説明

ガラス微粒子堆積体の製造方法

【課題】原料ガス流量を制御する原料用MFCの機差の影響を減らすことができるガラス微粒子堆積体の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス微粒子を出発ガラスロッド14に堆積させてガラス微粒子堆積体17を製造する際、原料タンクT1〜T5の重量W1〜W5を測定し、該重量の時間変化量ΔW1〜ΔW5に応じて、原料用MFC21〜25の設定流量を調整する。これにより、実際の原料重量変化により原料用MFC21〜25の設定流量を補正することができ、実質的に全てのガラス微粒子生成用バーナB1〜B5へ供給される原料ガスGの供給流量を均一にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VAD法(気相軸付け法)、OVD法(外付け法)、MMD法(多バーナ多層付け法)などによりガラス微粒子を出発ガラスロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガラス微粒子堆積体の製造方法は、例えば、MMD法によると、複数のバーナ毎にガラス微粒子が堆積している部分の外径をモニタし、外径が長手方向で均一になるように各バーナに供給するガラス原料等のガス供給量を調整している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5に示すように、従来のガラス微粒子堆積体の製造装置100は、1つの原料タンクTから複数のバーナBに原料ガスを供給し、各バーナラインに設置している流量制御装置(以下、MFCと云う)120により各バーナBへの原料供給流量を制御している。そして、各バーナ毎に対応するガラス微粒子堆積体110の外径をモニタして、MFC120の流量設定値に補正を加えている。
例えば、ガラス微粒子堆積体110上でガラス付着量が少ないと外径が細くなり、この場合は対応するバーナBの設定値を所定量増やす。また、ガラス付着量が多いと外径が太くなり、この場合は対応するバーナBの設定値を所定量減らしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−160551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、MFC120は個々の機差が大きく、複数のMFC120に同じ流量を指示しても同じ流量にはならない場合が多い。特に、原料ガス(SiCl)を直接バーナBに供給する直送式の場合、原料ガス流量を制御する原料用MFCを用いるが、この原料用MFCは機差が特に大きく、同じ設定値にしたとしても、実際のバーナBへの原料ガス供給量が設定値からずれ、ガラス微粒子堆積体110のガラス付着量も設定量からずれてしまうことがある。したがって、所望の特性を有するガラス微粒子堆積体110を製造することができない。
【0006】
また、MFC120を故障などにより交換した場合、交換前のMFC120の流量設定に基づき、試作用のガラス微粒子堆積体110を製造して、付着したガラス付着量を測定してから、この測定値に基づいて適切な流量条件を設定しているが、前記したようにMFC120の機差が大きいため、調整に時間がかかり、余分な費用が発生してしまう。
【0007】
本発明の目的は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、原料ガス流量を制御する原料用MFCの機差の影響を減らすことができるガラス微粒子堆積体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することができる本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、反応容器内に出発ガラスロッドとガラス微粒子生成用バーナとを配置して、原料タンク内の原料液を蒸発、気化させて原料ガスを生成し、該原料ガスの流量を原料用MFCを用いて制御し、前記原料ガス、酸素および水素を前記ガラス微粒子生成用バーナに供給して、該ガラス微粒子生成用バーナの火炎内で、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を生成し、該ガラス微粒子を前記出発ガラスロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、前記原料タンクの重量を測定し、該重量の時間変化量に応じて、前記原料用MFCの設定流量を調整することを特徴としている。
【0009】
このように構成されたガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、原料タンクの重量を測定し、該重量の時間変化量に応じて、原料用MFCの設定流量を調整するので、実際の原料重量変化により原料用MFCの設定流量を補正することができ、実質的にガラス微粒子生成用バーナへ供給される原料ガスの供給流量を均一にすることができる。これにより、原料用MFCの使用上の機差の影響を減らすことができ、MFCによらず同条件で製造することができるので、ガラス付着量が長手方向に安定したガラス微粒子堆積体を製造することができ、コア径およびクラッド径が安定した光ファイバを製造できる。
なお、ここで云う使用上の機差とは、MFC毎に設定流量と実際の供給流量との差が異なるため、使用段階でもMFC毎に供給流量の差異が生じてしまうことを意味する。
【0010】
また、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法において、複数の前記ガラス微粒子生成用バーナにより前記ガラス微粒子堆積体を製造する際、前記各ガラス微粒子生成用バーナ毎に前記原料用MFCおよび前記原料タンクを接続して、前記各々原料タンクの重量を所定時間毎に測定し、該重量の時間変化量に応じて、前記各々原料タンクに対応する前記原料用MFCの設定流量値を調整することが好ましい。
