒を介して脱硫合成ガスから除去される吸収器を使用して、H2製造物ストリームを製造する。典型的には、第1溶媒は脱硫セクション内でストリッピングによって再生され、第2溶媒は脱炭化セクション内でフラッシングによって再生される。
【0013】
特別にここで企図された態様では、副吸収器からの底塔(bottom)製造物が半貧溶媒として主吸収器の中間位置に送られる。残留H2Sをなおさらに低減するために、脱硫セクションの下流、脱炭化セクションの上流にH2Sスカベンジャユニットを含むことが好ましい。最も典型的には、第2溶媒は、第2溶媒に対する冷却要件の大部分または全てをも満たすのに充分な程度に脱炭化セクション内でフラッシュされる(CO2吸収器の中に進入する前に)。特に好ましい態様では、第2溶媒のフラッシュは、水力タービンの使用を伴う。水力タービンは、圧力低下から動力を抽出することによって溶媒ポンプを駆動すると同時に溶媒を低温度に冷却する。本発明の主題に限らないが、脱炭化セクションは、フラッシュされたCO2を液化および/または封鎖に適した圧力に圧縮する圧縮機を備えることが一般的に好ましい。
【0014】
合成ガスがシフト合成ガスである場合、第1溶媒と第2溶媒は同じであり、それらは脱硫セクションと脱炭セクションとの間を循環されることが一般に好ましい。このような構成では、CO2吸収器からCO2濃度の高い第2溶媒の一部を主吸収器および/または副吸収器に送ることを可能にするように、CO2吸収器は主吸収器および/または副吸収器に結合されることが好ましい。さらに、必要に応じて、脱硫セクションは第1ストリッピング塔および第2ストリッピング塔を含むことになる。このような構成では、典型的には、第1ストリッピング塔はH2濃度の高いS第1溶媒からH2を除去することを可能にすること、第2ストリッピング塔は、第2ストリッピング塔から再生された第1溶媒をCO2吸収器に貧溶媒として送ることを可能にすることが企図される。なおさらにここで企図された態様では、硫黄プラントは、第2ストリッピング塔からH2S濃度の高い塔頂物を受け取るために、第2ストリッピング塔に流体結合されてもよい。さらに、ここで企図されたプラントは、拡張装置およびフラッシュ容器を主吸収器に結合させて含むことが好ましく、それらは典型的には、主吸収器の富溶媒からCO2および/またはH2を分離することを可能にするように構成されている。
【0015】
合成ガスが非シフト合成ガスである場合、ここで企図されたプラントは、主吸収器から部分的または全面的に脱硫化された合成ガスをシフトさせるシフト反応器を、主吸収器と副吸収器との間に流体連結させてさらに含むことになる。このようなプラントの構成では、第1溶媒が化学媒溶であり、第2溶媒が物理的溶媒であることが、典型的には好ましい。最も典型的には、このようなプラントは、拡張装置およびフラッシュ容器を主吸収器に結合して含むことによって、主吸収器の富溶媒からCO2および/またはH2を分離することを可能にする。これらは有利に再圧縮および再循環されて主吸収器(または燃焼器を含む他の目的地)に戻されてもよい。必要に応じて、ここで企図された構成は、排ガス吸収器、硫黄プラント、および排ガスユニットを、脱硫セクションに結合させて含み、排ガスユニットから排ガスを排ガス吸収器に送るようにしてもよい。このような構成では、排ガス吸収器は脱硫セクション内のストリッパから貧溶媒を受け取り、半貧溶媒を主吸収器に供給することが好ましい。
【0016】
したがって、本発明の主題の一態様では、合成ガス処理プラントは、シフト合成ガスを製造するガス化ユニットと、シフト合成ガスを受け取るようにガス化ユニットに流体結合された脱硫セクションとを含むことになる。脱硫セクションは、主吸収器、COS加水分解ユニット、および副吸収器を含むことが好ましく、主吸収器はCOS加水分解ユニットの上流にあり、COS加水分解ユニットは副吸収器の上流にある。主吸収器および副吸収器は、溶媒で合成ガスからH2Sを吸収して脱硫合成ガスを製造し、脱炭化セクションが脱硫合成ガスを受け取る。このようなプラントでは、CO2吸収器が脱硫合成ガスからCO2を吸収し、溶媒を使用してH2製造物のストリームを製造し、溶媒は脱硫セクションと脱炭化セクションとの間に循環される。COS加水分解ユニットは、合成ガスが有意量のCOS成分を含むときのみ必要であり、上流のユニット内でCOSが完全に除去される場合には、COS加水分解ユニットは必要ないことに留意されたい。
【0017】
