説明

キナーゼ阻害剤として有用なピロロトリアジンアニリン化合物

【課題】p38キナーゼはTNF−α生産の重要な媒体である。これらのキナーゼは、前駆炎症性サイトカイン、エンドトキシン、紫外線、浸透圧衝撃等を含む種々の外圧刺激に反応して活性化される。ピロロトリアジン化合物、より詳しくは、p38キナーゼ関連症状の治療に有用なシクロアルキル、ヘテロシクロおよびヘテロアリールピロロトリアジンアニリン化合物を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、および溶媒和物であるキナーゼ阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピロロトリアジン化合物、より詳しくは、p38キナーゼ関連症状の治療に有用なシクロアルキル、ヘテロシクロおよびヘテロアリールピロロトリアジンアニリン化合物に関する。本発明は更に、本発明化合物を少なくとも一種含有する、p38キナーゼ関連症状の治療に有用な医薬組成物および哺乳動物におけるp38キナーゼ活性阻害方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IL−1、IL−6,IL−8およびTNF−αを含む数多くのサイトカインが炎症性反応に関与している。IL−1やTNF−αのようなサイトカインの過剰生成が炎症性腸疾病、リュウマチ性関節炎、乾癬、多発性硬化症、エンドトキシンショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病、鬱血性心不全等々を含む多種の疾病に関わり合っている[Henry et al., Drugs Fut., 24:1345-1354(1999); Salituro et al., Curr.Med.Chem., 6:807-823(1999)]。人患者において、サイトカインの蛋白性アンタゴニスト、例えばTNF−αに対するモノクローナル抗体(Enbrel) [Rankin et al., Br.J.Rheumatol., 34:334-342(1995)]や溶解性TNF−α受容体−Fc融合蛋白(Etanercept) [Moreland et al., Ann.Intern.Med., 130:478-486(1999)]、が慢性炎症性疾病の治療に有効であることが証明されている。
【0003】
TNF−αの生合成が、例えば分裂促進剤、感染性微生物あるいは外傷等の外部刺激に対する反応として、多くのタイプの細胞中で生起する。TNF−α生産の重要な媒体は分裂促進剤で活性化された蛋白(MAP)であり、特にp38キナーゼがそうである。これらのキナーゼは、前駆炎症性サイトカイン、エンドトキシン、紫外線、浸透圧衝撃等を含む種々の外圧刺激に反応して活性化される。p38の活性化には、p38アイソザイムに特有のThr−Gly−Tyrモチーフ範囲内のスレオニンおよびチロシン上のMAP上流キナーゼキナーゼ(MKK3およびMKK6)による二重リン酸エステル化が必要とされる。
【0004】
p38−α、p38−β、p38−γおよびp38−δという4種のp38イソフォームが知られている。αアイソフォームとβアイソフォームは炎症性細胞中で発現されTNF−α産生の重要媒体である。細胞中のp38αおよびβ酵素の阻害はTNF−α発現レベルの減少をもたらす。また、炎症疾病モデル動物へのp38αおよびβ阻害剤の投与により、このような阻害剤がこれら疾病の治療に有効であることが証せられている。このように、p38酵素はIL−1やTNF−αにより媒介される炎症プロセスに重要な役割を果たしている。p38キナーゼやIL−1やTNF−αのようなサイトカインを阻害し、炎症性疾病の治療に使用されると報告されている化合物は、Scios, Inc所有のUS Pats. No.6,277,989および6,130,235;Vertex Pharmaceuticals Inc所有のUS Pats No.6,147,080および5,945,418;Smith-Kline Beecham Corp所有のUS Pats No.6,251,914、5,977,103および5,658,903;G.D.Searle & Co.所有のUS Pats. No.5,932,576および6,087,496;Astra Zeneca所有のWO 00/56738およびWO 01/27089;Johnson & Johnson所有の WO 01/34605、WO 00/12497(p38阻害剤としてのキナゾリン誘導体)、WO 00/56738(同目的のピリジンおよびピリミジン誘導体)、WO 00/12497(論説 p38阻害剤間の関連性)およびWO 00/12074(p38阻害剤として有用なピペラジンおよびピペリジン化合物)に開示されている。
【0005】
本発明は、キナーゼ阻害剤特にキナーゼp38αおよびβに対する阻害剤として有用な、ある種のピロロトリアジン化合物、特にピロロトリアジンアニリン化合物を提供する。チロシンキナーゼ阻害剤として有用なピロロトリアジン化合物が、本出願所有者に譲渡されている2000年5月18日出願のUS特許出願No.09/573,829中に開示されている。p38キナーゼ関連症状の治療方法ならびにこの目的に有効なピロロトリアジン化合物がU.S.出願No.10/036,293に記述されている。該出願の発明者は本出願と共通であって、該出願は本出願所有者に譲渡され、2000年11月17日出願の仮出願No.60/249,877、および2001年8月7日出願の仮出願No.60/310,561の優先権を主張する。sPLA2−阻害活性を有するものとして報告されている酸性基で置換されたピロロトリアジン化合物が2001年5月1日に日本語で公開された塩野義製薬(株)所有のWO01/14378A1に開示されている。これらの特許出願、特許および刊行物をここに参考として援用する。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、式(I)の化合物、
【化1】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物に関するものであり、
式中、Xは−O−、−OC(=O)−、−S−、−S(=O)−、−SO2−、−C(=O)−、−CO2−、−NR8−,−NR8C(=O)−、−NR8C(=O)NR9−、−NR8CO2−、−NR8SO2−、−NR8SO2NR9−、−SO2NR8−、−C(=O)NR8−、ハロゲン、ニトロ、およびシアノより選択され、またはXは存在せず;
Zは、−C(=O)NR10−Bb、−(CH2)−C(=O)NR10−Bc、−NR10aC(=O)−Ba、−(CH2)−N10aC=(O)−Bc、−NR10aC(=O)NR10−B、−NR10SO2−B、−S02NR10−B、−C(=O)−Ba、−CO2−Be、−OC(=O)−Ba、−C(=O)NR10−NR10a−Bd、−NR10CO2−Baまたは−C(=O)NR10−(CH2)C(=O)Ba
【0007】
Bは
(a)任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ若しくは任意で置換されたヘテロアリール、または
(b)1個のR11および0個から2個のR12で置換されたアリールであり;
aは任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール、若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;
b
(a)任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ若しくは任意で置換されたヘテロアリール、
(b)1個のR11および0個から2個のR12で置換されたアリール、または
(c)−C(=O)R13、−CO213、−C(=O)NR1313aであり;
【0008】
cは任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルコキシ、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;
dは水素、−C(=O)R13または−CO213であり;
eは水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;
【0009】
lとR5はそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、−OR14、−SR14、−OC(=O)R14、−CO214、−C(=O)NR1414a、−NR1414a、−S(=O)R14、−SO214、−SO2NR1414a、−NR14SO2NR14a14b、−NR14aSO214、−NR14C(=O)R14a、−NR14CO214a、−NR14C(=O)NR14a14b、ハロゲン、ニトロおよびシアノから選択され;
2は水素またはC1-4アルキルであり;
3は水素、メチル、パーフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、シアノ、NH2またはNH(CH3);
【0010】
4は下記より選択され
a)水素原子、但し、もしもXが−S(=O)−、−SO2−、−NR8CO2−または−NR8SO2−の場合、R4は水素でなく、
b)それぞれ独立してケトおよび/または1個から4個のR17で任意に置換されてもよいアルキル、アルケニルおよびアルキニル、
c)いずれも任意で独立して1個から3個のR16で置換されていてもよいアリールおよびヘテロアリール、
d)いずれも任意で独立してケトおよび/または1個から4個のR16で置換されてもよいヘテロシクロおよびシクロアルキル、
e)Xがハロゲン、ニトロまたはシアノの場合、R4は存在せず;
【0011】
6はフェニル環Aの置換可能な任意の炭素原子に結合して、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、アルキルスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、フェニル、ベンジル、アリールオキシおよびベンジルオキシから独立して選択され、いずれのR6も1個から2個のR18で更に置換されていてもよく;
【0012】
8およびR9は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから選択され;
10およびR10aは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびアリールから選択され;
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(a)いずれも任意で置換されてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−SO2アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロおよびヘテロアリール、または
(b)ハロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択され;
【0013】
12はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1-4アルキルから選択され;
13およびR13aは水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキルおよび任意で置換されたアリールから独立して選択され;
14、R14aおよびR14bは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから独立して選択され、但し、R14が−S(=O)R14、−SO2l4および−NR14aSO214としてスルホニル基に組み込まれた場合、R14は水素でなく;
【0014】
16はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1-4アルキルから選択され;
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(a)ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、−SR23、−OR23、−NR2324、−NR23SO225、−SO225、−SO2NR2324、−CO223、−C(=O)R23、−C(=O)NR2324、−OC(=O)R23、−OC(=O)NR2324、−NR23C(=O)R24、−NR23CO224
(b)1個から3個のR26で任意に置換されたアリール若しくはヘテロアリール、
(c)ケト(=O)および/または1個から3個のR26で任意に置換されてもよいシクロアルキル若しくはヘテロシクロから選択され;
【0015】
18とR26は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、アルコキシ、C1-4アルキルチオ、アリール、ヘテロシクロ、(アリール)アルキル、アリールオキシ、(アリール)アルコキシから独立して選択され、
23とR24は、水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロから独立して選択され、
25はアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロから選択され;
mは0、1、2または3である。
本発明は更に、式(I)の化合物を含む薬学的組成物、および哺乳類に式(I)の化合物を薬学的に許容される量を投与することよりなるp38キナーゼ(αとβ)活性に関連した疾患の治療方法に関する。
【0016】
発明の記述
以下に掲げたのは、本発明の記述に使用される種々の語の定義である。他に特定の例への限定がなければ、これら定義は独立しておよびより大きな基の一部として、本明細書中で使用される。
「アルキル」という語は炭素原子数1から20,好ましくは1から7の直鎖まはた分枝鎖の無置換炭化水素基をいう。「低級アルキル」という表現は炭素原子数1から4の無置換アルキル基をいう。アルキル基またはその他の基について下付文字が使用されているとき、それはその基が有していてもよい炭素原子の数を意味する。例えば、C0-4アルキルという用語は結合手と炭素原子数1から4のアルキル基を含む。
【0017】
「置換アルキル」という語はハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ケト(=O)、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、NRab、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、−SO2NRab、ニトロ、シアノ、−CO2H、−CONRab、アルコキシカルボニル、アリール、グアニジノおよびヘテロアリールまたはヘテロシクロ(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリール、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル等)から選ばれた1個から4個の置換基で置換されたアルキル基をいい、ここでRaおよびRbは水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロ、およびヘテロシクロアルキルから選ばれる。アルキル基における置換基はまた場合によって更に置換されていてもよく、その場合C1-4アルキル、C2-4アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシおよび/またはベンジルオキシのうちの1またはそれ以上で置換される。
【0018】
「アルケニル」という語は2から20の炭素原子数、好ましくは2から15の炭素原子数、最も好ましくは2から8の炭素原子数の直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいい、少なくとも1個そして炭素原子数に応じて最高4個までの二重結合を有する。
「置換アルケニル」という語は置換アルキルについて上記に挙げたものから選ばれる1個から2個の置換基で置換されたアルケニル基をいう。
「アルキニル」という語は2から20個の炭素原子数、好ましくは2から15個の炭素原子数、最も好ましくは2から8の炭素原子数の直鎖または分枝鎖を有する炭化水素基をいい、少なくとも1個、炭素原子数に応じて最高4個までの三重結合を有する。
【0019】
「置換アルキニル」という用語はアルキルについて上記に挙げたものから選ばれる1から2個の置換基で置換されたアルキニル基をいう。
アルキルの語が、ヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルのように他の基と一緒に用いられるとき、これは特定の(最初に名前の挙げられた)基が分枝鎖または直鎖状アルキル基に直接結合していることを意味する(例えば、シクロプロピルC1-4アルキルは1から4個の炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖アルキル基に直接結合したシクロプロピル基を意味する)。置換シクロアルキルアルキルというような置換基の場合にあっては、この基のアルキル部分は、分枝または直鎖状であってよいことに加えて、置換アルキル基について上記に挙げたように置換されていてもよく、および/または最初に名前の挙げられた基(例えばシクロアルキル)がここでいうように置換されていてもよい。
「ハロゲン」または「ハロ」という語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
【0020】
「アリール」という語は環部分の炭素原子数6から12の単環または二環の芳香族性置換または無置換の炭化水素基をいい、例えばフェニル、ナフチル、およびビフェニル等である。アリール基は任意でこれに縮合した1個から3個の追加的環(シクロアルキル、ヘテロシクロ又はヘテロアリール)を含んでもよい。例としては
【化2】

【0021】
等である。アリールの各環は場合によって1から3個のRc基で置換されていてもよく、ここで各Rcはアルキル、置換アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、−SR、−OR、−NRR’、−NRSO2R’、−SO2R、−SO2NRR’、−CO2R’、−C(=O)R’、−C(=O)NRR’、−OC(=O)R’、−OC(=O)NRR’、−NRC(=O)R’、−NCO2R’、フェニル、C3-7シクロアルキル、および5ないし6員のヘテロシクロまたはヘテロアリールから選ばれ、ここで各RおよびR’は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、フェニル、C3-7シクロアルキルおよび5ないし6員のヘテロシクロまたはヘテロアリールから選ばれ、スルホニル基の場合は、Rは水素ではない。各置換基Rcは更に場合によって1個ないしそれ以上(好ましくは0個から2個)のRd基で置換されていてもよく、ここでRdはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルオキシおよびベンジルオキシから選ばれる。
【0022】
「アラルキル」という語はアルキル基に直接結合したアリール基をいい、例えばベンジルがあり、ここでアルキル基は直鎖状または分枝鎖状である。置換アラルキルの場合にあっては、この基のアルキル部分は分枝鎖または直鎖であってもよいことに加えて、置換アルキル基について上記に挙げたように置換されていてもよくおよび/またはアリール部分がアリールについてここで挙げたように置換されていてもよい。かくして、「任意で置換されたベンジル」は基
【化3】

をいい、ここでR基は水素または上記したようなRcから選ばれるものであってもよく、更にこのRcは1またはそれ以上のRdで置換されていてもよい。これらのRのうち少なくとも2個は水素でなければならず、好ましくはこれらRのうち少なくとも5個が水素である。好ましいベンジル基は
【0023】
【化4】

と定義される、分枝鎖状になったアルキル部分を含む。
【0024】
「ヘテロアリール」という語は置換または非置換の芳香族の基であり、例えば4から7員の単環、7から11員の二環あるいは10から15員の三環の環状システムであり、これは少なくとも1個のヘテロ原子および少なくとも1個の炭素原子含有環を有する。ヘテロ原子を含むヘテロアリールの各環は1または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1個ないし4個の窒素原子を含むことができるが、各環のヘテロ原子の総数は4個またはそれ以下でありそして各環は少なくとも1個の炭素原子を有する。二環および三環を形作る縮合環は場合によって炭素原子のみを有していてもよくまた飽和でも、部分飽和でもあるいは不飽和でもよい。窒素原子および硫黄原子は場合によって酸化されていてもよくそして窒素原子は場合によって四級化されていてもよい。二環または三環のヘテロアリール基は少なくとも1個の完全な芳香族環を含まなければならないが他の縮合環は芳香族環でも非芳香族環でもよい。ヘテロアリール基は何れの環の何れの結合可能な窒素原子または炭素原子に付いていてもよい。これは場合によって上記アリール基について定義したように、1個から3個(好ましくは0個から2個)のRc基で置換されていてもよく、更にこのRcは、上に挙げたように、1個またはそれ以上(好ましくは0個から2個)のRdで置換されていてもよい。
【0025】
単環ヘテロアリール基の例として、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル(例:
【化5】

