説明

ガラス接合用接着剤組成物、それを用いたガラス接合体及び画像表示装置

【課題】画像表示装置の透過度に影響を及ぼすことなく、熱耐久性に優れるのみならず、飛散防止性も良好なガラス接合用接着剤組成物を提供する。
【解決手段】ガラス接合用接着剤組成物は、ウレタン−アクリル系共重合体と、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物と、イソシアネート系架橋剤と、光重合開始剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置の透過度に影響を及ぼすことなく、熱耐久性及び飛散防止性に優れたガラス接合用接着剤組成物、それを用いたガラス接合体及び画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、電界発光表示装置(EL)などの各種画像表示装置は、携帯電話、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、デジタルカメラ、小型音楽またはビデオ再生機などの各種小型機器のみならず、特定内容の情報を伝達するデジタル情報ディスプレイ(DID;digital information display)であって、広告用、インテリア用、電子黒板用などにその用途が拡大しつつある。
【0003】
このような用途の拡大に伴い、画像表示装置は屋内のみならず、屋外で用いられることが多くなり、天候の変化または外部からの衝撃により表示画面が破損したり、外部からの汚染物質によって損傷したりする危険性があった。
【0004】
これを防止するために、表示画面を保護することができる追加的なウィンドウ(window)が画像表示装置の画面上に配設された製品が数多く市販されている。
【0005】
画像表示装置の保護ウィンドウとしては、通常2枚のガラス板が接着剤を介して接合された形態のガラス接合体が主に使用されている。ガラス接合体は、外部からの衝撃による損傷を防止し、かつ画像表示画面を安定的に保護するために、優れた強度を有しなければならず、ガラスが割れた場合でも、割れたガラスの飛散を防止して、使用者の安全性もまた確保しなければならない。さらに、画像表示装置の透過率を維持しつつも、表示特性を低下させないことが要求されている。
【0006】
韓国登録特許第0629242号公報には、第1のガラスと第2のガラスとの間にイソシアヌレート系樹脂、メルカプト樹脂、メタクリレート系単量体、光重合開始剤、及び有機シラン系化合物を含む光硬化性透明樹脂からなる結合樹脂層が介在する携帯電話の画面保護用ガラス複合体が開示されている。このガラス複合体は、優れた強度及び硬度、飛散防止の効果を有しているが、透過率が90〜92%であるため、表示装置の視認性に問題が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、画像表示装置の透過度に影響を及ぼすことなく、熱耐久性に優れるのみならず、飛散防止性も良好なガラス接合用接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記ガラス接合用接着剤組成物を用いて接合されたガラス接合体を提供することを他の目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記ガラス接合体を備えた画像表示装置を提供することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.ウレタン−アクリル系共重合体と、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物と、イソシアネート系架橋剤と、光重合開始剤とを含むガラス接合用接着剤組成物。
【0011】
2.ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体及び多官能性単量体を混合したものである、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0012】
3.ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体95〜99.9質量%及び多官能性単量体0.1〜5質量%を含む、上記項目2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0013】
4.ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体98〜99.9質量%及び多官能性単量体0.1〜2質量%を含む、上記項目2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0014】
5.単官能性単量体は、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、及びアリル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上である、上記項目2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0015】
6.多官能性単量体は、2〜6官能性単量体からなる群より選択される1種以上である、上記項目2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0016】
7.多官能性単量体は3官能性単量体である、上記項目6に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0017】
8.ヒドロキシ基を有する単量体は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、3−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、アルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、及びアルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物からなる群より選択される1種以上である、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0018】
