ガス抜き可能なエアゾール容器
【課題】確実に機能するガス抜き機構付きのエアゾール容器を提案する。
【解決手段】上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、この容器体の胴部3上端に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、蓋板26の下方折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接することが可能に構成した。
【解決手段】上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、この容器体の胴部3上端に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、蓋板26の下方折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接することが可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス抜き可能なエアゾール容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアゾール容器を安全に廃棄するため、ガス抜き機構を備えることが要望されている。エアゾールガスの噴霧方法としては、ステムを押下げるタイプと、ステムを傾斜させるタイプとがあり、それぞれにガス抜き機構が提案されている。前者の場合には、例えば容器体の上部に嵌合するキャップの頂壁の一部を、切込み線穿設により内方へ折り返し可能な蓋に形成し、その蓋の先端をステムに当接して押下げ状態を維持するものがある(特許文献1)。後者の場合には、ステムの先端から起立したノズル筒の下端と、エアゾール容器の上端外周部に嵌合したカバー筒との間にノズル筒を傾斜した状態で支える固定手段を設けたものがある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−168356
【特許文献2】特開2007−197048
【特許文献3】特開平10−029658
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のものでは、キャップの頂壁に形成した蓋板を折り返し、蓋板の先端でステムの上端開口を押し下げるように構成している。この場合に、蓋板を垂直に折り返してステム上端に当接させると、開口部をふさいでしまうので、蓋板が斜めになった状態でステム先端に係合するように設計されているが、これではガス抜き状態で外力が作用したときに外れてしまうおそれがあり、またエアゾールの種類によってはゾルが蓋板の先端に付着してしまう可能性がある。
【0004】
特許文献2のものでは、ステムにノズルを嵌合したタイプのものにしか適用することができず、設計上の自由度が少ない。例えば最近のエアゾール容器では、ステムの先端に頭皮マッサージ用の複数の突起を具備したアタッチメントを取り付ける場合があり(特許文献3)、こうした場合を含む各種用途に使用できることが望ましい。
【0005】
本発明は、ガス抜きを確実に行うことができるガス抜き機構付きのエアゾール容器を提案することを目的とし、併せてこうした容器であって、特定の用途に限定されずに使用できるもの、安全に使用できるものを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、ガス抜き可能なエアゾール容器であり、
上面から上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、
この容器体の胴部3に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、
上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、
上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、
この下方への蓋板26の折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接し、上記基台12及びステム4の傾斜又は押下げ状態を維持することが可能に構成している。
【0007】
本手段では、ステムに付設した基台から起立する突子を介して、キャップの蓋板に対してステムを押下げ、或いは傾動させるエアゾール容器を提案している。
【0008】
「蓋板」は、キャップの頂壁に下方への折り返し可能に形成されており、突子の上部を下方に押し下げる押圧板としての機能を有する。蓋板は一つでもよく、複数あってもよい。
【0009】
「固定手段」は、蓋板の下方折り返し状態を維持する手段である。例えばキャップ頂壁の裏面から係止板を垂下し、この係止板との間で蓋板を着脱自在に固定するようにしてもよい。
【0010】
「補助部材」は、ステムに取り付けられ、ステムを上下動又は傾動させるためのアタッチメントである。補助部材は、ステムへ取り付けるための基台を有する。「台」とは物を上に乗せる(突子を上に形成する)ための平らなものという程度の意味であり、水平板状のものが普通であるが、これに限定されない。例えばステムから左右水平方向に延びるアーム状とし、このアームから突子を起立しても構わない。
【0011】
「突子」は、基台と蓋板との間に介在して蓋板の押下げ力を基台へ伝達する機能を有する。好適な図示例では、突子を縦棒状(乃至ロッド状)に形成しているが、この構造には限定されない。上記機能を実現するため、上下方向にある程度の長さがあり、かつ押下げ力を伝達できる程度の強度を有していれば、どのような形でもよい。また突子は1本でもよいが、複数本設けてもよい。これら突子は軟材質で形成することができる。突子はブラシの櫛歯を兼用してもよい。