本発明の主題の他の態様では、合成ガス処理プラントは、非シフト合成ガスを製造するガス化ユニットと、合成ガスを受け取る脱硫セクションとを含むことになる。典型的には、脱硫セクションは主吸収器、シフト反応器、COS加水分解ユニット、および副吸収器を含み、主吸収器はCOS加水分解ユニットの上流にあり、COS加水分解ユニットは副吸収器の上流にある。特に好ましい態様では、シフト反応器は、主吸収器と副吸収器との間に流体結合され、主吸収器から部分的に脱硫化された合成ガスを受け取り、主吸収器と副吸収器は、第1溶媒で合成ガスからH2Sを吸収することによって脱硫合成ガスを製造するように構成されている。脱炭セクションは脱硫合成ガスを受け取り、脱硫合成ガスからCO2を吸収するCO2吸収器を含み、第2溶媒を使用してH2製造物ストリームを製造ことがさらに企図される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読めば、本発明の様々な目的、特色、態様、および利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】合成ガスの脱硫化の知られている例示的な構成を示す従来技術の図である。
【図2】単一の溶媒システムを使用してシフト合成ガスからCO2およびH2Sを除去するための例示的な構成を示す図である。
【図3】二重の溶媒システムを使用して非シフト合成ガスからCO2およびH2Sを除去するための例示的な構成を示す図である。
【図4】硫黄プラントと排ガスユニットを統合した、図3による例示的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、H2、CO2、CO、H2S、およびCOSを備える合成ガスを処理するためのプラント構成および方法であって、第1セクションで硫化水素が除去され、第2セクションで二酸化炭素が除去される構成および方法を対象としている。ここで企図されたセクションは、それぞれの酸性ガスの成分を吸収するために単一の溶媒あるいは別個の異なる溶媒が使用される吸収器を含む。H2S富溶媒は1つまたは複数のストリッピング塔で外部熱を使用して再生されることが好ましく、CO2富溶媒は溶媒を低圧にフラッシュすることによって再生されることが好ましい。特に好ましいプラントでは、H2Sの吸収はCO2の吸収の上流で実施される。
【0021】
合成ガス中の二酸化炭素濃度が比較的低い場合(非シフト合成ガスなど)、H2S吸収器セクションとCO2吸収器セクションとの溶媒の循環および溶媒の種類は別個であってもよく、異なってもよい。他方、合成ガス中の二酸化炭素濃度が比較的高い場合(シフト合成ガスなど)、H2S吸収器セクションとCO2吸収器セクションとは、H2S吸収器セクションの溶媒循環がCO2吸収器セクションからCO2が溶解されかつH2Sが除去された貧溶媒を受け取るように、統合されている。したがって、このような状況の溶媒は同じであってもよい(即ち、CO2、COS、および/またはH2Sが特別に溶解(loading)されているかに関わらず、溶媒は同じ配合を有することになる。例えば、全面的にH2Sが溶解され、部分的にCO2が溶解されたN−メチル−ジエタノールアミン(MDEA)は、再生されたMDEAと、あるいはH2Sのない、部分的にCO2が溶解されたMDEAと同じ溶媒と考えられる)。
【0022】
このような構成および方法は、追加のエネルギーまたは材料を費やさずに多数の利点を実現することになることが認識されるべきである。例えばここで企図された構成および方法は、CO2排出物および硫黄排出物を大幅に軽減し、またはほとんど完全に排除しながら、封鎖のためにCO2製造物を回収し、クリーンな発電のためにH2を製造する。合成ガスがシフトされていない場合、H2S吸収器への溶媒の流れは、排ガス吸収器の塔底ストリームの少なくとも一部を半貧溶媒として利用することによって低減されてもよい。CO2封鎖のために処理排ガスを圧縮することによって、実質的に全ての炭素が捕捉され得ることもまた認識されるべきである。
【0023】