9.固形分含有量を基準として、ウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して希釈単量体混合物を500〜1,000質量部含む、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0019】
10.固形分含有量を基準として、ウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して希釈単量体混合物を600〜800質量部含む、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0020】
11.希釈単量体混合物は、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体75〜95質量%及びヒドロキシ基を有する単量体5〜25質量%を含む、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0021】
12.希釈単量体混合物は、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体80〜90質量%及びヒドロキシ基を有する単量体10〜20質量%を含む、上記項目1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【0022】
13.2枚のガラス板の間に、上記項目1〜12のいずれか一項に記載のガラス接合用接着剤組成物の光硬化により形成される接着剤層が介在するガラス接合体。
【0023】
14.接着剤層の透過率は95%以上であり、かつヘイズは0.5%以下である、上記項目13に記載のガラス接合体。
【0024】
15.上記項目13に記載のガラス接合体を備える画像表示装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るガラス接合用接着剤組成物及びそれを用いたガラス接合体は、耐久性、特に熱耐久性が向上していて温度変化による画像表示装置の損傷を防止することができ、ガラスが割れた場合でも割れたガラスの飛散を防止して使用者の安全性を確保することができる。さらには、高い透過率及び低いヘイズを有するため、画像表示装置の透過度に影響を及ぼすことなく優れた視認性もまた確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例によるガラス接合体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、ガラス接合用接着剤組成物、それを用いたガラス接合体及び画像表示装置に関するものである。
【0028】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】
本発明のガラス接合用接着剤組成物は、ウレタン−アクリル系共重合体と、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物と、イソシアネート系架橋剤と、光重合開始剤とを含むことを特徴とする。
【0030】
ウレタン−アクリル系共重合体は、接着性を付与する樹脂であって、通常、接着樹脂として使用されるものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単量体、ジイソシアネート化合物、及びポリオールの共重合体であり得る。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートの総称である。
【0031】
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、又は2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
ジイソシアネート化合物としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−ジシクロヘキシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどを挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0033】
ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエングリコールなどが挙げられる。
【0034】
前記成分のほかにも、ウレタン−アクリル系共重合体は、架橋可能な官能基を有する単量体、例えば、カルボキシ基を有する単量体、アミド基を有する単量体、第三級アミン基を有する単量体、及びビニル基を有する単量体からなる群より選択される1種以上の重合性単量体がさらに共重合されたものであってもよい。
【0035】
このような組成を有するウレタン−アクリル系共重合体は、当技術分野における公知の方法により製造することができる。例えば、ジイソシアネート化合物とポリオールとを適当な当量比で反応させてイソシアネートプレポリマーを得、当該イソシアネートプレポリマーとヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単量体とを適当な当量比で反応させて共重合体を製造することができる。
【0036】
ウレタン−アクリル系共重合体は、固形分含有量が35%であるとき、25℃における動的粘度が1,000〜1,000,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは1,000〜500,000mPa・sである。動的粘度が1,000mPa・s未満である場合、凝集力の不足により接着性に問題が生じ得る可能性があり、1,000,000mPa・s超過である場合、多量の希釈溶媒を要する。
【0037】
本発明においては、接着剤組成物の粘度を調節するとともに、ウレタン−アクリル系共重合体及び架橋可能な官能基を有する希釈単量体として、特に、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物を使用することに特徴がある。