)、チアジアソリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、等が含まれる。
二環ヘテロアリール基の例として、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニル等が含まれる。
【0026】
三環ヘテロアリール基の例として、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナンスロリニル、アクリジニル、フェナンスリジニル、キサンテニル、等が含まれる。
「シクロアルキル」という語は好ましくは1から3個の環と環当たり3から7個の炭素原子を有する飽和または部分不飽和の非芳香族性環状炭化水素環システムをいい、これらは置換されていてもよく非置換でもよくそして/またはC3−C7の炭素環と縮合していてもよく、あるいはヘテロサイクリックでもよくあるいは3個から4個の炭素原子の架橋(ブリッジ)を有していてもよい。縮合環または架橋環の何れかに結合性の炭素または窒素原子を有するシクロアルキル基は場合によって上に挙げたように、0個から3個(好ましくは0個から2個)のRcから選ばれる置換基をおよび/または(それが適用しうる場合は)ケト基を有していてもよく、更にこれは、上に挙げたように、1から3個のRd基で置換されていてもよい。かくして、炭素−炭素架橋が場合によって置換されていてもよいと記述されるとき、それはこの架橋環の炭素原子が場合によってRc基で置換されていてもよいことを意味し、ここでRc基は好ましくはC1-4アルキル、C2-4アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選ばれる。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロヘプタン、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルが含まれる。
【0027】
「ヘテロサイクル」、「ヘテロサイクリック」および「ヘテロシクロ」という用語は各々完全飽和または部分不飽和の非芳香族性環状基をいい、これらは置換または非置換の何れでもよく、4から7員の単環、7から11員の二環あるいは10から15員の三環環状システムであり、少なくとも1個の炭素原子含有環に少なくとも1個のヘテロ原子を含有する。ヘテロ原子を含有するヘテロサイクリック基の各環は窒素、酸素および硫黄原子から選ばれる1,2または3個の異性原子を有していてもよく、ここで窒素原子および硫黄原子はまた場合により酸化されていてもよくそして窒素原子は四級化されていてもよい。好ましくは、隣接する2個のヘテロ原子がともに酸素および窒素原子から選択されることはない。ヘテロサイクリック基は何れの窒素原子あるいは炭素原子に付いていてもよい。ヘテロシクロ基は、上に述べたように、場合によって0個から3個(好ましくは0個から2個)のケト(=O)および/または1個またはそれ以上のRc基から選ばれた置換基を有していてもよく、更にこの基は上に述べたように、1個から3個のRdで置換されていてもよい。
【0028】
単環性ヘテロサイクリック基の例としては、ピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジオサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、トリアゾリル等を含む。
【0029】
2環性ヘテロサイクリック基の例としては、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンツイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例:フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例:3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノチエニル、等が含まれる。
更に、エポキシドやアジリジンのようなより小さいヘテロ環も含まれる。
【0030】
特に断らない限り、特定名のアリール(例えばフェニル)、シクロアルキル(例えばシクロヘキシル)、ヘテロシクロ(例えばピロリジニル)またはヘテロアリール(例えばインドリル)を挙げたときは、上のアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロおよび/またはヘテロアリールについて挙げたものから選ばれる0個から3個、好ましくは0個から2個の適宜の置換基を含有する環も含まれることを意図している。更に、特定のヘテロアリールまたはヘテロ環基を挙げたときは、最大数の非累積二重結合を有するシステムあるいは最大数より少ない二重結合を有するシステムを含むことを意図している。したがって、例えばイソキノリンという用語はイソキノリンとテトラヒドロイソキノリンを含む。
加えて、当該技術分野の当業者であればアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロおよびヘテロアリール基用として適当な置換基を選択して安定な化合物および医薬的の許容される化合物および/または医薬的に許容される化合物の調製に使用可能な中間体化合物として有用な化合物を提供することができることは理解できよう。したがって、例えば式(I)の化合物において、Bがシクロプロピル環であるときは、この環は好ましくは2個までの置換を有しており、好ましくはこの置換基としてはニトロ(NO2)、1個を超えるシアノ基あるいは3個のハロゲン基を含まない。同じく、mが3のとき、フェニル基Aの置換基であるR6は好ましくはニトロではない。その他同様である。
【0031】
「ヘテロ原子」という語には酸素、硫黄および窒素が含まれる。
「ハロアルキル」という語は1またはそれ以上のハロ置換基を有するアルキル基をいう。
「パーフルオロメチル」という語は1,2または3個のフッ素原子で置換されたメチル基をいう。例えばCH2F,CHF2およびCF3である。「パーフルオロアルキル」という語は1から5個のフッ素原子を有するアルキル基をいう。例えばペンタフルオロエチル基である。
「ハロアルコキシ」という語は1個または2個のハロ置換基を有するアルコキシ基をいう。例えばハロアルコキシ基は−OCF3を含む。
【0032】
「カルボサイクリック」という語はすべての環のすべての原子が炭素である飽和または不飽和の単環または二環の環をいう。したがって、この用語はシクロアルキルおよびアリール環を含む。カーボサイクリック環は置換されていてもよく、この場合置換基はシクロアルキルおよびアリール基について上に挙げたものから選ばれる。
ここで環または基について「不飽和」という語が用いられるとき、この環あるいは基は完全に不飽和であってもあるいは部分的に不飽和であってもよい。
【0033】
上で、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル等に関連して挙げられるその他の種々の基の定義は以下の通りである:アルコキシは−ORe、アルカノイルは−C(=O)Re、アリールオキシは−OAr、アルカノイルオキシは−OC(=O)Re、アミノは−NH2、アルキルアミノは−NHReまたは−N(Re)2、アリールアミノは−NHArまたは−NReAr、アラルキルアミノは−NH-Rf-Ar、アルカノイルアミノは−NH-C(=O)Re、アロイルアミノは−NH-C(=O)Ar、アラルカノイルアミノは−NH−C(=O)Rf−Ar、チオールは−SH、アルキルチオは−SRe、アリールチオは−SAr、アラルキルチオは−S-Rf-Ar、アルキルチオノは−S(=O)Re、アリールチオノは−S(=O)Ar、アラルキルチオノは−S(=O)−Rf−Ar、アルキルスルホニルは−SO(q)e、アリールスルホニルは−SO(q)Ar、アリールスルホニルアミンは−NHSO(q)Ar、アルキルスルホニルアミンは−NHSO(q)Re、アラルキルスルホニルはSO(q)fAr、スルホンアミドは−SO2NH2、置換スルホンアミドは−SO2NHReまたは−SO2N(Re2、ニトロは−NO2、カルバミルは−CONH2、置換カルバミルは−C(=O)NHRgまたは−C(=O)NRgh、アルコキシカルボニルは−C(=O)ORe、カルボキシアルキルは−Rf−CO2H、スルホン酸は−SO3H、アリールスルホニルアミンは−NHSO(q)Ar、
【0034】
【化6】

ここで、Reは上記で定義したようにアルキルまたは置換アルキルであり、Rfは上記で定義したようにアルキレンまたは置換アルキレンであり、RgとRhはアルキル、置換アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロそしてヘテロアリールから選ばれる;Arは上に定義したようにアリールであり、そしてqは2または3である。
【0035】
明細書全文を通して、基やその置換基は当該技術分野の当業者が安定な部分や化合物を提供することができるように選択される。
式(I)の化合物は塩を形成していてもよく、これらも本発明の範囲に含まれる。医薬的に許容される塩(即ち、非毒性で、医学的に許容されるもの)が好ましいが、他の塩もまた例えば本発明の化合物の分離や精製において有用である。
本発明化合物はナトリウム、カリウムおよびリチウム等のアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムのようなアルカリ土類金属、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジンのような有機塩基、アルギニン、リジン等のアミノ酸等と塩を形成し得る。このような塩は当該技術分野の当業者に知られているようにして形成することができる。
【0036】
本発明化合物は種々の有機および無機酸と塩を形成し得る。このような塩としては塩酸、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、蓚酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルフォン酸等で形成されたもの、その他種々のもの(例えば硝酸塩、リン酸塩、硼酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、等)が含まれる。このような塩は当該技術分野の当業者に知られているようにして形成することができる。このような塩の型の化合物は化合物の溶解性の改善や経口投与時の生物学的利用能の改善に有利である。
更に両性イオン(内部塩)も形成し得る。
【0037】
本発明の化合物についての立体異性体も、混合体、純粋体、または実質的純粋体の別を問わず、すべて包含される。本発明の化合物の定義にはすべての可能な立体異性体およびそれらの混合物が含まれる。これには、更にラセミ体および特定活性を有する光学活性分離体も含まれる。ラセミ体は、例えば分別結晶化、ジアステレオマー誘導体の分離または結晶化、キラルカラムクロマトグラフィーによる分離等の物理的方法によって分割することができる。それぞれの光学活性体は、ラセミ体から、例えば光学活性な酸との塩形成後結晶化させること等、慣用の方法によって得ることができる。
【0038】
式(I)の化合物はまたプロドラッグ型を有していてもよい。生体内で変換されて生物学的に活性な試薬(即ち式(I)の化合物)を提供するすべての化合物が本発明の範囲および思想中に含まれるプロドラッグである。
種々の形状のプロドラッグが当業界で知られている。このようなプロドラッグ誘導体の例については以下を参照されたい:
a)"Design of Prodrugs", H.Bundgaard,(Elsevier, 1985)、"Methods in Enzymology", Vol.42, p.309-396, 、K.Widder, et al. (Acamedic Press, 1985);
b)"A Textbook of Drug Design and Development", Krosgaard-Larsen 、H.Bundgaard, Chapter 5, "Design and Application of Prodrugs"、 H.Bundgaard, p.113-191 (1991);
c)H.Bundgaard, "Advanced Drug Delivery Reviews", 8,1-38(1992)。
これらは、ここに参考として援用される。
更に式(I)の化合物の溶媒和物(例えば水和物)も本発明の範囲に含まれることが理解されよう。溶媒和物の調製は当業界において一般的に知られているところである。
【0039】
好ましい式(I)の化合物としては、下記構造の化合物が含まれる;
【化7】

【0040】
好ましい化合物としては、式(I*)の構造を有するもの、
【化8】

そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物が含まれる。
【0041】
ここで式中、Xは−O−、−OC(=O)−、−S−、−S(=O)−、−SO2−、−C(=O)−、−CO2−、−NR8−,−NR8C(=O)−、−NR8C(=O)NR9−、−NR8CO2−、−NR8SO2−、−NR8SO2NR9−、−SO2NR8−、−C(=O)NR8−、ハロゲン、ニトロ、およびシアノより選択され、またはXは存在せず;
Yは−C(=O)NR10−、−NR10aC(=O)NR10−、−NR10SO2−、−SO2NR10−、−C(=O)−、−CO2−または−OC(=O)−であり;
Bは任意で置換されてもよいシクロアルキル、ヘテロシクロ、若しくはヘテロアリール、または1個のR11と0個から2個のR12で置換されたアリールであり、但しYが−C(=O)NR10−の場合、Yは−C(=O)R13、−CO213、−C(=O)NR13NR13aから選択されることもでき;
【0042】
lとR5はそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、−OR14、−SR14、−OC(=O)R14、−CO214、−C(=O)NR1414a、−NR1414a、−S(=O)R14、−SO214、−SO2NR1414a、−NR14SO2NR14a14b、−NR14aSO214、−NR14C(=O)R14a、−NR14CO214a、−NR14C(=O)NR14a14b、ハロゲン、ニトロおよびシアノから選択され;
2は、水素またはC1-4アルキル;
3は水素、メチル、パーフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、シアノ、NH2またはNH(CH3);
【0043】
4は以下から選択され
b)水素、但し、もしもXが−S(=O)−、−SO2−、−NR8CO2−または−NR8SO2−の場合、R4は水素でなく、
b)ケトおよび/または1個から4個のR17で任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル;
f)1個から3個のR16で任意に置換されたアリールおよびヘテロアリール;
g)ケトおよび/または1個から4個のR16で任意に置換されたヘテロシクロおよびシクロアルキル;
h)もしもXがハロゲン、ニトロ又はシアノの場合は、R4は存在せず;
【0044】
6はフェニル環Aの置換可能な任意の炭素原子に結合して、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、アルキルスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、フェニル、ベンジル、アリールオキシおよびベンジルオキシから独立して選択され、いずれのR6も1個から2個のR18で更に置換されていてもよく;
8およびR9は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから選択され;
【0045】
10およびR10aは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびアリールから選択され;
11は任意で置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、およびヘテロアリールから選択され、
12はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1-4アルキルから選択され;
13およびR13aは水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
14、R14aおよびR14bは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから独立して選択され、但し、R14が−S(=O)R14、−SO2l4および−NR14aSO214としてスルホニル基に組み込まれた場合、R14は水素でなく;
【0046】
16はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1-4アルキルから選択され;
17はハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、−SR23、−OR23、−NR2324、−NR23SO225、−SO225、−SO2NR2324、−CO223、−C(=O)R23、−C(=O)NR2324、−OC(=O)R23、−OC(=O)NR2324、−NR23C(=O)R24、−NR23CO224;1個から3個のR26で任意に置換されたアリール若しくはヘテロアリール;ケト(=O)および/または1個から3個のR26で任意に置換されてもよいシクロアルキル若しくはヘテロアリールから選択され;
【0047】
18とR26は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、アルコキシ、C1-4アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシから独立して選択され、
23とR24は水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロからそれぞれ独立して選択され;
25はアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロから選択され;
mは0、1、2または3である。
【0048】
式(I*)の好ましい化合物は式(Ia)
【化9】

およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物であり;
【0049】
式中、R3はメチル、CF3、またはOCF3
Xは−C(=O)−、−NR8C(=O)−、または−C(=O)NR8−であって、ここでR8は水素若しくはC1-4アルキル;
Yは−C(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)−または−NHSO2であり;
Bは、任意で置換された単環若しくは二環性シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクロ、少なくとも一つのR11および0個から2個のR12で置換されたアリール;但し、Yが−C(=O)NH−の場合、Bはまた−C(=O)R13−、−CO213、および−C(=O)NR1313aから選択され得る;
【0050】
4は、水素、C2-6アルキル、任意で1個から3個のR17で置換されたC1-4アルキル、任意で1個から3個のR16で置換されたアリールまたはヘテロアリール、任意でケト(=O)および/または1個から3個のR16で置換されたシクロアルキル若しくはヘテロシクロであり;
6aおよびR6bは、水素、Cl-6アルキル、置換C1-4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、−OR27、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、−NR2728、−SR27、−NO2、−CN、−CO227、−CONH2、−SO3H、−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHS02−アリール−R27、−S02NHR27、−CONHR27および−NHC(=O)NHR27から独立して選択され;
【0051】
11は、1個から2個のR16で任意に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、若しくはヘテロアリールであり;
13およびR13aは水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
12およびR16はC1-4アルキル、R17、および(ケトおよび/または1個若しくは2個のR17で置換された)C1-4アルキルであり;
17は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH2、NH(C1-4アルキル)、N(C1-4アルキル)2、C3-7シクロアルキル、および5員若しくは6員環のヘテロアリール若しくはヘテロシクロから選択され;
27およびR28は水素、C1-4アルキル、フェニル、C3-7シクロアルキル、および5員若しくは6員環のヘテロアリール若しくはヘテロシクロから選択される。
【0052】
上記で列挙した式(Ia)の化合物でより好ましいものは、式中;
3がメチル、−CF3、若しくは−OCF3
Xが−C(=O)−、−C(=O)NH−または−C(=O)N(Cl-4アルキル)−;
Yが−C(=O)NH−;
Bが、1個から2個のR7で任意に置換されたC3-7シクロアルキル、1個から2個のR7で任意に置換された5員環ヘテロアリール、1個から2個のR7で任意に置換された5員若しくは6員環ヘテロシクロ、または少なくとも1個のR11で置換されかつ0個から2個のR12で任意で置換されたアリールであって、但し、Yが−C(=O)NH−の場合、Bはまた−C(=O)(アルキル)、−CO2(アルキル)、および−C(=O)NH(アルキル)から選択されてもよく;
【0053】
4が、水素、C2-6アルキル、1個から3個のR17で任意に置換されたC1-4アルキル、1個から3個のR16で任意に置換されたヘテロアリール若しくはアリール、またはケト(C=O)および/または1個から3個のR16で任意に置換されたシクロアルキル若しくはヘテロシクロであり;
6aおよびR6bが、水素、Cl-4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、シアノ、NH2、NH(C1-4アルキル)およびN(C1-4アルキル)2から独立して選択され;
【0054】
7が、C1-6アルキル、置換C1-4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、−SR20、−OR20、−NR2021、−NR20SO221、−SO219、−SO2NR2021、−CO220、−C(=O)R20、−C(=O)NR2021、−OC(=O)R20、−OC(=O)NR2021、−NR20C(=O)R21、−NR20CO221、フェニル、ベンジル、C3-7シクロアルキル、および5員から6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され;
11が、1個から2個のR16で任意に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、またはヘテロアリールであり;
13およびR13aが、水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
【0055】
12およびR16がC1-4アルキル、R17、ケトおよび/または1個から2個のR17で置換されたC1-4アルキルから独立して選択され;
17が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH2、NH(C1-4アルキル)、N(C1-4アルキル)2、シクロペンチル、シクロヘキシル、または5員若しくは6員環のヘテロアリール若しくはヘテロシクロから選択され;
19が、C1-4アルキル、フェニル、C3-7シクロアルキル、または5員若しくは6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリールであり;
20およびR21が、水素、C1-4アルキル、フェニル、C3-7シクロアルキル、または5員若しくは6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリールであり;
27およびR28が水素、C1-4アルキル、フェニル、C3-7シクロアルキル、または5員若しくは6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリールである。
【0056】
式(I)の化合物において、好ましいR3はメチル、−CF3、または−OCF3であって、より好ましくはメチルであり;好ましいXは−C(=O)−または−C(=O)NH−であり;好ましいYは−C(=O)NH−である。Xが−C(=O)NH−の場合、好ましいR4はC2-6アルキルまたは置換C1-4アルキル、より好ましくはC1-4アルキルまたは任意で置換されたベンジルである。Xが−C(=O)−の場合、好ましいR4は任意で置換されたアリール若しくはヘテロアリールである。
4がヘテロシクロの場合、有利には、ジアゼピニル、モルホリニル、ピペリジニル、およびピロリジニルから選択され、該ヘテロシクロは1個から2個のC1-4アルキル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、フェニル、および/またはベンジルで任意に置換されてもよい。Xが−C(=O)−であってR4がアリール若しくはヘテロアリールの場合、好ましいR4はフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルであって、これらはC1-4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH2、NH(C1-4アルキル)、N(C1-4アルキル)2、シクロペンチル、シクロヘキシル、5員若しくは6員環のヘテロアリール若しくはヘテロシクロで任意に置換されてもよい。
【0057】
式(I)の化合物においてフェニル環Aは無置換又は一置換体が好ましい。任意の当該置換基R6aまたはR6bはC1-4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、ニトロおよびシアノから選択され、より好ましい置換基はR6aであってメチル若しくはエチルである。
式(I)の化合物においてB環は下式より選択されるシクロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクロが好ましく;
【化10】

