説明

ガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル

【課題】誘電率が低く、軟化点が低く、耐水性が高い、ディスプレイパネル用に適したガラス組成物を提供する。
【解決手段】少なくともBと、RO(RはLi、Na、Kの1種類以上)と、Ln(Lnは希土類金属とAlより選ばれた一種類以上)を含み、Bの含有量が50重量%以上95重量%以下であり、Lnの含有量が0.2重量%以上10重量%以下であり、実質的に鉛を含まない事を特徴とする、低軟化点ガラス組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極の被覆等の用途に適したガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル、特にプラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)、フィールドエミッションディスプレイ、液晶表示装置、蛍光表示装置、セラミック積層デバイス、混成集積回路の如き表示装置や集積回路においては、その表面にAg、Cu等よりなる電極や配線を有する基板が用いられている。こうした電極や配線は、これを保護するために、絶縁性ガラス材料により被覆される場合がある。ここでは、代表的な表示装置であるPDPを例に挙げて以下に説明する。
【0003】
一般にPDPは、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe、Xe等の不活性ガスを主体とするガスを封入した構造になっており、電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行なっている。そしてこれらの電極は、誘電体層と呼ばれる絶縁性のガラス材料で被覆されて、保護されている。
【0004】
例えば、AC型PDPの前面板となるガラス基板においては、透明電極が形成され、さらにその上に、より抵抗率が低いAg、Cu、Al等の金属電極が形成されている。この複合電極を覆って誘電体層が形成され、さらにその上に保護層(MgO層)が形成されている。
【0005】
電極を覆って形成される誘電体層には、通常、低軟化点のガラスが用いられる。誘電体層は、ガラス粉末を含むペーストを、スクリーン印刷法やダイコート法等で電極を覆うように塗布した後、焼成することにより形成されている。
【0006】
誘電体層を形成するガラス組成物に要求される特性としては、
(1)電極上に形成されるため、絶縁性であること。
【0007】
(2)大面積のパネルでは、ガラス基板の反り、誘電体層の剥がれやクラックを防止するために、ガラス組成物の熱膨脹係数を、基板材料とあまり変わらない値(実際には、やや小さ目の値が望ましい)にしておくこと。
【0008】
(3)前面板用であれば、蛍光体から発生した光を効率よく表示光として利用するために、可視光透過率が高い非晶質ガラスであること。
【0009】
(4)基板ガラスの耐熱性に適合するように、軟化点が低いこと。
等が挙げられる。
【0010】
PDPに使用されるガラス基板としては、フロート法で作製され、一般に入手が容易な窓板ガラスであるソーダライムガラスや、PDP用に開発された高歪点ガラスがあり、これらは、通常、600℃までの耐熱性、75×10−7〜85×10−7/℃の熱膨脹係数を有する。
【0011】
このため、前述した(2)については、熱膨脹係数が70×10−7〜80×10−7/℃程度が望ましい。また(4)については、ガラスペーストの焼成は、ガラス基板の歪点である600℃以下で行う必要があるので、600℃以下の温度で焼成しても充分軟化するように、軟化点が少なくとも595℃以下、より望ましくは590℃程度以下である必要がある。
【0012】
また、ガラスの誘電体層を形成した後、封着工程等で500℃付近まで再加熱される場合があり、この際には、ガラス転移温度が低いと、ガラスの割れ等の欠陥生成につながる場合があり、ガラス転移温度は、誘電体層用としては465℃以上、より望ましくは475℃以上が良い。
【0013】
以上のような要望を満足するガラス材料として、現在は、PbOを主原料とするPbO−SiO系ガラスが主に使用されている。
【0014】
しかし、近年の環境問題への配慮から、Pbを含まない誘電体層用ガラス材料が求められている。また、ガラス材料の誘電率について、PDPの低消費電力化のために、低い方が良いが、PbO系ガラスは比誘電率が10以上と高く、現状より下げることが求められている。
【0015】
Pbを含まないガラスとしては、ほう酸亜鉛を主成分とし、Pbの代わりにBiを含むことによって低軟化点とした、Bi−B−ZnO−SiO系ガラス材料(例えば特許文献1)等が開発されているが、これらのBi系材料も、Pb系材料と同じく、比誘電率が9〜13程度と高いという問題点を有する。このため、より低誘電率の材料が求められている。
【0016】
