説明

キナーゼ阻害剤として有用なトリアゾロピリジン化合物

式(I):


I
の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび医薬的に許容される塩。式(I)の化合物を含む医薬組成物、およびp38キナーゼの活性を伴う症状の治療方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年6月20日に出願された米国仮出願第61/074,201号(その全体が本明細書に引用される)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、p38キナーゼ関連症状を治療するのに有用なトリアゾロピリジン化合物に関する。本発明はさらに、キナーゼ関連症状、例えばp38キナーゼ関連症状を治療するのに有用な少なくとも1つの本発明の化合物を含む医薬組成物、および患者におけるキナーゼ活性を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大量のサイトカイン類、例えばIL−1、IL−6、IL−8およびTNF−αが炎症応答に関与する。サイトカイン類、例えばIL−1およびTNF−αの過剰産生は、多種多様な疾患、例えば、特に、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、エンドトキシンショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病、およびうっ血性心不全に関わる[Henry et al., Drugs Fut., 24:1345-1354 (1999); Salituro et al., Curr. Med. Chem., 6:807-823 (1999)]。サイトカイン類のタンパク質拮抗薬、例えば、TNF−αに対するモノクローナル抗体(エンブレル)[Rankin et al., Br. J. Rheumatol., 34:334-342 (1995)]、および可溶性TNF−α受容体−Fc融合タンパク質(エタネルセプト)[Moreland et al., Ann. Intern. Med., 130:478-486 (1999)]が慢性炎症疾患の治療に有効であることが、ヒトの患者における証拠によって示される。
【0004】
TNF−αの生合成は、外部刺激、例えば、分裂促進因子、感染性微生物、または外傷に応答して、多くの細胞型に生じる。TNF−α産生の重要なメディエーターは、分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼ類である。これらのキナーゼ類は、様々なストレス刺激、例えば、これらに限らないが、炎症誘発性サイトカイン類、エンドトキシン、紫外線、および浸透圧ショックに応答して活性化される。
【0005】
1つの重要なMAPキナーゼはp38キナーゼであり、サイトカイン抑制性抗炎症薬結合タンパク質(CSBP)またはIKとしてもまた知られる。p38の活性化は、p38アイソザイム類のThr−Gly−Tyrモチーフ特徴内のスレオニンおよびチロシンにおいて、上流のMAPキナーゼキナーゼ類(MKK3およびMKK6)による二重リン酸化を必要とする。p38の4つの公知のアイソフォーム、すなわち、p38α、p38β、p38γ、およびp38δが存在する。αおよびβアイソフォームは炎症細胞において発現され、TNF−α産生の重要なメディエーターである。細胞内のp38αおよびβ酵素の阻害によって、TNF−α発現レベルの減少がもたらされる。また、炎症疾患の動物モデルにおけるp38αおよびβ阻害剤の投与によって、かかる阻害剤がこれらの疾患の治療に有効であることが証明されている。したがって、p38酵素は、IL−1およびTNF−αに媒介される炎症過程に重要な役割を果たす。
【0006】
炎症疾患の治療に使用するために、p38キナーゼおよびサイトカイン類、例えばIL−1およびTNF−αを阻害すると報告されている化合物は、米国特許第6,277,989号および第6,130,235号(サイオス(Scios)社);米国特許第6,147,080号および第5,945,418号(バーテックス・ファーマシューティカルズ社);米国特許第6,251,914号、第5,977,103号および第5,658,903号(スミスクライン・ビーチャム社);米国特許第5,932,576号および第6,087,496号(G.D. サール・アンド・カンパニー(G.D. Searle & Co.));PCT公開番号WO 00/56738およびWO 01/27089(アストラゼネカ);WO 01/34605(ジョンソン&ジョンソン);WO 00/12497(p38キナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体);WO 00/56738(同じ目的のピリジンおよびピリミジン誘導体);WO 00/12497(p38キナーゼ阻害剤間の関係を議論);並びにWO 00/12074(p38阻害剤として有用なピペラジンおよびピペリジン化合物)に開示されている。
【0007】
本発明は、キナーゼ(特にp38キナーゼ)阻害剤として有用な特定のトリアゾロピリジン化合物を提供する。
【0008】
(発明の概要)
本発明は、一般に、式I:
【化1】


[式中、
1は、適宜置換されていてもよいアリールまたは適宜置換されていてもよいヘテロアリールであり;並びに
2は、水素、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいシクロアルコキシ、適宜置換されていてもよいアリールオキシ、適宜置換されていてもよいアリールアミノ、適宜置換されていてもよい単環式アリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキルまたは適宜置換されていてもよいシクロアルケニルであるが、但し、
(i)R1が置換チアゾリルである場合、該チアゾリルはエトキシで置換されておらず;並びに
(ii)R2が置換フェニルである場合、該フェニルはトリフルオロメチルまたはメチルスルホニルで置換されていない]
の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび医薬的に許容される塩(特に医薬的に許容される塩)に関する。
【0009】
以下は、本発明を記載するのに用いられる様々な用語の定義である。これらの定義は、具体例において特に断りがなければ、個別的に、またはより大きな集合の一部として、この明細書を通して用いられるように用語に適用される。
【0010】
用語「アセチル」とは、−C(=O)CH3基をいう。
【0011】
用語「アルキル」および「アルク」とは、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルカン(炭化水素)基をいう。化学基の例には、これらに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが含まれる。用語「低級アルキル」は、約1〜約6個の炭素原子、より詳細には、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を指すように本明細書で用いられる。
【0012】
「置換アルキル」とは、アルキル直鎖または分枝鎖上のいずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキル基をいう。置換基の例には、1つ以上の以下の基が含まれる:ハロ(例えば、単一のハロ置換基または複数のハロ置換基であり、後者の場合、ペルハロアルキル基、例えば複数のクロロまたは複数のフルオロ基を有するアルキル基のような基を形成する)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、−O−アリール、−O−ヘテロシクロ、−O−アルキレン−アリール、−O−ハロアルキル、アルキルチオ、カルボキシ(すなわち、−COOH)、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、置換カルバモイル、カルバメート、置換カルバメート、尿素、置換尿素、アミジニル、置換アミジニル、アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、−NRcd、−OC(=O)NRcd、−C(=O)NRcd、−NReC(=O)NRcd、−NReC(O)2−NRcd、−N(Re)S(O)2NRcd、−N(Re)P(O)2NRcd、(ここで、RcおよびRdは、各々独立して、水素、アルキル、アリール、およびヘテロシクロからなる群から選択され、Reは、水素、アルキル、またはフェニルである)、−SRf、−S(=O)Rg、−S(O)2g、−NReS(O)2−Rg、−P(O)2−Rg、−NReP(O)2−Rg、−NReC(=O)Rf、−NReC(O)2f、−OC(=O)Rf、−OC(=O)ORf、−C(=O)ORfおよび−C(=O)Rf(ここで、Reは真上と同義であり、Rfは、水素、アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり、並びにRgは、アルキル、アリール、またはヘテロシクロである)。上述の置換基において、各々の例において、該アルキル、アリール、ヘテロシクロまたはシクロアルキル基(Rc、Rd、Re、Rf、およびRg)も同様に、Rk、−O−Rk、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、−NRkm、−OC(=O)NRkm、−C(=O)NRkm、−NRkC(=O)Rm、−SRk、−S(=O)Rn、−S(O)2n、−OC(=O)Rk、−C(=O)ORk、−C(=O)Rk、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、もしくはベンジルオキシ、および1〜2個の−O−Rk、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、−NRkm、−OC(=O)NRkm、−C(=O)NRkm、−NRkC(=O)Rm、−SRk、−S(=O)Rn、−S(O)2n、−OC(=O)Rk、−C(=O)ORk、−C(=O)Rk、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、もしくはベンジルオキシで置換された低級アルキルからなる群から選択される、1〜4個、好ましくは1〜3個のさらなる基で適宜置換されていてもよく、その中で、RkおよびRmは、水素、低級アルキル、ヒドロキシ(低級アルキル)、ハロ(低級アルキル)、シアノ(低級アルキル)、およびアミノ(低級アルキル)からなる群から選択され、並びにRnは低級アルキルである。
【0013】
本明細書で用いられるように、「アルキレン」とは、一般式−(CH2n−を有する二価のアルキル基をいい、その中で、nは、1〜10(詳細には1〜6、より詳細には、1〜4)である。これらに限らないが、例には、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、およびヘキサメチレンが含まれる。用語「低級アルキレン」とは、本明細書で、約1〜約6個の炭素原子、より詳細には、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基をいう。「置換アルキレン」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキレン基をいう。置換基の例には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。
【0014】
用語「アルキル」が、「アリールアルキル」、「置換アリールアルキル」、「シクロアルキルアルキル」などのように、またはヒドロキシ(低級アルキル)のように、別の特に指定された基の後の添字として用いられる場合、これは、別の特に指定された基から選択される1つまたは2つ(好ましくは1つ)の置換基を有するアルキル基をいう。したがって、例えば、アリールアルキルには、ベンジルおよびフェニルエチルが含まれる。「置換アリールアルキル」は、アルキルについて上記に列挙したものから選択される1つ以上の基で、該アリールアルキルのアルキル部分において置換され、および/または置換アリールについて下記に列挙するものから選択される1つ以上の基で、該アリールアルキルのアリール部分において置換される。
【0015】
用語「アルケニル」とは、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素基をいう。例示的な基には、エテニルまたはアリルが含まれる。「置換アルケニル」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルケニル基をいう。アルケニル上の置換基の例には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。アルケニルについての置換基の特定の例は、2〜6個の炭素からなる群から選択されるものである。
【0016】
用語「アルケニレン」とは、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基をいう。例示的な基には、エテニレンまたはアリレンが含まれる。「置換アルケニレン」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルケニレン基をいう。置換基の例には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。アルケニレンについての置換基の特定の例は、2〜6個の炭素からなる群から選択されるものである。
【0017】
用語「アルキニル」とは、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素基をいう。例示的な基には、エチニルが含まれる。「置換アルキニル」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキニル基をいう。例示的な置換基には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。アルキニルについての置換基の特定の例は、2〜6個の炭素からなる群から選択されるものである。
【0018】
用語「アルキニレン」とは、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基をいう。例示的な基には、エチニレンが含まれる。「置換アルキニレン」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキニレン基をいう。例示的な置換基には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。アルキニレンについての置換基の特定の例は、2〜6個の炭素からなる群から選択されるものである。
【0019】
用語「シクロアルキル」とは、1〜3個の環および環あたり3〜8個の炭素を含む完全に飽和な環状炭化水素基をいう。例示的な基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれ、特定の値(particular value)はシクロプロピルである。用語「シクロアルキル」にはまた、1〜2個の橋頭炭素原子の炭素−炭素架橋を有する基、並びに少なくとも1つの環が飽和した炭素含有環である二環式および三環式基も含まれ、この場合、該第2または第3の環は、炭素環またはヘテロ環であってもよいが、但し、結合点は該シクロアルキル基への結合点である。さらなる環は、スピロまたは縮合の形で飽和炭素含有環に結合してもよい。「置換シクロアルキル」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルキル基をいう。例示的な置換基には、これらに限らないが、アルキル、置換アルキル、オキソ(=O)、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が含まれる。
【0020】
用語「シクロアルキレン」とは、上記で定義した二価のシクロアルキル基をいう。例示的な基には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが含まれる。「置換シクロアルキレン」とは、置換シクロアルキルについて列挙したものから選択されるいずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルキレン基をいう。
【0021】
用語「シクロアルケニル」とは、1〜3個の環および環あたり4〜8個の炭素を含む部分的に不飽和な環状炭化水素基をいう。例示的な基には、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルが含まれる。用語「シクロアルケニル」にはまた、少なくとも1つの環が部分的に不飽和な炭素含有環である二環式および三環式基も含まれ、該第2または第3の環は炭素環またはヘテロ環であってもよいが、但し、結合点は該シクロアルケニル基への結合点である。「置換シクロアルケニル」とは、シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択されるいずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルケニル基をいう。
【0022】
用語「シクロアルケニレン」とは、二価の上記で定義したシクロアルケニル基をいう。例示的な基には、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、およびシクロヘキセニレンが含まれる。「置換シクロアルケニレン」とは、置換シクロアルキルについて列挙したものから選択されるいずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルケニレン基をいう。
【0023】
用語「アルコキシ」または「アルキルチオ」とは、それぞれ、酸素結合(−O−)または硫黄結合(−S−)を通して結合した上記のアルキル基をいう。用語「置換アルコキシ」または「置換アルキルチオ」とは、それぞれ、酸素または硫黄結合を通して結合した上記の置換アルキル基をいう。
【0024】
用語「シクロアルコキシ」とは、酸素結合(−O−)を通して結合した上記のシクロアルキル基をいう。用語「置換シクロアルコキシ」とは、酸素結合を通して結合した上記の置換シクロアルキル基をいう。
【0025】
用語「チオール」とは、−SHをいう。
【0026】
用語「アルコキシカルボニル」とは、カルボニル基(すなわち、−C(=O)−O−アルキル)を通して結合したアルコキシ基をいう。用語「置換アルコキシカルボニル」とは、カルボニル基を通して結合した上記の置換アルコキシ基をいう。
【0027】
用語「アルコキシカルボニルメチル」とは、メチル基を通して結合した上記のアルコキシカルボニル基(すなわち、−CH2−C(=O)−O−アルキル)をいう。用語「置換アルコキシカルボニルメチル」とは、メチル基を通して結合した上記の置換アルコキシカルボニル基をいう。
【0028】
用語「アルキルカルボニル」とは、カルボニル基を通して結合したアルキル基(すなわち、−C(=O)アルキル)をいう。
【0029】
用語「アルキルカルボニルオキシ」とは、酸素結合を通して結合したアルキルカルボニル基(すなわち、−O−C(=O)−アルキル)をいう。
【0030】
用語「アミド」とは、−NHC(=O)H基をいい、「アミジニル(amidinyl)」とは、−C(=NH)(NH2)基をいう。「置換アミド」とは、−NRpC(=O)Rq基をいい、「置換アミジニル」とは、−C(=NRp)(NRqr)基をいい、その中で、Rp、Rq、およびRrは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択されるが、但し、少なくとも1つのRp、Rq、およびRrは水素以外である。Rp、RqおよびRrについてのより特定の値は、水素またはアルキルからなる群から選択される。
【0031】
用語「アリール」には、第1の環上に炭素のみを含む単環式および多環式アリール基が含まれる。用語「単環式アリール」とは、フェニル(該環には炭素のみが含まれる)をいい、用語「多環式アリール」とは、ナフチルおよびアントラセニルをいい、それに縮合した少なくとも第2の環を有するフェニル環、およびそれに縮合した第3の環を有するナフチル環を指す。それに縮合した第2または第3の環を有するフェニル環、またはそれに縮合した第3の環を有するナフチル環からなる多環式アリールの場合、該追加の環は、芳香族または非芳香族炭素環またはヘテロ環であってもよいが、但し、そのような場合、結合点は炭素環式芳香環への結合点である。例えば、このアリール基のサブセットは多環式アリール基であり、その中で、該第2の環は、炭素原子、並びにO、N、およびSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む「ヘテロアリール」である(但し、OおよびSは、同じ環の中で互いに隣接し得ない)。あるいは、該第2および/または第3の追加の環の環炭素原子は、カルボニル[−C(=O)基]で置換されうる(例えば、かかる環が非芳香族である場合)。「置換アリール」とは、いずれかの環のいずれかの結合点で、アルキル、置換アルキル、および置換アルキル基について上記に列挙した置換基から選択される1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基(より好ましくは1または2個)で置換されたアリール基をいう。
【0032】
したがって、本発明の化合物を形成する際に興味深いアリール基の例には、
【化2−1】

