説明

キャップ殺菌機

【課題】キャップ殺菌時間を容易に変更できるようにしたキャップ殺菌機、および、装置を小型化してメンテナンスが容易になるキャップ殺菌機、さらに、小能力から大能力への展開が容易となるキャップ殺菌機を提供する。
【解決手段】びん口等に被せるキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機1において、上流から供給されてきたキャップ10を一定の間隔に割り出して送り出す第1のキャップ間隔割り出し装置13と、該第1のキャップ間隔割り出し装置13から送り出されてきたキャップ10を流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第1のシュート20と、該第1のシュート20から送られてきたキャップ10を一定の間隔に割り出して送り出す第2のキャップ間隔割り出し装置17で構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料等を充填したPETボトル等の容器の口を封印するキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料等を充填したPETボトル等の容器の口を封印するキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機については、キャップを搬送装置で搬送しながらノズルから殺菌剤や洗浄液を噴射するものが提案されている。(特許文献1)
また、キャップの搬送装置については、種々のキャップ搬送コンベヤが提案されている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−128023号公報
【特許文献2】特開2007−168826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1によれば、キャップ取り出しスターホイールにより一定の間隔に割り出したキャップを、回転するドラム型スターホイールの溝に受け渡して、ドラム型スターホイールの外周に設けた螺旋状キャップガイド等に沿って螺旋状に搬送する間に、洗浄、殺菌、すすぎを行うことによってキャップを殺菌するとしている。
しかしながら、前記特許文献1のキャップ殺菌機では、ドラム型スターホイールを中心として螺旋状キャップガイド等を設けるため、構造が複雑となり、装置全体が大型になって、メンテナンスに手間がかかってしまう恐れがあるという問題が考えられる。
また、キャップの殺菌時間を変更する際には、ドラム型スターホイールの回転時間を変更することが必要であり、生産能力の変更を伴ってしまう。即ち、キャップの殺菌時間を長くする場合には、キャップ殺菌機の前後を含めた全体の装置の生産能力を低くしなければならず、キャップの殺菌時間を短くする場合には、キャップ殺菌機の前後を含めた全体の装置の生産能力を高くしなければならない。したがって、キャップの殺菌時間の変更が容易ではないという問題が考えられる。
【0005】
また、前記特許文献2によれば、回転位置決め装置によりキャップの間隔を割り出してからキャップをシュート等からなるキャップコンベヤで搬送するとしているが、キャップ殺菌およびキャップのアキューム時間の調整制御のような技術は開示されていない。
【0006】
本発明は、キャップ殺菌機をキャップ間隔割り出し装置とシュートの組合せによる構成として、このシュート上でキャップをアキュームできるようにし、シュート上のキャップのアキューム時間の調整制御によりキャップ殺菌時間を容易に変更できるようにしたキャップ殺菌機、および、装置を小型化してメンテナンスが容易になるキャップ殺菌機、さらに、前記キャップ間隔割り出し装置とシュートを交互に連続した配置として、小能力から大能力への展開が容易となるキャップ殺菌機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段のキャップ殺菌機は、びん口等に被せるキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機において、上流から供給されてきたキャップを一定の間隔に割り出して送り出す第1のキャップ間隔割り出し装置と、該第1のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第1のシュートと、該第1のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第2のキャップ間隔割り出し装置で構成したことを特徴とする。
(2)第2の手段のキャップ殺菌機は、前記第1の手段のキャップ殺菌機において、前記第2のキャップ間隔割り出し装置の下流に前記第2のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第2のシュートを設け、該第2のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第3のキャップ間隔割り出し装置を設けるというように、シュートとキャップ間隔割り出し装置をさらに連続した配置で構成したことを特徴とする。
【0008】
(3)第3の手段のキャップ殺菌機は、前記第1および第2の手段のキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置を、その外周面に一定の間隔で設けたキャップと係合するポケット溝でキャップを回転搬送するスターホイールとしたことを特徴とする。
(4)第4の手段のキャップ殺菌機は、前記第1から第3の手段のキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートを、キャップの上面、下面および左右の側面をガイドするガイド棒で構成したことを特徴とする。
(5)第5の手段のキャップ殺菌機は、前記第4の手段のキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルが前記シュートの前記ガイド棒間の隙間を通してキャップに向けて流体を噴射するように配置された流体噴射装置としたことを特徴とする。
【0009】
