説明

ガス浄化装置

【課題】有害成分等の分解を放電と触媒の複合体によって行い、放電によって生成されるラディカル種を利用するとともに、触媒を活性状態に維持するための操作の低コスト化を図ったガス浄化装置を提供する。
【解決手段】処理対象のガスを先ず放電部111に導入し、このガスに対し放電処理を行い、そのガス成分の一部を分解すると共に一部を不安定な励起状態にする。この放電部111により放電処理されたガスを触媒部102に導入し、触媒によりガス成分を分解する。また、温度測定装置104により、触媒部102における温度を測定し、この測定結果に基いてコントローラ105で触媒を加熱する熱源103を制御して触媒を所定の活性温度に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装工場、印刷工場等の工業施設から排出されるVOC等の有害物質を含有するガスや、水処理施設、家畜飼育施設などから排出される悪臭成分を含有するガスの浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装工場、印刷工場等の工業施設から排出されるガスからのVOC等の有害物質の除去や、水処理施設、家畜飼育施設などから排出されるガスからの悪臭等の除去は、現代の重要な技術開発課題である。これら排出ガスの処理法には、吸着材や触媒を使う方法、薬剤の水溶液に溶解吸収させる方法、放電プラズマを用いる方法など、さまざまな方法が開発されてきている。この中で、触媒を用いる方法は、燃焼方式と組み合わせることにより、装置の大規模化が比較的容易でランニング・コストも高くないので、広く用いられている。
【0003】
一般に、触媒はある温度以上の高温に加熱されないと活性状態にならないため、触媒を加熱しておくことが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
従来の、触媒燃焼方式のガス浄化装置は、配管により浄化装置内に流入した排ガスを、処理後の排出ガスの熱を利用した熱交換器によってある温度まで暖めた後、先ず、燃焼処理部に導入する。ここで、燃焼によって一部の有害物質、或いは、臭い成分は、酸化分解される。次に、この排ガスを触媒が充填された触媒部に導入して、残存する成分を触媒によって酸化分解する。これらによって、全ての有害、悪臭成分の処理が終了する。
【0005】
ここで、触媒処理部の前段に、熱交換器や燃焼処理部が置かれるのは、前述のように、触媒が十分に活性化するのに300℃以上の高温が必要なためである。
【0006】
上記のような燃焼部を持つ排ガス浄化装置は、浄化対象のガスが、ボイラー等からの排出ガスで、すでに数100℃程度の高温になり、且つ、大風量のものを扱う場合は、効率的に運転される。しかし、塗装工場や印刷工場からの、せいぜい100℃程度のガスを扱うには、オーバ・スペックであり、運転効率が悪いものとなる。
【特許文献1】特開昭63−16033号公報
【特許文献2】特開平3−4921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来の燃焼と触媒を組み合わせた装置は、低温のガスの処理や中小風量の処理に対しては、効率が必ずしも良くないという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、有害成分等の分解を、放電と触媒との複合体によって行い、放電によって生成されるラディカル種を利用するとともに、触媒を活性状態に維持するための操作の低コスト化を図ったガス浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガス浄化装置は、処理対象のガスが導入され、このガスに対し放電処理を行い、この放電処理により被処理成分の一部を分解すると共に一部を不安定な励起状態にする放電部と、この放電部により放電処理されたガスが導入され、前記被処理成分を分解する触媒を有する触媒部と、この触媒部における温度を測定し、この測定結果で触媒を加熱する熱源を制御して触媒を所定の活性温度に維持する加熱装置とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明では、触媒部は、被処理ガスの流れ方向に対して互いに異なる触媒が複数段、直列に配置されており、これら触媒は、前記被処理ガスの流れ方向上流部に配置された触媒ほど活性温度の低い触媒にするとよい。
【0011】
また、本発明では、触媒を加熱する熱源は、被処理ガスが貫通する開口を有する環状を成し、この開口を通過した被処理ガスが触媒部に導入されるように、前記触媒部の、前記被処理ガスの流れ方向前段部に設置されている構成でもよい。
【0012】