【0012】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記蓋板26を、頂壁の内側の屈折線30と各屈折線30の両端と連続するU字形の切込み線28とで囲まれる前後一対の蓋板とし、
これら蓋板26を下方への折り曲げた状態で各蓋板の対向部分の一方から大径筒34を、他方から小径筒36をそれぞれ突設し、これら両筒を相互に嵌合させることで上記固定手段32として各蓋板の折曲げ状態を維持するように設け、かつ上記ステム4から2枚の蓋板26間の間隙48内へエアゾールガスを吹き込むように構成している。
【0013】
本手段では、蓋板を2枚設け、それらが互いに支えあって下方への折り曲げ状態を維持するように、両蓋板間に固定手段である大径筒及び小径筒を形成している。このような構成とすることの理由は次の通りである。
【0014】
第一に、蓋板が一枚のみに比較して突子が接触し得る面積を広くとることが可能となることである。これによりキャップの向き如何によらず突子との当接が確実となる。
【0015】
第二に、ガス抜きの際にエアゾールガスが外部に直接噴き出すことを防止することである。即ちステムから噴き出したエアゾールガスは、2枚の蓋板と蓋板間の頂壁部分とで囲われる空間内に入り、キャップ内で対流した後にキャップ頂壁側から外へ流れ出す。これにより利用者の衣服にガスが付着するようなことを避けることができる。
【0016】
「蓋板」は、頂壁の一部として形成されており、これら蓋板を押し込むことで突子を介してステムを押し下げるという機能、及び押し込み後に蓋板形成箇所に排気口を開口するという2つの機能を有する。「U字形」とは屈接線の両端を結ぶ形状であり、図示例に示すような弧形状を含む。「切込み線」は、蓋板の押下げにより破断可能な破断線を含む。
【0017】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成し、この押圧手段で左右一対の突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を押し下げるようにしている。
【0018】
本手段では、蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段を設けることで突子を左右均等に押し下げ、基台及びステムを下降させることを提案している。ステムの上下動により作動するタイプのエアゾール容器に適している。
【0019】
第4の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成し、この押圧手段で突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を傾動させるようにしている。
【0020】
本手段では、蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段を設けることで突子を左右不均等に押し下げ、基台及びステムを傾斜させることを提案している。ステムの傾動により作動するタイプのエアゾール容器に適している。
【0021】
第5の手段は、第2の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
上記突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成し、
この邪魔板は蓋板26の下方折曲げ状態で前後方向から見て、右下又は左下にふくらんだ円弧形状としている。
【0022】
本手段では、押圧手段として邪魔板を設けることで突子との接触面積を広くしている。エアゾール容器はステムが僅かに押下げられ、或いは傾いたときでもエアゾールガスを噴出するように構成されているが、それだからといって、キャップを容器体に嵌合させたときに蓋板の先端が突子に僅かに押し下げられるように設計してしまうと、キャップの向きや成形誤差などにより、十分な押下げ量が得られない可能性がある。そこで本発明では、上述のように屈曲可能な突子が円弧状の邪魔板の何れの場所に突子が当たっても、ステムを下降又は傾動させることができるようにしている。
【0023】
また本手段では、突子を屈曲可能な弾性材料で形成することで、突子の形状を左右外方にそらせて曲げることで、容器やブラシの上下のばらつきを吸収し、容器とキャップの嵌合を安定化させている。
【0024】
第6の手段は、第3の手段から第5の手段のいずれかを有し、かつ
上記基台12の上面内周部から複数の突子14を起立し、これら突子を相互に離して周方向に配置している。
【0025】
本手段によれば、上記突子14を少なくとも周方向に形成して、キャップの周方向の位置決めを不要としている。
【0026】
第7の手段は、第1の手段から第6の手段を有し、かつ
上記基台12の全体に頭皮タッチ用のブラシとして突子14を点在させている。
【0027】
このような構成とすることで頭皮のマッサージに利用することができる。
【発明の効果】
【0028】
第1の手段に係る発明によれば、突子及び基台を介してステムを押し下げるようにしたから、ステムの上端に蓋板を当接するタイプのものに比べて、確実にガス抜きを行うことができる。
【0029】
第2の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○蓋板を前後一対に形成し、これら蓋板を下方への折り返し状態で固定したから、突子との接触可能な面積を大きくすることができ、ステムの押下げを確実とすることができる。