そこで、低誘電率と低軟化点を両立させるため、Pbの代わりにアルカリ金属を含むホウ酸系ガラスによって、比誘電率7前後を達成した材料も提案されている(例えば特許文献2〜4)が、比誘電率がさらに低い、6程度以下の材料は知られていなかった。
【特許文献1】特開2001−139345号公報
【特許文献2】特開平9−278482号公報
【特許文献3】特開2000−313635号公報
【特許文献4】特開2002−274883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
発明者の検討によると、アルカリホウ酸系ガラスにおいて、比誘電率を6程度以下とするためには、ホウ素をより多くする必要があるが、このようなホウ素の多いアルカリホウ酸塩ガラスは、耐水性が低いという問題点があった。
【0018】
誘電体層の最終利用形態は、パネルの中に封じられた状態であり、周囲に水分は存在しないので、問題とはならないが、最終利用形態にいたる前の、ガラス粉末、あるいはそのペーストとして保存されている状態では、耐水性が低いと、大気中の水分と反応して、特性が劣化してしまい、保存性が悪いという問題点があった。また、ガラス基板上に電極を形成し、その上に誘電体層を形成した後、ガラス基板をダイアモンド砥石で切断する場合があり、この際、冷却水をかけながら切断を行うため、耐水性が低いと、膜厚変動や、絶縁不良となる場合があった。
【0019】
また、アルカリホウ酸塩系ガラスでホウ素を多くすると、軟化点が極めて低くなり、封着用ガラスとしても使用可能になるが、この際も耐水性が極端に低下してしまい、封着材としての役割を果さなくなってしまうという問題点があった。
【0020】
すなわち、ホウ素を多く含むアルカリホウ酸系ガラスは耐水性が低く、実使用可能なガラスは得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、軟化点が低く、誘電率が低く、耐水性に優れ、優れた表示性能のディスプレイを作製することが可能なガラス組成物を提供することを目的とする。
【0022】
本発明は、少なくともBと、RO(RはLi、Na、Kの1種類以上)と、Ln(Lnは希土類金属とAlより選ばれる一種類以上)を含み、Bの含有量が50重量%以上95重量%以下であり、Lnの含有量が0.2重量%以上10重量%以下であり、実質的に鉛を含まない事を特徴とする、低軟化点ガラス組成物である。
【0023】
また、本発明は、本発明による上記ガラス組成物を用いたディスプレイパネルを提供する。本発明による第1のディスプレイパネルは、ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、このガラス組成物が、本発明による上記ガラス組成物である。本発明による第2のディスプレイパネルは、ガラス基板と電極の間にガラス組成物を含む誘電体層があって、この誘電体層に含まれるガラス組成物が、本発明による上記ガラス組成物である。
【0024】
また本発明は、本発明のガラス組成物を用いたPDPを提供する。PDPの電極被覆用ガラス、または隔壁形成用ガラス、または封着用ガラスが、本発明による上記ガラス組成物である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、軟化点が低く、誘電率が低く、耐水性が高く、優れた表示性能のディスプレイを作製することが可能なガラス組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施の形態1)
発明者等は、詳細な検討の結果、アルカリホウ酸系ガラスにおいて、誘電率や軟化点を低くするためにホウ素の含有率を高くした場合に生じるガラスの耐水性の低下を、希土類金属もしくはAlの酸化物を添加する事によって防止できる事を見出した。
【0027】
本発明のガラスの必須主成分は、アルカリ金属酸化物と酸化ホウ素であり、必須副成分が希土類金属もしくはAlの酸化物である。
【0028】
希土類もしくはAlの酸化物Lnの量を0.2重量%以上10重量%以下に限定する理由は、これ以下では添加効果が不明瞭になり、これ以上だと、添加による比誘電率の上昇、軟化点の上昇、熱膨張係数の低下が大きくなるためである。
【0029】
Lnとして、希土類金属もしくはAlのどれを選択するかについては、Pmを除くどの元素を用いても、ある程度の効果は得られた。しかし、耐水性向上の効果が最も大きいのはLaであり、Ndも比較的効果が大きかった。
【0030】
Alは希土類金属と比較すると、耐水性向上の効果は低めであった。しかし誘電率を高くしたり、軟化点を高くしたり、熱膨張係数を大きくする効果も比較的弱く、少量添加では、軟化点はむしろ低下するといった特徴があった。
【0031】
一方、Ceのように添加によりガラスを黄色系に着色したり、Erのように赤色系に着色するものは望ましくない場合があり、逆にNdのように、添加によりガラスを青色系に着色するものは望ましい場合がある。
【0032】