また、本発明では、被処理ガスのガス流入路に二方向切換バルブを設け、前記被処理ガスを、放電部に導入させる第1の配管と、放電部及び触媒部が収容される筐体外面に接した後、前記放電部に導入させる第2の配管とのいずれかに通気させるべく選択可能に構成され、前記二方向切換バルブは、被処理ガスの温度が設定温度未満であれば前記第1の配管を選択し、前記設定温度以上であれば前記第2の配管を選択するように構成してもよい。
【0013】
また、本発明では、触媒部からの処理済のガスを、放電部及び触媒部が収容される筐体外面に接触した配管を通して排出するようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明では、放電部に導入される被処理ガスが流れる配管に、水滴除去装置が設けられているとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、放電によって生成されるオゾンなどのラディカル種によって被処理物質を直接分解するとともに、被処理ガスの温度が触媒の活性温度より低い場合は、放電部の発熱と、触媒の酸化分解作用に伴って発生する熱も利用し、さらに、必要に応じて外部からの加熱を加えて触媒の温度制御を行うことにより、外部から投入するエネルギーの低減を図り、CO2の発生を抑制し、効率的な運転が可能な、ランニング・コストの安い排出ガス浄化装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明によるガス浄化装置の一実施の形態について、図1乃至図3を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1において、101はガス処理装置の容器(以下、筐体として説明する)で、処理対象のガス(以下、被処理ガス)を導入するための配管131と、処理済のガスを導出するための配管132とが図示左右に連結されている。111は放電部で、配管131から導入された被処理ガスに対し放電処理を行い、この放電処理によりそのガスの被処理成分の一部を分解すると共に一部を不安定な励起状態にする。この放電部111は放電用の電源112と給電線113により接続しており、図示しないがその内部には、空間放電、または、誘電体の表面に沿った沿面放電を発生させる電極群が設置されている。この電極群には給電線113により放電電源112から電力を供給され、各電極間で放電を生じさせ、前述のように導入された被処理ガスを放電処理する。
【0018】
102は触媒部で、その内部には、例えば、二酸化マンガンなどの触媒が充填されており、放電部111により放電処理されたガスが導入され、触媒により被処理成分を分解する。100は加熱装置で、電気ヒータなどによる熱源103、温度測定装置104、コントローラ105、温度測定装置104からの信号をコントローラ105に伝達する信号線106、及び電気ヒータ103への電力供給線107から成る。この加熱装置100は、温度測定装置104で触媒部102の温度を測定し、この測定結果に基いてコントローラ105により電気ヒータ(熱源)103を制御して、触媒を所定の活性温度に維持する。
【0019】
この実施形態の排出ガス浄化装置は、上述のように、空間放電、または、誘電体の表面に沿った沿面放電を発生させる電極群が設置された放電部111と、触媒が充填された触媒部102と、触媒を加熱する熱源103と、温度測定装置104及びコントローラ105から成る触媒の温度モニター装置を具備する。また触媒は、温度に対して酸化分解の活性がステップ・ファンクション状に発現するという特性を有し、触媒の温度モニターはこの活性の変化を触媒の温度変化として読み取れる程度の測定精度を有する。
【0020】
上記のようなプラズマ・ガス処理装置によると、触媒部102は、前段の放電部111における放電処理により温度上昇したガスを導入する。また、触媒により有害物質を酸化分解する過程で発生する熱による自己加熱による温度上昇をモニターしながら、温度制御する。このため、ヒータ103による加熱を抑制して、触媒が活性化する最低温度近傍で触媒を働かせることができ、装置への余分なエネルギーの投入がなくなり、効率的な低ランニング・コストの運転が実現できる。
【0021】
ここで、従来の脱臭や有害物質の除去は、室内空気や、高濃度の有害物質を排出するプラントを対象として、技術開発が進んできた。室内空気の浄化では、対象となる臭気物質や有害物質の濃度が低いので、酸化分解による発熱は、処理装置の動作に影響するほど大きくなかった。一方、大規模プラントのガス浄化装置は、触媒と燃焼の組合せであり、酸化分解に伴われる触媒の発熱は、装置の運転上問題になることはなかった。
【0022】
