説明

ガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体

【課題】大型のガラス基板の保護性に優れたガラス基板搬送用ボックスを提供すること。
【解決手段】複数枚のガラス基板αを板厚方向に積層させた状態で水平に収容するボックス本体2と蓋体60とからなるボックスであって、前記ボックス本体は、ボックス本体部10と、該ボックス本体部内に設けられたガラス基板当接部30、ガラス基板当接仕切部40及び緩衝部50とからなり、前記当接部30は前記ボックス本体部の対峙する二対の側壁部のうち一方の内面に設けられ、前記当接仕切部40はガラス基板当接部が設けられていない他方の対峙する側壁部に対して平行になるように設けられ、かつ該当接仕切部40と側壁部の内面との間に前記緩衝部50が設けられていると共に、該ボックス本体の四隅近傍において収納するガラス基板の角部を構成する二面のうち少なくとも一方の面が当接部30又は当接仕切部40に接しないように設けられたボックスとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体に関し、詳しくは、熱可塑性樹脂発泡体で形成された搬送用ボックス内に、ガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容するタイプのガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラスメーカー、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカー等の相互間におけるガラス基板(完成パネルも含む)の搬送のために、熱可塑性樹脂発泡体で形成されたガラス基板搬送用ボックスが使用されている。
【0003】
かかるガラス基板搬送用ボックスとしては、特許文献1或いは2に記載されたような、上面が開口した熱可塑性樹脂発泡体からなるボックス本体と、該ボックス本体の上面開口を閉塞するやはり熱可塑性樹脂発泡体からなる蓋体とから構成され、前記ボックス本体の対峙する側壁内面に複数条の縦溝を設け、該縦溝間にガラス基板を個々にボックスの底面に対して垂直に支持させ、複数枚のガラス基板を所定の間隔を開けて板厚方向に平行に並べた状態で収容するタイプのものがある。
なお、特許文献1に記載された技術は、上記縦溝をボックス本体の側壁内面に直接形成したものであるが、特許文献2に記載された技術は、ボックス本体に対して着脱自在なL字形状の緩衝体を設け、該L字形状の緩衝体の内面に上記縦溝を形成し、収容するガラス基板の大きさに合わせて緩衝体を変更することにより、搬送用ボックスの汎用性を向上させたものである。
【0004】
また、特許文献3には、上面に開口を有するボックス本体及び蓋体をポリオレフィン系樹脂発泡体で形成し、前記ボックス本体内にガラス基板とスペーサとを板厚方向に交互に積層して収納するタイプのガラス基板搬送用ボックスが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−132986号公報
【特許文献2】特開平8−301354号公報
【特許文献3】特開2004−106892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、大型液晶テレビの需要の高まりから、液晶テレビのガラス基板として一辺(長辺)が1000mmを超えるような大型のガラス基板も採用されている。
【0007】
ここで、上記特許文献1或いは2に記載されたような、ボックス本体の対峙する側壁内面に形成された縦溝によってガラス基板の両端部を支持するタイプの搬送用ボックスにあっては、ガラス基板の大型化及びこれに起因する重量増に伴って、該ガラス基板自体が自重によって不当な曲げ変形等をきたす虞があると共に、ガラス基板の下端を受けている底板部に集中した圧縮荷重が働き、クッション機能或いは衝撃緩和機能を発揮できなくなる虞がある。このため、大型のガラス基板を搬送するにあたっては、搬送時の衝撃等によってガラス基板が損傷する虞が高くなり、ガラス基板の保護性において改善の余地を残すものであった。
【0008】
一方、特許文献3に記載されたような、ボックス本体内にガラス基板とスペーサとを板厚方向に交互に積層して水平に収納するタイプの搬送用ボックスにあっては、ガラス基板の板面はスペーサにより保護されると共に、スペーサがガラス基板を面で均等に受けるため、大型のガラス基板を搬送する場合であっても、ガラス基板が自重によって曲げ変形をきたす虞はなく、ガラス基板の板面に対する保護性には優れたものとはなるが、該特許文献3に記載された技術にあっては、ガラス基板の端部に対する保護については何ら考慮されておらず、搬送中などに誤って該ボックスを落下させてしまった場合等には、その衝撃はガラス基板の端部、特に角部に集中し、ガラス基板が破損する虞が高いものであった。
【0009】
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的は、大型のガラス基板の保護性、特に大型のガラス基板の端部の保護性に優れたガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、請求項1の本発明は、複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容する上面が開口した熱可塑性樹脂発泡体からなるボックス本体と、該ボックス本体の上面開口を閉塞する熱可塑性樹脂発泡体からなる蓋体とから構成されるガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体は、ボックス本体部と、該ボックス本体部内に設けられたガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とからなり、前記ボックス本体部は、方形状の底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とから構成され、前記ガラス基板当接部は、前記ボックス本体部の対峙する二対の側壁部のうち一方の側壁部の内面にそれぞれ設けられていると共に、前記ガラス基板当接仕切部は、ガラス基板当接部が設けられていない他方の対峙する側壁部に対して平行になるように前記ガラス基板当接部が設けられているボックス本体部の側壁部の内面同士を橋渡しする状態で一対設けられ、かつ該ガラス基板当接仕切部と、ガラス基板当接部が設けられていない他方の側壁部の内面との間に前記緩衝部がそれぞれ設けられていると共に、少なくとも該ボックス本体の四隅近傍において、収納するガラス基板の角部を構成する二面のうち少なくとも一方の面が、ガラス基板当接部又はガラス基板当接仕切部に接しないように前記ガラス基板当接部及びガラス基板当接仕切部が設けられているガラス基板搬送用ボックスとした。
【0011】
また、請求項2の本発明は、上記請求項1の発明において、上記緩衝部が、ボックス本体の四隅近傍に設けられているガラス基板搬送用ボックスとした。
【0012】
また、請求項3の本発明は、上記請求項1又は2の発明において、上記ボックス本体部の底板部が、短辺の寸法と長辺の寸法との比が1対1.3〜1対2の矩形状であり、上記ボックス本体部の側壁部の高さが、該ボックス本体部の底板部の短辺寸法の1/3以下であるガラス基板搬送用ボックスとした。
【0013】
また、請求項4の本発明は、上記請求項3の発明において、上記ガラス基板当接仕切部が、上記対峙する短辺側の側壁部に対して平行になるように設けられているガラス基板搬送用ボックスとした。
【0014】
また、請求項5の本発明は、上記請求項1〜4のいずれかの発明において、上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、上記ボックス本体部に対して着脱可能な別部材から構成されているガラス基板搬送用ボックスとした。
【0015】
また、請求項6の本発明は、上記請求項1〜5のいずれかの発明において、上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、見掛け密度が10〜90kg/m3のポリオレフィン系樹脂発泡体であるガラス基板搬送用ボックスとした。
【0016】
また、請求項7の本発明は、上記請求項1〜6のいずれかの発明において、上記ボックス本体部及び蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体が、見掛け密度が45〜300kg/m3 〔但し、ボックス本体部及び蓋体の見掛け密度は、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の見掛け密度以上〕のポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子の型内発泡成形体であるガラス基板搬送用ボックスとした。
【0017】
また、上記した目的を達成するため、請求項8の本発明は、上記請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、見掛け密度が60〜300kg/m3 、厚みが0.3〜5mm、表面抵抗率が5.0×1013Ω未満、曲げ弾性率が80〜800MPaである樹脂シートを介在させたガラス基板搬送用包装体とした。
【0018】
また、請求項9の本発明は、上記請求項8の発明において、上記樹脂シートが、ポリオレフィン系樹脂発泡シートであるガラス基板搬送用包装体とした。
【発明の効果】
【0019】
上記した請求項1の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体及び蓋体が熱可塑性樹脂発泡体で形成されているので、軽量でありながらも、ガラス基板の保護性に優れたものとなる。また、ボックス本体部の底板部は方形状であるので、同様に方形状であるガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容する際、その収容効率が高いものとなる。更に、収納されるガラス基板の端部は直接ボックス本体部の側壁部に当接することはなく、ガラス基板当接部或いはガラス基板当接仕切部を介することとなるので、保護性が向上したものとなる。特に、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板当接部或いはガラス基板当接仕切部で受けると共に、ガラス基板当接仕切部と、該仕切部とボックス本体部の側壁部との間に設けた緩衝部とからなる緩衝構造が空気バネ的な作用を果して衝撃を有効に吸収緩和するため、更にガラス基板の保護性に優れたものとなる。これに加え、本発明の搬送用ボックスは、少なくともボックス本体の四隅近傍において、収納するガラス基板の角部を構成する二面のうち少なくとも一方の面がガラス基板当接部又はガラス基板当接仕切部に接していないように該ガラス基板当接部及びガラス基板当接仕切部が設けられているので、落下時における衝撃はガラス基板の角部に集中することなく接していない方向に逃がすことができ、ガラス基板の割れを効果的に防止することができる。
