説明

ガス抜き機構付き往復動ポンプ

【課題】吐出工程でのガスの発生とその移動過程より滞留する要因である吸入液通路および吐出液通路の口径をガス泡の口径より大きくし、さらに、滞留位置からガス泡を移動させ易くする。
【解決手段】ダイヤフラム室8と連通する上部ダイヤフラム通路と、ダイヤフラム室と連通する下部ダイヤフラム通路と、上部ダイヤフラム通路並びに下部ダイヤフラム通路のいずれの通路とも垂直に連結されて鉛直方向に連通するとともにその口径が前記いずれの通路の口径よりも大きいダイレクトポンプ通路と、ダイレクトポンプ通路の上端で連結される液を吐出する吐出弁26,28とダイレクトポンプ通路の下端で連結される液を吸入する吸入弁14,16と、吐出弁と水平方向に連結されるガス抜き弁34と、吸入弁と鉛直下方向に連結する吸入液通路10と、吐出弁と鉛直方向上向きに連結される吐出液通路12と、ガス抜き弁と連結されるガス抜き通路と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス抜き機構付き往復動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、往復動ポンプのうち特にゴム(隔膜)を用い、吸気弁・吐出弁を連動させ流体を供給・抽出するポンプであるダイヤフラムポンプは、定量性かつ無漏洩を達成することができるので、化学薬液を定量注入するために広く使用されている。この種のポンプは、ダイヤフラム室内で取扱い液中に気体が混在すると、この気体の膨張・圧縮のためにポンプ作用が低下して、定量注入ができなくなるという課題を有している。そこで、ダイヤフラムポンプ等ではガスがダイヤフラム室内に混入した場合は、手動または自動でガスを排出する構造・装置を有している。
【0003】
図1は、従来の手動ガス抜き機構付き往復動ポンプの要部を示す断面図である。図示しない往復駆動される駆動軸2の先端には、可撓性のダイヤフラム4が装着されている。ダイヤフラム4は、その全面中央部でポンプヘッド6との間にダイヤフラム室8を形成し、その周縁部がポンプヘッド6により保持されている。ポンプヘッド6には、ダイヤフラム室8から水平に伸びて鉛直下向きに延びる吸入液通路10と、ダイヤフラム室8から水平に伸びて鉛直上向きに延びる吐出液通路12とが形成されている。
【0004】
ポンプヘッド6の下端には、吸入液通路10と連通する2段の吸入弁14,16がOリング18を介して吸入弁固定ねじ20によって接続されている。吸入弁固定ねじ20の下端は吸入液の接続口22となっており、この接続口22に接続ナット24によって図示しない吸入ホースが接続され、図示しないタンクからの取扱い液をダイヤフラム室8の内部に導入するようになっている。一方、ポンプヘッド6の上端には吐出液通路12に連通する2段の吐出弁26,28がOリング30を介して吐出弁固定ねじ32によって接続されている。
【0005】
ガス抜き弁34は、次のように構成されている。即ち、ポンプヘッド6の側面に水平方向に刻設されて吐出弁28の側面と連通する貫通孔に中空のガス抜き弁34が二つのOリング36,38を介して挿入される。一方、吐出弁26の直上から延びる通路40が接続口42まで延びる。前記吐出弁固定ねじ32の外周にはユニオンナット43が装着固定される。
【0006】
以上のように構成する図1において、このガス抜き機構付き往復動ポンプは、接続口22に接続される図示しないホースが接続され、接続口22から入れられた吸入液は、吸入弁14,16を通過して吸入液通路10からダイヤフラム室8を通過して吐出液通路12を通り、吐出弁28でガス抜き弁34と通路40とに分岐する。通路40は接続口42に連通する。
【0007】
ここで、この経路の途中で発生したガスは、吸入液通路10とダイヤフラム室8と吐出液通路12から吐出弁28を介して、ガス抜き弁34を通過して外部へ放出される。
【0008】
たとえば、特許文献1は、ポンプの吐出側に自動ガス抜き構造を配置している。構造が簡単で、小型化及び低価格化を図ることができるガス抜き機構付き往復動ポンプを提供するものであり、ダイヤフラム室に臨む往復動部材の往復動によって吸入弁を介してダイヤフラム室内に液を導入し吐出弁を介して前記ダイヤフラム室から液を吐出すると共に、前記吐出弁の直後の通路を液吐出口まで水平に延びる吐出液通路と直上に延びるガス抜き通路とに分岐して、前記ガス抜き通路にガス抜き弁を配置したガス抜き機構付き往復動ポンプにおいて、前記吐出液通路に吐出時背圧を生じさせるためのチェッキ弁機構を介装し、前記ガス抜き弁は、1つのバルブボールとその上下に配置されたバルブシートとにより構成され、前記バルブボールと下側のバルブシートとは吸入ストローク時に液及び気体の外部からの漏れ込みを防止し、前記バルブボールと上側のバルブシートとは不完全シールを構成して吐出ストローク時に液及び気体を僅かに外部に排出可能にしたものである。
