キャップおよび電子機器
【課題】 電子タグが添付された物品の画像データと電子タグに記憶されている情報とを関連付けて管理する手段を、既存のデジタルカメラ等の電子機器を利用して提供すること。
【解決手段】 本発明では、キャップは、電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、電子タグリーダーにより読み取られたタグ情報を電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを有している。電子機器は、キャップから出力されたタグ情報を画像データに関連付けて記憶する。これにより、電子タグリーダーを内蔵していない既存のデジタルカメラ等の電子機器でも、タグ情報をキャップを介して取得できるため、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。
【解決手段】 本発明では、キャップは、電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、電子タグリーダーにより読み取られたタグ情報を電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを有している。電子機器は、キャップから出力されたタグ情報を画像データに関連付けて記憶する。これにより、電子タグリーダーを内蔵していない既存のデジタルカメラ等の電子機器でも、タグ情報をキャップを介して取得できるため、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の受光部に入射する光を遮るためのキャップと、このキャップが取り付けられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)等の電子タグの普及に伴い、電子タグを用いた様々な管理システムが提供されてきている。例えば、電子タグリーダーをデジタルカメラ本体に内蔵し、電子タグが添付された物品をデジタルカメラで撮影し、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−184742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のシステムでは、ユーザーは、電子タグが添付された物品の画像データと電子タグに記憶されている情報とを関連付けて管理するために、電子タグリーダーを内蔵したデジタルカメラを購入する必要がある。
本発明の目的は、電子タグが添付された物品の画像データと電子タグに記憶されている情報とを関連付けて管理する手段を、既存のデジタルカメラ等の電子機器を利用して提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
キャップは、電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、電子タグリーダーにより読み取られたタグ情報を電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを有している。キャップは、電子機器の受光部に入射する光を遮るために、電子機器に取り付けられる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、電子タグリーダーを内蔵していないデジタルカメラ等の電子機器でも、タグ情報をキャップを介して取得できるため、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示している。この実施形態では、レンズキャップ10は、電子タグリーダー12、キャップ発光部14、バッテリー16、メモリ18、レンズ接続部20および操作部22を有している。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40および上述のレンズキャップ10により構成されている。この実施形態のレンズキャップ10は、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップである。
【0007】
レンズキャップ10の電子タグリーダー12は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)等の電子タグに記憶されている情報(以後、タグ情報とも称する)を読み取るための読み取り装置である。電子タグリーダー12は、電子タグと非接触で通信を行うためのアンテナANTとアンテナANTが送受信する信号を制御する制御部CNTを有している。さらに、制御部CNTは、アンテナANTが受信したタグ情報をメモリ18に書き込む。なお、制御部CNTは、タグ情報をキャップ発光部14に直接送信してもよい。キャップ発光部14は、例えば、発光ダイオード(LED)と発光ダイオードの発光パターンを制御するための回路とを有する。キャップ発光部14は、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14は、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40の撮像素子42に向けて出力する。ここで、光信号OPTSIGは、例えば、タグ情報を示す光の点滅パターンである。
【0008】
バッテリー16は、例えば、ボタン電池であり、電子タグリーダー12、キャップ発光部14およびメモリ18の電源である。メモリ18は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)で形成される。メモリ18には、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報が記憶される。レンズ接続部20は、カメラ本体40のキャップマウント54に接続される。これにより、レンズキャップ10は、カメラ本体40に取り付けられる。操作部22は、例えば、押しボタン式のスイッチであり、タグ情報を電子タグリーダー12で読み取るために、ユーザーにより操作される。
【0009】
カメラ本体40は、撮影レンズLENS、撮像素子42、CPU、本体メモリ44、記録媒体46、モニター48、本体操作部50、シャッタースイッチ52およびキャップマウント54により構成されている。撮像素子42は、例えば、CCDイメージサンサーやCMOSイメージセンサーである。撮像素子42は、撮影レンズLENSを介して入射される被写体の像を電気信号に変換し、変換した電気信号をCPUに出力する。また、撮像素子42は、レンズキャップ10が出力する光信号OPTSIGを受信し、受信した光信号OPTSIGを電気信号に変換する。
【0010】
本体メモリ44は、例えば、フラッシュメモリやROMで形成される。本体メモリ44には、CPUが実行するプログラムが書き込まれている。CPUは、例えば、本体メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて、画像処理等の信号処理および露光制御等の制御処理を行う。また、CPUは、撮像素子42により変換された電気信号をタグ情報に復調する。CPUは、復調したタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付ける。例えば、CPUは、電子タグが添付された物品の画像データをExif(Exchangeable Image File Format)にして処理し、Exifのヘッダー領域に電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報を書き込む。
【0011】
記録媒体46は、例えば、メモリカードであり、撮影された画像の画像データを記憶する。モニター48は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)であり、撮影された画像やメニュー画面、タグ情報等を表示する。本体操作部50は、例えば、十字キー等の押しボタン式のスイッチであり、モニター48に表示する画像を選択するとき等に、ユーザーにより操作される。
【0012】
カメラ本体40は、CPUの動作により、レンズキャップ10により読み取られたタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付けて記憶できる。上述のCPUの動作は、カメラ本体40の制御プログラムを除き、既存の構成で実施できる。したがって、レンズキャップ10に対応していないデジタルカメラでも、デジタルカメラの制御プログラム、例えば、ファームウェアを更新することで、レンズキャップ10に対応できる。これにより、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。レンズキャップ10をカメラ本体40に取り付けたときの詳細な動作フローは、後述する図4−図8で説明する。
【0013】
図2は、図1に示したデジタルカメラのレンズキャップ10の外形の一例を示している。図2(a)は、レンズキャップ10の前面(図1に示した撮影レンズLENSと反対側の面)を示している。レンズキャップ10の前面および側面には、図1に示した操作部22および摘み24がそれぞれ形成されている。操作部22は、押しボタンスイッチにより構成されている。例えば、図1に示した電子タグリーダー12は、押しボタンスイッチの押し下げにより、電子タグのスキャンを開始し、押しボタンスイッチの再押し下げにより、電子タグのスキャンを終了する。なお、電子タグリーダー12は、タグ情報の読み取りが完了した時点で、自動的にスキャンを終了してもよい。摘み24は、レンズキャップ10と図1に示したカメラ本体40との装着および脱着のための摘みである。摘み24の詳細は、図3で説明する。
【0014】
図2(b)は、レンズキャップ10の裏面(図1に示した撮影レンズLENS側の面)を示している。レンズキャップ10の裏面の中央部には、図1に示したキャップ発光部14の出力部OUT、例えば、発光ダイオードが設けられ、レンズキャップ10の内側には、レンズ接続部18が設けられている。出力部OUTをレンズキャップ10の中央部に形成することで、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続したときに、出力部OUTは、撮影レンズLENSの光軸上に位置する。これにより、図1に示した撮像素子42に光信号OPTSIGを効率良く受信させることができる。レンズ接続部18は、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続した場合、例えば、図1に示したキャップマウント34の内側に収まる。
【0015】
図3は、図2に示した摘み24の状態(図1に示した撮影レンズLENSと反対側の面)の一例を示している。摘み24は、例えば、スプリング式の構成である。図3(a)は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていないときの摘み24の状態を示している。このときは、摘み24に形成されているレンズ接続部18の一部(以後、摘み24のレンズ接続部18とも称する)は、スプリングにより、図1に示したキャップマウント34の内周より外側に広がっている。図3(b)は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているときの摘み24の状態を示している。レンズ接続部18がキャップマウント34の内側に収まった状態で摘み24が解放されると、摘み24には、スプリングにより、図3(a)の状態に戻るための力が加わる。これにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34に圧力をかけている状態になり、レンズ接続部18とキャップマウント34とを固定する。
【0016】
図3(c)は、カメラ本体40からレンズキャップ10を取り外すときおよび取り付けるときの摘み24の状態を示している。摘み24が外側から内側に押されることにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34の内周より内側に移動する。これにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34に圧力をかけない状態になり、レンズ接続部18とキャップマウント34との固定を解除する。レンズキャップ10は、この状態で、カメラ本体40に脱着される。
【0017】
図4は、図1に示したレンズキャップ10の動作フローの一例を示している。ステップS100−S220は、レンズキャップ10の機械的動作により実施される。なお、ステップS100−S220は、レンズキャップ10にCPUおよび制御プログラムを記憶するためのメモリを搭載し、搭載されたCPUにより、制御プログラムに基づいて実施されるようにしてもよい。
【0018】
ステップS100では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチ(操作部22)が押し下げられたか否かを検出する。ステップS110では、押しボタンスイッチが押し下げられた場合(S110のY)、処理はステップS120に移る。押しボタンスイッチが押し下げられていない場合(S110のN)、処理はステップS100に戻り、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられまで待機する。ステップS120では、レンズキャップ10は、メモリ18にタグ情報を正しく記憶させるために、メモリ18の状態をリセットする。ステップS130では、レンズキャップ10の電子タグリーダー12は、物品に添付されている電子タグをスキャンし、タグ情報を読み取る。ステップS140では、電子タグリーダー12は、読み取ったタグ情報をメモリ18に書き込む。
【0019】
ステップS150では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられたか否かを再度検出する。ステップS160では、押しボタンスイッチが押し下げられた場合(S160のY)、処理はステップS170に移る。押しボタンスイッチが押し下げられていない場合(S160のN)、処理はステップS130に戻り、電子タグリーダー12は、押しボタンスイッチが押し下げられまで、電子タグのスキャンを継続する。このループ(ステップS130−S160のN)により、電子タグリーダー12は、複数の電子タグを連続してスキャンできる。ステップS170では、電子タグリーダー12は、電子タグのスキャンを終了する。なお、タグ情報の読み取りが完了した時点で、自動的にスキャンを終了する場合は、ステップS150、S160の処理(ボタン操作検出処理)は省略される。また、後述するステップS210のNのとき(スキャン終了からのタイムアウト時間を超えていない場合)の処理は、ステップS100に戻るループにする。このループを繰り返すことにより、自動的にスキャンを終了する電子タグリーダー12は、複数の電子タグをレンズキャップ10を外した状態で連続してスキャンできる。
【0020】
ステップS180では、レンズキャップ10は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているか否かを判定する。例えば、レンズキャップ10は、カメラ本体40に取り付けられた状態(上述した図3(b))のときにオンする図示していないスイッチを内蔵している。カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない状態(図3(a))あるいは図2に示した摘み24が外側から内側に押された状態(図3(c))では、スイッチはオフする。レンズキャップ10は、スイッチの両端の電流あるいは電圧の状態等からスイッチの状態を検出し、カメラ本体40に取り付けられているか否かを判定する。このように、レンズキャップ10だけで、レンズキャップ10の脱着を検出できるため、カメラ本体40の改造は不要である。
【0021】
なお、レンズキャップ10をカメラ本体40に取り付けるときの摘み24の状態の遷移は以下になる。先ず、摘み24は、外側から内側に押されると、図3(a)の状態から図3(b)の状態を経て図3(c)の状態になる。そして、レンズキャップ10がカメラ本体40に取り付けられて、摘み24が解放されると、摘み24は、図3(c)の状態から図3(b)の状態になり、レンズキャップ10は、カメラ本体40に固定される。上述したように、摘み24は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられる前に、図3(b)の状態になる瞬間がある。このため、レンズキャップ10は、スイッチの状態を検出する時間を長く、例えば、1秒にする方が短いときに比べて、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているか否かを正しく判別できる。