○2枚の蓋板間にエアゾールガスを吹き込むようにしたから、ガス抜きの際にガスの噴流が直接外部に噴き出すことを防止できる。
【0030】
第3の手段に係る発明によれば、前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成したから、ステムの押下げにより作動するタイプのエアゾール容器のガス抜きに適している。
【0031】
第4の手段に係る発明によれば、上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成したから、ステムの傾動により作動するタイプのエアゾール容器のガス抜きに適している。
【0032】
第5の手段に係る発明によれば、次の効果が得られる。
○突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成したから、突子の長さや位置の成形誤差により、突子への押圧手段の圧接が不十分となることがなく、高い信頼性が得られる。
○突子14の屈曲変形により、容器やブラシの上下のばらつきを吸収し、容器とキャップの嵌合を安定化させることができる。
【0033】
第6の手段に係る発明によれば、容器体に対してキャップを特定方向にセットしなくてもよく、位置決めが不要なので使い勝手がよい。
【0034】
第7の手段に係る発明によれば、突子を頭皮タッチ用のブラシとしたから、頭皮にマッサージをしながらエアゾールを噴出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1から図8は、本願発明のガス抜き可能なエアゾール容器の第1実施形態を示している。このエアゾール容器は、容器体2と、装着筒8と、補助部材10と、キャップ20とで構成されている。
【0036】
容器体2は、図示の例において、胴部3から肩部を介して外側への巻返しのリム(図示せず)を形成した缶タイプのものであり、リム内方の上端部からステム4を起立している。本実施形態においてステムは上方付勢させて押下げ可能に設けており、この押下げによりエアゾールガスを噴き出すように設計している。
【0037】
装着筒8は、容器体2のリムに筒壁下端を嵌合させて起立している。図示の装着筒は、上半部小外径に形成している。
【0038】
補助部材10は、上記ステム4に付設した基台12と、この基台の上面から起立した複数本の突子14とを有する。
【0039】
上記基台12は、ステム4と連動して上下動可能とし、基台の外面は装着筒内面により上下方向に案内されている。ステム4は基台12を貫通して上端開口部を基台上方に露出している。基台12は平面視円盤状に形成されているが、その構造は適宜変更することができる。
【0040】
上記突子14は、ブラシとして軟材質で形成している。図示の突子は、図1に示す如く基台の上面内周部及び外周部にそれぞれ等間隔を存して植設している。図8に示す如く本実施形態のうち基台の押下げに寄与するのは、内周側の突子14Aのみであり、外周側の突子14Bは単にブラシとしてのみ用いられる。
【0041】
キャップ20は、頂壁22から垂下する周壁24の下端を、容器体の胴部上端に周設した浅い凹部に嵌合させている。上記頂壁には、前後一対の蓋板26を形成する。具体的には、キャップの頂壁外周部22aと、頂壁の左右中間の帯状部分22bとを除いて蓋板26に形成している。頂壁外周部22aと蓋板26との間には切込み線28を、また帯状部分22bと蓋板との間には屈折線30をそれぞれ形成している。さらにキャップ20は、固定手段32と押圧手段38とを有する。
【0042】
上記固定手段32は、2枚の蓋板の下方折曲げ状態を維持するように構成する。図示例では、2枚の蓋板のうち下方への折曲げ状態で対応する二箇所内面から、この状態で相互に嵌合可能な大径筒34及び小径筒36を突出し、これら両筒で固定手段32を形成している。
【0043】
上記押圧手段38は、蓋板の左右にそれぞれ設けており、各押圧手段は、前後一対の邪魔板40からなる。これら邪魔板は、上記両蓋板26の前後両縁には、平面視円弧状の垂直板として形成されている。蓋板を折り曲げた後には、頂壁の蓋板形成箇所に図6に示す如く排気口42が開口される。これら各蓋板の右側の邪魔板と左側の邪魔板と間には図7に示すガス流路44を形成するための間隙を設けている。
【0044】
図示例では、両蓋板の邪魔板40は、左右方向の中心線に対して前後方向に線対称に、即ち、前蓋板の右邪魔板と後蓋板の右邪魔板とが、また前蓋板の左邪魔板と後蓋板の左邪魔板とが、下方への折曲げ状態で前方から見て相互に重なり合うように形成する。また各邪魔板40は頂壁の帯状部分の巾の半分の垂下長を有し、上記折曲げ状態で前側の邪魔板と後側の邪魔板との先端が衝合するように形成されている。これにより邪魔板の外面が突子との当接面46となる。もっとも前側の邪魔板と後側の邪魔板のうち一方を省略して他方を倍の垂下長としても構わない。
【0045】
上記構成において、図1及び図2の状態より、容器体2からキャップ20を外し、次に蓋板26を指で押下げ、押し下げることで、図6に示すように大径筒34と小径筒36とを相互に嵌合させ、2枚の蓋板26を合体させる。次にキャップ20に容器体2に嵌合させると、本願図8に示す如く上記邪魔板40の当接面46に突子の先端部が当たって同図に示す2本の突子を左右横外方へ屈曲する。この屈曲の反作用として、2本の突子及び基台に左右均等に押下げ力が作用する。これによりステムからエアゾールガスが噴出する。ステムから噴き出されたガスは、図8に示す左右邪魔板40間のガス流路44を経由し、頂壁の帯状部分22bと2枚の蓋板とで囲う間隙48中に入る。ガス流の勢いは頂板の帯状部分22bの裏面に当たることで勢いを失い、上記間隙内に停留したのち左右方向からキャップ内部の前後側に流れ、さらに図7に示す排気口42から外部へゆっくりと放出される。
