説明

ガス機器又は防災・防犯関連機器、無線ユニット、及び、携帯端末装置

【課題】設置場所から回収して接続した専用端末器の要求に応じて出力される、内部の蓄積された履歴情報を、設置したままの状態で外部に出力させることができるようにする。
【解決手段】通常ならば、交換等により設置場所から回収した火災警報器1,4,5,8に専用端末器(図示せず)を接続しないと、火災警報器1,4,5,8から出力させることのできない履歴情報を、ハンディーターミナル9から無線ユニット2,3,6,7を介して対象の火災警報器1,4,5,8に、蓄積された履歴情報の出力を要求する履歴出力要求信号を、点検モードの開始を要求する点検開始要求信号と共に出力することで、火災警報器1,4,5,8を設置したままの状態でハンディーターミナル9に出力させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互間で情報の授受を行うガスメータやNCU(網制御装置)、ガス漏れ警報器、火災警報器、窓センサ等のガス機器又は防災・防犯関連機器と、これらの間で授受される情報を無線通信で送受するために、それらのガス機器又は防災・防犯関連機器に接続して使用される無線ユニットと、この無線ユニットを介してガス機器又は防災・防犯関連機器との間で無線通信により情報の授受を行う携帯端末装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガスメータの検針値をNCU(網制御装置)経由で遠隔地の監視センターに送信して集中管理することが行われているが、ガスメータは一般に屋外に設置され、電話回線に接続されるNCUは屋内に設置されるのが通常であるため、これらを接続するために、屋内外を跨いだ配線工事が必要となる。
【0003】
しかし、屋内外を跨いだ配線工事は、壁に穴を開けるなど大がかりなものになり、家屋にダメージを与えることにもつながりかねないため、近年では、NCUとガスメータとの間を、それぞれに接続した無線ユニットを介して無線で接続するケースが増えつつある。
【0004】
また、法令により設置が義務付けられつつある火災警報器についても、同一の家屋内に設置される複数の火災警報器のうち一つが火災を検出した場合に、他の火災警報器からも警報を出力させたり、ある家屋の火災警報器の火災警報器が火災を検出した場合に、周辺の家屋の火災警報器からも警報を出力させるというように、火災警報器どうしを連動させるために、各火災警報器どうしを接続するのに当たって、配線の引き回しを必要とする有線ではなく、上述したNCUとガスメータとの間と同様に、無線ユニットを介して無線で接続することが検討されている。
【0005】
ところで、上述した火災警報器やガス漏れ警報器等の警報器類には、火災やガス漏れ等の警報状態を擬似的に発生させて警報機能の故障の有無を点検できる機能がある。
【0006】
これらの機能を用いた点検動作は、筐体に磁石を近づけて内部のマグネットスイッチをオンさせたり点検用の紐を引っ張ることで開始され、点検結果はガスメータや警報器類のインジケータによる表示や、ブザー、スピーカによる音声によって出力される(例えば特許文献1乃至3)。
【特許文献1】特開平7−296278号公報
【特許文献2】特開平9−115074号公報
【特許文献3】特開平11−16068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した点検動作では、故障の有無の結果しか出力されず、例えば電池が寿命に近づいていても、出力される点検結果は電池電圧が正常であるとの内容でしかないので、点検結果から近々電池が寿命を迎えることを予測して交換作業を前倒しで行うことができない。
【0008】
そのため、電池切れ目前の点検時にせっかく設置箇所に赴いていたにも拘わらず交換の必要性が認識されず、結局、電池切れしてから改めて設置箇所に赴いて交換作業を行うことになってしまい、交換の対応時期が遅れてしまうと共に、交換作業の効率も悪くなってしまう。
【0009】
一方、故障の発生要因を解析するために必要な動作の履歴情報は、ガスメータや警報器類の内部に蓄積されており、これを外部に出力する機能は設けられているものの、現在の機能では、故障等に伴いガスメータや警報器類を交換してメーカーに持ち帰り、専用端末器を接続しないと出力させることができないので、点検時にこれを活用できないのが実状である。
【0010】
したがって、例えば警報器類の設置状況が好ましくないため誤警報が頻発し電池の消耗が早まるような状況にあっても、設置したままの状態で出力させることができる現在の点検結果の出力だけでは、その状況を把握して電池の消耗を抑えるために警報器類の設置状態を変更すると言った対策を、先手を打って取ることができない。
【0011】
本発明は前記事情に鑑み、また、点検機能とその結果の出力機能とを有する種々の端末機器が、先に説明したように、無線ユニットを用いて相手と無線接続されるケースが増えつつあることに着目してなされたもので、本発明の目的は、設置場所から回収して専用端末器を接続することによりこの専用端末器の要求に応じて専用端末器に出力される、内部の蓄積された履歴情報を、設置したままの状態でガスメータやNCU(網制御装置)、ガス漏れ警報器、火災警報器、窓センサ等のガス機器又は防災・防犯関連機器から外部に出力させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため請求項1に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器は、図1の基本構成図に示すように、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行い、さらに、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの要求に呼応して前記履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器であって、前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号の外部からの入力に呼応して前記通常モードから前記点検モードに動作モードを切り換えるモード切換手段Aと、前記モード切換手段Aによって前記通常モードから切り換えられた前記点検モードにおいて実行された動作の点検結果と、前記モード切換手段Aによる前記点検モードへの切り換えまでの前記通常モードにおいて蓄積した前記履歴情報とを、前記点検開始指令信号の出力元に出力する情報出力手段Bとを備え、前記点検開始指令信号が、外部に接続されて通信相手Cとの情報の授受を無線通信により行う無線ユニットDから、無線による前記点検モードの開始を要求する点検開始要求信号の前記無線ユニットDによる受信に伴い入力され、前記情報出力手段Bが、前記点検結果と前記履歴情報とを、前記無線ユニットDから前記通信相手Cに無線で送出させるべく該無線ユニットDに出力することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器は、図2の基本構成図に示すように、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行い、さらに、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの要求に呼応して前記履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器であって、前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号の外部からの入力に呼応して前記通常モードから前記点検モードに動作モードを切り換えるモード切換手段Aと、前記モード切換手段Aによって前記通常モードから切り換えられた前記点検モードにおいて実行された動作の点検結果と、前記モード切換手段Aによる前記点検モードへの切り換えまでの前記通常モードにおいて蓄積した前記履歴情報とを、前記点検開始指令信号の出力元に出力する情報出力手段Bと、通信相手Cとの情報の授受を無線通信により行う無線ユニットDとを備え、前記点検開始指令信号が、前記通信相手Cから無線により前記無線ユニットDに入力され、前記情報出力手段Bが、前記点検結果と前記履歴情報とを前記無線ユニットDから前記通信相手Cに無線により出力することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器は、請求項1又は2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器において、前記点検結果が、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTを電源とする電気素子の動作回数、又は、前記電池BATTの通電時間を含んでいる構成とした。
【0015】
さらに、請求項4に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器は、請求項1又は2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器において、前記点検結果が、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行される警報動作の合計時間を含んでいるものとした。
【0016】
また、上記目的を達成するため請求項5に記載した本発明の無線ユニットは、図3の基本構成図に示すように、内部に蓄積した動作の履歴情報を、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの履歴出力指令信号の入力に呼応して前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器Eに接続され、該ガス機器又は防災・防犯関連機器Eと通信相手との間で授受される情報を無線通信により送受する無線ユニットであって、外部からの履歴出力要求信号を無線通信により受信した際に、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに前記履歴出力指令信号を出力する履歴出力指令手段Fと、前記履歴出力指令信号の入力に呼応して接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eから入力される前記履歴情報を、無線通信により前記履歴出力要求信号の送信元に送信する情報送信手段Gとを備えることを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項6に記載した本発明の無線ユニットは、請求項5に記載した本発明の無線ユニットにおいて、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行うように構成されており、前記履歴出力指令手段Fが、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号を兼ねて、前記履歴出力指令信号を出力するように構成されており、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して、前記点検モードにおける動作の点検を実行してその点検結果を、前記履歴情報と共に出力するように構成されており、前記情報送信手段Gが、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eから入力される前記点検結果を、前記履歴情報と共に無線通信により前記履歴出力要求信号の送信元に送信するように構成されているものとした。
【0018】
また、請求項7に記載した本発明の無線ユニットは、請求項6に記載した本発明の無線ユニットにおいて、前記点検結果が、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTを電源とする接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eの電気素子の動作回数、又は、前記電池BATTの通電時間を含んでいる構成とした。
【0019】
さらに、請求項8に記載した本発明の無線ユニットは、請求項6に記載した本発明の無線ユニットにおいて、前記点検結果が、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTを電源とする接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、前記電源用電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間を含んでいるものとした。
【0020】
