説明

ガラス破損検出装置

【課題】ガラスの破損検出の誤検知や未検知の発生を削減するガラスの破損検出装置を提供する。
【解決手段】ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最小となる値を1つ以上用いて求められる相関関数と、温度変動の影響により求められる第1の関数とを記録部から取得し、第1の関数とガラス破損の検出を開始したときに検出部により検出される値を用いて求められる第1の閾値と、相関関数とガラス破損の検出中に磁気センサにより定期的に検出される値を用いて求められる第2の閾値とを求め、ガラス破損の検出中に計測した値が第1の閾値以下または第2の閾値以下であるときにガラスの破損を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの破損を検出するガラス破損検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドアに設けられている開閉式のウィンドウガラスの破損を検出する破損検出装置では、ウィンドウガラスに取り付けられた磁石と、該磁石の磁力を検出する磁気センサを用いて、ウィンドウガラスの破損を検出している。ウィンドウガラスが破損するとウィンドウガラスに取り付けられた磁石が落下するため、磁気センサが検出する磁力は正常時に比べて低下するので、この低下を検出することで、ウィンドウガラスの破損を検出する。例えば、磁気センサから出力される信号の示す値と、予め設定された閾値を比較して、閾値より信号の示す値が低下した場合にウィンドウガラスの破損を検出する。ところが、上記のような破損検出装置では、磁気センサの誤検知や未検知を発生させないために、磁気センサは確実に破損が発生した場合に検出できる範囲に、上記閾値を設定している。
【0003】
そのため、ウィンドウガラスが割られたときに磁石が落下して磁力が弱まっても磁気センサが破損を検出できないようにしてから、ウィンドウガラスを割って窃盗などの犯罪におよぶ場合には、破損が検出されない。例えば、他の磁石を用いて磁気センサに磁力を与えて、磁気センサが破損を検出できないようにすることが考えられる。
【0004】
その他の技術として、例えば、感圧センサを使用して機器類の不正な改変や取扱いを検知して的確に警報を出力するシステムが知られている。このシステムによれば、外部応力により電気抵抗に変化を生じる感圧センサの抵抗値を測定し、その測定している値の基準値を設定する。そして、測定値が、基準値に第1の所定値を加えた上限値を超えたとき、または、基準値から第2の所定値を差し引いた下限値を下回ったときに制御装置により警報を出力するようにする。すなわち、上限値及び下限値は基準値のレベルの変化に応じて変更するようにして、単なる機器のゆるみ、振動等によって生じる抵抗値の変動によっては警報が出力されないようにしている。
【0005】
また、光又は超音波により在室を検出して証明等を制御する在室検出装置が知られている。この在室検出装置によれば、設置場所の環境条件に応じて適切な在室判断の基準値を自動的に設定できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−083651号公報
【特許文献2】特開平4−313094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、ガラスの破損検出の誤検知や未検知の発生を削減するガラスの破損検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の態様のひとつである開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出するためのガラス破損検出装置は、磁界発生部、検出部、制御部を有する。
磁界発生部は、上記ウィンドウガラスの端部に配置され、上記ウィンドウガラスの破損に伴う上記ウィンドウガラスの端部での粉砕を行う力で挟持するクリップに固設される、一定の磁界を発生する。検出部は、上記磁界発生部からの磁界の変化を検出する。
【0009】
制御部は、ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最小となる値を1つ以上用いて求められる上記相関関数と、温度変動の影響により求められる第1の関数とを記録部から取得する。そして、上記第1の関数とガラス破損の検出を開始したときに上記検出部により検出される値を用いて求められる第1の閾値と、上記相関関数とガラス破損の検出中に磁気センサにより定期的に検出される値を用いて求められる第2の閾値とを求める。その後、ガラス破損の検出中に計測した値が上記第1の閾値以下または上記第2の閾値以下であるときにガラスの破損を検出する。
【発明の効果】
【0010】
実施の形態によれば、ガラスの破損の誤検知や未検知の発生を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ガラス破損検出装置の一実施例を示す図である。
【図2】図2は、乗用車における右前ドアの一実施例を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、乗用車における右前ドアの一実施例を示す概略正面図である。