【0046】
図9〜図16は、本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態において第1の実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、第1実施形態のステムの上下動によりガスを噴出する構成に代えてステムの傾動によりガスを噴出する構成に置き換えたことである。そして第1の実施形態の構成のうち各蓋板の左右の邪魔板のうち一方を省略している。
【0048】
このような構成とすることで、ガス抜きの際に図16に示す如く、突子が左右一方にのみ押し下げられ、ステム4が傾動する。これによりエアゾールガスを噴出し続けることができる。本実施形態の作用のうち第1実施形態と同じことに関しては、第1実施形態の記載を援用する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス抜き可能なエアゾール容器の平面図である。
【図2】図1の容器の前方から見た断面図である。
【図3】図1の容器の左右側方から見た断面図である。
【図4】図1容器の容器体の斜視図である。
【図5】図1容器のキャップの斜視図である。
【図6】図5のキャップの作用を示す図である。
【図7】図1容器の使用状態を示す図である。
【図8】図7と同じ使用状態を別の角度から見た図面である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るガス抜き可能なエアゾール容器の平面図である。
【図10】図9の容器の前後方向から見た断面図である。
【図11】図9の容器の左右方向から見た断面図である。
【図12】図9容器の容器体の斜視図である。
【図13】図9容器のキャップの斜視図である。
【図14】図13のキャップの作用を示す図である。
【図15】図9容器の使用状態を示す図である。
【図16】図15と同じ使用状態を別の角度から見た図面である。
【符号の説明】
【0050】
2…容器体 4…ステム 8…装着筒 10…補助部材 12…基台
14…突子
20…キャップ 22…頂壁 22a…外周部分 22b…帯状部分
24…周壁 26…蓋板 28…切込み線 30…屈折線
32…固定手段 34…大径筒 36…小径筒
38…押圧手段 40…邪魔板 42…排気口 44…ガス流路 46…当接面
48…間隙
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス抜き可能なエアゾール容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアゾール容器を安全に廃棄するため、ガス抜き機構を備えることが要望されている。エアゾールガスの噴霧方法としては、ステムを押下げるタイプと、ステムを傾斜させるタイプとがあり、それぞれにガス抜き機構が提案されている。前者の場合には、例えば容器体の上部に嵌合するキャップの頂壁の一部を、切込み線穿設により内方へ折り返し可能な蓋に形成し、その蓋の先端をステムに当接して押下げ状態を維持するものがある(特許文献1)。後者の場合には、ステムの先端から起立したノズル筒の下端と、エアゾール容器の上端外周部に嵌合したカバー筒との間にノズル筒を傾斜した状態で支える固定手段を設けたものがある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−168356
【特許文献2】特開2007−197048
【特許文献3】特開平10−029658
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のものでは、キャップの頂壁に形成した蓋板を折り返し、蓋板の先端でステムの上端開口を押し下げるように構成している。この場合に、蓋板を垂直に折り返してステム上端に当接させると、開口部をふさいでしまうので、蓋板が斜めになった状態でステム先端に係合するように設計されているが、これではガス抜き状態で外力が作用したときに外れてしまうおそれがあり、またエアゾールの種類によってはゾルが蓋板の先端に付着してしまう可能性がある。
【0004】
特許文献2のものでは、ステムにノズルを嵌合したタイプのものにしか適用することができず、設計上の自由度が少ない。例えば最近のエアゾール容器では、ステムの先端に頭皮マッサージ用の複数の突起を具備したアタッチメントを取り付ける場合があり(特許文献3)、こうした場合を含む各種用途に使用できることが望ましい。
【0005】
本発明は、ガス抜きを確実に行うことができるガス抜き機構付きのエアゾール容器を提案することを目的とし、併せてこうした容器であって、特定の用途に限定されずに使用できるもの、安全に使用できるものを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、ガス抜き可能なエアゾール容器であり、
上面から上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、
この容器体の胴部3に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、
上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、
上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、
この下方への蓋板26の折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接し、上記基台12及びステム4の傾斜又は押下げ状態を維持することが可能に構成している。