また、上記目的を達成するため請求項9に記載した本発明の携帯端末装置は、図4の基本構成図に示すように、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの履歴出力指令信号の入力に呼応して、内部に蓄積した動作の履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器Eに接続される無線ユニットDを介して、無線通信による情報の授受を前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eとの間で行う携帯端末装置であって、前記履歴情報の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eからの出力を要求する履歴出力要求信号を無線通信により前記無線ユニットDに送信する履歴出力要求手段Hと、前記履歴出力要求信号の受信に伴い前記無線ユニットDが出力する前記履歴出力指令信号の入力に呼応した、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eからの前記履歴情報の入力に呼応して、前記無線ユニットDが無線通信により送信する前記履歴情報を受信する情報受信手段Jと、前記情報受信手段Jが受信した前記履歴情報を解析し該履歴情報に関連する前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eの状態情報を生成する状態情報生成手段Kと、前記状態情報生成手段Kが生成した前記状態情報に関する表示又は音声出力を行う状態情報出力手段Lとを備えることを特徴とする。
【0021】
さらに、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置は、請求項9に記載した本発明の携帯端末装置において、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行うように構成されており、前記無線ユニットDが、前記履歴出力要求信号の受信に伴い、前記点検モードの開始を要求する点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号を出力するように構成されており、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して、前記点検モードにおける動作の点検を実行してその点検結果を、前記履歴情報と共に出力するように構成されており、前記無線ユニットDが、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eから入力される前記点検結果を、前記履歴情報と共に無線通信により送信するように構成されており、前記情報受信手段Jが、前記無線ユニットDが無線通信により送信する前記点検結果を前記履歴情報と共に受信するように構成されており、前記状態情報生成手段Kが、前記情報受信手段Jが受信した前記点検結果の項目に関連性のある前記履歴情報を解析して前記点検結果の項目別に前記状態情報を生成するように構成されているものとした。
【0022】
また、請求項11に記載した本発明の携帯端末装置は、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置において、前記点検結果が、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTを電源とする前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eの電気素子の動作回数、又は、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが前記電池BATTの通電時間を含んでいる構成とした。
【0023】
さらに、請求項12に記載した本発明の携帯端末装置は、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置において、前記点検結果が、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧を含んでおり、前記履歴情報が、前記電池BATTを電源とする前記ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、前記電源用電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間を含んでいるものとした。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器によれば、図1の基本構成図に示すように、外部に接続されて通信相手Cとの情報の授受を無線通信により行う無線ユニットDから、無線による点検モードの開始を指示する点検開始要求信号の受信に伴って入力される点検開始指令信号に呼応して、モード切換手段Aにより動作モードが通常モードから点検モードに切り換えられると、通常ならば、専用端末器を接続しその専用端末機からの要求が発生したときに専用端末器にのみ出力される動作の履歴情報が、通常モードから点検モードへの切り換えまでに蓄積された分、通常モードからの切換後の点検モードにおいて実行された動作の点検結果と共に、無線ユニットDから通信相手Cに無線で送出させるべく情報出力手段Bにより無線ユニットDに出力される。
【0025】
請求項2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器によれば、図2の基本構成図に示すように、通信相手Cとの情報の授受を無線通信により行う内蔵の無線ユニットDへの、通信相手Cからの点検開始指令信号の入力に呼応して、モード切換手段Aにより動作モードが通常モードから点検モードに切り換えられると、通常ならば、専用端末器を接続しその専用端末機からの要求が発生したときに専用端末器にのみ出力される動作の履歴情報が、通常モードから点検モードへの切り換えまでに蓄積された分、通常モードからの切換後の点検モードにおいて実行された動作の点検結果と共に、情報出力手段Bにより内蔵の無線ユニットDからその通信相手Cに出力される。
【0026】
このため、従来は設置場所から回収して専用端末器を接続しなければ出力させることができなかった履歴情報を、設置場所に設置したままの状態で、点検結果と共に無線ユニットD経由でその通信相手Cに対して出力させることができ、よって、出力された点検結果の項目に関連性のある履歴情報を無線ユニットDの通信相手C側において解析することで、ガス機器又は防災・防犯関連機器を設置場所に設置したままの状態で、点検項目に関連する状況を容易に類推できるようにすることができる。
【0027】
そして、請求項3に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器によれば、請求項1又は2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器において、情報出力手段Bが出力する点検結果に含まれる、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報出力手段Bが出力する履歴情報に含まれる、電池BATTを電源とする電気素子の動作回数、又は、電池BATTの通電時間とにより、電池BATTの残量や電池切れの時期を容易に類推できるようにすることができる。
【0028】
また、請求項4に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器によれば、請求項1又は2に記載した本発明のガス機器又は防災・防犯関連機器において、情報出力手段Bが出力する点検結果に含まれる、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報出力手段Bが出力する履歴情報に含まれる、電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行される警報動作の合計時間とにより、電池BATTの電池切れの際の原因が警報動作の異常な過多にあるのかどうかを容易に類推できるようにすることができる。
【0029】
さらに、請求項5に記載した本発明の無線ユニットによれば、図3の基本構成図に示すように、外部からの履歴出力要求信号が無線通信により受信されると、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eの内部に蓄積された履歴情報を出力させるために接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに接続した専用端末器が接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに対して出力する履歴出力指令信号が、専用端末器に代わって履歴出力指令手段Fにより接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに出力され、これに呼応して接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eから入力される履歴情報が、情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される。
【0030】
このため、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eから出力された履歴情報を履歴出力指令信号の出力元において解析することで、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eを設置場所に設置したままの状態で、履歴情報に関連する項目の状況を容易に類推できるようにすることができる。
【0031】
また、請求項6に記載した本発明の無線ユニットによれば、請求項5に記載した本発明の無線ユニットにおいて、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行うように構成されている場合、外部からの履歴出力要求信号が無線通信により受信されると、点検モードの開始を指令する点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号が履歴出力指令手段Fにより接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに出力され、また、点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号の入力に呼応して接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eにおいて点検モードが実行されて、点検モードにおける動作の点検結果が履歴情報と共に接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eから入力されると、その点検結果が履歴情報と共に、情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される。
【0032】
このため、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eから出力された点検結果の項目に関連性のある履歴情報を、履歴出力指令信号の出力元において解析することで、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eを設置場所に設置したままの状態で、点検項目に関連する状況を容易に類推できるようにすることができる。
【0033】
そして、請求項7に記載した本発明の無線ユニットによれば、請求項6に記載した本発明の無線ユニットにおいて、情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される点検結果に含まれる、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される履歴情報に含まれる、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eの電源用電池BATTを電源とする電気素子の動作回数、又は、電池BATTの通電時間とにより、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの残量や電池切れの時期を容易に類推できるようにすることができる。
【0034】