また工業的に利用する事を考えると安価なものが望ましく、この点ではAlが最も望ましいが、希土類の中ではLaが最も望ましく、Ce、Y、Nd、Gd、Smがこれにつぐ。以上の特性面、価格面を総合的に勘案して、単一成分として最も望ましいのはLaであり、次にNdが望ましく、Al、Y、Gdがこれに次、Ce、Smと続くが、精製前の未分離の、希土類金属酸化物の混合物でも良い。また、AlとLa、Nd等の希土類金属の併用は、比較的高価な希土類の使用量を減らしながら、耐水性向上の効果は確保出来、軟化点の上昇や熱膨張係数の低下、誘電率の増加も比較的抑えられるので、望ましい。
【0033】
なお、希土類金属は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの17種類あるが、この内放射性同位体しか存在しないPmについては、実験が不可能であり、本発明の範囲外とする。
【0034】
量が50重量%以上95重量%以下が望ましいのは、これ以下だと、得られるガラスの誘電率や軟化点が余り低くならず、またガラスの耐水性がそれほど低下しないためにLnを添加する必要性が低下し、これ以上だと、ガラスが不安定となりすぎて、Lnを添加しても耐水性が充分でなくなるためである。
【0035】
本発明のガラスは、上記のようにアルカリ金属酸化物と酸化硼素と希土類金属もしくはAlの酸化物より構成すれば、低誘電率、低軟化点で耐水性が高いガラスを得る事が可能であるが、実際に、PDP等のディスプレイの各種ガラスに用いる場合には、ガラス転移温度や軟化点、熱膨張係数等の特性を、それぞれの用途に対応させて最適化するために、これら以外の成分を含む事が望ましい。望ましい含まれうる成分としては、ZnO、アルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO、BaO)、SiO等が挙げられる。これらを含んだ望ましい組成範囲としては、
50重量%≦B ≦95重量%
3重量%≦RO ≦25重量%(RはLi、Na、Kの1種類以上)
0.2重量%≦Ln≦10重量%(Lnは希土類またはAlの1種類以上)
0重量%≦MO ≦50重量%
(MはMg、Ca、Sr、Ba、Znの1種類以上)
0重量%≦SiO ≦26重量%
であり、特に低誘電率のPDP誘電体層用としては、
60重量%<B ≦90重量%
5重量%≦RO ≦20重量%(RはLi、Na、Kの1種類以上)
0.2重量%≦Ln< 5重量%(Lnは希土類またはAlの1種類以上)
5重量%≦MO ≦25重量%
(MはMg、Ca、Sr、Ba、Znの1種類以上)
0重量%≦SiO ≦10重量
の範囲内が望ましい。
【0036】
上記組成範囲内での各成分の役割を述べると、Bは、前述したように本発明のガラスの必須主成分であり、ガラスの誘電率を下げ、ガラス転移温度と軟化点を下げ、軟化点とガラス転移温度の差を広げ、熱膨張係数を大きくし、耐水性等の化学的耐久性を下げる。
【0037】
Oは、前述したように本発明のガラスの必須主成分であり、ガラスを安定化させ、誘電率を上げ、軟化点とガラス転移温度を下げ、軟化点とガラス転移温度の差を狭め、熱膨張係数を大きくする。また特に、Ag電極の被覆材料として用いた場合に、ROが多いと、Agが一旦酸化され、ガラス中を拡散した後、還元されて黄色いコロイドとして析出する、いわゆる黄変を生じやすくなる。この黄変現象は、ディスプレイの表示性能を劣化させるので、誘電体層用としては、ROは、あまり多くない方が良いが、あまり少ないとガラスの熱膨張係数が小さくなりすぎる。Li、Na、Kを比較すると、Kは熱膨張係数を大きくしやすく、また黄変も比較的生じ難いので、この3種類の中では、KOが最も望ましい。
【0038】
Lnは、前述したように、本発明の必須副成分であり、発明を特徴付ける成分である。Lnは、ガラスの耐水性を向上させるために用いるが、添加によって、誘電率を上げ、ガラス転移温度と軟化点を上げ、熱膨張係数を小さくする。
【0039】
MOは、本発明のガラスの必須成分ではないが、ガラスの誘電率を上げ、ガラス転移温度と軟化点を高くし、ガラス転移温度と軟化点の差を小さくし、熱膨張係数を下げ、化学的安定性を高める効果がある。特に、PDPの誘電体層用としては、ある程度ガラス転移温度が高く、軟化点は低くする、すなわち両者の差を小さくする必要があるが、MOは比較的少量でもその効果が高いため、PDP誘電体層用としては必須成分と言っても良い。
【0040】
しかし、添加量が多くなると、軟化点と誘電率が高くなりすぎ、熱膨張係数が小さくなりすぎる。
【0041】
SiOは本発明のガラスの必須成分ではないが、ガラスの安定性を高め、誘電率を下げ、ガラス転移温度と軟化点を高くし、軟化点とガラス転移温度の差を広げ、熱膨張係数を下げ、化学的耐久性を高くする効果がある。よって少量添加しても良いが、多く用いると、軟化点が高くなりすぎる。
【0042】
以上のように、各成分は、ガラスの安定性、誘電率、ガラス転移温度、軟化点、熱膨張係数、耐水性等への寄与がそれぞれ異なる。またガラスの用途によっても、必要とされる特性は異なる。PDPの場合でも、例えば誘電体層に必要とされる軟化点、ガラス転移温度、熱膨張係数等と、封着材に必要とされるそれは異なる(一般に、誘電体層の方が軟化点やガラス転移点は高く、熱膨張係数は小さい)ので、用途に合わせて、含有率を最適化して用いる事が望ましい。