(6)第6の手段のキャップ殺菌機は、前記第1から第5の手段のキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルからキャップを殺菌する殺菌剤を噴射する流体噴射装置としたことを特徴とする。
(7)第7の手段のキャップ殺菌機は、前記第5および第6の手段のキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、前記噴射ノズルが前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上の前記キャップを回動しながら搬送するように配置された流体噴射装置としたことを特徴とする。
(8)第8の手段のキャップ殺菌機は、前記第1から第5および第7の手段のキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上を搬送中のキャップを電子線等の照射により殺菌するように、電子線等の照射装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
(9)第9の手段のキャップ殺菌機は、前記第1から第8の手段のキャップ殺菌機において、前記第1と前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動をそれぞれ独立として、前記第1または第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置による前記キャップの送り出し速度をそれぞれ制御できるように制御装置を備えたことを特徴とする。
(10)第10の手段のキャップ殺菌機は、前記第9の手段のキャップ殺菌機において、前記制御装置を、前記第2または第3またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動速度を変更または停止することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートで前記キャップをそれぞれアキュームできるように制御する制御装置としたことを特徴とする。
(11)第11の手段のキャップ殺菌機は、前記第9および第10の手段のキャップ殺菌機において、前記制御装置を、前記第2または第3またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動速度を変更または停止することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートでの前記キャップのアキューム長さまたはアキューム時間を調整できるように制御する制御装置としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係わる本発明のキャップ殺菌機は、びん口等に被せるキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機において、上流から供給されてきたキャップを一定の間隔に割り出して送り出す第1のキャップ間隔割り出し装置と、該第1のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第1のシュートと、該第1のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第2のキャップ間隔割り出し装置で構成したことにより、小型のシンプルな構造でメンテナンスが容易なキャップ殺菌機とすることができ、また、キャップを前記第1のシュートでアキュームすることができるという効果を有する。
【0012】
請求項2に係わる本発明は、請求項1に記載するキャップ殺菌機において、前記第2のキャップ間隔割り出し装置の下流に前記第2のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第2のシュートを設け、該第2のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第3のキャップ間隔割り出し装置を設けるというように、シュートとキャップ間隔割り出し装置をさらに連続した配置で構成したことにより、小能力から大能力への展開が容易で、装置の設計、製作が効率的になり、また、キャップを前記第1および前記第2またはそれ以降のシュートでそれぞれアキュームすることができ、キャップのアキューム時間またはキャップ殺菌時間の調整の自由度が大きくなるという効果を有する。
【0013】
請求項3に係わる本発明は、請求項1および2に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置を、その外周面に一定の間隔で設けたキャップと係合するポケット溝でキャップを回転搬送するスターホイールとしたことにより、前記シュート上を搬送されるキャップをスターホイールの外周面で停止するとともに、該キャップをスターホイールのポケット溝で搬送方向を転換して一定の間隔で割り出して送り出すことができるという効果を有する。
請求項4に係わる本発明は、請求項1から3に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートを、キャップの上面、下面および左右の側面をガイドするガイド棒で構成したことにより、前記ガイド棒の間に隙間を作って、この隙間を通して前記シュート上のキャップに前記流体を効果的に噴射できるという効果を有する。
請求項5に係わる本発明は、請求項4に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルが前記シュートの前記ガイド棒間の隙間を通してキャップに向けて流体を噴射するように配置される流体噴射装置としたことにより、前記流体の噴射推進力を利用して前記シュート上のキャップを搬送できるという効果を有する。
【0014】
請求項6に係わる本発明は、請求項1から5に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルからキャップを殺菌する殺菌剤を噴射する流体噴射装置としたことにより、前記シュート上のキャップが搬送されながら内外の表面を殺菌剤で殺菌できるという効果を有する。