ところが、塗装工場や印刷工場の排ガスなどは、数10〜数100ppm と高濃度であるが、処理ガス量はさほど大きくなく、排ガス処理装置には経済性が要求される。したがって、処理効率が高く、ランニングコストを低くできる上述のガス処理装置は、このような用途には最適のものである。
【0023】
以下、動作を詳述する。図2は、触媒部102の有害物質除去性能の温度依存特性を示す。この触媒部102では、閾値温度T1において、触媒の活性がステップ・ファンクション状に上昇し、有害物質の酸化分解処理が急激に行われるようになる。反応率が100%になる温度T2とT1との差は、数10℃である。例えば、触媒が二酸化マンガンの場合、T1は200℃程度であり、T2は300℃程度である。
【0024】
図1において、被処理ガスは、入口側の配管131を通って、放電部111に流入する。放電部111では、空間放電、または誘電体の表面に沿った沿面放電を発生させる電極群により放電が行われる。被処理ガスの被処理成分は、放電で生成されるラディカル種(オゾンや、励起状態の酸素分子や窒素分子など)によって、一部は分解され、一部は不安定な励起状態になり、後段の触媒部102へ流入する。
【0025】
また、上記放電により、ガスは加熱され温度上昇する。例えば、塗装工場からの排ガスは常温であるため、放電により100℃近くまで温度上昇する。印刷工場では、インクを乾かすことから排ガスの温度は200℃程度であり、放電によりさらに温度上昇する。
【0026】
このように温度上昇したガスが触媒部102に導入されるが、触媒は、その温度が触媒の活性温度域より低ければ機能しないので、活性領域まで触媒の温度を上げ、その温度状態を維持する必要がある。加熱装置100はこのために装着されたもので、温度測定装置104によって測定された触媒の温度が、触媒の活性温度領域以下である場合、コントローラ105の働きで電気ヒータ103がオンとなり、適正温度まで触媒の温度を上昇させる。
【0027】
触媒が排ガス中の処理対象物質に作用してこれを酸化分解する反応は、一般に、発熱反応であり、触媒の作用と同時に、触媒全体の温度が上昇し、加熱の肩代わりをする。図3によってその機能を詳しく説明する。
【0028】
ガス浄化装置の起動と同時に加熱装置100のヒータ103によって触媒部102の温度が上昇する。一定温度Tcに達したところで、排ガスが導入され、処理対象物質の酸化分解が始まる。この酸化分解により、触媒部102にはヒータ103からの熱に加えて、触媒の作用に起因する反応熱が加わる。この反応熱の発生によって触媒は自己加熱されるので、ヒータ103をオフにしても触媒の温度を保持することができる。すなわち、ヒータ103の休止期間を設け、触媒の温度維持にかかわるコストの削減を図ることができる。図3は、この場合の、ヒータ103のオン・オフ状態、触媒温度、触媒の発熱の時間変化を示している。
【0029】
図3において、触媒の温度が活性温度域に入ると、触媒の発熱が始まる。さらに外部からヒータ103で加熱し、図中矢印121のタイミングで加熱を停止する。触媒反応による発熱があるので触媒部102の温度は維持される。触媒部102の放熱が発熱より大きい場合は、図示のように徐々に温度が下がる。触媒活性温度領域の下限に近い温度に制御の基準温度Tcを設定し、これより低下したら再びヒータ103をオンにして、触媒の温度上昇を図る。
【0030】
このように、触媒の反応熱を触媒部102の温度維持に利用し、ヒータ103による外部加熱の負担を小さくすることによって、ランニング・コストを低く抑えることができる。
【0031】
また、触媒部102に導入されるガスは、前段において放電により被処理成分の一部が分解され、一部が不安定な励起状態になっているので、分解しやすく、触媒により容易に分解することができる。例えば、前段の放電により生じたオゾンなども、触媒により分解されるが、このオゾンの分解により励起状態の酸素源などのラディカル種も生じるので、これがガス成分の分解を促進させることになり、触媒によるガス成分の分解がいっそう効率よく行われる。
【0032】
これらの結果、ガス成分の分解効率が高く、しかもランニングコストの低いガス浄化装置が得られる。
【0033】
次に、図4で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、触媒部102は、被処理ガスの流れ方向に対して、材質が互いに異なる触媒を複数段、直列に配置している。この場合、被処理ガスの流れ方向上流部に配置された触媒ほど活性温度の低い触媒を設置する。すなわち、触媒部102は、複数の触媒部102a、102b、102c で構成されている。ここで、上流の触媒部102aでの活性温度がもっとも低く、102b、102c と下流に行くに従って、活性温度が高くなるように配置されている。
