説明

ガラス品およびその製法

【課題】作成したガラス製品の特性のバッチ間変動がほとんどないことを特徴とするガラス組成物を提供する。
【解決手段】本ガラス組成物は40〜99重量%のSiOを含み、軟化温度は600℃〜1650℃であり、かつロットから製造されたガラス品の無作為に選択した10以上のサンプルから得られた軟化温度測定の標準偏差は、10℃以下である。そして、ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルについて測定した軟化温度の標準偏差σが5℃以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、どの与えられたロット内においても基本性質の変動がほとんどないガラス組成物、およびそれから製造した製品に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル、例えば光学フィルターや光スイッチ等の光通信装置、記録媒体、ハロゲンおよび高輝度放電(HID)ランプ等のガラスの用途においては、ガラス基板特性の一貫性が極めて重要な意味を持つ。高出力レーザーシステムは複数の大きな光学品質ガラスを、時には数千の大型レーザガラス片を使用し、ガラス片が一貫した光学品質を有することが必須となる。ガラス組成物は、溶融石英組成物と同様に、組成物を用いた製品の製造または特性に影響する少数の基本的特性、すなわちいくつかを挙げるなら粘性、透過パーセント、OHレベル等により特徴付けられる。ガラスまたは石英の粘性に対するOH(水酸基)の効果は広く知られている。例えば、図1は種々のOH濃度で作成した高純度石英の粘度曲線を示す。図から分かるように、ガラスの粘性は水酸基濃度の増加とともに大幅に減少する。ガラスまたは石英のOHレベルがバッチごとにまたはロット内で変動すると、一貫しない製造性と製品品質をもたらす。ランプ製造業者の観点からすると、ガラス特性の変動は高速ランプ生産ラインの歩留りに影響し、ガラス特性の変動原因となった設備に対して望ましくない頻繁な調節が必要となる。
【0003】
タングステン・ハロゲンランプのような、ほとんど全てのアーク放電ランプおよび多くの高輝度フィラメントランプは、人間の目と皮膚に有害となりうる紫外線(UV)を放射する。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5に開示されたように、これまで開発されてきたランプは、溶融石英のガラス質のエンベロープで囲われたUVおよび可視光線の両方を放射する光源を持つ。特許文献6、特許文献7および特許文献8は、ランプの作成に使用する管またはロッドの形状を有し、UV吸収物質またはドーパントと呼ばれる物質を含有する溶融石英組成物、例えばUV放射を吸収する特性を備えたランプ・エンベロープを開示している。
【0004】
特許文献9は、特定の線熱膨張係数、破壊靭性、および所定の表面硬度のような望ましい特性を有し、情報記録媒体に用いるガラス基板の形成に有用な組成物を開示している。繊維ガラスのようなバルク・ガラス品を作成する用途において、粘性、湿度抵抗等に所望の範囲の特性を得るには、ガラス組成物が一貫性を有することがまた有用となる。特許文献10は、マイクロエレクトロニクスクリーンルーム環境で用いるガラス繊維フィルターを作成するための組成物を開示している。
【0005】
ガラス組成物を作成する原材料のかさ体積により、先行技術のガラス組成物から作成された製品の特性と同様にガラス組成物には広いバッチ間変動がある。作成する製品の変動特性が均一または小幅となるように、ガラス組成物が一貫した特性を有することが重要である。さらに、一貫した特性は、高い生産性および一貫して良好なガラス製品を得るためのラインを軽微な調整でまたは無調整で稼動させることを製造業者に可能にする。
【特許文献1】米国特許2,895,839号
【特許文献2】米国特許3,148,300号
【特許文献3】米国特許3,848,152号
【特許文献4】米国特許4,307,315号
【特許文献5】米国特許4,361,779号
【特許文献6】米国特許2,221,709号
【特許文献7】米国特許5,569,979号
【特許文献8】米国特許6,677,260号
【特許文献9】米国特許公開20040063564A1
【特許文献10】米国特許公開20020077243A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新しいガラス組成物、および標準偏差で測定して均一な特性を備えるガラス製品の製造法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの様相において、本発明は1ロットのガラス品を含有するガラス組成物に関し、該ガラス組成物はSiOを40〜99重量%含有し、該ガラス組成物の軟化温度は、600℃〜1650℃の範囲にあり、製造されたガラス品のロットから無作為に選択した10以上のサンプルから得られた軟化温度測定の標準偏差は10℃以下である。
【0008】