請求項7に係わる本発明は、請求項5および6に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、前記噴射ノズルが前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上の前記キャップを回動しながら搬送するように配置された流体噴射装置としたことにより、前記シュート上の前記キャップの表面が前記回動によって均一に流体の噴射を受けるとともに、均一に殺菌されるという効果を有する。
【0015】
請求項8に係わる本発明は、請求項1から5および7に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上を搬送中のキャップを電子線等の照射により殺菌するように、電子線等の照射装置を備えたことにより、前記シュート上を搬送されるキャップを流体の殺菌剤を使用せずにドライ状態で内外の表面を殺菌できるという効果を有する。
請求項9に係わる本発明は、請求項1から8に記載するキャップ殺菌機において、前記第1と前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動をそれぞれ独立として、前記第1または第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置による前記キャップの送り出し速度をそれぞれ制御できるように制御装置を備えたことにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置による前記キャップの送り出し速度をそれぞれに変更または停止することができるという効果を有する。
【0016】
請求項10に係わる本発明は、請求項9に記載するキャップ殺菌機において、前記制御装置の制御方法を設定することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートで、それぞれその後端から前記キャップを順次アキュームできるという効果を有する。
請求項11に係わる本発明は、請求項9および10に記載するキャップ殺菌機において、前記制御装置の制御方法を設定することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートでの前記キャップのアキューム長さまたはアキューム時間を調整できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係わるキャップ殺菌機の正面図である。
【図2】図1のA部詳細図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1のシュート部の詳細図で、キャップのアキュームについて説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のキャップ殺菌機の正面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のキャップ殺菌機の主要部のみを示した正面図で、図2に相当する図である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態のキャップ殺菌機の正面図で、図1に相当する図である。
【図9】図8のD部詳細図である。
【図10】図9のE−E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図4に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わるキャップ殺菌機の正面図である。
図2は、図1のA部詳細図である。
図3は、図2のB−B断面図である。
図4は、図1のシュート部の詳細図で、キャップのアキュームについて説明する図である。
【0020】
図において、キャップ殺菌機1は、図示しないキャップ洗浄室で予備洗浄されて矢印11aから投入シュート12を経て供給されたキャップ10が、第1のキャップ間隔割り出し装置13により一定の間隔に割り出されて(第1の)シュート20に送り出され、シュート20内を噴射ノズルから殺菌剤である流体を噴射する流体噴射装置30の流体噴射推進力により搬送されながら或いはシュート20でアキュームされながら、噴射された殺菌剤で内外の表面を殺菌された後、シュート20の下流の第2のキャップ間隔割り出し装置17により一定の間隔に割り出されて排出シュート19に送り出され、矢印11dの方向へ排出されて、図示しない流体噴射装置からの無菌水の噴射によりキャップ10に付着した殺菌剤がすすぎ除去されるようになっている。
【0021】
前記第1のキャップ間隔割り出し装置13、シュート20、第2のキャップ間隔割り出し装置17はチャンバ9によって囲まれて外部と遮断されていて、該チャンバ9の側壁には前記投入シュート12および前記排出シュート19を通す開口穴91および開口穴92が設けられている。
また、排出シュート19は、前記開口穴92以降がチャンバ90によって囲まれて、クリーンな雰囲気となっている。
【0022】
図では、第1のキャップ間隔割り出し装置13および第2のキャップ間隔割り出し装置17は、外周面に一定の間隔でキャップ10と係合するポケット溝13pおよびポケット溝17pを備えたスターホイール13およびスターホイール17の回転により、矢印11bおよび矢印11cの方向へキャップ10を一定の間隔に割り出している場合を示している。(以下第1のキャップ間隔割り出し装置13をスターホイール13と称し、第2のキャップ間隔割り出し装置17をスターホイール17と称するが、キャップ間隔割り出し装置はスターホイールに限定するものではない。)
なお、スターホイール13とスターホイール17はそれぞれ独立した駆動となっており、制御装置7からの制御指令により、キャップ10がそれぞれのスターホイールによりそれぞれの速度で搬送または停止されるようになっている。
また、スターホイール13およびスターホイール17において、キャップ10はそれぞれガイド14にガイドされながらポケット溝13pにより、および、ガイド18にガイドされながらポケット溝17pにより搬送されるようになっている。
【0023】
シュート20は、キャップ10が金属または金属相当の棒から成るガイド棒21およびガイド棒24でそれぞれ上下をガイドされ、同様に、ガイド棒22並びにガイド棒23およびガイド棒25並びにガイド棒26により左右をガイドされて搬送されるとともに、該ガイド棒間に隙間が形成されるように構成されている。