【0007】
本手段では、ステムに付設した基台から起立する突子を介して、キャップの蓋板に対してステムを押下げ、或いは傾動させるエアゾール容器を提案している。
【0008】
「蓋板」は、キャップの頂壁に下方への折り返し可能に形成されており、突子の上部を下方に押し下げる押圧板としての機能を有する。蓋板は一つでもよく、複数あってもよい。
【0009】
「固定手段」は、蓋板の下方折り返し状態を維持する手段である。例えばキャップ頂壁の裏面から係止板を垂下し、この係止板との間で蓋板を着脱自在に固定するようにしてもよい。
【0010】
「補助部材」は、ステムに取り付けられ、ステムを上下動又は傾動させるためのアタッチメントである。補助部材は、ステムへ取り付けるための基台を有する。「台」とは物を上に乗せる(突子を上に形成する)ための平らなものという程度の意味であり、水平板状のものが普通であるが、これに限定されない。例えばステムから左右水平方向に延びるアーム状とし、このアームから突子を起立しても構わない。
【0011】
「突子」は、基台と蓋板との間に介在して蓋板の押下げ力を基台へ伝達する機能を有する。好適な図示例では、突子を縦棒状(乃至ロッド状)に形成しているが、この構造には限定されない。上記機能を実現するため、上下方向にある程度の長さがあり、かつ押下げ力を伝達できる程度の強度を有していれば、どのような形でもよい。また突子は1本でもよいが、複数本設けてもよい。これら突子は軟材質で形成することができる。突子はブラシの櫛歯を兼用してもよい。
【0012】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記蓋板26を、頂壁の内側の屈折線30と各屈折線30の両端と連続するU字形の切込み線28とで囲まれる前後一対の蓋板とし、
これら蓋板26を下方への折り曲げた状態で各蓋板の対向部分の一方から大径筒34を、他方から小径筒36をそれぞれ突設し、これら両筒を相互に嵌合させることで上記固定手段32として各蓋板の折曲げ状態を維持するように設け、かつ上記ステム4から2枚の蓋板26間の間隙48内へエアゾールガスを吹き込むように構成している。
【0013】
本手段では、蓋板を2枚設け、それらが互いに支えあって下方への折り曲げ状態を維持するように、両蓋板間に固定手段である大径筒及び小径筒を形成している。このような構成とすることの理由は次の通りである。
【0014】
第一に、蓋板が一枚のみに比較して突子が接触し得る面積を広くとることが可能となることである。これによりキャップの向き如何によらず突子との当接が確実となる。
【0015】
第二に、ガス抜きの際にエアゾールガスが外部に直接噴き出すことを防止することである。即ちステムから噴き出したエアゾールガスは、2枚の蓋板と蓋板間の頂壁部分とで囲われる空間内に入り、キャップ内で対流した後にキャップ頂壁側から外へ流れ出す。これにより利用者の衣服にガスが付着するようなことを避けることができる。
【0016】
「蓋板」は、頂壁の一部として形成されており、これら蓋板を押し込むことで突子を介してステムを押し下げるという機能、及び押し込み後に蓋板形成箇所に排気口を開口するという2つの機能を有する。「U字形」とは屈接線の両端を結ぶ形状であり、図示例に示すような弧形状を含む。「切込み線」は、蓋板の押下げにより破断可能な破断線を含む。
【0017】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成し、この押圧手段で左右一対の突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を押し下げるようにしている。
【0018】
本手段では、蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段を設けることで突子を左右均等に押し下げ、基台及びステムを下降させることを提案している。ステムの上下動により作動するタイプのエアゾール容器に適している。
【0019】
第4の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成し、この押圧手段で突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を傾動させるようにしている。
【0020】
本手段では、蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段を設けることで突子を左右不均等に押し下げ、基台及びステムを傾斜させることを提案している。ステムの傾動により作動するタイプのエアゾール容器に適している。
【0021】
第5の手段は、第2の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
上記突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成し、
この邪魔板は蓋板26の下方折曲げ状態で前後方向から見て、右下又は左下にふくらんだ円弧形状としている。
【0022】
本手段では、押圧手段として邪魔板を設けることで突子との接触面積を広くしている。エアゾール容器はステムが僅かに押下げられ、或いは傾いたときでもエアゾールガスを噴出するように構成されているが、それだからといって、キャップを容器体に嵌合させたときに蓋板の先端が突子に僅かに押し下げられるように設計してしまうと、キャップの向きや成形誤差などにより、十分な押下げ量が得られない可能性がある。そこで本発明では、上述のように屈曲可能な突子が円弧状の邪魔板の何れの場所に突子が当たっても、ステムを下降又は傾動させることができるようにしている。