【0020】
また、上記した請求項2の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、落下時における衝撃は特に角部に集中するため、この集中した衝撃をボックス本体の四隅近傍に設けた緩衝部によって効果的に吸収緩和することができるので、より収納するガラス基板の保護性に優れたものとなる。
【0021】
また、上記した請求項3の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体部の底板部が短辺の寸法と長辺の寸法の比が1対1.3〜1対2の矩形状であるので、同様の比率である矩形状ガラス基板を更に効率的に収容することができる。また、ボックス本体部の側壁部の高さが上記底板部の短辺寸法の1/3以下、即ち、ボックス本体部が長さ、幅に対して高さの低い扁平な箱体となるので、ボックス本体内へのガラス基板の収容及び取り出しが容易なものとなる。
【0022】
また、上記した請求項4の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ガラス基板当接仕切部と緩衝部との組み合わせ構造が短辺側の側壁部に形成されているので、最もガラス基板にかかる単位面積当たりの衝撃が大きくなるボックス角部からの落下時及びボックス短辺側からの落下時にも、ガラス基板にかかる衝撃をガラス基板当接仕切部と緩衝部からなる緩衝構造により効果的に吸収できるので、ガラス基板の保護性に更に優れたものとなる。
【0023】
また、上記した請求項5の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、ボックス本体部に対して着脱可能な別部材からなるので、該ガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材或いは緩衝部材に汚れ、破損が生じた場合であっても、その部材だけを交換することができるので、取り替え費用が安くて済む。また、ガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材を組み替えること等により、一つの搬送用ボックスを使用して様々なサイズのガラス基板を搬送することも可能となる。
【0024】
また、上記した請求項6の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部は見掛け密度が10〜90kg/m3 である熱可塑性樹脂発泡体で形成されているので、クッション性が良好であると共に、変形が適度なものとなるため、収納するガラス基板を良好に保護できるものとなる。
【0025】
また、上記した請求項7の本発明に係るガラス基板搬送用ボックスによれば、ボックス本体部及び蓋体が、見掛け密度が45〜300kg/m3 であるポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子の型内発泡成形体で構成されているので、強度と柔軟性とのバランスに優れており、且つガラス基板との摩擦が生じた際に粉塵が発生し難く、しかも射出成形品などに比べて安価に製造することが可能となる。
【0026】
また、上記した請求項8の本発明に係るガラス基板搬送用包装体によれば、請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスに、見掛け密度が60〜300kg/m3 、厚みが0.3〜5mm、表面抵抗率が5.0×1013Ω未満、曲げ弾性率が80〜800MPaである樹脂シートをガラス基板の相互間に介在させた状態でガラス基板を板厚方向に積層させて水平に収容するので、収容効率が高く、且つ搬送する際にガラス基板を十分に保護することができると共に、樹脂シートは十分なコシ強度を備えているので、ロボット等による自動梱包ラインに対応することが可能となる。
【0027】
また、上記した請求項9の本発明に係る本発明に係るガラス基板搬送用包装体によれば、樹脂シートがポリオレフィン系樹脂発泡シートであるので、表面硬度とコシ強度とのバランス、軽量性に優れ、またガラス基板との摩擦が生じた際に粉塵が発生し難く、特にガラス基板を保護するのに適したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体の実施の形態を、詳細に説明する。
【0029】
本発明に係るガラス基板搬送用ボックスは、複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容する上面が開口した熱可塑性樹脂発泡体からなるボックス本体と、該ボックス本体の上面開口を閉塞するやはり熱可塑性樹脂発泡体からなる蓋体とから構成され、前記ボックス本体は、ボックス本体部と、該ボックス本体部内に設けられたガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とからなるものである。
なお、本発明で言う「水平」とは、ボックス本体部の底板部に対して平行なことを意味する。
【0030】
上記本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに収容されるガラス基板としては、公知の様々なガラス基板が含まれ、例えば、素板ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示体用ガラス基板、サーマルヘッド用ガラス基板、カラーフィルタ等の各種ガラス基板、又はこれらのガラス基板を用いて製造したTFT(薄膜トランジスタ)形成済ガラス基板や液晶セルと呼ばれる完成パネル等のガラス基板が含まれる。これらの収容されるガラス基板の両板面には、手で剥離可能な保護フィルムが積層されていることが好ましい。
【0031】
本発明の上記ボックス本体部は、方形状の底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とからなる。このボックス本体部の方形状の底板部は、短辺の寸法と長辺の寸法の比が1対1.3〜1対2の矩形状であることが好ましく、更には1対1.5〜1対2の矩形状であることが好ましく、特には1対1.6〜1対1.8の矩形状であることが好ましい。これは、収納するガラス基板の短辺の寸法と長辺の寸法の比は概ね3対4或いは9対16であるので、該ガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容するボックス本体部の底板部の短辺寸法と長辺寸法の比は、ガラス基板と略同様の比である上記範囲とすることが収容効率の観点から好ましい。
【0032】
また、本発明のボックス本体部の上記側壁部の高さは、上記矩形状の底板部の短辺寸法の1/3以下であることが好ましく、更には1/5以下であることが好ましく、特には1/10以下あることが好ましい。これは、側壁部の高さが上記のものである場合には、ボックス本体は深さの浅い扁平な箱体となり、ガラス基板の収容及び取り出しが容易なものとなり、作業性が向上するために好ましい。なお、側壁部の高さの下限は、収容効率の観点等から底板部の短辺寸法の1/20程度である。
【0033】
本発明のボックス本体部の対峙する二対の側壁部のうち一方の側壁部の内面には、それぞれガラス基板当接部が設けられている。また、ガラス基板当接仕切部が、ガラス基板当接部が設けられていない他方の対峙する側壁部に対して平行になるように、ガラス基板当接部が設けられているボックス本体部の側壁部の内面同士を橋渡しする状態で一対設けられ、かつ該ガラス基板当接仕切部と、ガラス基板当接部が設けられていない他方の側壁部の内面との間に緩衝部がそれぞれ設けられている。これにより、収納されるガラス基板の端部は直接ボックス本体部の側壁部に当接することはなく、ガラス基板当接部或いはガラス基板当接仕切部を介することとなり、ガラス基板端部の保護性が向上したものとなる。また、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板当接部或いはガラス基板当接仕切部で受けられると共に、ガラス基板当接仕切部と、該仕切部とボックス本体部の側壁部との間に設けた緩衝部とからなる緩衝構造が空気バネ的な作用を果して衝撃を効果的に吸収緩和するため、更にガラス基板の保護性に優れたものとなる。
【0034】
また、本発明のボックス本体は、上記に加えて、少なくとも該ボックス本体の四隅近傍(図21に扇形の点線で示した部分)において、収納するガラス基板の角部を構成する二面のうち少なくとも一方の面が、ガラス基板当接部又はガラス基板当接仕切部に接しないように該ガラス基板当接部及びガラス基板当接仕切部が設けられている。これにより、搬送中などに誤って該搬送用ボックスを落下させてしまった場合にも、その衝撃はガラス基板の角部に集中することなく接していない方向に逃がすことができ、ガラス基板の割れを更に効果的に防止することができる。
【0035】
上記ガラス基板当接仕切部とボックス本体部の側壁部との間に設けられる緩衝部は、空気バネ的な作用を果たさせる観点、また材料コストの観点等から部分的に設けることが好ましく、この場合には、少なくともボックス本体の四隅近傍に設けることが好ましい。これは、落下時における衝撃は特に角部に集中してガラス基板当接仕切部が大きく変形しやすくなるが、この変形をボックス本体の四隅近傍に設けた緩衝部によって効果的に防ぐことができ、かつガラス基板にかかる衝撃を緩衝構造が適度に分散できるようになるため、ガラス基板の保護性に特に優れたものとなるので好ましい。かかる観点から、緩衝部の配置位置は、図21に示したように、収納するガラス基板の角部よりもさらに緩衝部の一部が外側(ガラス基板当接仕切部の長手方向端部側)に位置する状態でボックス本体の四隅近傍に設けることが更に好ましい。