【0058】
式中、E、G、JおよびKはO、S、NHおよびCH2から選択され、qが0の場合、JおよびKはOおよびSから同時に選択されることはなく;MはNまたはCHであり;ここでE、G、J、KおよびMの水素原子は任意でR7で置換されてもよく;
7は、C1-6アルキル、置換C1-4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、−C1-4アルコキシ、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、NH2、NH(C1-4アルキル)、N(C1-4アルキル)2、−CN、−CO2アルキル、−CONH2、−CONH(CH3)、−CON(CH32、フェニル、ベンジル、C3-7シクロアルキル、および5員および6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され;
nは0、1、または2であり;
pおよびqは0、1、2、3または4から選択され、但しpとqは併せても4を超えることはない。
【0059】
式(I)の化合物において、B環が無置換若しくは一の置換基R7を有するシクロプロピル、オキサゾリル若しくはイソキサゾリルである化合物もまた好ましい。好ましくは、該置換基R7は、C1-6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、−C1-4アルコキシ、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、NH2、NH(C1-4アルキル)、N(C1-4アルキル)2、−CN、−CO2アルキル、−CONH2、フェニル、ベンジル、C3-7シクロアルキル、および5員から6員環のヘテロシクロ若しくはヘテロアリール、またはヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル若しくはシアノで置換されたC1-4アルキルから選択される。さらに好ましくは、R7は存在しないか、または−C1-4アルコキシである。
【0060】
式(2a)または(2b)の化合物;
【化11】

その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物もまた好ましい;
【0061】
式中、R3はメチルまたはCF3
Bは、少なくとも一つの置換基R11と0個から2個の置換基R12を有するフェニルか、または下式から選択され;
【化12】

【0062】
式中、E、G、JおよびKはO、S、NHおよびCH2から選択され、qが0の場合、JおよびKはOおよびSから同時に選択されることはなく;MはNまたはCHであり;ここでE、G、J、KおよびMの水素原子は任意でR7で置換されてもよく;
4aは任意で最大2個の置換基R16により置換されたフェニルまたは5員環若しくは6員環ヘテロアリールであり;
4bは直鎖若しくは分枝鎖を有するC2-6アルキル、ケトおよび/若しくは最大2個のR16で任意に置換されたシクロアルキル、ケトおよび/若しくは最大2個のR16で任意に置換されたヘテロシクロ、または最大3個のハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、フェニル、フェニルオキシ、若しくはベンジルオキシで置換されたC1-4アルキルであって、ここで当該フェニルは1個から2個のR26で任意に置換され;
【0063】
6aは低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノまたはシアノであり;
7はC1-4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシであり;
11は、シクロアルキル、ヘテロシクロ、または1個から2個のR16で任意に置換されたヘテロアリールであり;
【0064】
12およびR16は、水素、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシからそれぞれ独立して選択され;
26は、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択され;
nは0、1または2であり;
【0065】
pおよびqは0、1、2、3または4から選択され、但しpとqは併せても4を超えることはない。
最も好ましいのは、式(2a)または(2b)の上記化合物、その薬学的に許容される塩、および溶媒和物であって;
3がメチルであり;
Bが下記より選択され
a)1個から2個のR7で任意に置換されたシクロプロピル、またはシクロブチル
b)5員環若しくは6員環のヘテロシクロおよび0個から2個のR12で置換されたフェニル
c)下式のひとつから選択されたB
【化13】

【0066】
4aが最大2個の上記で定義されたR16で任意に置換されたフェニル若しくはピリジルであり;
4bが直鎖若しくは分枝鎖を有するC2-6アルキルまたは任意で置換されたベンジルであり;
6aがメチル、エチル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシまたはシアノであり;
7,R12およびR16がC1-4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、アミノC1-4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択され;
nが0または1である。
【0067】
有用性
本発明の化合物はp38キナーゼ活性、特に、アイソフォームp38αおよびp38βに対する選択的阻害剤である。従って、式(I)の化合物はp38キナーゼ関連症状を処置するという用途を有している。このような症状にはp38を介する細胞内信号の結果としてのサイトカインレベルの変調が見られる疾病、そして特にIL−1、IL−4、IL−8およびTNF−α等のサイトカインの過剰産生を伴う疾病が含まれる。ここで使用する「処置する」あるいは「処置」という用語は対症処置と予防の一方または両方を含み、例えばこのような疾病または障害の発現の防止ないし遅延、症状あるいは疾病の完全ないし部分的軽減、および/または疾病、障害および/または症状の緩和、改善、軽減あるいは治療のための手段が挙げられる。ここでいうp−38α/βキナーゼ阻害いうのは、p38αおよび/またはp38βキナーゼの何れか一つが阻害されるという意味である。かくして、p−38α/βキナーゼ阻害IC50値というのはその化合物がp38αキナーゼとp38βキナーゼの少なくも一つまたは両方を阻害する効果を有することを意味する。
【0068】
p−38α/βキナーゼの阻害剤としての活性を有することから、式(I)の化合物は、p−38に関連する症状を処置するのに有用であり、これらには炎症性疾病、自己免疫性疾病、破壊性骨障害、増殖性障害、血管形成疾病、感染性疾病、神経変性疾病およびウイルス性疾病等が含まれるが、これに限定されるものではない。
より詳しくは、本発明化合物によって処置できる特定の症状あるいは疾病には以下のものが含まれるがこれに限定されるものではない;膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人性呼吸窮迫症状、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リューマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病,乾癬症、移植片対宿主疾病、エンドトキシン誘導炎症性疾病、結核症、アテローム性動脈硬化症、筋変性症、悪液症、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾病、塊状好中性浸潤を特徴とする疾病、リューマチ性脊髄炎、通風性関節炎およびその他の関節炎症状、脳性マラリア、慢性炎症性肺疾病、珪肺症、肺ザルコイド症、骨吸収疾病、移植片拒絶症、感染による発熱と筋肉痛、感染による二次悪液症、メロイド形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、発熱、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節炎および多発性ミエローマ関連骨疾病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性メラノーマ、カポジ肉腫、多発性ミエローマ、敗血症、敗血症ショック、細菌性赤痢、アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷起因脳虚血症または神経変形疾病、固形種、眼血管新生および乳児性血管種を含む血管形成疾病、急性感染性肝炎(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS,ARCまたは悪性腫瘍、庖疹を含むウイルス性疾病;卒中、心筋性虚血症、心発作における虚血症、臓器ハイポシア(organ hyposia)、血管過形成、心および腎再灌流障害、血栓症、心過栄養症、血栓誘導血小板凝固症、内毒素血症および/または毒性ショック症候群、プロスタグランジンエンドパーオキシダーゼシンターゼ−2関連症状。
【0069】
加えて、本発明のp38阻害剤はシクロオキシゲナーゼ(COX−2)とも言われているプロスタグランジンエンドパーオキシダーゼシンターゼ−2(PGHS−2)のような誘導性前炎症性蛋白の発現を阻害する。従って、その他のp38関連症状として浮腫、痛覚脱失症、発熱および例えば神経筋痛、頭痛,癌による痛み、歯痛および関節痛のような痛みが含まれる。本発明化合物は、更に例えば馬感染性貧血ウイルス等を含むレンチウイルス感染症、あるいは猫免疫不全ウイルス、牛免疫不全ウイルス、および犬免疫不全ウイルスを含むレトロウイルス感染症等の動物ウイルス感染症の処置にも使用することができる。
ここでp38関連症状あるいはp38関連疾病または障害という用語を使用するとき、それは上に数多く列挙・定義したすべての症状や更にはp38キナーゼ活性により影響を受けるその他の症状をも含むものとする。
【0070】
かくして本発明はこのような症状を処置する方法を提供するものであり、それは処置を必要とする対象体に有効量の少なくとも一種の式(I)の化合物またはその塩を投与することからなる。p38キナーゼ関連症状の処置方法は式(I)の化合物を一種または二種以上併用しておよび/またはこれとこのような症状の処置に有効である他の適宜の医薬成分と併用して投与することからなっていてもよい。この他の医薬成分の例としてはコルチコステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、CSAIDs、米国特許No.4,200,750に開示されている4−置換イミダゾ[1,2−A]キノキサリン;インターロイキン−10、グルココルチコイド、サリチル酸塩、酸化窒素、およびその他の免疫抑制剤;デオキシペルグアリン(DSG)のような核転座阻害剤;イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs);プレドニゾロンあるいはデキサメサゾンのようなステロイド;アバカビルのような抗ウイルス剤;メトトレキセート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、プログラフ)のような抗増殖剤;アザチプリンやシクロフォスファミドのような細胞毒;テニダップ、抗TNF抗体あるいは可溶性TNF受容体のようなTNF−α阻害剤、ラパマイシン(シロリムスまたはラパムン)またはその誘導体等が挙げられる。
【0071】
上記その他の医薬は、本発明の化合物と併用するとき、Physicians'Desk Reference (PDR)に示されているような量あるいは当該技術分野の当業者が定める量で使用することができる。本発明の方法においては、他の治療薬は本発明化合物の投与前、投与後または同時に投与することができる。
本発明は、また、TNF−α、IL−1および/またはIL−8が仲介する症状を包含するp38キナーゼ関連症状を処置することのできる医薬組成物を提供する。本発明の組成物は上に述べたようなその他の医薬を含んでいてもよく、例えば、医薬処方分野で周知の技法に従って、慣用の固体または液体担体または希釈剤ならびに意図する投与方法に適した医薬添加剤(例:付形剤、結合剤、保存剤、安定剤,香味料、等)を用いて製剤化することができる。
【0072】
式(I)の化合物は処置すべき症状に適した任意の方法で投与することができ、それは必要とされる投与箇所あるいは投与されるべき医薬の量に応じて定められる。皮膚関連疾病に対しては局所投与が好ましく、癌性あるいは前癌性症状に対しては全身投与が好ましいが、その他の投与方法も考慮に入れられる。例えば、この化合物は、錠剤、カプセル、顆粒、粉末あるいはシロップを含む液状剤型のような剤型で経口投与してもよく、溶液、懸濁液、ゲルあるいは軟膏のような剤型で局所投与してもよく、舌下投与でも口腔投与でもよく、皮下、静脈、筋肉あるいは胸骨用注射剤あるいは輸液(例えば、滅菌注射用水溶液、非水溶液または懸濁液)による非経口投与でもよく、吸入スプレイによる経鼻投与でもよく、クリームあるいは軟膏による局所投与でもよく、坐剤による経直腸投与でもよく、更にはリポソームを用いてもよい。非毒性で医薬的に許容される担体あるいは希釈剤を含む投与単位量の製剤が投与される。当該化合物は即時にまたは徐々に放出されるのに適した剤型で投与することができる。即時にまたは徐々に放出させることは、それに見合った医薬組成物を用いて、特に徐々に放出するためには、皮下埋込体や浸透ポンプのような器具を用いて達成することができる。
【0073】
経口投与用の組成物としては、例えばPLASTIBASE(登録商標)(ポリエチレンでゲル化された鉱物油)のような担体を含むものが挙げられる。
経口投与用の組成物としては、例えば増量用の微結晶性セルローズ、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ソーダ、増粘剤としてのメチルセルローズおよび当業界で周知の甘味料または香味料を含有する懸濁剤;例えば微結晶性セルローズ、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/またはその他の当業界で公知の付形剤、結合剤、展着剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤等を含む即時放出型錠剤等が挙げられる。本発明の化合物はまた例えば成型、圧縮あるいは凍結乾燥錠剤を使用する舌下および/口腔投与によって経口的に投与してもよい。この組成物は例えばマンニトール、ラクトース、シュクロースおよび/またはシクロデキストリンのような急速溶解性希釈剤を含有していてもよい。更にこれはセルロース(AVICEL:登録商標)あるいはポエチレングリコール(PEG)のような高分子量賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(SCMC)および/または無水マレイン酸共重合体(例えばGANTREZ:登録商標)のような粘膜接着促進付形剤およびポリアクリル酸共重合体(例えばCARBOPOL934:登録商標)のような放出調整剤を含有していてもよい。更に、成型や使用の便宜のために潤滑剤、滑沢剤、香味料、着色剤および安定剤を添加してもよい。
【0074】
経鼻エアロゾル若しくは吸入投与のための組成物の例としては、例えばベンジルアルコールその他の適切な保存剤、吸収および/または生物学的利用可能性を向上させる吸収促進剤、および/またはその他の当業者に知られた可溶化剤、分散剤等を含む溶液が含まれる。
非経口投与用組成物の例としては注射用溶液または懸濁液が含まれ、これらは例えば例えば1,3−ブタノール,水、リンゲル液、等張食塩水等の適当な非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒、あるいはその他の適当な分散剤または合成モノまたはジグリセライドのような湿潤ならびに懸濁剤およびオレイン酸のような脂肪酸を含有してもよい。
【0075】
直腸投与用の組成物の例としては、例えば常温で固体であるが直腸管内で液化および/または溶解するココアバター,合成グリセライドエステルあるいはポリエチレングリコール等の適当な非刺激性賦形剤を含有する坐剤が挙げられる。
本発明の化合物の有効量は当業者によって定めることができ、例えば哺乳動物の体重1kg当たり活性化合物約0.05から100mg/dayが一例として挙げられ、これは単一投与量の型で投与してもよく、あるいは例えば1日当たり1から4回分に分けた型で投与してもよい。特定の対象に対する特定の投与量値および投与頻度は適宜変更することができ、例えば使用する特定化合物の活性度,その化合物の代謝安定性や作用期間、対象体の種,年齢,体重,一般的健康状態、性別および常食、投与の形態と時間、排泄速度、医薬品の併用および特定症状の重篤度等の様々な要因によって左右されるものであることが理解できよう。好ましい処置対象は動物、最も好ましいそれは人のような人類種および犬,猫,馬等の家畜である。かくしてここで患者という用語が使用されるとき、それはp38酵素量によって影響を受けるこれらすべての対象体、最も好ましくは人類種を含むことを意図している。
ここでの実施例に記載される化合物を含む式(I)の化合物が下記の試験法の一つまたはそれ以上によって試験され、p38α/β酵素およびTNF−αの阻害剤として有効な活性を示している。
【0076】
生物試験
p38キナーゼの生成
ヒトp38α、βおよびγアイソザイムのcDNAをPCRによりクローン化した。これらのcDNAはpGEX発現ベクター(Pharmacia)でサブクローン化した。GST−p38融合タンパクを大腸菌で発現しバクテリアペレットからグルタチオンアガロース使用のアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。p38融合タンパクは常時活性型MKK6の接種により活性化した。活性p38はアフィニティークロマトグラフィーによりMKK6から分離した。常時活性型MKK6はRaingeaud et al. [Mol.Cell.Biol., 1247-1255(1996)]に従って生成した。
【0077】
LPS−刺激PBMCによるTNF−αの生産
ヘパリン化ヒト全血を健康ボランティアから得た。末梢血単核細胞(PBMC)をヒト全血からFicoll-Hypaque密度勾配遠心沈殿法で精製し試験媒体(10%RPMI牛胎児血清含有媒体)中に5×106/mlの濃度で再懸濁した。96ウェル組織培養プレート中で50μlの細胞懸濁液に50μlの試験化合物(0.2%DMSO含有試験媒体中4X濃度)を接種し室温で5分間培養した。次いで100μlのLPS(200ng/mlストック)をこの細胞懸濁液に加えてプレートを37℃で6時間培養した。培養後、培養液を集めて−20℃で保存した。この培養液中のTNF−α濃度を標準ELISAキット(PHARMINGEN-SAN Diego, CA)を用いて定量した。TNF−α濃度および試験化合物のIC50値(LPS−誘発TNF−α生産を50%阻害する化合物濃度)を線形回帰分析によって算出した。
【0078】
p38試験
試験はV底96ウェルプレートで実施した。最終試験容量は60μlであり、20μlの添加酵素3回分、基質(MBPとATP)及び試験バッファー中(50mMトリスpH7.5、10mMMgCl2、50mMNaClおよび1mMDTT)の試験化合物から調製した。バクテリアで発現され、活性化されたp38を試験化合物に10分間予備接種し次いで基質との反応を開始した。反応は25℃で45分間培養して行い、各サンプルに5μlの0.5MEDTAを添加することにより終了させた。反応混合物をSkatron Micro96Cell Harvester(Skatron, Inc)を用いる予め湿らした濾紙マット上に吸い上げ、次いでPBSで洗浄した。濾紙マットを次いでマイクロウエーブで1分間乾燥し、MeltiLex Aシンチレーションワックス(Wallac)で処理してMicrobetaシンチレーションカウンターModel 1450(Wallac)で計算した。阻害データをPrim (GraphPadSoftware)を用いて非線形最小二乗法により分析した。試験における試薬の最終濃度は以下の通りである: ATP,1μM;[γ-33P]ATP,3nM;MBP(Sigma, #M1891),2μg/well;p38,10nM;およびDMSO,0.3%。
【0079】
LPS-誘発マウスによるTNF−αの産生
マウス(Balb/c雌性、6−8週齢、Harlan Labs;n=8/処理群)に滅菌食塩水に懸濁させた50μg/kgのリポポリサッカライド(LPS;大腸菌株0111:B4、Sigma)を腹腔内注射した。90分後、マウスをCO2:O2吸入で眠らせ血液サンプルを取得した。血清を分離し製造者(R&DSystems,Mineneapolis,MN)の指示に従って市販のELISA試験によりTNF−α濃度を分析した。
試験化合物はLPS注射前に種々の回数で経口投与した。これら化合物は種々の媒体あるいは溶解剤中懸濁液あるいは溶液の何れか形で投与した。
【0080】
略号
参考までに、以下のような略号が、製造方法および下記の実施例を含めて、ここで使用される:
Ph=フェニル
Bz=ベンジル
t−Bu=第3級ブチル
Me=メチル
Et=エチル
Pr=プロピル
Iso−P=イプロピル
MeOH=メタノール
EtOH=エタノール
EtOAc=酢酸エチル
Boc=t−ブチルオキシカルボニル
【0081】
DCM=ジクロロメタン
DCE=1,2−ジクロロエタン
DMF=ジメチルフォルムアミド
DMSO=ジメチルスルフォキサイド
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトロヒドロフラン
HATU=0-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルユロニムヘキサフルオロフォスフェート
KOH=水酸化カリウム
2C03=炭酸カリウム
POC13=リン酸オキシクロライド
EDCまたはEDCI=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
【0082】
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
m-CPBA=m-クロロ過安息香酸
NaH=水素化ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
Pd=パラジウム
Pd/C=パラジウム炭素
min=分
L=リッター
mL=ミリリッター
μL=マイクロリッター
g=グラム
mg=ミリグラム
mol=モル
mmol=ミリモル
meq=ミリ当量
【0083】
RTまたはrt=室温
ret.t.=HPLC保持時間(分)
satまたはsat'd=飽和
aq.=水性
TLC=薄膜クロマトグラフィー
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
RP HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー
HPLC LC/MS=逆相高速液体クロマトグラフィー/質量分析
MS=質量分析法
NMR=核磁気共鳴
mp=融点
実施例においてHPLCデータに関連する表記は次の条件を表す;
a.カラム YMC ODSA S-5 5μ C18 4.6×50mm;溶媒 溶媒A:10%MeOH/90%水/0.1%THF、溶媒B:90%MeOH/10%水/0.1%THF;方法 4分間グラディエント
b.カラム YMC s5 ODS 4.6×50mm;溶媒 溶媒A:10%MeOH/90%水/0.2%H3PO4、溶媒B:90%MeOH/10%水/0.2%H3PO4;方法 4分間グラディエント
【0084】
製造方法
式(I)の化合物は一般に以下のスキームに従って調製することができ、当業者の知識および/または米国特許出願No.10/036,293および/または09/573,829に記載された方法を参考のために援用する。各スキームにおいて、R1-R7、X、Y、m、n、およびpは式(I)の化合物において記載したものと同様である。Bは式(I)において、任意で置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロまたはヘテロアリール環を包含し、以下の環が含まれるが限定はされない。
【化14】