なお、排出シュート19はシュート20と同様の構造となっており、詳細な図示および説明は省略する。
【0024】
また、シュート20上のキャップ10は、シュート20に近接して設けられた流体噴射装置30から噴射される流体により、搬送および表面の殺菌がなされるようになっている。
流体噴射装置30は、過酢酸溶液等の殺菌剤である流体が噴射ノズル31、噴射ノズル33から矢印31aおよび矢印33aの向きでキャップ10の搬送方向の下流側に向かって斜め下方および斜め上方に噴射され、同様に、噴射ノズル32および噴射ノズル34から矢印32aおよび矢印34aの向きでキャップ10の搬送方向の下流側に向かって斜め左方および斜め右方に噴射されて、その噴射推進力でキャップ10を搬送するとともにキャップ10を殺菌するように構成されている。なお、前記噴射される流体は前記シュート20を構成しているガイド棒間の隙間を通して、キャップ10に噴射されるようになっている。
ここで、噴射ノズル31、噴射ノズル32、噴射ノズル33および噴射ノズル34は、シュート20の長手方向に複数個配置され、それぞれ流体の配管36、配管37、配管38、配管39に接続されていて、噴射に適した高圧の流体が供給されるようになっている。
【0025】
また、開口穴92以降の排出シュート19では、前記シュート20の場合と同様に、図示しない流体噴射装置が近接して設けられている。この流体噴射装置は、噴射する流体が無菌水であり、キャップ10を搬送するとともに、前記シュート20での流体噴射によってキャップ10に付着している殺菌剤をすすぎ除去するようになっているが、構造が流体噴射装置30と同様であり、詳細な図示および説明は省略する。
【0026】
なお、上記説明では、前記キャップ10に付着した殺菌剤のすすぎ除去を、開口穴92以降の排出シュート19上で行う場合を説明したが、図示二点鎖線のようなチャンバ9内の仕切り壁9a、および、該仕切り壁9aのシュート20の後端部でキャップ10が通過する部分に開口穴9aaを設けて、前記スターホイール17の外周側のガイド18に近接した箇所に、前記キャップ10に付着した殺菌剤のすすぎ除去をする装置を設けることとしてもよい。この場合には、排出シュート19に近接して設けた図示しない流体噴射装置から噴射される流体は無菌エアとなる。
【0027】
次に、本実施の形態に係わるキャップ殺菌機1の作用を説明する。
予備洗浄されたキャップ10は、投入シュート12を経由してスターホイール13に送り込まれると、該スターホイール13の矢印11b方向の回転により、該スターホイール13の外周面に設けられた一定の間隔のポケット溝13pによって一定の間隔に割り出されて(第1の)シュート20に送り出され、シュート20に近接して設けられた流体噴射装置30から過酢酸溶液等の殺菌剤の流体がシュート20の下流側へ向かって上下左右の斜め方向へ噴射されることにより、その流体噴射推進力でシュート20上を搬送されるとともに、殺菌剤の流体噴射によってキャップ10の内外の表面が殺菌される。
【0028】
シュート20上で殺菌されながら搬送されるキャップ10は、シュート20の下流のスターホイール17の外周面に当接する。前記当接したキャップ10は、該スターホイール17の回転により、該スターホイール17の外周面に一定の間隔で設けられたポケット溝17pと係合すると、スターホイール17の回転に伴って矢印11cの方向へ搬送方向を転換され、一定の間隔に割り出されながら搬送されて、排出シュート19へ送り出され、矢印11dの方向へ排出されていく。
【0029】
スターホイール13とスターホイール17が制御装置7の制御により駆動制御され、制御装置7からの指令によりスターホイール17の回転が減速または停止させられると、シュート20の後端でスターホイール17の外周面に当接しているキャップ10は、スターホイール17のポケット溝17pへ取り込まれる速度が減速または停止することになり、スターホイール13からシュート20に順次送り出されてきたキャップ10は、シュート20の後端から順次上流側にアキュームされて、このアキュームの間にキャップ10は流体噴射装置30からの流体の噴射による殺菌状態のままとなる。
【0030】
したがって、キャップ10の殺菌時間は、上記シュート20上でのキャップ10のアキューム長さまたはアキューム時間を制御装置7の制御により調整して、必要な時間を確保することができる。
【0031】
また、排出シュート19以降のキャップ10の搬送が減速または停止されると、制御装置7からの指令によりスターホイール17の回転が減速または停止される。この場合もスターホイール17の回転の減速または停止に伴って、シュート20上のキャップ10は、シュート20の後端から順次シュート20の上流側へとアキュームされるようになる。
【0032】
図1は、キャップ10がシュート20の後端から上流側へ一部アキュームされた状態を示しているが、キャップ10のシュート20上でのアキューム長さが増加した状態を図4に示す。
図4は、キャップ10が減速回転しているスターホイール17の外周面に当接した位置P1から上流側へn個アキュームして、シュート20上を減速した速度■でアキューム搬送されている状態を示しているが、キャップ10のアキューム長さLはキャップ10の外径dにキャップ10のアキューム個数nを乗じたnxdとなる。
【0033】
前記のようなシュート20上でのキャップ10のアキューム機能により、シュート20上のキャップ10は、アキューム長さLを確保することによって、必要な殺菌時間を確保することができるとともに、排出シュート19以降でキャップ10の搬送が減速または停止しても、前記アキューム長さLが予め定められた限界長さになるまでは、スターホイール13およびその上流の装置を停止する必要はなく、生産を効率的に続けることができる。
【0034】
また、上記で説明したキャップ殺菌機1では、制御装置7への指示によってキャップ10のアキューム長さ、殺菌時間を必要により変更調整することが容易である。
【0035】