また、上記ガラス基板当接仕切部と緩衝部の組み合わせ構造は、ボックス本体部が短辺側と長辺側とを有する矩形状のものである場合には、ボックス本体部の短辺側の側壁部に設けられていることが好ましい。これは、最もガラス基板にかかる単位面積当たりの衝撃が大きくなるボックス角部からの落下時及びボックス短辺側からの落下時にも、ガラス基板にかかる衝撃をガラス基板当接仕切部と緩衝部からなる緩衝構造により効果的に吸収できるので、ガラス基板の保護性に更に優れたものとなるために好ましい。
【0036】
上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部のボックス本体部への形成方法としては、例えば、熱可塑性樹脂発泡粒子を型内に充填して、ボックス本体部と共に、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部を一体成形する方法がある。この方法の場合、熱可塑性樹脂発泡粒子を型内に充填して成形する際、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部となる部位にボックス本体部とは異なる基材樹脂及び/又は異なる見掛け密度の発泡粒子を充填してガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部を形成することもできる。
【0037】
また、上記部位の形成方法としては、例えば、ボックス本体部と、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とを別々に成形し、接着剤や熱融着により接合する方法、更には、別々に形成したボックス本体部と、ガラス基板当接部材、ガラス基板当接部仕切部材及び緩衝部材とにそれぞれ係合手段を設け、該係合手段によって両者を着脱自在に取付ける方法等が挙げられる。これらの方法の中でも、係合手段を用いてボックス本体部と他の部材とを着脱自在に固定する方法が特に好ましい。これは、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が着脱自在な別部材であると、該部材からなるガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部或いは緩衝部が破損した場合や汚れた場合において、その部材のみを取替えれば良いため、安価に修復できるために好ましい。さらに、収容するガラス基板のサイズに応じてガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材の形状、サイズ及び係止場所等を変更することにより、様々なサイズのガラス基板を収容することも可能となるために好ましい。なお、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、ボックス本体部と着脱可能な別部材であるものを、本明細書ではそれぞれガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材、緩衝部材と言い、これらの部材は熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成形品であってもよい。
【0038】
上記ガラス基板当接部材をボックス本体部に係合する手段としては、ボックス本体部の側壁部に形成された溝にガラス基板当接部材を係合することにより着脱可能な状態で係止することが好ましく、ガラス基板当接部材に凸部を設けて該凸部と上記溝とを着脱可能な状態で係止することがより好ましい。この場合には、ガラス基板当接部材を容易に着脱可能にしながらも、取扱い中や搬送中に発生する虞があるガラス基板当接部材のずれを効果的に防止することができるために好ましい。更に、上記側壁部に形成された溝がアリ溝であり、ガラス基板当接部材に設けられた凸部がアリであり、両者がアリ結合により結合されるものとした場合には、ガラス基板当接部材の側壁部からの脱落を効果的に防ぐことができるので、特に好ましい。
【0039】
また、上記ガラス基板当接仕切部材をボックス本体部に係合する手段としては、ガラス基板当接仕切部材をボックス本体部の底板部表面及び/又は蓋体の裏面に形成された凹部に挿入することにより係止する構造とすることが好ましい。この凹部への係止構造とすることにより、ガラス基板当接仕切部材を容易に着脱可能にしながらも、取扱い中や搬送中にガラス基板当接仕切部材に大きな荷重がかかった場合にも、ガラス基板当接仕切部材の変形を最小限にとどめることができ、効果的にガラス基板を保護することができるために好ましい。また、この凹部への係止構造に加えて、ボックス本体部の側壁部に形成した溝によりガラス基板当接仕切部材の端部を係止するこがより好ましく、この場合には、更にガラス基板の保護性に優れたものとなる。
【0040】
また、上記緩衝部材をガラス基板当接仕切部材とボックス本体部の側壁部の間に設ける手段としては、ボックス本体部の側壁部に形成された溝に緩衝部材を係合することにより着脱可能な状態で係止することが好ましく、緩衝部材に凸部を設けて該凸部と上記溝とを着脱可能な状態で係止することがより好ましい。この場合には、緩衝部材を容易に着脱可能にしながらも、取扱い中や搬送中に発生する虞がある緩衝部材のずれを効果的に防止することができるために好ましい。更に、上記側壁部に形成された溝がアリ溝であり、緩衝部材に設けられた凸部がアリであり、両者がアリ結合により結合されるものとした場合には、緩衝部材の側壁部からの脱落を効果的に防ぐことができるので、特に好ましい。緩衝部材は、前記係合手段によりボックス本体部の側壁部に係止された状態において、ガラス基板当接仕切部材の側部に当接することが好ましいが、若干(数mm)の隙間が生じていてもよい。
【0041】
上記のようにボックス本体部、該ボックス本体部内に設けられたガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部からなるボックス本体の上面開口は、蓋体により閉塞される。ボックス本体と蓋体との係合は、熱可塑性樹脂発泡体同士の間の摩擦力が大きいので、単なる嵌め込みで充分である。但し、その係合を強固にする必要がある場合には、両者が係合する箇所を波形に形成するなど、係合部の面積を大にすればよい。また、ボックス内のガス置換を行う場合には、ボックス本体或いは蓋体の適当な箇所にガス導入口を設置する。
【0042】
上記本発明のボックス本体及び蓋体は、いずれも熱可塑性樹脂発泡体で形成されているが、この熱可塑性樹脂発泡体の基材樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂の中でも、強度と柔軟性のバランスに優れており、且つガラス基板との間に擦れが生じた場合に粉塵が発生し難い等の観点から、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
【0043】
本発明において言う上記ポリオレフィン系樹脂とは、次の(a)〜(e)のいずれかに該当するものである。
(a) エチレン及び、プロピレン、ブテン等のα−オレフィン(以下、これらを併せて単にオレフィンという。)の単独重合体。
(b) 2種以上のオレフィンから選択される共重合体。
(c) オレフィン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つオレフィン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(d) 上記(a)、(b)及び(c)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(e) 上記(a)、(b)、(c)及び(d)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(a)、(b)、(c)又は(d)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のオレフィン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0044】
特に、ボックス本体部及び蓋体の基材樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂からなるものの中でも、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂は強度に優れ、例えばポリエチレン系樹脂からなるものに比べて同じ強度をより軽量で実現できるために好ましい。
【0045】
本発明において言う上記ポリプロピレン系樹脂とは、次の(f)〜(i)のいずれかに該当するものである。
(f) プロピレンの単独重合体。
(g) プロピレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つプロピレン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(h) 上記(f)及び(g)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(i) 上記(f)、(g)及び(h)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(f)、(g)又は(h)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のプロピレン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0046】
一方、上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の基材樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂からなるものの中でも、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、その強度と柔軟性とのバランスに優れており、且つガラス基板との摩擦が生じた際に粉塵が発生し難い特徴を持つが、その中でもポリエチレン系樹脂は特にガラス基板の保護性に優れ、ガラス基板との当接部の基材樹脂として好適である。
【0047】
本発明において言う上記ポリエチレン系樹脂とは、次の(j)〜(m)のいずれかに該当するものである。
(j) エチレンの単独重合体。