【図4】図4は、図3のA−A線での縦断面を示す図である。
【図5】図5は、クリップの構造の一実施例を示す図である。
【図6】図6は、クリップと検出部の位置関係の一実施例を示す図である。
【図7】図7は、クリップと検出部の位置関係の一実施例を示す図である。
【図8】図8は、クリップと検出部の位置関係の一実施例を示す図である。
【図9】図9は、第1の関数と第2の関数を求める方法の一実施例を示すフロー図である。
【図10】図10は、計測条件と設計上の電圧値の関係を表すテーブルの一実施例のデータ構造を示す図である。
【図11】図11は、設計上の電圧値と計測した電圧値の関係を表す結果テーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図12】図12は、実験により得られた結果の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施形態1のガラス破損検出装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
【図14】図14は、第3の関数と第4の関数を求める方法の一実施例を示すフロー図である。
【図15】図15は、実施形態2のガラス破損検出装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、実施形態1について詳細を説明する。
例えば、車両のドアに設けられている開閉式のウィンドウガラスの破損を検出する破損検出装置では、ウィンドウガラスに取り付けられた磁石と、該磁石の磁力を検出する磁気センサを用いて、ウィンドウガラスの破損を検出している。ウィンドウガラスが破損するとウィンドウガラスに取り付けられた磁石が落下するため、磁気センサが検出する磁力は正常時に比べて低下するので、この低下を検出することで、ウィンドウガラスの破損を検出する。しかし、ウィンドウガラスが割られたときに磁石が落下して磁力が弱まっても磁気センサが破損を検出できないようにしてから、ウィンドウガラスを割って窃盗などの犯罪におよぶ場合には、破損が検出されないことがある。例えば、他の磁石を用いて磁気センサに磁力を与えて、磁気センサが破損を検出できないようにすることが考えられる。
【0013】
本実施形態1の破損検出装置では、予め決められた閾値を用いてウィンドウガラスの破損を検出するのではなく、動的に更新される閾値を用いてウィンドウガラスの破損を検出する。すなわち、ガラス割れ検出の開始時に磁気センサにより検出される磁力を用いて求められる第1の閾値と、ガラス割れの検出中に磁気センサにより定期的に検出される磁力を用いて求める第2の閾値と、を用いてガラスの破損を検出する。その結果、上記のような窃盗などの犯罪におけるウィンドウガラスの破損の誤検知や未検知の発生を削減できる。
【0014】
図1は、ガラス破損検出装置の一実施例を示す図である。図1に示すガラス破損検出装置1は磁石などの磁気発生部2、検出部3、判定部4を備えている。
磁気発生部2は、永久磁石または電磁石など一定の磁界を発生するものである。
【0015】
検出部3は、磁力の強弱を検出して、磁力に対応する信号を出力するセンサなどであり、例えば、ホールIC(integrated circuit)、ホール素子などの磁気センサが考えられる。
【0016】
判定部4は、制御部5、記録部6を備えている。制御部5は、第1の閾値を決めるために用いる記録部6に記録されている第1の関数を取得する。次に、検出部3から送信されたガラス割れの警戒を開始したときに取得した磁気に対応する信号を受信して、受信した信号の示す値を第1の関数に代入して第1の閾値を求める。信号には、例えば、磁気の強弱を示す電圧値などが含まれている。第1の関数は、例えば、磁気センサを用いて予め計測された、ウィンドウガラスが取り付けられている車両のドアの構造、周辺環境などの要因を加味して、計測した結果を用いて決められる関数である。第1に関数は、例えば、一次関数、n次多項式などが考えられる。nは2以上の自然数である。第1の関数の決定方法については後述する。
【0017】
また、制御部5は、ガラス割れの警戒中に、予め設定された間隔ごとに検出部3から送信される磁気に対応する信号を受信する。そして、第2の閾値を決めるために用いる記録部6に記録されている第2の関数を取得して、受信した信号の示す値を第2の関数に代入して第2の閾値を求める。第2の関数は、例えば、磁気センサを用いて予め計測された、ウィンドウガラスが取り付けられている車両のドアの構造、周辺環境などの要因を加味して、計測した結果のうち、温度変化以外の要因の影響を受けた場合に計測された値を用いて決められる関数である。第2に関数は、例えば、一次関数、n次多項式などが考えられる。nは2以上の自然数である。第2の関数の決定方法については後述する。
【0018】
また、制御部5は、検出部3が計測した値と、第1の閾値と第2の閾値とを比較して、ガラス割れを判定する。ガラス割れが検出された場合には、警報部7にガラス割れがあっとことを示す情報を含む通知を警報部7に送信する。
【0019】
なお、制御部5は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられる。
【0020】