また、請求項8に記載した本発明の無線ユニットによれば、請求項6に記載した本発明の無線ユニットにおいて、情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される点検結果に含まれる、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報送信手段Gによって無線通信により履歴出力要求信号の送信元に送信される履歴情報に含まれる、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eが電源用電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間とにより、電池BATTの電池切れの際の原因が警報動作の異常な過多にあるのかどうかを容易に類推できるようにすることができる。
【0035】
さらに、請求項9に記載した本発明の携帯端末装置によれば、図4の基本構成図に示すように、履歴情報のガス機器又は防災・防犯関連機器Eからの出力を要求する履歴出力要求信号が、履歴出力要求手段Hによって無線通信により無線ユニットDに送信されると、その履歴出力要求信号の無線通信による受信に呼応した無線ユニットDが専用端末器に代わってガス機器又は防災・防犯関連機器Eに出力する履歴出力指令信号の入力に呼応して、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが出力した履歴情報が、無線ユニットDから無線通信により送信されると、その履歴情報が情報受信手段Jにより受信され、状態情報生成手段Kにより解析されて履歴情報に関連するガス機器又は防災・防犯関連機器Eの状態情報が生成され、その状態情報が状態情報出力手段Lにより表示又は音声出力される。
【0036】
このため、状態情報出力手段Lにより表示又は音声出力される、履歴情報に関連するガス機器又は防災・防犯関連機器Eの状態情報によって、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eを設置場所に設置したままの状態で、履歴情報に関連する項目の状況を容易に類推できるようにすることができる。
【0037】
また、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置によれば、請求項9に記載した本発明の携帯端末装置において、履歴出力要求手段Hによって無線通信により送信された履歴出力要求信号の受信に伴い、無線ユニットDからガス機器又は防災・防犯関連機器Eに、点検モードの開始を要求する点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号が出力され、かつ、この点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号の入力に呼応してガス機器又は防災・防犯関連機器Eにおいて実行された点検モードにおける動作の点検結果が、履歴情報と共にガス機器又は防災・防犯関連機器Eから無線ユニットDに入力されて、この点検結果が履歴情報と共に無線通信により無線ユニットDから送信されるので、これら履歴情報と点検結果とが情報受信手段Jによって受信されて、状態情報出力手段Lにより表示又は音声出力されるガス機器又は防災・防犯関連機器Eの状態情報の内容が、点検結果の項目に関連性のある履歴情報を状態情報生成手段Kにより解析して生成した、点検項目別のものとなる。
【0038】
このため、状態情報出力手段Lにより表示又は音声出力される状態情報によって、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eを設置場所に設置したままの状態で、点検項目に関連する状況を容易に類推できるようにすることができる。
【0039】
そして、請求項11に記載した本発明の携帯端末装置によれば、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置において、情報受信手段Jによって受信された点検結果に含まれる、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報受信手段Jによって受信された履歴情報に含まれる、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eの電源用電池BATTを電源とする電気素子の動作回数、又は、電池BATTの通電時間とにより、接続先のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに内蔵された電源用電池BATTの残量や電池切れの時期を容易に類推できるようにすることができる。
【0040】
また、請求項12に記載した本発明の携帯端末装置によれば、請求項10に記載した本発明の携帯端末装置において、情報受信手段Jによって受信された点検結果に含まれる、内蔵された電源用電池BATTの端子電圧と、同じく情報受信手段Jによって受信された履歴情報に含まれる、ガス機器又は防災・防犯関連機器Eが電源用電池BATTの電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間とにより、電池BATTの電池切れの際の原因が警報動作の異常な過多にあるのかどうかを容易に類推できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0042】
図5は本発明を適用して火災警報器どうしを無線で相互に接続した自動連携システムの一実施形態を示すブロック図、図6は図5の自動連携システムにおける火災警報器の構成例を示すブロック図、図10は図5の自動連携システムにおける無線ユニットの構成例を示すブロック図、図12は図5の自動連携システムにおけるハンディーターミナルの構成例を示すブロック図である。
【0043】
図5に示す本実施形態の自動連携システムは、火災警報器1,4,5,8(請求項中のガス機器又は防災・防犯関連機器Eに相当。)と、火災警報器1,4,5,8にそれぞれ接続された無線ユニット2,3,6,7(請求項中の無線ユニットDに相当。)と、無線ユニット2,3,6,7のいずれかとの間で特定小電力無線通信方式による無線通信を行う(図5では無線ユニット6との間で行う場合を示している。)ハンディーターミナル9(請求項中の携帯端末装置及び通信相手Cに相当。)とを含む。火災警報器1,4,5,8と無線ユニット2,3,6,7は一つの家屋の異なる場所にそれぞれ設置され、あるいは、複数の家屋にそれぞれ設置され、各無線ユニット2,3,6,7が無線通信を相互に行うことで、警報の相互報知動作を行う。
【0044】
そして、火災警報器1,4,5,8は、自らが火災を検知している間、音声(警報音、警報メッセージ)や表示(インジケータの点滅パターンやメッセージ)により火災を報知する機能(自発警報機能)と、火災を検知した旨を報知する警報信号を外部に出力する連動出力機能とを有している。
【0045】
また、火災警報器1,4,5,8は、自身が火災の発生を検知した場合だけでなく、無線ユニット2,3,6,7を介して、他の火災警報器1,4,5,8から出力される警報信号に基づいた接続先の無線ユニット2,3,6,7からの警報報知信号が入力された場合にも、音声や表示による火災報知を行う。
【0046】
この場合、警報信号の出力元は、同じ家屋内の他の火災警報器1,4,5,8であってもよく(連動警報機能)、周辺の家屋の火災警報器1,4,5,8であってもよい(隣家連動機能)。
【0047】
さらに、火災警報器1,4,5,8は、その筐体の下部に、後述する点検モードの開始や終了の指示を行うために引っ張り操作される点検ひも1a,4a,5a,8aを有している。
【0048】
また、火災警報器1,4,5,8は、図6に示すように、制御用マイクロコンピュータ部(以下、「マイコン部」と略記する。)μCOMと、無線ユニット2,3,6,7がそれぞれ接続されるポートPioと、不揮発性メモリNVMと、煙や二酸化炭素(CO2 )により火災を検出する火災センサSRと、点検ひも1a,4a,5a,8aの引っ張り操作を検出するスイッチSWと、音声による火災報知用のスピーカSPと、表示による火災報知用のインジケータLEDと、電源用の電池BATTとを有しており、不揮発性メモリNVM、火災センサSR、スイッチSW、スピーカSP、及び、インジケータLEDは、マイコン部μCOMに接続されている。
【0049】
なお、不揮発性メモリNVMには、自身が火災を検知して音声や表示による火災の報知(自発警報)を行った回数及び時刻と、同じ家屋の他の火災警報器1,4,5,8が火災を検知して出力する警報信号に基づいた火災の報知(連動警報)を行った回数及び時刻と、他の家屋の火災警報器1,4,5,8が火災を検知して出力する警報信号に基づいた火災の報知(隣家連動警報)を行った回数及び時刻と、それぞれの火災の報知が行われた際の持続時間と、電池BATTの連続通電時間、後述する点検モードにおいて行われるテスト動作の実行回数とを、履歴情報として記憶、蓄積する領域が確保されている。
【0050】
そして、マイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、電池BATTの電力をダミー負荷(図示せず)に供給した際の電池BATTの電圧の測定値と、その測定結果に基づいた、電池BATTの電圧の低下判断と、電池BATTの電圧を昇圧する不図示のDC−DCコンバータによる昇圧後の電圧の測定値に基づいた、DC−DCコンバータの故障検出とを、周期的に行って、その最新の内容を、点検結果の一つとして不揮発性メモリNVMの専用領域に記憶、蓄積する処理が実行されるのに加えて、図7乃至図9のフローチャートで示す処理が実行される。
【0051】
まず、火災センサSRにより検出された煙の濃さや二酸化炭素の濃度が火災警報レベルに達しているか否かを確認し(ステップS1)、達していない場合は(ステップS1でN)、後述するステップS17に進み、達している場合は(ステップS1でY)、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(自発警報)を行うと共に、無線ユニット2,3,6,7に対する警報信号をポートPioから出力し(ステップS3)、内部のRAM(図示せず)のカウントエリアにおける自発警報持続時間のカウントを開始した後(ステップS5)、火災センサSRにより検出された煙の濃さや二酸化炭素の濃度が火災警報レベルを下回るのを待機する(ステップS7)。
【0052】
火災センサSRにより検出された煙の濃さや二酸化炭素の濃度が火災警報レベルを下回ったならば(ステップS7でY)、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(自発警報)を終了すると共に、無線ユニット2,3,6,7に対する警報信号のポートPioからの出力を終了し(ステップS9)、不図示のRAMにおける自発警報持続時間のカウントを終了して(ステップS11)、そのカウント値を、自発警報の持続時間として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積すると共に、不揮発性メモリNVMの自発警報回数の履歴を1回増やし、その自発警報の発生時刻を不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積して(ステップS13)、自発警報持続時間のカウント値をリセットした後(ステップS15)、ステップS1にリターンする。
【0053】
また、ステップS1において、火災センサSRにより検出された煙の濃さや二酸化炭素の濃度が火災警報レベルに達していない場合(N)に進むステップS17では、図8に示すように、無線ユニット2,3,6,7からの警報報知信号がポートPioに入力されたか否かを確認し、入力されていない場合は(ステップS17でN)、後述するステップS49に進み、入力された場合は(ステップS17でY)、入力された警報報知信号が、同じ家屋内の他の場所で警報状態が発生したことを示す連動警報であるのか、他の家屋において、他の無線ユニット2,3,6,7に接続された火災警報器1,4,5,8において警報状態が発生したことを示す隣家連動警報であるのかを、確認する(ステップS19)。
【0054】
連動警報である場合は、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(連動警報)を行い(ステップS21)、内部のRAM(図示せず)のカウントエリアにおける連動警報持続時間のカウントを開始した後(ステップS23)、ポートPioへの警報報知信号の入力が終了するのを待機する(ステップS25)。
【0055】