【0022】
ステップS190では、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合(S190のY)、処理はステップS200に移る。カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合(S190のN)、処理はステップS210に移る。ステップS200では、キャップ発光部14は、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14は、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40の撮像素子42に数回、例えば、3回繰り返して送信する。これにより、後述するカメラ本体40の電子タグ検出処理(後述する図6のステップS500、図8のS800)で、タグ情報を確実に受信できる。
【0023】
ステップS210では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられてから、レンズキャップ10がカメラ本体40に取り付けられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、レンズキャップ10は、ステップS170の電子タグのスキャン終了に伴い、図示していないタイマーを起動する。レンズキャップ10は、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S210のN)、処理はステップS180に戻り、レンズキャップ10は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S210のY)、処理はステップS220に移る。ステップS220では、レンズキャップ10は、メモリ18に記憶されているタグ情報を消去する。ステップS210およびS220の処理により、古いタグ情報はメモリ18から消去されるため、レンズキャップ10が古いタグ情報をカメラ本体40に送信することを防止できる。
【0024】
図5は、図1に示したカメラ本体40の各動作モードに遷移するまでの動作フローの一例を示している。カメラ本体40は、電子タグ添付撮影モード1、電子タグ添付撮影モード2、電子タグ使用再生モード、電子タグ未使用撮影モードおよび電子タグ未使用再生モードの4つの動作モードを有している。電子タグ添付撮影モード1は、撮影される画像の画像データに添付するタグ情報を取得する動作モードである。電子タグ添付撮影モード2は、撮影された画像の画像データに電子タグを添付する動作モードである。電子タグ使用再生モードは、物品に添付されている電子タグから読み取ったタグ情報に一致する画像データを再生する動作モードである。電子タグ未使用撮影モードおよび電子タグ未使用再生モードは、従来と同様の撮影処理および再生処理を行う動作モードである。以後、電子タグ添付撮影モード1、電子タグ添付撮影モード2および電子タグ未使用撮影モードを撮影モード、電子タグ使用再生モードおよび電子タグ未使用再生モードを再生モードとも称する。
【0025】
ステップS300−S410は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS300では、CPUは、光信号OPTSIG以外の光が撮像素子42に到達しているか否かを判定する遮光判定を実施する。ステップS310では、光が撮像素子42に到達していない場合(S310のY)、処理はステップS320に移る。光が撮像素子42に到達してる場合(S310のN)、処理はステップS350に移る。ステップS320では、CPUは、カメラ本体40の動作モードが撮影モードか再生モードかを判定する。ステップS330では、動作モードが撮影モードの場合(S330のY)、処理はステップS340に移る。動作モードが撮影モード以外の場合(S330のN)、処理はステップS380に移る。
【0026】
ステップS350では、CPUは、カメラ本体40の動作モードを判定する。動作モードが電子タグ添付撮影モード2の場合(S360のY)、処理はステップS370に移る。動作モードが電子タグ添付撮影モード2以外(S360のN)かつ撮影モードの場合(S390のY)、処理はステップS400に移る。動作モードが電子タグ添付撮影モード2以外(S360のN)かつ撮影モード以外の場合(S390のN)、処理はステップS410に移る。
【0027】
動作モードが撮影モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合、ステップS340において、CPUは、電子タグ添付撮影モード1に移る(後述する図6のA)。動作モードが電子タグ添付撮影モード2の場合、CPUは、ステップS370において、電子タグ添付撮影モード2に移る(後述する図7のB)。動作モードが撮影モード以外(再生モード)で、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合、ステップS380において、CPUは、電子タグ使用再生モードに移る(後述する図8のC)。
【0028】
動作モードが撮影モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合、ステップS400において、CPUは、電子タグ未使用撮影モードに移り、処理を終了する。動作モードが再生モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合、ステップS410において、CPUは、電子タグ未使用再生モードに移り、処理を終了する。
【0029】
図6は、図5に示した電子タグ添付撮影モード1の動作フローの一例を示している。ステップS500−S570は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS500では、CPUは、上述した図4に示したステップS200で、レンズキャップ10が出力した光信号OPTSIG(タグ情報)を撮像素子42が受信したか否かを検出する。タグ情報が1つ以上検出された場合(S510のY)、ステップS520において、CPUは、検出したタグ情報をモニター48に一覧表示する。例えば、図4に示したステップS200で、レンズキャップ10が5個のタグ情報を送信した場合は、CPUは、5個のタグ情報をモニター48に表示する。ステップS530では、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられたか否かを検出する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S540のY)、ステップS550において、CPUは、動作モードを電子タグ添付撮影モード2に設定する。
【0030】
ステップS510において、タグ情報が検出されなかった場合(S510のN)、処理はステップS560に移り、CPUは、上述した図5に示したステップS320のモード判定処理が完了してからタグ情報を検出するまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、図5に示したステップS320のモード判定処理の完了に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S560のN)、処理はステップS500に戻り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S560のY)、CPUは処理を終了する。
【0031】
ステップS540において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S540のN)、処理はステップS570に移り、CPUは、タグ情報の検出(ステップS510のY)からシャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、タグ情報の検出(ステップS510のY)に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S570のN)、処理はステップS520に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S570のY)、CPUは処理を終了する。
【0032】
図7は、図5に示した電子タグ添付撮影モード2の動作フローの一例を示している。ステップS600−S700は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS600では、図6に示したステップS520でモニター48に一覧表示されたタグ情報から、画像データに添付するタグ情報を選択するための処理を実施する。例えば、CPUは、モニター48に一覧表示されたタグ情報のうち、選択されているタグ情報をハイライト表示し、ユーザーに知らせる。ユーザーは、選択するタグ情報を変更したい場合は、本体操作部50、例えば、十字キー等を操作してタグ情報を選択する。
【0033】
ステップS610では、CPUは、画像データに添付するタグ情報を確定する。例えば、CPUは、本体操作部50の決定ボタン等が押し下げられたときに、ステップS600でハイライト表示していたタグ情報を画像に添付するタグ情報に確定する。ステップS620では、カメラ本体40は、被写体を撮影するために従来と同様の撮影処理を実施する。ステップS630では、CPUは、撮影された画像の画像データにステップS610で確定したタグ情報を添付する。例えば、CPUは、撮影された画像の画像データをExifにして処理し、Exifのヘッダー領域にタグ情報を書き込む。ステップS640では、CPUは、連続して撮影、すなわち、シャッタースイッチ52が連続して押し下げられたか検出する。ステップS650では、連続して撮影された場合(S650のY)、処理はステップS660に移る。連続して撮影されていない場合(S650のN)、処理はステップS670に移る。
【0034】
ステップS660では、CPUは、ステップS610で確定したタグ情報を連続して撮影された画像の画像データに添付するか否かのメッセージをモニター48に表示する。ステップS680では、画像データにタグ情報を添付する場合(S680のY)、処理はステップS630に戻り、CPUは、画像データにタグ情報を添付する。このループ(S630−S680のY)により、1つの物品が連続して撮影される場合でも、デジタルカメラは、タグ情報を一度取得するだけで、撮影された画像の画像データにタグ情報を連続して添付できる。画像データにタグ情報を添付しない場合(S680のN)、処理はステップS690に移る。
【0035】
ステップS670では、CPUは、画像データにタグ情報を添付する処理(ステップS630)が完了してから次の撮影(シャッタースイッチ52の次の押し下げ)までの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、画像データにタグ情報を添付する処理(ステップS630)の完了に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S670のN)、処理はステップS640に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S670のY)、処理はステップS690に移る。ステップS690では、CPUは、動作モードが電子タグ添付撮影モード2に設定されているのを解除する。これにより、ステップS700において、カメラ本体40は電子タグ未使用撮影モードになり、CPUは電子タグ添付撮影モード2の処理を終了する。
【0036】
図8は、図5に示した電子タグ使用再生モードの動作フローの一例を示している。ステップS800−S880は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS800、S810、S830およびはS840は、上述した図6に示したステップS500、S510、S530およびはS540と同じため、詳細な説明を省略する。また、ステップS860およびS870は、図6に示したステップS560およびS570と同様の処理のため、詳細な説明を省略する。
【0037】
ステップS820では、CPUは、ステップS800により、検出されたタグ情報に一致する画像データを再生し、再生した画像をモニター48に一覧表示する。例えば、CPUは、記録媒体46に記憶されている画像データを検索し、Exifのヘッダー領域に書き込まれているタグ情報とステップS800により検出されたタグ情報とを比較する。CPUは、比較したタグ情報が一致した画像データを順次再生し、再生した画像をモニター48に順次表示する。
【0038】
ステップS850では、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられること(ステップS830、S840)により、十字キー等の本体操作部50で画像の選択ができる従来と同様の画像選択モードに動作モードを移す。
ステップS860では、CPUは、上述した図5に示したステップS320のモード判定処理が完了してからタグ情報を検出するまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えていない場合(S860のN)、処理はステップS800に戻り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S860のY)、処理はステップS880に移る。ステップS870では、CPUは、タグ情報の検出(ステップS810のY)からシャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えていない場合(S870のN)、処理はステップS820に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S860のY)、処理はステップS880に移る。ステップS880では、カメラ本体40は電子タグ未使用再生モードになり、CPUは電子タグ使用再生モードの処理を終了する。
【0039】
以上、第1の実施形態では、レンズキャップ10は、物品に添付された電子タグに記憶された情報を読み取り、カメラ本体40に読み取ったタグ情報を光信号OPTSIGとして出力できる。一方、カメラ本体40は、レンズキャップ10が送信したタグ情報を受信し、受信したタグ情報を撮影した画像の画像データに添付できる。この結果、カメラ本体40は、CPUの動作により、レンズキャップ10により読み取られたタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付けて記憶できる。上述のCPUの動作は、カメラ本体40の制御プログラムを除き、既存の構成で実施できる。したがって、レンズキャップ10に対応していないデジタルカメラでも、デジタルカメラの制御プログラム、例えば、ファームウェアを更新することで、レンズキャップ10に対応できる。これにより、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。また、レンズキャップ10に電子タグリーダーが内蔵されているため、カメラ本体40を三脚等で固定した後でも、ユーザーは、レンズキャップ10を物品に添付されている電子タグに近づけることで、タグ情報を読み取ることができる。カメラ本体40を三脚等から取り外して再装着する必要がないため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0040】
図9は、本発明の第2の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Aは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップであり、第1の実施形態のレンズキャップ10のレンズ接続部20の代わりにレンズ接続部20Aが設けられている。レンズキャップ10Aのその他の構成は、第1の実施形態のレンズキャップ10と同じである。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40A、レンズ部70および上述のレンズキャップ10Aにより構成され、カメラ本体40Aは、撮影レンズLENSを内蔵していない。すなわち、この実施形態のデジタルカメラは、一眼レフレックスカメラである。図中の太い破線は、光信号OPTSIGの流れを示している。図中の細い破線は、動作モードが撮影モードのときのカメラ本体40Aに入射する光の流れを示している。
【0041】