【0085】
スキーム1
【化15】

【0086】
市販品として入手できる化合物(1)を塩化オキサリルと加熱して反応させてから減圧下で濃縮し、ジイソプロピルアミンのような塩基の存在下でDCMのような有機溶媒中でアミンB-NH2と反応させると化合物(2)が得られる。化合物(2)をEtOHのようなアルコール中、Pdのような触媒の存在下室温で水素と反応させると化合物(3)を与える。化合物(3)はスキーム2において化合物(8)を調製するのに用いられる。
【0087】
スキーム2
【化16】

【0088】
3-メチル-l-ピロール-2,4-ジエチルエステルをエーテル中クロラミンと反応させ化合物(4)を製造する。次に、化合物(4)をホルムアミド中で酢酸と反応させて化合物(5)を製造する。化合物(5)はトルエン中でDIPEAおよびPOCl3と反応させ化合物(6)を製造する。化合物(6)はDMF中でDIPEAおよび化合物(3)と反応させ化合物(7)を製造する。THF中で化合物(7)にNaOHを反応させてカルボン酸中間体を製造し、続いてHOBt、EDCIおよび適切なアミンで処理することにより化合物(8)を製造する。
化合物(3)は、1)THF中で市販品として入手できる4-アミノ-3-メチル安息香酸とN-tert-ブトキシカルボニル無水物とを反応させてBoc保護アニリン中間体を製造し、2)該アニリン中間体を1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、HOBt、およびDMFと反応させ続いてメトキシアミン塩酸塩およびDIPEAを加えてBOC保護N-メトキシアミド中間体とし、3)該メトキシアミド中間体をHCl/ジオキサン溶液中で反応させて化合物(3)の塩酸塩とすることにより得られる。或いは、化合物(3)はスキーム1に示されたようにして調製できる。
【0089】
スキーム3
【化17】

【0090】
置換ヒドロキサム酸エステル(9)は無水MeOH中でHClのような酸と反応させて化合物(10)を与える。化合物(10)はKOHのような塩基の水溶液と加熱すると化合物化合物(11)を与える。化合物(11)は、N-メチルピロリジノンのような溶媒中で、HATUのような縮合剤およびジイソプロピルアミンのような塩基の存在下でアミンB-NH2と反応させると化合物(12)を与える。ヒドロキサム酸エステル(9)はスキーム1および2の概略および/または米国特許出願10/036,293の記載と同様にして調製される。
【0091】
スキーム4
【化18】

【0092】
市販品として入手できる化合物(13)をDCMのような有機溶媒中でTEAのような塩基の存在下、スルホニルクロリドと反応させると化合物(14)が得られる。化合物(14)をMeOHのような溶媒中でPdのような触媒の存在下水素と反応させると化合物(15)が得られる。化合物(15)をクロリド(6)とDMFのような有機溶媒中室温で反応させると化合物(16)を与える。
化合物(16)をKOH水溶液と加熱すると化合物(17)を与える。化合物(17)はDMFのような有機溶媒中でジイソプロピルアミンのような塩基とEDCIのような縮合試薬の存在下アミンR2NH2と反応して化合物(18)を与える。
【0093】
スキーム5
【化19】

【0094】
クロロピロロトリアジン(6)(スキーム2参照)無水DMF中室温でアニリン(13)(スキーム4参照)と反応して化合物(19)を与える。化合物(19)はNaOHのような塩基の水溶液と加熱すると化合物(20)を与える。化合物(20)はDMFのような有機溶媒中でジイソプロピルアミンのような塩基の共存下若しくは非存在下、HOBtのような縮合試薬を存在させてアミンR4NH2と反応し化合物(21)を与える。化合物(21)はMeOHのような溶媒中でPd/Cのような触媒の存在下水素と反応させると化合物(22)が得られる。化合物(22)とイソシアネートをDCEのような有機溶媒中で反応させると化合物(23)が得られる。
【0095】
スキーム6
【化20】

【0096】
市販品として得られる化合物(13)をDCEのような有機溶媒中でアミンB-NH2およびカルボニルジイミダゾールと反応させると化合物(24)が得られる。化合物(24)はEtOHのようなアルコール溶媒中でPdのような触媒の存在下水素と反応させると化合物(25)が得られる。化合物(25)とクロリド(6)をDMFのような有機溶媒中で反応させると化合物(26)が得られる。(26)をNaOH水溶液と加熱すると生成物(27)を与える。生成物(27)はDMFのような有機溶媒中でジイソプロピルアミンのような塩基とEDCIのような縮合試薬の存在下アミンR4NH2と反応して化合物(28)を与える。
【0097】
スキーム7
【化21】

【0098】
スキーム7は化合物(4a)を製造する方法を示し、ここでR3はアミノ(4b)、ハロゲン(4c)、またはシアノ(4d)である。室温から80℃でグリシンエチルエステル(29)をアルキルアルコキシメチレンシアノアセテートに加えると化合物(30)を得る。化合物(30)は、THFのような有機溶媒中−78℃から室温でリチウムヘキサメチルジシラザンのような強塩基で処理すると環化してピロール(4b)を与える。ピロール(4b)はDMFのような有機溶媒中でCuBrのようなハライド源と亜硝酸ナトリウムを用いてハライドへと変換させ化合物(4c)とすることができる。化合物(4c)は、NMPのような有機溶媒中で温度を上げてCuCNを用いることにより化合物(4d)へと変換し得る。或いは、DMFのような有機溶媒中でCuCNのようなシアン源と亜硝酸ナトリウムを用いて化合物(4b)を直接化合物(4d)へと変換することができる。化合物(4a)-(4d)は先のスキーム(例えばスキーム2)で記述したように、ここで式(I)の化合物を製造するのに使用される。
【0099】
スキーム8
【化22】

【0100】
ピロロトリアジン5(スキーム2参照)のエステル基をTHFのような有機溶媒中でLAHのような適切な還元剤で還元するとアルコール(31)が得られる。アルコール(31)をジョーンズ試薬のような適切な酸化剤で酸化するとアルデヒド(32)が得られる。アルデヒド(32)と適切な有機金属試薬(例えば臭化フェニルマグネシウム)とを反応させると中間体の二級アルコール生成物が得られ、続いてこれをジョーンズ試薬のような適切な酸化剤で酸化するとケトン(33)が得られる。POCl3のような塩素化試薬が(33)をクロリド(34)と変換するのに用いられる。クロリド(34)をDMFのような適切な有機溶媒中で室温または高い温度でアニリンと反応させて化合物(35)を与えるが、これは式(I)の化合物に該当する。
【0101】
スキーム9
【化23】

【0102】
DMF中で化合物(6)(スキーム2参照)と適切なアミノ安息香酸と縮合させると化合物(36)を与える。THFのような非プロトン性溶媒中で、化合物(36)のエステル基をDIBAL-Hのような適切な還元試薬で還元するとアルコール(37)が得られる。アルコール(37)を、DMFのような有機溶媒中でBOPのような縮合試薬の共存下アミンRNH2と反応させると生成物(38)を得る。THFのような有機溶媒中で生成物(38)をMnO2のような適切な酸化剤で酸化するとアルデヒド(39)を得る。アルデヒド(39)を適切な有機金属試薬(例えば臭化フェニルマグネシウム)と反応させると中間体の二級アルコールを与え、これを続いてPCCのような適切な酸化剤で酸化するとケトン(40)が得られる。
加えて、式(I)の他の化合物は当業者に一般に知られた方法により製造される。特に、以下の実施例は本発明化合物の製造について追加的な方法を提供する。
以下の実施例によって本発明のより好ましい態様が記述されるであろう。HPLCによる精製は、水-MeOHとTFAを緩衝液として用いるC18逆層(RP)カラムにより行った。これらの実施例は限定的ではなく、説明のためのものである。添付したクレームにより定義される本発明の範囲および精神には他の態様も包含される。
【発明を実施するための形態】
【0103】
実施例1
【化24】

【0104】
工程A:
【化25】

【0105】
3-アミノ-4-メチル安息香酸(5.12g、33.9mmol、1.0eq.)、EDC(9.97g、52.0mol、1.5eq.)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.89g、7.3mol、0.2eq.)をDMF(100mL)に溶解し、0℃に冷却してシクロプロピルアミン(4.0mL、57.7mol、1.7eq.)を滴下した。15分間撹拌した後、冷却バスを取り除いて反応混合物を室温で終夜撹拌した。減圧下50℃で揮発物を除去し、残渣を水で希釈してDCMで抽出した(3x)。有機層を集めて硫酸ナトリウム上で乾燥し減圧下で濃縮してオイルを得た。DCM:MeOH(20:1)のシリカゲルクロマトグラフィーにより化合物1Aを黄色オイルとして得た(6.98g、収率108%)。
HPLC ret.t.:0.637min.
LCMS (M+H)+=191.09.
【0106】
工程B:
【化26】

【0107】
出発物質のオキソピロロトリアジン(3.00g、13.6mmol)をトルエン(45mL)に懸濁し、オキシ塩化リン(1.90mL、20.4mmol)続いてN,N-DIPEA(2.37mL、13.6mmol)を室温にて滴下した。得られた混合物を36時間加熱環流し、室温にまで冷却してから、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)およびトルエン(60mL)の混合物を氷冷しておいてこれに反応物を注いだ。有機層を分離し水層をトルエンで抽出した(3 x 50 mL)。抽出物を集めて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し無水MgSO4上で乾燥した。減圧下で溶媒を留去し化合物1Bを黄色固体として得た(3.26g、収率100%)。
【0108】
工程C:実施例1の化合物
生成物1A(1.60g、8.40mmol、1.6eq.)および1B(1.30g、5.40mmol、1.0eq.)をDMF(13mL)に溶解し室温で終夜撹拌した。水を加えて生じた沈殿を濾取し水洗して乾燥した。ジエチルエーテル中で粉砕して実施例1を灰白色固体として得た(1.70g、収率80%)。
HPLC ret.t.:3.190min.
LCMS (M+H)+=394.31.
【0109】
実施例2
【化27】

【0110】
実施例1(0.86g、2.20mmol、1.0eq.)をTHF(4.0mL)および1NNaOH水溶液(9.0mL、4.1eq.)に溶解し、60℃で終夜撹拌した。室温にまで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮したが、乾固させないようにした。当該溶液を0℃に冷却して1N塩酸を加えて酸性化し生成した沈殿を濾取して乾燥し実施例2(0.51g、収率64.0%)を得た。
HPLC ret.t.:2.40min.
LCMS (M+H)+=366.06.
濾液をEtOAcで抽出し有機層を集めて硫酸ナトリウム上で乾燥し減圧下に濃縮して実施例2を更に得た(0.035 g、4.4 % yield)。
【0111】
実施例3
【化28】

【0112】
実施例2(0.026g、0.071mmol、1.0eq.)、EDC(0.021g、0.11mmol、1.5eq.)、HOBt(0.015g、0.11mmol、1.5eq)、n-ブチルアミン(0.015mL、0.15mmol、2.1eq.)、DIPEA(0.040mL、0.23mmol、3.2eq.)をDMF(0.20mL)に溶解し室温で終夜振盪した。水(1mL)を加えてから沈殿を濾取し水洗、乾燥して実施例3を得た(0.021g、収率70%)。
HPLC ret.t.:2.883 min,
LCMS (M+H)+=421.18.
【0113】
実施例4−22
【化29】

上記式(Id)の化合物を、n-ブチルアミンの代わりに適切なアミンを使用し、実施例3の記述に従って調製した。ここでR4は以下の表に記載されたものである。
【0114】
【表1】

【0115】
【表2】

【0116】
実施例23−24
【化30】

上記式(Ie)の化合物を、n-ブチルアミンの代わりにピペラジニルアミンまたはモルホリニルアミンを使用し、実施例3の記述に従って調製した。ここでR4は以下の表に記載されたものである。
【0117】
【表3】

【0118】
実施例25−27
【化31】

【0119】
上記式(If)の化合物を、実施例1から3の記述に従って調製した。ここでR4は以下の表に記載されたものである。また、n-ブチルアミンの代わりに適切なアミンを使用し、工程Aのシクロプロピルアミンの代わりに、以下の工程A−Dにより製造される(±)-trans-エポキシシクロプロピルアミンを使用した。
【0120】
工程A:
【化32】

【0121】
エチルビニルエーテルおよび酢酸ロジウム(II)(二量体)(10.5mL、0.100 mol)をジエチルエーテル中でよく撹拌し、室温でジアゾ酢酸エチル(10.5mL、0.100 mol)をシリンジポンプを用いてゆっくりと8時間かけて加えた。不溶物をセライトで濾過して除去し、過剰のエチルビニルエーテルと溶媒を減圧下で除去した。残渣を減圧蒸留し生成物25Aを無色の液体として得た(10.3g、収率65%)。これはシス異性体およびトランス異性体の混合物(約1:1)であった。
【0122】
工程B:
【化33】

【0123】
生成物25A(10.3g、65.4 mmol)をMeOH(200 mL)に溶解し、NaOH(7.85g、196.2mmol)の溶液を一度に加えて得られた溶液を5時間加熱環流した。混合物を減圧下に濃縮し残渣を6NHClを用いてpH=2に調節しEtOAcで抽出した(5x)。有機層を集めてMgSO4上で乾燥し、溶媒を減圧下に留去して生成物25Bを無色オイルとして得た。これはシス異性体およびトランス異性体の混合物(約1:1)であった。
【化34】

【0124】
生成物25B (1.00 g、7.68 mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(1.82mL、8.44 mmol)、TEA(1.18mL、8.47 mmol)および無水t-ブタノール(30 mL)の混合物を27時間90℃で加熱した。減圧下で揮発物を除去した。残渣を10%Na2CO3(30mL)溶液で希釈しジエチルエーテルで抽出した(4 x 30 mL)。有機層を集めて食塩水で洗浄しMgSO4上で乾燥し溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し生成物25Cを無色オイルとして得た。これはトランス異性体を主成分とするシス体/トランス体混合物(約15:85)であった。
工程D:
生成物25C(0.881g、4.38mmol)と1NHCl(20mL)混合物を5時間加熱環流した。その後、室温にまで冷却し混合物をジエチルエーテルで抽出した。水溶液に1NNaOH溶液を加えてpH=11に調節しジエチルエーテルで抽出した(4x)。有機層を集めてMgSO4上で乾燥し溶媒を留去して()-trans-エトキシシクロプロピルアミンをわずかに黄色のオイルとして得た(0.224g、収率50%)。
【0125】
【表4】

【0126】
【表5】

【0127】
実施例28
【化35】

【0128】
実施例27(30.0mg、0.0585mmol)をDCE(6mL)に溶解し0℃に冷却してBBr3を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、水を加えて反応を停止した。飽和Na2CO3溶液で反応混合物のpH=9に調節しEtOAcで抽出した(3x)。有機層を集めて食塩水で洗浄しMgSO4上で乾燥した。減圧下で溶液を濃縮し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(6%MeOH/CHC13)に付し実施例28を白色固体として得た(3.2mg)。
HPLC ret.t.:3.09min. (b);
LCMS(M+H)+=485.38.
【0129】
実施例29−30
【化36】

【0130】
式(If)の化合物を、実施例1−3の記述に従って調製した。式中のBは以下の表に記載されたものである。ここで、工程Aにおいては適切に置換されたシクロプロピルアミンを用い、n-ブチルアミンの代わりにエチルアミンを使用した。
【表6】