ポートPioへの警報報知信号の入力が終了したならば(ステップS25でY)、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(連動警報)を終了し(ステップS27)、不図示のRAMにおける連動警報持続時間のカウントを終了して(ステップS29)、そのカウント値を、連動警報の持続時間として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積すると共に、不揮発性メモリNVMの連動警報回数の履歴を1回増やし、その連動警報の発生時刻を不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積して(ステップS31)、連動警報持続時間のカウント値をリセットした後(ステップS33)、ステップS1にリターンする。
【0056】
また、ステップS19において、ステップS17でポートPioへの入力を確認した警報報知信号が隣家連動警報である場合は、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(隣家連動警報)を行い(ステップS35)、内部のRAM(図示せず)のカウントエリアにおける隣家連動警報持続時間のカウントを開始した後(ステップS37)、ポートPioへの警報報知信号の入力が終了するのを待機する(ステップS39)。
【0057】
ポートPioへの警報報知信号の入力が終了したならば(ステップS39でY)、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(隣家連動警報)を終了し(ステップS41)、不図示のRAMにおける隣家連動警報持続時間のカウントを終了して(ステップS43)、そのカウント値を、隣家連動警報の持続時間として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積すると共に、不揮発性メモリNVMの隣家連動警報回数の履歴を1回増やし、その隣家連動警報の発生時刻を不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積して(ステップS45)、隣家連動警報持続時間のカウント値をリセットした後(ステップS47)、ステップS1にリターンする。
【0058】
また、ステップS17において、無線ユニット2,3,6,7からの警報報知信号がポートPioに入力されていない場合(N)に進むステップS49では、図9に示すように、スイッチSWの状態から点検ひも1a,4a,5a,8aの引っ張り操作が行われたか否かを確認し、行われていない場合は(ステップS49でN)、後述するステップS65に進み、行われた場合は(ステップS49でY)、その引っ張り操作が所定時間以内の短時間操作であるか否かを確認する(ステップS51)。
【0059】
点検ひも1a,4a,5a,8aの引っ張り操作が短時間操作である場合は(ステップS51でY)、動作モードを通常モードから点検モードに切り換えて、音声や表示による火災の報知機能が正常に動作するかどうかを点検するためのテスト動作を行わせ(ステップS53)、不揮発性メモリNVMのテスト動作の実行回数の履歴を1回増やした値に更新して、履歴情報として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積し(ステップS54)、テスト動作の終了後に動作モードを点検モードから通常モードに復帰させた後(ステップS55)、ステップS1にリターンする。
【0060】
一方、点検ひも1a,4a,5a,8aの引っ張り操作が短時間操作でない場合は(ステップS51でN)、動作モードを通常モードから点検モードに切り換えて、他の火災警報器1,4,5,8に対する警報信号をポートPioから出力する連動出力機能が正常に動作するかどうかを点検するためのテスト動作を行わせた後(ステップS57)、点検ひも1a,4a,5a,8aの所定時間を超える長時間の引っ張り操作が行われるのを待機する(ステップS59)。
【0061】
点検ひも1a,4a,5a,8aの長時間操作が行われたならば(ステップS59でY)、他の火災警報器1,4,5,8に対する警報信号をポートPioから出力するテスト動作を終了させ(ステップS61)、不揮発性メモリNVMのテスト動作の実行回数の履歴を1回増やした値に更新して、履歴情報として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積し(ステップS62)、動作モードを点検モードから通常モードに復帰させた後(ステップS63)、ステップS1にリターンする。
【0062】
また、ステップS49において、点検ひも1a,4a,5a,8aの引っ張り操作が行われていない場合(N)に進むステップS65では、専用端末器からの履歴出力指令信号がポートPioに入力されたか否かを確認し、入力されていない場合は(ステップS65でN)、後述するステップS69に進み、入力された場合は(ステップS65でY)、不揮発性メモリNVMに記憶された履歴情報をポートPioから出力した後(ステップS67)、ステップS1にリターンする。
【0063】
また、ステップS65において、専用端末器からの履歴出力指令信号がポートPioに入力されていない場合(N)に進むステップS69では、無線ユニット2,3,6,7からの点検開始指令信号がポートPioに入力されたか否かを確認し、入力されていない場合は(ステップS69でN)、ステップS1にリターンする。
【0064】
一方、無線ユニット2,3,6,7からの点検開始指令信号がポートPioに入力された場合は(ステップS69でY)、動作モードを通常モードから点検モードに切り換えて、入力された点検開始指令信号において指定された点検項目についての点検動作を行い(ステップS71)、点検動作を行った点検項目についての点検結果(不揮発性メモリNVMの専用領域に記憶、蓄積されている、電池BATTの電圧の低下判断結果と不図示のDC−DCコンバータの故障検出結果との最新の内容を含む)と、不揮発性メモリNVMに記憶された履歴情報とを、ポートPioから出力した後(ステップS73)、ステップS1にリターンする。
【0065】
ちなみに、火災警報器1,4,5,8の点検モードにおける点検項目には、不揮発性メモリNVMの専用領域に最新の内容が記憶、蓄積される、電池BATTの電圧の低下判断結果と不図示のDC−DCコンバータの故障検出結果との他に、自発警報、連動警報、隣家連動警報による音声や表示の火災報知動作の動作確認、音声による火災報知動作に用いられるスピーカSPの断線確認、表示による火災報知動作に用いられるインジケータLEDの故障確認、火災検知用のセンサの故障確認の故障確認、不図示の温度センサによって測定される火災警報器1,4,5,8の内部温度とその異常の有無等がある。
【0066】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の火災警報器1,4,5,8では、請求項中の履歴データ保存手段Aが、不揮発性メモリNVMと、マイコン部μCOMと、マイコン部μCOMが行う図11のフローチャートにおけるステップS3及びステップS5の処理とによって構成されており、また、図11中のステップS15が、請求項中の履歴データ送信手段Bに対応する処理となっている。
【0067】
無線ユニット2,3,6,7は、接続先の火災警報器1,4,5,8の電池BATTからの電力供給を受けて作動するもので、図10に示すように、通信用高周波回路部RFと変復調処理用デジタル処理回路部DPと制御用マイクロコンピュータ部(以下、「マイコン部」と略記する。)μCOMとをワンチップ化した集積回路LSIと、火災警報器1,4,5,8がそれぞれ接続されるポートPioと、不揮発性メモリNVMと、通信用高周波回路部RFに接続されたアンテナATとを有しており、不揮発性メモリNVMはマイコン部μCOMに接続されている。
【0068】
なお、不揮発性メモリNVMには、無線ユニット2,3,6,7が外部との無線通信において使用する自己の識別情報が、予め登録されている。
【0069】
そして、マイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図11のフローチャートで示す処理が実行される。
【0070】
まず、火災警報器1,4,5,8からの警報信号がポートPioに入力されたか否かを確認し(ステップS81)、入力された場合は(ステップS81でY)、警報状態の発生を示す警報発生データを、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS83)、ステップS81にリターンする。
【0071】
これに対して、火災警報器1,4,5,8からの警報信号がポートPioに入力されていない場合は(ステップS81でN)、他の無線ユニット2,3,6,7からの警報発生データが、その無線ユニット2,3,6,7の識別番号と共に、アンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認する(ステップS85)。
【0072】
他の無線ユニット2,3,6,7からの警報発生データが入力された場合は(ステップS85でY)、その警報発生データに含まれる識別番号に応じて、同じ家屋内の他の場所で(連動警報)、あるいは、他の家屋において、他の無線ユニット2,3,6,7に接続された火災警報器1,4,5,8において(隣家連動警報)警報状態が発生したことを、ポートPioに接続されている火災警報器1,4,5,8において音声出力により報知させるための警報報知信号を生成して、ポートPioから火災警報器1,4,5,8に出力した後(ステップS87)、ステップS81にリターンする。
【0073】
一方、他の無線ユニット2,3,6,7からの警報発生データが入力されていない場合は(ステップS85でN)、後に詳説するハンディーターミナル9からの履歴出力要求信号と点検開始要求信号とがアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認し(ステップS89)、入力されていない場合は(ステップS89でN)、ステップS81にリターンする。
【0074】
これに対して、ハンディーターミナル9からの履歴出力要求信号と点検開始要求信号とが入力されたならば(ステップS89でY)、内部に蓄積された履歴情報の出力を要求する履歴出力指令信号と、点検モードの開始及び点検項目を指令する点検開始指令信号とを、ポートPioから火災警報器1,4,5,8に出力した後(ステップS91)、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報と点検結果とがポートPioに入力されるのを待機する(ステップS93)。
【0075】
火災警報器1,4,5,8からの履歴情報と点検結果とがポートPioに入力されたならば(ステップS93でY)、入力された履歴情報と点検結果とを示す履歴データ信号と点検結果データ信号とを生成し、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS95)、ステップS81にリターンする。
【0076】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の無線ユニット2,3,6,7においては、図11のフローチャートにおけるステップS91が、請求項中の履歴出力指令手段Fに対応する処理となっており、また、図11中のステップS95が、請求項中の情報送信手段Gに対応する処理となっている。
【0077】
前記ハンディーターミナル9は、図12に示すように、履歴情報の出力を要求するメニューの選択等に使用するテンキー91と、テンキー91により選択させるメニューの表示やテンキー91により入力される設定内容の確認表示、あるいは、無線ユニット2,3,6,7を介して火災警報器1,4,5,8から入力される履歴情報や点検結果を解析した結果の表示等を行うディスプレイ93と、前記無線ユニット2,3,6,7と特定小電力無線通信方式で通信する無線ユニット10とを有している。
【0078】
前記無線ユニット10は、図10に示す無線ユニット2,3,6,7からポートPioを省略して構成されており、通信用高周波回路部RFと変復調処理用デジタル処理回路部DPとマイコン部μCOMとをワンチップ化した集積回路LSIと、不揮発性メモリNVMと、通信用高周波回路部RFに接続されたアンテナATとを有しており、テンキー91、ディスプレイ93、及び、不揮発性メモリNVMはマイコン部μCOMに接続されていて、テンキー91の操作等に応じたディスプレイ93の表示は、このマイコン部μCOMによって制御される。
【0079】
なお、不揮発性メモリNVMには、不図示の顧客管理データベースから取り込んだ、各契約者の住戸に設置、登録された火災警報器1,4,5,8に接続されている無線ユニット2,3,6,7の識別情報や、火災警報器1,4,5,8の機種と機種毎の点検可能な項目とを関連づけたテーブル等が、契約者番号等に対応付けて格納されている。
【0080】