【化2−2】

および、さらに、類似の構造が含まれる。
【0033】
用語「アリーレン」とは、二価の上記で定義したアリール基をいう。
【0034】
用語「アリールアミノ」とは、アミノ基を通して結合した上記のアリール基をいう。用語「置換アリールアミノ」とは、アミノ基を通して結合した上記の置換アリール基をいう。
【0035】
用語「アリールオキシ」とは、酸素結合(−O−)を通して結合した上記のアリール基をいう。用語「置換アリールオキシ」とは、酸素結合を通して結合した上記の置換アリール基をいう。
【0036】
「カルバモイル」とは、−C(=O)−NRhi基をいい、その中で、RhおよびRiは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロシクロから選択される。
【0037】
用語「カルバモイルメチル」とは、メチル基を通して結合した上記のカルバモイル基(すなわち、−CH2−C(=O)−NRhi、その中で、RhおよびRiは上記と同義である)をいう。
【0038】
「カルバメート」とは、−O−C(=O)−NRhi基をいい、「尿素」とは、NH−C(=O)−NRhi基およびN(アルキル)−C(=O)−NRhi基をいい、その中で、RhおよびRiは、カルバモイルについて列挙したものと同じ基から選択される。
【0039】
「置換カルバモイル」、「置換カルバメート」、および「置換尿素」とは、それぞれ、−C(=O)−NRhi基、−O−C(=O)−NRhi基、および−N(Rj)−C(=O)−NRhi基をいい、その中で、Rh、Ri、およびRjは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択されるが、但し、少なくとも1つのRh、Ri、およびRjは、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリール、または置換ヘテロシクロである。「N−置換カルバモイルメチル」とは、−CH2−C(=O)−NRhi基をいい、その中で、RhおよびRiは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択されるが、但し、少なくとも1つのRhおよびRiは、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリール、または置換ヘテロシクロである。
【0040】
用語「カルボキシル」とは、−C(=O)OH基をいう。
【0041】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環状」および「ヘテロシクロ」とは、完全に飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和な、例えば芳香族(すなわち、「ヘテロアリール」)環状基(例えば、3〜7員単環式、7〜11員二環式、または10〜16員三環式環構造)をいい、それは少なくとも1つの炭素原子含有環内に少なくとも1つのヘテロ原子を有する。したがって、用語「ヘテロアリール」はヘテロシクロ基のサブセットである。ヘテロ原子を含むヘテロ環状基の各環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有していてもよく、ここで、該窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は適宜四級化されていてもよいが、但し、硫黄および酸素は該環内で互いに隣接していない。(用語「ヘテロアリーリウム(heteroarylium)」とは、四級窒素原子を有するヘテロアリール基をいうので、正電荷である。)また、ヘテロシクロ環の1つ以上(好ましくは1つ)の炭素環原子は、原子価により許容されれば、カルボニル基、すなわち、−C(=O)−で置換されうる。ヘテロ環状基は、該環または環構造のいずれのヘテロ原子または炭素原子で、分子の残りの部分に結合していてもよい。
【0042】
単環式ヘテロ環状基の例には、オキシラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニル スルホキシド、チアモルホリニル スルホン、1,3−ジオキソラニルおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどからなる群から選択されるものが含まれる。
【0043】
二環式ヘテロ環状基の例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロジオキシドベンゾチオフェニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニルなどからなる群から選択されるものが含まれる。三環式ヘテロ環状基の例には、カルバゾリル、ベンゾインドリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが含まれる。
【0044】
用語「ヘテロシクレン」とは、二価の上記で定義したヘテロ環状基をいう。
【0045】
「置換ヘテロ環」、「置換ヘテロ環状」および「置換ヘテロシクロ」(例えば「置換ヘテロアリール」)とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたヘテロ環、ヘテロ環状またはヘテロシクロ基をいい、その中で、該置換基は置換シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択される。
【0046】
用語「四級窒素」とは、四価の正電荷を持つ窒素原子、例えば、テトラアルキルアンモニウム基(例えば、テトラメチルアンモニウム、N−メチルピリジニウム)において正電荷を持つ窒素、プロトン化アンモニウム種(例えば、トリメチル−ヒドロアンモニウム、N−ヒドロピリジニウム)において正電荷を持つ窒素、アミンN−オキシド(例えば、N−メチル−モルホリン−N−オキシド、ピリジン−N−オキシド)において正電荷を持つ窒素、およびN−アミノ−アンモニウム基(例えば、N−アミノピリジニウム)において正電荷を持つ窒素をいう。
【0047】
用語「ヘテロアリール」とは、5および6員単環式芳香族ヘテロシクロ基、並びに二環式および三環式ヘテロ環構造をいい、その中で、該環構造の別の基への結合点は、該環構造の5または6員芳香環を経由する。したがって、例えば、用語「ヘテロアリール」には、5または6員ヘテロアリール基のような基、例えばチエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピリジル、ピラジニルなどが含まれ、その中で、二環式および三環式基を完成させる縮合環は炭素原子のみを含んでいてもよく、飽和、部分的に飽和、または不飽和であってもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基には、少なくとも1つの完全な芳香環が含まれなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族であってもよい。
【0048】
用語「置換ヘテロアリール」とは、いずれかの利用可能な結合点で、1つ以上の置換基、例えば1〜4個の置換基(より詳細には1〜3個の置換基、さらにより詳細には、1〜2個の置換基)で置換された5および6員単環式芳香族ヘテロシクロ基をいい、その中で、該置換基は、置換シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択される。
【0049】
単環式ヘテロアリール基の例には、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルなどからなる群から選択されるものが含まれる。
【0050】
二環式ヘテロアリール基の例には、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニルなどからなる群から選択されるものが含まれる。
【0051】
三環式ヘテロアリール基の例には、カルバゾリル、ベンゾインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが含まれる。
【0052】
用語「ヒドロキシルアミン」および「ヒドロキシルアミド」とは、それぞれ、−NH−OH基および−C(=O)−NH−OH基をいう。
【0053】
特に断りがなければ、用語「置換アミノ」とは、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる場合、1つまたは2つの置換基(同じかまたは異なっていてもよい)、例えば、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオアルキル、−C(O)Rt、−C(=O)ORt、−C(=O)NRtu、−S(O)2t、−S(O)2ORt、または−S(O)2NRtuで置換されたアミノをいい、その中で、RtおよびRuは、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたはヘテロシクロからなる群から選択される。これらの置換基は、カルボン酸および/または上記で示したアルキルについてのいずれの置換基でさらに置換されていてもよい。
【0054】
また、RtおよびRuは、それらに結合する窒素原子と一緒になって、アルキル、アリール、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、−C(O)Rf、−C(=O)ORf、−C(=O)NRfg、−S(O)2f、−S(O)2ORf、または−S(O)2NRfgで適宜置換されていてもよい、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−アルキル−1−ピペラジニル、4−アリールアルキル−1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、または1−アゼピニルを形成してもよく、その中で、RfおよびRgは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたはヘテロシクロでありうる。
【0055】
用語「ヘテロ原子」には、酸素、硫黄および窒素が含まれる。
【0056】
用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素をいう。
【0057】
用語「ハロアルキル」とは、特に、該アルキル部分がC1−C3からなる群から選択される場合に、1つ以上のハロ置換基を有するアルキルをいう。例えば、ハロアルキルはCF3でありうる。
【0058】
用語「ハロアルコキシ」とは、特に、該アルコキシ部分にC1−C3が含まれる場合に、1つ以上のハロ置換基を有するアルコキシ基をいう。例えば、「ハロアルコキシ」には−OCF3が含まれる。
【0059】
用語「低級アルキルスルホニル」とは、スルホニル結合(−S(=O)(=O)−)を通して結合した上記の低級アルキル基をいう。用語「置換低級アルキルスルホニル」とは、スルホニル結合を通して結合した上記の置換アルキル基をいう。
【0060】
用語「炭素環の」とは、すべての環のすべての原子が炭素である飽和または不飽和単環式または二環式環をいう。したがって、該用語には、シクロアルキルおよびアリール環が含まれる。炭素環は置換されてもよく、その場合、該置換基は、シクロアルキル基およびアリール基について上記に列挙したものから選択される。
【0061】
用語「不飽和」が、環または基を指すのに本明細書で用いられる場合、該環または基は完全に不飽和または部分的に不飽和でありうる。
【0062】
基が「適宜置換されていてもよい」と記載されている場合、これは無置換基および置換基(該置換基は、特に指定された基について上記に列挙したものから選択される)を含むことが意図される。したがって、適宜置換されていてもよいアリールが参照される場合、無置換アリール基、例えばフェニルまたはナフチル、並びにアルキル、置換アルキル、および置換アルキル基について列挙した置換基から選択される1つ以上(好ましくは1〜4個、より好ましくは1または2個)の置換基を有するような基を指すものと意図される。用語「適宜置換されていてもよい」がマーカッシュ群の前に置かれる場合、用語「適宜置換されていてもよい」は、該マーカッシュ群において列挙した種の一つ一つを修飾するものと意図される。したがって、例えば、語句「適宜置換されていてもよいアリール、シクロアルキル、またはヘテロ環」には、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、および置換ヘテロ環が含まれる。
【0063】
本発明の化合物の中で、スルフィドを有する化合物の場合、該硫黄原子は、適当な酸化状態でオキシドに変換されてもよく、これらのオキシド誘導体のすべては本明細書に含まれる。
【0064】
「N−オキシド」とは、ヘテロ芳香環または三級アミンの塩基性窒素原子が酸化されて、正の形式電荷を有する四級窒素および負の形式電荷を有する付加酸素原子(attached oxygen atom)が得られた化合物をいう。
【0065】
「溶媒和物」とは、溶媒の分子またはイオンと、溶質の分子またはイオンとの分子またはイオン複合体をいう。式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた本発明の範囲内であることがさらに理解されるべきである。溶媒和の方法は、一般に、当該技術分野で知られている。
【0066】
官能基が「保護された」と呼ばれる場合、その基が、保護された部位の望ましくない副反応を軽減、特に防止する変形形態であることを意味する。本明細書に記載の方法および化合物に適した保護基としては、これらに限らないが、標準テキスト、例えばGreene, T.W. et al., Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, N.Y. (1991)(かかる保護基のリストについて引用される)に記載されているものが含まれる。
【0067】
特に断りがなければ、原子価が満たされていないいずれの炭素原子またはヘテロ原子も、原子価を満たすのに十分な水素原子を有するものと想定される。
【0068】
カルボン酸陰イオンとは、負電荷を有する−COO-基をいう。
【0069】
本発明は、本発明の化合物に生じる原子のすべての同位体を含むものと意図される。同位体には、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例で、かつこれらに限らないが、水素の同位体には、重水素および三重水素が含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。同位体標識した本発明の化合物は、他の方法で用いられる非標識試薬の代わりに適当に同位体標識した試薬を用いて、一般に、当業者に知られている通常の技術によって、または本明細書に記載したものに類似する方法によって製造されうる。かかる化合物は、様々な使用の可能性を有しており、例えば、医薬化合物が標的タンパク質または受容体に結合する潜在能力を決定する標準物質および試薬として、または生物学的受容体に結合した本発明の化合物をインビボまたはインビトロで画像化するのに用いられる。
【0070】
本発明の化合物は塩を形成することができ、これもまた本発明の範囲内である。医薬的に許容される(すなわち、無毒で、生理学的に許容される)塩が望ましいが、例えば本発明の化合物を単離または精製するのに、他の塩も有用である。
【0071】
本発明の化合物は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、およびリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、および有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などと塩を形成し得る。かかる塩は当業者に知られているように形成されうる。
【0072】
本発明の化合物は、様々な有機酸および無機酸と塩を形成し得る。そのような塩には、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、および他の様々な塩(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩など)によって形成されるものが含まれる。かかる塩は当業者に知られているように形成されうる。化合物の塩の形態は、化合物の溶解速度および経口バイオアベイラビリティを改善するのに有利でありうる。
【0073】
また、双性イオン(「分子内塩」)も形成され得る。
【0074】
本発明の化合物に関するあらゆる立体異性体は、混合の、または純粋な、もしくは実質的に純粋な形のいずれかで、考慮されている。本発明の化合物の定義は、可能な全ての立体異性体、およびそれらの混合物を包含し、それはまた、特定の活性を有するラセミ体および分離された光学異性体も包含する。ラセミ体は、物理的方法(例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶法、分離、もしくは結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離)を用いて分離することができる。個々の光学異性体は、通常の方法(例えば、光学活性酸とともに塩を形成し、その後結晶化する方法)を用いてラセミ化合物から得ることができる。
【0075】
本発明の化合物はまた、プロドラッグ形態も有しうる。インビボで変換されて、生物活性剤を提供するいずれの化合物(すなわち、式Iの化合物)も、本発明の範囲内および精神であるプロドラッグである。
【0076】
プロドラッグの様々な形が、当該技術分野でよく知られている。かかるプロドラッグ誘導体の例として、以下を参照(各々、本明細書に引用される):
a) Design of Prodrugs, H. Bundgaard, ed., Elsevier (1985), and Methods in Enzymology, 112:309-396, K. Widder et al., eds., Academic Press (1985);
b) Bundgaard, H., Chapter 5, 「Design and Application of Prodrugs」, A Textbook of Drug Design and Development, pp. 113-191, P. Krosgaard-Larsen et al., eds., Harwood Academic Publishers (1991);および
c) Bundgaard, H., Adv. Drug Deliv. Rev., 8:1-38 (1992))。
【0077】
(発明の詳細な説明)
本発明の一つの態様は、式I:
【化3】