【0011】
前記構成のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、各ガラス微粒子生成用バーナ毎に対応する原料用MFCおよび原料タンクを持たせることで、ガラス微粒子堆積体の製造中に各原料用MFCを調整することができ、各ガラス微粒子生成用バーナへ供給される原料ガスの供給流量を均一にすることができる。
【0012】
また、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法において、前記原料用MFCを交換した際、交換した新原料用MFCに交換前の旧原料用MFCと同じ設定流量値を入力し、ガラス微粒子堆積体を製造する前に原料ガスを流して、前記旧原料用MFCと同じ重量変化量となるように前記新原料用MFCの設定流量を調整することが好ましい。
【0013】
前記構成のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、交換した新原料用MFCを、ガラス微粒子堆積体を製造する前に最適な設定流量に調整することができ、調整にかかる時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、実際の原料タンクの重量を測定し、該重量の時間変化量に応じて、原料ガス流量を制御する原料用MFCの設定流量を調整するので、各原料用MFCの設定流量を補正することができ、複数の原料用MFCの使用上の機差の影響を減らすことができる。これにより、MFCによらず同条件で製造することができるので、ガラス付着量が長手方向に安定したガラス微粒子堆積体を製造することができ、コア径およびクラッド径が安定した光ファイバを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を説明する製造装置の概略図である。
【図2】図1の要部を示す拡大図である。
【図3】本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を説明するブロック図である。
【図4】本発明のバーナ毎のJ倍率変動率の一例を示すグラフである。
【図5】従来のガラス微粒子堆積体の製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態であるガラス微粒子堆積体の製造方法について図1を参照して説明する。なお、以下ではMMD法(多バーナ多層付け法)を一例に説明するが、本発明は、MMD法には限定されない。VAD法やOVD法などの他のガラス微粒子堆積体の製造方法に対しても適用できる。また、図1において、火炎形成ガスのガス供給装置は省略しており、本文中での説明も省略する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置10は、MMD法によりガラス微粒子の堆積を行うものである。製造装置10の主要部は、複数本(この例では5本)のガラス微粒子生成用バーナB1〜B5からなるバーナ列11と複数本(この例では3本)の排気管13を対向する側壁面に配置した反応容器12である。反応容器12は、縦方向の中心軸上に出発ガラスロッド14を配置する。また、製造装置10は、ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5に原料ガス等を供給するガス供給装置20と、ガス供給装置20等を制御する制御装置30とを備えている。
【0018】
反応容器12は、出発ガラスロッド14の上下を支持棒15で保持して、トラバース装置16により出発ガラスロッド14を回転させながら上下に往復移動させる。そして、ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5で生成されたガラス微粒子が出発ガラスロッド14の周囲に堆積してガラス微粒子堆積体17を作製する。
【0019】
排気管13は、所定量のガスの排気を行い、反応容器12内に浮遊する、ガラス微粒子堆積体17に堆積しなかったガラス微粒子を排除し、余剰なガラス微粒子が反応容器12内に堆積するのを防止する。
【0020】
図2に示すように、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5は、後述する原料用MFC21〜25から所定流量の原料ガスGが供給され、火炎内で原料ガスGを火炎加水分解反応させてガラス微粒子を生成する。このガラス微粒子生成用バーナB1〜B5により生成されたガラス微粒子は、反応容器12内の出発ガラスロッド14に堆積する。各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5には外径センサS1〜S5が設置されている。
【0021】
各外径センサS1〜S5は、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5に対応するガラス微粒子堆積体17の所定位置(測定点P1〜P5)の成長する外径φD(プリフォーム径)を所定時間毎に測定する。この測定点P1〜P5は、ガラス微粒子堆積体17の上方から等間隔に配置する。なお、必ずしも製造中に外径センサS1〜S5で外径をモニタする必要はなく、製造後にプリフォーム外径を測定することとしても良い。
【0022】
ガス供給装置20は、原料タンクT1〜T5と原料用MFC21〜25とを備えている。原料タンクT1〜T5は、液体原料Lを不図示の温調ブースにより沸点以上の温度に制御して蒸発、気化させて原料ガスG(SiCl等)を生成する。
【0023】
原料用MFC21〜25は、原料ガスGの流量を制御してガラス微粒子生成用バーナB1〜B5に供給する。すなわち、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5毎に、専用の原料用MFC21〜25と原料タンクT1〜T5が接続されている。