【0009】
【特許文献1】特許第2848807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
まず、図1の場合、本来は、全て途中でガスは滞留することなく、ガス抜き弁34から放出されるべきものであるが、実際には、吸入液通路10や、ダイヤフラム室8の上端や、吐出液通路12の途中に滞留することが多かった。
【0011】
ところが、特許文献1は、ガス抜きラインからは、構造上、常時微量液が漏れるように構成されている。この漏れの量が、ポンプが容積変化した量であり、取扱液の一部を漏らすことから、容積効率の低下を招く。
【0012】
一方、ダイヤフラム室に混在するガスは、ポンプの容積変化に伴って、膨張と圧縮を繰り返すことから、ガスの抜ける量は安定しない。特に注入点圧力が高い場合においては、圧縮したガスが自動ガス抜き機構に内蔵するチェッキ弁のバルブボールをガス吐出口側に押し付け、吸込み・吐出工程でのバルブボールの上下運動が小さくなる。この結果、ガス抜きラインの漏れ量が減少し、自動でガスを安定して抜くことが困難となる。
【0013】
自動ガス抜き構造は、一般的にチェッキ弁を内蔵する構造である。このチェッキ弁のチェッキ性能のばらつきによりガス抜きラインからの漏れ量は大きく変化することとなる。この漏れ量が大きすぎる場合は、容積効率が低下することでポンプの基本性能が損なわれる。
【0014】
自動ガス抜き付きポンプは、電磁駆動定量ポンプに使用されることが多い。この電磁駆動定量ポンプは、ストローク数とストローク長を変化させることで吐出量を調整できるよう構成される。
【0015】
しかし、ストローク数が小さい場合は、ガス抜きラインから漏れる液でダイヤフラム室の内圧が低下しすぎて、注入量が十分確保できないという課題が生じる。
【0016】
一方、ストローク長が短い場合は、自動ガス抜き付きポンプに内蔵されるチェッキ弁の漏れ量が減少して、ガス抜きは安定して行うことができないという課題を有することとなる。
【0017】
そこで、本発明はこのような課題の解決を図るためになされたもので、吐出工程でのガスの発生とその移動過程より滞留する要因である吸入液通路および吐出液通路の口径をガス泡の口径より大きくし、さらに、滞留位置からガス泡を移動させ易い構造を有する自動ガス抜き付き往復動ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るガス抜き機構付き往復動ポンプは、ダイヤフラム室に臨む往復動部材の往復動によってダイヤフラム室内に液を導入させるためにダイヤフラム室と連結されて前記ダイヤフラム室の往復動部材の往復軸より鉛直上側から連通する上部ダイヤフラム通路と、前記ダイヤフラム室と連結されて前記ダイヤフラム室の往復動部材の往復軸より鉛直下側から連通する下部ダイヤフラム通路と、前記上部ダイヤフラム通路並びに前記下部ダイヤフラム通路のいずれの通路とも垂直に連結されて鉛直方向に連通するとともにその口径が前記いずれの通路の口径よりも大きいダイレクトポンプ通路と、前記ダイレクトポンプ通路の上端で連結される前記液を吐出する吐出弁と前記ダイレクトポンプ通路の下端で連結される前記液を吸入する吸入弁と、前記吐出弁と水平方向に連結されるガス抜き弁と、前記吸入弁と鉛直下方向に連結する吸入通路と、前記吐出弁と鉛直方向上向きに連結される吐出通路と、前記ガス抜き弁と連結されるガス抜き通路と、とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明を実施することで、吐出工程でのガスの発生とその移動過程より滞留する要因である吸入液通路および吐出液通路の口径をガス泡の口径より大きくし、さらに、滞留位置からガス泡を移動させ易い構造を有するという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、この発明の実施形態例を、図2を用いて説明する。
【0021】
本発明の一実施例に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプについて、従来の自動ガス抜き付き往復動ポンプと同一の部品については、同一番号を付し、新たに従来のポンプと異なる構成について説明する。