[式中、
1は、適宜置換されていてもよいアリールおよび適宜置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;並びに
2は、水素、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいシクロアルコキシ、適宜置換されていてもよいアリールオキシ、適宜置換されていてもよいアリールアミノ、適宜置換されていてもよい単環式アリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキルおよび適宜置換されていてもよいシクロアルケニルからなる群から選択されるが、但し、
(i)R1が置換チアゾリルである場合、該チアゾリルはエトキシで置換されておらず;並びに
(ii)R2が置換フェニルである場合、該フェニルはトリフルオロメチルまたはメチルスルホニルで置換されていない]
の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび医薬的に許容される塩に関する。
【0078】
別の特定の態様において、R1は適宜置換されていてもよいチアゾリルである。
【0079】
本発明の別の態様は、式I:
【化4】


[式中、
1は、適宜置換されていてもよいアリールおよび適宜置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;並びに
2は、水素、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいシクロアルコキシ、適宜置換されていてもよいアリールオキシ、適宜置換されていてもよいアリールアミノ、適宜置換されていてもよい単環式アリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキルおよび適宜置換されていてもよいシクロアルケニルからなる群から選択されるが、但し、
(i)R1が置換チアゾリルである場合、該チアゾリルはエトキシで置換されておらず;並びに
(ii)R2が置換フェニルである場合、該フェニルはトリフルオロメチルまたはメチルスルホニルで置換されていない]
の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび医薬的に許容される塩に関する。
【0080】
特定の態様において、R1が適宜置換されていてもよいチアゾリルである場合、該チアゾリルは、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される置換基で、炭素原子において置換される。
【0081】
1についてのさらにより特定の値は、チアゾール−5−イルである。特定の態様において、R1についての値がチアゾール−5−イルである場合、該チアゾール−5−イルは、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される置換基で、2位において置換される。
【0082】
さらに別の特定の態様において、R1についての値がチアゾール−5−イルである場合、該チアゾール−5−イルは、適宜置換されていてもよいアミノで、2位において置換される。
【0083】
さらにより特定の態様において、R1についての値がチアゾール−5−イルである場合、該チアゾール−5−イルは低級アルキルアミノで、2位において置換される。
【0084】
1のさらにより特定の値は、実施例に示される化合物、例えば表1に列挙される化合物に見られる。例えば、R1は、以下:
【化5】