別の様相において、本発明はガラス製品を作るプロセスに関し、プロセスは:a)分散剤0.02〜0.50重量%とAl、TiO、CeO、Nd、B、BaO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、Y、Co、CuO、Crおよびその混合物の金属酸化物の群から選択したドーパント1〜25重量%との第1のブレンドを形成するステップ、但し、分散剤は、BETが50〜400m/gであり平均粒径が1μm未満であるフュームド金属酸化物であり;ついでb)第の1ブレンドを石英混合物を形成する92〜99重量%のSiOにブレンドするステップ;c)混合物から溶融ガラスの溶解物を生成するステップ;およびd)ガラス製品を形成する工具に沿って溶融ガラスを通すステップから成る。1つの実施形態において、ガラス製品は管、ロッド、またはブランクの形状をなす。第2の実施形態において、フュームド金属酸化物は、シリカまたはドーパント内に既に存在する金属酸化物のうち少なくとも1つから選択する。
【0009】
本発明はさらにSiOを92〜99重量%、Al、CeO、TiO、Nd、B、BaO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、Y、Co、CuO、CrO、およびその混合物の金属酸化物群から選択したドーパントを1〜8重量%;およびBETが50〜400m/gであり、平均粒径が1μmであるフュームド金属酸化物を0.02〜0.50重量%から成るガラス製品に関し、フュームド金属酸化物はSiOまたはドーパント内に存在する金属酸化物であり、同一のバッチから調製した複数の製品の粘性は10℃未満の標準偏差を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ここに使用するように、近似的な表現は、その表現が関係する基本機能に変化をもたらすことなく変化してもよい何らかの量的表示を修飾するために適用することができる。
したがって、「約」および「実質的に」のような用語(複数可)によって修飾される値は、指定された正確な値に限定されない場合がある。
【0011】
ここに使用するように、「機能化した」という用語は、シリカと本発明の分散剤を備えるドーパント成分のコーティングに関係し、「表面機能化」、「機能化表面」、「コートした」「表面処理された」、あるいは「処理された」と同義的に使用することができる。ここに使用するように、「コーティング剤」は「分散」剤と同義的に使用する。
【0012】
諸々の用語を異なる材料(異なるシリカ濃度)の組成物または物品を表わすために使用することができるが、ここで使用するように、「ガラス」という用語は組成物、一部分、製品、あるいは天然または合成砂(シリカ)から成る混合物を溶解することにより形成された物品を参照して、「石英ガラス」、「石英」または「溶融石英」と同義的に使用することができる。天然または合成砂(シリカ)のどちらかまたは双方を本発明の組成物に使用することができ、用語は砂/岩のような自然に存在する結晶シリカ、合成的に生成した二酸化ケイ素(シリカ)のいずれかから成る組成物、または両方の混合物を表わすのに使用する。「砂」という用語は、天然砂か合成砂または両方の混合物のいずれかを表わし、シリカと同義的に使用することができる。
【0013】
ここに使用するように、「ロット」という用語は、本発明のガラス製品を製造するためのバッチ操作に適用した場合、砂および他の添加物の全組成物において少なくとも100kgの単一バッチの砂材から製造されたガラス品を参照している。ガラス製品を製造する連続法に適用した場合、ロットという用語は、一プロセスから連続的に製造される、合計重量が少なくとも100kgとなるガラス品を参照している。
【0014】
1実施形態において、本発明は、少なくともドーパントの砂粒への付着を助ける分散剤/コーティング剤を介して、ガラス組成物を、同じロットの組成物から形成された物品、例えば繊維ガラス、管、ロッド、ブランク、プレート等の特性の最低の変動に関連づける。分散剤は、同じロットから製造された物品または部品の粘性、OH−等の特性の変動が最低限になるように、同じロット内の組成物の均質性を最大化する。特性変動が最低限である本発明の組成物から作成した物品は、引き続き溶融、延伸して最終ガラス製品に形成、または調整することができる。
【0015】
砂成分
最終用途に応じて、砂(SiO)材は合成砂か天然砂のどちらかまたはその混合物とすることができる。1実施形態において、SiOの量は40〜75%の範囲にある。第2の実施形態において、その量は70〜95重量%である。第3の実施形態において、ガラスは、SiO含有量が少なくとも90重量%である光透過性、ガラス質の成分から成る。高融点石英組成物の第4の実施形態においては、SiOを少なくとも95重量%使用する。第5の実施形態において、SiOの量は40〜99%の範囲にある。
【0016】
分散剤成分
1実施形態において、同剤は、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、酸化ネオジム、およびその混合物から成る群から選択したフュームド金属酸化物であり、そのBET値は50m/g〜1000m/gであり、粒径は25ミクロン未満である。フュームド金属酸化物は、当該技術における既知のプロセス、1例では、水素−酸素炎内の適切な供給原料蒸気(フュームドシリカ用四塩化ケイ素等)の加水分解を用いて製造される。
【0017】