【0038】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、接着剤の弾性力を調節し、ヒドロキシ基を有するアクリル系単量体は、ガラスに対する接着力を高める成分である。これら化合物のうちいずれか一成分のみを使用した場合、接着力または弾性力のような接着特性が若干低下する可能性があり、そのほかにも、とりわけ画像表示装置の視認性が大きく低下し得る。具体的には、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体のみを用いると、弾性の調節は可能であるが、接着力が低下するのみならず、ヘイズ値が大きく増加する。また、ヒドロキシ基を有する単量体のみを用いると、強固な接着力を発揮することはできるが、弾性力の調節が困難であるのみならず、黄変現象の発現及びヘイズ値の増加をもたらす。従って、本発明においては、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体を混合して使用するが、これらの含有量を最適化することにより、接着特性及び透過度が同時に確保される。
【0039】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体としては、単官能性単量体及び2〜6官能性の多官能性単量体が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0040】
単官能性単量体としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これら化合物のうち、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
【0041】
多官能性単量体としては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、アダマンタンジアクリレートなどの2官能性単量体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリルオキシエチル)イソシアヌレートなどの3官能性単量体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能性単量体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能性単量体、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能性単量体などが挙げられる。これら化合物のうち3〜6官能性単量体が好ましく、より好ましくは、3官能性単量体、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
【0042】
また、本発明においては、特にヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体として単官能性単量体及び多官能性単量体を混合して使用することに特徴がある。単官能性及び多官能性単量体を混合して使用する場合、適合な接着力及び所望の架橋密度を確保して熱耐久性を効果的に改善することができるといった点において、より好ましい。
【0043】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体の総量100質量%に対して、単官能性単量体が95〜99.9質量%、好ましくは98〜99.9質量%含まれ、多官能性単量体が0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%含まれる。単官能性単量体の含有量が99.9質量%超過であるか、或いは多官能性単量体の含有量が0.1質量%未満である場合、架橋密度が低くなるため、凝集力が低下して熱耐久性が劣り得る。また、単官能性単量体の含有量が95質量%未満であるか、或いは多官能性単量体の含有量が5質量%超過である場合、凝集力は向上するが、架橋密度が高くなりすぎるため、接着力が低下し、基材への適用時の密着度が低下してしまう可能性がある。
【0044】
ヒドロキシ基を有する単量体の種類は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、3−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、アルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、アルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物などが挙げられ、これらのうちアクリル酸が好ましい。これら化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
希釈単量体混合物の総量100質量%に対して、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体が75〜95質量%、好ましくは80〜90質量%含まれ、ヒドロキシ基を有する単量体が5〜25質量%、好ましくは10〜20質量%含まれることがよい。ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体の含有量が75質量%未満であるか、或いはヒドロキシ基を有する単量体の含有量が25質量%超過である場合、黄変度(yellow index、YI)の上昇により黄変が生じる恐れがある。また、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体の含有量が95質量%超過であるか、或いはヒドロキシ基を有する単量体の含有量が5質量%未満である場合、ヘイズが高くなり得る。
【0046】
希釈単量体混合物は、固形分含有量を基準としてウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して、500〜1,000質量部含まれることが好ましく、より好ましくは600〜800質量部である。含有量が500質量部未満である場合、粘度が高くて気泡が除去される時間が長くなり、工程性が低下し得る可能性があり、1,000質量部超過である場合、硬化時の収縮率が増加するため、接合工程に適用するとき、基材との密着度が低下して製品不良といった問題が生じ得る。
【0047】