なお、火炎形成ガス等の一般ガス(O、H、Nなどの不活性ガス等)用のガス供給装置の説明は省略する。
【0024】
原料タンクT1〜T5は、液体原料Lが不図示のメインタンクから供給され、一定の液体原料Lを貯留しており、この液体原料Lを沸点以上の温度に制御して蒸発、気化させてSiCl等の原料ガスGを生成する。各原料タンクT1〜T5には、重量計M1〜M5が設置されている。原料タンクT1〜T5の重量は、重量計M1〜M5によって所定時間毎に測定する。
【0025】
原料用MFC21〜25は、各原料タンクT1〜T5で生成した所定流量の原料ガスGを各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5へ供給する。この所定流量は、後述する制御装置30からの指令に基づいて調整される。
【0026】
図1に示した制御装置30は、重量計M1〜M5の重量測定データから原料用MFC21〜25の設定流量を調整する。なお、供給流路上に配置される開閉バルブ(不図示)等に関する説明は省略する。
【0027】
次に、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を、図3のブロック図を用いて説明する。なお、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5の制御方法は同じなので、主にガラス微粒子生成用バーナB1の系列を説明する。
【0028】
図3に示すように、通常、初期設定流量F0の原料ガスGは、原料タンクT1から原料用MFC21を介してガラス微粒子生成用バーナB1へ供給される。しかし、実際は、原料用MFC21には機差があるため、初期設定流量F0からずれた供給流量F0’の原料ガスGがガラス微粒子生成用バーナB1へ供給される可能性が高い。
【0029】
そのため、先ず、重量計M1により原料タンクT1の重量W1を所定時間毎に測定して、その重量測定データ32(重量W1の時間変化量ΔW1)を制御装置30へデータ出力する。
【0030】
次に、制御装置30は、重量測定データ32と初期設定流量F0値を換算、比較して、誤差流量ΔFを算出する。この誤差流量ΔFに基づいて補正流量F1(=F0±ΔF)値を算出する。この補正流量F1値は、初期設定流量F0値の補正指令33として原料用MFC21へ出力される。
【0031】
次に、原料用MFC21は、補正指令33として補正流量F1値が入力されることで、初期設定流量F0から微調整された補正流量F1の原料ガスGをガラス微粒子生成用バーナB1へ供給する。これにより、実質的にガラス微粒子生成用バーナB1へ供給される原料ガスGの供給流量を、MFCによらず均一にできる。
【0032】
全体的には、各原料タンクT1〜T5の重量W1〜W5を所定時間毎に測定し、重量W1〜W5の時間変化量ΔW1〜ΔW5を算出する。この変化量ΔW1〜ΔW5に応じて、各原料タンクT1〜T5に対応する各原料用MFC21〜25の初期設定流量F0値を補正して、補正流量F1(=F0±ΔF)値を算出する。各原料用MFC21〜25によって異なる補正流量F1を対応する各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5へ供給する。
【0033】
このように制御装置30は、全ての重量計M1〜M5からの測定データ32を収集して、この測定データ32を流量設定値と換算、比較し、比較データに基づいて全ての原料用MFC21〜25の設定流量の微調整を行うことができる。これにより、原料用MFC21〜25の使用上の機差の影響を減らすことができ、ガラス微粒子堆積体17の長手方向のガラス付着量を一定に作製できる。
【0034】
また、原料用MFC21〜25の内、不良等により1個の原料用MFC(例えば、原料用MFC21)を交換した場合は、まず、新しい原料用MFC26に交換前の原料用MFC21と同じ設定流量(例えば、補正流量F1)を入力する。
【0035】
次に、ガラス微粒子堆積体17を製造する前に、新しい原料用MFC26に原料ガスGを流して、重量計M1が旧い原料用MFC21と同じ重量変化量ΔW1となるように新しい原料用MFC26の設定流量を調整する。これにより、交換した新しい原料用MFC26は、ガラス微粒子堆積体17を製造する前に、最適な設定流量に調整される。
【0036】
上述したように本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、ガラス微粒子を出発ガラスロッド14に堆積させてガラス微粒子堆積体17を製造する際、例えば、原料タンクT1の重量W1を測定し、該重量の時間変化量ΔW1に応じて、原料用MFC21の設定流量を調整する。これにより、実際の原料重量変化により原料用MFC21の設定流量を補正でき、実質的にガラス微粒子生成用バーナB1へ供給される原料ガスGの供給流量を均一にできる。よって、全ての原料用MFC21〜25の使用上の機差の影響を減らすことができ、ガラス微粒子堆積体17の長手方向でガラス付着量を一定にできるので、コア径およびクラッド径が安定した光ファイバを製造できる。
【0037】
また、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5毎に原料用MFC21〜25および原料タンクT1〜T5を接続して、各原料タンクT1〜T5の重量W1〜W5を所定時間毎に測定し、該重量W1〜W5の時間変化量ΔW1〜ΔW5に応じて、各原料タンクT1〜T5に対応する原料用MFC21〜25の設定流量を調整する。このように、各ガラス微粒子生成用バーナB1〜B5毎に対応する専用の原料用MFC21〜25および原料タンクT1〜T5を持たせることにより、ガラス微粒子堆積体17の製造中に各原料用MFC21〜25を個々に調整でき、全ての原料用MFC21〜25の使用上の機差の影響を減らすことができる。