からなる群から選択されうる。
【0085】
別の特定の態様において、R2は、水素および適宜置換されていてもよい単環式アリールからなる群から選択される。
【0086】
2についてのより特定の値は、適宜置換されていてもよいフェニルである。
【0087】
2についての別のより特定の値は、無置換フェニルである。
【0088】
2についてのさらに別のより特定の値は、置換フェニルである。
【0089】
2がフェニルである場合、該フェニルは、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロおよびハロアルコキシからなる群から選択される置換基で、1つ以上の位置において、独立して適宜置換されていてもよい。
【0090】
2がフェニルである場合、該フェニルは、より詳細には、ハロ、シアノ、C1−C4アルキルおよびヒドロキシからなる群から選択される置換基で、1つ以上の位置において、独立して適宜置換されていてもよい。
【0091】
2がフェニルである場合、該フェニルは、さらにより詳細には、ハロ、シアノ、メチルおよびヒドロキシからなる群から選択される置換基で、1つ以上の位置において、独立して適宜置換されていてもよい。
【0092】
別の特定の態様において、R1は適宜置換されていてもよいチアゾリルであり、並びにR2は適宜置換されていてもよいフェニルである。
【0093】
さらに別の特定の態様において、R1は低級アルキルアミノチアゾリルであり、並びにR2はハロ基で置換されたフェニルである。
【0094】
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物(例えば、上記のすべてのサブグループおよび特定のグループ)および医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0095】
より特定の実施例において、該医薬組成物は固形製剤である。
【0096】
本発明の他の態様は、
1)治療有効量の式Iの化合物を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
2)疾患または障害を治療するのに使用するための式Iの化合物、並びに
3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用(該疾患または障害は炎症障害である)。
【0097】
さらなる態様において、上述の炎症障害は、関節リウマチ、喘息、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症疾患、炎症性腸疾患、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶、アテローム性動脈硬化症、多発性骨髄腫、多発性硬化症、疼痛、心筋虚血および関節炎からなる群から選択される。より詳細には、該障害は、乾癬、アテローム性動脈硬化症、疼痛、および関節リウマチからなる群から選択される。
【0098】
さらに別の態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物(例えば、上記のすべてのサブグループおよび特定のグループ)を患者に投与することを特徴とする、かかる治療が必要な患者におけるp38キナーゼの阻害方法に関する。
【0099】
本発明は、その精神または本質的な特性からはずれることなく、他の特定の形態に具体化されてもよい。この発明にはまた、本明細書に示される本発明の他の態様のすべての組合せも含まれる。いずれのおよびすべての態様も、本発明の別の態様を記載するために、いずれの他の態様とも併用されうることが理解される。さらに、態様のいずれの要素も、別の態様を記載するために、いずれの態様からのいずれのおよびすべての他の要素とも併用されるものと意図される。
【0100】
(有用性)
本発明の化合物は、p38キナーゼ活性の選択的阻害剤である。したがって、式Iの化合物は、p38キナーゼ活性関連症状の治療に有用性を有する。かかる症状には、p38を介する細胞内シグナリングの結果としてサイトカイン濃度が調節される疾患、特に、サイトカイン類IL−1、IL−4、IL−8、およびTNF−αの過剰産生に関連する疾患が含まれる。本明細書で用いられるように、用語「治療」には、応答および予防方法のいずれかまたは両方、例えば、疾患または障害の発症を阻害しまたは遅延させ、症状または病状の完全または部分的な低下を達成し、および/または疾患または障害および/またはその症状を軽減し、回復させ、和らげ、または治療するようにデザインされた方法が含まれる。
【0101】
p−38キナーゼ阻害剤としての活性の観点から、式Iの化合物は、p−38関連症状、例えば、これらに限らないが、炎症疾患、自己免疫疾患、破壊性骨障害(destructive bone disorder)、増殖性障害、血管形成障害、感染症、神経変性疾患、およびウイルス性疾患の治療に有用である。
【0102】
より詳細には、本発明の化合物で治療されうる特定の症状または疾患には、これらに限らないが、膵炎(急性もしくは慢性)、喘息、アレルギー、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、エンドトキシンによって誘導される炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;多量の好中球浸潤(massive neutrophil infiltration)の特徴を有する疾患;リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎および他の関節炎の症状、脳マラリア、慢性肺炎症疾患、ケイ肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、同種移植片拒絶、感染による発熱および筋肉痛、感染に続発する悪液質、ケロイド形成(meloid formation)、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、発熱(pyresis)、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節炎および多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性メラノーマ、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症ショック、および細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性傷害によって引き起こされる脳虚血または神経変性疾患;血管形成障害、例えば固形腫瘍、眼内血管新生、および乳児血管腫;ウイルス性疾患、例えば急性肝炎感染(例えば肝炎A、肝炎Bおよび肝炎C)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、ARCまたは悪性腫瘍、および疱疹;脳卒中、心筋虚血、脳卒中 心発作における虚血、臓器低酸素症(organ hyposia)、血管の過形成(vascular hyperplasia)、心臓および腎臓の再灌流傷害、血栓症、心肥大、トロンビン誘導性血小板凝集、内毒血症および/または毒素ショック症候群、並びにプロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンダーゼ−2関連症状(prostaglandin endoperoxidase syndase-2)が含まれる。
【0103】
また、本発明のp38阻害剤は、炎症誘導性タンパク質、例えばプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素−2(PGHS−2)(シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)とも呼ばれる)の発現を阻害する。したがって、さらなるp38関連症状には、浮腫、鎮痛、発熱および疼痛、例えば、癌によって引き起こされる神経痛、頭痛、疼痛;歯痛および関節炎痛が含まれる。本発明の化合物はまた、獣医学的ウイルス感染、例えばレンチウイルス感染、例えば、これらに限らないが、ウマ伝染性貧血ウイルス;またはレトロウイルス感染、例えばネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、およびイヌ免疫不全ウイルスを治療するのに用いられてもよい。
【0104】
用語「p38関連症状」または「p38関連疾患もしくは障害」が本明細書で用いられる場合、各々には、詳細に繰り返されるかのように上記で示したすべての症状、並びにp38キナーゼ活性の影響を受けるいずれの他の症状が含まれるものと意図される。
【0105】
p38阻害剤から恩恵を受ける疾患の特定の例は、関節リウマチ、喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶、アテローム性動脈硬化症、急性冠疾患、多発性骨髄腫、多発性硬化症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、疼痛、心筋虚血および関節炎、例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎,痛風性関節炎および骨関節炎である。さらにより特定の例には、関節リウマチ、喘息、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症疾患、炎症性腸疾患、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶、アテローム性動脈硬化症、多発性骨髄腫、多発性硬化症、疼痛、心筋虚血および関節炎からなる群から選択される障害、特に、乾癬、アテローム性動脈硬化症、疼痛、および関節リウマチからなる群から選択される障害が含まれる。
【0106】
したがって、本発明は、有効量の少なくとも1つの式Iの化合物またはその塩を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、かかる症状の治療方法を提供する。p38キナーゼ関連症状の治療方法には、式Iの化合物を単独で、またはかかる症状を治療するのに有用な他の適当な治療剤と組み合わせて投与することが含まれうる。このような他の治療剤の例には、副腎皮質ステロイド類、ロリプラム、カルフォスチン、CSAID、4−置換イミダゾ[1,2−A]キノキサリン類(米国特許第4,200,750号に開示されている);インターロイキン−10、グルココルチコイド類、サリチル酸塩、一酸化窒素、および他の免疫抑制剤;核移行阻害剤、例えばデオキシスパガリン(DSG);非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えばイブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブ;ステロイド類、例えばプレドニゾンまたはデキサメタゾン;抗ウイルス剤、例えばアバカビル;抗増殖剤、例えばメトトレキセート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、PROGRAF(登録商標));細胞傷害性薬物、例えばアザチオプリンおよびシクロホスファミド;TNF−α阻害剤、例えばテニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、並びにラパマイシン(シロリムスまたはRAPAMUNE(登録商標))あるいはそれらの誘導体が含まれる。
【0107】
上記の他の治療剤は、本発明の化合物との組合せで使用されるとき、例えば、Physicians' Desk Reference (PDR)で指示される量で、または当業者により他の方法で決定される量で使用することができる。本発明の方法において、そのような他の治療剤(単数または複数)は、本発明の化合物の投与に先だって、それと同時に、またはそれに続いて投与することができる。
【0108】
本発明は、上記のようなp38キナーゼ関連症状、例えばTNF−α、IL−1、および/またはIL−8を介する症状を治療することができる医薬組成物を提供することもできる。本発明の組成物は、上記のように他の治療剤を含有することができ、医薬製剤の技術分野において周知の技法などにより、例えば、従来の固体または液体のベヒクルまたは希釈剤、ならびに所望の投与方式に適したタイプの医薬添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、安定剤、着香剤、その他)を利用することにより、剤形化することができる。
【0109】
式Iの化合物は、部位に特異的な治療の必要またはデリバリーされるべき薬剤量に依存し得る、治療されるべき病態に適した任意の手段により投与することができる。局所投与は、皮膚関連疾患に対して一般的に好ましく、全身的治療は癌または前癌状態に対して好ましいが、他のデリバリー方式も考慮される。例えば、化合物は、経口的には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、もしくはシロップ剤を含む液剤の形態などで;局所的には、溶液剤、懸濁液剤、ゲル剤もしくは軟膏の形態などで;舌下で;バッカルで;非経口的には、皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内注射もしくは注入技法(例えば、滅菌注射用水溶液剤もしくは非水溶液剤または懸濁液剤として)などにより;鼻内には、吸入噴霧などにより;局所的には、クリーム剤もしくは軟膏の形態などで;直腸内には、坐剤の形態などで;またはリポソームでデリバリーすることができる。無毒性の、医薬的に許容されるベヒクルまたは希釈剤を含有する用量単位製剤を投与することができる。化合物は、即時放出または徐放性放出に適した形態で投与することができる。即時放出または徐放性放出は、適当な医薬組成物で、または、特に徐放性放出の場合には、皮下埋め込みまたは浸透圧ポンプなどのデバイスで達成することができる。
【0110】
局所投与のための典型的組成物には、Plastibase(ポリエチレンでゲル化させた鉱油)などの局所用担体が含まれる。
【0111】
経口投与のための典型的組成物には、例えば、増量するための微結晶性セルロース、懸濁剤としてアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてメチルセルロース、および当技術分野において知られているような甘味剤または着香剤を含有してよい懸濁液剤;例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または当技術分野において知られているような他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤を含有してよい即時放出錠剤が含まれる。本発明の化合物は、舌下および/またはバッカル投与により、例えば、型押しされた、圧縮された、または凍結乾燥された錠剤で、経口的にデリバリーすることもできる。典型的組成物は、マンニトール、ラクトース、スクロース、および/またはシクロデキストリンなど急速に溶解する希釈剤を含むことができる。やはりそのような製剤に含まれてよいものは、セルロース(AVICEL(登録商標))またはポリエチレングリコール(PEG)など高分子量賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、および/または無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)など粘膜接着に役立つ賦形剤;およびポリアクリル系コポリマー(例えば、Carbopol934)など、放出を制御する物質である。潤滑剤、流動促進剤、着香剤、着色剤および安定剤も、製造および使用を容易にするために添加することができる。
【0112】
鼻内用エアロゾルまたは吸入投与のための典型的組成物は、例えば、ベンジルアルコールもしくは他の適当な防腐剤、吸収および/もしくはバイオアベイラビリティーを増大させる吸収促進剤および/または当技術分野において知られているような他の溶解剤もしくは分散剤を含有してよい溶液剤を含む。
【0113】
非経口的投与のための典型的組成物は、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル溶液、等張塩化ナトリウム溶液、または合成モノ−もしくはジグリセリド、およびオレイン酸を含む脂肪酸を含む他の適当な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤など、適当な無毒性の、非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒を含有してよい注射用溶液剤または懸濁液剤を含む。
【0114】
直腸投与のための典型的組成物は、例えば、カカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールなど、常温では固形物であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬剤を放出する適当な無刺激性賦形剤を含有してよい坐剤を含む。
【0115】
本発明の化合物の有効量は、当業者が決定することができ、単回投与でまたは1日当たり1から4回など個々に分割された投与の形態で投与することができる、哺乳動物に対して1日当たり活性化合物約0.05から100mg/kg(体重)の典型的投与量を含む。任意の特定の対象のための投与の特異的用量レベルおよび頻度は変化して差し支えないこと、ならびに使用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、対象の種、年齢、体重、全身的健康、性別および食事、投与方式および時間、排泄速度、薬剤の組合せ、および具体的病態の重症度を含む種々の要因に依存することは理解されるであろう。治療にとって好ましい対象には、動物、最も好ましくはヒトなどの哺乳動物の種、およびイヌ、ネコ、ウマなどの家畜が含まれる。したがって、用語「患者」が本明細書において使用されるとき、この用語はp38酵素濃度の介在により影響される全ての対象、最も好ましくは哺乳動物の種を含むことを意図している。
【0116】
以下の実施例に記載される化合物は、下記の1つ以上のアッセイにおいて試験されており、p38酵素阻害剤としての活性が示されている。
【0117】
生物学的アッセイ
p38キナーゼの生成
このアッセイのために、ヒトp38α、β、およびγアイソザイムのcDNAをPCRによってクローニングした。これらのcDNAを、pGEX発現ベクター(ファルマシア)においてサブクローニングした。GST−p38融合タンパク質を大腸菌において発現させ、グルタチオンアガロースを用いたアフィニティクロマトグラフィによってバクテリアペレットから精製した。常時活性型MKK6でインキュベートして、p38融合タンパク質を活性化した。アフィニティクロマトグラフィによって、活性なp38をMKK6から分離した。Raingeaudら(Mol. Cell. Biol., 1247-1255 (1996))に従って、常時活性型MKK6を生成した。
【0118】
p38アッセイ
アッセイをV底96ウェルプレートにおいて行った。最終アッセイ容積は、3種の20μl 添加物である、酵素、基質(MBPおよびATP)および試験化合物のアッセイバッファー(50mM トリス pH 7.5、10mM MgCl2、50mM NaClおよび1mM DTT)溶液から製造した60μlであった。細菌で発現された活性化p38を10分間試験化合物でプレインキュベートし、次いで基質との反応を開始した。反応液を45分間25℃でインキュベートし、5μlの0.5M EDTAを各サンプルに加えることによって終了した。SKATRON(登録商標) Micro96 セルハーベスター(Skatron社)を用いて、反応混合液をあらかじめ湿らせた(pre-wet)フィルターマットの上へ吸引し、次いでPBSで洗浄した。次いでフィルターマットを1分間電子レンジ中で乾燥し、MELTILEX(登録商標) A シンチレーション ワックス(ワラック)で処理し、MICROBETA(登録商標) シンチレーションカウンターモデル1450(ワラック)においてカウントした。PRIZM(登録商標)(グラフパッドソフトウェア(GraphPadSoftware))を用いた非線形最小二乗回帰によって、阻害データを解析した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP、1μM;[γ−33P]ATP、3nM,;MBP(シグマ、#M1891)、2μg/ウェル;p38、10nM;およびDMSO、0.3%である。
【0119】
製造方法
本発明の化合物は、有機合成の分野の当業者にとって周知の幾らかの方法で製造することができる。本発明の化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成法、あるいは該合成法の当業者が認識しているバリエーションと共に、下記の方法を用いて合成することができる。好ましい方法としては、これらに限定されるものでないが、下記の方法が挙げられる。本明細書で引用する全参考文献について、その全体を本明細書に引用する。
【0120】
本発明の新規化合物は、このセクションで記載の反応および技法を用いて製造しうる。反応は、使用する試薬や材料に適した溶媒中で行ない、変換を行なうのに適する。また、下記の合成法の説明で、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験の持続時間およびワークアップ手順を含む提案した反応条件の全ては、当業者が容易に容認すべきである、その合ったものに選択されることを理解すべきである。分子の種々の部分に存在する官能基が、提案した試薬や反応に適合しなければならないことは、有機合成分野の当業者によって理解される。反応条件に適合する置換基の限定は、当業者にとって容易に明らかであり、そして代わりの方法も使用しなければならない。これは、時には、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を変更する判断、または1つの特定の方法スキームを別のものより優先させて選択する判断を必要とする。また、本分野でどのような合成経路を計画する場合でも、別の大きな検討事項は、本発明に記載の化合物中に存在する反応性官能基の保護に使用する保護基の賢明な選択であることも、理解されたい。当業者に多くの代替物を説明する権威ある報告は、Greene, T.W. et al.(Protective Groups in Organic Synthesis, 第3版, Wiley and Sons (1999))である。
【0121】
略語
参照しやすいように、この後の製造方法および実施例を含む本明細書に、以下の略語を用いた:
Ph=フェニル
Bz=ベンジル
t−Bu=第三ブチル
Me=メチル
Et=エチル
Pr=プロピル
Iso−P=イソプロピル
MeOH=メタノール
EtOH=エタノール
EtOAc=酢酸エチル
Boc=tert−ブチルオキシカルボニル
CBZ=カルボベンジルオキシまたはカルボベンゾキシまたはベンジルオキシカルボニル
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
KOH=水酸化カリウム
2CO3=炭酸カリウム
POCl3=オキシ塩化リン
KOtBu=カリウム t−ブトキシド
EDCまたはEDCI=3−エチル−3'−(ジメチルアミノ)プロピル−カルボジイミド
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
NaH=水素化ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
Na223=チオ硫酸ナトリウム
Pd=パラジウム
min=分
L=リットル
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
g=グラム
mg=ミリグラム
mol=モル
mmol=ミリモル
meq=ミリ当量
RT=室温
RBF=丸底フラスコ
ret.t.=HPLC保持時間(分)
satまたはsat'd=飽和
aq.=水
TLC=薄層クロマトグラフィ
HPLC=高速液体クロマトグラフィ
LC/MS=高速液体クロマトグラフィ/質量分析
MS=質量分析
NMR=核磁気共鳴
mp=融点
【0122】
一般に、反応式1に示されるように、式(I.1)のp38阻害剤を置換ピリジノン1.1から製造してもよく、それを文献に記載された方法に従って製造してもよい。ピリジノン1.1を、例えば、POCl3を用いて塩化物1.2に誘導体化し、次いでヒドラジンと反応させて、中間体1.3を形成してもよい。酸の存在下、オルトギ酸トリメチルを用いてピリジン1.3を環化させて、縮合6,5−トリアゾロピリジン中間体1.4を形成してもよい。様々なクロスカップリング試薬、例えばアリールボロン酸と反応させ、続いて垂れ下がったエステルの加水分解によって、中間体1.5を得てもよい。化合物1.5を誘導体化試薬、例えばDPPAと反応させ、続いて求核剤の存在下で加熱して、一般式(I.1)の化合物を得てもよい。
反応式1
【化6】

【0123】
反応式2および3は、一般的な発明の化合物の別の製造方法を説明する。しかしながら、反応式2および3が2つの特定のサブセットの経路のみを表していること、および一般式(I)の別の化合物を製造するように、説明された経路を変更するのは可能であることは、当業者に明らかとなる。例えば、市販品として入手可能なボロン酸2.1をハロゲン化アリールとカップリングさせて、中間体2.2を得てもよい。該フルオロ基をヒドラジンで置換して、化合物2.3を得てもよく、同様に、それを酸の存在下でオルトギ酸エステルを用いて環化して、化合物2.4を得てもよい。ビニルエーテルスタンナン、または適当な同等物とカップリングさせて化合物2.5を得て、それをNBSおよびチオ尿素とさらに反応させて、一般構造1.2aを得てもよい。あるいは、2−エトキシチアゾールをスタンナン中間体2.7に変換し、次いで臭化アリール2.4と反応させて、式1.2bの追加の化合物を得てもよい。
反応式2
【化7】

【0124】
製造の別法を反応式3に概説する。臭素の酢酸溶液を用いて、ピリジルアルデヒド(3.1)を中間体3.2に臭素化してもよい。該アルデヒドをオレフィン化試薬、例えば(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド/KOtBuとさらに反応させて、ビニルエーテル3.3を得てもよい。置換チオ尿素、例えば化合物3.4の存在下、このエーテルをNBSの水溶液で処理して、置換アミノチアゾール3.5を得てもよい。加水分解によって化合物3.6を得て、それをPOCl3を用いて塩化物3.7に変換してもよい。中間体3.7をヒドラジンと反応させて、2−ヒドラジノピリジン3.8を得て、それを環化して、化合物3.9を得てもよい。化合物3.9の臭化物を様々なクロスカップリング試薬とさらに反応させて、一般式I.3の化合物を得てもよい。
反応式3
【化8】

【0125】
別の態様において、反応式4に概説する方法に従って、一般式I.4の化合物を製造してもよい。6−アミノニコチン酸メチルをモノカルバミン酸エステル(4.2)として保護し、次いで適当な還元剤、例えば水素化アルミニウムリチウムを用いて、対応のアルコール(4.3)に還元してもよい。アルコール4.3を対応のアルデヒドに酸化し、次いで反応式3のようにビニルエーテル4.5に変換してもよい。チオ尿素の存在下でNBSと反応させて、アミノチアゾール4.6を得て、それをα−ハロカルボニル種と反応させて、式4.7の化合物を得てもよい。化合物4.7を塩基水溶液とさらに反応させて、酸4.8を得て、それを一般式I.4のアミドに誘導体化してもよい。
反応式4
【化9】

【0126】
あるいは、反応式5に概説する類似の方法に従って、一般式I.5の化合物(化合物I.4と比べてコアの6員環上に追加の置換を含む)を製造してもよい。6−アミノ−5−ヨードニコチン酸メチル5.1から出発して、アルコール5.2への還元を、DIBALのような適当な還元剤を用いて達成してもよい。α−ハロケトン、例えば2−ブロモピルビン酸エチルを用いて環化して、中間体5.3を得てもよい。該アルコールを酸化して、アルデヒド5.4を得て、先に記載した方法を用いて、それを化合物5.5を介してアミノチアゾール5.6に変換してもよい。アリールボロン酸またはスタンナンによるクロスカップリングによって、化合物5.7を得て、それを化合物5.8に加水分解し、標準的なアミド結合を形成する条件下で様々なアミンにカップリングさせて、一般式I.5の化合物を得てもよい。
反応式5
【化10】