【0022】
図2は、本発明の一実施例に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプのガス抜き弁と吸込弁を含む面で切断した縦断面図を示す。
【0023】
接続口22より吸入弁14,16までは、本発明の一実施例に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプは、図1に示す従来の往復動ポンプと同一の構成である。
【0024】
一方、本発明の一実施例に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプは、吸入弁16から吐出弁28までは、鉛直方向に他の通路より口径の大きなダイレクト通路50が設けられる。このダイレクト通路50は、その上端は、最上部の口径が最も細くなり円錐型状に小径化して前記吐出弁28と連通する。
【0025】
ダイレクト通路50の径が大きいことで、気泡の表面張力によって通路の表面に気泡が付着しにくくする効果が得られる。
【0026】
また、ダイレクト通路50は、その鉛直方向の上端が円錐型状に小径化となるテーパ部51が設けられることで、気泡が、通路内面に付着せずに、吐出弁28に抜け易い構造となる。
【0027】
一方、このダイレクト通路50は、2本の通路でダイヤフラム室8と連通する。1本の通路がダイヤフラム室8の頂部と連通する上部ダイヤフラム通路44であり、もう一方の通路がダイヤフラム室8の底部と連通する下部ダイヤフラム通路46である。ここで、ダイレクト通路50の口径と比較して上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46の口径が小さく、また、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46の口径はいずれも同じであることを特徴とする。
【0028】
また、下部ダイヤフラム通路46は、ダイヤフラム室8の底部との間にチェッキ弁52が設けられる。
【0029】
チェッキ弁52は、ダイヤフラム側には特に移動自由に構成され、ダイレクト通路50側にテーパ状のシート部56が設けられる。このチェッキ弁52により、下部ダイヤフラム通路46から気泡はダイヤフラム室8へ侵入せず、また、ダイヤフラム室8に一旦侵入した気泡は、上部ダイヤフラム通路44経由で排出される。
【0030】
次に、以上のように構成されたガス抜き機構付き往復動ポンプの動作について説明する。
【0031】
駆動軸2と共にダイヤフラム4が後退する吸入ストロークでは、吸入弁14,16、チェッキ弁52が開き、吐出弁26,28が閉じるので、図示しないタンクから接続口22、吸入弁14,16及びダイレクト通路50を介してダイヤフラム室8内に液が吸入され、下部ダイヤフラム通路46からダイヤフラム室8にも液が吸入される。このとき、吐出弁26,28は、バルブボール58,60が下側のバルブシート62,64に密着しているので、通路40,ガス抜き通路66内には外部から余分なガスや液は流入しない。
【0032】
このとき、吸入弁14,16を通過して流入した気泡は、ダイレクト通路50に沿って上昇し、ダイレクト通路50の上端で停止する。小径の気泡であれば、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46から流入して、ダイヤフラム室8の上端に集められる。
【0033】
次に、駆動軸1と共にダイヤフラム4が前進する吐出ストロークでは、吸入弁14,16、チェッキ弁52が閉じ、吐出弁26,28が開くので、ダイヤフラム室8内の液が吐出弁26,28を介して通路40側に吐出される。このとき、下部ダイヤフラム通路46のチェッキ弁52は、バルブボール48がシート部56に押し付けられるため、ダイヤフラム室8の液体は、下部ダイヤフラム通路46には吐出されない。
【0034】
ところで、このとき、ダイレクト通路50の上端に滞留する気泡は、吐出弁26,28を介して通路40側に放出される。
【0035】
また、ダイヤフラム室8の上端に滞留していた気泡は、チェッキ弁の存在のために、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46のうち、上部ダイヤフラム通路44のみを経由してダイレクト通路50に流入し、ダイレクト通路50の上端に滞留する気泡は、吐出弁26,28を介して通路40側に放出される。
【0036】