【0131】
実施例31
【化37】

【0132】
工程A:
【化38】

【0133】
化合物31Aを米国特許出願No.10/036,293に記載され、本件譲受人に譲渡された方法に従い調製した。これを参考までにここに援用する。
工程B:化合物31A、3-アミノイソキサゾール(0.30mL、4.06mmol)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.720g、1.63mmol)、N-メチルモルホリン(0.54mL、4.91mmol)およびDMF(4mL)の混合物を65℃で2日間加熱した。混合物をEtOAcで希釈し水、10%Na2CO3溶液および食塩水で洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し生成物を調製用HPLCで単離した。
HPLC ret.t.:2.48 min. (a);
LCMS(M+H)+=434.11.
【0134】
実施例32−38
上記式(Ig)の化合物を、実施例31に記載された方法と同様の方法に従って調製した。式中のBは以下の表に記載されたものである。ここで、工程Bにおいて出発化合物を製造するためにプロピルアミンの代わりにエチルアミンを使用し、アミノイソキサゾールの代わりに適切なアミノヘテロアリールを使用した。
【0135】
【表7】

【0136】
実施例39
【化39】

【0137】
工程A:
【化40】

【0138】
LAH(13.7g、362mmol)をTHF(800mL)に溶解し、式
【化41】

の化合物(8g、36.2mmol)を室温で数回に分けて加えた。反応混合物を30分間加熱環流したのち室温にまで冷却し氷水(1L)中に注意深く注いで反応を終了させ1時間強く撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物を集めて食塩水で洗浄しMgSO4上で乾燥した。溶液を濾過して濃縮し化合物39Aを得た(5.60g、収率86%)。
【0139】
工程B:
【化42】

【0140】
化合物39A(1.0g、5.58mmol)をアセトン(80mL)中に懸濁し、0℃に冷却してジョーンズ試薬(1.9mL)を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、2-プロパノールで反応を停止した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて混合物をEtOAcで抽出した(5x100mL)。抽出物を集めて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および食塩水で洗浄しMgSO4上で乾燥した。溶液を濾過して濃縮し化合物39Bを得た(647mg、収率65%)。
HPLC ret.t.:1.50min、
LCMS (M+H)+=178、MW:177.16.
【0141】
工程C:
【化43】

【0142】
化合物39B(600mg、3.39mmol)をTH(80mL)Fに溶解し、0℃に冷却して臭化フェニルマグネシウム(3M溶液、2.94mL、8.8mL)を5分間で滴下した。0℃で30分間撹拌した後1時間で室温にまで加温し、飽和塩化アンモニウム水溶液にて反応を停止させた。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物を乾燥し濾過し濃縮してベンジルアルコール中間体を得た。該未精製ベンジルアルコールをアセトン中に溶解し0℃に冷却してジョーンズ試薬(1 mL)を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、2-プロパノールを加えて反応を停止させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加えて混合物をEtOAcで抽出した(4x50mL)。抽出物を集めて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および食塩水で洗浄しMgSO4上で乾燥した。溶液を濾過して濃縮し化合物39Cを得た(563mg、二工程で収率66%)。
HPLC ret.t.:2.82min、
LCMS (M+H)+=254、MW:253.26.
【0143】
工程D:
【化44】

【0144】
ケトン39C(152mg、0.6mmol)とPOCl3(5mL)を1時間100℃に加熱した後、室温にまで冷却し過剰のPOCl3を減圧下で留去した。残渣を無水DCM(10mL)中に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)とDCM(50mL)を素早く撹拌しながら残渣のDCM溶液を注いだ。混合物を1時間撹拌し水層をDCMで抽出した(3x50mL)。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1x50mL)、水(1x50mL)、及び食塩水(lx50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶液を濾過し濃縮してクロリド39Dを得た(163mg、収率100%)。
工程E:
クロリド39DをDMFに溶解し、3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド(化合物1A)(44mg、0.23mmol)を加えて溶液を60℃で3時間加熱した。水を加えて生成物を沈殿化させこれを濾取して水洗し風乾して実施例39を得た。
HPLC ret.t.:3.34min、
LCMS (M+H)+=426、MW:425.49.
【0145】
実施例40−42
【化45】

【0146】
式(Ih)の化合物を実施例39に記載された方法と同じ若しくは類似の方法により調製した。式中、YおよびBは下記の表に記載されたものである。工程Eにおいては、適切なアミンを使用した。
【表8】

【0147】
【表9】

【0148】
実施例43
【化46】

【0149】
工程A:
【化47】

【0150】
化合物39D(60mg、0.221mmol)をDMFに溶解し、3-アミノ-4-メチル安息香酸(66.8mg、0.442mmol)を加えて溶液を60℃で3時間加熱した。水(5mL)を加えて生成物を沈殿化させ濾取して水洗し、風乾して化合物43Aを得た(75mg、収率88%)。
HPLC ret.t.:3.38min、
LCMS (M+H)+=387、MW:386.41.
工程B:酸43A(30mg、0.078mmol)、HATU(44mg、0.117mmol)およびDIPEA(17μL、0.1mmol)をDMFに溶解し、室温で3-アミノ-イソキサゾールを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(5mL)を加えて生成物を沈殿化した。これを濾取して調製用HPLCで精製し実施例43を得た。
HPLC ret.t.:3.39min,
LCMS (M+H)+=453、MW:452.48.
【0151】
実施例44
【化48】

【0152】
工程A:
【化49】

【0153】
化合物39B(160mg、0.90mmol)をTHF(10mL)に溶解し、0℃に冷却して臭化6-メチル-2-ピリジルマグネシウム(0.25M溶液、14.4mL、3.6mM)を5分間で滴下した。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物を室温にまで戻して更に16時間撹拌した。臭化6-メチル-2-ピリジルマグネシウム溶液を追加して出発物質の変換を完結させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物を乾燥して濾過し濃縮して赤褐色の半固体状物質を得た。この固体をアセトンに溶解して0℃に冷却し、ジョーンズ試薬を滴下して反応液を0℃で1時間撹拌し、その後2-プロパノールで反応を停止させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)を加えて混合物をEtOAcで抽出した(4x20mL)。抽出物を集めて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1x20mL)、水(1x20mL)、および食塩水(lx20mL)で洗浄しMgSO4上で乾燥した。溶液を濾過し濃縮して化合物44Aを得た(145mg、二工程の収率60%)。
【0154】
工程B:
【化50】

【0155】
ケトン44A (75 mg、0.28 mmol)とPOCl3(4mL)を100℃で終夜加熱した。反応液を室温にまで冷却し過剰のPOCl3を減圧下で留去した。残渣を無水DCM(10mL)中に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)とDCM(50mL)を0℃で素早く撹拌しながら残渣のDCM溶液を注いだ。混合物を1時間撹拌し水層をDCMで抽出した(3x50mL)。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1x50mL)、水(1x50mL)、及び食塩水(lx50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶液を濾過し濃縮してクロリド44Bを得た(64mg、収率79%)。
工程C:実施例44
化合物44B(53mg、0.18 mmol)をDMF(0.5mL)に溶解し、化合物1A (84mg、0.44mmol)を加えて反応液を2時間60℃に加熱した。水(5mL)を加えて生成物を沈殿化させ、濾取して水洗し風乾して実施例44(34.2mg、収率41%)を得た。
HPLC ret.t.:3.39min、
LCMS (M+H)+=453、MW:452.48.
【0156】
実施例45
【化51】

【0157】
工程Cで異なるベンズアミドを用い、実施例44と同様にして実施例45を調製した。
HPLC ret.t.:3.22min、
LCMS (M+H)+=468、MW:467.49.
【0158】
実施例46
【化52】

【0159】
工程A:
【化53】

【0160】

【化54】

のクロリド41.8mmol)をDMF(60mL)に溶解し、3-アミノ-4-メチル安息香酸(6.3g、41.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を16時間撹拌し、水(500mL)中に注いで素早く1時間撹拌した。固体を濾取して水(500mL)で洗浄し風乾して化合物46Aを紅梅色の固体として得た(13.6g、収率92%)。
MS(M+H)+=355.
【0161】
工程B:
【化55】

化合物46A(1g、2.8mmol)をDCM(6mL)に溶解し−78℃に冷却してDIBAL-H(1M溶液、8.5mL、8.5mmol)を滴下した。反応液を2時間−78℃で撹拌し、1.5時間で室温にまで戻してから飽和NH4Cl水溶液で反応を停止させた。その後HCl(1N)を加えてpHを4に調節し溶液をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し濃縮して化合物46Bを桃色の固体として得た(874mg、収率100%)。
HPLC ret.t.:1.74min,
LCMS (M+H)+=313、MW: 312.33.
【0162】
工程C:実施例46の化合物
化合物46B(1.8g、5.9mmol)をDMF(10mL)に溶解し、BOP(2.9g、615mmol)、シクロプロピルアミン(2mL、29.8mmol)を加えた。反応液を室温で終夜撹拌し、水(60mL)中に注いで生成物を沈殿させた。固体を濾取し調製用HPLCで精製して実施例46(1.5g、74%)を得た。
HPLC ret.t.:1.64min、
LCMS (M+H)+=352、MW:351.41.
【0163】
実施例47
【化56】

実施例46(1.5g、4.3mmol)をTHF(30mL)に溶解し、室温でMnO2(5.4g、64mmol)を加えた。40分間撹拌すると反応は完結した。反応液を濾過し沈殿をアセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮して乾燥し、実施例47を黄色オイルとして得た(1.5g、定量的)。
HPLC ret.t.:2.52min、
LCMS (M+H)+=350、MW: 349.40.
【0164】
実施例48
【化57】

【0165】
2-ブロモピリジン(54μl、0.57mmol)とTMEDA(85μl、0.57mmol)をTHF(10mL)に溶解し−78℃に冷却してn-ブチルリチウム(1.6M、356μl、0.57mmol)を滴下した。この溶液に実施例47(50mg、0.14mmol)を加えた。反応液を0.5時間−78℃で撹拌してから室温にまで加温し水で反応を停止させた。混合物をEtOAcで抽出し、抽出物を乾燥して濾過し濃縮して中間体アルコールの粗生成物を得た。該粗アルコールをDCMに溶解し室温で塩化クロム酸ピリジニウム(24.1mg、0.11mmol)を加えた。1時間撹拌後水(2mL)を加えて反応を停止させた。目的物をEtOAcで抽出し、乾燥した。調製用HPLCで精製して実施例48を黄色固体として得た(24.6mg、収率40%)。
HPLC ret.t.:2.95min、
LCMS (M+H)+=427、MW: 426.48
【0166】
実施例49−68

【化58】

の化合物を実施例3に記載された方法に従って調製した。n-ブチルアミンの代わりには適切なアミンを使用した。
【0167】
【表10】

【0168】
【表11】

【0169】
【表12】

【0170】
実施例69
【化59】

【0171】
工程1:中間体A
【化60】

3-フルオロピリジン(5.0g)のジクロロメタン溶液(25mL)と30%過酸化水素水溶液(10mL)に対して、室温でメチル三酸化レニウム(25mg)を加え得られた混合物を終夜撹拌した。酸化マンガンを加えて反応液を更に室温で1時間撹拌した。塩化ナトリウムを加えて水部分を飽和させ二層を分離した。水層を更にジクロロメタン(3x100mL)で抽出し、有機層を集めて無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮し淡黄色オイルを得た。これは放置すると固化し淡黄色固体となった(4.92g、収率84%)。
HPLC ret.t.:0.30min.
【0172】
工程2:中間体B
【化61】

中間体Aをジクロロメタン中に溶解し室温でトリメチルシリルシアニドを加えて混合物を10時間環流した。室温にまで冷却してから飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した(3x150mL)。有機層を集めて無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して減圧下で濃縮し粗生成物として淡褐色のオイルを得た(4.60g)。これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、淡褐色オイルを得た。これを放置すると固化し、淡褐色の生成物Bを得た(2.48g、収率84%)。
HPLC ret.t.:1.03min.
【0173】
工程3:中間体C
【化62】

中間体B(1.40g)にエタノール(50ml)を加えて、これに10%Pd/C(500mg)および濃塩酸(2.9ml)を続いて加え、得られた混合物を水素下(40psi)20時間振盪した。セライトベッドを用いて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して生成物C1.80gを白色固体として得た。
HPLC ret.t.:0.19min.
【0174】
工程4:題記化合物
中間体D(40mg、0.11mmol)、EDAC(25mg、0.13mmol)、HOBt(16mg、0.12mmol)および無水DMF0.3mLの混合物を室温で2時間撹拌しアミン塩酸塩CおよびHunig塩基を続いて加えた。室温で終夜撹拌した後、粗反応混合物を逆層の調製用HPLCで精製し題記化合物を得た。
【0175】
実施例70および71
【化63】

実施例70および71は、実施例23−24の記載と同様にして調製した。
【0176】
【表13】

【0177】
実施例72
【化64】

【0178】
工程1:中間体F
【化65】

中間体E(10.Og、45.2mmol)にPOCl3(30mL)を加え、アルゴン下室温で無水DMF(7.0mL、90.4mmol)をゆっくりと加えて得られた混合物を95℃で15時間加熱した。室温にまで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)および砕いた氷(200ml)をよく撹拌しておいて該反応物をゆっくりと注いだ。不均一なスラリーを室温で2.5時間撹拌してから精製した固体を吸引濾過し、固体を水洗し(2x150mL)、漏斗上で部分的に乾燥させた。最終的に固体をジクロロメタンで洗浄し、得られた濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し減圧下で乾燥して生成物Fを黄色固体として得た(5.35g、47%)。これは更なる精製を行わずに直接次の工程に使用した。
HPLC ret.t.:2.96min.
【0179】
工程2:
【化66】

中間体F(3.19g、11.9mmol)および該当するアニリン塩酸塩(3.52g、15.5mmol)を無水DMF40mL中に加え、室温で終夜撹拌してから水200mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mLを加えて希釈した。室温で1時間撹拌してから得られた固体を吸引濾過し、水洗し、減圧下に乾燥して生成物Gをオレンジ色固体として得た(4.2g、収率84%)。これは更なる精製を行わずに直接次の工程に使用した。
HPLC ret.t.:2.97min.
(M+H)+(m/z)=422.1.
【0180】
工程3:題記化合物
無水THF(lOmL)中の中間体G(0.8g、1.90mmol)に対して、アルゴン下室温で1-メチルピペラジン(0.24g、2.47mmol)およびNaB(OAc)3(1.21g、5.70mmol)を続いて加え室温で3時間撹拌した。メタノール50mLを加え室温で更に撹拌することにより反応を停止させ、その後濃縮して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLと酢酸エチル200mlで分配した。二層を分離し水層に塩化ナトリウムを加えて飽和させ更に酢酸エチルで抽出した(4x100mL)。有機層を集めて無水硫酸ナトリウム上で乾燥し減圧下で濃縮して題記化合物を淡黄色固体として得た(1.02g、収率89%)。
HPLC ret.t.:2.25 min.
(M+H)+(m/z)=506.2.
【0181】
実施例73−80
以下の化合物を実施例72の記載と同様にして調製した。
【表14】

【0182】
実施例81−83
工程1:中間体H
【化67】

メタノール(lOmL)中の化合物4(0.80 g、1.67 mmol)に対して、室温で6N水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL、10.8mmol)を加え、該混合物を20時間環流した。室温にまで冷却した後、減圧下でメタノールを留去し残渣を1NHClでpH6に調節し凍結乾燥して粗生成物Hを塩化ナトリウムを含む黄白色固体として得た。これは更なる精製を行うことなく次の反応に供した。
HPLC ret.t.:1.65min.
(M+H)+(m/z)=478.14.
【0183】
工程2:題記化合物
中間体H(40mg、0.083mmol)、EDAC(25mg、0.13mmol)およびHOBt(16mg、0.12mmol)を室温で2時間撹拌してから、相当するアミンRNH2(0.13mmol)およびHunig塩基(38μL、0.22mmol)を続いて加えて室温で終夜撹拌した。得られた混合物を逆層の調製用HPLCで精製し題記化合物を得た。
【表15】

【0184】
実施例84−86
実施例84−86は中間体Hより以下のようにして調製した:
中間体H(40mg、0.083mmol)、EDAC(25mg、0.13mmol)およびHOBt(16mg、0.12mmol)を室温で2時間撹拌してから、相当するアルコールROHおよびHunig塩基を続いて加え、室温で終夜撹拌した。得られた混合物を逆層の調製用HPLCで精製し題記化合物を得た。
【表16】

【0185】
実施例87
【化68】

実施例47のアルデヒド(0.040g、0.114mmol)をDMF(1mL)に溶解し、2-クロロキノキサリン(0.0188g、0.114mmol)、水酸化ナトリウム(0.0054mg、0.138mmol)、ヨウ化N,N'-ジメチルイミダゾリウム(0.084mg、0.038mmol)、およびp-トルエンスルホン酸ナトリウム塩(0.008mg、0.044mmol)を加えた。室温で終夜撹拌した後、溶液を80℃に加熱しヨウ化N,N'-ジメチルイミダゾリウムおよび水酸化ナトリウムを追加した。1時間後、反応液を室温にまで冷却し、水を加えた。得られた沈殿を集めて逆層の調製用HPLCで精製し題記化合物を得た(0.003g)。
HPLC ret.t.:3.61min、
LCMS (M+H)+=478、MW: 477.5.
【0186】
実施例88
【化69】