【0127】
製造についての別法を反応式6に概説する。3,5,−ジブロモピリジン−2−アミンをαハロカルボニル種、例えばクロロアセトアルデヒドと反応させて、化合物6.1を得て、それをアリールボロン酸またはスタンナンとさらに反応させて、6.2のような化合物を形成してもよい。化合物6.2を、官能性を持たせたアミノチアゾール中間体であるボロン酸またはスタンナンとさらに反応させ、続いていずれかの必要な脱保護によって、一般式I.6の化合物を得てもよい。I.6のような化合物の構築についてのさらなる方法は、3,5,−ジブロモピリジン−2−アミンをアリールボロン酸と反応させて、化合物6.3を得て、それを適当なα−ハロカルボニル試薬で環化して、6.4のような化合物を得ることによって達成されうる。該臭化物の該ボロン酸への変換によって、化合物6.5を得て、それを様々なアリールおよびハロゲン化ヘテロアリール類と反応させて、式I.6のさらなる化合物を得てもよい。
反応式6
【化11】

【0128】
別の態様において、反応式7に概説する方法に従って、一般式I.7の化合物を製造してもよい。3,5−ジブロモピラジン−2−アミンを、官能性を持たせたアリール基、例えばベンゼンボロン酸または適当なアリールスタンナンと反応させて、中間体7.1を得てもよい。化合物7.1を、官能性を持たせたヘテロ環とさらに反応させて、一般式7.2の化合物を得てもよい。中間体7.2をハロケトンと反応させて、環化した類似体7.3を得て、必要であれば、それを脱保護して、一般式I.7の化合物を得てもよい。
反応式7
【化12】

【0129】
(実施例)
以下の実施例は、本発明の部分的な範囲として提供されるものであり、本発明の範囲を限定する主旨ではない。特に断りがなければ、これらは本明細書で開示した反応式および他の方法を用いて、製造、単離、および評価されている。本明細書で用いられる略語は、上記と同義である。
【0130】
実施例において、「HPLC 条件A」とは、YMC S5 ODS−A 4.6×50mm カラム、流速4mL/分、4分 直線グラジエント溶離(開始溶媒 %B=0;最終溶媒 %B=100)、溶媒A=10% MeOH/90% H2O/0.2% H3PO4;溶媒B=90% MeOH/10% H2O/0.2% H3PO4をいう。「HPLC 条件B」とは、クロモリス(Chromolith) スピードロッド 4.6×50mm カラム、流速4mL/分、4分 直線グラジエント溶離(開始溶媒 %B=0;最終溶媒 %B=100)、溶媒A=10% MeOH/90% H2O/0.2% H3PO4;溶媒B=90% MeOH/10% H2O/0.2% H3PO4をいう。「HPLC 条件C」とは、Waters Sunfire C18 4.6×50mm カラム、流速4mL/分、4分 直線グラジエント溶離(開始溶媒 %B=0;最終溶媒 %B=100)、溶媒A=10% MeOH/90% H2O/0.1% TFA;溶媒B=90% MeOH/10% H2O/0.1% TFAをいう。
【0131】
実施例4
5−(8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−プロピルチアゾール−2−アミン
【化13】

段階1. 5−ブロモ−2−フルオロ−3−フェニルピリジンの製造
【化14】

5−ブロモ−2−フルオロピリジン−3−イルボロン酸(620mg、2.82mmol)および1−ヨードベンゼン(292μl、2.6mmol)の1,4−ジオキサン溶液(50μl)を15分間窒素バブリングによって脱気した。次いで混合液にPd(PPh34(150mg、0.13mmol)およびNa2CO3水(24μl、5.7mmol)を加え、30分間90℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)に注いだ。混合液を酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。溶離液として10% 酢酸エチルのヘキサン溶液を用いたフラッシュカラムで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、5−ブロモ−2−フルオロ−3−フェニルピリジン(2.2)(326mg、収率49.8%)を得た。
【0132】
段階2. 1−(5−ブロモ−3−フェニルピリジン−2−イル)ヒドラジンの製造
【化15】

ヒドラジン一水和物(1.76mL、13mmol)を、室温で、5−ブロモ−2−フルオロ−3−フェニルピリジン(326mg、1.29mmol)のイソプロパノール溶液(12mL)に加えた。反応混合液を5時間かけて82℃に徐々に加熱し、終夜加熱し続け、室温に冷却し、濃縮して、1−(5−ブロモ−3−フェニルピリジン−2−イル)ヒドラジンを得て、それを次の段階に直接用いた。
【0133】
段階3. 6−ブロモ−8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの製造
【化16】

オルトギ酸トリメチル(564μl、5.16mmol)を、1−(5−ブロモ−3−フェニルピリジン−2−イル)ヒドラジン(1.29mmol、クルード)のCH2Cl2溶液(12mL)に加えた。15分後、TFA(100μl、1.29mmol)を加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌し、次いで濃縮した。溶離液として酢酸エチル(50〜80%)のヘプタン溶液のグラジエントを用いたフラッシュカラムで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、6−ブロモ−8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(328.7mg、収率85%)を得た。
【0134】
段階4. (Z)−6−(2−エトキシビニル)−8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの製造
【化17】

6−ブロモ−8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(26.1mg、0.095mmol)、(Z)−トリブチル(2−エトキシビニル)スタンナン(34.6mg、0.095mmol)およびテトラエチルアンモニウムクロリド(16mg、0.095mmol)のDMF混合溶液(0.5mL)に、PdCl2(PPh32(2mg、0.005mmol)を加えた。反応液を終夜80℃で加熱し、室温に冷却し、KF水(1.1当量)の水溶液(95μl)を加え、さらに30分間撹拌し、次いで酢酸エチル(2mL)で希釈し、濾過し、酢酸エチル(8mL)ですすいだ。混合液を次いで水(2×2mL)で洗浄し、分離し、乾燥し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(50〜75 %)のグラジエントを用いたフラッシュカラムで残渣を精製して、化合物(13mg、収率52%)を得た。
【0135】
段階5. 5−(8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−プロピルチアゾール−2−アミンの製造
(Z)−6−(2−エトキシビニル)−8−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(13mg、0.049mmol)の1,4−ジオキサン(1mL)および水(1mL)溶液に、NBS(9.4mg、0.054mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。混合液に次いで1−プロピルチア尿素(1-propylthiaurea)(6.4mg、0.054mmol)を加え、10時間85〜90℃に加熱し、次いで冷却し、濃縮した。残渣を20% MeOHのジクロロメタン混合溶液に溶解し、溶離液として75% 酢酸エチルのヘキサン溶液を用いた500μm シリカゲル prep プレートで精製した。生成物を集めた(4.5mg、収率27.4%)。
LCMS :336.55 (M+H), Tr 2.98分, (条件A).
【0136】
実施例6
5−(8−(2−フルオロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミン
【化18】

段階1. 5−ブロモ−6−メトキシニコチンアルデヒドの製造
【化19】

6−メトキシニコチンアルデヒド(3g、0.0219mol)およびNaOAc(3.5g、0.0427mol)のHOAc混合溶液(10mL)に、臭素(1.64mL、0.031mol)のHOAc溶液(10mL)を30分かけて別の漏斗で加えた。混合液を5時間90℃に加熱し、室温に冷却した。反応液に氷水(100mL)を加え、NaOH水(5N)でpH=7.5に中和し、酢酸エチル(4×50mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。溶離液としてジクロロメタンを用いたフラッシュカラムで残渣を精製した。生成物含有画分を集め、濃縮して、5−ブロモ−6−メトキシニコチンアルデヒド(1.854g、収率39%)を得た。
【0137】
段階2. (E)−3−ブロモ−2−メトキシ−5−(2−メトキシビニル)ピリジンの製造
【化20】

(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(737mg、2.15mmol)のTHF溶液(10mL)に、−78℃で、t−BuOK(1M THF溶液、2.15mL、2.15mmol)を加え、0℃で30分間撹拌し、次いで0℃で、5−ブロモ−6−メトキシニコチンアルデヒド(310mg、1.435mmol)のTHF溶液(6mL)をカニューレで滴下して加えた。混合液を撹拌し、終夜徐々に室温に加温した。混合液を濃縮し、溶離液として50% 酢酸エチルのヘキサン溶液を用いたフラッシュカラムで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、(E)−3−ブロモ−2−メトキシ−5−(2−メトキシビニル)ピリジン(296.9mg、収率85%)を得た。
【0138】
段階3. 5−(5−ブロモ−6−メトキシピリジン−3−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミンの製造
【化21】

5−(5−ブロモ−6−メトキシピリジン−3−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミン(1.25g、7.56mmol)の、1,4−ジオキサン(38mL)および水(38mL)の混合液(1:1の比)の溶液に、NBS(1.57g、8.32mmol)を加え、1.5時間撹拌した。混合液に次いでイソプロピルチオ尿素(0.983g、8.32mmol)を加え、5時間75℃に加熱した。混合液を冷却し、濃縮した。残渣を濃NH4OHで中和し、沈澱を超音波処理し、濾過し、水ですすぎ、乾燥して、生成物を得た。
【0139】
段階4. 3−ブロモ−5−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)ピリジン−2(1H)−オンの製造
【化22】

5−(5−ブロモ−6−メトキシピリジン−3−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミン(390mg、1.18mmol)のTHF溶液(1mL)に、HCl(4N、10mL)を加え、終夜90℃で加熱した。混合液を室温に冷却し、NaOH水(5N)で中和し、1時間撹拌した。固形物を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、3−ブロモ−5−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)ピリジン−2(1H)−オン(359.4mg、96%)を得た。
【0140】
段階5. 5−(5−ブロモ−6−クロロピリジン−3−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミンの製造
【化23】

3−ブロモ−5−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)ピリジン−2(1H)−オンの混合物(359mg、1.14mmol)を終夜100℃で加熱し、室温に冷却した。混合液を濃縮し、ジクロロメタン(20mL)、水(3mL)および飽和NaHCO3水(3mL)を加えた。混合液を急速に撹拌し、分離した。水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、生成物(378mg、収率99%)を得た。
【0141】
段階6. 5−(8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミンの製造
【化24】

5−(5−ブロモ−6−クロロピリジン−3−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミン(341mg、1.02mmol)のn−BuOH混合溶液(5mL)に、ヒドラジン一水和物(806μl、2.55mmol)を加えた。反応混合液を封管中終夜105℃で加熱し、冷却し、濃縮した。残渣に、オルトギ酸トリメチル(335μl、3.06mmol)、CH2Cl2(5mL)を加え、10分間撹拌し、次いでTFA(118μl、1.53mmol)を加えた。反応液を45分間撹拌し続け、次いで濃縮した。残渣に水(10mL)を加え、NaHCO3で中和し、終夜撹拌し、濾過し、水ですすいだ。溶離液として5% MeOHのジクロロメタン溶液を用いたフラッシュカラムで乾燥した固形物を精製した。生成物含有画分を濃縮して、生成物(2段階で、208.1mg、収率60%)を得た。
【0142】
段階7. 5−(8−(2−フルオロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミンの製造
5−(8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチアゾール−2−アミン(19.6mg、0.0579mmol)および2−フルオロフェニルボロン酸(12.7mg、0.081mmol)のトルエン混合溶液(0.58mL)を窒素バブリングによって脱気し、次いでPd(PPh34(3.3mg、0.003mmol)、K3PO4水(2M、58μl、0.116mmol)およびエタノール(84μl)を加えた。反応混合液を終夜100℃に加熱し、室温に冷却し、EtOH(1mL)で希釈し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相プレパラティブHPLCで直接精製し、生成物含有画分を濃縮し、NaHCO3水で中和して、生成物を沈澱させた。固形物を濾過し、洗浄し、乾燥して、(9.7mg、収率47%)を得た。
LCMS 354.23, Tr 3.50分 (条件A).
【0143】
実施例7〜29
先に反応式2および3に記載した方法に従って製造したさらなる一般式3.Iの化合物を表1に説明する。
表1
【表1】







【0144】
実施例32
(R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−N−メチル−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシアミド
【化25】

段階1. (6−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)メタノールの製造
【化26】

6−アミノ−5−ヨードニコチン酸メチル(335mg、1.205mmol)のジクロロメタン溶液(18mL)に、0℃で、DIBAL(1.5M トルエン溶液、1.61mL、2.41mmol)をシリンジで滴下して加えた。反応をLC_MSでモニターし、さらにDIBAL(0.8mL、1.2mmol)を加えて、反応を完了させた。0℃で、MeOH(1mL)を滴下して加えることによって反応をクエンチし、室温で2時間撹拌し、セライト(登録商標)パッドを通して濾過し、酢酸エチルおよびジクロロメタンですすいだ。有機層を合わせて、SiO2の上へ濃縮し、それを、溶離液として、50%、80%および100% 酢酸エチルのヘプタン溶液を用いたフラッシュカラムで精製して、生成物(204mg、68mmol)を得た。
【0145】
段階2. 6−(ヒドロキシメチル)−8−ヨードH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化27】

(6−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)メタノール(0.616mmol)のTHF溶液(3mL)に、2−ブロモ酢酸エチル(123μl、0.878mmol)を加えた。混合液を還流するまで4時間加熱した。反応液を冷却し、撹拌した。固形物を濾過し、THFですすぎ、乾燥して、生成物(266mg、収率64%)を得た。
【0146】
段階3. 6−ホルミル−8−ヨードH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(5.4)の製造
【化28】