金属酸化物の表面積は、S.Brunauer、P.H.EmmetおよびI.Tellerの窒素吸着法、J.Am.Chemical Society、60巻、309頁(1938)、によって測定することができ、一般にBETと呼ばれている。1実施形態において、分散剤のBETは100m/g〜約400m/gである。第2の実施形態において、フュームド金属酸化物の分散剤の平均粒径は15μm以下である。第3の実施形態において、フュームド金属酸化物の平均粒径は1.0μm未満である。第4の実施形態において、フュームド金属酸化物のBET値は50m/g〜100m/gであり、その平均粒径は0.1〜0.5μmである。
【0018】
分散剤は、ガラス組成物に対して(最終ガラス組成物の合計重量に基づき)0.02〜0.50重量%の範囲の量で加えられる。1実施形態において、分散剤は、0.04〜0.30重量%の範囲の量で砂混合物に加えられる。第2の実施形態において、0.05〜0.15重量%。第3の実施形態において、0.05〜0.10重量%。
【0019】
1実施形態において、分散剤は、ドーパントと共にガラス組成物に直接加えられる。第2の実施形態において、分散剤は、少なくともドーパント(複数可)の一つまたはドーパント(複数可)の一部とあらかじめ混合し、マスターバッチを形成し、ついで砂混合物に加えられる。第3の実施形態において、分散剤は、マスターバッチを形成する選択されたドーパント(複数可)の一部またはすべてと混合され、ついでそのマスターバッチを砂混合物および他のドーパントに加える。第4の実施形態において、分散剤はいくらかの砂と同様に選択されたドーパントの全てまたはいくらかと混合されマスターバッチを形成し、ついでそのマスターバッチを最終砂混合物に加える。
【0020】
1実施形態において、分散剤は未処理のフュームドシリカである。第2の実施形態において、Alをドーパントとして使用し、分散剤はフュームドアルミナである。第3の実施形態において、CeO2をドーパントとして加え、フュームドセリアを分散剤として使用する。第4の実施形態において、使用するドーパントの1つはNdであり、フュームド酸化ネオジムとフュームドシリカの混合物を分散剤として使用する。さらに別の実施形態において、使用されるドーパントにかかわらず、分散剤は、ガラス製品の特性にほとのど悪影響を及ぼさないフュームド金属酸化物、すなわちフュームドアルミナ、シリカ、チタニア、セリア、酸化ネオジム、およびその混合物から成る群から選択される。
【0021】
ドーパント成分(複数可)
最終用途および所望の性状、例えば高輝度放電ランプ、タングステン・ハロゲンランプ、自動車のつや出し、光学レンズ等に応じて、多くの異なるドーパントおよびその混合物を基材のケイ酸塩またはホウケイ酸ガラスに加えることができる。ドーパントの例としては、当該技術において既知の金属、金属酸化物、およびアルカリ金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されることはなく、各ドーパントの量は0.1〜25重量%である。
【0022】
1実施形態において、他の特性の中でも色と透過特性を変えるためにドーパントをガラスに加える。第2の実施形態において、ドーパントの総量は0.1〜10重量%の範囲にある。第3の実施形態において、各ドーパントは0.1〜8重量%の範囲にある。第3の実施形態において、各ドーパントは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0023】
1実施形態において、ドーパントは酸化ネオジムNdである。ネオジムは他の希土類元素のように着色剤として久しく知られており、可視および不可視領域の双方に広がる吸収スペクトルを有し、ガラスのようなベースコンパウンドに実質的に変化せずに移動する。ネオジムは約568〜590nmの可視スペクトルの黄色の領域で光を吸収する。その結果、ネオジムを含有するガラスを通過する光は、周辺環境に赤と緑のトーンを目立たせる。さらに、ネオジムを含有するガラスは、霧が立ちこめた天候において視認性を向上する。
【0024】
第2の実施形態において、ドーパントは酸化硼素Bである。Bの量を注意深く調整してガラスに十分な低粘性を与え、その溶融を容易にすることができるが、ガラスの膨張を惹起することはない。第3の実施形態において、ドーパントは酸化アルカリ、例えば、低膨張係数および低軟化温度を有するガラス用ホウケイ酸塩組成物(SiO+B)におけるNaO、KO、Al、またはその混合物である。第4の実施形態において、ドーパントは0.1〜5重量%の量のCeOである。セリウムは、紫外線を吸収する一方、スペクトルの可視領域で吸収を示さない唯一の希土類元素である。さらに、第5の実施形態において、チタンまたは酸化チタンを加えることができ、チタンの添加は時に黄褐色のガラスを生成する。第6の実施形態において、ドーパントは、酸化ユウロピウムEuを単独でまたはTiOおよびCeOのような他のドーパントと組み合わせて構成される。第7の実施形態において、CaOおよび/または酸化マグネシウムMgOのようなドーパントを組成物に安定性を与えるために加えることができる。
【0025】
分散剤を除いてSiOを95〜99.9重量%含有するガラス組成物の1実施形態において、ドーパントは、0.1〜5重量%の範囲のAlとして加えられ、他の不純物は150ppm(合計)を越えない量で加えられる。第2の実施形態において、組成物は95〜99.9重量%のSiO、0.1〜5重量%のドーパントとしてのAl、0.1〜400ppmのチタン(元素)、0.1〜4000のセリウム(元素の形態またはCeOで)、および150ppm(合計)を越えない他の不純物から成る。第3の実施形態において、組成物は95〜99.9重量%のSiO、0.1〜5重量%のドーパントとしてのAl、0.1〜400ppmのチタン(元素)、0.1〜4000のセリウム(元素の形態またはCeOで)、0.01〜2重量%のNd、150ppm(合計)を越えない他の不純物から成る。