【0023】
また本手段では、突子を屈曲可能な弾性材料で形成することで、突子の形状を左右外方にそらせて曲げることで、容器やブラシの上下のばらつきを吸収し、容器とキャップの嵌合を安定化させている。
【0024】
第6の手段は、第3の手段から第5の手段のいずれかを有し、かつ
上記基台12の上面内周部から複数の突子14を起立し、これら突子を相互に離して周方向に配置している。
【0025】
本手段によれば、上記突子14を少なくとも周方向に形成して、キャップの周方向の位置決めを不要としている。
【0026】
第7の手段は、第1の手段から第6の手段を有し、かつ
上記基台12の全体に頭皮タッチ用のブラシとして突子14を点在させている。
【0027】
このような構成とすることで頭皮のマッサージに利用することができる。
【発明の効果】
【0028】
第1の手段に係る発明によれば、突子及び基台を介してステムを押し下げるようにしたから、ステムの上端に蓋板を当接するタイプのものに比べて、確実にガス抜きを行うことができる。
【0029】
第2の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○蓋板を前後一対に形成し、これら蓋板を下方への折り返し状態で固定したから、突子との接触可能な面積を大きくすることができ、ステムの押下げを確実とすることができる。
○2枚の蓋板間にエアゾールガスを吹き込むようにしたから、ガス抜きの際にガスの噴流が直接外部に噴き出すことを防止できる。
【0030】
第3の手段に係る発明によれば、前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成したから、ステムの押下げにより作動するタイプのエアゾール容器のガス抜きに適している。
【0031】
第4の手段に係る発明によれば、上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成したから、ステムの傾動により作動するタイプのエアゾール容器のガス抜きに適している。
【0032】
第5の手段に係る発明によれば、次の効果が得られる。
○突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成したから、突子の長さや位置の成形誤差により、突子への押圧手段の圧接が不十分となることがなく、高い信頼性が得られる。
○突子14の屈曲変形により、容器やブラシの上下のばらつきを吸収し、容器とキャップの嵌合を安定化させることができる。
【0033】
第6の手段に係る発明によれば、容器体に対してキャップを特定方向にセットしなくてもよく、位置決めが不要なので使い勝手がよい。
【0034】
第7の手段に係る発明によれば、突子を頭皮タッチ用のブラシとしたから、頭皮にマッサージをしながらエアゾールを噴出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1から図8は、本願発明のガス抜き可能なエアゾール容器の第1実施形態を示している。このエアゾール容器は、容器体2と、装着筒8と、補助部材10と、キャップ20とで構成されている。
【0036】
容器体2は、図示の例において、胴部3から肩部を介して外側への巻返しのリム(図示せず)を形成した缶タイプのものであり、リム内方の上端部からステム4を起立している。本実施形態においてステムは上方付勢させて押下げ可能に設けており、この押下げによりエアゾールガスを噴き出すように設計している。
【0037】
装着筒8は、容器体2のリムに筒壁下端を嵌合させて起立している。図示の装着筒は、上半部小外径に形成している。
【0038】
補助部材10は、上記ステム4に付設した基台12と、この基台の上面から起立した複数本の突子14とを有する。
【0039】
上記基台12は、ステム4と連動して上下動可能とし、基台の外面は装着筒内面により上下方向に案内されている。ステム4は基台12を貫通して上端開口部を基台上方に露出している。基台12は平面視円盤状に形成されているが、その構造は適宜変更することができる。
【0040】
上記突子14は、ブラシとして軟材質で形成している。図示の突子は、図1に示す如く基台の上面内周部及び外周部にそれぞれ等間隔を存して植設している。図8に示す如く本実施形態のうち基台の押下げに寄与するのは、内周側の突子14Aのみであり、外周側の突子14Bは単にブラシとしてのみ用いられる。
【0041】
キャップ20は、頂壁22から垂下する周壁24の下端を、容器体の胴部上端に周設した浅い凹部に嵌合させている。上記頂壁には、前後一対の蓋板26を形成する。具体的には、キャップの頂壁外周部22aと、頂壁の左右中間の帯状部分22bとを除いて蓋板26に形成している。頂壁外周部22aと蓋板26との間には切込み線28を、また帯状部分22bと蓋板との間には屈折線30をそれぞれ形成している。さらにキャップ20は、固定手段32と押圧手段38とを有する。
【0042】
上記固定手段32は、2枚の蓋板の下方折曲げ状態を維持するように構成する。図示例では、2枚の蓋板のうち下方への折曲げ状態で対応する二箇所内面から、この状態で相互に嵌合可能な大径筒34及び小径筒36を突出し、これら両筒で固定手段32を形成している。
【0043】
上記押圧手段38は、蓋板の左右にそれぞれ設けており、各押圧手段は、前後一対の邪魔板40からなる。これら邪魔板は、上記両蓋板26の前後両縁には、平面視円弧状の垂直板として形成されている。蓋板を折り曲げた後には、頂壁の蓋板形成箇所に図6に示す如く排気口42が開口される。これら各蓋板の右側の邪魔板と左側の邪魔板と間には図7に示すガス流路44を形成するための間隙を設けている。