(k) エチレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって且つエチレン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(l) 上記(j)及び(k)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(m) 上記(j)、(k)及び(l)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(j)、(k)又は(l)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のエチレン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0048】
また、上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部をポリオレフィン系樹脂により形成した場合の見掛け密度(A)は、10〜90kg/m3 であり、好ましくは10〜45kg/m3 であり、更に好ましくは15kg/m3 以上45kg/m3 未満である。これは、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の見掛け密度が大きすぎる場合には、クッション性が不足するため、搬送時や取扱い時における振動や衝撃等によりガラス基板が破損する虞がある。一方、見掛け密度が小さすぎる場合には、クッション性は十分であるが荷重を受けた際の変形が大きくなり過ぎ、搬送時にガラス基板が安定せず、ガラス基板に傷或いは破損が生じる虞がある。なお、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の基材樹脂及び見掛け密度は、必ずしも同じとする必要はない。
【0049】
上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の見掛け密度は、試験片としてそれぞれガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部、緩衝部を用い、それぞれの重量をそれぞれの全体の体積で除することにより求められる。なお、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部がボックス本体部から取り外せる場合には、ボックス本体部から取り外したガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部、緩衝部のそれぞれ全体を試験片として求めた値である。一方、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部がボックス本体部に接着、粘着又は融着により接合しており、これらが取り外せない場合には、ボックス本体を、ボックス本体部とガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とに切り分け、得られたガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部、緩衝部のそれぞれ全体を試験片として求めた値をガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の見掛け密度とする。
【0050】
また、上記ボックス本体部及び蓋体の見掛け密度は、20〜300kg/m3 が好ましく、特にポリオレフィン系樹脂により形成した場合の見掛け密度(B)は、45〜300kg/m3 [ただし、この見掛け密度(B)は上記見掛け密度(A)以上、好ましくは見掛け密度(B)は見掛け密度(A)を超える。]が好ましく、45〜120kg/m3 [ただし、この見掛け密度(B)は上記見掛け密度(A)以上、好ましくは見掛け密度(B)は見掛け密度(A)を超える。]が更に好ましい。ボックス本体部及蓋体の見掛け密度が小さすぎる場合には、強度が不足し易く、それを補うために板厚を厚くする必要が生じ、その結果、必要以上にボックスが大きなものになってしまう虞がある。また、見掛け密度があまりにも小さすぎると、ボックス自体が変形し易くなり、内部に収納されたガラス基板を損傷してしまう虞もある。一方、見掛け密度が大きすぎる場合には、柔軟性が無くなりガラス基板を充分に保護できなかったり、軽量性を阻害する。
また、ポリオレフィン系樹脂によりボックス本体部及び蓋体を形成した場合には、見掛け密度(B)が上記見掛け密度(A)未満であると、荷重を受けた際に、上記当接部よりもボックス本体部の変形が大きくなるため、ガラス基板を破損する虞がある。なお、ボックス本体部と蓋体の基材樹脂及び見掛け密度は、必ずしも同じとする必要はない。
【0051】
上記ボックス本体部及び蓋体の見掛け密度は、試験片としてボックス本体部、蓋体をそれぞれ用いる以外は、前述したガラス基板当接部などの場合と同じ方法により求める。なお、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部がボックス本体部から取り外せる場合には、これらを取り外した後、ボックス本体部全体を試験片として求めた値である。一方、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部がボックス本体部に接着、粘着又は融着により接合しており、これらが取り外せない場合には、ボックス本体を、ボックス本体部とガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とに切り分け、得られたボックス本体部全体を試験片として求めた値をボックス本体部の見掛け密度とする。
【0052】
上記ボックス本体部、蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体は、好適にはポリオレフィン系樹脂をビーズ状に発泡させてなる発泡粒子を金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する成形方法、いわゆる型内発泡成形方法により製造される。この型内発泡成形方法は、射出発泡成形方法に比して高い型強度を必要としないので、金型としてはアルミニウム型のような低コストの金型を用いることができ、安価にボックス本体部、蓋体等を成形することができる。
【0053】
また、上記熱可塑性樹脂発泡体の基材樹脂には、帯電防止剤、気泡調節剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤等の各種添加剤を必要に応じて必要量を添加することができる。
特に、本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに、TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネルを収容するときは、ボックスの少なくとも基板と接する箇所又は接する可能性のある箇所(好ましくはボックス全体)は、導電性物質や帯電防止性物質を含有させたポリオレフィン系樹脂を発泡させる等の方法により、体積抵抗率が1×103 〜1×1013Ω・cmのポリオレフィン系樹脂発泡体とすることが望ましい。これにより必要な導電性や帯電防止性が得られる。
【0054】
次に、本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上記した本発明に係るガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、特定物性の樹脂シートを介在させたものである。
【0055】
上記樹脂シートの基材樹脂は、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、該ポリオレフィン系樹脂とは、前記のポリオレフィン系樹脂と同じものを言う。ポリオレフィン系樹脂は、その表面硬度と曲げ弾性率とのバランスに優れ、またガラス基板との摩擦で生じる粉塵等も発生し難いため、本発明におけるガラス基板を保護する樹脂シートの基材樹脂として好適である。
【0056】
上記樹脂シートをポリオレフィン系樹脂で形成した場合の見掛け密度は、60〜300kg/m3 であり、好ましくは90〜300kg/m3 であり、更に好ましくは150〜300kg/m3 である。樹脂シートの見掛け密度が大きすぎる場合は、発泡体が本来有している緩衝機能を十分に発揮することができず、ガラス基板表面に対する保護に支障が生じる虞がある。一方、小さすぎる場合は、ガラス基板を収容する作業に必要な該樹脂シートのコシ強度(例えば、自動梱包をする際に、ロボットアーム、バキューム手段等で樹脂シートを持ち上げる際の変形に抵抗する強度)が不足するため、作業性が低下してしまう。また、作業に必要なコシ強度を確保するために該樹脂シートの厚みを厚くすると、ガラス基板の収容効率が低下してしまう。
なお、本発明の樹脂シートの見掛け密度は、樹脂シートから測定片を切り出し、該測定片の重量を該測定片の外形寸法から求められる体積にて除することにより求めることができる。
【0057】
また、上記樹脂シートの厚みは、0.3〜5mmであり、好ましくは0.5〜3mmであり、更に好ましくは0.5〜2mmである。樹脂シートの厚みが薄すぎる場合は、発泡体が本来有している緩衝機能を十分に発揮することができず、ガラス基板に対する保護に支障が生じる虞があるばかりか、コシ強度が低下するため、ガラス基板梱包作業の作業性が低下してしまう。一方、樹脂シートの厚みが厚すぎる場合には、ガラス基板の収容効率が低下してしまう。
なお、本発明における樹脂シートの厚みは、樹脂シートの短辺方向の全幅に亘って等間隔に10個所の厚みを測定し、求められた各測定値の算術平均を言う。
【0058】
また、上記樹脂シートの表面抵抗率は、5.0×1013Ω未満であり、好ましくは1.0×108 Ω以上5.0×1013Ω未満である。表面抵抗率が上記範囲内であれば、十分な帯電防止性能が発揮でき、樹脂シートにガラス基板表面を傷つける要因となるゴミや埃が付着することを防止できる。また、TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネル、或いはこれらの表面に保護フィルムが積層されたガラス基板は、搬送用包装体との摩擦等により発生する静電気によって損傷が生じる虞があるため、特に表面抵抗率の低い樹脂シートを使用する必要がある。表面抵抗率の下限は、特に限定されないが、概ね1.0×105 Ω程度である。
【0059】