【0026】
さらに別の実施形態において、分散剤を除いて、タングステン・ハロゲンランプおよび他の高温ランプのエンベロープ用として、組成物は基本的に、重量%で、90.5〜95.7%のSiO、2.8〜3.0%のB、0.7〜1.7%のAl、0.4〜4.5%のNd、および0.1〜1%のCeOから成る。さらに、ハロゲンランプ・エンベロープを製造する別の実施形態において、分散剤を除き、組成物は基本的に、重量%で、55〜66%のSiO、0〜13%のB、14〜18%のAl、0〜13%のBaO、0〜4%のSrO、0〜13%のCaO、0〜8%のMgO、0.4〜4.5%のNd、および0.1〜1%のCeOから成る。シールドビーム白熱ヘッドライト用ガラス組成物の別の実施形態において、分散剤を除き、組成物は基本的に、64〜85%のSiO、11〜28%のBO、0.5〜8.5%のAl、0〜3.5%のBaO、0〜1.5%のCaO、0〜7.5%のNaO、0〜9.5%のKO、0〜1.5%のLiO、0〜1.5%のSb、0.4〜4.5%のNd、および0.1〜1%のCeOから成る。
【0027】
560〜620nmの範囲の赤色光を吸収するガラス組成物の1実施形態において、添加分散剤の量を除き、組成物は95〜110重量部のSiO、0.5〜1.2重量部のCeO、0.5〜2.5重量部のNd、0.1〜1重量部のAl、任意に0.001〜0.1重量部のEu、0.001〜0.1重量部のTiO、0.001〜0.5重量部のBaOから成る。
【0028】
クリーンルームHEPAおよびULPAフィルター製造用のガラス組成物の1実施形態において、分散剤としてのフュームドシリカの0.05〜0.10重量%を除き、組成物は1重量%未満のホウ素;5.5〜18重量%の酸化バリウム;10〜14.5の重量%の酸化アルカリ;4〜8重量%のアルミナ;1〜9重量%のアルカリ土類酸化物;2〜6重量%の酸化亜鉛;0.1〜1.5重量%のフッ素;および残部シリカから成る。さらに、優れた電気絶縁特性を有するランプのガラス部品用ガラス組成物の別の実施形態において、分散剤としてのフュームドアルミナ0.02〜0.50重量%を除き、組成物は55〜80の重量%のSiO;0.5〜5重量%のAl;0〜5重量%のB;2〜15重量%のNaO;0〜5重量%のLiO;および1〜15重量%のKOから成り、NaO、LiO、およびKOの総含有量は3〜25重量%の範囲以内にある。さらに光学用途、例えば屈折率分布型レンズ用の別のガラス組成物において、分散剤としてのフュームドシリカ0.02〜0.50重量%を除き、組成物は40〜65モル%のSiO;1〜10モル%のTiO;22モル%までのMgO;2〜18モル%のLiO;2〜20モル%のNaO;およびCaO、SrOおよびBaOのうちいずれかの1〜15モル%から成る。
【0029】
ガラス組成物/製品の製造プロセス
本発明の組成物における分散剤の使用は、砂材におけるドーパントのブレンディングを促進し、したがってガラス製品を均質化する。組成物は、バッチ法(一つずつの融解プロセス)または連続融解法によって製造することができる。
【0030】
バッチ操作の1実施形態において、ガラス製品は、砂材のバッチから砂の樽またはバッグの形状で製造され、各樽またはバッグの重量はそれぞれ少なくとも100ポンドである。別の実施形態において、ガラス製品は、各バッチ用の少なくとも100kgの砂材のバッチから製造され、砂は100kgのサイズの樽で供給される。さらに別の実施形態において、砂は各バッグまたは樽用に300ポンドのバッチで供給され、したがって、少なくとも300ポンドの各単一バッチからガラス品を製造する。
【0031】
1実施形態において、分散剤、すなわちフュームドシリカ、フュームドアルミナ等のフュームド金属酸化物は、まず単一のドーパント、少数のドーパント、またはすべてのドーパント20〜100%と混合され、マスターバッチ、言い換えれば濃縮物を形成する。フュームド金属酸化物の分散剤はドーパント材料と同じか異なる金属酸化物することができる。その混合/ブレンディングは、当該技術において既知の処理装置で、例えばブレンダー、強力ミキサー等で、ドーパントが分散剤で完全に被覆されるのに十分な時間実施することができる。1実施形態において、分散剤としてのフュームドシリカの混合物をTurbulaRミキサーでAl、CeO、Nd等のドーパントと共に1〜5時間混合し、マスターバッチを形成する。理論的に制約されないが、フュームドシリカは砂粒「コーティング」剤として作用し、酸化アルミニウムのようなドーパントのより小さな粒子状物質を引きつけ、したがって、より均一な混合を提供すると信じられている。
【0032】
次のステップで、被覆されたドーパント(複数可)を含有するマスターバッチを、天然/合成砂材と、もしあれば残余の被覆していないドーパントに加え、タンブラー、サンドマラー等の装置で完全に混合する。
【0033】