【0044】
図示例では、両蓋板の邪魔板40は、左右方向の中心線に対して前後方向に線対称に、即ち、前蓋板の右邪魔板と後蓋板の右邪魔板とが、また前蓋板の左邪魔板と後蓋板の左邪魔板とが、下方への折曲げ状態で前方から見て相互に重なり合うように形成する。また各邪魔板40は頂壁の帯状部分の巾の半分の垂下長を有し、上記折曲げ状態で前側の邪魔板と後側の邪魔板との先端が衝合するように形成されている。これにより邪魔板の外面が突子との当接面46となる。もっとも前側の邪魔板と後側の邪魔板のうち一方を省略して他方を倍の垂下長としても構わない。
【0045】
上記構成において、図1及び図2の状態より、容器体2からキャップ20を外し、次に蓋板26を指で押下げ、押し下げることで、図6に示すように大径筒34と小径筒36とを相互に嵌合させ、2枚の蓋板26を合体させる。次にキャップ20に容器体2に嵌合させると、本願図8に示す如く上記邪魔板40の当接面46に突子の先端部が当たって同図に示す2本の突子を左右横外方へ屈曲する。この屈曲の反作用として、2本の突子及び基台に左右均等に押下げ力が作用する。これによりステムからエアゾールガスが噴出する。ステムから噴き出されたガスは、図8に示す左右邪魔板40間のガス流路44を経由し、頂壁の帯状部分22bと2枚の蓋板とで囲う間隙48中に入る。ガス流の勢いは頂板の帯状部分22bの裏面に当たることで勢いを失い、上記間隙内に停留したのち左右方向からキャップ内部の前後側に流れ、さらに図7に示す排気口42から外部へゆっくりと放出される。
【0046】
図9〜図16は、本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態において第1の実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、第1実施形態のステムの上下動によりガスを噴出する構成に代えてステムの傾動によりガスを噴出する構成に置き換えたことである。そして第1の実施形態の構成のうち各蓋板の左右の邪魔板のうち一方を省略している。
【0048】
このような構成とすることで、ガス抜きの際に図16に示す如く、突子が左右一方にのみ押し下げられ、ステム4が傾動する。これによりエアゾールガスを噴出し続けることができる。本実施形態の作用のうち第1実施形態と同じことに関しては、第1実施形態の記載を援用する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス抜き可能なエアゾール容器の平面図である。
【図2】図1の容器の前方から見た断面図である。
【図3】図1の容器の左右側方から見た断面図である。
【図4】図1容器の容器体の斜視図である。
【図5】図1容器のキャップの斜視図である。
【図6】図5のキャップの作用を示す図である。
【図7】図1容器の使用状態を示す図である。
【図8】図7と同じ使用状態を別の角度から見た図面である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るガス抜き可能なエアゾール容器の平面図である。
【図10】図9の容器の前後方向から見た断面図である。
【図11】図9の容器の左右方向から見た断面図である。
【図12】図9容器の容器体の斜視図である。
【図13】図9容器のキャップの斜視図である。
【図14】図13のキャップの作用を示す図である。
【図15】図9容器の使用状態を示す図である。
【図16】図15と同じ使用状態を別の角度から見た図面である。
【符号の説明】
【0050】
2…容器体 4…ステム 8…装着筒 10…補助部材 12…基台
14…突子
20…キャップ 22…頂壁 22a…外周部分 22b…帯状部分
24…周壁 26…蓋板 28…切込み線 30…屈折線
32…固定手段 34…大径筒 36…小径筒
38…押圧手段 40…邪魔板 42…排気口 44…ガス流路 46…当接面
48…間隙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面から上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、
この容器体の胴部3に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、
上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、
上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、
この下方への蓋板26の折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接し、上記基台12及びステム4の傾斜又は押下げ状態を維持することが可能に構成したことを特徴とする、ガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項2】
上記蓋板26を、頂壁の内側の屈折線30と各屈折線30の両端と連続するU字形の切込み線28とで囲まれる前後一対の蓋板とし、
これら蓋板26を下方への折り曲げた状態で各蓋板の対向部分の一方から大径筒34を、他方から小径筒36をそれぞれ突設し、これら両筒を相互に嵌合させることで上記固定手段32として各蓋板の折曲げ状態を維持するように設け、
かつ上記ステム4から2枚の蓋板26間の間隙48内へエアゾールガスを吹き込むように構成したことを特徴とする、請求項1記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項3】