カメラ本体40Aは、第1の実施形態のカメラ本体40に、ミラーMIRR、測光センサー56およびファインダー58を追加して構成されている。また、第1の実施形態のキャップマウント54の代わりにレンズマウント54Aが設けられている。ミラーMIRRは、シャッタースイッチ52の押し下げに応答して、撮影レンズLENSからの光信号を撮像素子42に到達させるために、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、図に示したように上方に跳ね上がる。また、ミラーMIRRは、カメラ本体40Aにレンズキャップ10Aがレンズ部70を介して取り付けられているとき、レンズキャップ10Aが出力する光信号OPTSIGを撮像素子42により受信するために、上方に跳ね上がる。
【0042】
測光センサー56は、例えば、CCDイメージサンサーやCMOSイメージセンサーである。測光センサー56は、撮像素子42の露光時間等を決めるために、被写体からの光の強さを測定するための素子である。また、動作モードが撮影モードの場合、測光センサー56により光から変換された電気信号は、遮光判定処理に使用される。レンズマウント54Aは、レンズ部70のボディマウント74に接続される。レンズ部70は、撮影レンズLENS、キャップマウント72およびボディマウント74を有している。キャップマウント72は、レンズキャップ10Aのレンズ接続部20Aに接続される。レンズマウント54Aとボディマウント74との接続およびキャップマウント72とレンズ接続部20Aとの接続により、レンズキャップ10Aは、カメラ本体40Aにレンズ部70を介して取り付けられる。
【0043】
レンズキャップ10Aの動作は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Aの動作は、上述した図5のステップS300、図6のステップS500、S550が第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。また、ステップS300の処理を実施する前に、ミラーMIRRは、動作モードが再生モードの場合、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、図9に示したように上方に跳ね上がる。動作モードが撮影モードの場合、例えば、ミラーMIRRは、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻り、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、測光センサー56およびファインダー58にミラーMIRRを介して光が到達する。カメラ本体40Aのその他の動作フローは、上述した図4−図8と同じため、詳細な説明を省略する。
【0044】
カメラ本体40AのCPUは、遮光判定処理(図5のステップS300)において、動作モードが撮影モードの場合、光信号OPTSIG以外の光が測光センサー56に到達しているか否かを判定する。動作モードが再生モードの場合、CPUは、光信号OPTSIG以外の光が撮像素子42に到達しているか否かを判定する。CPUは、電子タグ添付撮影モード1の電子タグ検出処理(図6のステップS500)を実施する前に、ミラーMIRRを、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、上方に跳ね上げる。これにより、レンズキャップ10Aが出力する光信号OPTSIGを撮像素子42に到達させることができる。電子タグ添付撮影モード2設定(図6のステップS550)の処理のときに、CPUは、ミラーMIRRを、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻し、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、CPUは、上述の測光センサー56による遮光判定処理を実施できる。
【0045】
なお、CPUは、遮光判定処理(図5のステップS300)において、動作モードが撮影モードおよび再生モードの両方のモードとも、測光センサー56を用いて遮光判定処理を実施してもよい。この場合は、ステップS300の処理を実施する前に、CPUは、ミラーMIRRを、例えば、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻し、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。そして、CPUは、電子タグ添付撮影モード1および電子タグ使用再生モードの電子タグ検出処理(図6のステップS500、図8のステップS800)を実施する前に、ミラーMIRRを、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、上方に跳ね上げる。
【0046】
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、一眼レフレックスデジタルカメラにおいても、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。また、ユーザーは、レンズキャップ10を物品に添付されている電子タグに近づけることで、タグ情報を読み取ることができる。したがって、カメラ本体40を三脚等に固定した後でも、ユーザーは、柔軟にタグ情報を読み取ることができるため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0047】
図10は、本発明の第3の実施形態を示している。第2の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Aは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップである。また、電子機器は、例えば、一眼レフレックスデジタルカメラであり、カメラ本体40A、レンズ部70およびレンズキャップ10Aにより構成されている。レンズキャップ10A、カメラ本体40Aおよびレンズ部70の構成は、第2の実施形態のレンズキャップ10A、カメラ本体40Aおよびレンズ部70と同じである。
【0048】
レンズキャップ10Aの動作は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Aの動作は、撮像素子42の代わりに測光サンサー56を用いて光信号OPTSIGを受信する処理が第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。図中の太い破線は、光信号OPTSIGの流れを示している。図中の細い破線は、物品をを撮影するために、シャッタースイッチ52が押し下げられたときの被写体からの光の流れを示している。
【0049】
光信号OPTSIGと遮光判定のための光との両方を測光センサー46が受信するため、CPUは、例えば、ミラーMIRRを、図に示した状態にし、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、測光センサー56およびファインダー58にミラーMIRRを介して光が到達する。カメラ本体40Aのその他の動作フローは、上述した図4−図8と同じため、詳細な説明を省略する。以上、第3の実施形態においても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、カメラ本体40Aの動作が遮光判定処理からレンズキャップ10Aのタグ情報受信処理に移り変わるときに、ミラーMIRRを駆動させる必要がないため、ミラーMIRRの駆動部の摩耗を抑制できる。
【0050】
図11は、本発明の第4の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Bは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップであり、第1の実施形態のレンズキャップ10にキャップ受光部26が追加されて構成されている。また、レンズキャップ10Bは、第1の実施形態のレンズキャップ10のレンズ接続部20、キャップ発光部14および電子タグリーダー12の代わりにキャップベース部20B、キャップ発光部14Aおよび電子タグリーダー12Aがそれぞれ設けられている。レンズキャップ10Aのその他の構成は、第1の実施形態のレンズキャップ10と同じである。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40Bおよび上述のレンズキャップ10Bにより構成されている。カメラ本体40Bは、第1の実施形態のカメラ本体40に発光部60が追加されて構成されている。カメラ本体40Bのその他の構成は、第1の実施形態のカメラ本体40と同じである。
【0051】
カメラ本体40Bの発光部60は、例えば、発光ダイオード(LED)と発光ダイオードの発光パターンを制御するための回路とを有する。発光部60は、CPUにより制御され、電子タグリーダー12Aを制御する制御信号(例えば、電子タグのスキャン実行命令)を制御光信号OPTCNTとしてレンズキャップ10Bのキャップ受光部26に向けて出力する。ここで、光信号OPTCNTは、例えば、電子タグリーダー12Aの制御信号を示す光の点滅パターンである。
【0052】
レンズキャップ10Bのキャップ受光部26は、例えば、フォトダイオードとフォトダイオードが受信した光を復調するための回路とを有する。キャップ受光部26は、カメラ本体40Bが出力する制御光信号OPTCNTを受信し、電子タグリーダー12Aを制御する制御信号に復調する。電子タグリーダー12Aは、例えば、RFID等の電子タグに記憶されている情報(タグ情報)を読み取るための読み取り装置である。電子タグリーダー12Aは、第1の実施形態の電子タグリーダー12の制御部CNTの代わりに制御部CNT2が設けられている。制御部CNT2は、キャップ受光部26が復調した制御信号に基づいて、電子タグのスキャンを実施し、アンテナANTが受信したタグ情報をメモリ18に書き込む。なお、制御部CNT2は、タグ情報をキャップ発光部14Aに直接送信してもよい。キャップ発光部14Aは、電子タグリーダー12Aがタグ情報をメモリ18に書き込む度に、メモリ18に記憶されているタグ情報を光信号OPTSIGとしてカメラ本体40Bの撮像素子42に向けて出力する。カメラ本体40Bの発光部60、撮像素子42、レンズキャップ10Bのキャップ受光部26およびキャップ発光部14Aにより、カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信を実現できる。この結果、カメラ本体40Bは、レンズキャップ10Bによるタグ情報の読み取りの開始等を制御できる。また、レンズキャップ10Bは、読み取ったタグ情報を送信するときに、カメラ本体40Bに既に取り付けられている状態であるため、キャップ装着判定処理(上述した図4に示したステップS180、S190、S210)を省略できる。レンズキャップ10Bの動作を単純にできるため、レンズキャップ10Bの構成を簡易にできる。
【0053】
図12は、図11に示したカメラ本体40Bにレンズキャップ10B(図の網掛け部分)を取り付けたときの外形の一例を示している。図12(a)は、物品を撮影するときあるいは従来と同様の再生処理を行うとき(上述した第1の実施形態で説明した電子タグ添付撮影モード2、電子タグ未使用撮影モード、電子タグ未使用再生モード)のデジタルカメラの状態である。図12(b)は、物品に添付されている電子タグをスキャンするとき(第1の実施形態で説明した電子タグ添付撮影モード1、電子タグ使用再生モード)のデジタルカメラの状態である。
【0054】
図12(a)は、カメラ本体40Bの撮像素子42に光が入射されるときの状態を示している。カメラ本体40Bの前面(図11に示した撮影レンズLENS側の面)には、撮影レンズLENSおよび図11に示した発光部60の出力部である補助光出力部62、例えば、発光ダイオードが設けられている。補助光出力部62は、例えば、暗闇での撮影のときに、被写体の像に焦点を自動的に合わせるために出力されるオートフォーカス補助光の出力部である。
【0055】
レンズキャップ10Bは、カメラ本体40Bにレンズキャップ10Bを固定するためのキャップベース部20Bと撮影レンズLENSに入射する光を遮光するためのキャップ可動部28を有している。キャップベース部20Bは、例えば、スプリングによりカメラ本体40Bを両側から挟み込む構成である。キャップ可動部28は、例えば、スライド式の構成であり、キャップベース部20Bの延在する方向に移動する。キャップ可動部28の裏面(図11に示した撮影レンズLENSに向き合う側の面)には、図11に示したキャップ発光部14Aの出力部OUT2、例えば、発光ダイオードおよびキャップ受光部26の受光素子30、例えば、フォトダイオードが設けられている。出力部OUT2および受光素子30は、キャップ可動部28の裏面に設けられているため、破線で示している。
【0056】
図12(b)は、カメラ本体40Bの撮像素子42に入射する光を遮光するときの状態を示している。出力部OUT2、受光素子30、撮影レンズLENSおよび補助光出力部62は、キャップ可動部28の裏面あるいはキャップ可動部28に重なっているため、破線で示している。レンズキャップ10Bにより撮像素子42に入射する光を遮光するときに、出力部OUT2を撮影レンズLENSの中央に向かい合う位置に形成することで、出力部OUT2は、撮影レンズLENSの光軸上に位置する。これにより、図11に示した撮像素子42に光信号OPTSIGを効率良く受信させることができる。同様に、受光素子30は、補助光出力部62から出力される制御光信号OPTCNTを受光素子30の中央で受信できる位置に設けられる。
【0057】
カメラ本体40Bの各動作モードに遷移するまでの動作は、上述した図5と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Bの電子タグ添付撮影モード1(図5のA、図6)および電子タグ使用再生モード(図5のC、図8)が、第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。このため、図5のAおよびCをA’およびC’として、図13および図14で説明する。カメラ本体40Bの電子タグ添付撮影モード2(図5のB)の動作は、上述した図7と同じため、詳細な説明を省略する。レンズキャップ10Bの動作は、図13および図14でカメラ本体40Bの動作と併せて説明する。
【0058】
図13は、図11に示したデジタルカメラの電子タグ添付撮影モード1の動作フローの一例を示している。このときのレンズキャップ10Bとカメラ本体40Bは、図12(b)の状態である。ステップS122−S220は、レンズキャップ10Bの機械的動作により実施される。なお、ステップS122−S220は、レンズキャップ10BにCPUおよび制御プログラムを記憶するためのメモリを搭載し、搭載されたCPUにより、制御プログラムに基づいて実施されるようにしてもよい。ステップS502−S550は、カメラ本体40BのCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。
【0059】
先ず、ステップS122では、レンズキャップ10Bのキャップ受光部26は、カメラ本体40Bから送信された制御光信号OPTCNTを受信し、制御信号に復調する。そして、レンズキャップ10Bは、復調された制御信号に基づいてメモリ18をリセットする。これにより、電子タグリーダー12Aは、メモリ18にタグ情報を正しく記憶させることができる。ステップS130−S140、S220は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。ステップS202では、キャップ発光部14Aは、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14Aは、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40Bの撮像素子42に送信する。ステップS202の前に、レンズキャップ10Bとカメラ本体40Bとの通信は既に成功しているため、キャップ発光部14Aからの光信号OPTSIGの1回の送信で、撮像素子42は、光信号OPTSIGを受信できる。なお、キャップ発光部14Aは、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40Bの撮像素子42に数回、例えば、3回繰り返して送信してもよい。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図4に示したボタン操作検出処理およびキャップ装着判定処理(図4のステップS100、S110、S150−S190およびS210)を省略できる。
【0060】