記録部6には、第1の関数、第1の閾値、第2の関数、第2の閾値などのデータが記録されている。また、記録部6は、制御部5が実行するプログラムやデータが記録されている。記録部6は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記録部6にはパラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、実行時のワークエリアとして用いてもよい。
【0021】
警報部7は、判定部4からガラス割れがあっとことを示す情報を含む通知を受信する。警報部7が該通知を受信すると、例えば、警報(ブザー、音声案内、表示器、LEDなど)によりガラス割れが発生したことを運転者に警告する。
【0022】
車両の開閉式ウィンドウガラスとガラス破損検出装置について説明する。
車両のドアについて説明する。
図2は、乗用車における右前ドアの一実施例を示す分解斜視図であり、図3は乗用車における右前ドアの一実施例を示す概略正面図である。
【0023】
図2に示すように、車両ドア100はアウタパネル200とインナパネル300を具備している。アウタパネル200とインナパネル300の間に、強化ガラスからなるウィンドウガラス500が配置されている。
【0024】
ウィンドウガラス500の厚さは3.1mm〜5.0mm程度である。車両ドア100のインナパネル300の内側にはドアトリムが取り付けられている。車両ドア100の内部には、ウィンドウガラス500を上下動するウィンドウレギュレータ10が収納されている。本実施形態においては、ウィンドウレギュレータ10としてXアーム式ウィンドウレギュレータを用いている。インナパネル300にはドア部品組付穴300aが穿設されており、このドア部品組付穴300aを塞ぐようにモジュラーパネル600が設けられている。
【0025】
Xアーム式ウィンドウレギュレータ10は、ベースプレート(固定ベース)11を介して、モジュラーパネル600の室外側の面に支持されている。即ち、モジュラーパネル600の室外側の面に固定するベースプレート11には、Xアーム式ウィンドウレギュレータ10のリフトアーム12の軸13が支持されている。ベースプレート11には電動駆動ユニット14が固定されている。
【0026】
リフトアーム12は、図3に示すように軸13を中心とするセクタギヤ(ドリブンギヤ)15を一体に有しており、図2の電動駆動ユニット14は、このセクタギヤ15と噛み合うピニオン16(図3)及びその駆動モータ(図示せず)を備えている。
【0027】
図3において、リフトアーム12の長さ方向の中間部分には、軸17でイコライザアーム18の中間部分が枢着されている。リフトアーム12とイコライザアーム18の上端部(先端部)にはそれぞれ、ガイドピース(ローラ)19、20が回転及び傾動可能に枢着されており、イコライザアーム18の下端部には、ガイドピース(ローラ)21が枢着されている。
【0028】
このリフトアーム12のガイドピース19と、イコライザアーム18のガイドピース20とは、ウィンドウガラスブラケット22に移動自在に嵌められ、イコライザアーム18
のガイドピース21は、図3のモジュラーパネル600の室外側の面に固定するイコライザアームブラケット(姿勢維持レール)23に移動自在に案内される。
【0029】
一方、ウィンドウガラス500の下縁にはその前後においてウィンドウガラスホルダ24が固定されている。このウィンドウガラスホルダ24は、予めウィンドウガラス500の下縁に固定され、このウィンドウガラスホルダ24を有するウィンドウガラス500が、アウタパネル200とインナパネル300の隙間から挿入されて、ボルト25によりウィンドウガラスブラケット22に固定されている。
【0030】
図3に示すように、前後一対のガラスラン26が立設されている。このガラスラン26はゴム材よりなる。レール部材としての前後一対のガラスラン26によりウィンドウガラス500が移動自在に支持されている。即ち、ウィンドウガラス500の前後の端部がガラスラン26に案内されて上下に移動することができるようになっている。
【0031】
図2の電動駆動ユニット14を介してピニオン16を正逆に駆動すると、セクタギヤ15を介してリフトアーム12が軸13を中心に揺動し、その結果、ウィンドウガラスブラケット22(ウィンドウガラス500)が、イコライザアーム18、ガイドピース19、20、21、イコライザアームブラケット23により略水平状態に保持されながら昇降運動する。このようにウィンドウガラス500が昇降され、ウィンドウガラス500により車両の開口部400が開閉自在となっている。
【0032】
図3のA−A線での縦断面を図4に示す。図4において、不正侵入防止用の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置30(ガラス破損検出装置1)が車両ドア100の内部に配置されている。
【0033】
図4において、アウタパネル200とインナパネル300との間にウィンドウガラス500がウェザーストリップ700によりシールされた状態で配置されている。また、インナパネル300の内側にはドアトリム800が配置されている。クリップ40はウィンドウガラス500の下端部に配置され、ウィンドウガラス500を挟んでいる。
【0034】