上記のような低い表面抵抗率を有する樹脂シートを達成するためには、導電性物質や帯電防止性物質を含有させて上記表面抵抗率となるように調整した熱可塑性樹脂を発泡させて樹脂シートを得る方法、樹脂シートの表面に上記表面抵抗率を持つフィルムを積層する方法、導電性物質や帯電防止性物質を含有させて上記表面抵抗率になるように調整した熱可塑性樹脂を共押出により樹脂シートの表面に積層する方法などがある。表面に上記表面抵抗率を持つ樹脂層を積層する場合には、上記表面抵抗率を達成できれば、積層される樹脂シートには必ずしも導電性物質や帯電防止性物質を含まなくてもよく、また、帯電防止層が必ずしも樹脂シートの表面にある必要はなく、導電性物質や帯電防止性物質を含まない樹脂層が表面に存在してもよい。なお、樹脂シートが積層物の場合、前記樹脂シートの見掛け密度及び厚みは、積層物全体の見掛け密度及び厚みのことを指す。
【0060】
上記帯電防止性物質としては、高分子型帯電防止剤が好ましく、該高分子型帯電防止剤は、表面抵抗率が1×1011Ω以下の樹脂からなる。具体的には、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、ポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂が好ましい。また、樹脂シートの基材樹脂としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合、高分子型帯電防止剤には発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を与えると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂をブロック共重合させたものを用いることが更に好ましい。
【0061】
特に好ましい高分子型帯電防止剤は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム,ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属で中和されているアイオノマーや特開2001−278985号公報に記載されている組成物が挙げられる。特開2001−278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105 〜1×1011Ω・cmの親水性樹脂(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロックポリマー(A)である。上記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。
【0062】
本明細書における表面抵抗率の測定は、基本的にJIS K 6271(2001)に準拠して行なうものとする。具体的には、樹脂シートから3片切り出した試験片(縦100mm×横100mm×厚み:試験片厚み)をサンプルとし、試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、印加電圧500Vで印加してから1分後の表面抵抗値を測定し、得られた測定値の平均値から表面抵抗率を求める。測定装置はタケダ理研工業株式会社製「TR8601」を用いることができる。
【0063】
また、上記樹脂シートの曲げ弾性率は、80〜800MPaであり、好ましくは80〜500MPaであり、更に好ましくは100〜500MPaである。樹脂シートの曲げ弾性率が低すぎる場合には、作業に必要なコシ強度を得るためには該樹脂シートの厚みを厚くする必要があり、ガラス基板の収容効率が低下してしまう。一方、曲げ弾性率が高すぎる場合には、発泡体が本来有している緩衝機能を十分に発揮することができず、ガラス基板に対する保護に支障が生じる虞がある。
【0064】
上記曲げ弾性率を達成するためには、基材樹脂として密度890〜970kg/m3 のポリオレフィン系樹脂を30〜100重量%含むものを用いることが好ましい。該ポリオレフィン系樹脂の中でも、緩衝性と剛性のバランスから、ポリプロピレン系樹脂を用いることが更に好ましい。
【0065】
上記曲げ弾性率の測定は、JIS K 7221−2(1999)に基づき、樹脂シートの押出方向(MD)と幅方向(TD)について測定する。試験片として,長さ150mm×幅25mm×厚さ:樹脂シートの厚さのものを樹脂シートから切り出して使用し、支点先端のR=5(mm)、圧子先端のR=5(mm)、支点間距離100mm、曲げ速度10mm/分の条件にて測定を行う。なお、樹脂シートの押出方向と幅方向についてそれぞれ10個の試験片を測定し、それぞれの平均値を求め、その平均値のうち小さな値を本発明の曲げ弾性率とする。但し、樹脂シートの表面と裏面とで曲げ弾性率が異なる場合には、上記方法により求められる大きい方の値を本発明の曲げ弾性率とする。
【0066】
本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上面が開口したボックス本体内に、上記した物性の樹脂シートをガラス基板の相互間に介在させた状態で複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容し、ボックス本体の上面開口を蓋体により閉塞した後、必要に応じて面ファスナーの付いた結束バンド、PPバンド等の結束部材でボックス本体と蓋体とが外れるのを防止することができる。また、遠方への輸送(例えば輸出)に際しては、ガラス基板を収容した本発明に係る搬送用ボックス全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルム等の防湿性を有する包材で包装したり、全体をテープ掛けなどすることができる。更に、ガラス基盤の梱包に際し、ボックス内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れておくこともできる。
【実施例】
【0067】
以下、上記した本発明に係るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0068】
図1〜図9は、本発明のガラス基板搬送用ボックスを示した図である。また、図10〜図20は、本発明のガラス基板搬送用ボックスの本体部を示した図である。また、図21〜図25は、前記ボックス本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材の種々の配置例を示した図である。更に、図26〜図34は、本発明のガラス基板搬送用ボックスの蓋体を示した図である。
【0069】
本発明に係るガラス基板搬送用ボックス1は、図21等に示したように、ボックス本体部10と、該ボックス本体部10内に設けられるガラス基板当接部材30(30a,30b等)、ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)及び緩衝部材50とからなるボックス本体2と、該ボックス本体2の上面開口を閉塞する蓋体60とから構成されている。前記ボックス本体部10及び蓋体60は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する成形方法、いわゆる型内発泡成形方法により製造されており、この発泡体の見掛け密度は、ボックス本体部10及び蓋体60共に67kg/m3 である。また、ガラス基板当接部材30(30a,30b等)、ガラス当接仕切部材40(40a,40b等)及び緩衝部材50は、ポリエチレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、見掛けの密度が31kg/m3 である発泡体からなる。
【0070】
上記ボックス本体部10は、図10〜図20に示したように、方形状の底板部11と、該底板部11の周縁から垂直に立ち上がる側壁部12とから構成されている。底板部11の短辺の寸法L1は773mmであり、長辺の寸法L2は1377mmである。また、前記底板部11の周縁から立ち上がる側壁部12の高さH1は52mmである。従って、底板部11の短辺の寸法L1と長辺の寸法L2との比は1対1.78であり、側壁部12の高さH1は、底板部11の短辺寸法L1の1/14.9である。また、底板部11の板厚は52mmであり、側壁部12の板厚は55mmであることから、該ボックス本体部10の外形寸法は、幅883mm、長さ1487mm、高さ104mmである。ガラス基板は、前記底板部11と側壁部12とによって形成される空間部に、板厚方向に積層させた状態で水平に収容される。
【0071】
上記ボックス本体部10の側壁部12の内面側には、ガラス基板当接部材30(30a,30b等)及び/又は緩衝部材50を係止するための係合手段であるアリ溝13と、ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)を係止するための係合手段である凹溝14(14a,14b等)とが設けられている。
アリ溝13は、入口の幅寸法が50mm、底部の幅寸法が60mm、溝深さが15mmであり、側壁部12の上端から垂直方向に52mmの深さまで形成されている。アリ溝13の形成位置は、図18に示したように、長辺側の側壁部12aの長手寸法を二分する中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ130mm(B点)、355.5mm(D点)、485.5mm(E点)隔てた6ヵ所の位置の内面側にアリ溝13の中心がそれぞれ位置するように形成され、対峙する長辺側の側壁部12aの内面側にもそれぞれ対向する位置にアリ溝13が形成されている。また、短辺側の側壁部12bにも、該側壁部12bの長手寸法を二分する中心(a点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ100mm(b点)、300mm(c点)隔てた4ヵ所の位置の内面側にアリ溝13の中心がそれぞれ位置するように形成され、対峙する短辺側の側壁部12bの内面側にもそれぞれ対向する位置にアリ溝13が形成されている。
【0072】