ここで特に企図された構成では、合成ガスが連続した2つの、好ましくはH2S選択的である、中間のCOS加水分解ステップを備える吸収ステップで処理される。次いで残留H2Sが下流のH2Sスカベンジャ床によって除去されて、総硫黄含有量が50ppmv〜100ppmv未満、より典型的には10ppmv未満、最も典型的には4ppmv未満の処理ガスを製造する。合成ガスがシフトされていない場合、COS加水分解ユニットはシフトユニットに組み合わされてもよいことが認識されるべきである。他方、合成ガスが既にシフトされている場合、脱硫セクションにおけるCO2の吸収は、H2S吸収器内でCO2溶解された溶媒を使用することによって低減されることができ、これが溶媒の循環をさらに軽減する。このような方法および構成では、H2S吸収器からのH2S溶解富溶媒は2つのストリッピングステップで再生されることが一般的に好ましい。第1のストリッピングステップは、ストリッピングガス(N2またはH2など)を使用して、共吸収されたH2を回収し、富溶媒のCO2含有量を低減し、第2のストリッピングステップは、富溶媒をさらに加熱して再生することによって、酸性ガスが除去された貧溶媒とH2S濃度の高い酸性ガスとを製造する。
【0024】
ここでさらに企図された態様では、H2S吸収器からの脱硫合成ガスは、好ましくは再生された溶媒によってCO2吸収ステップで処理され、そのようにしてCO2溶解富溶媒を製造する。次いでこのように形成された富溶媒は、様々な圧力のフラッシュ再生によって再生される。このようなプロセスはほぼ全てのCO2を除去し、CO2含有量の極めて低い(典型的には2モル%未満、より典型的には1モル%未満)H2製造物と、H2S含有量の低い(典型的には100ppm未満、最も典型的には10ppm未満)CO2製造物とを製造する。これはパイプラインでの移送に安全である。さらに、フラッシュプロセスでの水力タービンの使用は、循環ポンプによって必要とされる動力の少なくとも一部を回収すると同時に、溶媒を冷却することが認識されるべきである。したがって、溶媒の冷却要件が大幅に低減し(少なくとも50%、より典型的には少なくとも70%、最も典型的には少なくとも80%など)、場合によってはほとんど完全になくなる。
【0025】
シフト合成ガスを処理する1つの例示的な構成が図2に表されている。ここでは、典型的には、700psigから900psigの、周囲温度(約75°Fなど)のガスストリーム1が、CO2溶解貧溶媒ストリーム9を使用して第1吸収器50内で処理されて、H2S富塔底ストリーム4と、H2Sが除去された塔頂(overhead)ストリーム6とを製造する。第2吸収器52から製造されたH2S半貧溶媒、即ちストリーム7は、ストリーム26およびポンプ53を介して第1吸収器の上方セクションに送られて、溶媒の循環を軽減する。第1吸収器からの富溶媒は水力タービン54(または代替え的にJT弁など)を介して圧力降下され、ストリーム49を介して交換器75内で、典型的には150から300psigで加熱され、ストリーム10を介して分離器57に送られる。フラッシュされた蒸気ストリーム48は圧縮機56内で圧縮され、ストリーム2として第1吸収器へと経路付される。フラッシュされた液体ストリーム45は第1ストリッパ55に送られ、これが富溶媒内のH2S含有量を濃縮し、共吸収されたH2を回収する。典型的には、ストリッパ55は、典型的には空気分離プラントからの排副製造物であるN2などの不活性ガス11を使用する。場合によっては、第1ストリッパのストリッピング効率を補うために、第2ストリッパ(または他の源)からの貧溶媒からの廃熱を利用して、再沸器66が使用される。第1ストリッパ55は、塔頂ガスストリーム22を製造し、これがストリーム48と組み合わされてストリーム40を形成し、これが圧縮機56によって圧縮され、第1吸収器50へと戻される。本明細書では、数と組み合わされた「約」という用語は、その数の+/−10%(全てを含む)の範囲を指す。例えば「約200psia」という用語は、180psiaから220psiaの全てを含む範囲を指す。同様に、約−40°Fという用語は−44°Fから−36°Fの温度範囲を指す。
【0026】
第1ストリッパの塔底ストリーム12は、減圧弁56を介して圧力降下されて、大気圧力に近い圧力のストリーム13を形成する。ストリーム13は交換器58に送られて、典型的には約200°Fから280°Fのストリーム14を形成する。熱い富溶媒は第2のストリッパ59を使用して再生され、これは再沸器61で再沸騰され、大気冷却器60で還流される。冷却器60は、ノックアウトドラムおよびポンプ(図示せず)を備えて外部に取り付けられることが可能であることに留意されたい。第2ストリッパは、典型的には50モル%を超える(乾量基準で)H2Sを備える酸性ガスストリーム15を製造する。これは硫黄プラントへの供給ガスとして適している。再生された溶媒16はポンプ62によってポンピングされ、ストリーム17、46、18、および41を介して交換器58、66、75、および90で冷却されて、貧溶媒ストリーム43を形成し、これがCO2吸収器68に送られる。最も典型的には、シフト合成ガスは主にH2、CO2、CO、H2S、COSを備え、以下の表1で示される組成を有する。