なお、上記の本実施の形態の流体噴射装置30では、噴射ノズル31〜34をシュート20の上流側から下流側に亘ってそれぞれ複数個を適宜の間隔で配置して、何れの箇所の噴射ノズル31〜34からも過酢酸溶液等の殺菌剤である流体が噴射されて、噴射された流体がシュート20上のキャップ10の搬送と内外の表面の殺菌を行う場合を説明したが、シュート20の上流側に配置された前記噴射ノズル31〜34からは、シュート20上のキャップ10の搬送を行う流体を噴射し、シュート20の下流側に配置された前記噴射ノズル31〜34からはシュート20上のキャップ10の搬送と内外の表面の殺菌を行う殺菌剤である流体を噴射することにしてもよい。この場合、前記噴射ノズル31〜34は噴射された流体の噴射形状が、シュート20上のキャップ10の搬送に適した形状、または、シュート20上のキャップ10の搬送および内外の表面の殺菌に適した形状となるように、適宜選択してもよい。
【0036】
また、上記の本実施の形態の流体噴射装置30では、殺菌剤である過酢酸溶液等の液体を噴射する場合を説明したが、噴射する流体を約80℃の熱水として、キャップ10の搬送および内外の表面を殺菌するとしてもよい。
さらに、噴射する流体を液体ではなくて、霧状の過酸化水素を含むガス等の殺菌用のガスとしてもよい。霧状の過酸化水素を含むガスの場合には、排出シュート19等に配置する流体噴射装置を、キャップ10の表面に付着した霧状の過酸化水素を熱風で蒸発乾燥させる乾燥装置を兼ねたものとしてもよい。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図5によって説明する。
図5は、第2の実施の形態のキャップ殺菌機の正面図である。
図5において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
【0038】
図において、キャップ殺菌機2は、スターホイール17の下流に第2のシュート40および第3のキャップ間隔割り出し装置45が設けられていて、スターホイール17により一定の間隔に割り出されたキャップ10が、第2のシュート40内に送り出され、第2のシュート40内を殺菌剤である流体を噴射する流体噴射装置50の流体噴射推進力により搬送されながら或いはシュート40上でアキュームされながら、噴射された殺菌剤で内外の表面を殺菌された後、シュート40の下流の第3のキャップ間隔割り出し装置45により一定の間隔に割り出されて排出シュート47に送り出され、矢印11gの方向へ排出されて、図示しない流体噴射装置からの無菌水の噴射によりキャップ10に付着した殺菌剤がすすぎ除去されるようになっている。
【0039】
スターホイール13、第1のシュート20、スターホイール17、第2のシュート40、第3のキャップ間隔割り出し装置45はチャンバ51によって囲まれて外部と遮断されていて、チャンバ51の側壁には投入シュート12および排出シュート47を通す開口穴52および開口穴53が設けられている。
また、排出シュート47は、前記開口穴53以降がチャンバ91によって囲まれていて、クリーンな雰囲気となっている。
【0040】
図5では、第3のキャップ間隔割り出し装置45は、第1のキャップ間隔割り出し装置13および第2のキャップ間隔割り出し装置17と同様に、外周面に一定の間隔でキャップ10と係合するポケット溝45pを備えたスターホイール45により、矢印11fの方向へキャップ10を一定の間隔に割り出している場合を示している。(以下第3のキャップ間隔割り出し装置45をスターホイール45と称する。)
なお、スターホイール45は、スターホイール13およびスターホイール17と駆動が独立となっており、キャップ10がそれぞれのスターホイールにより制御装置8からの制御指令によりそれぞれの速度で搬送されるようになっている。
また、スターホイール45において、キャップ10はガイド46にガイドされながらポケット溝45pにより搬送されるようになっている。
【0041】
前記シュート40および前記排出シュート47は、それぞれ前記シュート20および前記排出シュート19と同様の構造となっており、また、流体噴射装置50も、流体噴射装置30と同様の構造となっており、さらに、開口穴53以降の排出シュート47に近接して設けられた図示しない流体噴射装置も、排出シュート19に近接して設けられた流体噴射装置と同様のものとなっているが、重複する説明は省略する。
【0042】
なお、上記説明では、前記キャップ10に付着した殺菌剤のすすぎ除去を、開口穴53以降の排出シュート47上で行う場合を示したが、図示二点鎖線のようなチャンバ51内の仕切り壁51a、および、該仕切り壁51aのシュート40の後端部でキャップ10が通過する部分に開口穴51aaを設けて、前記スターホイール45の外周側のガイド46に近接した箇所に、前記キャップ10に付着した殺菌剤のすすぎ除去をする装置を設けることとしてもよい。この場合には、排出シュート47に近接して設けた図示しない流体噴射装置から噴射される流体は無菌エアとなる。
【0043】
次いで、第2の実施の形態に係わるキャップ殺菌機2の作用を説明する。
予備洗浄されたキャップ10は、投入シュート12を経由してスターホイール13に供給されると、該スターホイール13の矢印11b方向の回転により、該スターホイール13の外周面に一定の間隔で設けられたポケット溝13pによって一定の間隔に割り出されて第1のシュート20に送り出され、シュート20に近接して設けられた流体噴射装置30から過酢酸溶液等の殺菌剤の流体がシュート20の下流側へ向かって上下左右の斜め方向へ噴射されることにより、内外の表面が殺菌されながらシュート20上を搬送されて、シュート20の下流のスターホイール17の外周面に当接する。
【0044】
前記スターホイール17の外周面に当接したキャップ10は、該スターホイール17の回転により、該スターホイール17の外周面に一定の間隔で設けられたポケット溝17pと係合すると、該スターホイール17の回転に伴って矢印11cの方向へ搬送方向を転換され、一定の間隔に割り出されて第2のシュート40に送り出され、シュート40に近接して設けられた流体噴射装置50から過酢酸溶液等の殺菌剤の流体がシュート40の下流側へ向かって上下左右の斜め方向へ噴射されることにより、内外の表面が殺菌されながらシュート40上を搬送されて、シュート40の下流のスターホイール45の外周面に当接する。
【0045】
前記スターホイール45の外周面に当接したキャップ10は、該スターホイール45の回転により、該スターホイール45の外周面に一定の間隔で設けられたポケット溝45pと係合すると、該スターホイール45の回転に伴って矢印11fの方向へ搬送方向を転換され、一定の間隔に割り出されながら搬送されて、排出シュート47へ送り出され、矢印11gの方向へ排出されていく。