イソシアネート系架橋剤は、ウレタン−アクリル系共重合体を適切に架橋することにより凝集力を強化するための成分であって、当技術分野において公知となったものであれば、その種類は特に限定されない。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール系化合物1モルに対してジイソシアネート化合物3モルを反応させた付加体、ジイソシアネート化合物3モルを自己縮合させたイソシアヌレート体、ジイソシアネート化合物3モルのうちの2モルから得られるジイソシアネートウレアに残りの1モルのジイソシアネートを縮合させたビュレット体、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビストリイソシアネートなどの3つの官能基を有する多官能イソシアネート化合物などが挙げられ、これらのうちイソホロンジイソシアネートが好ましい。これら化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0048】
イソシアネート系架橋剤は、固形分含有量を基準としてウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して、0.1〜2質量部含まれることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。含有量が0.1質量部未満である場合、凝集力が十分でない可能性があり、2質量部超過である場合、凝集力が増大して接着力が低下し、基材への適用時の密着力が低下し得る可能性がある。
【0049】
光重合開始剤は、接着剤組成物を十分硬化させるための成分であって、当技術分野において公知となったものであれば、その種類は特に限定されない。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ヒドロキシジメチルアセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、4,4−ジメトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−ヒドロキシシクロフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロロアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ジフェニルケトンベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノベンゾ酸エステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フルオレン、トリフェニルアミン、カルバゾール、ベンジルジフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどが挙げられる。また、市販されている製品として、商品名Darocur 1173、Irgacure 184、Irgacure 907(Ciba社製)なども使用することができる。これら化合物は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0050】
光重合開始剤は、固形分含有量を基準としてウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部含まれることが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量部である。含有量が0.1質量部未満である場合、硬化速度が低下し得、10質量部超過である場合、黄変が生じ得る可能性があり、耐久性が低下し得る。
【0051】
接着剤組成物は、接着力を向上させるためにシランカップリング剤をさらに含むことができる。
【0052】
シランカップリング剤としては、ビニルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0053】
シランカップリング剤は、固形分含有量を基準としてウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して0〜10質量部含まれ、好ましくは0.005〜5質量部含まれる。含有量が10質量部超過である場合、耐久性が低下し得る。
【0054】
接着剤組成物は、上記のような成分のほかに、用途に応じて要求される接着力、凝集力、粘性、弾性率、ガラス転移温度、色相などを調節するために、接着性付与樹脂、酸化防止剤、腐食防止剤、標識剤、表面潤滑剤、染料、顔料、消泡剤、充填剤、光安定剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0055】
このように構成される本発明のガラス接合用接着剤組成物は、特に熱に対する耐久性に優れ、ガラス接合体用接着剤に適用すると、温度変化による画像表示装置の損傷を防止することができ、ガラスが割れた場合でも割れたガラスの飛散を防止するのみならず、透過度が高くかつヘイズが低いため、画像表示装置の透過度に影響を及ぼすことなく、視認性も確保することができる。
【0056】
本発明は、前記ガラス接合用接着剤組成物を用いたガラス接合体を提供する。
【0057】
本発明のガラス接合体は、図1に示すように、第1のガラス板11と第2のガラス板13との間に、前記ガラス接合用接着剤組成物の光硬化により形成される接着剤層12を介在することを特徴とする。
【0058】
第1のガラス板11は、視認側に位置する強化ガラスであり、第2のガラス板13は、画像表示パネル側に位置する強化ガラスであるが、その種類は特に限定されない。
【0059】
また、第1及び第2のガラス板11、13の厚さも特に限定されるものではないが、例えば0.1〜6mmであってもよく、好ましくは0.1〜3mmである。
【0060】
第1及び第2のガラス板は、各々の一面に帯電防止層、曇り防止層、指紋付着防止層、無反射コート層、ハードコート層などの機能性コート層が積層されたものであってもよい。
【0061】
接着剤層12は、本発明のガラス接合用接着剤組成物の光硬化により形成される層であって、第1及び第2のガラス板11、13を互いに接合する役割を果たす。
【0062】
接着剤層12の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜5mmであってもよく、好ましくは0.3〜3mmである。
【0063】
接着剤層12は、透過率が95%以上のものが好ましく、ヘイズが0.5%以下のものが好ましい。透過率が95%未満であるか、或いはヘイズが0.5%超過である場合、画像表示装置の視認性が低下し得る。
【0064】