また、不揮発性メモリNVMには、火災警報器1,4,5,8の電池BATTに関する、火災警報器1,4,5,8の内部温度別の、連続通電時間に火災警報器1,4,5,8の定格電流を乗じた放電深度(DOD)と端子電圧との相関特性を示すテーブル又は特性式が格納されている。
【0081】
そして、マイコン部μCOMでは、前記無線ユニット2,3,6,7との特定小電力無線通信方式による無線通信に関して、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図13のフローチャートで示す処理が実行される。
【0082】
まず、テンキー91の操作により、蓄積された履歴情報の出力と点検モードの開始とを要求する火災警報器1,4,5,8を、その火災警報器1,4,5,8に接続された無線ユニット2,3,6,7の識別番号によって特定すると共に、特定した火災警報器1,4,5,8の機種及び火災警報器1,4,5,8に要求する点検項目とを指定するメニューが選択されたか否かを確認し(ステップS101)、選択されていない場合は(ステップS101でN)、選択されるまでステップS101をリピートする。
【0083】
一方、履歴情報の出力と点検モードの開始とを要求する火災警報器1,4,5,8の特定と、特定した火災警報器1,4,5,8の機種及び要求する点検項目を指定するメニューが選択された場合は(ステップS101でY)、ディスプレイ93の表示にしたがって、蓄積された履歴情報の出力と点検モードの開始とを要求する火災警報器1,4,5,8に接続された無線ユニット2,3,6,7の識別番号と、火災警報器1,4,5,8の機種及び火災警報器1,4,5,8に要求する点検項目とが、テンキー91の操作により入力されるのを待機する(ステップS103)。
【0084】
そして、無線ユニット2,3,6,7の識別番号と火災警報器1,4,5,8の機種、及び、火災警報器1,4,5,8に要求する点検項目がテンキー91の操作により入力されたならば(ステップS103でY)、入力された無線ユニット2,3,6,7の識別番号を含む履歴出力要求信号と、入力された無線ユニット2,3,6,7の識別番号、火災警報器1,4,5,8の機種、及び、火災警報器1,4,5,8に要求する点検項目を含む点検開始要求信号とを生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから無線送信させた後(ステップS105)、無線ユニット2,3,6,7からの履歴データ信号及び点検結果データ信号がアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されるのを待機する(ステップS107)。
【0085】
無線ユニット2,3,6,7からの履歴データ信号及び点検結果データ信号が入力されたならば(ステップS107でY)、入力された履歴データ信号中に含まれる警報履歴データと、入力された点検結果データ信号中に含まれる、指定した点検項目についての点検結果とを用いて、点検項目に関連する火災警報器1,4,5,8の状況を解析し(ステップS109)、解析した結果を示す状態情報を生成し(ステップS111)、生成した状態情報をディスプレイ93に表示させた後(ステップS113)、ステップS101にリターンする。
【0086】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のハンディーターミナル9では、図13のフローチャートにおけるステップS105が、請求項中の履歴出力要求手段Hに対応する処理となっており、また、図13中のステップS107が、請求項中の情報受信手段Jに対応する処理となっている。
【0087】
さらに、本実施形態のハンディーターミナル9では、図13中のステップS109及びステップS111が、請求項中の状態情報生成手段Kに対応する処理となっており、かつ、図13中のステップS113が、請求項中の状態情報出力手段Lに対応する処理となっている。
【0088】
次に、上述のように構成された本実施形態の自動連係システムの動作(作用)について説明する。
【0089】
各火災警報器1,4,5,8において、煙の濃さや二酸化炭素の濃度が火災警報レベルに達したことが検出されると、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(自発警報)が行われると共に、同じ家屋内の他の火災警報器1,4,5,8や他の家屋の火災警報器1,4,5,8に対して、それぞれの接続先の無線ユニット2,3,6,7を介して無線でその旨が通知され、それらの火災警報器1,4,5,8においても、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災報知動作(連動警報、隣家連動警報)が行われる。
【0090】
そして、各火災警報器1,4,5,8では、自発警報や連動警報、隣家連動警報を行った回数及び時刻と、それぞれの警報の持続時間の積算値とが、履歴情報として不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積される。
【0091】
この不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積された履歴情報は、交換等により設置場所から回収した火災警報器1,4,5,8のポートPioに専用端末器(図示せず)を接続し、その専用端末器において履歴情報の出力要求操作を行って履歴出力指令信号を専用端末器から出力させることで、専用端末器に出力される。
【0092】
また、各火災警報器1,4,5,8において、点検ひも1a,4a,5a,8aを所定時間以内の短時間、引っ張り操作すると、動作モードが火災を検知する通常モードから点検モードに切り換わって、スピーカSP及びインジケータLEDによる火災の音声、表示報知機能が、自発警報、連動警報、隣家連動警報のそれぞれについて正常に動作するかどうかの点検が行われ、また、所定時間を超える長時間、点検ひも1a,4a,5a,8aを引っ張り操作すると、動作モードが通常モードから点検モードに動作モードに切り換わって、火災の検知時に他の火災警報器1,4,5,8に対する警報信号をポートPioから出力する連動出力機能が正常に動作するかどうかの点検が行われる。
【0093】
尚、点検ひも1a,4a,5a,8aの短時間引っ張り操作による点検モードは、音声や表示による火災の報知動作が一通り実行されることで自動的に終了し、点検ひも1a,4a,5a,8aの長時間引っ張り操作による点検モードは、点検ひも1a,4a,5a,8aを再び長時間引っ張ることで終了し、点検モードが終了した後は、動作モードが通常モードに戻る。
【0094】
さらに、対象となる火災警報器1,4,5,8やその機種、要求する点検項目を指定して、不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積された履歴情報の出力と点検モードの開始とを要求する入力が、ハンディーターミナル9のテンキー91の操作により行われると、その旨がハンディーターミナル9から対象となる火災警報器1,4,5,8に、その火災警報器1,4,5,8に接続された無線ユニット2,3,6,7を介して、無線により通知される。
【0095】
すると、通知を受けた火災警報器1,4,5,8において、動作モードが通常モードから点検モードに切り換えられて、要求された項目についての点検動作が行われ、その結果が、不揮発性メモリNVMに記憶、蓄積された履歴情報と共に、その火災警報器1,4,5,8に接続された無線ユニット2,3,6,7を介してハンディーターミナル9に、無線により通知される。
【0096】
そして、履歴情報と共に点検結果が対象の火災警報器1,4,5,8から通知されたハンディーターミナル9では、点検結果のうち、不図示のDC−DCコンバータの故障検出結果、自発警報、連動警報、隣家連動警報による音声や表示の火災報知動作の動作確認、音声による火災報知動作に用いられるスピーカSPの断線確認、表示による火災報知動作に用いられるインジケータLEDの故障確認、火災検知用のセンサの故障確認の故障確認、不図示の温度センサによって測定される火災警報器1,4,5,8の内部温度の異常の有無については、その結果がそのままディスプレイ93に表示される。
【0097】
また、電池BATTの電圧の低下結果が電圧低下である場合は、その電池BATTの電圧と、電池BATTの連続通電時間と、火災警報器1,4,5,8の内部温度とから、その電池BATTの現在の放電深度を求め、これと、火災警報器1,4,5,8の内部温度が変わらない場合に電池BATTの電圧が放電終止電圧に至った場合の放電深度との放電深度差を求め、この放電深度差から、電池BATTの消耗度(「○○%の電池を消費しています」)や電池BATTの推定寿命(「推定寿命は約○ヶ月です」)等が割り出されて、ディスプレイ93に表示される。
【0098】
さらに、履歴情報にある自発警報の回数、時刻、持続時間の分布から、夕方の時刻に短時間の自発警報が集中している場合は、「調理の煙による可能性あり、換気扇使用を推奨」とか、「湯沸かし器、炊飯器から離して設置する必要あり」といった、設置場所や環境の是正を求めるメッセージがディスプレイ93に表示され、また、一日に複数回、短時間の自発警報が発生している場合は、「煙草による可能性あり、設置位置変更が必要」といった、設置場所や環境の是正を求めるメッセージがディスプレイ93に表示される。
【0099】
また、短時間の自発警報、連動警報、隣家連動警報の回数が多い場合は、「誤報により電池寿命が短くなる可能性があります」という、電池BATTの消耗に注意を促すメッセージがディスプレイ93に表示される。
【0100】
尚、連動警報についても、上述した自発警報と同様の表示が、同じ家屋内の他の火災警報器1,4,5,8において発生している事象として、ディスプレイ93に表示されるようにしてもよい。
【0101】
このように、本実施形態の自動連係システムによれば、通常ならば、交換等により設置場所から回収した火災警報器1,4,5,8のポートPioに専用端末器(図示せず)を接続しないと、火災警報器1,4,5,8から出力させることのできない履歴情報を、ハンディーターミナル9から無線ユニット2,3,6,7を介して対象の火災警報器1,4,5,8に、蓄積された履歴情報の出力を要求する履歴出力要求信号を、点検モードの開始を要求する点検開始要求信号と共に出力することで、火災警報器1,4,5,8を設置したままの状態でハンディーターミナル9に出力させることができる。
【0102】
このため、履歴情報を用いて上述した電池BATTの消耗度や推定寿命を推定することができる他、電池BATTが切れた場合に、その原因が自発警報、連動警報、隣家連動警報の多発によるものであって、通常よりも極端に電池BATTの寿命が短くなる等の故障ではないことを認識できるようにすることが可能となる。
【0103】
尚、本実施形態では、火災警報器1,4,5,8が点検モードを動作モードとして有しており、この点検モードの開始を指令する点検開始要求信号を履歴出力要求信号と共にハンディーターミナル9から出力させ、かつ、これを無線で受信した無線ユニット2,3,6,7が接続先の火災警報器1,4,5,8に、履歴出力指令信号と点検開始指令信号とを出力し、火災警報器1,4,5,8が、履歴出力指令信号に呼応して履歴情報を無線ユニット2,3,6,7経由でハンディーターミナル9に出力すると共に、点検開始指令信号に呼応して点検結果を無線ユニット2,3,6,7経由でハンディーターミナル9に出力する構成とした。
【0104】
しかし、火災警報器1,4,5,8が点検モードを動作モードとして有していない場合は、履歴出力要求信号のみをハンディーターミナル9から出力させ、これを無線で受信した無線ユニット2,3,6,7に接続先の火災警報器1,4,5,8へ履歴出力指令信号のみを出力させ、この履歴出力指令信号に呼応して履歴情報を無線ユニット2,3,6,7経由でハンディーターミナル9に出力する構成とすればよい。
【0105】
また、本実施形態のように、火災警報器1,4,5,8が点検モードを動作モードとして有している場合であっても、点検モードの開始を指令する点検開始要求信号を兼ねた履歴出力要求信号のみをハンディーターミナル9から出力させ、これを無線で受信した無線ユニット2,3,6,7に接続先の火災警報器1,4,5,8へ、点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号のみを出力させて、この点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号に呼応して点検結果を、履歴情報と共に、無線ユニット2,3,6,7経由でハンディーターミナル9に出力する構成とすることができる。
【0106】