本発明の1実施形態において、均質な混合物を、500〜1500℃の温度範囲で十分な時間、例えば1/2〜4時間、焼成するか加熱して砂を乾かす。ついで混合物を十分な高温で溶解しガラス製品を形成する。温度はガラス成分に依存し、石英成分(95%超のSiOを含有)においては、混合物を温度範囲2000℃超2500℃以下で溶解し、ガラス質材料を与える。1実施形態において、混合物を、1400〜2300℃の温度範囲で作動する高温誘導(電気)炉に連続的に供給して、様々なサイズの管およびロッドを形成する。別の実施形態において、混合物を鋳型に供給し火炎溶融を用いて組成物を溶解し、溶解した混合物をガラス粒子を形成する鋳型に誘導する。
【0034】
1実施形態において、ガラス製品を連続的な管の引き抜き方式で、例えば、管をダナープロセス、ベロプロセス、連続引抜きプロセスまたは修正プロセスを含む当該技術における既知の何らかのプロセスによって製造することができる。
【0035】
本発明の組成物からのガラス製品
理論的に制約されないが、大きな表面積を有するフュームド金属酸化物の形を有する分散剤は、混合剤として機能し、ドーパントの砂粒への貼り付きまたは付着を助けて均質な混合を可能にし、ついで、同じ砂のバッチに由来する生成物のガラス製品特性の変動を極めて小さくすると信じられている。ガラス製品をガラス管の中間型として、ハロゲンランプの電球または水処理用ランプ;ランプ・エンベロープ製造用の中実のガラスロッドまたはプリフォーム;ブランク、ガラスプレートまたは自動車のつや出用シートの製造に用いることができる。ガラス製品はガラス繊維のような最終のバルク形態を取りうる。
【0036】
1実施形態において、管類は1〜500mm範囲の外径(OD)サイズを有し、管のサイズにより1〜20mm範囲の厚さを有する。管類の長さは、100mm未満のODを有する管類で24〜60インチ、100mm超のODを有する管類で24〜96インチである。
【0037】
別の実施形態において、少なくとも2ステップの連続的なドロー加工を含む当該技術において既知のプロセスを用いて、ガラスプリフォームまたはロッドを製造する。第1のステップにおいて、開口を有し細長く固化したプリフォームを、直径を縮小したプリフォームに延伸する。第2のステップは、延伸中のガラスロッドにおける介在物の形成を低減する第1のステップより低温度でロッドを延伸し、プリフォームの直径を縮小する。1例において、ロッドのOD範囲は0.5mm〜50mmである。1実施形態において、ロッドはドロー加工で製造される。
【0038】
連続プロセスの1実施形態において、例えば自動車用途に使用するガラスプレートの製造において、原料を混合し溶解した後、溶解物を従来のフロートガラス炉に供給し、ついで最終製品を形成する型に供給する
【0039】
ガラス製品の均一な特性
1実施形態において、本発明のガラス製品は、同じロットから製造されたガラス品、すなわち同一混合バッチから製造された物品または部分品に対して、各バッチにおいて少なくとも砂の最小サイズ100kgを使用する、または合計重量少なくとも100kgの連続プロセスによって製造されたガラス品に対して均一な特性を有することを特徴とする。均一な特性とは、同じロットからのガラス片か製品を測定した特性が小さな変動しか示さないことを意味する。前記特性はOHレベルのような化学的性質から粘性、透過率、強靭性、および色測定、軟化点、焼鈍点等のような物理的性質;熱膨張率のような熱的物性;圧縮強度等のような機械的性質まで多岐にわたる。ここに使用した複数の製品とは、同じロットから作成した製品/部分品から無作為に選択した少なくとも10のサンプルを意味する。
【0040】
溶解温度、軟化温度、変形温度および焼なまし温度はそれぞれガラス成分によって異なり、すなわち、低いホウ酸鉛ガラスの軟化点の600℃から溶融シリカの1650℃まで変動する。本発明のガラス品は組成物中に存在するシリカの量により加工温度が異なる。しかしながら、同じロットから作られたガラス品の溶解温度、軟化温度、変形温度および焼なまし温度はすべてほとんど異ならないことを特徴とする。1実施形態において、同じロットから作成したガラス品は、同じロットから製造したガラス品の任意に選択した10以上のサンプルについて測定して、融点、軟化点、曲がり点および焼なまし点の標準偏差σがそれぞれ10℃未満である。第2の実施形態において、少なくとも任意に選択した10のサンプルの測定について、溶解温度、軟化温度、曲がり温度、焼なまし温度の標準偏差の変動はそれぞれ5℃未満である。
【0041】
1つの実施形態において、同じロットから作成したガラス品の平均焼なまし温度は1000〜1250℃(13.18ポイズの対数粘度に相当)の範囲にあり、標準偏差σは10℃未満である。第2の実施形態において、同じロットから作成したガラス品の標準偏差σは5℃未満である。
【0042】
1実施形態において、同一ロットから製造されたガラス品は、平均OH濃度の標準偏差σが10ppmである。1実施形態において、ガラス品の平均OH濃度は100ppm未満でありその標準偏差σは10ppm未満である。別の実施形態において、ガラスは、同じバッチからのガラス品において、平均OH濃度は50ppm未満であり、σ値は5ppm未満である。さらに別の実施形態において、同じロットからのガラス品の平均OH濃度は30ppm未満であり、σ値は5ppm未満である。第4の実施形態において、同一ロットからのガラス品の平均OH濃度は20ppmであり、σ値は3ppm未満である。
【0043】