図5に示すように、クリップ40は、一枚の板ばね用鋼板を折り曲げて構成されている。クリップ40は、対向させた第1および第2部材41、42と折り曲げ部43(連結部)を有している。背面側の第1部材41は長方形状をなし、正面側の第2部材42は第1部材41よりも幅狭な正方形状をなしている。背面側の第1部材41と正面側の第2部材42の間にウィンドウガラス500が配置され、第1部材41と第2部材42はウィンドウガラス500に対し互いに接近する方向に付勢されている。折り曲げ部43は第1部材41と第2部材42を連結しており、この折り曲げ部43は、二段に折り曲げられ、二段目の折り曲げ部43bの幅はウィンドウガラス500の厚みよりも狭く、一段目の折り曲げ部43aにおいてウィンドウガラス500の端面が接している。
【0035】
また、第1部材41の中央部には長方形状の透孔44が形成されている。透孔44に対応する位置に第2部材42が位置している。第1部材41における左右の上隅には正面側に突出する突起45が形成され、図6(図5のA−A線での縦断面図)に示すように突起45の先端においてウィンドウガラス500の一方の面(裏面500b)と接触している。第2部材42は、第1部材41の透孔44の内部に対応する場所でウィンドウガラス500の他の面(表面500a)と接触している(図5参照)。第2部材42はウィンドウガラス500に接着されている。
【0036】
このようにして、ウィンドウガラス500が配置される第1部材41と第2部材42の間において第1部材41と第2部材42がウィンドウガラス500の面内でずれた位置で接触する状態で、互いに接近する方向に付勢されている。即ち、ウィンドウガラス500の表面500aと裏面500bにおいて違う場所でウィンドウガラス500に対し力が加わる。また、クリップ40はウィンドウガラス500の下端部を所定の力以上で挟持(把持)している。
【0037】
また、クリップ40の第2部材42における正面側には磁気発生部2(永久磁石など)が配置されている。
検出部3は、図4に示すように、インナパネル300に固定されている。ここで、鉛直方向をX方向とするとともに、水平方向をY方向とする。クリップ40はX方向(鉛直方向)に移動、即ち、落下することになる。なお、検出部3は、例えば磁気発生部2と同じ高さに配置する(磁気発生部2に対しY方向に所定の距離だけ離間して配置されている)。
【0038】
次に、このように構成した開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の作用、すなわち、ウィンドウガラス500が壊された(割られた)ときの動作を説明する。
通常時においては、図5、図6に示すように、ウィンドウガラス500の端部に配置したクリップ40がウィンドウガラス500の端部を挟持している。詳しくは、クリップ40の自身の弾性力にて第1部材41と第2部材42との間にウィンドウガラス500を挟持している。
【0039】
ウィンドウガラス500が破損すると、その強度が低下する。つまり、強化ガラスからなるウィンドウガラス500の一部が破損すると、ウィンドウガラス500にひびが入り強度が著しく低下する(ガラス割れ時にガラス強度が低下する)。
【0040】
この強度低下に伴って図7に示すようにクリップ40がその挟持力によりウィンドウガラス500の端部(下端部)を粉砕する。つまり、自身のばね力により強化ガラスからなるウィンドウガラス500が部分的に完全に粉砕される(粉々にされる)。これにより、図8に示すように、クリップ40が落下する。
【0041】
詳しくは、第2部材42の付勢力によりウィンドウガラス500が押されてクリップ40の第1部材41に当接する。この状態で、第1部材41により透孔44の周りが支持された状態でウィンドウガラス500が押圧され、透孔44におけるウィンドウガラス500が粉々に粉砕され、クリップ40が落下する。
【0042】
車両のドアにおいて第1の関数と第2の関数を求める方法について説明する。
第1の関数と第2の関数は、ガラス破損検出装置1を用いて求めてもよいし、ガラス破損検出装置1以外のコンピュータを用いて求めてもよい。本例では、ガラス破損検出装置1以外のコンピュータを用いて求める場合について説明する。
【0043】
図9は、第1の関数と第2の関数を求める方法の一実施例を示すフロー図である。ステップS1では、上記コンピュータが該コンピュータの有する記録部に記録されている結果テーブルを参照する。結果テーブルには、予め設定された計測条件を用いて計測をした際に、ウィンドウガラスが取り付けられている車両のドアの構造、周辺環境などの要因により変動する計測条件各々において計測された電圧値が記録されている。計測条件は、例えば、温度、湿度、ウィンドウガラスのがたつき、窓の開き量などが考えられる。
【0044】