ガス抜き通路66は手動でガス抜き弁34を回転させて緩めることで、Oリング36のシール部に隙間ができた際に、ダイヤフラム室8内のガスは吐出弁28の側面小孔より、液体とガスの混合液が排出される。また、運転中はガス抜き通路66はガス抜き弁34を締めることでOリング38をシールし、ガスと液体を通過させない。また、ダイヤフラム室8内にガスが滞留すると、ガスロック状態となりポンプの吐出機能が低下、さらには停止する。一方、運転中又は初期の吸い込みの時に、手動でガス抜き弁34を緩めて、ガスをガス抜き通路66に気液混合で排出させることとなる。
【0037】
続いて、ガス抜きについてさらに詳細に説明する。本発明における第一の方法は、ダイヤフラム室8への流入体積を減少させることでガス吸い込み量の低減を図っている。チェッキ弁内でバルブボール48は、自在に移動できるため、本発明に係るポンプは、ダイヤフラム4の往復動によるダイヤフラム室8への液の流入と流出は、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46の両通路により行われる。
【0038】
また、バルブボール48の直径は、下部ダイヤフラム通路46の口径より若干小さいため、気泡は、バルブボール48の近傍まで流入しても、気泡自らの表面張力のために、バルブボール48と通路壁の間際を通過できないという課題を有している。
【0039】
従って、ポンプ内部へ入った気泡は、最大でも管の2分の1しか流路を通って、ダイヤフラム室8へは移動できない。下部ダイヤフラム通路46へは、バルブボール48の移動に伴って、気泡は、吸い入れ時には、下部ダイヤフラム通路46の途中まで流入するが、吐出時に再び、下部ダイヤフラム通路46の外部へ放出される。このため、従来のチェッキ弁がダイヤフラム室に隣接して設けていない構造と比較して気泡による影響を受けにくい構造となっている。
【0040】
本発明における第二の方法は、流入気泡の浮力を利用して排出させる方法である。本発明におけるポンプの吸入弁14,16と吐出弁26,28とを結ぶ、垂直方向に延在するダイレクト通路50は、仮に大量の気泡が流入したとしても気泡に対して全長にわたり口径が十分大きく、直線的であるため、直ちに気泡は吐出弁26,28へ浮上する。
【0041】
また、本発明に係るダイレクト通路50の容積と、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46いずれか片方の容積とを合計した容積を、ダイヤフラムの移動する1ストロークの体積より大きく設定することで、吸込工程では、最大で1ストロークで気泡を吸い込んでも、流路の途中までしか気泡は入らず、吐出行程では上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46の中の気泡と、ダイレクト通路50の中の気泡はほとんど排出される。すなわち、通路がいずれも気泡を排出しやすく、ダイヤフラム室8には流入し難い構造となっている。
【0042】
本発明における第三の方法は、チェッキ弁52の方向性を利用した気泡排出の促進方法である。本発明に適用される電磁ポンプは電磁吸引力によるポンプ吐出と、スプリングによるポンプ吸込みが行われている。吐出行程は通電時間のみ動作するため、吸込み量が急速に立ち上がって、急速に立ち下がり、一方、スプリングは、電磁力よりパワーも小さく力の釣り合いによって作動するため、吸込み量が緩やかに大きくなり、緩やかに小さくなる(図3)。
【0043】
吸込工程では、バルブボール48は緩やかな動作をしており、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46のいずれからも液がダイヤフラム室8へ流入する。
【0044】
一方、吐出工程では、図4に示すように、初期に衝撃的な動きをし、加速度が大きく働くため、(重量を持つバルブボール48よりも上側通路の液が先にダイヤフラム室8から押し出されている。このために初期には、上部ダイヤフラム通路44の流速が増加し、気泡が抜け易くなる。下部ダイヤフラム通路46のバルブボール48は、制止の慣性力に加え、バルブボール48が気液境界面となるため瞬時の変形・移動には大きな力を必要とし、逆に動きにくくなる。次の瞬間には、慣性力は失われ、通常の動作を行う。
【0045】
このため、吸込工程では、上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46とも同じ流れをするが、吐出工程では、慣性力、表面張力等により上部ダイヤフラム通路44が初期には、優先的に作動する。
【0046】
従って、気泡は、ダイヤフラム室8に入り難く出易い。
【0047】