【0043】
本願はアルカリホウ酸塩系ガラスにおいて、特にB含有量が多い場合に生じる耐水性の低下をLnにより解消するのが主眼であるので、上記以外の元素、例えばTi、Zr、Mn、Nb、Ta、Te、Bi、Sb、P、Ag、Cu等の酸化物を添加することも、目的とするガラス本来の特性が失われない限り、可能である。しかし、Mn、Bi等は、添加によりガラス自体が着色する事が知られており、添加量は少ない事が望ましい。望ましい含有量は5重量%以下、より望ましくは1重量%以下である。
【0044】
本発明のガラス組成物は、鉛(Pb)を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において、実質的に含まないとは、除去することが工業的に難しくかつ特性に影響を及ぼさないごく微量の当該成分を許容する趣旨であり、具体的には、含有率が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、であることをいう。
【0045】
なお、本明細書においては、酸化物ガラスの組成を、一般に行われるように、各成分元素の酸化物としての重量比で表している。ただし、こうした表記は、各陽イオンのガラス中における価数を限定しているわけではない。希土類金属酸化物に関しても、Lnと表記しているが、希土類金属の価数を3価に限定している訳ではない。Ce、Pr、Tbの酸化物原料は、通常CeO、Pr11、Tbとして市販されている事が多く、これらについては、Lnに換算して、0.1重量%以上10重量%含まれれば良い。
【0046】
次に、本発明のディスプレイパネルの具体例として、PDPについて説明する。図1は、本実施の形態にかかるPDPの主要構成を示す部分切り取り斜視図である。図2は、このPDPの断面図である。このPDPは、AC面放電型であって、誘電体層が上述したガラス組成物で形成されている以外は従来例にかかるPDPと同様の構成を有する。
【0047】
このPDPは、前面板1と背面板8とが貼り合わせられて構成されている。前面板1は、前面ガラス基板2と、その内側面(放電空間14に臨む面)に形成された透明導電膜3およびバス電極4からなる表示電極5と、表示電極5を覆うように形成された誘電体層6と、誘電体層6上に形成された酸化マグネシウムからなる誘電体保護層7とを備えている。表示電極5は、ITOまたは酸化スズからなる透明導電膜3に、良好な導電性を確保するためAg等からなるバス電極4が積層されて形成されている。
【0048】
背面板8は、背面ガラス基板9と、その片面に形成したアドレス電極10と、アドレス電極10を覆うように形成された誘電体層11と、誘電体層11の上面に設けられた隔壁12と、隔壁12の間に形成された蛍光体層とを備えている。蛍光体層は、赤色蛍光体層13(R)、緑色蛍光体層13(G)および青色蛍光体層13(B)がこの順に配列するように配列するように形成される。
【0049】
誘電体層6および/または誘電体層11、好ましくは誘電体層6に、上述した本発明によるガラス組成物が使用される。また、隔壁12として、本発明のガラス組成物を用いても良い。誘電体層6は透明な事が必要であるが、誘電体層11と隔壁12は、透明である必要性がないので、本発明のガラスに、より低誘電率のSiOなどをフィラーとして分散含有させたものを用いても良い。さらに、ここでは図示しないが、ガラス基板と表示電極5の間、あるいはガラス基板とアドレス電極の間に、本発明のガラスを含む層を形成すると、基板ガラスの誘電率の影響を低減出来る。また、前面板と背面板を封着するためのガラス材料として、本発明のガラスを用いる事も出来る。以下では、例として誘電体層6に本発明のガラスを用いた場合について説明するが、誘電体層11、隔壁12、基板/電極間の誘電体層、あるいは封着層に、本発明のガラス組成物を用いた場合にも、本発明のガラス組成物の、低い誘電率、低い軟化点、高い耐水性、適度な熱膨張係数等により、PDPに良好に使用可能である。
【0050】
上記蛍光体層を構成する蛍光体としては、例えば、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu、緑色蛍光体としてZnSiO:Mn、赤色蛍光体としてY:Euを用いることができる。
【0051】
前面板1および背面板8は、表示電極5とアドレス電極10の各々の長手方向が互いに直交し、かつ互いに対向するように配置し、封着部材(図示せず)を用いて接合される。
【0052】
放電空間14には、He、Xe、Ne等の希ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が66.5〜79.8kPa(500〜600Torr)程度の圧力で封入されている。
【0053】