図10は、計測条件と設計上の電圧値の関係を表すテーブルの一実施例のデータ構造を示す図である。本例のテーブルは、「測定No」「温度」「湿度」「がたつき」「開き量」などと「設計上の電圧値」を有している。「測定No」は、計測したときの条件と結果を識別するための識別子であり、「1」「2」「3」・・・・が記載されている。「温度」は、計測時の気温を示し、本例では温度を示す「測定No」の識別子に関連付けられて「−40」「−39」「−38」・・・「83」・・・が「測定No」の識別子に関連付けられて記録されている。「湿度」は、計測時の湿度を示し、本例では湿度を示す「0」・・・「0」「1」・・・が「測定No」の識別子に関連付けられて記録されている。「がたつき」は「X方向」「Y方向」「Z方向」を有し、ウィンドウガラスのがたつきをX方向、Y方向、Z方向を用いて示している。本例ではウィンドウガラスの位置が正常であると想定しているので「X方向」「Y方向」「Z方向」にそれぞれ「0」が記録される。「開き量」は、窓ガラスの空いている量を示し、本例では「測定No」の識別子に関連付けられて「0」「1」「2」・・・が記録されている。ドアとウィンドウガラスの距離を空いていない場合には0mmとして「0」で示し、最大1mm空いているときは「1」、最大2mm空いているときは「2」、最大3mm空いているときは「3」と示している。なお、図10では「測定No」「温度」「湿度」「がたつき」「開き量」を示しているが他に条件を加えてもよい。「設計上の電圧値」には、計測条件において検出部3が出力すると予想される電圧値が記録されている。本例では、電圧値を示す「setsukei_1」「setsukei_2」・・・「setsukei_e1」・・・「setsukei_f1」・・・「setsukei_g3」・・・が記録されている。なお、図10に示したテーブルは上記第1の関数と第2の関数を求めるために用いるものであるので、記録部6に記録されていない。
【0045】
次に、上記説明した計測条件において、実際に検出部3により計測される実験結果について説明する。計測条件としてウィンドウのがたつき無しの状態で、温度、湿度、窓の開き量などを加味して出力される設計上の電圧値に対して、計測結果をプロットさせることが考えられる。例えば、1つ以上のウィンドウについて、それぞれがたつき無しの状態で、温度20℃、湿度65%、窓の開き無しの状態で検出部3の出力電圧を計測しときの出力電圧を計測する。上記のような計測を、ウィンドウ各々に対して計測条件各々の組み合わせを変えながら計測して取得する。
【0046】
図11は、設計上の電圧値と計測した電圧値の関係を表す結果テーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。本例のテーブルは、「測定No」「設計上の電圧値」「計測電圧値」を有している。「測定No」「設計上の電圧値」については、図10の「測定No」「設計上の電圧値」と対応しているので説明を省略する。「計測電圧値」は、「測定No」に対応する条件において計測したがたつきが最大の計測値である。本例では、電圧値を示す「keisoku_1」「keisoku_2」・・・・が記録されている。
【0047】
図12は、実験により得られた結果の一例を示す図である。図12の縦軸は検出部3の計測した電圧値を示し、横軸は検出部3の計測可能な電圧値を示している。設計上出力されると予想される電圧値に対して、実際に計測した電圧値をプロットしている。
【0048】
ステップS2ではコンピュータが第1の範囲のデータを取得する。第1の範囲のデータは、例えば、結果テーブルの設計上の電圧値各々に対応する計測電圧のうち最小となる値を抽出する。または、ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最小となる値を1つ以上含むものである。なお、最小値は図12の設計上の電圧値が1.5Vであれば、1.5Vに対応する最小値は計測した電圧値の0.5Vになる。また、第1の範囲のデータの抽出は図12の曲線121上の電圧値を抽出することも考えられる。
【0049】
ステップS3では、コンピュータが第1の関数を求める。まず、第1の範囲のデータを用いて統計的に相関関数f(x)を求める。例えば、図12の曲線121上のデータの相関を用いて一次関数、n次多項式などを求めることが考えられる。nは2以上の自然数である。次に、上記求めた相関関数f(x)を用いて第1の関数を求める。第1の関数は相関関数f(x)に温度変動による影響を加味した関数で式1のように表すことができる。
【0050】
f1(x)=f(x−ΔVt) (式1)
ΔVt:温度変動による影響を示す電圧
例えば、相関関数f(x)が一次関数で、検出部3の温度補償範囲が−40℃〜85℃のときに、温度差125℃において計測結果に25%の変動がある場合について説明する。相関関数f(x)は式2のように表すことができる。
【0051】
f(x)=a×x+b (式2)
x:変数であり、計測した電圧値
a:データの相関から求めた傾き
b:データの相関から求めた切片
傾きaは、例えば、図12に示した第1の範囲のデータから求めた相関関数の傾きである。切片bは、例えば、図12に示した第1の範囲のデータから求めた相関関数の切片である。次に、相関関数f(x)に温度変動による影響を加味して第1の関数を求める。第1の関数f1(x)は式3のように表すことができる。
【0052】
f1(x)=f(x−ΔVt)=a×(x−ΔVt)+b
=a×x−a×(ΔVt)+b (式3)
a×(ΔVt):温度変動による影響を示す値
警戒開始電圧V0は、警戒が開始されてから予め決まられた期間内に検出される検出部3の出力を示すデータである。a×(ΔVt)は、温度変動による影響を示す値である。
【0053】
ステップS4では、コンピュータが第2の関数を求める。第2の関数は、相関関数f(x)を用いて表す。例えば、相関関数がf(x)の場合であれば、式4のように示すことができる。
【0054】