第四の方法は、バルブの逆止性と衝撃によるものである。
【0048】
下部ダイヤフラム通路46のチェッキ弁52は、逆止弁となるので、吐出行程の途中で、下部ダイヤフラム通路46が閉塞される場合がある。
【0049】
吐出工程を開始すると、上部ダイヤフラム通路44は液が多く、下部ダイヤフラム通路46のバルブボール48のダイヤフラム室8と反対側には気泡で満たされ、または多く存在する。
【0050】
このため、下部ダイヤフラム通路46は流路抵抗としては少なく、初期の衝撃的な加速度抵抗の時期を過ぎると流れやすくなる。
【0051】
従って、先ず、バルブボール48が先に逆止弁、弁座に達してさらに吐出行程が残る。
【0052】
この時に、下部ダイヤフラム通路46は塞止されるため、上部ダイヤフラム通路44の流速が急に増す。この大きな速度変化は、力となり、壁には付着した気泡を剥離させる力となる。
【0053】
第五の方法は、バルブボール48の衝撃によるダイヤフラムの振動である。
【0054】
下部ダイヤフラム通路46のバルブボール48が前後運動を行う時に、バルブボール48がダイヤフラム4に接触し、ダイヤフラム4が振動すると、ダイヤフラム4またはダイヤフラム4隣接部に付着した微小気泡があっても、衝撃で離脱しやすい特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の手動ガス抜き付き往復動ポンプのガス抜き弁と吸込弁を含む面で切断した縦断面図である。
【図2】本発明に係る実施例に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプのガス抜き弁と吸込弁を含む面で切断した縦断面図である。
【図3】吐出と吸込みの駆動力グラフである。
【図4】本発明に係る自動ガス抜き付き往復動ポンプにおける上部ダイヤフラム通路44と下部ダイヤフラム通路46のそれぞれの圧力グラフである。
【符号の説明】
【0056】
2 駆動軸
4 ダイヤフラム
6 ポンプヘッド
8 ダイヤフラム室
10 吸入液通路
12 吐出液通路
14,16 吸入弁
18 Oリング
20 吸入弁固定ねじ
22 接続口
24 接続ナット
26,28 吐出弁
30 Oリング
32 吐出弁固定ねじ
34 ガス抜き弁
36,38 Oリング
40 通路
42 接続口
43 ユニオンナット
44 上部ダイヤフラム通路
46 下部ダイヤフラム通路
50 ダイレクト通路
52 チェッキ弁
56 シート部
58,60 バルブボール
62,64 バルブシート
66 ガス抜き通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス抜き機構付き往復動ポンプにおいて、
ダイヤフラム室に臨む往復動部材の往復動によってダイヤフラム室内に液を導入させるためにダイヤフラム室と連結されて前記ダイヤフラム室の往復動部材の往復軸より鉛直上側から連通する上部ダイヤフラム通路と、
前記ダイヤフラム室と連結されて前記ダイヤフラム室の往復動部材の往復軸より鉛直下側から連通する下部ダイヤフラム通路と、
前記上部ダイヤフラム通路並びに前記下部ダイヤフラム通路のいずれの通路とも垂直に連結されて鉛直方向に連通するとともにその口径が前記いずれの通路の口径よりも大きいダイレクトポンプ通路と、
前記ダイレクトポンプ通路の上端で連結される前記液を吐出する吐出弁と
前記ダイレクトポンプ通路の下端で連結される前記液を吸入する吸入弁と、
前記吐出弁と水平方向に連結されるガス抜き弁と、
前記吸入弁と鉛直下方向に連結する吸入通路と、
前記吐出弁と鉛直方向上向きに連結される吐出通路と、
前記ガス抜き弁と連結されるガス抜き通路と、
を備えるガス抜き機構付き往復動ポンプ。
【請求項2】
前記ダイレクトポンプ通路は、上端の口径が円錐型状に小径化して前記吐出弁と連通することを特徴とする請求項1記載のガス抜き機構付き往復動ポンプ。
【請求項3】
前記下部ダイヤフラム通路は、チェッキ弁を介してダイヤフラム室と連通することを特徴とする請求項1記載のガス抜き機構付き往復動ポンプ。
【請求項4】
前記上部ダイヤフラム通路並びに前記下部ダイヤフラム通路の口径が同一であることを特徴とする請求項1記載のガス抜き機構付き往復動ポンプ。
【請求項5】
前記各弁は、二段弁であることを特徴とする請求項1記載のガス抜き機構付き往復動ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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