表示電極5とアドレス電極10は、それぞれ外部の駆動回路(図示せず)と接続され、駆動回路から印加される電圧によって放電空間14で放電が発生し、放電に伴って発生する短波長(波長147nm)の紫外線で蛍光体層13が励起されて可視光を発光する。
【0054】
誘電体層6は、通常、ガラスの粉末に、印刷性を付与するためのバインダーや溶剤等を添加することによってガラスペーストとし、このガラスペーストを、ガラス基板上に形成された電極上に塗布、焼成することによって形成される。
【0055】
ガラスペーストは、ガラスの粉末と、溶剤と、樹脂(バインダー)とを含むが、これら以外の成分、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等、種々の目的に応じた添加剤を含んでもよい。
【0056】
ガラスペーストに含まれる樹脂(バインダー)は、一般に用いられるものであれば、どんなものでもよく、例えば、コスト、安全性等の観点から、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、カーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等を用いればよい。
【0057】
ガラスペースト中の溶剤も、一般に用いられるものであれば、どんなものでもよく、コスト、安全性等の観点、および、バインダー樹脂との相溶性の観点から、適当な有機溶媒を選択すればよく、これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;脂肪族カルボン酸のエステル類;ターピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類;等の有機溶剤を使用することができる。
【0058】
ガラスペーストは、スクリーン法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ドクターブレード等によって塗布し、焼成する方法が代表的である。ただし、それに限定されることなく、例えば上記ガラス組成物を含むシートを貼り付けて焼成する方法でも形成できる。
【0059】
誘電体層6の膜厚は、絶縁性と光透過性を両立させるために、10μm〜50μm程度とすることが好ましい。
【0060】
次に、上記のPDPの作製方法について、一例を挙げて説明する。まず、前面板を作製する。平坦な前面ガラス基板の一主面に、複数のライン状の透明電極を形成する。引き続き、透明電極上に銀ペーストを塗布した後、前面ガラス基板全体を加熱することによって、銀ペーストを焼成し、表示電極を形成する。
【0061】
表示電極を覆うように、前面ガラス基板の上記主面に本発明のPDPにおける誘電体層用ガラスを含むガラスペーストをブレードコーター法によって塗布する。その後、前面ガラス基板全体を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、次いで、580℃前後の温度で10分間焼成を行う。
【0062】
誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって成膜し、焼成を行い、保護層を形成する。この時の焼成温度は500℃前後である。
【0063】
次に背面板を作製する。平坦な背面ガラス基板の一主面に、銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、背面ガラス基板全体を加熱して銀ペーストを焼成することによって、アドレス電極を形成する。
【0064】
隣り合うアドレス電極の間にガラスペーストを塗布し、背面ガラス基板全体を加熱してガラスペーストを焼成することによって、隔壁を形成する。
【0065】
隣り合う隔壁同士の間に、R、G、B各色の蛍光体インクを塗布し、背面ガラス基板を約500℃に加熱して上記蛍光体インクを焼成することによって、蛍光体インク内の樹脂成分(バインダー)等を除去して蛍光体層を形成する。
【0066】
こうして得た前面板と背面板とを封着ガラスを用いて貼り合わせる。この時の温度は500℃前後である。その後、封止された内部を高真空排気した後、希ガスを封入する。以上のようにしてPDPが得られる。
【0067】
上述したPDPおよびその製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されない。本発明を適用するPDPとしては、上記のような面放電型のものが代表的であるが、これに限定されるものではなく、対向放電型にも適用できる。また、AC型に限定されるものではなく、DC型のPDPであっても誘電体層を備えたものに対して適用することができる。
【0068】
本発明のガラス組成物は、PDPに限定されず、樹脂と混合してペースト化し、塗布、焼成のプロセスを行う必要があるディスプレイパネルに、有効に使用されうる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例では、主にPDPの誘電体層用ガラスを中心とするが、本願発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