【0034】
活性温度が低い触媒は、白金等の貴金属が担持されており、高価なものが多い。高価な触媒を前段に用い、処理対象物質を除去すると同時に、反応熱を利用してガス温度を上げ、次段の触媒の温度上昇に寄与させる構成となっている。後段の触媒は、より高温のガスを扱うので、活性温度の高い安価な触媒を使うことができる。したがって、全体として使用する触媒の価格を低く押さえることができるので、安価なガス浄化装置を提供することができる。
【0035】
この場合、個々の触媒部102a、102b、102cごとに、触媒温度の制御装置100(熱源103a〜c、温度測定装置104a〜c、コントローラ105、ケーブル106、107)が構成される。また、前段の触媒部102aや102bでは、発熱を効率よくガスに伝達するために、この触媒部のコンダクタンスを小さくし、ガスの流速を下げ、滞留時間を長くする工夫をしても良い。
【0036】
次に、図5で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、触媒を加熱するヒータ(熱源)103を、被処理ガスが貫通する開口103aを有する環状とした。そして、この開口103aを通過した被処理ガスが触媒部102に導入されるように、触媒部102の前段部に設置している。すなわち、被処理ガスの流れ方向に対する、触媒部102の前段(図示左部)に、環状のヒータ103を設置している。
【0037】
一般に、熱は周辺に逃げるので、断面内に一様に発熱体を置いたのでは、周辺が十分に加熱されないことが起こり得る。メンテナンス性などの問題により、ヒータ103を図1のように触媒部102の外周に設置できない場合は、上述のように環状のヒータ103を触媒部102の前段に設け、この触媒部102の前段周辺から加熱する。また、ヒータ103の熱はガスの流れによって下流(図示右方)へ運ばれるので、触媒部102の全体に亘って周辺部から加熱されることとなり、均一な温度分布が得られる。
【0038】
次に、図6で示す実施の形態を説明する。この実施の形態は、被処理ガスが高温の場合、この被処理ガスの熱により、放電部111や触媒部102を外部から暖めようとするものである。このために、被処理ガスのガス流入路となる配管131に二方向切換バルブ135を設け、被処理ガスを、第1の配管133と第2の配管134とのいずれかに選択的に流通させ得るように構成した。
【0039】
第1の配管133は、二方向切換バルブ135の一方の吐出口と放電部111とを連結するもので、二方向切換バルブ135を通った被処理ガスを放電部111に対して直接的に導入させるものである。また、第2の配管134は、その一端が二方向切換バルブ135の他方の吐出口に連結され、中間部は放電部111及び触媒部102が収容される筐体101の外面を囲繞した後、他端は前記放電部111の入口に連結しており、二方向切換バルブ135を通った被処理ガスを、筐体101の外面に囲繞させた後、放電部111に導入させるものである。
【0040】
二方向切換バルブ135は、被処理ガスの温度が設定温度未満であれば第1の配管133側を選択し、設定温度以上であれば第2の配管134を選択するように切換操作される。
【0041】
すなわち、この実施の形態では、被処理ガスの入口側配管131は、二方向バルブ135によって、2系統の流路に分かれる。一方は、そのまま放電部111に流入する第1の配管133であり、他方は、筐体101に密着して固定された第2の配管134である。被処理ガスの温度は、図示しないガス温度モニターによって監視され、図示しない制御装置によって二方向バルブの開方向が決定される。ガス温度が触媒温度より高い場合は、第2の配管134が選択され、ガスによる筐体101を介した触媒部102の加熱が行われる。そうでない場合は、第2の配管133が選択され、筐体101に接することなく、放電部111に流入する。
【0042】
この実施形態では、流入する被処理ガスの熱量によって、触媒部102の加熱が補助され、触媒を活性温度に保つためのエネルギーが少なくてすむ。
【0043】
次に、図7で示す実施の形態を説明する。この実施の形態は、触媒部102の温度を上げる手段として処理後のガスの熱量を利用したものである。そのために、触媒部102からの処理済のガスを、筐体101の外面に接触した配管132b,132cを通して排出するように構成している。すなわち、触媒部102からのガス排出配管132aを分岐して筐体101の外面に接触した配管132b、132cとし、この配管132b、132cに流れるガスの熱量により触媒部102を加熱するように構成した。
【0044】