このように、接着剤層12は、本発明のガラス接合用接着剤組成物から形成され、第1及び第2のガラス板を接合する役割を果たすのみならず、熱耐久性に優れ、ガラスが割れた場合、割れたガラスの飛散を効果的に防止することができ、表示パネルの透過度に影響を及ぼすことなく表示品質が確保される。
【0065】
ガラス複合体は、以下のような方法で製造することができる。
【0066】
接合するための第1及び第2のガラス板の接合面に存在する異物を除去した後、第1のガラス板または第2のガラス板の接合面上にガラス接合用接着剤組成物を塗工して乾燥する。塗工方法は、当技術分野における公知の方法であれば、特に限定されず、例えば、バーコーター、エアナイフ、グラビア、リバースロール、キスロール、スプレー、ブレード、ダイコーター、キャスティング、スピンコーティングなどの方法を利用することができる。また、乾燥は、20〜150℃で1秒〜2時間、好ましくは5秒〜1時間遂行することができる。塗工及び乾燥した接着剤組成物上に他方のガラス板を接合した後、圧縮ローラなどを利用して密着させる。この接合体を光硬化させて接着剤層を形成することにより、第1及び第2のガラス板が接合されたガラス接合体を製造することができる。光硬化のための光源としては紫外線が挙げられ、例えば、主波長が300〜400nmであり、出力が30〜50Wである紫外線を1〜60分間照射することができる。このとき、接合体との距離は10〜50cmであり得り、ランプの間隔は10〜50cmとなるように配置することができる。
【0067】
また、接合するための第1及び第2のガラス板の接合面に存在する異物を取り除いた後、1枚のガラス板に注入口及び空気排出口を残しておき、周縁に両面テープを付着する。その後、他の1枚のガラス板の接合面を重ねてクランプで丁寧に押し付ける。残された注入口にポンプまたはビニル管を用いてガラス接合用接着剤組成物を注入して隙間空間に充填した後、開放されている注入口及び空気排出口をシーラントで封止する。このように封止された接合体を、上記と同一の方法で光硬化して接着剤層を形成することにより、第1及び第2のガラス板が接合されたガラス接合体を製造することもできる。
【0068】
このようなガラス接合体は、通常の画像表示装置、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、電界発光表示装置(EL)などすべてにおいて適用可能である。具体的には、ガラス接合体は、画像表示装置の表示パネル上に位置するように備えられ、表示パネルの透過度に影響を及ぼすことなく、温度変化による画像表示装置の損傷を防止することができ、ガラスが割れた場合にも、割れたガラスの飛散を防止することができる。
【0069】
以下、本発明の理解を助けるために、好適な実施例を提示するが、これら実施例は本発明を例示するものであるだけで、添付された特許請求の範囲を制限するわけではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内において実施例に対し変更が多様であること及び修正が可能であることは、当業者にとって明らかなものであり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属するのも当然のことである。
【0070】
[実施例]
実施例1
(1)接着剤組成物
固形分含有量を基準として、ウレタン−アクリル系共重合体(HSC−2025、ハンス化学社製、韓国;25℃において動的粘度3600mPa・s)100質量部、2−エチルヘキシルアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が85.5質量%:14.5質量%の比で混合された混合物とアクリル酸とが85.8質量%:14.2質量%の比で混合された希釈単量体700質量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI、BASF社製、ドイツ)1質量部、光重合開始剤(Irgacure 184、Ciba社製)2質量部、並びにシランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学社製)1質量部を添加し、10分間混合して接着剤組成物を調製した。
【0071】
(2)ガラス接合体
厚さが5mmである2枚のガラス板の接合面をエタノールを用いて拭浄し異物を除去した。このうち1枚のガラス板の接合面に注入口及び空気排出口を残しておき、周縁に両面テープを付着した後、残り1枚のガラス板の接合面を重ねてクランプで押し付けた。残された注入口に上記(1)で調製した接着剤組成物をビニル管を利用して注入し、隙間空間に充填した後、開放されている注入口及び空気排出口をホット−メルト型シーラントで封止した。その封止された接合体をUV型紫外線ランプを利用して、主波長が350nmであり、出力が40Wである紫外線を45分間照射して接着剤を完全硬化させてガラス接合体を製造した。このとき、接合体との距離は30cmであり、ランプの間隔は10cmとなるように配置した。
【0072】
実施例2〜19、比較例1〜3
前記実施例1と同様にして、下記表1に示す成分及び含有量で調製した接着剤組成物を使用した。このとき、含有量は質量部を表す。
【0073】
【表1】

【0074】
[試験例]
前記実施例及び比較例で調製した接着剤組成物及びガラス接合体の物性を、下記のような方法で測定し、その結果を下記表2に示した。
【0075】
1.透過率(%)
分光比色計(spectro color meter、SE2000)を利用して透過度を測定した。
【0076】
2.ヘイズ(%)
【0077】
ヘイズメーター(HM−150)を利用してヘイズを測定した。
【0078】
3.強度(耐衝撃性、mm)
製造したガラス接合体を落球試験測定器のジグ(zig)に装着した後、一定の高さから536gの金属球を前記装着されたガラス接合体の特定地点に落下させた。ガラスが割れた場合の落下の高さ(mm)を測定して強度を評価した。
【0079】
4.熱耐久性(気泡成長性)
実施例1の(2)と同様の方法によってガラス接合体を製造したが、接着剤組成物をビニル管を利用して投入するときに、気泡とともに注入してガラス接合体を製造した。製造したガラス接合体を100℃で72時間保管した後、常温で3時間放置する試験を施した。試験前後の気泡の大きさを測定し、その差を数式1に基づいて算出して耐久性を評価した。