(実施例1)
出発原料として、試薬特級以上の各種金属の酸化物または炭酸塩等を用いた。これらの原料を、各酸化物換算での重量比が、(表1)に示すようになるように秤量し、充分混合した後、白金坩堝に入れ、900〜1100℃の電気炉中で2時間溶融した。得られた融液を、真鍮板にてプレスすることにより急冷し、ガラスカレットを作製した。このガラスカレットを、平均粒径2〜3μm程度に粉砕し、リガク製TG8110型マクロ示差熱分析計を用いて、ガラス転移温度と、軟化点Tsを測定した。
【0071】
次に、ガラスカレットを再溶融し、型中に流し込み、ガラス転移温度+40℃の温度にて30分間アニールしたのち徐冷して、ガラスブロックを作製した。このガラスブロックより、4mm×4mm×20mmのロッドを切断加工により作製し、リガク製TMA8310型熱機械分析計を用いて、30〜300℃の間の熱膨張係数αを測定した。また、ガラスブロックより20mm×20mm×厚さ約1mmの板を切断加工により作製し、両面を鏡面研磨した後、その表面に金電極を蒸着し、アジレント製インピーダンスアナライザ4294Aを用いて、周波数1kHzにて静電容量を測定し、試料の面積と厚さから比誘電率εを算出した。
【0072】
次にガラス組成による耐水性を評価するために、ガラスブロックより10×10×30mmのブロックを切り出し、軟化点より10℃低い温度で熱処理して透明なブロックとした後、サイズと重量を測定した。このブロックを80℃の熱水に24時間、浸漬放置した後、よく乾燥させて、再度重量を測定し、減少した重量とブロックの表面積より、溶解厚さを求め、これを24で除して、溶解速度s(μm/h)を求めた。
【0073】
各評価の結果を(表1)に示す。なお、表において、軟化点Tsの単位は℃、熱膨張係数αの単位は×10−7/℃である。
【0074】
【表1】

【0075】
(表1)のNo.1〜9は、B量を増加させながら、PDP用の誘電体層用に軟化点が590℃以下、熱膨張係数が70〜80×10−7/℃となるように、他の成分量を調整した試料である。No.10と11は、さらにB量を増加させたもので、この組成域では、他の成分量を調整しても誘電体層用として適した特性は得にくいが、軟化点がより低くなると予想されるため、封着材料として用いる事を考えて作製したものである。ただし、No.11は、合成したガラスの吸湿性が高く、測定した特性値の信頼性が低かったため、ガラス特性は示していない。
【0076】
これらの試料では、B量の少ないNo.1、2で溶解速度の組成依存性は見られないが、B量が50重量%で、比誘電率が6.3となるNo.3から溶解速度が増大し始め、60重量%を超えると溶解速度が急激に大きくなたっり、No.10、11では、80℃の熱水処理で元のブロック状の形状を留める事ができなくなり、溶解速度は測定不能となった。
【0077】
これらNo.1〜11に対して、Laを2重量%添加したものが、No.12〜22である。ただし、元のNo.1〜11の組成に対してLaを単純に加えると、軟化点の上昇、熱膨張係数の低下、誘電率の増加が大きくなるため、これらの特性に対する寄与が、La添加と比較的似た効果をもつCaOやZnOを中心に減量し、Bはあまり減らさず、軟化点や熱膨張係数、誘電率が、出来るだけ変化しないようにLaを添加している。結果として、Laを含むNo.12〜21では、B量が50〜60%を越えても高い耐水性を示し、低誘電率、あるいは低軟化点でも高耐水性であった。
【0078】
しかしながら、もともと耐水性がそれほど低くない、B量の比較的少ない組成域では、添加による耐水性の向上は明確ではなく、軟化点、誘電率がある程度上昇するデメリットがあった。従って、B量が50重量%以上、さらには60重量%を越える、La無添加時の耐水性の低下が明らかな組成域で用いる事が望ましい。また、B量が90重量%を越える領域では、誘電体層用としての特性を保つことは困難になり、さらに95重量%を越えるNo.22では、Laを添加しても満足な耐水性は得られなくなった。よってB量は95重量%以下が望ましく、さらに90重量%以下がより望ましい。
【0079】
次に、No.18とNo.23〜28は、B量を70重量%で一定とし、La量を0.1重量%から12重量%まで変化させたものである。これは、No.7の組成に対して、La量を徐徐に増やした事になるが、この場合も、誘電体層用として適当な特性が余り変化しないように、CaOやZnOを中心に減量していき、Laを増量した。結果として、添加量0.1重量%では添加効果が顕著ではないが、0.2重量%以上で明らかな効果が認められた。しかし10重量%を越えたNo.12では、他の成分を調整しても、軟化点の上昇、熱膨張係数の低下が無視できなくなった。よって添加量は10重量%以下とする必要があった。
【0080】
発明者は、上記以外にも、種々の組成の組み合わせを検討した。またCaOの代わりにMgO、SrO、BaOを用いたり、KOの代わりにLiOやNaOを用いた検討も行ったが、いずれの場合にも、B量50〜95重量%のガラスにLnを0.2〜10.0重量%を添加する事によって、低誘電率で、低軟化点で、耐水性に優れたガラスを得ることが可能であった。