【0046】
スターホイール13、スターホイール17とスターホイール45が制御装置8の制御により駆動制御され、制御装置8からの指令によりスターホイール17またはスターホイール45の回転が減速または停止させられると、シュート20またはシュート40の後端でスターホイール17またはスターホイール45の外周面に当接しているキャップ10は、スターホイール17のポケット溝17pまたはスターホイール45のポケット溝45pへ取り込まれる速度が減速または停止することになり、スターホイール13からシュート20またはスターホイール17からシュート40に順次送り出されてくるキャップ10は、シュート20またはシュート40の後端から順次上流側へアキュームされて、このアキュームの間にキャップ10は流体噴射装置30または流体噴射装置50からの流体の噴射による殺菌状態のままとなる。
【0047】
したがって、キャップ10の殺菌時間は、上記シュート20上でのキャップ10のアキューム長さまたはアキューム時間および上記シュート40上でのキャップ10のアキューム長さまたはアキューム時間を制御装置8の制御により調整して、必要な時間を確保することができる。
【0048】
また、排出シュート47以降のキャップ10の搬送が減速または停止されると、制御装置8からの指令によりスターホイール45の回転が減速または停止される。この場合もスターホイール45の回転の減速または停止に伴って、シュート40上のキャップ10は、シュート40の後端から順次上流側へとアキュームされるようになる。
シュート40上のキャップ10が予め設定された限界のアキューム長さに到達すると、制御装置8からの指令によりスターホイール17の回転が減速または停止され、これに伴って、シュート20上のキャップ10は、シュート20上で後端から順次上流側へとアキュームされるようになる。
【0049】
上記説明のように、シュート40上を搬送されるキャップ10とシュート20上を搬送されるキャップ10は、それぞれにアキューム長さを調整するように制御することができるが、両者を同時に制御することにより、キャップ殺菌機2でのキャップ10の殺菌時間を調整することができ、前記第1の実施の形態の場合よりもキャップ10の殺菌時間の調整の自由度が高い。
【0050】
このように、前記シュート40上および前記シュート20上でのキャップ10のアキューム機能により、前記シュート40上および前記シュート20上のキャップ10は、両者を合わせて、必要な殺菌時間を確保できるとともに、排出シュート47以降でキャップ10の搬送が減速または停止しても、前記シュート40上でのキャップ10のアキューム長さおよび前記シュート20上でのキャップ10のアキューム長さが、それぞれ予め定められた限界長さになるまでは、スターホイール17およびスターホイール13またはその上流の装置を停止する必要はなく、キャップ10のアキューム長さを第1の実施の形態の場合よりも長くすることができ、第1の実施の形態に比べて生産効率を大幅に増加させることができる。
【0051】
なお、上記説明では、キャップ10の殺菌をシュート20上およびシュート40上で行う場合を説明したが、シュート20上のみでキャップ10の殺菌を行って、シュート40上ではキャップ10のアキューム機能だけを持たせることももちろん可能である。
【0052】
図5では、キャップ殺菌機2を、独立駆動のスターホイール13、スターホイール17、スターホイール45のキャップ間隔割り出し装置と、シュート20と流体噴射装置30およびシュート40と流体噴射装置50との組合せで構成して、制御装置8による制御でキャップ10のアキューム長さを調整する場合で示したが、流体噴射装置を伴ったシュートとスターホイールのキャップ間隔割り出し装置をさらに連続して配置した構成として、シュート上でのキャップ10のアキューム長さをさらに増加させたキャップ殺菌機として展開することもできる。
この場合、キャップ殺菌機の大きさについては、生産能力、キャップ10の必要とされる殺菌時間、アキューム長さ等から適宜選ぶことができ、制御装置8への指示によって容易にキャップ10の殺菌時間、アキューム長さを必要により変更調整することができる。
【0053】
また、上記のように流体噴射装置を伴ったシュートとキャップ間隔割り出し装置をさらに連続して配置した構成とするキャップ殺菌機は、それぞれ同じ構造の流体噴射装置を伴ったシュートとキャップ間隔割り出し装置の組合せとして展開することができるので、小能力から大能力への展開が容易であり、効率的かつ安価に設計、製作を行うことができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図6および図7によって説明する。
図6は、第3の実施の形態のキャップ殺菌機の主要部のみを示した正面図で、図2に相当する図である。
図7は、図6のC−C断面図である。
図6および図7において、第1および第2の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
【0055】
図において、キャップ殺菌機3は、シュート20に近接して設けられた流体噴射装置60から噴射される流体により、キャップ10がシュート20上を回動しながら搬送されて内外の表面の殺菌がなされるようになっている。
流体噴射装置60は、過酢酸溶液等の殺菌剤である流体が噴射ノズル31および噴射ノズル61から矢印31aおよび矢印61aの向きでキャップ10の搬送方向の下流側に向かって斜め下方に噴射されるとともに、噴射ノズル33から矢印33aの向きでキャップ10の搬送方向の下流側に向かって斜め上方に噴射され、同様に、噴射ノズル32および噴射ノズル34から矢印32aおよび矢印34aの向きでキャップ10の搬送方向の下流側に向かって斜め左方および斜め右方に噴射されて、キャップ10を搬送するとともにキャップ10の内外の表面を殺菌するように構成されている。
この構成により、キャップ10の上方の流体の噴射推進力が下方より強くなり、シュート20上の丸形状のキャップ10は回動しながら搬送されるようになっている。