【0187】
工程A:
【化70】

【0188】
実施例2(500mg)に対して塩化チオニル(6mL)を室温で加えた。室温で30分間撹拌した後、塩化チオニルを減圧留去し88Aを白色固体として得た(HC1塩、580mg)。
工程B:酸クロリド88A(0.020g、0.048mmol)およびアニソール(0.026mL、0.238mmol)を1,2-ジクロロエタン(1mL)に溶解し、0℃に冷却して三酸化アルミニウム(0.0095g、0.071mmol)を加えた。0℃で2時間後溶液を室温にまで戻し三酸化アルミニウム(0.140g)を追加した。室温で終夜撹拌後、水(0.2mL)を加えて反応を停止し溶媒を留去した。残渣を最小量のメタノール/水から再結晶化し濾取して題記化合物を得た(0.0065g)。
HPLC ret.t.:3.29min.
LCMS (M+H)+=456、 MW:455.5.
【0189】
実施例89−96
実施例88と同様にして以下の化合物を得た。
【表17】

【0190】
実施例97
【化71】

【0191】
工程A:
【化72】

【0192】
3-フルオロニトロベンゼン(10.0g、71mmol)、モルホリン(27mL)およびDMSO(118mL)の混合物を110℃で36時間撹拌し、室温にまで冷却後水(800mL)中に注いだ。該混合物を20分間撹拌した後、固定を吸引濾過して減圧下で乾燥して13.6gの97Aを山吹色の固体として得た(収率92%)。
HPLC ret.t.:1.48min.
LCMS (M+H)+=209.1.
【0193】
工程B:
【化73】

97A(13.6g、65mmol)にメタノール(225mL)を加えてスラリーとし、室温で蟻酸アンモニウム(20.5g、326mmol)および10%Pd/C(2.0g)を続いて加えて混合物を室温で48時間撹拌した。セライトパッドを用いて濾過し、濾液を減圧下に濃縮して残渣を水(50mL)と酢酸エチル(150mL)で分配した。二層を分液し、水層を更に酢酸エチルで抽出した(2x50mL)。有機層を集めて食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過し、減圧下で濃縮し97Bを黄褐色固体として得た(10.8g、収率93%)。
LCMS (M+H)+=179.2.
【0194】
工程C:
【化74】

【0195】
化合物
【化75】

(2.0g、4.2mmol)(WO02/40486の記載に従って合成した)に無水メタノールを加えてスラリーとし、4NHCl/無水ジオキサン18mLを室温で加えた。得られた透明な溶液を室温で16時間撹拌し反応混合物を減圧下に濃縮した。得られたオイルを1.5N水酸化カリウム水溶液16mLに溶解して50℃で3時間加熱した。室温にまで冷却した後、混合物を水50mLで希釈し、pHがおよそ3から4となるまで10%塩酸を加えた。得られた沈殿を吸引濾過し、水で洗浄し減圧下に乾燥し97Cを白色固体として得た(1.47g、収率99%)。分析用の97Cは10%含水アセトニトリルより再結晶した
1H-NMR(CD30D):δ 8.21(br s,1H), 8.11(br s,1H), 7.89-7.91(m,2H), 7.67(br s,1H), 7.44(d,1H), 3.40(q,2H), 2.86(s,3H), 2.36(s,3H), 1.25(s,3H).
HPLC:2.24min.
LCMS (M+H)+=354.2.
【0196】
工程D:題記化合物
97C(40 mg、0.11mmol)、HATU(65 mg、0.17 mmol)、ジイソプロピルアミン(20 RL、0.11 mmol)、97B (39 mg、0.22 mmol)およびN-メチルピロリジノン0.3mLの混合物を80℃で16時間加熱し、反応混合物を逆層の調製用HPLCで精製して題記化合物を淡褐色固体として得た(41mg、収率74%)。
1H-NMR(CD30D w/TFA):δ 8.28(s,1H), 8.19(s,1H), 8.16(d,1H), 8.11(d,1H), 7.84(s,1H), 7.71(d,1H), 7.58(t,2H), 7.47(d,1H), 3.44(q,2H), 2.94(s,3H), 2.47(s,3H), 1.26(t,3H).
HPLC ret.t.:3.30min.
LCMS (M+H)+=497.5.
【0197】
実施例98
【化76】

題記化合物を実施例97の調製の記述に従って調製した。ここでは、工程Cの97Cを実施例化合物70(WO02/40486)で置き換えた。
HPLC ret.t.:3.26min.
LCMS (M+H)+=590.2.
【0198】
実施例99
【化77】

題記化合物を実施例97の調製の記述に従って調製した。ここでは、工程Cの97Cを実施例化合物70(WO02/40486)で、工程Dの97Bを4-アミノピリジンでそれぞれ置き換えた。
HPLC ret.t.:2.95min.
LCMS (M+H)+=506.4.
【0199】
実施例100
【化78】

題記化合物を実施例97の調製の記述に従って調製した。ここでは、工程Cの97Cを実施例化合物70(WO02/40486)で、工程Dの97Bを4-アミノピリジンでそれぞれ置き換えた。
HPLC ret.t.:3.01min.
LCMS (M+H)+=590.2.
【0200】
実施例101−104
以下の化合物を実施例100の記載と同様の方法で調製した。
【表18】

【0201】
実施例105
【化79】

【0202】
工程A:
【化80】

塩化3-ニトロ-4-メチルベンゾイル(215mg、1.08mmol)およびN-トリル-3-tert-ブチル-5-アミノピラゾール・塩酸塩(287mg、1.08mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、DIPEA(0.38mL、2.2mmol)を加えて、反応混合物を2時間撹拌した。反応液を濃縮してオイルとし、これをEtOAc(50 mL)に溶解してNaHC03水溶液、水、食塩水で連続して洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し濾過し、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(10%その後30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、当該ニトロアミドを得た(420mg、収率99%)。
【0203】
上記固体をEtOH(156mL)に溶解し、5%Pd/C(湿った状態、10035mg)を加えて、一度脱気した後水素風船で水素を満たした。反応液を撹拌し、濾過し濃縮して白色固体を得た(403mg、収率99%)。これは更なる精製を行うことなく次の反応に供した。
LRMS 363.6 (M+H).
工程B:題記化合物
実施例1及び2に記載の方法に従って、工程Aで得られた中間体から題記化合物を調製した。
【0204】
実施例106
【化81】

【0205】
工程A:
【化82】

3,5-ジフルオロニトロベンゼン(4.1g、26mmol)およびモルホリン(11mL)の混合物を100℃で16時間加熱した後終夜で室温にまで戻した。生成した固体を吸引濾過して塩化メチレン(250mL)に溶解し、該溶液を1NHCl(2x100mL)、食塩水(100mL)で続いて洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、106Aを黄色固体として得た(4.0g、収率69%)。
HPLC ret.t.:2.85min.
LCMS (M+H)+=227.2.
【0206】
工程B:
【化83】

106A (4.0 g、18 mmol)、10%パラジウム炭素(0.4 g)およびエタノール(150mL)の混合物を水素ガス中室温で16時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮して106Bを灰白色固体として得た(3.4g、収率96%)。
HPLC ret.t.:0.92min.
LCMS (M+H)+=197.1.
工程C:題記化合物
工程Dにおける97bを106Bで置き換え、実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:3.04 min.
LCMS (M+H)+=532.0.
【0207】
実施例107
【化84】

工程Cの97Cを実施例化合物70(WO02/40486)で、更に工程Dの97Bを106Bでそれぞれ置き換えて、実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:3.52min
LCMS (M+H)+=608.5.
【0208】
実施例108
【化85】

【0209】
工程A:
【化86】

3-フルオロニトロベンゼン(1.0g、7.1mmol)および1-メチルピペリジン(5mL)の混合物を3日間130℃に加熱した。室温に冷却後、混合物を水(100mL)で希釈し酢酸エチルで抽出した(4x40mL)。抽出液を集めて濃縮し得られた暗赤色オイルをジクロロメタン(75 mL)に溶解し1N塩酸で洗浄した(3x25mL)。酸性の洗浄液を集めて3N水酸化カリウム水溶液でpH7に中和しジクロロメタンで抽出した(3x40mL)。抽出液を集めて食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して減圧濃縮し108Aを暗褐色オイルとして得た(0.92g、59%)。
HPLC ret.t.:0.97min.
LCMS (M+H)+=222.1.
【0210】
工程B:
【化87】

106Bの調製と同様にして、108Bを調製した。
HPLC ret.t.:0.17min.
LCMS (M+H)+=192.3.
【0211】
工程C:題記化合物
工程Dの97Bを108Bで置き換え、実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.14min.
LCMS (M+H)+=527.3.
【0212】
実施例109
【化88】

実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.22min.
LCMS (M+H)+=571.4.
【0213】
実施例110
【化89】

【0214】
工程A:
【化90】

【0215】
3-フルオロニトロベンゼン(1.0g、7.1mmol)、ピラゾール(0.58g、8.5mmol)、炭酸セシウム(2.8g、8.5mmol)およびN-メチルピロリジノン(4mL)の混合物を17時間100℃に加熱した。室温にまで冷却してから、該混合物に水(75mL)を加えて希釈し酢酸エチルで抽出した。抽出液を集めて、食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して減圧濃縮し110Aを暗褐色オイルとして得た(1.7g、収率71%)。
HPLC ret.t.:2.42min.
LCMS (M+H)+=190.1.
【0216】
工程B:
【化91】

110A (0.95 g、5.0 mmol)、10%パラジウム炭素(0.27 g)および酢酸エチル(10mL)の混合物を水素ガス中室温で17時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮して110Bを黄白色オイルとして得た(0.73g、91%)。
HPLC ret.t.:0.74min.
LCMS (M+H)+=160.1.
工程C:題記化合物
工程Dにおいて97BをHOBに置き換え、実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.91min.
LCMS (M+H)+=495.3.
【0217】
実施例111
【化92】

実施例97の方法と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.97min.
LCMS (M+H)+=539.3.
【0218】
実施例112
【化93】

【0219】
工程A:
【化94】

3-ブロモニトロベンゼン(1.0g、5.0mmol)、イミダゾール(0.51g、7.5mmol)、1,10-フェナンスロリン(0.89g、5.0mmol)、ジベンジリデンアセトン(0.06g、0.25mmol)、炭酸セシウム(1.8g、5.5mmol)、銅トリフレートベンゼン付加物(0.12g、0.25mmol)およびキシレン(1mL)の混合物を120℃で36時間加熱した。室温にまで冷却した後、混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(2 x 50 mL)次いで1N塩酸(2 x 75 mL)で洗浄した。酸性の洗浄液を3NKOH水溶液でpH7に中和しジクロロメタン(3 x 40 mL)で抽出した。有機抽出層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して、減圧濃縮し112Aを暗赤色半固体として得た(0.55g、収率58%)。
HPLC ret.t.:0.44min.
LCMS (M+H)+=190.1.
【0220】
工程B:
【化95】

112A(0.55g、2.9mmol)、10%パラジウム炭素(0.15g)およびメタノール(15mL)の混合物を水素ガス中室温で17時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮して112Bを黄白色固体として得た (0.36g、77%)。
HPLC ret.t.:0.19 min.
LCMS (M+H)+=160.1.
工程C:題記化合物
工程Dにおいて97Bを112Bで置き換え、実施例97の調製と同様にして題記化合物を調製した。
【0221】
実施例113
【化96】

実施例97と同様にして題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.32 min.
LCMS (M+H)+=539.3.
【0222】
実施例114
【化97】

【0223】
工程A:
【化98】

【0224】
3-ブロモニトロベンゼン(1.0g、5.0mmol)、2-ピロリジノン(0.50g、5.9mmol)、炭酸カリウム(1.37g、9.9mmol)、trans-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.06mL、0.50mmol)の混合物に対して無水1,4-ジオキサンおよびヨウ化銅(I)を続いて加え、110℃で24時間加熱した。室温にまで冷却した後、混合物を水(50 mL)および酢酸エチル(75 mL)に分配した。水層を更に酢酸エチルで抽出し(2 x 50mL)、抽出液を集めて食塩水(30 ml)で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して減圧濃縮し暗褐色固体の粗生成物を得た。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(70%−100%酢酸エチル/n-ヘキサン)で精製し減圧濃縮して114Aを黄白色固体として得た(0.68g、収率68%)。
HPLC ret.t.:2.11min.
LCMS (M+H)+=208.1.
【0225】
工程B:
【化99】

114A (0.68g、3.3mmol)、10%パラジウム炭素(0.35g)およびメタノール(10mL)の混合物を水素ガス中室温で17時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮して114Bを灰白色固体として得た(0.55g、収率95%)。
HPLC ret.t.:0.34 min.
LCMS (M+H)+=177.1.
工程C:工程Dにおいて97Bを114Bで置き換え、実施例97の調製と同様にして題記化合物を得た。
HPLC ret.t.:2.68 min.
LCMS (M+H)+=512.2.
【0226】
実施例115
【化100】

実施例97の調製と同様にして、題記化合物を調製した。
HPLC ret.t.:2.77 min.
LCMS (M+H)+=556.3.
【0227】
実施例116
【化101】

【0228】
工程A:
【化102】

【0229】
4-メチル-3-ニトロアニリン(3.93g、25.8mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、室温でアルゴン下2-クロロピリジン-4-カルボニルクロリド(5.00g、28.4mmol)、続いてトリエチルアミン(8.0mL、56.7mmol)をシリンジで加えて得られた混合物を2時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し残渣をジクロロメタン(20mL)中で粉砕し固体を濾取して116Aを黄色固体として得た(7.50g、収率99.6%)。
HPLC ret.t.:3.13min.
(M+H)+(m/z) 292.3.
【0230】
工程B:
【化103】

116A (7.50g)にモルホリン(50ml)を加え、混合物をアルゴン下で20時間100℃に加熱した。その後室温にまで冷却し氷水(600mL)を撹拌しながらこれに混合物をゆっくりと注いだ。この混合物を室温で15分間撹拌し生じた沈殿を濾過して集め減圧乾燥して116Bを黄白色固体として得た(5.50g、収率62.5%)。
HPLC ret.t.:2.39min.
(M+H)+(m/z) 343.4.
【0231】
工程C:
【化104】

無水エタノール(100mL)中の化合物116B (1.50g)に対して、10%パラジウム炭素を加え混合物を水素下(30psi)で6時間振盪した。溶液をセライトパッドで濾過し、溶媒を減圧下で除去して116Cを黄白色固体として得た(1.33g)。
(M+H)+(m/z) 313.3.
【0232】
工程D:
【化105】

化合物116C(0.20g、58mmol)、4-クロロ-5-メチルピロロトリアジン-6-エチルカルボキシレート(0.14g、0.58mmol)および無水DMFを室温で20時間撹拌した。反応液を氷冷水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し得られた沈殿を集めて水洗し116Dを淡黄色固体として得た(0.30g)。
HPLC ret.t.:2.96min.
(M+H)+(m/z) 516.2.
【0233】
工程E:
【化106】

116D(0.30g、0.58mmol)、1N水酸化ナトリウム水溶液(3mL)およびメタノール(2mL)の混合物を60℃で4時間加熱した。メタノールを減圧除去し水溶液を1N塩酸でpH2に酸性化した。得られた固体を集めて水洗し116Eを黄白色固体として得た(0.24g)。
HPLC ret.t.:2.26min.
(M+H)+(m/z)488.2.
【0234】
工程F:
【化107】

題記化合物
116E(40mg、0.082mmol)、EDAC(19mg、0.098mmol)、HOBt(13mg、0.098mmol)、Hunig塩基(43μL、0.25mmol)を室温で0.5時間撹拌し、エチルアミン塩酸塩(13mg、0.16mmol)を加えて終夜撹拌した。粗反応混合物を逆層の調製用HPLCで精製し題記化合物を白色固体として得た(28mg)。
HPLC ret.t.:2.12min.
(M+H)+(m/z) 515.1.
【0235】
実施例117
【化108】

実施例116の調製の工程Fと同様にして題記化合物を116Eより調製した。
HPLC ret.t.:2.82 min.
(M+H)+(m/z) 591.2.
【0236】
実施例118
【化109】

実施例116の調製の工程Fと同様にして題記化合物を116Eより調製した。
HPLC ret.t.:1.82 min.
(M+H)+(m/z) 592.2.
【0237】
実施例119
【化110】

【0238】
工程A:
【化111】

3-フルオロベンゾニトリル(10.0g、82.6mmol)、モルホリン(40mL、0.45mol)およびDMSO(70mL)を100℃で3日間加熱した。混合物を室温にまで冷却し冷水(500mL)中へ注いだ。生成した固体を濾過して集め119Aを桃色の固体として得た(9.52g)。
HPLC ret.t.:2.30 min.
(M+H)+(m/z) 189.2.
【0239】
工程B:
【化112】

119A(9.50g)と6N硫酸水溶液(80mL)との混合物を20時間環流した。0℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(50%w/w)をゆっくり加えてpH2に調節した。15分間撹拌後生じた固体を濾過して集め水洗し、その後酢酸エチル(600ml)中で粉砕した。濾過した水溶液は更に酢酸エチルで抽出し、有機抽出液を集めて無水硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して減圧濃縮し119Bを紅梅色の固体として得た(9.50g)。
HPLC ret.t.:1.94min.
(M+H)+(m/z) 208.1.
【0240】
工程C:
【化113】