カメラ本体40BのステップS520、S530およびS550は、上述した図6と同じため、詳細な説明を省略する。先ず、ステップS502では、CPUは、上述した図11に示したシャッタースイッチ52が半分まで押し下げられた状態か否かを検出する。シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられた状態(S504のY)のときは、処理はステップS506に移る。ステップS506では、CPUは、レンズキャップ10の動作を制御する制御信号を制御光信号OPTCNTとして発光部60から送信する。一方、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられていない(S504のN)ときは、処理は終了する。これにより、レンズキャップ10Bがカメラ本体40Bから取り外されていない場合、処理は上述した図5のSTARTを経て、ステップS502に戻る。すなわち、CPUは、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられまで待機する。
【0061】
ステップS508では、CPUは、ステップS202で、レンズキャップ10Bが出力した光信号OPTSIG(タグ情報)を撮像素子42が受信したか否かを検出する。タグ情報が1つ以上検出された場合(S512のY)、ステップS520において、CPUは、検出したタグ情報をモニター48に一覧表示する。ステップS530では、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられたか否かを検出する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S542のY)、ステップS550において、CPUは、動作モードを電子タグ添付撮影モード2に設定する。
【0062】
ステップS512において、タグ情報が検出されなかった場合(S512のN)、処理はステップS502に移り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。ステップS542において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S542のN)、処理はステップS502に移り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図6に示したタイムアウト処理(図6のステップS560、S570)を省略できる。
【0063】
図14は、図11に示したデジタルカメラの電子タグ使用再生モードの動作フローの一例を示している。このときのレンズキャップ10Bとカメラ本体40Bは、図12(b)の状態である。レンズキャップ10Bの動作は、図13と同じため、詳細な説明を省略する。ステップS802−S880は、カメラ本体40BのCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。カメラ本体40BのステップS820、S830、S850およびS880は、上述した図8と同じため、詳細な説明を省略する。また、ステップS802、S806およびS808は、図13のステップS502、S506およびS508とそれぞれ同じため、詳細な説明を省略する。
【0064】
タグ情報が1つ以上検出された場合(S812のY)、ステップS820において、CPUは、検出したタグ情報に一致する画像データを再生し、再生した画像をモニター48に一覧表示する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S842のY)、ステップS850において、CPUは、従来と同様の画像選択モードに動作モードを移す。これにより、ユーザーは、十字キー等の本体操作部50により、ステップS820で一覧表示された画像から拡大表示等する画像を選択できる。
【0065】
ステップS804において、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられていない(S804のN)ときは、処理はステップS880に移り、終了する。これにより、レンズキャップ10Bがカメラ本体40Bから取り外されていない場合、処理は上述した図5のSTARTを経て、ステップS802に戻る。すなわち、CPUは、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられまで待機する。
【0066】
ステップS812において、タグ情報が検出されなかった場合(S812のN)、処理はステップS802に移り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。ステップS842において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S842のN)、処理はステップS802に移り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図8に示したタイムアウト処理(図8のステップS860、S870)を省略できる。
【0067】
以上、第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、上述した第1の実施形態のレンズキャップ10のボタン操作検出処理、キャップ装着判定処理(上述した図4のステップS100、S110、S150−S190およびS210)およびカメラ本体40のタイムアウト処理(図6ステップS560、S570、図8のステップS860、S870)を省略できる。この結果、レンズキャップ10Bおよびカメラ本体40Bの動作を単純にできるため、レンズキャップ10Bおよびカメラ本体40Bの構成を簡易にできる。
【0068】
なお、上述した実施形態では、本発明をデジタルカメラに適用した場合の例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をカメラ付き携帯電話に適用してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述した実施形態では、レンズキャップ10、10B、10Aをカメラ本体40、40Bあるいはレンズ部70に直接接続する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した図1に示したレンズキャップ10のレンズ接続部20とカメラ本体40のキャップマウント54を接続するためのアダプターリングを介して、レンズ接続部20とキャップマウント54とを接続してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、レンズ接続部20とキャップマウント54との口径が合わない場合でも、アダプターリングを用いて接続部を変換することにより、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続できる。これにより、1つのデジタルカメラに、複数のレンズキャップ10を接続できる。この結果、1つのデジタルカメラで、仕様の異なる電子タグリーダーを内蔵した複数のレンズキャップ10を使用できる。あるいは、1つのレンズキャップ10を複数のデジタルカメラで使用できる。
【0069】
上述した実施形態では、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報をモニター48に表示する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、カメラ本体40は、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報の具体的な内容をネットワークを介して取得し、取得した内容をモニター48に表示してもよい。この場合は、カメラ本体40は、無線LAN(Local Area Network)等の通信インターフェースを介してネットワークに接続される。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ユーザーは、電子タグが添付された物品に関する具体的な情報を得ることができる。
【0070】
上述した実施形態では、物品が撮影される前に、電子タグリーダー12が物品に添付されている電子タグをスキャンする例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、物品が撮影された後に、電子タグリーダー12は、物品に添付されている電子タグをスキャンしてもよい。この場合は、例えば、カメラ本体40のCPUは、撮影された画像をモニター48に表示する。タグ情報が添付される画像データは、十字キー等の本体操作部50により、モニター48に表示された画像から選択される。次に、CPUは、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報の一覧をモニター48に表示する。そして、CPUは、十字キー等の本体操作部50によりモニター48に一覧表示されているタグ情報から選択されたタグ情報を上述の処理により選択された画像データに添付する。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ユーザーは、タグ情報の読み取りをせずに物品を撮影した場合でも、後からタグ情報を読み取ることにより、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。この結果、物品の再撮影が不要になるため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0071】
上述した第1の実施形態では、図4に示したレンズキャップ10の動作フローにおいて、レンズキャップ10がタグ情報を送信する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズキャップ10は、キャップ装着判定(図4のステップS180)の代わりに押しボタンスイッチ(図1に示した操作部22)の長い押し下げの検出により、タグ情報を送信してもよい。この場合、例えば、カメラ本体40のCPUは、レンズキャップが装着されたことを検出した旨のメッセージを上述した図1に示したモニター48に表示する。この後に、レンズキャップ10の押しボタンスイッチ(図1に示した操作部22)が長く押し下げられることにより、レンズキャップ10は、タグ情報をカメラ本体40に送信する。同様に、第2および第3の実施形態においても、レンズキャップ10Aは、キャップ装着判定(図4のステップS180)の代わりに押しボタンスイッチ(図9、10に示した操作部22)の長い押し下げの検出により、タグ情報を送信してもよい。この場合にも、上述した第1、第2および第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この場合は、レンズキャップ10、10Aの動作が単純なため、レンズキャップ10、10Aの構成を簡易にできる。
【0072】
上述した第1の実施形態では、レンズキャップ10をカメラ本体40から取り外すことにより、カメラ本体40Bの受光部に光を入射させる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズキャップ10を図12に示した構成にし、カメラ本体40の受光部に光を入射させるために、キャップ可動部28をスライドさせてもよい。この場合にも、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この場合は、被写体を撮影するときでもレンズキャップ10がカメラ本体40に接続されているため、レンズキャップ10が紛失することを防止できる。
【0073】
上述した第4の実施形態では、キャップ可動部28をキャップベース部20Bの延在する方向に移動する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図15に示すように、キャップ可動部28Aを横方向に移動させてもよい。図15に示したレンズキャップ10Cは、キャップベース部20Cおよびキャップ可動部28A以外は、図12に示したレンズキャップ10Bと同じため、詳細な説明を省略する。図15(a)は、物品を撮影するときあるいは従来と同様の再生処理を行うときのデジタルカメラの状態である。図15(b)は、物品に添付されている電子タグをスキャンするときのデジタルカメラの状態である。この場合にも、上述した第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のレンズキャップの外形図である。
【図3】第1の実施形態のレンズキャップの摘みの状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態のレンズキャップの動作の一例を示すフロー図である。
【図5】第1の実施形態のカメラ本体の動作モードの遷移の一例を示すフロー図である。
【図6】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ添付撮影モード1の動作の一例を示すフロー図である。
【図7】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ添付撮影モード2の動作の一例を示すフロー図である。
【図8】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ使用再生モードの動作の一例を示すフロー図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図12】第4の実施形態のデジタルカメラの外形図である。
【図13】第4の実施形態のデジタルカメラの電子タグ添付撮影モード1の動作の一例を示すフロー図である。
【図14】第4の実施形態のデジタルカメラの電子タグ使用再生モードの動作の一例を示すフロー図である。
【図15】第4の実施形態のデジタルカメラの別の例を示す外形図である。
【符号の説明】
【0076】
10、10A、10B、10C・・レンズキャップ;12、12A・・電子タグリーダー;14、14A、60、62・・発光部;16・・バッテリー;18、44・・メモリ;20、20A、20B、20C、54、54A、72、74・・接続部マウント;22、50・・操作部;24・・摘み;26、30・・受光部;28、28A・・キャップ可動部;40、40A、40B・・カメラ本体;42・・撮像素子;46・・記録媒体;48・・モニター;52・・シャッタースイッチ;56・・測光センサー;58・・ファインダー;70・・レンズ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の受光部に入射する光を遮るためのキャップと、このキャップが取り付けられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)等の電子タグの普及に伴い、電子タグを用いた様々な管理システムが提供されてきている。例えば、電子タグリーダーをデジタルカメラ本体に内蔵し、電子タグが添付された物品をデジタルカメラで撮影し、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−184742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のシステムでは、ユーザーは、電子タグが添付された物品の画像データと電子タグに記憶されている情報とを関連付けて管理するために、電子タグリーダーを内蔵したデジタルカメラを購入する必要がある。
本発明の目的は、電子タグが添付された物品の画像データと電子タグに記憶されている情報とを関連付けて管理する手段を、既存のデジタルカメラ等の電子機器を利用して提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
キャップは、電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、電子タグリーダーにより読み取られたタグ情報を電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを有している。キャップは、電子機器の受光部に入射する光を遮るために、電子機器に取り付けられる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、電子タグリーダーを内蔵していないデジタルカメラ等の電子機器でも、タグ情報をキャップを介して取得できるため、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示している。この実施形態では、レンズキャップ10は、電子タグリーダー12、キャップ発光部14、バッテリー16、メモリ18、レンズ接続部20および操作部22を有している。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40および上述のレンズキャップ10により構成されている。この実施形態のレンズキャップ10は、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップである。