【表1】

【0027】
適切な溶媒に関しては、溶媒の性質はこのような構成において大幅に変化してもよいことが認識されるべきである。しかし、特に好ましい溶媒には、ポリエチレングリコール、プロピレンカーボネート、MDEAなどのジアルキルエーテルを含むものが含まれる。同様に、硫黄スカベンジャに関しても、硫黄スカベンジャの種類が変化してもよいことが一般的に好ましい。しかし、スカベンジャはH2Sのレベルを典型的には4ppmv未満、最も典型的には1ppmv未満まで低減し、そのようにしてH2Sがほとんど完全に除去されたH2製造物およびCO2製造物を作り出すことが好ましい。例えば、適切な硫黄スカベンジャには、金属酸化物(酸化鉄、酸化亜鉛など)および/または非特異的な吸収剤(分子篩など)を含むものが含まれる。
【0028】
ある種の溶媒(特に物理的溶媒)によるCOSの吸収が、困難かつ不完全である場合が多く、典型的にはCOSの約33%しか除去されないことをさらに留意されたい。その結果、第1吸収器50からの残留COSは、ストリーム6を介してCOS加水分解ユニット51に送られる。COSの加水分解反応は、以下の化学反応式によって、特にH2Sが除去された環境で効果的である。
COS+H2O⇔H2S+CO2
【0029】
COSが除去されたストリーム24(ストリーム1と比較してH2S濃度が低い)は、第2吸収器52内で、CO2溶解溶媒ストリーム5でさらに処理されて、H2Sがさらに除去された合成ガスストリーム25とH2S半貧塔底ストリーム26とを製造する。ストリーム25(またはストリーム25の少なくとも一部)は硫黄スカベンジャ床67内で処理される。硫黄スカベンジャ床67は、残留したH2SとCOSを極めて低いレベル、典型的には1ppmv未満まで効果的に除去することが可能である。処理されたガスストリーム27は、交換器64内でさらに冷却されてストリーム21になり、典型的には約30°Fから50°Fのストリーム28を形成する交換器63に送られて、CO2吸収器68に送られる。CO2吸収器は、貧溶媒ストリーム5およびストリーム29で洗浄されて、CO2溶解富溶媒ストリーム19とCO2が除去された塔頂蒸気、即ちストリーム30を製造する。塔頂蒸気30は、ストリーム20、即ちH2製造物を製造する交換器64内で加熱される。全体的な溶媒の循環を軽減するために、CO2溶解溶媒ストリーム3の一部がポンピングおよび冷却されて(ポンプ80および冷却器81を介して)、吸収器へのCO2溶解溶媒として使用される。
【0030】
CO2富溶媒の残りの部分、即ちストリーム8は、水力タービン69内で圧力降下されて、典型的には200psigから400psigのストリーム31を形成する。水力タービンによって生成される動力は、貧溶媒ポンプ77によって必要とされる動力の少なくとも一部を供給するのに使われる。フラッシュドラム70は、分離器ガスストリーム33とフラッシュされた液体ストリーム32とを製造する。フラッシュされたガスは、圧縮CO2製造物44を形成するCO2圧縮機78の高圧段に送られ、フラッシュされた液体は、水力タービン71内でさらに圧力降下されて、典型的には60psigから200psigのストリーム34を形成する。フラッシュドラム72は、分離ガスストリーム36とフラッシュされた液体ストリーム35とを製造する。フラッシュされたガスはCO2圧縮機78の中圧段の吸入口に送られ、フラッシュされた液体は、弁73を介してさらに圧力降下されて、大気圧または真空圧のストリーム37を形成する。フラッシュドラム74は大気圧および/または真空圧の蒸気ストリーム38とフラッシュされた液体ストリーム42とを製造し、液体ストリーム42はポンプ77によってさらにポンピングされて、貧溶媒ストリーム29を形成する。水力タービンと、CO2を低圧でフラッシュすることの冷却効果とを使用すると、溶媒の自己冷却が生じて冷却の必要性がなくなることが認識されるべきである。
【0031】