6−(ヒドロキシメチル)−8−ヨードH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(266mg、0.768mmol)およびトリエチルアミン(321μl、2.3mmol)のDMSO混合溶液(1.3mL)に、ピリジンSO3(366mg、2.3mmol)を何回かに分けて加え、15℃で2.5時間撹拌した。反応液を氷(10〜15g)でクエンチし、2.5時間撹拌した。固形物を濾過し、水ですすぎ、乾燥し、溶離液として酢酸エチル(50%)を用いたフラッシュカラムで精製した。生成物含有画分を濃縮して、アルデヒド(139mg、収率53%)を得た。
【0147】
段階4. (E)−8−ヨード−6−(2−メトキシビニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化29】

(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(239mg、0.696mmol)のTHF溶液(3mL)に、−78℃で、KOBU−t(1M THF溶液、696μl、0.696mmol)を加え、次いで氷浴中0℃で30分間撹拌した。混合液に次いで6−ホルミル−8−ヨードH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルのTHF溶液(5mL)を加え、室温で終夜撹拌した。混合液を濾過し、濃縮した。溶離液として20〜33% 酢酸エチルのヘプタン溶液を用いたフラッシュカラムで残渣を精製して、生成物(83mg、収率58%)を得た。
【0148】
段階5. (R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−ヨードインドリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化30】

(E)−8−ヨード−6−(2−メトキシビニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(83mg、0.223mmol)のTHF(1mL)および水(1mL)溶液に、NBS(44mg、0.245mmol)を加えた。混合液を室温で45分間撹拌し、次いで(R)−1−sec−ブチルチオ尿素(33mg、0.245mmol)を加えた。反応液を終夜65℃で加熱し、室温に冷却し、酢酸エチル(15mL)およびNaHCO3(1mL)および水(2mL)で希釈し、分離した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。溶離液として33〜50% 酢酸エチルのヘプタン溶液を用いたフラッシュカラムで残渣を精製して、生成物(73.2mg、収率69%)を得た。
【0149】
段階6. (R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化31】

(E)−8−ヨード−6−(2−メトキシビニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(68.6mg、0.1459mmol)およびフェニルボロン酸(25mg、0.2mmol)のトルエン混合溶液を窒素バブリングを通して15分間脱気し、次いでPd(PPh34(8.4mg、0.007mmol)、K3PO4(2M、146μl、0.29mmol)およびエタノール(180μl)を加えた。反応液を3時間75℃で加熱し、終夜80℃で加熱し続け、次いで室温に冷却した。反応液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。溶離液として33% 酢酸エチルのヘプタン溶液を用いたフラッシュカラムで残渣を精製して、生成物(66mg、100%)を得た。
LCMS: 421.2, HPLC rt 3.84分 (条件B).
【0150】
段階7. (R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸の製造
【化32】

(R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(60mg、0.1429mmol)のTHF(290μL)およびMeOH(290μL)溶液に、NaOH(1N、290μL、0.29mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。混合液を次いで濃縮し、AcOHで中和し、終夜撹拌した。沈澱を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、酸(42mg、収率77%)を得た。
【0151】
段階8. (R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−N−アルキル−8−フェニルH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシアミドの製造
(R)−6−(2−(sec−ブチルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(42mg、0.107mmol)のDMF溶液(600μL)に、HOBt(17.3mg、0.128mmol)およびEDCI(24.5mg、0.128mmol)を加えた。混合液を室温で1時間撹拌し、3つに均等に分けた。各々に、メチルアミン(2M THF溶液、45μL、0.089mmol)、エチルアミン(7.3mg、0.089mmol)またはシクロプロピルアミン(6.2μL、0.089mmol)のいずれかを加え、室温で1時間撹拌した。混合液に水(0.6mL)を加え、数時間撹拌した。固形物を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、対応のアミド(メチル−:16.3mg、収率100%)、エチル−:10.3mg、収率69%、シクロプロピル−:7.2mg、収率47%)を得た。
LCMS 406.3, HPLC Tr 3.67分 (条件B).
【0152】
実施例33
6−(2−アミノチアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル
【化33】

段階1. 6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル臭化水素酸塩の製造
【化34】

3,5−ジブロモピリジン−2−アミン(2.51g、10mmol)および3−ブロモ−2−オキソプロピオン酸エチル(2.5g、13mmol)のTHF混合溶液(50mL)を48時間加熱還流した。溶液を蒸発させ、残渣をエーテルでトリチュレートし、生じた固形物を濾過し、乾燥して、6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル臭化水素酸塩(3.0g、収率69%)を得た。
LCMS (条件C): 2.70分 (RT); (M+H)+ = 347.09 (60%), 349.09 (100%), 351. 08 (60%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 8.39 (d, 1.5 Hz, 1 H), 8.28 (s, 1 H), 7.67 (d, 1.5 Hz, 1 H), 4.46 (q, J = 7.0 Hz, 2 H), 1.43 (t, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0153】
段階2. 6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化35】

6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル臭化水素酸塩(0.5g、1.2mmol)およびフェニルボロン酸(0.15g、1.2mmol)のトルエン(10mL)およびエタノール(2mL)溶液を20分間窒素バブリングした。混合液を次いでPd(PPh34(30mg、0.026mmol)およびK3PO4(2M、1mL、2mmol)で処理し、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(10%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、白色固形物として、6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(0.23g、収率58%)を得た。
LCMS (条件C): 3.41分 (RT); (M+H)+ = 347.24 (100%), 345.24 (100%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 8.27 (d, J =1.6 Hz, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 8.02 (m, 2H), 7.52 -7.41 (m, 4 H), 4.45 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 1.42 (t, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0154】
段階3. 6−(2−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化36】

6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(0.10g、0.29mmol)および(tert−ブトキシカルボニル)(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.14g、0.33mmol)のトルエン(3mL)およびエタノール(1mL)溶液を20分間窒素バブリングした。混合液を次いでPd(PPh34(30mg、0.026mmol)およびK3PO4(2M、1mL、2mmol)で処理し、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(10〜30%)を用いたカラムクロマトグラフィで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、白色固形物として、6−(2−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)−アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(28mg、収率15%)を得た。
LCMS (条件C): 4.15分 (RT); (M+H)+ = 565.62 (100%).
【0155】
段階4. 6−(2−アミノチアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
6−(2−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(28mg)のTFA溶液(3mL)を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をNH4OH/MeOH/CH2Cl2(1:9:90)溶液で塩基性にし、次いで乾燥するまで蒸発させた。溶離液として酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製して、白色固形物として、6−(2−アミノチアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(7mg)を得た。
LCMS (条件C): 2.53分 (RT); (M+H)+ = 365.28 (100%). 1H NMR, 400 MHz, DMSO: δ 8.56 (m, 2 H), 8.11 (m, 2 H), 7.81 (s, 1 H), 7.65 (s, 1H), 7.56 - 7.47 (m, 3 H), 7.32 (bs, 2 H), 4.33 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 1.31 (t, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0156】
実施例34
6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル
【化37】

段階1. 5−ブロモチアゾール−2−イルカルバミン酸tert−ブチルの製造
【化38】

二炭酸ジ−tert−ブチル(28.90g、132.4mmol)を、室温で20分かけて、2−アミノ−5−ブロモチアゾール一臭化水素酸塩(28.64g、110.3mmol)のピリジン懸濁溶液(100mL)に何回かに分けて加えた。混合液を室温で終夜撹拌した。溶媒を蒸発させた。HCl(0.5N、200mL)と酢酸エチル(200mL)の間で残渣を抽出した。有機層を分離し、濃縮した。溶媒として10% 酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲルパッドを通して残渣を濾過した。濾液を濃縮して、白色固形物として、5−ブロモチアゾール−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(19.5g、収率63%)を得た。
LCMS (条件A): 3.40分 (RT); (M+H)+ = 225.12 (100%), 223.12 (95%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 7.27 (s, 1 H), 1.60 (s, 9 H).
【0157】
段階2. 5−ブロモチアゾール−2−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化39】

5−ブロモチアゾール−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(3g、10.7mmol)、イソプロパノール(6.40g、107.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(5.63g、21.5mmol)のTHF溶液(30mL)に、0℃で、アゾジカルボン酸ジエチルを滴下して加えた。混合液を0℃で撹拌し、終夜ゆっくりと室温まで加温した。溶媒を蒸発させた。残渣をジクロロメタン(20mL)に再溶解し、濾過して、溶解しなかった固形物を取り除いた。濾液を濃縮し、100% ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、明黄色油(3.10g、収率90%)を得た。
LCMS (条件C): 4.19分 (RT); (M+H)+ = 267.01 (100%), 265.01 (95%), 224.95 (60%), 222.95 (60%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 7.34 (s, 1 H), 5.29 (m, 1 H), 1.59 (s, 9 H), 1.45 (d, 6.8 Hz, 6 H).
【0158】
段階3. イソプロピル(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
5−ブロモチアゾール−2−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(7.5g、23.3mmol)のTHF溶液(50mL)に、−78℃で、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液、21.8mL)を滴下して加えた。溶液は橙色に変わった。溶液を−78℃で10分間撹拌し、次いで2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.49g、34.9mmol)を滴下して加えた。混合液を−78℃で2時間撹拌し、次いで室温に加温した。反応を1:1 塩化アンモニウム/水(50mL)でクエンチした。生じた混合液を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を分離し、水、食塩水で洗浄し、濃縮した。茶色固形残渣に、ヘキサン(30mL)を加えた。混合液を濾過し、濾過ケーキをヘキサン(20mL)で洗浄し、乾燥して、黄色固形物(4.17g、収率48%)として得た。
LCMS (条件C): 3.21分 (RT); (M+H)+ = 247.12 (40%), 245.12 (50%), 233.10 (75%), 231.10 (100%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 7.95 (s, 1 H), 5.37 (m, 1 H), 1.60 (s, 9 H), 1.44 (d, 6.7 Hz, 6 H), 1.34 (s, 12 H).
【0159】
段階4. 6−(2−(tert−ブトキシカルボニル−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ−[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
【化40】

6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(0.10g、0.29mmol)およびイソプロピル(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.128g、0.34mmol)のトルエン(3mL)およびエタノール(1mL)溶液を20分間窒素バブリングした。混合液を次いでPd(PPh34(30mg、0.026mmol)およびK3PO4(2M、1mL、2mmol)で処理し、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(10〜50%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、白色固形物として、6−(2−(tert−ブトキシカルボニル−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(75mg、収率53%)を得た。
LCMS (条件C): 4.30分 (RT); (M+H)+ = 507.38 (100%).
【0160】
段階5. 6−(2−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ−[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
6−(2−(tert−ブトキシカルボニル−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(75mg)のTFA溶液(4mL)を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(50〜100%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製して、明黄色固形物として、6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(50mg)を得た。
LCMS (条件C): 2.90分 (RT); (M+H)+ = 407.33 (100%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 8.25 (s, 1 H), 8.16 (m, 1 H), 8.02 (m, 2 H), 7.52- 7.43 (m, 3 H), 7.37 (d, 1 H), 7.29 (s, 1H), 4.44 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 3.60 (m, 1 H), 1.42 (m, 9 H).
【0161】
実施例35
(6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノール
【化41】

段階1. 5−(2−(ヒドロキシメチル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化42】

6−(2−(tert−ブトキシカルボニル−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(100mg、0.2mmol)のエーテル溶液を氷浴中で冷却し、固体のLAH(15mg、0.4mmol)で処理した。混合液を0℃で2時間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで希釈し、水、食塩水で洗浄し、濃縮して、5−(2−(ヒドロキシメチル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチルを得た。
LCMS (条件C): 3.36分 (RT); (M+H)+ = 465.32 (100%).
【0162】
段階2. (6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノールの製造
5−(2−(ヒドロキシメチル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(75mg)のTFA溶液(4mL)を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をNaOH(1N)で塩基性にし、CH2Cl2中に抽出した。溶媒を減圧留去し、溶離液として酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製して、明黄色固形物として、(6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)メタノールを得た。
LCMS (条件C): 1.82分 (RT); (M+H)+ = 365.31 (100%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3/CD3OD: δ 8.08 (d, 1 H), 7.89 (m, 2 H), 7.61- 7.31 (m, 6 H), 4.74 (s, 2 H), 3.71 (m, 1 H), 1.32 (d, J = 6.4 Hz, 6 H).
【0163】
実施例36
6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸
【化43】

段階1. 6−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸の製造
【化44】

6−(2−(tert−ブトキシカルボニル−(イソプロピル)アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(1.00g、2.0mmol)のTHF/MeOH溶液(2:1、15mL)を、室温で5時間、NaOH(1N、5mL、5mmol)で処理した。有機溶媒を減圧留去し、水性残渣をHCl(1N)で酸性化し、固形物をCH2Cl2中に抽出した。抽出物を水で洗浄し、濃縮して、黄色固形物として、6−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)−アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(940mg)を得た。
LCMS (条件C): 3.98分 (RT); (M+H)+ = 479.43 (100%).
【0164】
段階2. 6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸
6−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)−アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(100mg、0.2mmol)のTFA溶液(3mL)を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をHPLCで精製して、6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピジン(pydine)−2−カルボン酸(40mg)を得た。
LCMS (条件C): 2.27分 (RT); (M+H)+ = 379.34 (100%). 1H NMR, 400 MHz, DMSO: δ 8.64 (s, 1 H), 8.52 (s, 1 H), 8.13 (d, J = 7.3 Hz, 2 H), 7.83 (m, 2 H), 7.57- 7.47 (m, 3 H), 3.87 (m, 1 H), 1.23 (d, J = 6.5 Hz, 6 H).
【0165】
実施例37
6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−N−メチル−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシアミド
【化45】