無水ジクロロメタン中の119B (10.3g、50.0mmol)に対して、室温で塩化オキザリルをゆっくりと加え続いて無水DMF1滴を落とした。反応液を室温で3時間撹拌し溶媒を減圧下に除去して得られたオイルを無水ジクロロメタンに溶解した。4-メチル-3-ニトロアニリン(50mmol)、続いてトリエチルアミン(20mL、140mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温で終夜撹拌した。ジクロロメタン(400mL)を加えて反応液を希釈し、水(150mLx2)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mLx2)で洗浄し無水硫酸マグネシウム上で乾燥し濾過して減圧濃縮し得られた粗生成物を酢酸エチルから再結晶し119Cを黄色固体として得た(9.57g、収率56%)。
HPLC ret.t.:3.07min.
(M+H)+(m/z) 342.1.
【0241】
工程D:
【化114】

化合物116Cの記載と同様にして化合物119Dを調製した。
【0242】
工程E:
【化115】

化合物116Cを化合物119Dで置き換え、116Dの調製と同様にして4-クロロ-5-メチルピロロトリアジン-6-エチルカルボキシレートから119Eを調製した。
【0243】
工程F:
【化116】

116Eの調製と同様にして、119Eより119Fを調製した。
HPLC ret.t.:2.78min.
(M+H)+(m/z) 487.2.
工程G:題記化合物
実施例116の調製における工程Fと同様にして、題記化合物を119Fより調製した。
HPLC ret.t.:2.68min.
(M+H)+(m/z) 514.1.
【0244】
実施例120−123
実施例120−123は実施例119の記載と同様にして調製した。
【表19】

【0245】
【表20】

【0246】
実施例124
【化117】

【0247】
工程A:
【化118】

2-クロロピリジン-4-カルボニルクロリドを塩化3,5-ジフルオロベンゾイルで置き換え、化合物114Aの調製と同じ方法を用い、化合物124を4-メチル-3-ニトロアニリンより調製した。
【0248】
工程B:
【化119】

化合物124A(12.2g)とモルホリン(80mL)をアルゴン下で3日間環流した。得られた混合物を室温にまで冷却し、撹拌しつつ氷水(1000mL)中に注いだ。混合物を室温で15分間撹拌し生じた固体を濾過して集め減圧下で乾燥して124Bを淡黄色固体として得た(14.6g)。
HPLC ret.t.:3.35min.
(M+H)+(m/z) 360.1.
【0249】
工程C:
【化120】

化合物124Cを、Pd/C触媒と水素を用いて水素化することにより調製した。
【0250】
工程D:
【化121】

化合物119Dを化合物124Cで置き換え、116Dの記載と同様にして、4-クロロ-5-メチルピロロトリアジン-6-エチルカルボキシレートより124Dを調製した。
HPLC ret.t.:3.59min.
(M+H)+(m/z) 533.3.
【0251】
工程E:
【化122】

116Eの記載と同様にして124Dから124Eを調製した。
HPLC ret.t.:3.06min.
(M+H)+(m/z) 505.0.
工程F:題記化合物
実施例116の調製の工程Fの記載と同様にして124Eより題記化合物を調製した。
【0252】
実施例125−147
実施例124の記載と同様にして実施例125−147の化合物を調製した。
【表21】

【0253】
【表22】

【0254】
【表23】

【0255】
実施例148
【化123】

【0256】
工程A:
【化124】

化合物119Dを2-メチル-5-ニトロアニリンで置き換え、116Dの記載と同様にして4-クロロ-5-メチルピロロトリアジン-6-エチルカルボキシレートより148Aを調製した。
HPLC ret.t.:3.55min.
(M+H)+(m/z) 356.3.
【0257】
工程B:
【化125】

116Eの記載と同様にして148Aより148Bを調製した。
HPLC ret.t.:2.89min.
(M+H)+(m/z) 328.1.
【0258】
工程C:
【化126】

エチルアミン・塩酸塩をメチルベンジルアミンで置き換え、実施例116調製の工程Fの記載と同様にして148Bから化合物148Cを調製した。
HPLC ret.t.:3.32min.
(M+H)+(m/z) 431.2.
【0259】
工程D:
【化127】

Pd/Cと水素を用いて水素化することにより化合物148Dを調製した。
HPLC ret.t.:2.37min.
(M+H)+(m/z) 401.3.
【0260】
工程E:題記化合物
148D(30mg、0.075mmol)を無水DMF(0.3mL)に溶解し、室温でトリエチルアミン(0.14mmol)、続いて塩化2-メチルベンゾイル(0.11mmol)を加えて得られた混合物を終夜撹拌した。粗反応混合物を逆層の調製用HPLCで精製し、題記化合物を得た。
HPLC ret.t.:3.37min.
(M+H)+(m/z) 519.2.
【0261】
実施例149−206
工程Cにおいて(S)-(α)-(-)-メチルベンジルアミンを適切なアミンで、工程Eにおいて塩化2-メチルベンゾイルを適切な酸クロリドでそれぞれ置き換え、実施例148の調製の記載と同様にして以下の化合物を調製した。
【表24】

【0262】
【表25】

【0263】
【表26】

【0264】
【表27】

【0265】
【表28】

【0266】
【表29】

【0267】
実施例207
【化128】

工程A:
【0268】
【化129】

クロロピロロトリアジン(2.03g、8.47mmol)および3-ニトロ-5-メチルアニリン(1.41g、9.3mmol)をDMF(25mL)に懸濁し、室温で24時間撹拌した。30分間かけて水を加え溶液を1時間撹拌しその後NaHC03水溶液を加えてpHを中性に調節した。固体を濾取し、水洗、乾燥して化合物Aを淡黄褐色固体として得た(2.58g、収率85%)。
【0269】
工程B:
【化130】

化合物A(825mg、2.32mmol)をTHF(2mL)およびMeOH(1mL)に溶解し、1NNaOH(6mL)を加えて反応液を60℃で24時間撹拌した。反応混合物を冷却し、有機溶媒を除いて濃縮し、1NHClを加えてpHを中性に調節した。固体を濾取し水洗、乾燥して化合物Bを得た。
HPLC (条件 A):3.40min.
LCMS (M+H)+=328.1.
【0270】
工程C:
【化131】

【0271】
化合物B(2.32mmol)、EDCI(489mg、2.55mmol)およびHOBt(345mg、2.55mmol)をDMF(6mL)に溶解し、室温で1時間撹拌してn-プロピルアミン(0.38mL、6.4mmol)を加えた。反応液を4時間撹拌して水を加え生成物を沈殿させた。固体を濾取してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して化合物Cを白色固体として得た(0.79g、収率93%)。
1H−NMR(CDC13) :δ 9.11(s,1H), 7.92(m,2H), 7.71(s,1H), 7.36(d,J=8.4Hz,1H), 5.82(br m,1H), 3.34(q,J=6.7Hz,2H), 2.86(s,3H), 2.41(s,3H), 1.58(m,2H), 1.16(t,J=7.5Hz,3H).
HPLC (条件 A): 3.42min.
LCMS (M+H)+=369.3.
【0272】
工程D:
【化132】

化合物C(794mg、2.16mmol)、10%Pd/C(250mg、wet)およびMeOH(20mL)の混合物を脱気し、水素ガスを充填する操作を3回行い2時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮して化合物Dを得た(691mg、収率95%)。
1H-NMR(CDC13):δ 7.94(s,1H), 7.73(s,1H), 7.53(s,1H), 7.23(m,1H), 7.06(d,J=8.1Hz,1H), 6.53(dd,J=8.1,2.2Hz,1H), 5.86(br m,1H), 3.43(q,J=6.6Hz,2H), 2.91(s,3H), 2.27(s,3H), 1.68(m,2H), 1.02(t,J=7.3Hz,3H).
HPLC (条件 A):2.39min.
LCMS (M+H)+=339.2.
工程E;題記化合物
化合物D(2.5g、7.4mmol)をCH2Cl2(50mL)に懸濁し、DIPEA(1.42μL)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、クロロ蟻酸エチル(0.77mL)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌しその後MeOHで反応を停止した。溶媒を除去し水(40mL)を加えて生成物を沈殿させた。生成物を吸引濾過して水洗し、熱MeOHに溶解して活性炭で脱色しEtOHから再結晶して題記化合物を純粋な生成物として得た(2.10g、収率70%)。
【0273】
実施例208−233
適切な酸クロリド、クロロ蟻酸エステルおよびイソシアネートを用い実施例1の記載と同じ方法で下式の化合物を調製した。式中、WおよびBaは表中に掲げた。
【化133】

【0274】
【表30】

【0275】
【表31】

【0276】
【表32】

【0277】
実施例234
【化134】

【0278】
工程A:
【化135】

2SO4(5.5mL)を氷冷し、p-トリル酢酸(0.6g、4.1mmol)を加えた。NaN03(0.35g、4.1mmol)をゆっくりと加え、混合物を0−5℃で8時間撹拌した。溶液を注意深く氷上に注ぎ固体を濾取して水洗し3-ニトロ-p-トリル酢酸を得た(0.59g、収率74%)。
未精製の固体(160mg)をMeOH(15mL)に溶解し、10%Pd/Cの存在下水素風船で室温で2時間水素化を行った。濾過して、3-アミノ-p-トリル酢酸を黄色固体として得た(131mg、収率97%)。
【0279】
工程B:
【化136】

3-アミノ-p-トリル酢酸(131mg、0.8mmol)および1B(220mg、0.92mmol)をDMF(2mL)中で18時間撹拌した。水を加えて生成物を沈殿させNaHCO3水溶液を加えてpHを6に調節した。固体を濾取し水洗、乾燥して上記エステルを得た(62%)。
工程C:題記化合物
DMF(2mL)中の上記カルボン酸(86mg、0.23mmol)に対し、EDC(49mg、0.26mmol)およびHOBt(35mg、0.26mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌した後メチルアミン(0.25ml、2MTHF溶液)を加えた。反応液を18時間撹拌してから水(12mL)を加えた。固体を濾取して題記化合物を得た(75mg、収率84%)。
HPLC ret.t.: 2.85 min.
(M+H)+:395.2,
【0280】
実施例235と236
【化137】

実施例2および3の方法に従い、実施例234から実施例235および236を調製した。
【0281】
【表33】

【0282】
実施例237
【化138】

【0283】
工程A:
【化139】

化合物1Bを標準的な懸化方法で加水分解し、EDC/HOBt法によりn-プロピルアミンと縮合させてC-6 n-プロピルアミドオキソピロロトリアジンを得た。この化合物(1.65g、7mmol)をトルエン(50mL)に溶解し、POCl3(0.8mL、8.45mmol)とDIPEA(1L、5.6mol)を加え、溶液を10時間還流した。反応液を冷却後、氷水のNaCO3溶液に注いだ。溶液をEtOAcで抽出しNa2SO4上で乾燥し、濾過して濃縮し塩化物を黄色の固体として得た(1.65g、収率93%)。これは更なる精製を行うことなく次の反応に用いた。
【0284】
工程B:
【化140】

3-ニトロ-4-メチルベンズアミド(402mg、2.2mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、プロピオン酸無水物(2.45mmol)およびDMAP(381mg、3.1mmol)を加えて反応混合物を55℃で加熱した。プロピオン酸無水物(2.45mmol)およびDMAP(1.4 eq)を追加し反応温度を85℃に上げて2時間加熱した。反応容器を冷却しCH2C12(50mL)および水(25mL)の混合物中に注いだ。有機層を1NHClおよび食塩水で洗浄しNa2SO4上で乾燥し、濾過して減圧濃縮し得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(15%次いで30%EtOAc/ヘキサン)で精製してニトロイミド体を得た(333mg、収率63%)。
上記化合物(152mg、0.6mmol)をEtOH(6mL)中に溶解し、5%Pd/C(湿状態、35mg)を加えて容器を脱気し水素風船下で水素を満たした。反応液を2時間撹拌し、濾過して濃縮し白色固体を得た。これは更なる精製を行うことなく次の反応に用いた(132mg、収率99%)。
上記アニリン(20mg)および塩化物(20mg)をDMF(0.25mL)中で混合し18時間撹拌した。該溶液に水(1mL)を滴下しNaHC03水溶液で希釈した。固体を2時間強く撹拌し濾過して水洗し33.6mgを得た(収率98%)。
【0285】
実施例238
【化141】

【0286】
工程A:
【化142】

3-ニトロ-4-メチルベンズアミド(0.2g、1.1mmol)をジクロロメタン(6mL)に懸濁し、塩化オキサリル(0.12mL、1.3mmol)を0℃で加えた。溶液を室温にまで加温し1時間撹拌した後18時間加熱環流した。溶液を冷却し、揮発成分を除去して濃縮し減圧下に乾燥して目的物を得た。これは更に精製を行うことなく次の反応に供した。
【0287】
工程B:
【化143】

当該アシルイソシアネートに対して、CH2Cl2(5mL)およびEtOH(1mL)を加えて1時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去しEtOAcを加えて固体を濾取しエーテルで洗浄して白色固体を得た(203mg、収率73%)。粗生成物の固体をMeOH(25mL)に溶解し5%Pd/Cの存在下で水素風船を用いて水素化を行い、濾過して白色固体を得た(174mg、収率97%)。
工程C:題記化合物
前工程の固体を標準的な条件で上記のピロロトリアジンクロリドと縮合させ題記の化合物を収率55%で得た。
【0288】
実施例239−267
アシルイソシアネートと適切なアミンとを反応させ実施例238の記載と同様にして実施例239-267を調製した。
【化144】

【0289】
【表34】

【0290】
【表35】

【0291】
【表36】

【0292】
【表37】

【0293】
実施例268−284
工程A:
【化145】

【0294】
塩化4-メチル-3-ニトロベンゾイル(1.09g、5.87mmol)をDMF(10mL)に溶解し、フタルイミド(0.86g、5.87mmol)、Bu4NI(50mg)、およびK2CO3(0.97g)を加えて反応混合物を4時間高速で撹拌した。水を滴下してスラリーを15分間撹拌した。固体を濾取し水洗して保護アミンを得た(1.68g、収率97%)。
上記の固体(0.75g)をEtOH(25mL)中に懸濁しヒドラジン(0.39mL)を加えた。反応混合物を8時間60℃に加熱してから冷却した。MeOH(25mL)を加えて懸濁液を強く撹拌し固体を粉砕した。生成物を濾取してMeOH(2x)で洗浄し生成物を得た(0.38g、収率90%)。
【0295】
工程B:
【化146】

アミン(0.38g、2.3mmol)をCH2Cl2(10mL)に溶解し0℃に冷却してDIPEA(0.44mL、2.5mmol)を加えた。クロロ蟻酸エチル(0.22mL、2.3mmol)を加えて反応液を5分間撹拌し、続いてMeOH(0.1mL)を加えた。混合物を濃縮して得られたオイルをEtOAc(30mL)に溶解し、水、希釈したNaHCO3水溶液および食塩水で洗浄した。有機層をNa2CO3上で乾燥し、濾過し濃縮してオイルを得た。カラムクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)で精製してニトロ体を得た(500mg、収率92%)。
上記生成物をEtOH(5mL)およびEtOAc(5mL)中に溶解し、5%Pd/Cを加えて容器を脱気し水素ガスで満たした(3x)。混合物を1時間撹拌し濾過して生成物を得た(177mg、収率99%)。
このアミンを縮合させ、実施例1と同様に処理して以下の表に記載の実施例化合物を得た。
【0296】
【化147】

【0297】
【表38】

【0298】
【表39】

【0299】
実施例285−290
実施例31と同様にして以下の化合物を調製した。
【化148】

【0300】
【表40】

【0301】
実施例291−293
工程A:
【化149】

【0302】
3-ニトロ-4-メチルアセトフェノン(0.4g、2.23mmol)をEtOH(12mL)中に溶解し、5%Pd/C(湿状態、100mg)を加えた。フラスコを脱気し水素風船下で水素ガスを満たした(3x)。反応液を3時間撹拌し、濾過し、濃縮して3-アミノ-4-メチルアセトフェノンを得た(330mg、収率99%)。
工程B:実施例1と同様にして3-アミノ-4-メチルアセトフェノンを1Bと縮合させてC-6アミドとし、実施例2および3と同様の手法で下記の表の化合物を調製した。
【化150】

【0303】
【表41】

【0304】
実施例294
【化151】

【0305】
工程A:
【化152】

3-ニトロ-4-メチルアセトフェノン(0.lg、0.53mmol)をMeOH(5mL)中に溶解し、アクフロオール(Accufluor)を加えて溶液を18時間加熱環流した。反応液を冷却し、濃縮して残渣をCH2Cl2に懸濁した。溶液を濾過し、濾液を飽和NaHCO3水溶液および水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し濾過し濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(10%次いで25%EtOAc/ヘキサン)で精製し上記生成物を得た(70mg、収率54%)。
【0306】
工程B:題記化合物
上記実施例と同様の手法でこの生成物をアミンに還元し、実施例237の調製の工程Aで得られた中間体と直接縮合させ、ケタールを粗生成物として得た。これをアセトン(3mL)中3NHCl(0.1mL)で2日間処理し、その後飽和NaHCO3水溶液で中和し水(3mL)で希釈した。固体を濾取して題記の化合物55.3mgを得た。
【0307】
実施例295
【化153】

【0308】
工程A:
【化154】

塩化3-ニトロ-4-メチルベンゾイル(1.6g)をTHF(50mL)およびMeCN(50 mL)中に溶解し、トリメチルシリルジアゾメタン(5mL、2M ヘキサン溶液)とTEA(1.4mL)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で24時間撹拌した。減圧下で揮発物を除去し、黄色固体を粗生成物として得た(3.3g)。その一部をカラムクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)で精製した。
上記のジアゾケトンをCH2Cl2(1mL)およびEtOH(0.09mL)に溶解し、BF3OEt2(0.006mL)を加えた。混合物を90分間撹拌しBF3OEt2(0.005mL)を追加した。反応混合物を16時間撹拌しシリカゲルプラグに直接通して精製し、ケトン体を得た(42.1mg、収率88%)。
【0309】
工程B:
【化155】