図2で表された構成と同様に、非シフト合成ガスを処理するための方法および構成が使用されてもよい。1つの例示的なこのような構成が図3に表されている。典型的な非シフトガスの組成が以下の表2に示される。
【表2】

【0032】
この構成では、水シフト反応器は第1吸収器の下流に位置付けられている。処理された合成ガスのシフト反応は、水シフト反応を使用して、以下の化学反応式によって、CO含有量のほとんどをH2およびCO2に変換する。
CO+H2O⇔H2+CO2
【0033】
シフト反応器はまた、以下の化学反応式によって、COSのほとんどをH2Sに変換する。
COS+H2O⇔H2S+CO2
【0034】
表2で述べられたように、非シフト合成ガス、即ちストリーム1のCO2含有量はシフトガスの場合よりも著しく小さい。非シフト合成ガスのCO2対H2Sのモル比が小さいことから、溶媒によるCO2の共吸収が著しく小さくなる。その結果、H2S濃縮のために第1ストリッパを使用することと、H2S吸収のためにCO2溶解溶媒を使用することは典型的には必要なくなる。さらに、H2SとCO2の吸収が別個であることが可能であり、異なった種類の溶媒が使用され得ることによって、この構成を既存の硫黄除去ユニットをCO2封鎖用に改良するのに特に適したものにしている。この結果、ストリッパ59によってH2S吸収8用の再生成溶媒がもたらされ、図2のストリーム3は存在しない。さらに、図2のストリーム45は、ストリーム13/14として図3内のストリッパ59に直接経路付けされる。この構成では、酸性ガスストリーム15のH2S含有量は典型的には60%を超える(乾量基準で)。残りの構成要素および構成については、図2と同様の項目について、同じ考察および企図が図3にも当てはまる。
【0035】
ここで企図された方法および構成は、硫黄プラントと排ガスユニットが統合された図4で示されるように、H2S選択的化学溶媒(MDEAなど)を使用して非シフト合成ガスを処理することにも適用可能である。この構成では、第1のH2S吸収器と第2のH2S吸収器は、図3の構成と類似の全体構成において、CO2よりも優先的にH2Sを吸収する化学的溶媒で洗浄される。MDEAの選択的吸収は、典型的には、吸収器内の低い貧アミン温度と短い接触時間とによって促進される。最も典型的には、吸収器内のCO2低下は約30%から50%であって、その結果、約30%から50%(乾量基準)のH2Sを含む酸性ガスストリーム15が生じる。フラッシュドラムからのストリーム40は吸収器に再循環され得、または下流の燃焼プロセス内で燃料として使用され得る。
【0036】
再生器59からの酸性ガスストリームは、硫黄プラント150内でさらに処理されるが、硫黄プラント150は、硫黄変換のために空気分離プラントからの酸素を使用することが好ましい。酸素が吹き込まれた硫黄プラントを使用することによって、硫黄プラントの大きさは小さくなり、排出ストリーム100は主にCO2を含み、他の汚染物質(N2など)が除去され、その結果、CO2の封鎖に適したものとなる。ストリーム100は、排ガスユニット151の触媒を使用して水素添加されて、残留酸化硫黄をH2Sに変換し、そのようにしてストリーム101を製造することが好ましい。水素添加ガスのH2S含有量は、ポンプ62およびストリーム17を介して、再生器59からの貧溶媒の一部を使用して、排ガス吸収器153内で洗浄される。貧アミンストリーム103は冷却器155内で約80°Fに冷却されて、ストリーム107を形成し、排ガス吸収器153に送られる。排ガス吸収器は、典型的には、約12から16のトレイを含み、200ppmv未満のH2S含有量を備える塔頂物ストリーム152を製造する。排ガス吸収器内のCO2除去は、典型的には80%から90%である。ほぼ純粋なCO2を含む塔頂物ストリーム152は、CO2圧縮機78内でさらに圧縮されて、CO2製造物ストリーム44の一部を形成する。パイプラインでの移送用に、寒冷気候の動作でのパイプラインの腐食を最小限に抑えるために、脱水ユニット(図示せず)が加えられてもよい。これらの方法および構成では、合成ガスプロセスで作り出されたほぼ全てのCO2が、CO2封鎖のために回収されることが認識されるべきである。別法として、排ガス吸収器の塔頂ガスは、硫黄分解のために焼却炉に送られ、その後大気に放出され得る。
【0037】