さらに、本実施形態では、点検モードを動作モードとして有している火災警報器1,4,5,8において、外部(例えば本実施形態のハンディーターミナル9のような)からの無線通信による履歴出力指令信号、又は、点検開始指令信号を兼ねた履歴出力指令信号を受信した無線ユニット2,3,6,7からの、履歴出力要求信号、又は、点検開始要求信号を兼ねた履歴出力要求信号の入力に呼応して、火災警報器1,4,5,8が履歴情報を出力する構成について説明した。
【0107】
しかし、点検モードを動作モードとして有しているガス機器又は防災・防犯関連機器において、点検モードの開始を指令する点検開始指令信号の外部からの入力に呼応して、動作モードを通常モードから点検モードに切り換えて行った点検結果と共に、専用端末器の接続時にその専用端末器からの要求に呼応して出力される履歴情報を出力させる構成としてもよい。
【0108】
そして、いずれの場合にも、無線ユニット2,3,6,7を火災警報器1,4,5,8に内蔵するものとしてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、携帯端末装置が無線ユニット10内蔵のハンディーターミナル9である場合について説明したが、例えば無線ユニット2,3,6,7との無線通信が可能な携帯型ノートパソコンやパームトップパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末であってもよい。
【0110】
そのように構成すれば、点検モードを動作モードとして有している火災警報器1,4,5,8が接続先の無線ユニット2,3,6,7経由で出力した、点検モードにおける点検結果や履歴情報を、携帯情報端末に取り込んで、内部のアプリケーションソフトウェア等を用いて加工、解析し、火災警報器1,4,5,8の電池BATTに関する、より詳細な情報を把握できるようになるので、有利である。
【0111】
図14は、携帯端末装置として携帯型ノートパソコンを用いた場合の、本発明に係る自動連携システムの他の実施形態を示すブロック図であり、図14中引用符号11で示す携帯型ノートパソコンは、図5に示すハンディーターミナル9に代わって、無線ユニット2,3,6,7を介して接続先の各火災警報器1,4,5,8から、点検結果や履歴情報を取り込むために用いられる。
【0112】
そして、携帯型ノートパソコン11は、図15に示すように、内蔵するバッテリBからの電力供給を受けて作動するもので、キーボード111、ディスプレイ113、マウス115、CPU119a、RAM119b、ROM119c、ハードディスクドライブ(HDD)119d、及び、不揮発性メモリNVM等を有しており、キーボード111、ディスプレイ113、RAM119b、ROM119c、HDD119d、及び、不揮発性メモリNVMは、CPU119aに接続されており、また、例えばUSB等で外付け接続された無線ユニット117(請求項中の無線ユニットDに相当)も、CPU119aに接続されている。
【0113】
前記HDD119dには、前記キーボード111の操作により起動される、火災警報器1,4,5,8の電池BATTの電池残量解析用のプログラム等が格納されており、このプログラムのCPU119aによる実行に当たってキーボード111の操作により入力されるパラグラフの内容や、このプログラムの実行により各火災警報器1,4,5,8から取り込まれた点検結果や履歴情報を基に解析された、火災警報器1,4,5,8の電池BATTの電池残量に関する解析結果は、CPU119aの制御によりディスプレイ113に表示される。
【0114】
前記無線ユニット117は、前記無線ユニット2,3,6,7との間で特定小電力無線通信方式による通信を行うものであり、無線ユニット2,3,6,7から送信された無線信号の受信時にその受信強度を測定し、測定した受信強度の最新値を内部のRAM(図示せず)に一時的に保持する機能を有している。
【0115】
前記不揮発性メモリNVMには、不図示の顧客管理データベースから取り込んだ、各契約者の住戸に設置、登録された火災警報器1,4,5,8に接続されている無線ユニット2,3,6,7の識別情報や、火災警報器1,4,5,8の機種と機種毎の点検可能な項目とを関連づけたテーブル等が、契約者番号等に対応付けて格納されている。
【0116】
また、不揮発性メモリNVMには、火災警報器1,4,5,8の電池BATTの端子電圧を火災警報器1,4,5,8の内部温度に応じて、標準温度における端子電圧に補正、変換するためのテーブル又は特性式と、火災警報器1,4,5,8の機種別の、通常モードにおける単位時間当たりの消費電力(通常消費電力)と、火災警報器1,4,5,8の機種別の、火災報知動作時における単位時間当たりの消費電力(警報消費電力)と、電池BATTの電力消費に伴い端子電圧が低下し始めてからの、標準温度における端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式とが格納されている。
【0117】
尚、本実施形態の自動連携システムでは、各無線ユニット2,3,6,7が、他の無線ユニット2,3,6,7,117から送信された無線信号の受信時にその受信強度を測定し、測定した受信強度の最新値を内部のRAM(図示せず)に一時的に保持する機能を有している。
【0118】
そして、本実施形態の自動連携システムでは、キーボード111やマウス115の操作により、HDD119dに格納された電池BATTの電池残量解析用のプログラムを起動させて、まず、顧客登録を行う。
【0119】
この顧客登録は、キーボード111やマウス115の操作により、ディスプレイ113に表示される図16の入力画面において「顧客登録」のタブをクリックして顧客登録画面を表示させ、この顧客登録画面上で「新規」のラジオボタンをクリックしその下のボックスに顧客名を入力して、警報器リスト欄の設置場所名に火災警報器1,4,5,8の設置場所の名前を入力すると共に、デバイスNo.の欄に、火災警報器1,4,5,8のシリアルNo.を入力し(又は、不図示のバーコードリーダーによりに火災警報器1,4,5,8の不図示のバーコードラベルからシリアルNo.を読み取ってデバイスNo.の欄にソートし)て、「顧客登録」ボタンをクリックすることにより、実行される。
【0120】
顧客登録が済んだならば、次に、設置場所の登録を行う。この設置場所登録は、キーボード111やマウス115の操作により、図16の入力画面における「配置」のタブをクリックし、それに伴ってディスプレイ113に表示される図17の入力画面において、「顧客リスト」欄のプルダウンメニューから所望の顧客名を選択し、「警報器リスト」欄のプルダウンメニューから所望の設置場所名を選択し、「鉛筆」のアイコンや「消しゴム」のアイコンをクリックした上で、マウス115を左クリックした状態でカーソルを動かしながら、「見取り図」のエリア内に設置場所の見取り図を描画し、最後に、「警報器」のアイコンをクリックしたままドラッグして見取り図中に貼り付けることで、実行される。
【0121】
このようにして顧客登録及び設置場所の登録が終了すると、以後、「配置」のタブをクリックすることでディスプレイ113に表示される図17の入力画面では、「顧客リスト」欄に表示されている顧客の、「警報器リスト」欄に表示されている設置場所に設置された火災警報器1,4,5,8の見取り図が、「見取り図」のエリア内に表示されると共に、火災警報器1,4,5,8のアイコンが表示される。
【0122】
顧客登録及び設置場所の登録が済んだならば、次に、登録した顧客の火災警報器1,4,5,8に対する内蔵の電池BATTの状態を含む点検結果や履歴情報の出力要求を行う。
【0123】
この点検結果や履歴情報の出力要求は、キーボード111やマウス115の操作により、図16の入力画面における「電池計測」のタブをクリックし、それに伴ってディスプレイ113に表示される図18の入力画面において、「顧客リスト」欄のプルダウンメニューから所望の顧客名を選択し、「警報器リスト」欄のプルダウンメニューから所望の設置場所名を選択して、「計測」のボタンをクリックすることで、実行される。
【0124】
尚、「配置」のタブをクリックすることでディスプレイ113に表示される図17の入力画面において、「顧客リスト」欄と「警報器リスト」欄に所望の顧客名と設置場所名を表示させた状態で、「計測へ」のボタンをクリックすると、「顧客リスト」欄と「警報器リスト」欄に表示された顧客及び設置場所がそのままソートされた状態で、図18の入力画面が表示される。
【0125】
そこで、図18の入力画面において「計測」のボタンをクリックすることで、携帯型ノートパソコン11のROM119cに格納された制御プログラムにしたがってCPU119aが行う処理を、図19のフローチャートを参照して説明する。
【0126】
まず、図18の入力画面において「計測」のボタンがクリックされたか否かを確認し(ステップS121)、クリックされた場合は(ステップS121でY)、図18の入力画面における「顧客リスト」欄と「警報器リスト」欄にそれぞれ表示されていた顧客と設置場所に対応する火災警報器1,4,5,8及び接続先の無線ユニット2,3,6,7を、不揮発性メモリNVMに格納されたテーブル等を参照して特定する(ステップS123)。
【0127】
そして、特定した無線ユニット2,3,6,7の識別番号を含む履歴出力要求信号と点検開始要求信号とを生成し、無線ユニット117から無線送信させた後(ステップS125)、無線ユニット2,3,6,7に接続された火災警報器1,4,5,8から出力されて、無線ユニット2,3,6,7において、先に無線ユニット2,3,6,7が受信した無線ユニット117からの履歴出力要求信号や点検開始要求信号の受信強度(電界強度)の保持値のデータを加えた履歴データ信号及び点検結果データ信号が、無線ユニット117で受信されて入力されるのを待機する(ステップS127)。
【0128】
無線ユニット2,3,6,7からの履歴データ信号及び点検結果データ信号が入力されたならば(ステップS127でY)、入力された履歴データ信号中に含まれる警報履歴データ等を、図18の入力画面の「警報器情報」の欄や「故障履歴」の欄に表示させると共に、無線ユニット2,3,6,7が受信した無線ユニット117からの履歴出力要求信号や点検開始要求信号の受信強度(電界強度)の保持値のデータと、今回無線ユニット117が受信した無線ユニット2,3,6,7からの履歴データ信号及び点検結果データ信号の受信強度(電界強度)の保持値とを、図18の入力画面の「電界強度(RSSI)」の欄に、図20に示すように表示させ、かつ、入力された点検結果データ信号中に含まれる、特定した無線ユニット2,3,6,7の接続先の火災警報器1,4,5,8の電池BATTの端子電圧等を用いて、電池BATTの残量等を割り出し(ステップS129)、割り出した電池BATTの残量等を、「電池残量」の欄に表示させた後(ステップS131)、ステップS121にリターンする。
【0129】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の携帯型ノートパソコン11においては、図19のフローチャートにおけるステップS125が、請求項中の履歴出力要求手段Hに対応する処理となっており、また、図19中のステップS127が、請求項中の情報受信手段Jに対応する処理となっている。
【0130】
さらに、本実施形態の携帯型ノートパソコン11では、図19中のステップS129が、請求項中の状態情報生成手段Kに対応する処理となっており、かつ、図19中のステップS131が、請求項中の状態情報出力手段Lに対応する処理となっている。
【0131】
上述のように構成された本実施形態の携帯型ノートパソコン11では、無線ユニット2,3,6,7と無線ユニット117との間の無線通信により、所望の火災警報器1,4,5,8の警報履歴データと共に点検結果データが入力されると、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報に含まれている電池BATTの連続通電時間と、火災警報器1,4,5,8の内部温度とが、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「動作時間」と「温度」の欄にそれぞれ表示される。
【0132】
そして、本実施形態の携帯型ノートパソコン11では、所望の火災警報器1,4,5,8から入力された点検結果データ中の端子電圧を火災警報器1,4,5,8の内部温度と標準温度との差で補正した補正後の端子電圧が求められ、求められた補正後の端子電圧が3.3V以上である場合と、2.7V以上3.3V未満である場合と、2.7V未満である場合とで、それぞれ異なった動作が行われ、それに伴って、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「残り時間」の欄にも、補正後の端子電圧が3.3V以上である場合と、2.7V以上3.3V未満である場合と、2.7V未満である場合とで、それぞれ異なった値が表示される。