上記実施例と同様の手法で該ケトン体をアミノアルコールに還元し実施例1のようにクロロピロロトリアジンと縮合してアルコールを得た(58mg)。
工程C:題記化合物
アルコールをCH2Cl2に溶解しPCC(36.3mg、0.17mmol)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌しセライトで濾過しカラムクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、ケトン体を得た(44mg、収率79%)。
【0310】
実施例296−305
実施例31の方法に従い、実施例296−305を調製した。
【表42】

【0311】
実施例306−307
実施例3の記載と同じ方法により実施例306−307を調製した。
【表43】

【0312】
実施例308−311
実施例48の記載と同様の方法により実施例308−311を調製した。
【表44】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】

〔式中、Xは−O−、−OC(=O)−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)−、−CO−、−NR−,−NRC(=O)−、−NRC(=O)NR−、−NRCO−、−NRSO−、−NRSONR−、−SONR−、−C(=O)NR−、ハロゲン、ニトロ、およびシアノより選択され、またはXは存在せず;
Zは、−(CH)−C(=O)NR10−B、−NR10aC(=O)−B、−(CH)−N10aC=(O)−B、−NR10aC(=O)NR10−B、−NR10SO−B、−S0NR10−B、−C(=O)−B、−CO−B、−OC(=O)−B、−C(=O)NR10−NR10a−B、−NR10CO−Bまたは−C(=O)NR10−(CH)C(=O)B
Bは
(a)任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ若しくは任意で置換されたヘテロアリール、または
(b)1個のR11および0個から2個のR12で置換されたアリールであり;
は任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール、若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;

(a)任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ若しくは任意で置換されたヘテロアリール、
(b)1個のR11および0個から2個のR12で置換されたアリール、または
(c)−C(=O)R13、−CO13、−C(=O)NR1313aであり;
は任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルコキシ、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;
は水素、−C(=O)R13または−CO13であり;
は水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキル、任意で置換されたヘテロシクロ、任意で置換されたアリール若しくは任意で置換されたヘテロアリールであり;
とRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、−OR14、−SR14、−OC(=O)R14、−CO14、−C(=O)NR1414a、−NR1414a、−S(=O)R14、−SO14、−SONR1414a、−NR14SONR14a14b、−NR14aSO14、−NR14C(=O)R14a、−NR14CO14a、−NR14C(=O)NR14a14b、ハロゲン、ニトロおよびシアノから選択され;
は水素またはC1−4アルキルであり;
は水素、メチル、パーフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、シアノ、NHまたはNH(CH);
は以下より選択され
a)水素原子、但し、もしもXが−S(=O)−、−SO−、−NRCO−または−NRSO−の場合、Rは水素でなく、
b)それぞれ独立してケトおよび/または1個から4個のR17で任意に置換されてもよいアルキル、アルケニル、およびアルキニル、
c)いずれも任意で独立して1個から3個のR16で置換されていてもよいアリールおよびヘテロアリール、
d)いずれも任意で独立してケトおよび/または1個から4個のR16で置換されてもよいヘテロシクロおよびシクロアルキル、
e)Xがハロゲン、ニトロまたはシアノの場合、Rは存在せず;
はフェニル環Aの置換可能な任意の炭素原子に結合して、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバモイル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、アルキルスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、フェニル、ベンジル、アリールオキシおよびベンジルオキシから独立して選択され、いずれのRも1個から2個のR18で更に置換されていてもよく;
およびRは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから選択され;
10およびR10aは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびアリールから選択され;
11
(a)いずれも任意で置換されてもよいアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−SOアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロおよびヘテロアリール、または
(b)ハロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択され;
12はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1−4アルキルから選択され;
13およびR13aは水素、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたシクロアルキルおよび任意で置換されたアリールから独立して選択され;
14、R14aおよびR14bは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから独立して選択され、但し、R14が−S(=O)R14、−SOl4および−NR14aSO14としてスルホニル基に組み込まれた場合、R14は水素でなく;
16はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1−4アルキルから選択され;
17
(a)ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、−SR23、−OR23、−NR2324、−NR23SO25、−SO25、−SONR2324、−CO23、−C(=O)R23、−C(=O)NR2324、−OC(=O)R23、−OC(=O)NR2324、−NR23C(=O)R24、−NR23CO24
(b)1個から3個のR26で任意に置換されたアリール若しくはヘテロアリール、
(c)ケト(=O)および/または1個から3個のR26で任意に置換されてもよいシクロアルキル若しくはヘテロシクロから選択され;
18とR26は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、C1−4アルキルチオ、アリール、ヘテロシクロ、(アリール)アルキル、アリールオキシ、(アリール)アルコキシから独立して選択され、
23とR24は、水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロから独立して選択され、
25はアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロから選択され;
mは0、1、2または3である。〕
そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物。
【請求項2】
式(I)で表される請求項1の化合物、
【化2】

〔式中、Xは−O−、−OC(=O)−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)−、−CO−、−NR−,−NRC(=O)−、−NRC(=O)NR−、−NRCO−、−NRSO−、−NRSONR−、−SONR−、−C(=O)NR−、ハロゲン、ニトロ、およびシアノより選択され、またはXは存在せず;
Yは−NR10aC(=O)NR10−、−NR10SO−、−SONR10−、−C(=O)−、−CO−または−OC(=O)−であり;
Bは任意で置換されてもよいシクロアルキル、ヘテロシクロ、若しくはヘテロアリール、または1個のR11と0個から2個のR12で置換されたアリールであり;
とRはそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、−OR14、−SR14、−OC(=O)R14、−CO14、−C(=O)NR1414a、−NR1414a、−S(=O)R14、−SO14、−SONR1414a、−NR14SONR14a14b、−NR14aSO14、−NR14C(=O)R14a、−NR14CO14a、−NR14C(=O)NR14a14b、ハロゲン、ニトロおよびシアノから選択され;
は、水素またはC1−4アルキル;
は水素、メチル、パーフルオロメチル、メトキシ、ハロゲン、シアノ、NHまたはNH(CH);
は以下より選択され
a)水素、但し、もしもXが−S(=O)−、−SO−、−NRCO−または−NRSO−の場合、Rは水素でなく、
b)ケトおよび/または1個から4個のR17で任意に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル;
c)1個から3個のR16で任意に置換されたアリールおよびヘテロアリール;
d)ケトおよび/または1個から4個のR16で任意に置換されたヘテロシクロおよびシクロアルキル;
e)もしもXがハロゲン、ニトロ又はシアノの場合は、Rは存在せず;
はフェニル環Aの置換可能な任意の位置に結合して、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバモイル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、アルキルスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、フェニル、ベンジル、アリールオキシおよびベンジルオキシから独立して選択され、いずれのRも1個または2個のR18で更に置換されていてもよく;
およびRは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから選択され;
10およびR10aは独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびアリールから選択され;
11は任意で置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、およびヘテロアリールから選択され、
12はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1−4アルキルから選択され;
13およびR13aは水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
14、R14aおよびR14bは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールから独立して選択され、但し、R14が−S(=O)R14、−SOl4および−NR14aSO14としてスルホニル基に組み込まれた場合、R14は水素でなく;
16はアルキル、R17、および(ケトおよび/または1個から3個のR17で置換された)C1−4アルキルから選択され;
17はハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、−SR23、−OR23、−NR2324、−NR23SO25、−SO25、−SONR2324、−CO23、−C(=O)R23、−C(=O)NR2324、−OC(=O)R23、−OC(=O)NR2324、−NR23C(=O)R24、−NR23CO24;1個から3個のR26で任意に置換されたアリール若しくはヘテロアリール;ケト(=O)および/または1個から3個のR26で任意に置換されてもよいシクロアルキル若しくはヘテロシクロから選択され;
18とR26は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、C1−4アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシから独立して選択され、
23とR24は水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロからそれぞれ独立して選択され;
25はアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロから選択され;
mは0、1、2または3である。〕
そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物。
【請求項3】
請求項2の化合物、
〔式中、Bは1個から2個のRで任意に置換されたC3−7シクロアルキル、1個から2個のRで任意に置換された5員環ヘテロアリール、1個若しくは2個のRで任意に置換された5員環若しくは6員環ヘテロシクロ、または1個のR11と0個から2個のR12で任意に置換されたアリールであって;
はB環上の置換可能な窒素原子または炭素原子に結合し、それぞれ独立してケト(=O)、アルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ウレイド、シアノ、−SR20、−OR20、−NR2021、−NR20SO21、−SO19、−SONR2021、−CO20、−C(=O)R20、−C(=O)NR2021、−OC(=O)R20、−OC(=O)NR2021、−NR20C(=O)R21、−NR20CO21、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、およびヘテロアリールから選択され;および/またはBがシクロアルキルの場合、2個のRが結合して任意に置換基を有する炭素数3若しくは4の炭素炭素架橋を形成してもよく、または2個のRは一緒に縮合炭素環、ヘテロシクロ若しくはヘテロアリール環を形成することもでき当該縮合環は1個から3個のR22で任意に置換されていてもよく;
20およびR21は水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、フェニル、C3−7シクロアルキル、および5から6員環ヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され;
12およびR22は独立してC1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択される。〕
その薬学的に許容される塩、または水和物。
【請求項4】
式(Ia)で示される請求項2の化合物
【化3】

〔式中、Rはメチル、−CF、または−OCFであり;
Xは、−C(=O)−、−NRC(=O)−、または−C(=O)NR−であって、Rは水素またはC1−4アルキルであり;
Yは、−NHC(=O)NH−、または−NHSO−であり;
は、水素、C2−6アルキル、1個から3個のR17で任意に置換されたC1−4アルキル、ケト(=O)および/または1個から3個のR16で任意に置換されたシクロアルキル若しくはヘテロシクロ、または1個から3個のR16で任意に置換されたアリール若しくはヘテロアリールであり;
6aおよびR6bは独立して水素、C1−6アルキル、置換C1−4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、−OR27、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、−NR2728、SR27、−NO、−CN、−CO27、−CONH、−SOH、−S(=O)アルキル、−S(=O)アリール、−NHSO−アリール−R27、−SONHR27、−CONHR27、および−NHCONHR27から選択され;
16はC1−4アルキル、R17、および(ケト(=O)および/または1個から2個のR17で置換された)C1−4アルキルから選択され;
17はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、C3−7シクロアルキル、および5若しくは6員環ヘテロアリール若しくはヘテロシクロから選択され;
27およびR28は水素、C1−4アルキル、フェニル、C3−7シクロアルキル、および5若しくは6員環ヘテロアリール若しくはヘテロシクロから選択される。〕
その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、または溶媒和物。
【請求項5】
請求項2に記載の以下の化合物、
〔式中、B環がヘテロシクロおよび0個から2個のR12で置換されたフェニル、または下記から選択されるシクロアルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクロ環であり;
【化4】

ここで、E、G、JおよびKはO、S、NHおよびCHから選択され、但し、qが0の場合はJおよびKはOおよびSより同時に選択されることはなく;MはNまたはCHであり;E、G、J、KおよびMの水素原子は任意でRにより置換されてもよく
およびR12は独立してC1−6アルキル、置換C1−4アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、−C1−4アルコキシ、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、−CN、−COアルキル、−CONH、−CONHCH、−CON(CH、フェニル、ベンジル、C3−7シクロアルキル、および5若しくは6員環ヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され;
nは0、1または2であり
pおよびqは、0、1、2、3または4から選択され、但し、pおよびqをあわせても4を超えることはない。〕
その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項6】
およびRが独立して水素またはCHである、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項7】
が水素である、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項8】
がメチル、−CF、または−OCFである、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項9】
Xが−C(=O)−または−C(=O)NH−である、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項10】
Xが−C(=O)−であり、Rが1個から2個のC1−4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジルフェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、および/または(1個から2個のハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジルフェニルオキシ、ベンジルオキシ、NH、NH(C1−4アルキル)、および/またはN(C1−4アルキル)で置換された)C1−4アルキルで任意に置換されたフェニル、ピリジル、ピリミジニル、またはピラジニルである、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、または溶媒和物。
【請求項11】
Bが、1個から2個のRで任意に置換されたシクロプロピル若しくはシクロブチル、5若しくは6員環ヘテロシクロと0個から2個のR12で置換されたフェニル、またはBが下記より選択されるものであり;
【化5】

およびR12が独立して、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択され;nが0、1または2である、請求項2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項12】
少なくとも一つの請求項1に記載の化合物、および薬学的に許容される担体若しくは希釈剤よりなる薬学的組成物。
【請求項13】
少なくとも一つの請求項9に記載の化合物、および薬学的に許容される担体若しくは希釈剤よりなる薬学的組成物。
【請求項14】
下式で表される化合物、
【化6】

〔式中、RはメチルまたはCFであり;
Xは−C(=O)−または−C(=O)NH−であり;
は直鎖若しくは分枝鎖のC2−6アルキル、ケトおよび/または最大2個までのR16で任意に置換されたシクロアルキル;ケトおよび/または最大2個までのR16で任意に置換されたヘテロシクロ若しくはヘテロアリール;最大3個までの(ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシ)で置換されたC1−4アルキル(当該フェニルは1個から2個のR26で任意に置換されてもよい);または0個から2個のR16で任意に置換されたフェニルであり;
6aおよびR6bは、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、およびシアノから選択され;
Bは1個から2個のRで任意に置換されたC3−7シクロアルキル、1個から2個のRで任意に置換された5員環ヘテロアリール、1個から2個のRで任意に置換された5員若しくは6員環ヘテロシクロ、またはR11および0個から2個の(R12、−C(=O)R13、−CO13、および−C(=O)NR1313a)で置換されたフェニルであり;
はB環上の置換可能な窒素原子または炭素原子に結合し、それぞれ独立してアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロアルキコキシ、ウレイド、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、−CN、−COアルキル、−CONH、−CONH(CH)、−CON(CH、フェニル、ベンジル、C3−7シクロアルキル、および5員若しくは6員環ヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され、および/またはBがシクロアルキルの場合、2個のRが結合して任意に置換基を有する炭素数3若しくは4の炭素炭素架橋を形成してもよく、または2個のRは一緒に縮合炭素環、ヘテロシクロ若しくはヘテロアリール環を形成することもでき当該縮合環は1個から3個のR22で任意に置換されていてもよく;
11は1個から2個のR15で任意に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、若しくはヘテロアリールであり;
13およびR13aは水素およびC1−4アルキルから選択され;
12、R15およびR16は、それぞれ独立して水素、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択され;
20およびR21は、水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロから選択され;
22およびR26は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択される。〕
そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物であって、式中、Bがヘテロシクロおよび1個から2個のR12で置換されたフェニル;1個から2個のRで任意に置換されたシクロブチル若しくはシクロプロピル;またはBが下記から選択されたものであり;
【化7】

が、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシであり;
nが0、1または2である、化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。
【請求項16】
下式で表される化合物、
【化8】

〔式中、RはメチルまたはCFであり;
Xは−C(=O)−または−C(=O)NH−であり;
は直鎖若しくは分枝鎖のC2−6アルキル、ケトおよび/または最大2個までのR16で任意に置換されたシクロアルキル;ケトおよび/または最大2個までのR16で任意に置換されたヘテロシクロ若しくはヘテロアリール;最大3個までの(ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシ)で置換されたC1−4アルキル(当該フェニルは1個から2個のR26で任意に置換されてもよい);または0個から2個のR16で任意に置換されたフェニルであり;
6aおよびR6bは、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、およびシアノから選択され;
Bは1個から2個のRで任意に置換されたC3−7シクロアルキル、1個から2個のRで任意に置換された5員環ヘテロアリール、1個から2個のRで任意に置換された5員若しくは6員環ヘテロシクロ、またはR11および0個から2個の(R12、−C(=O)R13、−CO13、および−C(=O)NR1313a)で置換されたフェニルであり;
はB環上の置換可能な窒素原子または炭素原子に結合し、それぞれ独立してアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロアルキコキシ、ウレイド、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、−C(=O)アルキル、−OC(=O)アルキル、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、−CN、−COアルキル、−CONH、−CONH(CH)、−CON(CH、フェニル、ベンジル、C3−7シクロアルキル、および5員若しくは6員環ヘテロシクロ若しくはヘテロアリールから選択され、および/またはBがシクロアルキルの場合、2個のRが結合して任意に置換基を有する炭素数3若しくは4の炭素炭素架橋を形成してもよく、または2個のRは一緒に縮合炭素環、ヘテロシクロ若しくはヘテロアリール環を形成することもでき当該縮合環は1個から3個のR22で任意に置換されていてもよく;
11は1個から2個のR15で任意に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロ、若しくはヘテロアリールであり;
13およびR13aは水素およびC1−4アルキルから選択され;
12、R15およびR16は、それぞれ独立して水素、アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択され;
20およびR21は、水素、アルキル、アルケニル、置換アルキル、置換アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロから選択され;
22およびR26は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、アミノC1−4アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−4アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、およびベンジルオキシから選択される。〕
そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、および溶媒和物。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物であって、式中、Bがヘテロシクロおよび1個から2個のR12で置換されたフェニル;1個から2個のRで任意に置換されたシクロブチル若しくはシクロプロピル;またはBが下記から選択されたものであり;
【化9】

が、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、フェニル、ベンジル、フェニルオキシ、またはベンジルオキシであり;nが、0、1または2である化合物、その薬学的に許容される塩、または溶媒和物。

【公開番号】特開2010−132673(P2010−132673A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7097(P2010−7097)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【分割の表示】特願2003−587532(P2003−587532)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】