本発明の組成物から作成したガラス品は、優れた寸法管理/安定性を有すること、例えば同一の型および同一ロットから作成した完成品の寸法における変動がほとんどないことを特徴とする。一般に、ガラス製品の寸法精度(成形性)は、行程能力(Cpk)で正確に判断することができる。ここで、「行程能力」は、プロセスが標準化されるときに達成される質の程度を示し、異常の原因を取り除かれ、それにより前記プロセスの安定条件が維持される。1実施形態において、平板状のガラス品の寸法は、少なくともガラス品の長さ、厚さおよび幅の三つの寸法について、マイクロメーターおよびカリパスを用いて測定する。第2の実施形態において、(管の)長さ、厚さおよび直径のラインに沿った寸法を測定する。1実施形態において、本発明のガラス品は、数量化された3寸法において、すべてのCpk(工程能力指数)が1.50超であることを特徴とする。第2の実施形態において、同じロットから作成したガラス品のCpkは1.33超である。さらに別の実施形態において、ガラス品を外径、肉厚および楕円率(周囲まわりの外径における変動)について測定したところ、同じロットからの物品のCpKは1.33超である。
【0044】
1つの実施形態において、本発明の同じロットから製造されたガラス品の、25℃〜320℃の平均熱膨張率は0.54×10−6/K〜5.5×10−7/Kであり、標準偏差σは0.5×10−7/K未満である。1実施形態において、ガラス品の25℃〜320℃の平均熱膨張率は7.0×10^−7/K未満であり、標準偏差σは7×10−8/K未満である。
【0045】
1実施形態において、本発明の同じロットから作成したガラス品の屈折率は1.40〜1.68であり、標準偏差は0.001未満である。1実施形態において、同一ロットから作成したガラス品の屈折率は1.450〜1.480であり、標準偏差は0.0001未満である。
【0046】
1実施形態において、同じロットから製造された95〜99.995重量%の高純度二酸化ケイ素から成る本発明のガラス品は、波長範囲400〜800nmにおいて90%超の可視透過率を示し、標準偏差は2%未満である。第2の実施形態において、同じロットから製造されたガラス品は、波長範囲400〜800nmで90%超の可視透過率および0.5%未満の標準偏差を示す。
【0047】
ガラス製品を使用した用途および物品
1実施形態において、溶解したガラス組成物はガラスプレートまたは容器のような最終生産物に成型/形成される。ランプ製品、例えばタングステン・ハロゲンランプ・システムのランプ・エンベロープまたはタングステン・ハロゲンランプおよび他の高温照明装置(「高輝度放電ランプ」)用のランプ・スリーブで用いる別の実施形態において、溶解したガラス組成物は、ランプ・エンベロープまたはスリーブとしての最終用途に形成される前にロッドまたは管のような中間ガラス製品に製造される。
【0048】
1実施形態において、組成物は、透過または反射した可視光線のハイコントラストおよび可視特性の向上が利益となりうる用途に用いられる。そのような用途は、例えば、サングラスのような眼鏡類のガラス、またはレーザー用のガラス・ホストとしての用途を含んでいる。さらに別の実施形態において、ガラスはコントラスト特性を向上したコンピューター画面を作成して視覚的な不快性を低減し、またはまぶしい光を弱めるバックミラーを作成することができる。本発明の均一な特性を備えたガラス製品は、アンプル、ボトル、試薬容器、試験管、滴定シリンダー等の医療品、化学製品、および医薬品の容器のような用途においても使用することができる。別の実施形態において、製品は自動車のつや出しのような用途において使用される。本ガラス組成物は、繊維ガラスのようなバルクのガラス製品においても使用するができる。
【0049】
<<各種実施例>>
ここに本発明を例証するために実施例を提供するが、これら実施例は本発明の適用範囲を制限することを意図するものではない。
【0050】
実施例におけるフュームドシリカはCab−O−Sil M5としてマットソン−リドルフィ社から入手可能であり、BET表面積200m/gおよび平均粒子(凝集体)サイズ0.2〜0.3μmを有する。使用する砂は、少なくとも99.99%の純度レベルを有する天然砂であり、多くの供給元から入手可能である。
【実施例1】
【0051】
ガラス組成物を、高純度二酸化ケイ素96重量%、ドーパントとしてのAl 4重量%、および150ppm未満に維持した他の不純物で作成する。AlドーパントをSiOのバッチに混合する前に、まずフュームドシリカ0.08重量%で被覆する。ついで、この組成物を高温誘導電気炉において2000℃で溶解し、石英管類(後の実施例においてLSPG1とラベル)を形成する。
【実施例2】
【0052】
UV遮断ガラス組成物を、高純度二酸化ケイ素、96重量%、Al4重量%、チタン200ppm、CeO500ppm、および150ppm未満に維持された他の不純物で作成する。Al、チタン、CeOドーパント混合物をSiOのバッチに混合する前に、まずフュームドシリカ0.05重量%で被覆する。ついで、組成物を高温誘導電気炉において2000℃で溶解し、石英管類(後の実施例においてLSPG2とラベル)を形成する。
【実施例3】
【0053】
実施例1の石英ガラス組成物LSPG1から作成した溶融石英管類の断面から採取したランダムサンプルのOH濃度(ppm)を測定した。また、ランダムサンプルは、ニューヨーク州コーニングのコーニング社がVycor(登録商標) 7907、Vycor(登録商標) 7913、およびVycor(登録商標) 7921として市販している溶融石英ガラス管からも採取し、OH濃度を測定した。標準偏差を測定した結果は以下のとおり表1に示す:
表1
【表1】

【実施例4】
【0054】
ランプ・エンベロープは、実施例1の組成物LSPG1から作成し無作為に選択した溶融石英管類およびVycor(登録商標) 7913管類で作成した。管類の物理的および化学的性質の差を明らかにするため、ランプ生産ラインには調整を施さなかった。図2は、本発明の石英組成物から作成したランプ(右側の2つのランプ)および先行技術の組成物から作成したランプ(写真左側の2つのランプ)を比較し、先行技術の組成物から作成した2つのランプの変形を示す写真である。
【実施例5】
【0055】
200〜400nmのUV透過率データを、a)実施例1〜2の組成物LSPG1およびLSPG2; b)オハイオ州のGEクォーツ社から入手した市販のGE214の天然石英から作成した石英管のサンプルについて測定した。図3はUV透過性データを比較するグラフであり、同じバッチから作成した本発明の石英ガラス製品が、先行技術(GE214石英)の石英ガラス組成物と比較するとはるかに狭いUV透過率変動帯を有していることを示している。
また、図に示すとおり、本発明の石英ガラス製品は250〜400nmのUV放射の少なくとも90%、および200〜400nmのUV放射の少なくとも87%を吸収している。なお、測定せず/図3には示さないが、本発明の組成物の200〜300nmの範囲における10%未満の狭い変動と比較して、Vycor(登録商標) 7913の公に利用可能な透過データは200から300nmにおいて5%超から約90%まで有意な急上昇を示すことが注目される。
【実施例6】
【0056】
実施例2の組成物LSPG2から作成した石英管類のサンプルならびにOsram 406、Philips 521およびVycor(登録商標) 7907を含む市販の製品について、200nm〜800nmのUV透過率データを測定した。図4は、種々のサンプルのUV透過性データを比較するグラフである。図のとおり、本発明のサンプルの透過データは先行技術のサンプルと比較して、200〜300nmの範囲においてほとんど変動を示さない。
【実施例7】
【0057】
実施例2の組成物LSPG2から作成した石英管のサンプルならびにOsram 406、Philips 521、Vycor(登録商標) 7907およびPhilips低粘性ガラスを含む市販製品について、OH濃度を測定した。図5は、本組成物の実施例2対種々の先行技術ガラス試料(参照サンプル1〜5として示す市販のガラス)について、ppmでOH濃度を比較したグラフである。図に示すように、本発明のサンプルは、先行技術のサンプルと比較するとはるかに低い平均OHレベルおよび標準偏差を有する。
【実施例8】
【0058】
4×4×1インチ(厚)寸法のガラス・パックを、1)高純度二酸化ケイ素96重量%、ドーパントとしてのAl4重量%、150ppm未満に維持した他の不純物を含有する比較用ガラス成分;および2)本発明、実施例1のLSPG1組成物とフュームドシリカ0.08重量%の組成物から溶解、作成する。図6は、写真の左側に比較用ガラス・パック、右側にLSPG1ガラス・パックを並べて2つのガラス・パックを比較した写真である。写真が示すように、左側のガラスと比較して、右側のガラスはより大きな清澄度(またはガラスを通した透過性)を有し、右側のLSPG1パック真下の文字がより明瞭に現れ/容易に読むことができる。
この明細書により、最良の形態を含む実施例を用いて本発明が開示され、またいかなる当業者も本発明を為し、また用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】高純度石英ガラスの粘性変化をOH濃度の関数として示したグラフである。
【図2】本発明の1実施形態におけるガラス組成物で作成したランプ・エンベロープすなわち右側の2個のワイヤーランプと先行技術のガラス組成物で作成した2個のランプ・エンベロープ(左側のランプ)とを比較した写真である。
【図3】同一のロットから作成した本発明のガラス製品からのサンプルと、先行技術の組成物から作成したガラス製品からのサンプルのUV透過データの変動を比較したグラフである。
【図4】同一のロットから作成した本発明のガラス製品からのサンプルと、市販されている先行技術ガラス製品からのサンプルとの、範囲200〜800nmにおけるUV透過データの変動を比較したグラフである。
【図5】本発明のガラス組成物の1実施形態および市販されている先行技術ガラス製品からの参照サンプルの平均OH濃度および標準偏差を比較したグラフである。
【図6】特に清澄度(またはガラスの透過率)に関して、本発明の1実施形態におけるガラス組成物から作成したガラス「パック」と先行技術におけるガラス組成物から作成したガラス・パックとを比較した写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ロットのガラス品を含むガラス組成物において、
SiOを40〜99重量%含有するガラス組成物であって、前記ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルについて軟化温度を測定したとき、軟化温度が600℃〜1650℃の範囲にあり、標準偏差σが10℃未満にあるガラス組成物。
【請求項2】
請求項1のガラス組成物において、