排ガス吸収器の塔底ストリーム104は、ポンプ154によってポンピングされて、ストリーム105を形成し、半貧アミンとして第1吸収器に送られる。ストリーム105は、第1吸収器内での酸性ガスの吸収を高めるためにさらに冷却され得る(図示せず)。半貧アミンを使用することによって、貧アミン流量(ストリーム8)と再生再沸器61の効率とが著しく軽減する。CO2吸収器セクションについては、エネルギーの節約のために、プロピレンカーボネートとポリグリコールのエーテルとなどの物理的溶媒の使用がアミンよりも好まれる。図2および図3で先に述べられたフラッシュ溶媒再生の同じ方法がここでも適用可能である。図4に提示された排ガスユニットおよび吸収器の構成が、図2の先に述べられた構成に適用可能であることにも留意されたい。残りの構成要素および構成については、図3と同様の項目について、同じ考察および企図が図4にも当てはまる。
【0038】
合成ガスからのCO2およびH2製造の具体的な実施形態および用途が以上に開示された。しかし、当業者には、ここで既述されたものとは別のより多くの修正形態が、本明細書の発明概念から逸脱せずに可能であることが明らかであろう。したがって、本発明の主題が、ここに添付された請求項の精神において以外で限定されることはない。さらに、本明細書および請求項のいずれをも解釈する際には、全ての用語は、文脈と整合する限り最も広い意味に解釈されるべきである。特に、「備える」および「備えている」という用語は、非排他的な意味でここに言及された要素、構成要素、またはステップを指すものとして、ここではっきりと言及されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在し、利用され、または組み合わされてもよいことを示すものとして解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスを製造するように構成されるガス化ユニットと、
合成ガスを受け取るようにガス化ユニットに流体結合され、主吸収器、COS加水分解ユニット、および副吸収器を含む脱硫セクションであって、
主吸収器はCOS加水分解ユニットの上流にあり、COS加水分解ユニットは副吸収器の上流にあり、
主吸収器および副吸収器は合成ガスからH2Sを第1溶媒で吸収することによって脱硫合成ガスを製造するように構成される、脱硫セクションと、
脱硫合成ガスを受け取るように脱硫セクションに流体結合され、脱硫合成ガスからCO2を吸収しかつ第2溶媒を使用してH2製造物ストリームを製造するように構成されるCO2吸収器を備える脱炭セクションとを備えるプラントであって、
脱硫セクションは、ストリッピングによって第1溶媒を再生するように構成され、脱炭セクションは、フラッシングによって第2溶媒を再生するように構成される、プラント。
【請求項2】
主吸収器および副吸収器が、副吸収器からの塔底流体を半貧溶媒として主吸収器の中間位置に送ることを可能にするように構成される、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
脱硫セクションと脱炭セクションとの間に流体結合されたH2Sスカベンジャユニットをさらに備える、請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
脱炭セクションが、CO2吸収器内への進入の前に、第2溶媒に対する全ての冷却要件を満たすのに充分な程度まで第2溶媒のフラッシングを可能にするように構成される、請求項1に記載のプラント。
【請求項5】
脱炭セクションが、第2溶媒の圧力低下による動力を第2溶媒の溶媒ポンプに供給するように構成される水力タービンを備える、請求項1に記載のプラント。
【請求項6】
脱炭セクションが、フラッシュされたCO2を、液状化と封鎖の少なくとも一方に適した圧力に圧縮することを可能にするように構成される圧縮機をさらに備える、請求項1に記載のプラント。
【請求項7】
ガス化ユニットが、シフト合成ガスを製造するように構成され、第1溶媒と第2溶媒は同じであり、脱硫セクションと脱炭セクションとの間で循環される、請求項1に記載のプラント。
【請求項8】
CO2吸収器が、CO2吸収器からCO2濃度の高い第2溶媒の一部を、主吸収器と副吸収器の少なくとも一方に送ることを可能にするように、主吸収器と副吸収器の少なくとも一方に流体結合されている、請求項7に記載のプラント。
【請求項9】
脱硫セクションが、第1ストリッピング塔および第2ストリッピング塔を備え、第1ストリッピング塔はH2S濃度の高い第1溶媒からH2を除去することを可能にするように構成される、請求項7に記載のプラント。
【請求項10】