なお、図6では、噴射ノズル61と配管62は、噴射ノズル31と配管36に重なった図示となっているが、噴射ノズル61は流体の配管62に接続されていて、噴射に適した高圧の流体が供給されるようになっている。
【0056】
次いで、第3の実施の形態に係わるキャップ殺菌機3の作用を説明する。
流体噴射装置60の噴射ノズルの配置が、前記のように、キャップ10の上方に2個、下方に1個、左右にそれぞれ1個となっており、キャップ10の上方の流体の噴射推進力が強くなっているため、キャップ10はシュート20上を回動しながら搬送されていく。
このキャップ10の回動しながらの搬送により、キャップ10は殺菌剤である流体が内外の表面に均一に噴射されて、キャップ10の内外の表面の殺菌が均一に行われ、キャップ殺菌機3は優れた殺菌効果を有する。
【0057】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を図8から図10によって説明する。
図8は、第4の実施の形態のキャップ殺菌機の正面図で、図1に相当する図である。
図9は、図8のD部詳細図である。
図10は、図9のE−E断面図である。
図8から図10において、第1から第3の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
【0058】
図において、キャップ殺菌機4は、シュート70および流体噴射装置80に近接して設けられた電子線照射装置75および一対の電子線照射装置76により、キャップ10の内外の表面が殺菌されるように構成されている。
ここで、流体噴射装置80から噴射される流体は無菌エアで、この無菌エアにより丸形状のキャップ10はシュート70上を、前記第3の実施の形態の場合と同様に、回動しながら搬送推進されるようになっている。
電子線照射装置75はシュート70上を搬送されているキャップ10の上方から電子線を照射し、一対の電子線照射装置76はシュート70上を搬送されているキャップ10の左右方向から電子線を照射するように構成されており、電子線照射装置75および一対の電子線照射装置76の大きさは、キャップ10の殺菌に十分なものとなっている。
【0059】
シュート70は、その構造が前記シュート20と類似しているが、電子線照射装置75および一対の電子線照射装置76の設置部では、キャップ10の上方のガイド棒211とガイド棒212が位置違いになったように構成され、キャップ10の上方からの電子線の照射がガイド棒による影のままで殺菌が不十分にならないように配慮されており、また、キャップ10の左右のガイド棒221とガイド棒222、ガイド棒231とガイド棒232、および、ガイド棒251とガイド棒252、ガイド棒261とガイド棒262が長さ方向で一部切り離されたように構成され、キャップ10の左右からの電子線の照射がガイド棒による影のままで殺菌が不十分にならないように配慮されている点が、前記シュート20と相違している。
なお、図示ではガイド棒24は長さ方向で連続した構成としてある。
【0060】
また、流体噴射装置80は、その構造が前記流体噴射装置60と類似しているが、電子線照射装置75および一対の電子線照射装置76の設置部で、配管361と配管362、および、配管621と配管622、さらに、配管371と配管372、および、配管391と配管392が、配管の長手方向で分離した構成となっていて、キャップ10の上方向および左右方向からの電子線の照射が配管による影のままで殺菌が不十分にならないように配慮されている点が、前記流体噴射装置60と相違している。
なお、図9では、配管621と配管622は、配管361と配管362と重なった図示となっており、配管361と配管362の図示後方の配置となっている。同様に、配管391と配管392は、配管371と配管372と重なった図示となっており、配管371と配管372の図示後方の配置となっている。
【0061】
次いで、第4の実施の形態に係わるキャップ殺菌機4の作用を説明する。
キャップ10は、シュート70上で流体噴射装置80からの無菌エアの噴射による推進力でシュート70上を回動しながら搬送される間に、シュート70の上方向の電子線照射装置75からの電子線の照射によりキャップ10の外表面が殺菌されるとともに、一対の電子線照射装置76からの電子線の照射によりキャップ10の天面の外表面とキャップ10の内表面が殺菌される。
【0062】
ここで、シュート70が前記のように電子線照射装置75および電子線照射装置76の設置部で、ガイド棒211とガイド棒212が位置違いに構成され、また、ガイド棒221とガイド棒222、ガイド棒231とガイド棒232、ガイド棒251とガイド棒252、ガイド棒261とガイド棒262が長さ方向で一部切り離されて構成されていること、および、配管361と配管362、配管621と配管622、配管371と配管372、配管391と配管392が、配管の長手方向で分離した構成となっていること、さらに、キャップ10がシュート70上を回動しながら搬送されるような構成となっていることにより、キャップ10は内外の表面とも一様に電子線の照射を受けて殺菌される。
【0063】
なお、キャップ殺菌機4は、前記第1および第2の実施の形態で説明したと同様に、制御装置7または制御装置8への指示によってキャップ10のアキューム長さ、殺菌時間を必要により変更調整することができる。
また、上記第4の実施の形態では、キャップ10の殺菌を電子線の照射装置で行う場合を説明したが、キャップ10の殺菌レベルにより紫外線等の照射装置で行うこととしてもよい。
【0064】
さらに、上記第1から第4の実施の形態の説明では、キャップ10を対象とした場合の殺菌機について説明してきたが、キャップ10に限らず、キャップと類似した容器を対象としてもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0065】
1 キャップ殺菌機
2 キャップ殺菌機
3 キャップ殺菌機
4 キャップ殺菌機
7 制御装置
8 制御装置
10 キャップ
12 投入シュート
13 スターホイール(第1のキャップ間隔割り出し装置)
13p (スターホイールの)ポケット溝
17 スターホイール(第2のキャップ間隔割り出し装置)
17p (スターホイールの)ポケット溝
19 排出シュート
20 (第1の)シュート
21〜26 ガイド棒
30 流体噴射装置
31〜34 噴射ノズル
36〜39 (流体の)配管