【0007】
レンズキャップ10の電子タグリーダー12は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)等の電子タグに記憶されている情報(以後、タグ情報とも称する)を読み取るための読み取り装置である。電子タグリーダー12は、電子タグと非接触で通信を行うためのアンテナANTとアンテナANTが送受信する信号を制御する制御部CNTを有している。さらに、制御部CNTは、アンテナANTが受信したタグ情報をメモリ18に書き込む。なお、制御部CNTは、タグ情報をキャップ発光部14に直接送信してもよい。キャップ発光部14は、例えば、発光ダイオード(LED)と発光ダイオードの発光パターンを制御するための回路とを有する。キャップ発光部14は、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14は、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40の撮像素子42に向けて出力する。ここで、光信号OPTSIGは、例えば、タグ情報を示す光の点滅パターンである。
【0008】
バッテリー16は、例えば、ボタン電池であり、電子タグリーダー12、キャップ発光部14およびメモリ18の電源である。メモリ18は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)で形成される。メモリ18には、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報が記憶される。レンズ接続部20は、カメラ本体40のキャップマウント54に接続される。これにより、レンズキャップ10は、カメラ本体40に取り付けられる。操作部22は、例えば、押しボタン式のスイッチであり、タグ情報を電子タグリーダー12で読み取るために、ユーザーにより操作される。
【0009】
カメラ本体40は、撮影レンズLENS、撮像素子42、CPU、本体メモリ44、記録媒体46、モニター48、本体操作部50、シャッタースイッチ52およびキャップマウント54により構成されている。撮像素子42は、例えば、CCDイメージサンサーやCMOSイメージセンサーである。撮像素子42は、撮影レンズLENSを介して入射される被写体の像を電気信号に変換し、変換した電気信号をCPUに出力する。また、撮像素子42は、レンズキャップ10が出力する光信号OPTSIGを受信し、受信した光信号OPTSIGを電気信号に変換する。
【0010】
本体メモリ44は、例えば、フラッシュメモリやROMで形成される。本体メモリ44には、CPUが実行するプログラムが書き込まれている。CPUは、例えば、本体メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて、画像処理等の信号処理および露光制御等の制御処理を行う。また、CPUは、撮像素子42により変換された電気信号をタグ情報に復調する。CPUは、復調したタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付ける。例えば、CPUは、電子タグが添付された物品の画像データをExif(Exchangeable Image File Format)にして処理し、Exifのヘッダー領域に電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報を書き込む。
【0011】
記録媒体46は、例えば、メモリカードであり、撮影された画像の画像データを記憶する。モニター48は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)であり、撮影された画像やメニュー画面、タグ情報等を表示する。本体操作部50は、例えば、十字キー等の押しボタン式のスイッチであり、モニター48に表示する画像を選択するとき等に、ユーザーにより操作される。
【0012】
カメラ本体40は、CPUの動作により、レンズキャップ10により読み取られたタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付けて記憶できる。上述のCPUの動作は、カメラ本体40の制御プログラムを除き、既存の構成で実施できる。したがって、レンズキャップ10に対応していないデジタルカメラでも、デジタルカメラの制御プログラム、例えば、ファームウェアを更新することで、レンズキャップ10に対応できる。これにより、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。レンズキャップ10をカメラ本体40に取り付けたときの詳細な動作フローは、後述する図4−図8で説明する。
【0013】
図2は、図1に示したデジタルカメラのレンズキャップ10の外形の一例を示している。図2(a)は、レンズキャップ10の前面(図1に示した撮影レンズLENSと反対側の面)を示している。レンズキャップ10の前面および側面には、図1に示した操作部22および摘み24がそれぞれ形成されている。操作部22は、押しボタンスイッチにより構成されている。例えば、図1に示した電子タグリーダー12は、押しボタンスイッチの押し下げにより、電子タグのスキャンを開始し、押しボタンスイッチの再押し下げにより、電子タグのスキャンを終了する。なお、電子タグリーダー12は、タグ情報の読み取りが完了した時点で、自動的にスキャンを終了してもよい。摘み24は、レンズキャップ10と図1に示したカメラ本体40との装着および脱着のための摘みである。摘み24の詳細は、図3で説明する。
【0014】
図2(b)は、レンズキャップ10の裏面(図1に示した撮影レンズLENS側の面)を示している。レンズキャップ10の裏面の中央部には、図1に示したキャップ発光部14の出力部OUT、例えば、発光ダイオードが設けられ、レンズキャップ10の内側には、レンズ接続部18が設けられている。出力部OUTをレンズキャップ10の中央部に形成することで、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続したときに、出力部OUTは、撮影レンズLENSの光軸上に位置する。これにより、図1に示した撮像素子42に光信号OPTSIGを効率良く受信させることができる。レンズ接続部18は、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続した場合、例えば、図1に示したキャップマウント34の内側に収まる。
【0015】
図3は、図2に示した摘み24の状態(図1に示した撮影レンズLENSと反対側の面)の一例を示している。摘み24は、例えば、スプリング式の構成である。図3(a)は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていないときの摘み24の状態を示している。このときは、摘み24に形成されているレンズ接続部18の一部(以後、摘み24のレンズ接続部18とも称する)は、スプリングにより、図1に示したキャップマウント34の内周より外側に広がっている。図3(b)は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているときの摘み24の状態を示している。レンズ接続部18がキャップマウント34の内側に収まった状態で摘み24が解放されると、摘み24には、スプリングにより、図3(a)の状態に戻るための力が加わる。これにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34に圧力をかけている状態になり、レンズ接続部18とキャップマウント34とを固定する。
【0016】
図3(c)は、カメラ本体40からレンズキャップ10を取り外すときおよび取り付けるときの摘み24の状態を示している。摘み24が外側から内側に押されることにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34の内周より内側に移動する。これにより、摘み24のレンズ接続部18は、キャップマウント34に圧力をかけない状態になり、レンズ接続部18とキャップマウント34との固定を解除する。レンズキャップ10は、この状態で、カメラ本体40に脱着される。
【0017】
図4は、図1に示したレンズキャップ10の動作フローの一例を示している。ステップS100−S220は、レンズキャップ10の機械的動作により実施される。なお、ステップS100−S220は、レンズキャップ10にCPUおよび制御プログラムを記憶するためのメモリを搭載し、搭載されたCPUにより、制御プログラムに基づいて実施されるようにしてもよい。
【0018】
ステップS100では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチ(操作部22)が押し下げられたか否かを検出する。ステップS110では、押しボタンスイッチが押し下げられた場合(S110のY)、処理はステップS120に移る。押しボタンスイッチが押し下げられていない場合(S110のN)、処理はステップS100に戻り、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられまで待機する。ステップS120では、レンズキャップ10は、メモリ18にタグ情報を正しく記憶させるために、メモリ18の状態をリセットする。ステップS130では、レンズキャップ10の電子タグリーダー12は、物品に添付されている電子タグをスキャンし、タグ情報を読み取る。ステップS140では、電子タグリーダー12は、読み取ったタグ情報をメモリ18に書き込む。
【0019】
ステップS150では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられたか否かを再度検出する。ステップS160では、押しボタンスイッチが押し下げられた場合(S160のY)、処理はステップS170に移る。押しボタンスイッチが押し下げられていない場合(S160のN)、処理はステップS130に戻り、電子タグリーダー12は、押しボタンスイッチが押し下げられまで、電子タグのスキャンを継続する。このループ(ステップS130−S160のN)により、電子タグリーダー12は、複数の電子タグを連続してスキャンできる。ステップS170では、電子タグリーダー12は、電子タグのスキャンを終了する。なお、タグ情報の読み取りが完了した時点で、自動的にスキャンを終了する場合は、ステップS150、S160の処理(ボタン操作検出処理)は省略される。また、後述するステップS210のNのとき(スキャン終了からのタイムアウト時間を超えていない場合)の処理は、ステップS100に戻るループにする。このループを繰り返すことにより、自動的にスキャンを終了する電子タグリーダー12は、複数の電子タグをレンズキャップ10を外した状態で連続してスキャンできる。
【0020】
ステップS180では、レンズキャップ10は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているか否かを判定する。例えば、レンズキャップ10は、カメラ本体40に取り付けられた状態(上述した図3(b))のときにオンする図示していないスイッチを内蔵している。カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない状態(図3(a))あるいは図2に示した摘み24が外側から内側に押された状態(図3(c))では、スイッチはオフする。レンズキャップ10は、スイッチの両端の電流あるいは電圧の状態等からスイッチの状態を検出し、カメラ本体40に取り付けられているか否かを判定する。このように、レンズキャップ10だけで、レンズキャップ10の脱着を検出できるため、カメラ本体40の改造は不要である。
【0021】
なお、レンズキャップ10をカメラ本体40に取り付けるときの摘み24の状態の遷移は以下になる。先ず、摘み24は、外側から内側に押されると、図3(a)の状態から図3(b)の状態を経て図3(c)の状態になる。そして、レンズキャップ10がカメラ本体40に取り付けられて、摘み24が解放されると、摘み24は、図3(c)の状態から図3(b)の状態になり、レンズキャップ10は、カメラ本体40に固定される。上述したように、摘み24は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられる前に、図3(b)の状態になる瞬間がある。このため、レンズキャップ10は、スイッチの状態を検出する時間を長く、例えば、1秒にする方が短いときに比べて、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられているか否かを正しく判別できる。
【0022】
ステップS190では、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合(S190のY)、処理はステップS200に移る。カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合(S190のN)、処理はステップS210に移る。ステップS200では、キャップ発光部14は、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14は、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40の撮像素子42に数回、例えば、3回繰り返して送信する。これにより、後述するカメラ本体40の電子タグ検出処理(後述する図6のステップS500、図8のS800)で、タグ情報を確実に受信できる。
【0023】
ステップS210では、レンズキャップ10は、押しボタンスイッチが押し下げられてから、レンズキャップ10がカメラ本体40に取り付けられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、レンズキャップ10は、ステップS170の電子タグのスキャン終了に伴い、図示していないタイマーを起動する。レンズキャップ10は、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S210のN)、処理はステップS180に戻り、レンズキャップ10は、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S210のY)、処理はステップS220に移る。ステップS220では、レンズキャップ10は、メモリ18に記憶されているタグ情報を消去する。ステップS210およびS220の処理により、古いタグ情報はメモリ18から消去されるため、レンズキャップ10が古いタグ情報をカメラ本体40に送信することを防止できる。
【0024】
図5は、図1に示したカメラ本体40の各動作モードに遷移するまでの動作フローの一例を示している。カメラ本体40は、電子タグ添付撮影モード1、電子タグ添付撮影モード2、電子タグ使用再生モード、電子タグ未使用撮影モードおよび電子タグ未使用再生モードの4つの動作モードを有している。電子タグ添付撮影モード1は、撮影される画像の画像データに添付するタグ情報を取得する動作モードである。電子タグ添付撮影モード2は、撮影された画像の画像データに電子タグを添付する動作モードである。電子タグ使用再生モードは、物品に添付されている電子タグから読み取ったタグ情報に一致する画像データを再生する動作モードである。電子タグ未使用撮影モードおよび電子タグ未使用再生モードは、従来と同様の撮影処理および再生処理を行う動作モードである。以後、電子タグ添付撮影モード1、電子タグ添付撮影モード2および電子タグ未使用撮影モードを撮影モード、電子タグ使用再生モードおよび電子タグ未使用再生モードを再生モードとも称する。
【0025】
ステップS300−S410は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS300では、CPUは、光信号OPTSIG以外の光が撮像素子42に到達しているか否かを判定する遮光判定を実施する。ステップS310では、光が撮像素子42に到達していない場合(S310のY)、処理はステップS320に移る。光が撮像素子42に到達してる場合(S310のN)、処理はステップS350に移る。ステップS320では、CPUは、カメラ本体40の動作モードが撮影モードか再生モードかを判定する。ステップS330では、動作モードが撮影モードの場合(S330のY)、処理はステップS340に移る。動作モードが撮影モード以外の場合(S330のN)、処理はステップS380に移る。
【0026】