段階1. イソプロピル(5−(2−(メチルカルバモイル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化46】

6−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)−アミノ)チアゾール−5−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(100mg、0.21mmol)のジクロロメタン溶液を、EDC(48mg、0.25mmol)、HOBT(34mg、0.25mmol)、Et3N(25mg、0.25mmol)、メチルアミン(2M THF溶液:3mL、6mmol)で処理し、室温で終夜撹拌した。反応混合液をロータリーエバポレーターで濃縮し、溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(50%)を用いたシリカゲルクロマトグラフィで残渣を精製して、白色固形物として、イソプロピル(5−(2−(メチルカルバモイル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(30mg、収率30%)を得た。
LCMS (条件C): 4.26分 (RT); (M+H)+ = 492.43 (100%).
【0166】
段階2. 6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−N−メチル−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシアミドの製造
イソプロピル(5−(2−(メチルカルバモイル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(30mg)の塩化メチレン溶液(2mL)をTFA(4mL)で処理し、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣を、溶離液として酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに供して、黄褐色固形物として、6−(2−(イソプロピルアミノ)チアゾール−5−イル)−N−メチル−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキシアミド(15mg)を得た。
LCMS (条件C): 2.62分 (RT); (M+H)+ = 392.14 (100%). 1H NMR, 500 MHz, CDCl3/CD3OD: δ 8.20 (s, 1 H), 8.19 (d, J=1.65 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=1.37 Hz, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.42 - 7.53 (m, 3 H), 7.36 (d, J=1.92 Hz, 1 H), 7.34 (s, 1 H), 3.55 - 3.64 (m, 1 H), 1.34 (d, J=6.32 Hz, 6 H).
【0167】
実施例38〜69
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表2に含まれる。
表2
【表2】











【0168】
6,8−ジブロモH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン塩酸塩の製造
【化47】

3,5−ジブロモピリジン−2−アミン(9.03g、35.8mmol)およびクロロアセトンアルデヒド(50% H2O溶液、9.1mL、71.6mmol)のエタノール混合溶液(50mL)を終夜50℃で加熱し、冷却し、濃縮した。残渣にアセトン(20mL)を加え、2時間急速に撹拌した。固形物を濾過し、乾燥して、6,8−ジブロモH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン塩酸塩(1)(9.7g、収率75.9%)を得た。
【0169】
6−ブロモ−8−(4−フルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造
【化48】

6,8−ジブロモH−イミダゾ[1,2−a]ピリジン塩酸塩(1.51g、4.8mmol)および4−フルオロフェニルボロン酸(0.67g、4.84mmol)のトルエン(10mL)およびエタノール(0.5mL)溶液を20分間窒素バブリングによって脱気した。混合液を次いでPd(PPh34(279mg、0.242mmol)およびK3PO4(2M、7.26mL、14.5mmol)を加え、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(8%)を用いたフラッシュカラムで残渣を精製した。生成物含有画分を固形物に濃縮し、それをジクロロメタン(10mL)で滴定し(titrated)、濾過して、黄色固形物(0.56g、収率39.8%)を得た。
【0170】
5−ブロモ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−アミンの製造
【化49】

3,5−ジブロモピリジン−2−アミン(2.95g、11.71mmol)および2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(1.85g、11.71mmol)のトルエン溶液を20分間窒素バブリングによって脱気した。混合液を次いでPd(PPh34(0.677g、0.585mmol)、K3PO4(2M、11.8mL、23.4mmol)およびエタノール(1mL)を加え、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(150mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、クルードの5−ブロモ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−アミン(3)を得て、それをさらに精製することなく次の段階に直接用いた。
【0171】
6−ブロモ−8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造
【化50】

5−ブロモ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−アミン(2)(クルード、0.93g、3.26mmol)およびクロロアセトアルデヒド(0.54mL、4.24mmol)のエタノール溶液(15mL)を終夜60℃で加熱した。反応液を冷却し、濃縮し、酢酸エチル(150mL)を加えた。混合液を食塩水(50mL)で洗浄し、分離し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(8%)を用いたフラッシュカラムで残渣を精製して、オフホワイトの固形物(4)(0.54g、収率53.6%)を得た。
【0172】
8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸の製造
【化51】

6−ブロモ−8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン(4)(185mg、0.599mmol)およびホウ酸トリイソプロピル(165μl、0.718mmol)のTHF溶液(10mL)を20分間窒素バブリングによって脱気し、窒素下−78℃で、n−BuLi(2.5M、287μl、0.718mmol)を加えた。混合液を−40℃で1時間撹拌し、次いで徐々に室温に加温し、HCl(2N、4mL)でクエンチした。混合液を室温で2時間撹拌し、NaOH水(4N)で中和し、THF(3×20mL)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮した。残渣にアセトニトリル(5mL)を加え、超音波処理し、2時間撹拌した。固形物を濾過し、アセトニトリルですすぎ、乾燥して、8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸(5)(146mg、収率88.9%)を得た。
【0173】
実施例70
5−(8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−N−(3−メチルブタン−2−イル)チアゾール−2−アミンの製造
【化52】

8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸(5)(20mg、0.073mmol)および5−ブロモチアゾール−2−イル(3−メチルブタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(25mg、0.073mmol)のトルエン(2mL)およびエタノール(100μl)溶液を20分間窒素バブリングによって脱気した。混合液を次いでPb(PPh34(4.2mg、0.00365mmol)およびK3PO4(2M、73μl、0.146mmol)を加え、終夜80℃に加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。酢酸エチルのヘキサン溶液(10〜40%)を用いたフラッシュカラムのグラジエントで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮し、ジクロロメタン(2mL)およびTFA(500μl)を加えた。混合液を室温で4時間撹拌し、濃縮した。逆相プレパラティブHPLCで残渣を直接精製し、生成物含有画分を濃縮し、NaHCO3水で中和して、生成物を沈澱させた。固形物を濾過し、洗浄し、乾燥して、5−(8−(2,4−ジフルオロフェニル)H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−N−(3−メチルブタン−2−イル)チアゾール−2−アミン(6)(10mg、収率34.4%)を得た。
【0174】
実施例71〜160
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表3に含まれる。
表3
【表3】

























【0175】
実施例161
2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル
【化53】

段階1. 2−(6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル塩酸塩の製造
【化54】

3,5−ジブロモピリジン−2−アミン(9.03g、35.8mmol)および4−クロロ−3−オキソブタン酸メチル(2.0g、13mmol)のTHF混合溶液(50mL)を48時間加熱還流した。固形物を濾過し、乾燥して、2−(6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル塩酸塩(1.48g、収率36%)を得た。
LCMS B: 1.54分 (RT); (M+H)+ = 347.07 (75%), 349.07 (100%), 351. 04 (75%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 9.01 (d, 1.4 Hz, 1 H), 8.38 (s, 1 H), 8.07 (d, 1.4 Hz, 1 H), 4.25 (s, 2 H), 3.40 (s, 3 H).
【0176】
段階2. 2−(6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチルの製造
【化55】

2−(6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル塩酸塩(0.26g、0.68mmol)およびフェニルボロン酸(0.083g、0.68mmol)のトルエン(9mL)およびエタノール(0.5mL)溶液を20分間窒素バブリングした。混合液を次いでPd(PPh34(26mg、0.022mmol)およびK3PO4(2M、1mL、2.0mmol)で処理し、終夜80℃で加熱した。反応液を冷却し、酢酸エチル(200mL)に注ぎ、食塩水で洗浄し、分離し、濃縮した。溶離液として酢酸エチルのヘキサン溶液(10〜25%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで残渣を精製した。生成物含有画分を濃縮して、白色固形物として、2−(6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル(170mg、収率73%)を得た。
LCMS B: 2.11分 (RT); (M+H)+ = 347.21 (100%), 345.21 (100%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 8.20 (d, J =1.6 Hz, 1 H), 7.96 (m, 2 H), 7.65 (s, 1H), 7.50 -7.40 (m, 3 H), 7.33 (d, J= 1.6 Hz, 1 H), 3.92 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H).
【0177】
段階3. 2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル
実施例34,段階4に類似する方法で、イソプロピル(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルおよび2−(6−ブロモ−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチルから製造した。
LCMS 407.4, HPLC Tr 2.02分 (条件C).
【0178】
実施例162
2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N−メチルアセトアミド
【化56】

実施例32,段階7〜8に類似する方法で、実施例162を2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチルから製造した。
LCMS 406.7 (M+H), HPLC Tr 1.84分 (条件C).
【0179】
実施例163
2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)エタノール
【化57】

実施例35に類似する方法で、実施例163を2−(6−(5−(イソプロピルアミノ)チアゾール−2−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチルから製造した。
LCMS 379.4 (M+H), HPLC Tr 1.84分 (条件C).
【0180】
実施例164〜170
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表4に含まれる。
表4
【表4】



【0181】
イソプロピル(チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化58】

Boc−2−アミノチアゾール(400mg、2mmol)のTHF溶液(8mL)に、0℃で、トリフェニルホスフィン(655mg、2.5mmol)およびIPA(0.19mL、2.5mmol)を加えた。DEAD(0.39mL< 2.5mmol)を加え、反応液を室温に加温した。反応液を2時間撹拌し、次いで−20℃で終夜保存した。反応液を次いで油に濃縮し、シリカゲル(2.5% EtOAc/ヘプタン)で直接精製して、イソプロピル(チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(432mg、収率90%)を得た。
【0182】
イソプロピル(5−(トリブチルスタンニル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化59】

LDA(0.55M 1.1mmol、2M)をRBF含有THF(5mL)に加え、−78℃に冷却した。イソプロピル(チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(242mg、1mmol)のTHF溶液(5mL)をカニューレで加え、生じた溶液を−78℃で2時間撹拌した。塩化トリブチルスズ(0.27mL、1mmol)を加え、反応混合液をゆっくりと室温に加温し、次いで終夜撹拌した。反応混合液を次いでNH4Cl(2mL、飽和水溶液)でクエンチし、水で希釈した。混合液を次いでEtOAc(3×25mL)で抽出し、有機抽出物を合わせて、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(SiO2、2% EtOAc/ヘプタン)で生成物を単離して、無色油として、生成物(214mg、収率40%)を得た。
【0183】
実施例171
N−イソプロピル−5−(8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)チアゾール−2−アミン
【化60】

段階1. 5−ブロモ−3−フェニルピラジン−2−アミンの製造
【化61】

3,5−ジブロモピラジン−2−アミン(214mg、0.83mmol)およびフェニルボロン酸(100mg、0.8mmol)のトルエン混合溶液(8mL)を脱気し、窒素を3回逆充填した(backfilled)。Pd(PPh34(46mg)を加え、続いてK3PO4(2M、0.8mL)およびEtOH(1mL)を加えた。混合液を18時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、EtOAc(25mL)と水(5mL)の間で分液した。層を分離し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、油に濃縮し、それをシリカゲルクロマトグラフィ(15% EtOAc/ヘプタン)で精製して、生成物(187mg、収率95%)を得た。
【0184】
段階2. 2−(5−アミノ−6−フェニルピラジン−2−イル)チアゾール−5−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化62】

5−ブロモ−3−フェニルピラジン−2−アミン(26mg、0.1mmol)およびイソプロピル(5−(トリブチルスタンニル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(80mg、0.15mmol)のDMF溶液(0.4mL)に、PdCl2(PPh32(7mg、0.01mmol)を加え、続いてDIPEA(0.044mL、0.25mmol)を加え、反応液を18時間85℃で加熱した。反応混合液を室温に冷却し、EtOAc(6mL)および水(2mL)で希釈した。層を分離し、水層をさらにEtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせて、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(SiO2、25% EtOAc/ヘプタン)で生成物を単離して、生成物(44mg、収率100%)を得た。
【0185】
段階3. イソプロピル(2−(8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)チアゾール−5−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造
【化63】

2−(5−アミノ−6−フェニルピラジン−2−イル)チアゾール−5−イル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(23.7mg、0.06mmol)のEtOH溶液(0.25mL)に、クロロアセトアルデヒド(11.8μl、50% 水溶液)を加え、反応混合液を次いで24時間60℃に加熱し、次いで乾燥するまで濃縮した。粗生成物を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく用いた。
【0186】
段階4. N−イソプロピル−5−(8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)チアゾール−2−アミンの製造
段階3で製造したクルードのイソプロピル(2−(8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)チアゾール−5−イル)カルバミン酸tert−ブチルをジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、TFA(0.5mL)を加えた。反応混合液を4時間撹拌し、溶媒を次いで除去した。残渣を水(0.5mL)に溶解し、NaHCO3(飽和水溶液)で中和した。固形物を終夜撹拌し、濾過し、分取プレートクロマトグラフィ(50% EtOAc/ヘプタン)で精製して、黄色固形物として、N−イソプロピル−5−(8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)チアゾール−2−アミン(9.5mg、収率49%)を得た。
LCMS 336.2 (M+H), HPLC 3.49分 (条件B).
【0187】
実施例172〜175
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表5に含まれる。
表5
【表5】



【0188】
実施例176
5−(8−エトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチオフェン−2−アミン
【化64】

段階1. 6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−オール塩酸塩の製造
【化65】

2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−ブロモピリジン(Heterocycles, 1995, 41, 2799)(124mg、0.65mmol)をEtOH(3mL)に溶解し、クロロアセトアルデヒド(0.2mL、1.3mmol、50% 水溶液)を加え、生じた溶液を終夜60℃で加熱した。溶媒を次いで除去し、固形物をアセトンから結晶化して、6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−オール塩酸塩(151mg、92%)を得た。
【0189】
段階2. 6−ブロモ−8−エトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造
【化66】