40 (第2の)シュート
47 排出シュート
45 スターホイール(第3のキャップ間隔割り出し装置)
45p (スターホイールの)ポケット溝
50 (第2の)流体噴射装置
60 流体噴射装置
61 噴射ノズル
62 (流体の)配管
70 シュート
75 電子線照射装置
76 電子線照射装置
80 流体噴射装置
211、212 ガイド棒
221、222 ガイド棒
231、232 ガイド棒
251、252 ガイド棒
261、262 ガイド棒
361、362 (流体の)配管
371、372 (流体の)配管
391、392 (流体の)配管
621、622 (流体の)配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
びん口等に被せるキャップを搬送中に殺菌するキャップ殺菌機において、上流から供給されてきたキャップを一定の間隔に割り出して送り出す第1のキャップ間隔割り出し装置と、該第1のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第1のシュートと、該第1のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第2のキャップ間隔割り出し装置で構成したことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項2】
請求項1に記載するキャップ殺菌機において、前記第2のキャップ間隔割り出し装置の下流に前記第2のキャップ間隔割り出し装置から送り出されてきた前記キャップを流体噴射装置からの流体の噴射による推進力で搬送する第2のシュートを設け、該第2のシュートから送られてきた前記キャップを一定の間隔に割り出して送り出す第3のキャップ間隔割り出し装置を設けるというように、シュートとキャップ間隔割り出し装置をさらに連続した配置で構成したことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項3】
請求項1および2に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置を、その外周面に一定の間隔で設けたキャップと係合するポケット溝でキャップを回転搬送するスターホイールとしたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項4】
請求項1から3に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートを、キャップの上面、下面および左右の側面をガイドするガイド棒で構成したことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項5】
請求項4に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルが前記シュートの前記ガイド棒間の隙間を通してキャップに向けて流体を噴射するように配置された流体噴射装置としたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項6】
請求項1から5に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、噴射ノズルからキャップを殺菌する殺菌剤を噴射する流体噴射装置としたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項7】
請求項5および6に記載するキャップ殺菌機において、前記流体噴射装置を、前記噴射ノズルが前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上の前記キャップを回動しながら搬送するように配置された流体噴射装置としたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項8】
請求項1から5および7に記載するキャップ殺菌機において、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュート上を搬送中のキャップを電子線等の照射により殺菌するように、電子線等の照射装置を備えたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項9】
請求項1から8に記載するキャップ殺菌機において、前記第1と前記第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動をそれぞれ独立として、前記第1または第2またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置による前記キャップの送り出し速度をそれぞれ制御できるように制御装置を備えたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項10】
請求項9に記載するキャップ殺菌機において、前記制御装置を、前記第2または第3またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動速度を変更または停止することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートでそれぞれ前記キャップをアキュームできるように制御する制御装置としたことを特徴とするキャップ殺菌機。
【請求項11】
請求項9および10に記載するキャップ殺菌機において、前記制御装置を、前記第2または第3またはそれ以降のキャップ間隔割り出し装置の駆動速度を変更または停止することにより、前記第1または前記第2またはそれ以降のシュートでの前記キャップのアキューム長さまたはアキューム時間を調整できるように制御する制御装置としたことを特徴とするキャップ殺菌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−11811(P2011−11811A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159861(P2009−159861)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】