f2(x)=f(Vavg)=a×Vavg+b (式4)
Vavg:警戒後に取得された平均電圧
警戒後に取得された平均電圧Vavgは、警戒が開始されてから警戒開始電圧を取得後に予め決まられた期間内に検出される検出部3の出力を平均したデータである。例えば、100msでサンプルしていれば5回のサンプルした場合であれば、500ms間に取得した出力値の平均電圧である。
【0055】
次に、第1の関数と第2の関数を用いてガラスの破損を検出する動作について説明する。図13は、ガラス破損検出装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
ステップS131でガラス破損検出装置1がガラス割れの警戒状態となる。警戒状態では、検出部3の出力信号を、図1に図示されていないアナログディジタル変換器などを用いてサンプリングする。例えば、サンプリングは100msごとに行うことが考えられるが、限定するものではない。但し、このサンプリング周期は周囲温度の変化の影響を無視できる程度の値が必要である。また、サンプリングしたデータは制御部5に入力される。
【0056】
ステップS132では、制御部5が警戒開始電圧を取得する。警戒開始電圧V0は、警戒が開始されてから検出される検出部3の出力を示すデータである。
ステップS133では、制御部5が第1の関数にステップS132で取得した警戒開始電圧V0を入力して第1の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第1の閾値を今回求めた第1の閾値に更新する。
【0057】
ステップS134では、制御部5が一定期間内に取得する予め設定された数量のデータを取得したか否かを判定して、取得していればステップS135(Yes)に移行し、取得されていない場合にはステップS134(No)に移行する。例えば、サンプリングが100msで一定期間内500msであれば、5個のデータを取得すように数量を設定することが考えられる。
【0058】
ステップS135では、制御部5がステップS134で取得したデータの平均値Vavgを求める。
ステップS136では、制御部5が第2の関数にステップS135で求めた平均電圧Vavgを入力して第2の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第2の閾値を今回求めた第2の閾値に更新する。
【0059】
ステップS137では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第1の閾値を比較し、該データが第1の閾値以下であればステップS139に移行する。該データが第1の閾値より大きい値であればステップS138に移行する。
【0060】
ステップS138では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第2の閾値を比較し、該データが第2の閾値以下であればステップS139(Yes)に移行する。該データが第2の閾値より大きい値であればステップS134(No)に移行する。すなわち、サンプリングして検出部3から得られた電圧値が、第1の閾値、第2の閾値のどちらか一方でも下回った場合、ガラス割れが発生または妨害が発生したと判断し、ステップS139に移行する。
【0061】
ステップS139では、制御部5が警報部7にガラスが割れたことを通知して、警報部7が警報(ブザー、音声案内、表示器、LEDなど)によりガラス割れが発生したことを運転者に警告する。
【0062】
実施形態1によれば、予め決められた閾値を用いてウィンドウガラスの破損を検出するのではなく、動的に更新される閾値を用いてウィンドウガラスの破損を検出する。すなわち、ガラス割れ検出の開始時に磁気センサにより検出される磁力を用いて求められる第1の閾値と、ガラス割れの検出中に磁気センサにより定期的に検出される磁力を用いて求める第2の閾値とを用いてガラスの破損を検出する。その結果、上記のような窃盗などの犯罪におけるウィンドウガラスの破損の誤検知や未検知の発生を削減できる。また、新たにハードウェアを追加しなくてもよい。
【0063】
実施態様2について説明する。
本実施形態2の破損検出装置では、閾値に上限となる第3の閾値と第4の閾値を設けて、さらに窃盗などの犯罪におけるウィンドウガラスの破損の誤検知や未検知の発生を削減する。第3の閾値は、ガラス割れ検出の開始時に磁気センサにより検出される磁力を用いて求められる。第4の閾値は、ガラス割れの検出中に磁気センサにより定期的に検出される磁力を用いて求める。
【0064】
車両のドアにおいて第3の関数と第4の関数を求める方法について説明する。
第3の関数と第4の関数は、ガラス破損検出装置1を用いて求めてもよいし、ガラス破損検出装置1以外のコンピュータを用いて求めてもよい。本例では、ガラス破損検出装置1以外のコンピュータを用いて求める場合について説明する。図13は、第3の関数と第4の関数を求める方法の一実施例を示すフロー図である。
【0065】
ステップS141では、上記コンピュータが該コンピュータの有する記録部に記録されている結果テーブルを参照する。