前記ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルについて測定した軟化温度の標準偏差σが5℃以下であるガラス組成物。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかのガラス組成物において、
SiOを90〜95重量%含有し、前記ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルについて焼なまし温度を測定したとき、焼なまし温度が1000〜1250℃の範囲にあり、標準偏差σが10℃未満にあるガラス組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかのガラス組成物において、
前記ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルからOH濃度を測定しとき、OH−濃度が100ppm未満にあり、標準偏差σが10ppm未満にあるガラス組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかのガラス組成物において、
ロット内で無作為に選択した10以上のガラス品のサンプルからOH濃度を測定したとき、OH濃度が30ppm未満にあり、標準偏差σが5ppm未満にあるガラス組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかのガラス組成物において、
ガラス品が工程能力CpK1.33超に標準化されたプロセスに基づいて加工されたガラス組成物。
【請求項7】
請求項1乃至2および請求項4乃至6のいずれかのガラス組成物において、
SiOを40〜99重量%、Al、CeO、TiO、Nd、B、CeO、BaO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、およびその混合物の金属酸化物群から選択した少なくとも1つのドーパントを0.1〜25重量%;およびBETが50〜400m/gであり、平均粒径1μm未満であるフュームド金属酸化物を0.02〜0.50重量%含有する組成物であって、フュームド金属酸化物はSiO、またはドーパント内に存在する金属酸化物であるガラス組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかのガラス組成物において、
Al、CeO、TiO、Nd、B、CeO、BaO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、およびその混合物の金属酸化物群から選択した少なくとも1つのドーパントを0.1〜25重量%;およびBETが50〜400m/gであり、平均粒径が1μm未満であるフュームド金属酸化物を0.05〜0.15重量%含有する組成物であって、
フュームド金属酸化物はSiO、またはドーパント内に存在する金属酸化物であり、フュームド金属酸化物を少なくとも1つのドーパント20〜100%とまず混合してマスターバッチを形成し、ついでこれをガラス組成物のSiOに加えるガラス組成物。
【請求項9】
特性の変動を低減したガラス製品を作成するプロセスにおいて、
SiOを40〜99重量%、およびAl、CeO、Nd、B、CeO、TiO、BaO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、およびその混合物の金属酸化物群から選択した少なくとも1つのドーパントを0.1〜25重量%供給するステップ、
但し、分散剤はBETが50〜400m/gであり、平均粒径が1μm未満であるフュームド金属酸化物であり、フュームド金属酸化物はSiO、またはドーパント内に存在する金属酸化物であり;次に
分散剤0.02〜0.50重量%と少なくとも1つのドーパント20%〜100%との第1のブレンドを形成するステップ;
第1のブレンドをSiOおよび混合物を形成する少なくとも1つのドーパントのいくらかの残部にブレンドするステップ;
その混合物から溶融ガラスの溶解物を生成するステップ;
溶融ガラスをガラス製品を形成する工具に沿って通すステップから成り、
石英製品は管、ロッド、ブランク、ストランドの形状となり、重量%は最終混合物の全重量に基づくガラス製品を作成するプロセス。
【請求項10】
石英ガラス製品において、SiOを40〜99重量%、Al、CeO、Nd、B、CeO、BaO、TiO、SrO、CaO、MgO、NaO、KO、LiO、Sb、およびその混合物の金属酸化物群から選択した少なくとも1つのドーパントを0.1〜25重量%;およびBETが50〜400m/gであり、平均粒径が1μm未満であるフュームド金属酸化物を0.04〜0.30重量%から成る石英ガラス製品であって、フュームド金属酸化物はSiO、またはドーパント内に存在する金属酸化物であり、40〜99重量%のSiO2と少なくとも1つのドーパントのいくらかの残部とのブレンドに先立ち、フュームド金属酸化物を、マスターバッチを形成する少なくとも1つのドーパント20〜100%とまずブレンドする石英ガラス製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−1586(P2008−1586A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−320936(P2006−320936)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】