一方、凹溝14は、溝幅が158mm、溝深さが15mmの凹溝14aと、溝幅が45mm、溝深さが15mmの凹溝14bと、溝幅が30mm、溝深さが15mmの凹溝14cの3種類が、それぞれ側壁部12の上端から垂直方向に62mmの深さまで形成されている。各凹溝14a,14b,14cの形成位置は、同じく図18に示したように、凹溝14aは、長辺側の側壁部12aの長手寸法を二分する中心(A点)の内面側にその中心が位置するように形成され、対峙する長辺側の側壁部12aの内面側にも対向する位置に凹溝14aが形成されている。そして、この対向する凹溝14a同士を繋ぐように、底板部11の表面に幅が158mm、深さが10mmの凹部15aが形成されている。また、凹溝14bは、長辺側の側壁部12aの長手寸法を二分する中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ233.5mm(C点)、553mm(F点)、621mm(G点)隔てた6ヵ所の位置の内面側に該凹溝14bの中心がそれぞれ位置するように形成され、対峙する長辺側の側壁部12aの内面側にもそれぞれ対向する位置に凹溝14bが形成されている。そして、これらの対向する凹溝14b同士を繋ぐように、底板部11の表面に幅が45mm、深さが10mmの凹部15bがそれぞれ形成されている。また、凹溝14cは、短辺側の側壁部12bの長手寸法を二分する中心(a点)の内面側に該凹溝14cの中心が位置するように形成され、対峙する短辺側の側壁部12bの内面側にも対向する位置に凹溝14cが形成されている。そして、この対向する凹溝14c同士を繋ぐように、底板部11の表面に幅が30mm、深さが10mmの凹部15cが形成されている。
【0073】
ボックス本体部10の上記側壁部12の外周面には、図19に示したように、蓋体60を嵌合するための切欠き段部16が形成され、該切欠き段部16の適所には、蓋体60に形成された凸部63が嵌入する凹部17、及び蓋体60を取り外す際に指などを挿入する凹部18が形成されている。また、側壁部12の上端には、蓋体60に形成された凹部70に嵌入する高さ5mm程度の凸部19が断続的に形成されている。更に、長辺側の両側壁部12aの外面側には、結束バンドを掛ける溝20が適宜な間隔を隔てて5本形成されている。
【0074】
また、ボックス本体部10の底板部11の裏面には、図20に示したように、上記底板部11の表面に形成した凹部15a,15b,15cのそれぞれと対応する位置に、若干(8mm程度)対応する凹部より幅広で、深さが13mmの凹部21a,21b,21cがそれぞれ形成されている。そして、中央の幅広の凹部21aには、底板部11を補強する高さ8mmの凸部22が形成されている。また、底板部11の裏面には、リフターのフォークを挿入する切欠き23が4ヵ所形成されている。更に、底板部11の裏面周縁部には、蓋体60の上面周縁部に形成された環状凸部68が係合する深さ4mmの切欠き段部24が形成されている。前記環状凸部68と切欠き段部24とを係合することにより、ボックス1を積み重ねる際に、ずれることなく積み重ねることができる。
【0075】
上記したボックス本体部10には、収納するガラス基板の保護性を高めるためのガラス基板当接部材30(30a,30b等)、ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)及び緩衝部材50が、ボックス本体部10の側壁部12の内面側に設けられた上記アリ溝13、凹溝14(14a,14b等)を介してそれぞれ内装される。
【0076】
図21は、本発明に係るガラス基板搬送用ボックス1の基本的な構成を示したものであり、ガラス基板のサイズが、短辺寸法が680mm、長辺寸法が1193mmである52インチの大型ガラス基板αを収容する場合の、上記ボックス本体部10へのガラス基板当接部材30(30a)、ガラス基板当接仕切部材40(40a)及び緩衝部材50の配置例である。
図示したように、ガラス基板αの長辺側に当接するガラス基板当接部材30a及び短辺側に当接するガラス基板当接仕切部材40aが、それぞれボックス本体部10に係止され、それぞれの当接部材及び当接仕切部材の対峙する内面間の距離が、ガラス基板αの短辺及び長辺の寸法よりもそれぞれ4mm大きくなるように配置されている。ガラス基板αの長辺側に当接するガラス基板当接部材30aは、ボックス本体部10の長辺側の両側壁部12aの各々の中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ130mm(B点)、355.5mm(D点)及び485.5mm(E点)隔てた位置に設けられた計12個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの12個の部材からなり、これらの当接部材30aは、ガラス基板αの角部には接しないように配置されている。一方、ガラス基板αの短辺側に当接するガラス基板当接仕切部材40aは、長辺側の側壁部12aの中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ621mm(G点)隔てた位置に設けられた対向する上記凹溝14b間にそれぞれ係止され、且つ該凹溝14b同士を繋ぐように底板部11の表面に形成された上記凹部15bにそれぞれ挿入され、長辺側の対峙する側壁部12a間を橋渡しするように配置された2本の部材からなり、これらの当接仕切部材40aは、ガラス基板αの角部に接するように配置されている。そして、このガラス基板当接仕切部材40aと、上記ガラス基板当接部材30aが設けられていない短辺側の側壁部12bの内面との間に緩衝部材50が設けられている。この緩衝部材50は、ボックス本体部10の短辺側の両側壁部12bの各々の中心(a点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ300mm(c点)隔てた位置に設けられた計4個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの4個の部材からなり、これらの緩衝部材50は、上記ガラス基板当接仕切部材40aの長手方向両端部付近(ボックス本体の角部近傍)においてその側部に当接するように配置されている。
【0077】
図22は、緩衝部材50の配置位置のみを上記図21に対して変更したものであり、この配置例においては、緩衝部材50は、ボックス本体部10の短辺側の両側壁部12bの各々の中心(a点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ100mm(b点)隔てた位置に設けられた計4個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの4個の部材からなり、これらの緩衝部材50は、上記ガラス基板当接仕切部材40aの長手方向中央付近においてその側部に当接するように配置されている。
【0078】
本発明に係るガラス基板搬送用ボックス1のガラス基板の保護性を高めるためのガラス基板当接部材30、ガラス基板当接仕切部材40及び緩衝部材50の基本的な配置は上記のものであるが、本実施例においては、ボックス本体部10とは別部材としてガラス基板当接部材30(30a,30b等)、ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)及び緩衝部材50を形成し、且つボックス本体部10に上記した係合手段であるアリ溝13、凹溝14(14a,14b等)を形成しているため、収容するガラス基板のサイズに応じてガラス基板当接部材30、ガラス基板当接仕切部材40及び緩衝部材50の形状、サイズ及び係止場所等を変更することにより、様々なサイズのガラス基板を収容することが可能となる。
【0079】
図23は、ガラス基板のサイズが、短辺寸法が603mm、長辺寸法が1057mmである46インチのガラス基板βを収容する場合の、上記ボックス本体部10へのガラス基板当接部材30(30b)及びガラス基板当接仕切部材40(40b)の配置例である。
図示したように、ガラス基板βの長辺側に当接するガラス基板当接部材30b及び短辺側に当接するガラス基板当接仕切部材40bが、それぞれボックス本体部10に係止され、それぞれの当接部材及び当接仕切部材の対峙する内面間の距離が、ガラス基板βの短辺及び長辺の寸法よりもそれぞれ4mm大きくなるように配置されている。ガラス基板βの長辺側に当接するガラス基板当接部材30bは、ボックス本体部10の長辺側の両側壁部12aの各々の中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ130mm(B点)、355.5mm(D点)隔てた位置に設けられた計8個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの8個の部材からなり、これらの当接部材30bは、ガラス基板βの角部には接しないように配置されている。一方、ガラス基板βの短辺側に当接するガラス基板当接仕切部材40bは、長辺側の側壁部12aの中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ563mm(F点)隔てた位置に設けられた対向する上記凹溝14b間にそれぞれ係止され、且つ該凹溝14b同士を繋ぐように底板部11の表面に形成された上記凹部15bにそれぞれ挿入され、長辺側の対峙する側壁部12a間を橋渡しするように配置された2本の部材からなり、これらの当接仕切部材40bは、ガラス基板βの角部に接するように配置されている。
なお、この46インチのガラス基板βを収容する場合には、上記ガラス基板当接仕切部材40bと、上記ガラス基板当接部材30bが設けられていない短辺側の側壁部12bの内面との間に必ずしも緩衝部材50を設ける必要はないが、緩衝部材50を上記した52インチの大型ガラス基板αを収容する場合と同様に、ガラス基板当接仕切部材40bと短辺側の側壁部12bの内面との間に設けてもよい。
【0080】
図24は、ガラス基板のサイズが、短辺寸法が418mm、長辺寸法が720mmである32インチのガラス基板γを収容する場合の、上記ボックス本体部10へのガラス基板当接部材30(30c,30d)及びガラス基板当接仕切部材40(40c)の配置例である。