6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−オール塩酸塩(40mg、0.16mmol)およびCs2CO3(104mg、0.32mmol)のアセトン(0.64mL)およびDMF(0.2mL)溶液に、臭化エチル(12μl)を加えた。反応液を48時間撹拌し、次いで揮発性溶媒を除去し、残渣に次いで水(0.8mL)を加えた。生じた固形物を撹拌し、濾過し、水ですすいだ。濾過水をEtOAcで抽出し、次いで固形粗生成物と混合した。カラムクロマトグラフィ(25%次いで50% EtOAc/ヘプタン)で残渣を精製して、生成物(19mg、収率50%)を得た。
【0190】
段階3.
上記の段階2の生成物(19mg)に、イソプロピル(5−(トリブチルスタンニル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(64mg、0.12mmol)およびDMF(0.5mL)を加えた。PdCl2(PPh32(5.6mg、0.008mmol)を加え、反応混合液を24時間85℃で加熱した。反応液を次いで室温に冷却し、溶液をシリカゲルプラグ(50% EtOAc/ヘプタン)に直接適用し(applied)、生成物含有画分を濃縮し、さらに精製することなく直接用いた。
【0191】
上記の粗固形物をジクロロメタン(1mL)に溶解し、TFA(0.25mL)を加え、終夜撹拌した。溶媒を除去し、生じた油にNaHCO3(91mL、飽和水溶液)を加えた。固形物を集め、次いでHPLCで精製して、TFA塩として、5−(8−エトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−N−イソプロピルチオフェン−2−アミン(11.3mg、収率47%)を得た。
LCMS 303.22 (M+H); HLPC Tr 1.98分 (条件B).
【0192】
実施例177〜179
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表6に含まれる。
表6
【表6】

【0193】
実施例180
6−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化67】

実施例70に類似する方法で、4−ブロモ−5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾールから出発して実施例180を製造した。
LCMS 351.3 (M+H); HPLC Tr 3.35分 (条件B).
【0194】
実施例181
2−(8−フェニル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)酢酸メチル
【化68】

実施例161,段階3に類似する方法で、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルを用いて実施例181を製造した。
LCMS 333.3 (M+H); HPLC Tr 1.92分 (条件C).
【0195】
実施例182
エチル8−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−イソブチルチアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸
【化69】

段階1. 2−イソブチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾール
【化70】

5−ブロモ−2−イソブチルチアゾール(2.10g、9.54mmol)のTHF溶液(20mL)に、−78℃で、1.6M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(7.15mL、11.44mmol)を45分かけて滴下して加えた。生じた溶液を−78℃で10分間撹拌した。次いで2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.13g、11.44mmol)を上記の溶液に加え、−78℃で1.5時間撹拌した。反応を1:1 飽和塩化アンモニウムおよび水でクエンチし、室温付近まで加温した。生じた混合物を酢酸エチルで抽出し、水、食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣を30% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに供して、黄色油(454mg、収率18%)を得た。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: δ 8.13 s, 1 H), 2.95 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 2.10-2.19 (m, 1 H), 1.36 (s, 12 H), 1.00 (d, J = 6.6 Hz, 6 H).
【0196】
実施例33,段階2に類似する方法で、実施例182を製造した。
LCMS (条件C): 3.92分 (Tr); (M+H)+ = 442.29 (100%), 443.32 (30%), 444.32 (10%).
【0197】
実施例183
8−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−イソブチルチアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−メタノール
【化71】

8−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−イソブチルチアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(47.2mg、0.107mmol)のTHF溶液(2mL)に、水素化アルミニウムリチウム粉末(12.2mg、0.321mmol)を加えた。混合液を室温で終夜撹拌し、次いでNaOH(1N、12mL)および水(3mL)を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃縮した。残渣を80% 酢酸エチルおよびヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに供して、白色固形物(3.9mg、収率9%)を得た。
LCMS (条件C): Tr 2.83分; (M+H)+ = 400.25 (100%), 401.36 (20%), 402.36 (10%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 8.22 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.81 (m, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.00-6.88 (m, 2H), 4.78 (s, 2H), 2.84 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.08 (m, 1H), 0.97 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0198】
実施例184
8−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−イソブチルチアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸
【化72】

8−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−イソブチルチアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸エチル(47.7mg、0.108mmol)のMeOH(2mL)およびTHF(2mL)溶液に、NaOH(1N、2mL)を加えた。混合液を室温で終夜撹拌した。混合液を濃縮し、EtOAc(10mL)で希釈し、水(5mL)で洗浄し、濃縮した。分取HPLCで残渣を精製して、TFA塩の形態として、白色固形物(32mg、収率56%)を得た。
LCMS (条件C): Tr 3.55分; (M+H)+ = 414.29 (100%), 415.37 (20%), 416.26 (10%). 1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 8.37 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.88 (m, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.13-7.03 (m, 2H), 2.96 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.18 (m, 1H), 1.06 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0199】
実施例186
上記で概説した一般的な方法に従って製造したさらなる化合物は表7に含まれる。
表7
【表7】

【0200】
実施例189
2−イソブチル−5−(8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール
【化73】

段階1. 5−ブロモ−2−イソブチルチアゾール
【化74】

2−イソブチルチアゾール(600mg、4.25mmol)のDMF溶液(2mL)に、N−ブロモコハク酸イミド(1.134g、6.37mmol)を加えた。混合液を室温で3時間撹拌し、次いで10% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに供して、黄色油(815.2mg、収率87%)を得た。
LCMS (条件C): Tr 3.51分; (M+H)+: 219.90 (100%), 221.90 (100%).
【0201】
段階2.
実施例34,段階4に記載した手順を用いて、5−ブロモ−2−イソブチルチアゾールおよび8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸から実施例189を製造した。
LCMS (条件C): Tr 2.86分. ; (M+H)+: 348.0
【0202】
実施例190
2−(イソプロピルチオ)−5−(8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール
【化75】

段階1. 2−(イソプロピルチオ)チアゾール
【化76】

チアゾール−2−チオール(300mg、2.56mmol)、イソプロパノール(154mg、2.56mmol)およびトリフェニルホスフィン(671.5mg、2.56mmol)のTHF溶液(5mL)に、室温で、DEAD(445.8mg、2.56mmol)を滴下して加えた。混合液を室温で3時間撹拌した。t.l.c.に従って反応を完了した。反応混合液を週末にかけて撹拌し、次いで濃縮し、溶媒として10% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに残渣を供して、無色油(260mg、収率64%)を得た。
【0203】
段階2. 5−ブロモ−2−(イソプロピルチオ)チアゾール
【化77】

2−(イソプロピルチオ)チアゾール(260mg、1.63mmol)のDMF溶液(2mL)に、N−ブロモコハク酸イミド(435.8mg、2.45mmol)を加えた。混合液を室温で3時間撹拌し、次いで10% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに供して、黄色油(390mg、収率100%)を得た。
LCMS (条件C): Tr 3.67分; (M+H)+: 237.86 (30%), 239.86 (30%), 195.86 (100%), 197.86 (100%).
【0204】
段階3.
実施例34,段階4に記載した手順を用いて、5−ブロモ−2−(イソプロピルチオ)チアゾールおよび8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸から製造した。
LCMS (条件C): Tr 2.96分; (M+H)+: 366.3.
【0205】
実施例191
2−(エトキシ)−5−(8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)チアゾール
【化78】

段階1. 5−ブロモ−2−エトキシチアゾール
【化79】

2−イソプロポキシチアゾール(300mg、2.32mmol)のDMF溶液(2mL)に、N−ブロモコハク酸イミド(620mg、3.48mmol)を加えた。混合液を室温で3時間撹拌し、次いで10% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィに供して、無色油(440mg、収率91%)を得た。
LCMS (条件C): Tr 3.27分; (M+H)+: 207.88 (20%), 209.88 (20%), 179.87 (100%), 181.87 (100%).
【0206】
段階2.
実施例34,段階4に記載した手順を用いて、5−ブロモ−2−(イソプロピルオキシ)チアゾールおよび8−o−トリルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルボロン酸から実施例190を製造した。
LCMS (条件C): Tr 2.63分; (M+H)+: 336.31
【0207】
実施例192
実施例におけるイミダゾ環がトリアゾロ環であることを除いては、上記の反応式1、2または3を用いて、実施例32〜39、41、45、47〜67、70〜92、94〜98、101〜110、112〜146、149〜153、156〜159、161〜170、176〜186および189〜191のイミダゾピリジン化合物に類似するトリアゾロピリジン化合物を製造した。
【0208】
実施例193
実施例におけるイミダゾ環がトリアゾロ環であり、並びに実施例におけるピラジン環がピリジン環であることを除いては、上記の反応式1、2または3を用いて、実施例171〜175のイミダゾピラジン化合物に類似するトリアゾロピリジン化合物を製造した。
【0209】
試験データ
以下の表8におけるデータは、選択された実施例の活性を記載する。上記のアッセイを用いてデータを得た。
【0210】
好ましい本発明のトリアゾロピリジン化合物は、約0.1μM未満、好ましくは約0.05μM未満、より好ましくは約0.02μM未満および最も好ましくは約0.01μM未満のp38阻害活性(IC50)を有する。好ましいp38阻害活性(IC50)に適した範囲には、約0.01μM〜約0.1μM、好ましくは約0.01μM〜約0.02μMが含まれる。
【0211】
好ましい本発明のイミダゾピリジン化合物は、約0.04μM未満、好ましくは約0.03μM未満、より好ましくは約0.006μM未満および最も好ましくは約0.003μM未満のp38阻害活性(IC50)を有する。IC50は0.001μMの低さであってもよい。好ましいp38阻害活性(IC50)に適した範囲には、約0.003μM〜約0.04μM、好ましくは約0.003μM〜約0.006μMが含まれる。
【0212】
好ましい本発明のイミダゾピラジン化合物は、約0.1μM未満、好ましくは約0.06μM未満、より好ましくは約0.04μM未満および最も好ましくは約0.02μM未満のp38阻害活性(IC50)を有する。好ましいp38阻害活性(IC50)に適した範囲には、約0.02μM〜約0.1μM、好ましくは約0.02μM〜約0.04μMが含まれる。
表8
【表8】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中、
1は、適宜置換されていてもよいチアゾリルであり;並びに
2は、水素、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいシクロアルコキシ、適宜置換されていてもよいアリールオキシ、適宜置換されていてもよいアリールアミノ、適宜置換されていてもよい単環式アリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキルおよび適宜置換されていてもよいシクロアルケニルからなる群から選択されるが、但し、
(i)R1が置換チアゾリルである場合、該チアゾリルはエトキシで置換されておらず;並びに
(ii)R2が置換フェニルである場合、該フェニルはトリフルオロメチルまたはメチルスルホニルで置換されていない]
の化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび医薬的に許容される塩。
【請求項2】
1が、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される置換基で、炭素原子において適宜置換されていてもよいチアゾリルである、請求項1の化合物。
【請求項3】
1が、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロ、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択される置換基で、2位において適宜置換されていてもよいチアゾール−5−イルである、請求項1または2の化合物。
【請求項4】
1が、適宜置換されていてもよいアミノで、2位において置換されたチアゾール−5−イルである、請求項1〜3のいずれか1つの化合物。
【請求項5】
1が、低級アルキルアミノで、2位において置換されたチアゾール−5−イルである、請求項1〜4のいずれか1つの化合物。
【請求項6】
1が、
【化2】

からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1つの化合物。
【請求項7】
2が、水素および適宜置換されていてもよい単環式アリールからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1つの化合物。
【請求項8】
2が適宜置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜7のいずれか1つの化合物。
【請求項9】
2が、適宜置換されていてもよい低級アルキル、適宜置換されていてもよいアルコキシ、適宜置換されていてもよいアルキルチオ、適宜置換されていてもよいアルケニル、適宜置換されていてもよいアルキニル、ヒドロキシ、シアノ、適宜置換されていてもよいアリール、適宜置換されていてもよいヘテロシクロ、適宜置換されていてもよいシクロアルキル、適宜置換されていてもよいシクロアルケニル、適宜置換されていてもよいチオール、適宜置換されていてもよいアルコキシカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニル、適宜置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、適宜置換されていてもよいアミノ、適宜置換されていてもよいアミド、適宜置換されていてもよいアミジニル、適宜置換されていてもよいカルバモイル、適宜置換されていてもよいカルバメート、適宜置換されていてもよい尿素、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミン、適宜置換されていてもよいヒドロキシルアミド、ハロおよびハロアルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項1〜8のいずれか1つの化合物。
【請求項10】
2が、ハロ、シアノ、C1−C4アルキルおよびヒドロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項1〜9のいずれか1つの化合物。
【請求項11】
1が適宜置換されていてもよいチアゾリルであり、並びにR2が適宜置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜10のいずれか1つの化合物。
【請求項12】
少なくとも1つの請求項1〜11のいずれか1つの化合物、並びに医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が固形製剤である、請求項12の医薬組成物。
【請求項14】
炎症障害の治療剤の製造における、請求項1〜13のいずれか1つの化合物の使用。
【請求項15】
該炎症障害が、多発性硬化症、喘息、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶、アテローム性動脈硬化症、多発性骨髄腫、疼痛、心筋虚血および関節リウマチからなる群から選択される、請求項14の使用。

【公表番号】特表2011−525184(P2011−525184A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514794(P2011−514794)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/047728
【国際公開番号】WO2009/155389
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】