【0081】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、B:SiO:ZnO:CaO:KO:Ln=70.0:1.5:15.5:1.5:9.5:2.0の重量比となるように、各種原料粉末を秤量した。ここでLnとして、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Alの各酸化物を用いた。この原料粉末より、実施例1と同様の方法でガラスを作製し、実施例1と同様の評価を行った。なお比較のため、Lnを添加しなかった試料、およびCuO、TiO、Taを2.0重量%添加した試料も作製し、評価した。結果を(表2)に示す。表において、ガラス転移温度Tg、軟化点Tsの単位は℃、熱膨張係数αの単位は×10−7/℃である。
【0082】
【表2】

【0083】
(表2)より明らかなように、La以外の希土類、あるいはAlを添加した場合でも、程度の差はあるが、無添加と比べれば、明らかに溶解速度が低下し、耐水性が向上した。それ以外のガラスの特性は、若干の差は認められたが、それほど大きなものではなかった。耐水性の最も高かったのはLaでNdがこれに次、Alは、無添加よりは明らかに耐水性が高かったが、希土類と比較すると、耐水性改善効果は低かった。これらに比較して、Cu、Ti、Taの添加は、ほとんど全く、耐水性を改善しなかった。
【0084】
(実施例3)
実施例1と同様の方法で、B:ZnO:CaO:KO:La:Al=70.0:1.5:15.5:1.5:9.5:1.0:1.0の重量比となる用に各種原料粉末を混合して白金坩堝に入れ、電気炉中1100℃で2時間溶融した後、ツインローラー法によってガラスカレットを作製した。このガラスカレットを、乾式ボールミルによって粉砕して粉末を作製した。得られたガラス粉末の平均粒径は3μm程度であった。本ガラスの特性を実施例1と同様の方法で評価したところ、比誘電率は5.6、ガラス転移温度は482℃、軟化点は580℃、熱膨張係数は72×10−7/℃、溶解速度は1.4μm/hであった。
【0085】
この粉末に、バインダーとしてエチルセルロースを、溶剤としてα−テルピネオールを加え、3本ロールにて混合してガラスペーストとした。
【0086】
次に、厚さ約2.8mmの平坦なソーダライムガラスからなる前面ガラス基板の面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
【0087】
表示電極を作製したフロントパネルに、上述したガラスペーストをブレードコーター法を用いて塗布した。その後、上記前面ガラス基板を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、590℃の温度で10分間焼成することによって、厚さ約35μmの誘電体層を形成した。
【0088】
上記誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって蒸着した後、500℃で焼成することによって保護層を形成した。
【0089】
一方、以下の方法で背面板を作製した。まず、ソーダライムガラスからなる背面ガラス基板上にスクリーン印刷によって銀を主体とするアドレス電極をストライプ状に形成し、引き続き、前面板と同様の方法で、厚さ約40μmの誘電体層を形成した。
【0090】
次に、誘電体層上に、隣り合うアドレス電極の間に、ガラスペーストを用いて隔壁を形成した。隔壁は、スクリーン印刷および焼成を繰り返すことによって形成した。
【0091】
引き続き、隔壁の壁面と隔壁間で露出している誘電体層の表面に、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体ペーストを塗布し、乾燥および焼成して蛍光体層を作製した。蛍光体としては、上述した材料を用いた。
【0092】
作製した前面板、背面板をBi−Zn−B−Si−O系の封着ガラスを用いて500℃で貼り合わせた。そして、放電空間の内部を高真空(1×10−4Pa)程度に排気した後、所定の圧力となるようにNe−Xe系放電ガスを封入した。このようにして、PDPを作製した。
【0093】
作製したパネルは、特に誘電体層に着色、欠陥等を生じることもなく、問題なく動作することが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、電極用絶縁被覆ガラス、特にPDPの表示電極やアドレス電極を被覆するための誘電体層の形成に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明によるPDPの構成の一例を示す部分切り取り斜視図
【図2】図1に示したPDPの断面図
【符号の説明】
【0096】
1 前面板
2 前面ガラス基板
3 透明導電膜
4 バス電極
5 表示電極
6 誘電体層
7 誘電体保護層
8 背面板