図示したように、長辺側の対峙する側壁部12a間を橋渡しするように係止されたガラス基板当接仕切部材40c並びに長辺側の側壁部12a及び短辺側の側壁部12bにそれぞれ係止されたガラス基板当接部材30c及び30dが、収容部を3等分に分割するように配置され、且つこれらの収容部においてそれぞれの当接部材及び当接仕切部材の対峙する内面間の距離が、ガラス基板γの短辺の寸法よりも4mm大きくなるように配置され、長辺の寸法よりも8mm大きくなるように配置されている。ガラス基板当接仕切部材40cは、長辺側の側壁部12aの中心(A点)から側壁の沿って左右両方向にそれぞれ233.5mm(C点)隔てた位置に設けられた対向する上記凹溝14b間にそれぞれ係止され、且つ該凹溝14b同士を繋ぐように底板部11の表面に形成された上記凹部15bにそれぞれ挿入され、長辺側の対峙する側壁部12a間を橋渡しするように配置された2本の部材からなる。そして、これらの当接仕切部材40cは、ガラス基板γの角部に位置する部分に切り欠き部41が設けられおり、ガラス基板γの角部には接していない。また、ガラス基板当接部材30cは、ボックス本体部10の長辺側の両側壁部12aの各々の中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ130mm(B点)、355.5mm(D点)及び485.5mm(E点)隔てた位置に設けられた計12個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの12個の部材からなり、これらの当接部材30cは、ガラス基板γの角部には接しないように配置されている。また、ガラス基板当接部材30dは、ボックス本体部10の短辺側の両側壁部12bの各々の中心(a点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ100mm(b点)及び300mm(c点)隔てた位置に設けられた計8個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの8個の部材からなり、これらの当接部材30dは、ガラス基板γの角部には接しないように配置されている。
【0081】
図25は、ガラス基板のサイズが、短辺寸法が345mm、長辺寸法が595mmである26インチのガラス基板δを収容する場合の、上記ボックス本体部10へのガラス基板当接部材30(30e,30f)及びガラス基板当接仕切部材40(40d)の配置例である。
図示したように、対峙する長辺側の側壁部12a間及び対峙する短辺側の側壁部12b間を十字状に橋渡しするように係止されたガラス基板当接仕切部材40d並びに長辺側の側壁部12a及び短辺側の側壁部12bに沿って係止されたガラス基板当接部材30e,30fとが、収容部を4等分に分割するように配置され、且つこれらの収容部においてそれぞれの当接部材及び当接仕切部材の対峙する内面間の距離が、ガラス基板δの短辺及び長辺の寸法よりもそれぞれ4mm大きくなるように配置されている。十字形状のガラス基板当接部材40dは、ボックス本体部10の長辺側の側壁部12aの中心(A点)に設けられた対向する上記凹溝14a間に係止され、且つ該凹溝14a同士を繋ぐように底板部11の表面に形成された上記凹部15aに挿入され、長辺側の対峙する側壁部12a間を橋渡しするように配置されていると共に、ボックス本体部10の短辺側の側壁部12bの中心(a点)に設けられた対向する上記凹溝14c間に係止され、且つ該凹溝14c同士を繋ぐように底板部11の表面に形成された上記凹部15cに挿入され、短辺側の対峙する側壁部12b間を橋渡しするように配置されている。そして、この当接仕切部材40dは、ガラス基板δの角部に位置する部分に切り欠き部41が設けられており、ガラス基板δの角部には接していない。また、ガラス基板当接部材30eは、ボックス本体部10の長辺側の両側壁部12aの各々の中心(A点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ130mm(B点)、355.5mm(D点)及び485.5mm(E点)隔てた位置に設けられた計12個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの12個の部材からなり、これらの当接部材30eは、ガラス基板δの角部には接しないように配置されている。また、ガラス基板当接部材30fは、ボックス本体部10の短辺側の両側壁部12bの各々の中心(a点)から側壁に沿って左右両方向にそれぞれ100mm(b点)及び300mm(c点)隔てた位置に設けられた8個の上記アリ溝13にそれぞれ係止された、幅が100mmの8個の部材からなり、これらの当接部材30fは、ガラス基板δの角部には接しないように配置されている。
【0082】
ボックス本体部10に配置される上記ガラス基板当接部材30(30a,30b等)及び緩衝部材50は、その配置状態においてボックス本体10の側壁部12の上端と面一となる高さに設計されている。一方、ボックス本体10の対峙する側壁部12間を橋渡しするように配置されるガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)は、その配置状態においてボックス本体部10の側壁部12の上端から10mm突出する高さに設計されている。
【0083】
上記したガラス基板当接部材30(30a,30b等)、ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)及び緩衝部材50を配置したボックス本体2は、ガラス基板の収納前においては、該ボックス本体2のみを積層した状態でガラス基板の自動梱包装置等の近傍に置かれることとなるが、ボックス本体部10の底板部11の裏面には、上記したように凹部21a,21b,21cが形成されているため、該凹部に下方のボックス本体部10の側壁部12の上端から突出する上記ガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)の上部が嵌まり込むため、安定した状態で該ボックス本体2のみを積層することができる。
【0084】
一方、蓋体60は、図26〜図34に示したように、方形状の天板部61と、該天板部61の周縁から下方に突出した環状凸部62とから構成され、該環状凸部62が、上記ボックス本体部10の側壁部12の外周面に形成された切欠き段部16に嵌合する。また、前記環状凸部62の下端には、4つの凸部63が形成されており、該凸部63は、ボックス本体部10の上記切欠き段部16に形成された凹部17に嵌入する。凸部63を凹部17に嵌入することにより、取扱い中や搬送中に振動等によって本体部10と蓋体60とがずれるのを効果的に防ぐことができる
【0085】
蓋体60の天板部61の表面には、図33に示したように、長辺側の両側面から上面にかけて、結束バンドを掛ける溝64が適宜な間隔を隔てて5本形成されている。また、天板部61の上面には、リフターのフォークを挿入する切欠き65が4ヵ所形成されていると共に、それぞれの切欠き65より中央方向に、ボックス1を積み重ねた際に上方のボックス本体部10の底板部11を支持する3mmの高さの凸部66が形成されている。また、上記環状凸部62の下端に形成された4つの凸部63と対応する位置の天板部61の上面には、蓋体60のみを積層した場合の上方の蓋体の前記凸部63が嵌入する切欠き凹部67が形成されている。更に、天板部61の上面周縁部には、ボックス本体部10の底板部11の裏面周縁部に形成された深さ4mmの上記切欠き段部23に係合する高さ7mmの環状凸部68が形成されている。
【0086】
また、蓋体60の天板部61の裏面には、図34に示したように、上記ボックス本体部10の底板部11の表面に形成した凹部15a,15b,15cのそれぞれと対応する位置に、若干(4mm程度)対応する凹部より幅広で、深さが10mmの凹部69a,69b,69cがそれぞれ形成され、該凹部にボックス本体部10に配置されたガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)の突出した上部が嵌入し、該蓋体60によってもガラス基板当接仕切部材40(40a,40b等)を支持するように構成されている。この凹部69によってガラス基板当接仕切部材40を支持することにより、取扱い中や搬送中の振動等によって、本体部10からの当接仕切部材40のずれ、当接仕切部材40の変形をより効果的に防ぐことができる。また、天板部61の裏面周縁部には、上記ボックス本体部10の側壁部12の上端に断続的に形成された凸部19が嵌入する凹部70が断続的に形成されている。凸部19を凹部70に嵌入することにより、取扱い中や搬送中の振動等によって本体部10と蓋体60とがずれるのをより効果的に防ぐことができる。
【0087】
本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、上記したボックス本体部10と、ガラス基板当接部材30、ガラス基板当接仕切部材40、緩衝部材50とからなるボックス本体2と、蓋体60とからなるガラス基板搬送用ボックス1に、複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、特定物性の樹脂シート80を介在させたものである。
【0088】
図35は、本発明に係るガラス基板搬送用ボックス1の基本的な構成を示した図21の大型ガラス基板αを収容する場合の、ボックス本体部10にガラス基板当接部材30、ガラス基板当接仕切部材40及び緩衝部材50の配置を行ったボックス本体2を用いた包装形態を示した図である。
収納するガラス基板αは、短辺寸法が680mm、長辺寸法が1193mmであり、厚みが1.4mmの液晶セルの完成パネルである。また、樹脂シート80は、見掛け密度が225kg/m3 、厚みが1mm、表面抵抗率が2.1×1012Ω、曲げ弾性率が240MPaであるポリプロピレン系樹脂発泡シートであり、その短辺の寸法及び長辺の寸法は、前記ガラス基板αの短辺の寸法及び長辺の寸法と同一である。
本発明に係るガラス基板搬送用包装体は、図35に示したように、ボックス本体部10にガラス基板当接部材30、ガラス基板当接仕切部材40及び緩衝部材50が配置されたボックス本体2内に、ガラス基板αと発泡シート80とを、それぞれ底板部11と平行な状態で、板厚方向に交互に積み重ねることによって収容され、蓋体60によってボックス本体2の開口が閉塞される。
【0089】
図36は、本発明に係るガラス基板搬送用包装体の外観を示した図であり、ボックス本体2と蓋体60とが、結束バンド90によって強固に結束され、搬送途中等において蓋体60がボックス本体2から外れるのを防止している。また、図示は省略したが、遠方への輸送(例えば輸出)に際しては、搬送用ボックス1全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルム等の防湿性を有する包材で包装することもできる。
【0090】
以上、本発明に係るガラス基板搬送用ボックス及びガラス基板搬送用包装体の実施例を説明したが、本発明は、何ら既述の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの正面図である。