ステップS350では、CPUは、カメラ本体40の動作モードを判定する。動作モードが電子タグ添付撮影モード2の場合(S360のY)、処理はステップS370に移る。動作モードが電子タグ添付撮影モード2以外(S360のN)かつ撮影モードの場合(S390のY)、処理はステップS400に移る。動作モードが電子タグ添付撮影モード2以外(S360のN)かつ撮影モード以外の場合(S390のN)、処理はステップS410に移る。
【0027】
動作モードが撮影モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合、ステップS340において、CPUは、電子タグ添付撮影モード1に移る(後述する図6のA)。動作モードが電子タグ添付撮影モード2の場合、CPUは、ステップS370において、電子タグ添付撮影モード2に移る(後述する図7のB)。動作モードが撮影モード以外(再生モード)で、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられている場合、ステップS380において、CPUは、電子タグ使用再生モードに移る(後述する図8のC)。
【0028】
動作モードが撮影モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合、ステップS400において、CPUは、電子タグ未使用撮影モードに移り、処理を終了する。動作モードが再生モードで、カメラ本体40にレンズキャップ10が取り付けられていない場合、ステップS410において、CPUは、電子タグ未使用再生モードに移り、処理を終了する。
【0029】
図6は、図5に示した電子タグ添付撮影モード1の動作フローの一例を示している。ステップS500−S570は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS500では、CPUは、上述した図4に示したステップS200で、レンズキャップ10が出力した光信号OPTSIG(タグ情報)を撮像素子42が受信したか否かを検出する。タグ情報が1つ以上検出された場合(S510のY)、ステップS520において、CPUは、検出したタグ情報をモニター48に一覧表示する。例えば、図4に示したステップS200で、レンズキャップ10が5個のタグ情報を送信した場合は、CPUは、5個のタグ情報をモニター48に表示する。ステップS530では、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられたか否かを検出する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S540のY)、ステップS550において、CPUは、動作モードを電子タグ添付撮影モード2に設定する。
【0030】
ステップS510において、タグ情報が検出されなかった場合(S510のN)、処理はステップS560に移り、CPUは、上述した図5に示したステップS320のモード判定処理が完了してからタグ情報を検出するまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、図5に示したステップS320のモード判定処理の完了に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S560のN)、処理はステップS500に戻り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S560のY)、CPUは処理を終了する。
【0031】
ステップS540において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S540のN)、処理はステップS570に移り、CPUは、タグ情報の検出(ステップS510のY)からシャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、タグ情報の検出(ステップS510のY)に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S570のN)、処理はステップS520に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S570のY)、CPUは処理を終了する。
【0032】
図7は、図5に示した電子タグ添付撮影モード2の動作フローの一例を示している。ステップS600−S700は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS600では、図6に示したステップS520でモニター48に一覧表示されたタグ情報から、画像データに添付するタグ情報を選択するための処理を実施する。例えば、CPUは、モニター48に一覧表示されたタグ情報のうち、選択されているタグ情報をハイライト表示し、ユーザーに知らせる。ユーザーは、選択するタグ情報を変更したい場合は、本体操作部50、例えば、十字キー等を操作してタグ情報を選択する。
【0033】
ステップS610では、CPUは、画像データに添付するタグ情報を確定する。例えば、CPUは、本体操作部50の決定ボタン等が押し下げられたときに、ステップS600でハイライト表示していたタグ情報を画像に添付するタグ情報に確定する。ステップS620では、カメラ本体40は、被写体を撮影するために従来と同様の撮影処理を実施する。ステップS630では、CPUは、撮影された画像の画像データにステップS610で確定したタグ情報を添付する。例えば、CPUは、撮影された画像の画像データをExifにして処理し、Exifのヘッダー領域にタグ情報を書き込む。ステップS640では、CPUは、連続して撮影、すなわち、シャッタースイッチ52が連続して押し下げられたか検出する。ステップS650では、連続して撮影された場合(S650のY)、処理はステップS660に移る。連続して撮影されていない場合(S650のN)、処理はステップS670に移る。
【0034】
ステップS660では、CPUは、ステップS610で確定したタグ情報を連続して撮影された画像の画像データに添付するか否かのメッセージをモニター48に表示する。ステップS680では、画像データにタグ情報を添付する場合(S680のY)、処理はステップS630に戻り、CPUは、画像データにタグ情報を添付する。このループ(S630−S680のY)により、1つの物品が連続して撮影される場合でも、デジタルカメラは、タグ情報を一度取得するだけで、撮影された画像の画像データにタグ情報を連続して添付できる。画像データにタグ情報を添付しない場合(S680のN)、処理はステップS690に移る。
【0035】
ステップS670では、CPUは、画像データにタグ情報を添付する処理(ステップS630)が完了してから次の撮影(シャッタースイッチ52の次の押し下げ)までの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えているか否かを判定する。例えば、CPUは、画像データにタグ情報を添付する処理(ステップS630)の完了に伴い、図示していないタイマーを起動する。CPUは、予め設定されたタイムアウト時間(例えば、3分)とタイマーのカウントを比較して、タイムアウト時間を超えているか否かを判定する。タイムアウト時間を超えていない場合(S670のN)、処理はステップS640に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S670のY)、処理はステップS690に移る。ステップS690では、CPUは、動作モードが電子タグ添付撮影モード2に設定されているのを解除する。これにより、ステップS700において、カメラ本体40は電子タグ未使用撮影モードになり、CPUは電子タグ添付撮影モード2の処理を終了する。
【0036】
図8は、図5に示した電子タグ使用再生モードの動作フローの一例を示している。ステップS800−S880は、カメラ本体40のCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。ステップS800、S810、S830およびはS840は、上述した図6に示したステップS500、S510、S530およびはS540と同じため、詳細な説明を省略する。また、ステップS860およびS870は、図6に示したステップS560およびS570と同様の処理のため、詳細な説明を省略する。
【0037】
ステップS820では、CPUは、ステップS800により、検出されたタグ情報に一致する画像データを再生し、再生した画像をモニター48に一覧表示する。例えば、CPUは、記録媒体46に記憶されている画像データを検索し、Exifのヘッダー領域に書き込まれているタグ情報とステップS800により検出されたタグ情報とを比較する。CPUは、比較したタグ情報が一致した画像データを順次再生し、再生した画像をモニター48に順次表示する。
【0038】
ステップS850では、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられること(ステップS830、S840)により、十字キー等の本体操作部50で画像の選択ができる従来と同様の画像選択モードに動作モードを移す。
ステップS860では、CPUは、上述した図5に示したステップS320のモード判定処理が完了してからタグ情報を検出するまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えていない場合(S860のN)、処理はステップS800に戻り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S860のY)、処理はステップS880に移る。ステップS870では、CPUは、タグ情報の検出(ステップS810のY)からシャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまでの時間が、予め設定されたタイムアウト時間を超えていない場合(S870のN)、処理はステップS820に戻り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。タイムアウト時間を超えている場合(S860のY)、処理はステップS880に移る。ステップS880では、カメラ本体40は電子タグ未使用再生モードになり、CPUは電子タグ使用再生モードの処理を終了する。
【0039】
以上、第1の実施形態では、レンズキャップ10は、物品に添付された電子タグに記憶された情報を読み取り、カメラ本体40に読み取ったタグ情報を光信号OPTSIGとして出力できる。一方、カメラ本体40は、レンズキャップ10が送信したタグ情報を受信し、受信したタグ情報を撮影した画像の画像データに添付できる。この結果、カメラ本体40は、CPUの動作により、レンズキャップ10により読み取られたタグ情報を電子タグが添付された物品の画像データに関連付けて記憶できる。上述のCPUの動作は、カメラ本体40の制御プログラムを除き、既存の構成で実施できる。したがって、レンズキャップ10に対応していないデジタルカメラでも、デジタルカメラの制御プログラム、例えば、ファームウェアを更新することで、レンズキャップ10に対応できる。これにより、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。また、レンズキャップ10に電子タグリーダーが内蔵されているため、カメラ本体40を三脚等で固定した後でも、ユーザーは、レンズキャップ10を物品に添付されている電子タグに近づけることで、タグ情報を読み取ることができる。カメラ本体40を三脚等から取り外して再装着する必要がないため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0040】
図9は、本発明の第2の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Aは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップであり、第1の実施形態のレンズキャップ10のレンズ接続部20の代わりにレンズ接続部20Aが設けられている。レンズキャップ10Aのその他の構成は、第1の実施形態のレンズキャップ10と同じである。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40A、レンズ部70および上述のレンズキャップ10Aにより構成され、カメラ本体40Aは、撮影レンズLENSを内蔵していない。すなわち、この実施形態のデジタルカメラは、一眼レフレックスカメラである。図中の太い破線は、光信号OPTSIGの流れを示している。図中の細い破線は、動作モードが撮影モードのときのカメラ本体40Aに入射する光の流れを示している。
【0041】
カメラ本体40Aは、第1の実施形態のカメラ本体40に、ミラーMIRR、測光センサー56およびファインダー58を追加して構成されている。また、第1の実施形態のキャップマウント54の代わりにレンズマウント54Aが設けられている。ミラーMIRRは、シャッタースイッチ52の押し下げに応答して、撮影レンズLENSからの光信号を撮像素子42に到達させるために、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、図に示したように上方に跳ね上がる。また、ミラーMIRRは、カメラ本体40Aにレンズキャップ10Aがレンズ部70を介して取り付けられているとき、レンズキャップ10Aが出力する光信号OPTSIGを撮像素子42により受信するために、上方に跳ね上がる。
【0042】
測光センサー56は、例えば、CCDイメージサンサーやCMOSイメージセンサーである。測光センサー56は、撮像素子42の露光時間等を決めるために、被写体からの光の強さを測定するための素子である。また、動作モードが撮影モードの場合、測光センサー56により光から変換された電気信号は、遮光判定処理に使用される。レンズマウント54Aは、レンズ部70のボディマウント74に接続される。レンズ部70は、撮影レンズLENS、キャップマウント72およびボディマウント74を有している。キャップマウント72は、レンズキャップ10Aのレンズ接続部20Aに接続される。レンズマウント54Aとボディマウント74との接続およびキャップマウント72とレンズ接続部20Aとの接続により、レンズキャップ10Aは、カメラ本体40Aにレンズ部70を介して取り付けられる。
【0043】
レンズキャップ10Aの動作は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Aの動作は、上述した図5のステップS300、図6のステップS500、S550が第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。また、ステップS300の処理を実施する前に、ミラーMIRRは、動作モードが再生モードの場合、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、図9に示したように上方に跳ね上がる。動作モードが撮影モードの場合、例えば、ミラーMIRRは、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻り、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、測光センサー56およびファインダー58にミラーMIRRを介して光が到達する。カメラ本体40Aのその他の動作フローは、上述した図4−図8と同じため、詳細な説明を省略する。
【0044】
カメラ本体40AのCPUは、遮光判定処理(図5のステップS300)において、動作モードが撮影モードの場合、光信号OPTSIG以外の光が測光センサー56に到達しているか否かを判定する。動作モードが再生モードの場合、CPUは、光信号OPTSIG以外の光が撮像素子42に到達しているか否かを判定する。CPUは、電子タグ添付撮影モード1の電子タグ検出処理(図6のステップS500)を実施する前に、ミラーMIRRを、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、上方に跳ね上げる。これにより、レンズキャップ10Aが出力する光信号OPTSIGを撮像素子42に到達させることができる。電子タグ添付撮影モード2設定(図6のステップS550)の処理のときに、CPUは、ミラーMIRRを、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻し、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、CPUは、上述の測光センサー56による遮光判定処理を実施できる。
【0045】