【0133】
まず、補正後の端子電圧が3.3V以上である場合は、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報に含まれている電池BATTの連続通電時間を、不揮発性メモリNVMに格納されている単位時間当たりの消費電力とを乗じた通常時の消費電力、及び、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報に含まれている自発警報や連動警報、隣家連動警報の総持続時間に、不揮発性メモリNVMに格納されている火災報知動作時の単位時間当たりの消費電力を乗じた警報時の消費電力の合計を、電池BATTの消費電力として求める。
【0134】
そして、不揮発性メモリNVMに格納されている、標準温度における電池BATTの端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式において、電池BATTが火災警報器1,4,5,8の警報出力動作に最低限必要な動作電圧(例えば標準温度で2.6V)に低下した場合の積算消費電力m(予め実測によって求めておいた値)から、先に求めた電池BATTの消費電力を差し引いて、電池BATTの残りの電力を求め、求めた残りの電力を、不揮発性メモリNVMに格納されている単位時間当たりの消費電力を乗じた通常時の消費電力で除して、電池BATTの残り時間を求めて、これを、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「残り時間」の欄に表示させる。
【0135】
尚、補正後の端子電圧が3.3V以上である場合に、図20に示す画面の「電池残量」の欄に表示させる電池残量のイメージ及びコメントは、不揮発性メモリNVMに格納されている、標準温度における電池BATTの端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式において、電池BATTの標準温度における端子電圧が3.3Vから低下し始める時の電池BATTの消費電力値nに、先に求めた電池BATTの消費電力が達していなければ、図21に示すような、電池のイメージのほぼ全体が緑色に色づけされた状態のイメージと、「電池残量は十分です」のコメントとなる。
【0136】
一方、先に求めた電池BATTの消費電力が、電池BATTの標準温度における端子電圧が3.3Vから低下し始める時の電池BATTの消費電力値nに達していれば、図20に示す画面の「電池残量」の欄に表示させる電池残量のイメージ及びコメントは、図22に示すような、電池のイメージの下半分が緑色に色づけされた状態のイメージと、「電池残量が減っています」のコメントとなる。
【0137】
次に、補正後の端子電圧が2.7V以上3.3V未満である場合は、不揮発性メモリNVMに格納されている、標準温度における電池BATTの端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式において、補正後の端子電圧に対応する値が、電池BATTの消費電力として求められ、これを、先に説明した、火災警報器1,4,5,8の警報出力動作に最低限必要な動作電圧に低下した場合の電池BATTの積算消費電力mから差し引いて、電池BATTの残りの電力を求め、求めた残りの電力を、不揮発性メモリNVMに格納されている単位時間当たりの消費電力を乗じた通常時の消費電力で除して、電池BATTの残り時間を求めて、これを、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「残り時間」の欄に表示させる。
【0138】
尚、補正後の端子電圧が2.7V以上3.3V未満である場合に、図20に示す画面の「電池残量」の欄に表示させる電池残量のイメージ及びコメントは、不揮発性メモリNVMに格納されている、標準温度における電池BATTの端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式において、電池BATTの標準温度における端子電圧が3.3Vから低下し始める時の電池BATTの消費電力値nに、先に求めた電池BATTの消費電力が達していなければ、図23に示すような、電池のイメージの下半分が緑色に色づけされた状態のイメージと、「電池残量が減っています」のコメントとなる。
【0139】
一方、先に求めた電池BATTの消費電力が、電池BATTの標準温度における端子電圧が3.3Vから低下し始める時の電池BATTの消費電力値nに達していれば、図20に示す画面の「電池残量」の欄に表示させる電池残量のイメージ及びコメントは、図24に示すような、電池のイメージの下3分の1が黄色に色づけされた状態のイメージと、「電池残量がありません」のコメントとなる。
【0140】
次に、補正後の端子電圧が2.7V未満である場合は、不揮発性メモリNVMに格納されている、標準温度における電池BATTの端子電圧と消費電力との相関を示すテーブル又は特性式において、補正後の端子電圧に対応する値が、電池BATTの消費電力として求められるが、これは、先に説明した、火災警報器1,4,5,8の警報出力動作に最低限必要な動作電圧に低下した場合の電池BATTの積算消費電力mを当然上回る値となるから、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「残り時間」の欄に表示させる電池BATTの残り時間は、当然「0」となる。
【0141】
尚、補正後の端子電圧が2.7V未満である場合に、図20に示す画面の「電池残量」の欄に表示させる電池残量のイメージ及びコメントは、図25に示すような、電池のイメージの下3分の1が黄色に色づけされた状態のイメージと、「電池残量がありません」のコメントとなる。
【0142】
ちなみに、補正後の端子電圧が3.3V以上である場合や、補正後の端子電圧が2.7V以上3.3V未満である場合に、「残り時間」の欄に表示させる電池BATTの残り時間は、次のような内容にしてもよい。
【0143】
即ち、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報に含まれている自発警報や連動警報、隣家連動警報の総持続時間を、自発警報や連動警報、隣家連動警報の合計回数で除して、単位時間当たりの警報回数を求め、これを、先に求めた電池BATTの残り時間に乗じて、残り時間で起こるであろう警報回数を求める。
【0144】
また、火災警報器1,4,5,8からの履歴情報に含まれている自発警報や連動警報、隣家連動警報の総持続時間を、自発警報や連動警報、隣家連動警報の合計回数で除して、警報1回当たりの平均警報時間を求め、これを、先に求めた、残り時間で起こるであろう警報回数に乗じて、残り時間において警報時に必要な消費電力を求める。
【0145】
そして、求めた残り時間において警報時に必要な消費電力を、先に求めた残りの電力から差し引いて、残り時間で起こるであろう警報による消費電力分を差し引いた真の残り電力を求め、この真の残り電力を、不揮発性メモリNVMに格納されている単位時間当たりの消費電力を乗じた通常時の消費電力で除して、残り時間で起こるであろう警報による消費電力分を考慮した電池BATTの残り時間を求めて、これを、図20に示す画面の「電池残量」の欄の「残り時間」の欄に表示させるようにすることもできる。
【0146】
以上に説明したとおり、携帯端末装置として本実施形態の携帯型ノートパソコン11や、パームトップパソコン、PDA等、アプリケーションソフトウェアのインストール可能な装置を用いれば、火災警報器1,4,5,8から入力される警報履歴データや点検結果データ中の各要素を用いて、電池BATTの残量に関する詳細な解析を行って、火災警報器1,4,5,8の電池BATTの枯渇前の交換を可能にするような詳細な情報の生成、表示を行えるようにすることができる。
【0147】
尚、上述した実施形態の携帯型ノートパソコン11では、フローチャートを参照しての詳細な説明を省略したが、先に説明した実施形態のハンディーターミナル9が行うのと同様の、火災警報器1,4,5,8から無線ユニット2,5,6,8及び無線ユニット117を介して入力された履歴データ信号中に含まれる警報履歴データと、入力された点検結果データ信号中に含まれる、指定した点検項目についての点検結果とを用いて、点検項目に関連する火災警報器1,4,5,8の状況を解析し、解析した結果を示す状態情報を生成し、生成した状態情報をディスプレイ113に表示させる処理も、実行される。
【0148】
したがって、履歴情報と共に点検結果が対象の火災警報器1,4,5,8から通知された携帯型ノートパソコン11において、点検結果のうち、不図示のDC−DCコンバータの故障検出結果、自発警報、連動警報、隣家連動警報による音声や表示の火災報知動作の動作確認、音声による火災報知動作に用いられるスピーカSPの断線確認、表示による火災報知動作に用いられるインジケータLEDの故障確認、火災検知用のセンサの故障確認の故障確認、不図示の温度センサによって測定される火災警報器1,4,5,8の内部温度の異常の有無を、ディスプレイ113に表示させることができる。
【0149】
また、履歴情報にある自発警報の回数、時刻、持続時間の分布から、夕方の時刻に短時間の自発警報が集中している場合に、「調理の煙による可能性あり、換気扇使用を推奨」とか、「湯沸かし器、炊飯器から離して設置する必要あり」といった、設置場所や環境の是正を求めるメッセージをディスプレイ113に表示したり、一日に複数回、短時間の自発警報が発生している場合に、「煙草による可能性あり、設置位置変更が必要」といった、設置場所や環境の是正を求めるメッセージをディスプレイ113に表示することができる。
【0150】
さらに、短時間の自発警報、連動警報、隣家連動警報の回数が多い場合は、「誤報により電池寿命が短くなる可能性があります」という、火災警報器1,4,5,8の電池BATTの消耗に注意を促すメッセージをディスプレイ13に表示させることもでき、あるいは、電池BATTが切れた場合に、その原因が自発警報、連動警報、隣家連動警報の多発によるものであって、通常よりも極端に電池BATTの寿命が短くなる等の故障ではないことを認識できるようにすることもできる。
【0151】
尚、連動警報についても、上述した自発警報と同様の表示が、同じ家屋内の他の火災警報器1,4,5,8において発生している事象として、ディスプレイ113に表示されるようにしてもよい。
【0152】
以上に説明した各実施形態では、ガス機器又は防災・防犯関連機器が火災警報器1,4,5,8である場合を例に採って説明したが、本発明は、例えば、窓センサや防犯切替中継器、網制御装置(NCU)のような、警報状態の発生時に警報信号を出力したり出力された警報信号を処理する防災・防犯関連機器や、ガスメータやガス漏れ火災警報器等のガス機器から、内部に記憶、蓄積された履歴情報を、それらを設置したままの状態で出力させる場合に、広く適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明に係るガス機器又は防災・防犯関連機器の基本構成図である。
【図2】本発明に係るガス機器又は防災・防犯関連機器の基本構成図である。
【図3】本発明に係る無線ユニットの基本構成図である。
【図4】本発明に係る携帯端末装置の基本構成図である。
【図5】本発明を適用して火災警報器どうしを無線で相互に接続した自動連携システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5の自動連携システムにおける火災警報器の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の火災警報器のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図8】図6の火災警報器のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図9】図6の火災警報器のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図10】図5の自動連携システムにおける無線ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の無線ユニットのマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図12】図5の自動連携システムにおけるハンディーターミナルの構成例を示すブロック図である。
【図13】図12のハンディーターミナルの無線ユニットのマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図14】本発明を適用して火災警報器どうしを無線で相互に接続した自動連携システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図15】図14の自動連携システムにおける携帯型ノートパソコンの構成例を示すブロック図である。