ここで、処理後のガスの温度は、少なくとも触媒の活性温度以上であり、より高温の場合は、触媒の加熱に利用でき、ヒータ103へのエネルギー投入を抑制できる。すなわち、処理後の、少なくとも触媒の活性温度にまで加熱されたガスによって、ヒータ103による触媒102の加熱が補助され、触媒を活性温度に保つためのエネルギーが少なくてすむ。
【0045】
次に、図8で示す実施の形態を説明する。この実施の形態は、放電部111への被処理ガスの導入配管131に、水滴除去装置110が設けたものである。このように構成することにより、水滴除去装置110によって、排ガス中に含まれる水滴が除去されるので、放電が良好に行われるとともに、ガスを加熱する際、投入するエネルギーが水滴の蒸発に費やされることがなくなり、より効率的にガス加熱を行える。
【0046】
以上の説明から明らかなように、放電と触媒の複合作用によって排ガス浄化を行うので、被処理成分の分解処理が効率的であると共に、触媒が活性となる温度領域の最低温度領域を使ってガス浄化を行うことができ、装置への余分なエネルギー投入を抑制し、効率的な低ランニング・コストの運転が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明によるガス浄化装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】同上一実施の形態における触媒の温度と反応率との関係を示す特性図である。
【図3】同上一実施の形態における触媒部の温度制御を説明するタイミング図である。
【図4】本発明の触媒部を複数段に構成した実施の形態を示す構成図である。
【図5】本発明の触媒部に対する熱源として環状のヒータを用いた実施の形態を示す構成図である。
【図6】本発明の被処理ガスの熱量を触媒部の加熱に利用した実施の形態を示す構成図である。
【図7】本発明の処理済ガスの熱量を触媒部の加熱に利用した実施の形態を示す構成図である。
【図8】本発明の被処理ガスから水滴を除去する実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0048】
100 加熱装置
101 筐体
102 触媒部
103 熱源
104 温度測定装置
105 コントローラ
111 放電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象のガスが導入され、このガスに対し放電処理を行い、この放電処理により被処理成分の一部を分解すると共に一部を不安定な励起状態にする放電部と、
この放電部により放電処理されたガスが導入され、被処理成分を分解する触媒を有する触媒部と、
この触媒部における温度を測定し、この測定結果で触媒を加熱する熱源を制御して触媒を所定の活性温度に維持する加熱装置と
を備えたことを特徴とするガス浄化装置。
【請求項2】
触媒部は、被処理ガスの流れ方向に対して互いに異なる触媒が複数段、直列に配置されており、これら触媒は、前記被処理ガスの流れ方向上流部に配置された触媒ほど活性温度の低い触媒であることを特徴とする請求項1に記載のガス浄化装置。
【請求項3】
触媒を加熱する熱源は、被処理ガスが貫通する開口を有する環状を成し、この開口を通過した被処理ガスが触媒部に導入されるように、前記触媒部の、前記被処理ガスの流れ方向前段部に設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス浄化装置。
【請求項4】
被処理ガスのガス流入路に二方向切換バルブを設け、前記被処理ガスを、放電部に導入させる第1の配管と、放電部及び触媒部が収容される筐体外面に接した後、前記放電部に導入させる第2の配管とのいずれかに通気させるべく選択可能に構成され、前記二方向切換バルブは、被処理ガスの温度が設定温度未満であれば前記第1の配管を選択し、前記設定温度以上であれば前記第2の配管を選択するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガス浄化装置。
【請求項5】
触媒部からの処理済のガスを、放電部及び触媒部が収容される筐体外面に接触した配管を通して排出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガス浄化装置。
【請求項6】
放電部に導入される被処理ガスが流れる配管に、水滴除去装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−181749(P2007−181749A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380563(P2005−380563)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】