【0080】
[数式1]
C(%)=(B−A)/A×100
(式中、Aは試験前の気泡の大きさ、Bは試験後の気泡の大きさ、Cは気泡の大きさの変化率を表す。)
【0081】
<評価基準>
◎:−100%<C<5%
○:5%≦C<15%
△:15%≦C<25%
×:25%≦C
【0082】
【表2】

【0083】
前記表2のように、本発明に係るウレタン−アクリル系共重合体と、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物と、イソシアネート系架橋剤と、光重合開始剤とを含む実施例1〜19の接着剤組成物、並びにそのガラス接合体は、比較例1〜3と比較して透過率が95%以上と高く、かつヘイズが0.5%以下と低いため、表示パネルの透過度に影響を及ぼすことなく、強度及び熱耐久性に優れることが確認された。特に、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体として、単官能性単量体及び多官能性単量体、特に3官能性単量体を混合し、これらの質量比を最適の範囲で調節する場合、より効果的であった。
【符号の説明】
【0084】
11 第1のガラス板
12 接着剤層
13 第2のガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン−アクリル系共重合体と、
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体及びヒドロキシ基を有する単量体の希釈単量体混合物と、
イソシアネート系架橋剤と、
光重合開始剤と
を含むガラス接合用接着剤組成物。
【請求項2】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体及び多官能性単量体を混合したものである、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項3】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体95〜99.9質量%及び多官能性単量体0.1〜5質量%を含む、請求項2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項4】
ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体は、単官能性単量体98〜99.9質量%及び多官能性単量体0.1〜2質量%を含む、請求項2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項5】
単官能性単量体は、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、及びアリル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項6】
多官能性単量体は、2〜6官能性単量体からなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項7】
多官能性単量体は3官能性単量体である、請求項6に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項8】
ヒドロキシ基を有する単量体は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、3−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、アルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、アルキレン基の炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、及びアルキル基の炭素数が2〜3である2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加体に無水コハク酸を開環付加させた化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項9】
固形分含有量を基準として、ウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して希釈単量体混合物500〜1,000質量部含む、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項10】
固形分含有量を基準として、ウレタン−アクリル系共重合体100質量部に対して希釈単量体混合物600〜800質量部含む、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項11】
希釈単量体混合物は、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体75〜95質量%及びヒドロキシ基を有する単量体5〜25質量%を含む、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項12】
希釈単量体混合物は、ヒドロキシ基を有さないアクリル系単量体80〜90質量%及びヒドロキシ基を有する単量体10〜20質量%を含む、請求項1に記載のガラス接合用接着剤組成物。
【請求項13】
2枚のガラス板の間に、請求項1〜12のいずれか一項に記載のガラス接合用接着剤組成物の光硬化により形成される接着剤層が介在するガラス接合体。
【請求項14】
接着剤層の透過率は95%以上であり、かつヘイズは0.5%以下である、請求項13に記載のガラス接合体。
【請求項15】
請求項13に記載のガラス接合体を備える画像表示装置。


【図1】
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【公開番号】特開2012−251136(P2012−251136A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101615(P2012−101615)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(503454506)東友ファインケム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】