なお、CPUは、遮光判定処理(図5のステップS300)において、動作モードが撮影モードおよび再生モードの両方のモードとも、測光センサー56を用いて遮光判定処理を実施してもよい。この場合は、ステップS300の処理を実施する前に、CPUは、ミラーMIRRを、例えば、図9の破線で示したミラーMIRRの状態に戻し、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。そして、CPUは、電子タグ添付撮影モード1および電子タグ使用再生モードの電子タグ検出処理(図6のステップS500、図8のステップS800)を実施する前に、ミラーMIRRを、撮像素子42の前部を遮蔽しない位置、例えば、上方に跳ね上げる。
【0046】
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、一眼レフレックスデジタルカメラにおいても、既存のデジタルカメラで、電子タグに記憶されている情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。また、ユーザーは、レンズキャップ10を物品に添付されている電子タグに近づけることで、タグ情報を読み取ることができる。したがって、カメラ本体40を三脚等に固定した後でも、ユーザーは、柔軟にタグ情報を読み取ることができるため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0047】
図10は、本発明の第3の実施形態を示している。第2の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Aは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップである。また、電子機器は、例えば、一眼レフレックスデジタルカメラであり、カメラ本体40A、レンズ部70およびレンズキャップ10Aにより構成されている。レンズキャップ10A、カメラ本体40Aおよびレンズ部70の構成は、第2の実施形態のレンズキャップ10A、カメラ本体40Aおよびレンズ部70と同じである。
【0048】
レンズキャップ10Aの動作は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Aの動作は、撮像素子42の代わりに測光サンサー56を用いて光信号OPTSIGを受信する処理が第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。図中の太い破線は、光信号OPTSIGの流れを示している。図中の細い破線は、物品をを撮影するために、シャッタースイッチ52が押し下げられたときの被写体からの光の流れを示している。
【0049】
光信号OPTSIGと遮光判定のための光との両方を測光センサー46が受信するため、CPUは、例えば、ミラーMIRRを、図に示した状態にし、撮影レンズLENSを介して入射される光を上方に反射させる。これにより、測光センサー56およびファインダー58にミラーMIRRを介して光が到達する。カメラ本体40Aのその他の動作フローは、上述した図4−図8と同じため、詳細な説明を省略する。以上、第3の実施形態においても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、カメラ本体40Aの動作が遮光判定処理からレンズキャップ10Aのタグ情報受信処理に移り変わるときに、ミラーMIRRを駆動させる必要がないため、ミラーMIRRの駆動部の摩耗を抑制できる。
【0050】
図11は、本発明の第4の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のレンズキャップ10Bは、デジタルカメラの受光部に入射する光を遮るためのキャップであり、第1の実施形態のレンズキャップ10にキャップ受光部26が追加されて構成されている。また、レンズキャップ10Bは、第1の実施形態のレンズキャップ10のレンズ接続部20、キャップ発光部14および電子タグリーダー12の代わりにキャップベース部20B、キャップ発光部14Aおよび電子タグリーダー12Aがそれぞれ設けられている。レンズキャップ10Aのその他の構成は、第1の実施形態のレンズキャップ10と同じである。また、電子機器は、例えば、デジタルカメラであり、カメラ本体40Bおよび上述のレンズキャップ10Bにより構成されている。カメラ本体40Bは、第1の実施形態のカメラ本体40に発光部60が追加されて構成されている。カメラ本体40Bのその他の構成は、第1の実施形態のカメラ本体40と同じである。
【0051】
カメラ本体40Bの発光部60は、例えば、発光ダイオード(LED)と発光ダイオードの発光パターンを制御するための回路とを有する。発光部60は、CPUにより制御され、電子タグリーダー12Aを制御する制御信号(例えば、電子タグのスキャン実行命令)を制御光信号OPTCNTとしてレンズキャップ10Bのキャップ受光部26に向けて出力する。ここで、光信号OPTCNTは、例えば、電子タグリーダー12Aの制御信号を示す光の点滅パターンである。
【0052】
レンズキャップ10Bのキャップ受光部26は、例えば、フォトダイオードとフォトダイオードが受信した光を復調するための回路とを有する。キャップ受光部26は、カメラ本体40Bが出力する制御光信号OPTCNTを受信し、電子タグリーダー12Aを制御する制御信号に復調する。電子タグリーダー12Aは、例えば、RFID等の電子タグに記憶されている情報(タグ情報)を読み取るための読み取り装置である。電子タグリーダー12Aは、第1の実施形態の電子タグリーダー12の制御部CNTの代わりに制御部CNT2が設けられている。制御部CNT2は、キャップ受光部26が復調した制御信号に基づいて、電子タグのスキャンを実施し、アンテナANTが受信したタグ情報をメモリ18に書き込む。なお、制御部CNT2は、タグ情報をキャップ発光部14Aに直接送信してもよい。キャップ発光部14Aは、電子タグリーダー12Aがタグ情報をメモリ18に書き込む度に、メモリ18に記憶されているタグ情報を光信号OPTSIGとしてカメラ本体40Bの撮像素子42に向けて出力する。カメラ本体40Bの発光部60、撮像素子42、レンズキャップ10Bのキャップ受光部26およびキャップ発光部14Aにより、カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信を実現できる。この結果、カメラ本体40Bは、レンズキャップ10Bによるタグ情報の読み取りの開始等を制御できる。また、レンズキャップ10Bは、読み取ったタグ情報を送信するときに、カメラ本体40Bに既に取り付けられている状態であるため、キャップ装着判定処理(上述した図4に示したステップS180、S190、S210)を省略できる。レンズキャップ10Bの動作を単純にできるため、レンズキャップ10Bの構成を簡易にできる。
【0053】
図12は、図11に示したカメラ本体40Bにレンズキャップ10B(図の網掛け部分)を取り付けたときの外形の一例を示している。図12(a)は、物品を撮影するときあるいは従来と同様の再生処理を行うとき(上述した第1の実施形態で説明した電子タグ添付撮影モード2、電子タグ未使用撮影モード、電子タグ未使用再生モード)のデジタルカメラの状態である。図12(b)は、物品に添付されている電子タグをスキャンするとき(第1の実施形態で説明した電子タグ添付撮影モード1、電子タグ使用再生モード)のデジタルカメラの状態である。
【0054】
図12(a)は、カメラ本体40Bの撮像素子42に光が入射されるときの状態を示している。カメラ本体40Bの前面(図11に示した撮影レンズLENS側の面)には、撮影レンズLENSおよび図11に示した発光部60の出力部である補助光出力部62、例えば、発光ダイオードが設けられている。補助光出力部62は、例えば、暗闇での撮影のときに、被写体の像に焦点を自動的に合わせるために出力されるオートフォーカス補助光の出力部である。
【0055】
レンズキャップ10Bは、カメラ本体40Bにレンズキャップ10Bを固定するためのキャップベース部20Bと撮影レンズLENSに入射する光を遮光するためのキャップ可動部28を有している。キャップベース部20Bは、例えば、スプリングによりカメラ本体40Bを両側から挟み込む構成である。キャップ可動部28は、例えば、スライド式の構成であり、キャップベース部20Bの延在する方向に移動する。キャップ可動部28の裏面(図11に示した撮影レンズLENSに向き合う側の面)には、図11に示したキャップ発光部14Aの出力部OUT2、例えば、発光ダイオードおよびキャップ受光部26の受光素子30、例えば、フォトダイオードが設けられている。出力部OUT2および受光素子30は、キャップ可動部28の裏面に設けられているため、破線で示している。
【0056】
図12(b)は、カメラ本体40Bの撮像素子42に入射する光を遮光するときの状態を示している。出力部OUT2、受光素子30、撮影レンズLENSおよび補助光出力部62は、キャップ可動部28の裏面あるいはキャップ可動部28に重なっているため、破線で示している。レンズキャップ10Bにより撮像素子42に入射する光を遮光するときに、出力部OUT2を撮影レンズLENSの中央に向かい合う位置に形成することで、出力部OUT2は、撮影レンズLENSの光軸上に位置する。これにより、図11に示した撮像素子42に光信号OPTSIGを効率良く受信させることができる。同様に、受光素子30は、補助光出力部62から出力される制御光信号OPTCNTを受光素子30の中央で受信できる位置に設けられる。
【0057】
カメラ本体40Bの各動作モードに遷移するまでの動作は、上述した図5と同じため、詳細な説明を省略する。カメラ本体40Bの電子タグ添付撮影モード1(図5のA、図6)および電子タグ使用再生モード(図5のC、図8)が、第1の実施形態のカメラ本体40と異なる。このため、図5のAおよびCをA’およびC’として、図13および図14で説明する。カメラ本体40Bの電子タグ添付撮影モード2(図5のB)の動作は、上述した図7と同じため、詳細な説明を省略する。レンズキャップ10Bの動作は、図13および図14でカメラ本体40Bの動作と併せて説明する。
【0058】
図13は、図11に示したデジタルカメラの電子タグ添付撮影モード1の動作フローの一例を示している。このときのレンズキャップ10Bとカメラ本体40Bは、図12(b)の状態である。ステップS122−S220は、レンズキャップ10Bの機械的動作により実施される。なお、ステップS122−S220は、レンズキャップ10BにCPUおよび制御プログラムを記憶するためのメモリを搭載し、搭載されたCPUにより、制御プログラムに基づいて実施されるようにしてもよい。ステップS502−S550は、カメラ本体40BのCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。
【0059】
先ず、ステップS122では、レンズキャップ10Bのキャップ受光部26は、カメラ本体40Bから送信された制御光信号OPTCNTを受信し、制御信号に復調する。そして、レンズキャップ10Bは、復調された制御信号に基づいてメモリ18をリセットする。これにより、電子タグリーダー12Aは、メモリ18にタグ情報を正しく記憶させることができる。ステップS130−S140、S220は、上述した図4と同じため、詳細な説明を省略する。ステップS202では、キャップ発光部14Aは、メモリ18に記憶されているタグ情報を読み出し、読み出したタグ情報を光信号OPTSIGに変換する。そして、キャップ発光部14Aは、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40Bの撮像素子42に送信する。ステップS202の前に、レンズキャップ10Bとカメラ本体40Bとの通信は既に成功しているため、キャップ発光部14Aからの光信号OPTSIGの1回の送信で、撮像素子42は、光信号OPTSIGを受信できる。なお、キャップ発光部14Aは、変換した光信号OPTSIGをカメラ本体40Bの撮像素子42に数回、例えば、3回繰り返して送信してもよい。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図4に示したボタン操作検出処理およびキャップ装着判定処理(図4のステップS100、S110、S150−S190およびS210)を省略できる。
【0060】
カメラ本体40BのステップS520、S530およびS550は、上述した図6と同じため、詳細な説明を省略する。先ず、ステップS502では、CPUは、上述した図11に示したシャッタースイッチ52が半分まで押し下げられた状態か否かを検出する。シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられた状態(S504のY)のときは、処理はステップS506に移る。ステップS506では、CPUは、レンズキャップ10の動作を制御する制御信号を制御光信号OPTCNTとして発光部60から送信する。一方、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられていない(S504のN)ときは、処理は終了する。これにより、レンズキャップ10Bがカメラ本体40Bから取り外されていない場合、処理は上述した図5のSTARTを経て、ステップS502に戻る。すなわち、CPUは、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられまで待機する。
【0061】
ステップS508では、CPUは、ステップS202で、レンズキャップ10Bが出力した光信号OPTSIG(タグ情報)を撮像素子42が受信したか否かを検出する。タグ情報が1つ以上検出された場合(S512のY)、ステップS520において、CPUは、検出したタグ情報をモニター48に一覧表示する。ステップS530では、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられたか否かを検出する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S542のY)、ステップS550において、CPUは、動作モードを電子タグ添付撮影モード2に設定する。
【0062】
ステップS512において、タグ情報が検出されなかった場合(S512のN)、処理はステップS502に移り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。ステップS542において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S542のN)、処理はステップS502に移り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図6に示したタイムアウト処理(図6のステップS560、S570)を省略できる。
【0063】
図14は、図11に示したデジタルカメラの電子タグ使用再生モードの動作フローの一例を示している。このときのレンズキャップ10Bとカメラ本体40Bは、図12(b)の状態である。レンズキャップ10Bの動作は、図13と同じため、詳細な説明を省略する。ステップS802−S880は、カメラ本体40BのCPUにより、例えば、メモリ44に記憶されているプログラムに基づいて実施される。カメラ本体40BのステップS820、S830、S850およびS880は、上述した図8と同じため、詳細な説明を省略する。また、ステップS802、S806およびS808は、図13のステップS502、S506およびS508とそれぞれ同じため、詳細な説明を省略する。
【0064】
タグ情報が1つ以上検出された場合(S812のY)、ステップS820において、CPUは、検出したタグ情報に一致する画像データを再生し、再生した画像をモニター48に一覧表示する。シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられた場合(S842のY)、ステップS850において、CPUは、従来と同様の画像選択モードに動作モードを移す。これにより、ユーザーは、十字キー等の本体操作部50により、ステップS820で一覧表示された画像から拡大表示等する画像を選択できる。
【0065】
ステップS804において、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられていない(S804のN)ときは、処理はステップS880に移り、終了する。これにより、レンズキャップ10Bがカメラ本体40Bから取り外されていない場合、処理は上述した図5のSTARTを経て、ステップS802に戻る。すなわち、CPUは、シャッタースイッチ52が半分まで押し下げられまで待機する。
【0066】
ステップS812において、タグ情報が検出されなかった場合(S812のN)、処理はステップS802に移り、CPUは、タグ情報を検出するまで待機する。ステップS842において、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられていない場合(S842のN)、処理はステップS802に移り、CPUは、シャッタースイッチ52が一番下まで押し下げられるまで待機する。カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、図8に示したタイムアウト処理(図8のステップS860、S870)を省略できる。