【図16】図15の携帯型ノートパソコンのディスプレイに表示される電池残量解析用プログラムの入力画面の表示例を示す説明図である。
【図17】図15の携帯型ノートパソコンのディスプレイに表示される電池残量解析用プログラムの入力画面の表示例を示す説明図である。
【図18】図15の携帯型ノートパソコンのディスプレイに表示される電池残量解析用プログラムの入力画面の表示例を示す説明図である。
【図19】図15の携帯型ノートパソコンのCPUがROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図20】図15の携帯型ノートパソコンのディスプレイに表示される電池残量解析用プログラムの入力画面の表示例を示す説明図である。
【図21】図20の入力画面に表示される電池残量に関するイメージ及びコメントの表示例を示す説明図である。
【図22】図20の入力画面に表示される電池残量に関するイメージ及びコメントの表示例を示す説明図である。
【図23】図20の入力画面に表示される電池残量に関するイメージ及びコメントの表示例を示す説明図である。
【図24】図20の入力画面に表示される電池残量に関するイメージ及びコメントの表示例を示す説明図である。
【図25】図20の入力画面に表示される電池残量に関するイメージ及びコメントの表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0154】
A モード切換手段
B 情報出力手段
BATT 電池
C 通信相手
D 無線ユニット
E ガス機器又は防災・防犯関連機器
F 履歴出力指令手段
G 情報送信手段
H 履歴出力要求手段
J 情報受信手段
K 状態情報生成手段
L 状態情報出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行い、さらに、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの要求に呼応して前記履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器であって、
前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号の外部からの入力に呼応して前記通常モードから前記点検モードに動作モードを切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段によって前記通常モードから切り換えられた前記点検モードにおいて実行された動作の点検結果と、前記モード切換手段による前記点検モードへの切り換えまでの前記通常モードにおいて蓄積した前記履歴情報とを、前記点検開始指令信号の出力元に出力する情報出力手段とを備え、
前記点検開始指令信号は、外部に接続されて通信相手との情報の授受を無線通信により行う無線ユニットから、無線による前記点検モードの開始を要求する点検開始要求信号の前記無線ユニットによる受信に伴い入力され、
前記情報出力手段は、前記点検結果と前記履歴情報とを、前記無線ユニットから前記通信相手に無線で送出させるべく該無線ユニットに出力する、
ことを特徴とするガス機器又は防災・防犯関連機器。
【請求項2】
通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行い、さらに、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの要求に呼応して前記履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器であって、
前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号の外部からの入力に呼応して前記通常モードから前記点検モードに動作モードを切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段によって前記通常モードから切り換えられた前記点検モードにおいて実行された動作の点検結果と、前記モード切換手段による前記点検モードへの切り換えまでの前記通常モードにおいて蓄積した前記履歴情報とを、前記点検開始指令信号の出力元に出力する情報出力手段と、
通信相手との情報の授受を無線通信により行う無線ユニットとを備え、
前記点検開始指令信号は、前記通信相手から無線により前記無線ユニットに入力され、
前記情報出力手段は、前記点検結果と前記履歴情報とを前記無線ユニットから前記通信相手に無線により出力する、
ことを特徴とするガス機器又は防災・防犯関連機器。
【請求項3】
前記点検結果は、内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池を電源とする電気素子の動作回数、又は、前記電池からの電源供給を受けた時間の長さを示す連続通電時間を含んでいる請求項1又は2記載のガス機器又は防災・防犯関連機器。
【請求項4】
前記点検結果は、内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池の電源供給を受けて警報状態時に実行される警報動作の合計時間を含んでいる請求項1又は2記載のガス機器又は防災・防犯関連機器。
【請求項5】
内部に蓄積した動作の履歴情報を、専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの履歴出力指令信号の入力に呼応して前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器に接続され、該ガス機器又は防災・防犯関連機器と通信相手との間で授受される情報を無線通信により送受する無線ユニットであって、
外部からの履歴出力要求信号を無線通信により受信した際に、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に前記履歴出力指令信号を出力する履歴出力指令手段と、
前記履歴出力指令信号の入力に呼応して接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器から入力される前記履歴情報を、無線通信により前記履歴出力要求信号の送信元に送信する情報送信手段と、
を備えることを特徴とする無線ユニット。
【請求項6】
前記ガス機器又は防災・防犯関連機器は、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行うように構成されており、前記履歴出力指令手段は、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に前記点検モードの開始を指令する点検開始指令信号を兼ねて、前記履歴出力指令信号を出力するように構成されており、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器は、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して、前記点検モードにおける動作の点検を実行してその点検結果を、前記履歴情報と共に出力するように構成されており、前記情報送信手段は、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器から入力される前記点検結果を、前記履歴情報と共に無線通信により前記履歴出力要求信号の送信元に送信するように構成されている請求項5記載の無線ユニット。
【請求項7】
前記点検結果は、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池を電源とする接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器の動作回数、又は、前記電池BATTからの電源供給を受けた時間の長さを示す連続通電時間を含んでいる請求項6記載の無線ユニット。
【請求項8】
前記点検結果は、接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池を電源とする接続先の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器が、前記電源用電池の電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間を含んでいる請求項6記載の無線ユニット。
【請求項9】
専用端末器の接続に伴い該専用端末機からの履歴出力指令信号の入力に呼応して、内部に蓄積した動作の履歴情報を前記専用端末器に出力するガス機器又は防災・防犯関連機器に接続される無線ユニットを介して、無線通信による情報の授受を前記ガス機器又は防災・防犯関連機器との間で行う携帯端末装置であって、
前記履歴情報の前記ガス機器又は防災・防犯関連機器からの出力を要求する履歴出力要求信号を無線通信により前記無線ユニットに送信する履歴出力要求手段と、
前記履歴出力要求信号の受信に伴い前記無線ユニットが出力する前記履歴出力指令信号の入力に呼応した、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器からの前記履歴情報の入力に呼応して、前記無線ユニットが無線通信により送信する前記履歴情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が受信した前記履歴情報を解析し該履歴情報に関連する前記ガス機器又は防災・防犯関連機器の状態情報を生成する状態情報生成手段と、
前記状態情報生成手段が生成した前記状態情報に関する表示又は音声出力を行う状態情報出力手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
前記ガス機器又は防災・防犯関連機器は、通常モードにおいて動作の履歴情報を内部に蓄積すると共に、点検モードにおいて動作の正常、異常の点検とその結果出力を行うように構成されており、前記無線ユニットは、前記履歴出力要求信号の受信に伴い、前記点検モードの開始を要求する点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号を出力するように構成されており、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器は、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して、前記点検モードにおける動作の点検を実行してその点検結果を、前記履歴情報と共に出力するように構成されており、前記無線ユニットは、前記点検開始指令信号を兼ねた前記履歴出力指令信号の入力に呼応して前記ガス機器又は防災・防犯関連機器から入力される前記点検結果を、前記履歴情報と共に無線通信により送信するように構成されており、前記情報受信手段は、前記無線ユニットが無線通信により送信する前記点検結果を前記履歴情報と共に受信するように構成されており、前記状態情報生成手段は、前記情報受信手段Jが受信した前記点検結果の項目に関連性のある前記履歴情報を解析して前記点検結果の項目別に前記状態情報を生成するように構成されている請求項9記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記点検結果は、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池を電源とする前記ガス機器又は防災・防犯関連機器の電気素子の動作回数、又は、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器が前記電池からの電源供給を受けた時間の長さを示す連続通電時間を含んでいる請求項10記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記点検結果は、前記ガス機器又は防災・防犯関連機器に内蔵された電源用電池の端子電圧を含んでおり、前記履歴情報は、前記電池を電源とする前記ガス機器又は防災・防犯関連機器が、前記電源用電池の電源供給を受けて警報状態時に実行する警報動作の合計時間を含んでいる請求項10記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−33841(P2008−33841A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209257(P2006−209257)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】