ステップS142ではコンピュータが第2の範囲のデータを取得する。第2の範囲のデータは、例えば、結果テーブルの設計上の電圧値各々に対応する計測電圧のうち最大となる値を抽出する。または、ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最大となる値を1つ以上含むものである。図12の設計上の電圧値が1.5Vであれば、1.5Vに対応する最大値は計測した電圧値の2.5Vになる。また、第2の範囲のデータの抽出は図12の曲線122上の電圧値を抽出することも考えられる。
【0066】
ステップS143では、コンピュータが第3の関数を求める。まず、第2の範囲のデータを用いて統計的に相関関数y(x)を求める。例えば、図12の曲線122上のデータの相関を用いて一次関数、n次多項式などを求めることが考えられる。nは2以上の自然数である。次に、上記求めた相関関数y(x)を用いて第3の関数を求める。第3の関数は相関関数y(x)に温度変動による影響を加味した関数で式5のように表すことができる。
【0067】
f3(x)=y(x+ΔVt) (式5)
ΔVt:温度変動による影響を示す電圧
例えば、相関関数y(x)が一次関数で、検出部3の温度補償範囲が−40℃〜85℃のときに、温度差125℃において計測結果に25%の変動がある場合について説明する。相関関数y(x)は式6のように表すことができる。
【0068】
y(x)=a1×x+b1 (式6)
x:変数であり、計測した電圧値
a1:データの相関から求めた傾き
b1:データの相関から求めた切片
傾きa1は、例えば、図12に示した第2の範囲のデータから求めた相関関数の傾きである。切片b1は、例えば、図12に示した第2の範囲のデータから求めた相関関数の切片である。次に、相関関数y(x)に温度変動による影響を加味して第3の関数を求める。第3の関数f3(x)は式7のように表すことができる。
【0069】
f3(x)=y(x+ΔVt)
=a1×(x+ΔVt)+b1
=a1×x+a1×ΔVt+b1 (式7)
a1×ΔVt:温度変動による影響を示す値
警戒開始電圧V0は、警戒が開始されてから予め決まられた期間内に検出される検出部3の出力を示すデータである。a1×ΔVtは、温度変動による影響を示す値である。
【0070】
ステップS144では、コンピュータが第4の関数を求める。第4の関数は、相関関数y(x)を用いて表す。例えば、相関関数がy(x)の場合であれば、式8のように示すことができる。
【0071】
f4(x)=y(x)=a1×Vavg+b1 (式8)
Vavg:警戒後に取得された平均電圧
警戒後に取得された平均電圧Vavgは、警戒が開始されてから警戒開始電圧を取得後に予め決まられた期間内に検出される検出部3の出力を平均したデータである。例えば、100msでサンプルしていれば5回のサンプルした場合であれば、500ms間に取得した出力値の平均電圧である。
【0072】
次に、第3の関数と第4の関数を用いてガラスの破損を検出する動作について説明する。
図15は、実施形態2のガラス破損検出装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
【0073】
ステップS151でガラス破損検出装置1がガラス割れの警戒状態となる。警戒状態では、検出部3の出力信号を、図1に図示されていないアナログディジタル変換器などを用いてサンプリングする。例えば、サンプリングは100msごとに行うことが考えられるが、限定するものではない。但し、このサンプリング周期は周囲温度の変化の影響を無視できる程度の値が必要である。また、サンプリングしたデータは制御部5に入力される。
【0074】
ステップS152では、制御部5が警戒開始電圧を取得する。警戒開始電圧V0は、警戒が開始されてから検出される検出部3の出力を示すデータである。
ステップS153では、制御部5が第1の関数にステップS152で取得した警戒開始電圧V0を入力して第1の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第1の閾値を今回求めた第1の閾値に更新する。また、制御部5が第3の関数にステップS152で取得した警戒開始電圧V0を入力して第3の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第3の閾値を今回求めた第3の閾値に更新する。
【0075】
ステップS154では、制御部5が一定期間内に取得する予め設定された数量のデータを取得したか否かを判定して、取得していればステップS155(Yes)に移行し、取得されていない場合にはステップS154(No)に移行する。例えば、サンプリングが100msで一定期間内500msであれば、5個のデータを取得すように数量を設定することが考えられる。
【0076】
ステップS155では、制御部5がステップS154で取得したデータの平均値Vavgを求める。
ステップS156では、制御部5が第2の関数にステップS155で求めた平均電圧Vavgを入力して第2の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第2の閾値を今回求めた第2の閾値に更新する。また、制御部5が第4の関数にステップS155で求めた平均電圧Vavgを入力して第4の閾値を求め、記録部6に記録されている旧第4の閾値を今回求めた第4の閾値に更新する。
【0077】