第2ストリッピング塔が、第2ストリッピング塔からの再生された第1溶媒を貧溶媒としてCO2吸収器に送ることを可能にするように、CO2吸収器に流体結合された、請求項9に記載のプラント。
【請求項11】
第2ストリッピング塔に流体結合され、第2ストリッピング塔からH2S濃度の高い塔頂製造物を受け取るように構成される硫黄プラントをさらに備える、請求項10に記載のプラント。
【請求項12】
主吸収器に結合され、主吸収器の富溶媒からCO2を分離することを可能にするように構成される、拡張装置およびフラッシュ容器をさらに備える、請求項7に記載のプラント。
【請求項13】
ガス化ユニットが非シフト合成ガスを製造するように構成され、プラントは、主吸収器と副吸収器との間に流体結合されかつ主吸収器から部分的に脱硫された合成ガスを受け取るように構成されるシフト反応器をさらに備える、請求項1に記載のプラント。
【請求項14】
第1溶媒が化学的溶媒であり、第2溶媒は物理的溶媒である、請求項13に記載のプラント。
【請求項15】
主吸収器に結合されかつ主吸収器の富溶媒からCO2を分離することを可能にするように構成される拡張装置およびフラッシュ容器をさらに備える、請求項13に記載のプラント。
【請求項16】
フラッシュ容器が、フラッシュされた蒸気を主吸収器と燃焼器の少なくとも一方に送ることを可能にするように構成される、請求項15に記載のプラント。
【請求項17】
脱硫セクションに流体結合され、排ガスユニットから排ガスを排ガス吸収器に送ることを可能にするように構成される排ガス吸収器、硫黄プラント、および排ガスユニットをさらに備える、請求項13に記載のプラント。
【請求項18】
排ガス吸収器が、ストリッパから第1貧溶媒を受け取るように構成され、半貧溶媒を主吸収器に供給するようにさらに構成される、請求項16に記載のプラント。
【請求項19】
シフト合成ガスを製造するように構成されるガス化ユニットと、
合成ガスを受け取るようにガス化ユニットに流体結合され、主吸収器、COS加水分解ユニット、および副吸収器を含む脱硫セクションであって、
主吸収器はCOS加水分解ユニットの上流にあり、COS加水分解ユニットは副吸収器の上流にあり、
主吸収器および副吸収器は、合成ガスからH2Sを溶媒で吸収することによって脱硫合成ガスを製造するように構成される脱硫セクションと、
脱硫合成ガスを受け取るように脱硫セクションに流体結合され、脱硫合成ガスからCO2を吸収しかつ溶媒を使用してH2製造物ストリームを製造するように構成されるCO2吸収器を備える脱炭セクションとを備える合成ガス処理プラントであって、
溶媒は脱硫セクションと脱炭セクションとの間で循環される、合成ガス処理プラント。
【請求項20】
非シフト合成ガスを製造するように構成されるガス化ユニットと、
合成ガスを受け取るようにガス化ユニットに流体結合され、主吸収器、シフト反応器、COS加水分解ユニット、および副吸収器を含む脱硫セクションであって、
主吸収器はCOS加水分解ユニットの上流にあり、COS加水分解ユニットは副吸収器の上流にあり、
シフト反応器は、主吸収器と副吸収器との間に流体結合され、主吸収器から部分的に脱硫された合成ガスを受け取るように構成され、
主吸収器および副吸収器は合成ガスからH2Sを第1溶媒で吸収することによって脱硫合成ガスを製造するように構成される、脱硫セクションと、
脱硫合成ガスを受け取るように脱硫セクションに流体結合され、脱硫合成ガスからCO2を吸収しかつ第2溶媒を使用してH2製造物ストリームを製造するように構成されるCO2吸収器を備える脱炭セクションとを備える、合成ガス処理プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−519387(P2010−519387A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550932(P2009−550932)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/002387
【国際公開番号】WO2008/103467
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(506354434)フルオー・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (35)
【Fターム(参考)】