【0067】
以上、第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、カメラ本体40Bとレンズキャップ10Bとの双方向通信が可能なため、上述した第1の実施形態のレンズキャップ10のボタン操作検出処理、キャップ装着判定処理(上述した図4のステップS100、S110、S150−S190およびS210)およびカメラ本体40のタイムアウト処理(図6ステップS560、S570、図8のステップS860、S870)を省略できる。この結果、レンズキャップ10Bおよびカメラ本体40Bの動作を単純にできるため、レンズキャップ10Bおよびカメラ本体40Bの構成を簡易にできる。
【0068】
なお、上述した実施形態では、本発明をデジタルカメラに適用した場合の例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をカメラ付き携帯電話に適用してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述した実施形態では、レンズキャップ10、10B、10Aをカメラ本体40、40Bあるいはレンズ部70に直接接続する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した図1に示したレンズキャップ10のレンズ接続部20とカメラ本体40のキャップマウント54を接続するためのアダプターリングを介して、レンズ接続部20とキャップマウント54とを接続してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、レンズ接続部20とキャップマウント54との口径が合わない場合でも、アダプターリングを用いて接続部を変換することにより、レンズキャップ10とカメラ本体40とを接続できる。これにより、1つのデジタルカメラに、複数のレンズキャップ10を接続できる。この結果、1つのデジタルカメラで、仕様の異なる電子タグリーダーを内蔵した複数のレンズキャップ10を使用できる。あるいは、1つのレンズキャップ10を複数のデジタルカメラで使用できる。
【0069】
上述した実施形態では、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報をモニター48に表示する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、カメラ本体40は、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報の具体的な内容をネットワークを介して取得し、取得した内容をモニター48に表示してもよい。この場合は、カメラ本体40は、無線LAN(Local Area Network)等の通信インターフェースを介してネットワークに接続される。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ユーザーは、電子タグが添付された物品に関する具体的な情報を得ることができる。
【0070】
上述した実施形態では、物品が撮影される前に、電子タグリーダー12が物品に添付されている電子タグをスキャンする例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、物品が撮影された後に、電子タグリーダー12は、物品に添付されている電子タグをスキャンしてもよい。この場合は、例えば、カメラ本体40のCPUは、撮影された画像をモニター48に表示する。タグ情報が添付される画像データは、十字キー等の本体操作部50により、モニター48に表示された画像から選択される。次に、CPUは、電子タグリーダー12により読み取られたタグ情報の一覧をモニター48に表示する。そして、CPUは、十字キー等の本体操作部50によりモニター48に一覧表示されているタグ情報から選択されたタグ情報を上述の処理により選択された画像データに添付する。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ユーザーは、タグ情報の読み取りをせずに物品を撮影した場合でも、後からタグ情報を読み取ることにより、タグ情報と撮影した物品の画像データとを関連付けて管理できる。この結果、物品の再撮影が不要になるため、ユーザーが行う作業の煩わしさを低減できる。
【0071】
上述した第1の実施形態では、図4に示したレンズキャップ10の動作フローにおいて、レンズキャップ10がタグ情報を送信する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズキャップ10は、キャップ装着判定(図4のステップS180)の代わりに押しボタンスイッチ(図1に示した操作部22)の長い押し下げの検出により、タグ情報を送信してもよい。この場合、例えば、カメラ本体40のCPUは、レンズキャップが装着されたことを検出した旨のメッセージを上述した図1に示したモニター48に表示する。この後に、レンズキャップ10の押しボタンスイッチ(図1に示した操作部22)が長く押し下げられることにより、レンズキャップ10は、タグ情報をカメラ本体40に送信する。同様に、第2および第3の実施形態においても、レンズキャップ10Aは、キャップ装着判定(図4のステップS180)の代わりに押しボタンスイッチ(図9、10に示した操作部22)の長い押し下げの検出により、タグ情報を送信してもよい。この場合にも、上述した第1、第2および第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この場合は、レンズキャップ10、10Aの動作が単純なため、レンズキャップ10、10Aの構成を簡易にできる。
【0072】
上述した第1の実施形態では、レンズキャップ10をカメラ本体40から取り外すことにより、カメラ本体40Bの受光部に光を入射させる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズキャップ10を図12に示した構成にし、カメラ本体40の受光部に光を入射させるために、キャップ可動部28をスライドさせてもよい。この場合にも、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この場合は、被写体を撮影するときでもレンズキャップ10がカメラ本体40に接続されているため、レンズキャップ10が紛失することを防止できる。
【0073】
上述した第4の実施形態では、キャップ可動部28をキャップベース部20Bの延在する方向に移動する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図15に示すように、キャップ可動部28Aを横方向に移動させてもよい。図15に示したレンズキャップ10Cは、キャップベース部20Cおよびキャップ可動部28A以外は、図12に示したレンズキャップ10Bと同じため、詳細な説明を省略する。図15(a)は、物品を撮影するときあるいは従来と同様の再生処理を行うときのデジタルカメラの状態である。図15(b)は、物品に添付されている電子タグをスキャンするときのデジタルカメラの状態である。この場合にも、上述した第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のレンズキャップの外形図である。
【図3】第1の実施形態のレンズキャップの摘みの状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態のレンズキャップの動作の一例を示すフロー図である。
【図5】第1の実施形態のカメラ本体の動作モードの遷移の一例を示すフロー図である。
【図6】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ添付撮影モード1の動作の一例を示すフロー図である。
【図7】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ添付撮影モード2の動作の一例を示すフロー図である。
【図8】第1の実施形態のカメラ本体の電子タグ使用再生モードの動作の一例を示すフロー図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図12】第4の実施形態のデジタルカメラの外形図である。
【図13】第4の実施形態のデジタルカメラの電子タグ添付撮影モード1の動作の一例を示すフロー図である。
【図14】第4の実施形態のデジタルカメラの電子タグ使用再生モードの動作の一例を示すフロー図である。
【図15】第4の実施形態のデジタルカメラの別の例を示す外形図である。
【符号の説明】
【0076】
10、10A、10B、10C・・レンズキャップ;12、12A・・電子タグリーダー;14、14A、60、62・・発光部;16・・バッテリー;18、44・・メモリ;20、20A、20B、20C、54、54A、72、74・・接続部マウント;22、50・・操作部;24・・摘み;26、30・・受光部;28、28A・・キャップ可動部;40、40A、40B・・カメラ本体;42・・撮像素子;46・・記録媒体;48・・モニター;52・・シャッタースイッチ;56・・測光センサー;58・・ファインダー;70・・レンズ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の受光部に入射する光を遮るために、前記電子機器に取り付けられるキャップであって、
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、
前記電子タグリーダーにより読み取られた前記タグ情報を前記電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを備えていることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
請求項1記載のキャップにおいて、
ユーザーにより操作可能な操作部を備え、
前記電子タグリーダーは、前記操作部の操作に応答して、前記タグ情報を読み取り、
前記キャップ発光部は、前記タグ情報の読み取り完了に応答して、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とするキャップ。
【請求項3】
請求項1記載のキャップにおいて、
前記電子機器から出力された制御光信号を受信し、前記制御光信号を電気信号に変換するキャップ受光部を備え、
前記電子タグリーダーは、前記電気信号に応答して、前記タグ情報を読み取り、
前記キャップ発光部は、前記タグ情報の読み取り完了に応答して、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とするキャップ。
【請求項4】
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、読み取った前記タグ情報を光信号として出力するキャップ発光部とを有するキャップと、
前記キャップが取り付けられているとき、前記キャップが出力する前記光信号を受信し、前記キャップが取り付けられていないとき、被写体の像を電気信号に変換する受光部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、読み取った前記タグ情報を光信号として出力するキャップ発光部とを有するキャップと、
被写体の像を電気信号に変換する撮像素子と、
前記キャップが取り付けられているとき、前記キャップが出力する前記光信号を受信し、前記キャップが取り付けられていないとき、被写体からの光の強さを測定する受光部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の電子機器において、
前記キャップは、ユーザーにより操作可能な操作部を有し、前記操作部の操作に応答して、前記タグ情報を読み取り、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項4または請求項5記載の電子機器において、
前記キャップが取り付けられているときに、前記キャップの動作を制御するための制御光信号を前記キャップに向けて出力する発光部を備え、
前記キャップは、前記制御光信号を受信するキャップ受光部を有し、前記制御光信号に応答して、前記タグ情報を読み取り、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7記載の電子機器において、
前記発光部は、被写体の像に焦点を合わせるための光を出力するオートフォーカス補助光出力部であることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
電子機器の受光部に入射する光を遮るために、前記電子機器に取り付けられるキャップであって、
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、
前記電子タグリーダーにより読み取られた前記タグ情報を前記電子機器に伝えるために光信号として出力するキャップ発光部とを備えていることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
請求項1記載のキャップにおいて、
ユーザーにより操作可能な操作部を備え、
前記電子タグリーダーは、前記操作部の操作に応答して、前記タグ情報を読み取り、
前記キャップ発光部は、前記タグ情報の読み取り完了に応答して、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とするキャップ。
【請求項3】
請求項1記載のキャップにおいて、
前記電子機器から出力された制御光信号を受信し、前記制御光信号を電気信号に変換するキャップ受光部を備え、
前記電子タグリーダーは、前記電気信号に応答して、前記タグ情報を読み取り、
前記キャップ発光部は、前記タグ情報の読み取り完了に応答して、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とするキャップ。
【請求項4】
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、読み取った前記タグ情報を光信号として出力するキャップ発光部とを有するキャップと、
前記キャップが取り付けられているとき、前記キャップが出力する前記光信号を受信し、前記キャップが取り付けられていないとき、被写体の像を電気信号に変換する受光部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
電子タグに記憶されているタグ情報を読み取るための電子タグリーダーと、読み取った前記タグ情報を光信号として出力するキャップ発光部とを有するキャップと、
被写体の像を電気信号に変換する撮像素子と、
前記キャップが取り付けられているとき、前記キャップが出力する前記光信号を受信し、前記キャップが取り付けられていないとき、被写体からの光の強さを測定する受光部とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の電子機器において、
前記キャップは、ユーザーにより操作可能な操作部を有し、前記操作部の操作に応答して、前記タグ情報を読み取り、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項4または請求項5記載の電子機器において、
前記キャップが取り付けられているときに、前記キャップの動作を制御するための制御光信号を前記キャップに向けて出力する発光部を備え、
前記キャップは、前記制御光信号を受信するキャップ受光部を有し、前記制御光信号に応答して、前記タグ情報を読み取り、読み取った前記タグ情報を前記光信号として出力することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7記載の電子機器において、
前記発光部は、被写体の像に焦点を合わせるための光を出力するオートフォーカス補助光出力部であることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−22460(P2008−22460A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194348(P2006−194348)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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