9 背面ガラス基板
10 アドレス電極
11 誘電体層
12 隔壁
13 蛍光体層
14 放電空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともBと、RO(RはLi、Na、Kの1種類以上)と、Ln(Lnは希土類金属とAlより選ばれた一種類以上)を含み、Bの含有量が50重量%以上95重量%以下であり、Lnの含有量が0.2重量%以上10重量%以下である事を特徴とする、ガラス組成物。
【請求項2】
LnがLaまたはNdである事を特徴とする、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項3】
LnがAlと希土類金属酸化物を同時に含む事を特徴とする、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項4】
OがKOである事を特徴とする、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項5】
比誘電率が6.3以下である事を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス組成物。
【請求項6】
ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、前記ガラス組成物が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス組成物であるディスプレイパネル。
【請求項7】
基板上に形成された第1誘電体層と、その上に形成された電極層と、さらにその上に形成された第2誘電体層を含むディスプレイパネルであって、前記第1誘電体層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス組成物であるディスプレイパネル。
【請求項8】
第1の電極及び誘電体ガラス層が形成された前面基板と、第2の電極と誘電体ガラス層及び蛍光体層が形成された背面基板とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう前記前面基板と前記背面基板とを配置するとともに、前記前面基板と前記背面基板との間に隔壁を設置し、前記前面基板、前記背面基板及び前記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプラズマディスプレイパネルであって、前記第1および第2電極上の誘電体ガラス層の少なくとも一部が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス組成物である事を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
第1の電極及び誘電体ガラス層が形成された前面基板と、第2の電極と誘電体ガラス層及び蛍光体層が形成された背面基板とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう前記前面基板と前記背面基板とを配置するとともに、前記前面基板と前記背面基板との間に隔壁を設置し、前記前面基板、前記背面基板及び前記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプラズマディスプレイパネルであって、前記隔壁が酸化物ガラスを含み、前記酸化物ガラスの少なくとも一部が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス組成物である事を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
第1の電極及び誘電体ガラス層が形成された前面基板と、第2の電極と誘電体ガラス層及び蛍光体層が形成された背面基板とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう前記前面基板と前記背面基板とを配置するとともに、前記前面基板と前記背面基板との間に隔壁を設置し、前記前面基板、前記背面基板及び前記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封入し、前記前面基板と前記背面基板を封着材料により接着して成るプラズマディスプレイパネルであって、前記封着用材料が酸化物ガラスを含み、前記酸化物ガラスの少なくとも一部が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス組成物である事を特徴とするプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−105893(P2008−105893A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289818(P2006−289818)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】