ステップS157では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第1の閾値を比較し、該データが第1の閾値以下であればステップS161(Yes)に移行する。該データが第1の閾値より大きい値であればステップS158(No)に移行する。
【0078】
ステップS158では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第2の閾値を比較し、該データが第2の閾値以下であればステップS161(Yes)に移行する。該データが第2の閾値より大きい値であればステップS159(No)に移行する。
【0079】
ステップS159では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第3の閾値を比較し、該データが第3の閾値以上であればステップS161(Yes)に移行する。該データが第3の閾値より小さい値であればステップS160(No)に移行する。
【0080】
ステップS160では、制御部5が今回取得した検出部3の出力信号に対応するデータと更新した第4の閾値を比較し、該データが第4の閾値以上であればステップS161(Yes)に移行する。該データが第4の閾値より小さい値であればステップS154(No)に移行する。すなわち、サンプリングして検出部3から得られた電圧値が、第1の閾値、第2の閾値のどちらか一方でも下回った場合、ガラス割れが発生または妨害が発生したと判断し、ステップS161に移行する。また、サンプリングして検出部3から得られた電圧値が、第3の閾値、第4の閾値のどちらか一方でも上まわった場合、ガラス割れが発生または妨害が発生したと判断し、ステップS161に移行する。
【0081】
ステップS161では、制御部5が警報部7にガラスが割れたことを通知して、警報部7が警報(ブザー、音声案内、表示器、LEDなど)によりガラス割れが発生したことを運転者に警告する。
【0082】
実施形態2によれば、新たにハードウェアを追加することなく、窃盗などの犯罪におけるウィンドウガラスの破損検出の誤検知や未検知の発生を抑えることができる。また、ウィンドウの設置状態と周辺環境を加味した開始閾値(第3の閾値)と動作閾値(第4の閾値)を用いることにより、ウィンドウガラスの破損検出の誤検知や未検知の発生を削減することができる。ウィンドウガラスの磁石の近傍に妨害用の磁石を近づけられると、従来は磁気センサがガラス割れを検知できないが、実施形態2を用いることにより妨害に対する耐性を高めることができる。
【0083】
なお、車両のウィンドウガラス以外にも、住宅の開閉式の窓ガラスなどには、上記のようなガラス破損検出装置を使用してもよい。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 破損検出装置、
2 磁気発生部、
3 検出部、
4 判定部、
5 制御部、
6 記録部、
7 警報部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出するためのガラス破損検出装置であって、
前記ウィンドウガラスの端部に配置され、前記ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラスの端部での粉砕を行う力で挟持するクリップに固設される、一定の磁界を発生する磁界発生部と、
前記磁界発生部からの磁界の変化を検出する検出部と、
ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最小となる値を1つ以上用いて求められる前記相関関数と、温度変動の影響により求められる第1の関数とを記録部から取得し、前記第1の関数とガラス破損の検出を開始したときに前記検出部により検出される値を用いて求められる第1の閾値と、前記相関関数とガラス破損の検出中に磁気センサにより定期的に検出される値を用いて求められる第2の閾値とを求め、ガラス破損の検出中に計測した値が前記第1の閾値以下または前記第2の閾値以下であるときにガラスの破損を検出する制御部と、
を備えることを特徴とするガラス破損検出装置。
【請求項2】
制御部は、
ウィンドウガラス設置条件および周辺環境を加味して、予め計測された計測結果のうち少なくとも最大となる値を1つ以上用いて求められる相関関数と、温度変動の影響により求められる第3の関数とを記録部から取得し、前記第3の関数とガラス破損の検出を開始したときに前記検出部により検出される値を用いて求められる第3の閾値と、前記相関関数とガラス破損の検出中に磁気センサにより定期的に検出される値を用いて求められる第4の閾値とを求め、ガラス破損の検出中に計測した値が前記第3の閾値以上または前記第4の閾値以上であるときにガラスの破損を検出する、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス破損検出装置。

【図1】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−113484(P2012−113484A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261354(P2010−261354)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】