【図2】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの右側面図である。
【図3】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの左側面図である。
【図4】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの平面図である。
【図5】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの底面図である。
【図6】ボックス本体部内に配置したガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材を省略した図4のA−A線に沿う部分の断面図である。
【図7】ボックス本体部内に配置したガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材を省略した図4のB−B線に沿う部分の断面図である。
【図8】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの上側斜視図である。
【図9】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの下側斜視図である。
【図10】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の正面図である。
【図11】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の右側面図である。
【図12】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の左側面図である。
【図13】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の平面図である。
【図14】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の底面図である。
【図15】図13のC−C線に沿う部分の断面図である。
【図16】図13のD−D線に沿う部分の断面図である。
【図17】図10のG−G線に沿う部分の端面図である。
【図18】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の拡大平面図である。
【図19】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の拡大上側斜視図である。
【図20】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部の拡大下側斜視図である。
【図21】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材の配置例を示した拡大平面図である。
【図22】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材及び緩衝部材の他の配置例を示した拡大平面図である。
【図23】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材の参考配置例を示した拡大平面図である。
【図24】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材の他の参考配置例を示した拡大平面図である。
【図25】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの本体部へのガラス基板当接部材、ガラス基板当接仕切部材の更に他の参考配置例を示した拡大平面図である。
【図26】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の正面図である。
【図27】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の右側面図である。
【図28】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の左側面図である。
【図29】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の平面図である。
【図30】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の底面図である。
【図31】図28のE−E線に沿う部分の断面図である。
【図32】図28のF−F線に沿う部分の断面図である。
【図33】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の拡大上側斜視図である。
【図34】本発明に係るガラス基板搬送用ボックスの蓋体の拡大下側斜視図である。
【図35】本発明に係るガラス基板搬送用包装体の包装形態を示した概念的な分解斜視図である。
【図36】本発明に係るガラス基板搬送用包装体の外観を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1 ガラス基板搬送用ボックス
2 ボックス本体
10 ボックス本体部
11 底板部
12 側壁部
12a 長辺側の側壁部
12b 短辺側の側壁部
13 アリ溝
14,14a〜14c 凹溝
15a〜15c 凹部
16 切欠き段部
17 凹部
18 凹部
19 凸部
20 溝
21a〜21c 凹部
22 凸部
23 切欠き
24 切欠き段部
30,30a〜30f ガラス基板当接部材
40,40a〜40d ガラス基板当接仕切部材
41 切り欠き部
50 緩衝部材
60 蓋体
61 天板部
62 環状凸部
63 凸部
64 溝
65 切欠き
66 凸部
67 切欠き凹部
68 環状凸部
69a〜69c 凹部
70 凹部
80 樹脂シート
90 結束バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容する上面が開口した熱可塑性樹脂発泡体からなるボックス本体と、該ボックス本体の上面開口を閉塞する熱可塑性樹脂発泡体からなる蓋体とから構成されるガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体は、ボックス本体部と、該ボックス本体部内に設けられたガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部とからなり、前記ボックス本体部は、方形状の底板部と、該底板部の周縁から立ち上がる側壁部とから構成され、前記ガラス基板当接部は、前記ボックス本体部の対峙する二対の側壁部のうち一方の側壁部の内面にそれぞれ設けられていると共に、前記ガラス基板当接仕切部は、ガラス基板当接部が設けられていない他方の対峙する側壁部に対して平行になるように前記ガラス基板当接部が設けられているボックス本体部の側壁部の内面同士を橋渡しする状態で一対設けられ、かつ該ガラス基板当接仕切部と、ガラス基板当接部が設けられていない他方の側壁部の内面との間に前記緩衝部がそれぞれ設けられていると共に、少なくとも該ボックス本体の四隅近傍において、収納するガラス基板の角部を構成する二面のうち少なくとも一方の面が、ガラス基板当接部又はガラス基板当接仕切部に接しないように前記ガラス基板当接部及びガラス基板当接仕切部が設けられていることを特徴とする、ガラス基板搬送用ボックス。
【請求項2】
上記緩衝部が、ボックス本体の四隅近傍に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項3】
上記ボックス本体部の底板部が、短辺の寸法と長辺の寸法との比が1対1.3〜1対2の矩形状であり、上記ボックス本体部の側壁部の高さが、該ボックス本体部の底板部の短辺寸法の1/3以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項4】
上記ガラス基板当接仕切部が、対峙する短辺側の側壁部に対して平行になるように設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項5】
上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、上記ボックス本体部に対して着脱可能な別部材から構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項6】
上記ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部が、見掛け密度が10〜90kg/m3のポリオレフィン系樹脂発泡体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項7】
上記ボックス本体部及び蓋体を形成する熱可塑性樹脂発泡体が、見掛け密度が45〜300kg/m3 〔但し、ボックス本体部及び蓋体の見掛け密度は、ガラス基板当接部、ガラス基板当接仕切部及び緩衝部の見掛け密度以上〕のポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子の型内発泡成形体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
【請求項8】
上記請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスに複数枚のガラス基板を板厚方向に積層させた状態で水平に収容してなるガラス基板搬送用包装体であって、前記積層させたガラス基板の相互間に、見掛け密度が60〜300kg/m3 、厚みが0.3〜5mm、表面抵抗率が5.0×1013Ω未満、曲げ弾性率が80〜800MPaである樹脂シートを介在させたことを特徴とする、ガラス基板搬送用包装体。
【請求項9】
上記樹脂シートが、ポリオレフィン系樹脂発泡シートであることを特徴とする、請求項8に記載のガラス基板搬送用包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2008−280062(P2008−280062A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125033(P2007−125033)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000131810)株式会社ジェイエスピー (245)
【Fターム(参考)】