【0038】
また、例えば、原料用MFC21を交換した際、交換した新しい原料用MFC26に交換前の旧い原料用MFC21と同じ設定流量値を入力し、ガラス微粒子堆積体17を製造する前に原料ガスGを流して、旧い原料用MFC21と同じ重量変化量ΔW1となるように新しい原料用MFC26の設定流量を調整する。これにより、交換した新しい原料用MFC26をガラス微粒子堆積体17の製造前に、最適な設定流量に調整できる。
【0039】
次に、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法の一実施例を説明する。
(実施例)
実施例、比較例とも、下記のような材料を使用してガラス微粒子堆積体を30本製造する。
・出発ガラスロッド;直径25mm、長さ1000mmの石英ガラス
・測定点;上端から150mm間隔に5箇所
・原料ガス…SiCl(1〜7SLM)
【0040】
製造方法は、上述したMMD法により、実施例は、5本のガラス微粒子生成用バーナ毎に専用の原料用MFCおよび原料タンクを接続して、各原料用MFCへ原料ガスを供給する。そして、所定時間毎に原料タンクの重量を測定し、該重量の時間変化量に応じて、各原料タンクに対応する原料用MFCの設定流量を調整した補正流量の原料ガスを供給する。
【0041】
(比較例)
比較例は、5本のガラス微粒子生成用バーナ毎に専用の原料用MFCを接続して、1個の原料タンクから分岐させて各原料用MFCへ初期の設定流量の原料ガスを供給する。
【0042】
実施例、比較例とも、製造したガラス微粒子堆積体を焼結した後、各測定点のプリフォーム径とコア径を屈折率分布測定器などで測定し、測定したプリフォーム径とコア径とから各測定点のJ倍率(プリフォーム径/コア径)を算出する。このJ倍率からJ倍率変動率(各測定点のJ倍率/全測定点のJ倍率平均値)を算出した一例を図4に示す。このJ倍率変動率の最大変化量(MaxΔJ)について、実施例、比較例とも各々プリフォーム30本の平均値を算出して比較、評価する。
【0043】
図4において、測定点P1が最大値であり、測定点P2が最小値であるため、最大値と最小値の差となる最大変化量は0.02となる。このようにして、実施例、比較例の製造方法で製造したプリフォーム30本の最大変化量の平均値を算出して比較する。
【0044】
【表1】

【0045】
表1から明らかなように、製造した30本のガラス微粒子堆積体におけるJ倍率変動率の最大変化量(MaxΔJ)の平均値が、実施例では0.011となり比較例の0.023の約1/2(50%)に低減している。また、この変動による光ファイバの特性不良率(カットオフ波長外れ等)が、比較例に比べ約30%低減できることが確認された。
【0046】
なお、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在であり、VAD法やOVD法においても同様の効果がある。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0047】
10…製造装置、12…反応容器、14…出発ガラスロッド、15…支持棒、17…ガラス微粒子堆積体、20…ガス供給装置、21〜26…原料用MFC(原料流量制御装置)、30…制御装置、B1〜B5…ガラス微粒子生成用バーナ、φC…出発ガラスロッドのコア径、φD1〜φD5…プリフォーム径、G…原料ガス、M1〜M5…重量計、P1〜P5…測定点、S1〜S5…外径センサ、T1〜T5…原料タンク、W1〜W5…重量、ΔW1〜ΔW5…重量の時間変化量


【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内に出発ガラスロッドとガラス微粒子生成用バーナとを配置して、
原料タンク内の原料液を蒸発、気化させて原料ガスを生成し、
該原料ガスの流量を原料流量制御装置を用いて制御し、
前記原料ガス、酸素および水素を前記ガラス微粒子生成用バーナに供給して、
該ガラス微粒子生成用バーナの火炎内で、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を生成し、該ガラス微粒子を前記出発ガラスロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記原料タンクの重量を測定し、該重量の時間変化量に応じて、前記原料流量制御装置の設定流量を調整することを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
【請求項2】
複数の前記ガラス微粒子生成用バーナにより前記ガラス微粒子堆積体を作製する際、
前記各ガラス微粒子生成用バーナ毎に前記原料流量制御装置および前記原料タンクを接続して、
前記各々原料タンクの重量を所定時間毎に測定し、
該重量の時間変化量に応じて、前記各々原料タンクに対応する前記原料流量制御装置の設定流量値を調整することを特徴とする請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
【請求項3】
前記原料流量制御装置を交換した際、交換した新原料流量制御装置に交換前の旧原料流量制御装置と同じ設定流量値を入力し、ガラス微粒子堆積体を作製する前に原料ガスを流して、
前記旧原料流量制御装置と同じ重量変化量となるように前記新原料流量制御装置の設定流量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254893(P2012−254893A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128092(P2011−128092)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】