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成し、この押圧手段で左右一対の突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を押し下げるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項4】
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成し、この押圧手段で突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を傾動させるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項5】
上記突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成し、
この邪魔板は蓋板26の下方折曲げ状態で前後方向から見て、右下又は左下にふくらんだ円弧形状としたことを特徴とする、請求項2から請求項4の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項6】
上記基台12の上面内周部から複数の突子14を起立し、これら突子を相互に離して周方向に配置したことを特徴とする、請求項3から請求項5記載の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項7】
上記基台12の全体に頭皮タッチ用のブラシとして突子14を点在させたことを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項1】
上面から上下動又は傾動可能なステム4を起立し、そのステムの上下動又は傾動によりステムの上端からエアゾールガスを噴出可能とした容器体2と、
この容器体の胴部3に下端部を嵌合させた有頂筒形のキャップ20と、
上記ステム4にこのステムと共に上下動又は傾動可能な基台12を連結し、その基台12の上面から適数の突子14を起立した補助部材10とを具備し、
上記キャップ20は、頂壁22の一部を、切込み線28と屈折線30とで囲われこの屈折線を中心とする下方へ折曲げの可能に設けた蓋板26とし、かつこの蓋板26を下方への折曲げ状態で維持する固定手段32を有しており、
この下方への蓋板26の折曲げ状態でキャップ20を容器体2に嵌合することで、蓋板26の先端側の部分が上記突子14を下方へ圧接し、上記基台12及びステム4の傾斜又は押下げ状態を維持することが可能に構成したことを特徴とする、ガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項2】
上記蓋板26を、頂壁の内側の屈折線30と各屈折線30の両端と連続するU字形の切込み線28とで囲まれる前後一対の蓋板とし、
これら蓋板26を下方への折り曲げた状態で各蓋板の対向部分の一方から大径筒34を、他方から小径筒36をそれぞれ突設し、これら両筒を相互に嵌合させることで上記固定手段32として各蓋板の折曲げ状態を維持するように設け、
かつ上記ステム4から2枚の蓋板26間の間隙48内へエアゾールガスを吹き込むように構成したことを特徴とする、請求項1記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項3】
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側に押圧手段38を形成し、この押圧手段で左右一対の突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を押し下げるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項4】
上記前後方向への回動可能な蓋板26の先端部の左右両側の一方に押圧手段38を形成し、この押圧手段で突子14を下外方へ押すことで、上記基台12及びステム4を傾動させるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項5】
上記突子14を屈曲可能な弾性材料で形成するとともに、上記押圧手段38を前後一対の蓋板26の先端部内面の一方或いは双方から突出する邪魔板40で形成し、
この邪魔板は蓋板26の下方折曲げ状態で前後方向から見て、右下又は左下にふくらんだ円弧形状としたことを特徴とする、請求項2から請求項4の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項6】
上記基台12の上面内周部から複数の突子14を起立し、これら突子を相互に離して周方向に配置したことを特徴とする、請求項3から請求項5記載の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【請求項7】
上記基台12の全体に頭皮タッチ用のブラシとして突子14を点在させたことを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載のガス抜き可能なエアゾール容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−107714(P2009−107714A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284521(P2007−284521)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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