説明

キャパシタ充電装置およびその制御回路、制御方法、ならびにそれらを用いた発光装置および電子機器

【課題】出力電圧を簡易な回路構成で正確に検出する。
【解決手段】キャパシタ充電装置210は、トランス10およびトランス10の2次コイル14に流れる電流によって充電される出力キャパシタC1を含む。制御回路100は、トランス10の1次コイル12の経路上に設けられたスイッチングトランジスタTr1をスイッチング制御することにより、出力キャパシタC1を充電する。電圧監視端子108は、トランス12の2次コイルに設けられたタップと接続される。スイッチング制御部40は電圧監視端子108に生ずる監視電圧Vmoniを受け、監視電圧Vmoniに応じてスイッチングトランジスタTr1をスイッチング制御する。保護回路38は監視電圧Vmoniを監視し、監視電圧Vmoniが所定時間継続して所定の条件を満たすとき、スイッチング制御部40によるスイッチングトランジスタTr1のスイッチング制御を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源に関し、特に、キャパシタを充電して高電圧を生成するキャパシタ充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな電子機器において、入力電圧よりも高い電圧を生成して負荷に供給するため、昇圧型のスイッチング電源が用いられている。こうした昇圧型のスイッチング電源は、スイッチング素子と、トランスを備えており、スイッチング素子を時分割的にオンオフさせることによりトランスに逆起電力を発生させ、トランスの2次コイルに流れる電流によって出力キャパシタを充電することにより、入力電圧を昇圧して出力する。
【0003】
トランスの1次コイルの一端には、入力電圧が印加され、その他端には、スイッチング素子が接続される。トランスの2次コイルの一端の電圧は固定され、その他端には、整流用のダイオードを介して、出力キャパシタが接続される。
【0004】
こうしたスイッチング電源では、スイッチング素子(スイッチングトランジスタ)がオンすると、トランスの1次側に電流が流れ、トランスにエネルギが蓄えられる。続いてスイッチングトランジスタがオフすると、トランスの2次側においてトランスに蓄えられたエネルギが、整流用ダイオードを介して充電電流として出力キャパシタに転送され、充電される。スイッチングトランジスタのオンオフを繰り返すことにより、出力キャパシタが充電されていき、出力電圧が上昇する。
【0005】
たとえば、特許文献1〜3参照には、トランスの1次側あるいは2次側の状態をモニタし、これらの状態に応じて、スイッチングトランジスタのオンオフを制御する自励式のキャパシタ充電装置の制御回路が開示されている。
【特許文献1】特開2003−79147号公報
【特許文献2】米国特許6518733号
【特許文献3】米国特許6636021号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
キャパシタ充電装置は、出力キャパシタに現れる出力電圧に応じて、回路動作を制御する場合がある。たとえば、負荷を駆動するために十分な出力電圧が生成されたかどうか、すなわち充電完了の検出は、出力電圧をモニタすることにより判定される。たとえば、上記特許文献1では、トランスの1次コイルの両端の電圧をモニタすることにより、出力電圧を間接的にモニタし、充電完了を検出する。
【0007】
しかしながら、トランスの1次コイルの両端の電圧と、出力電圧との相関は、トランスの巻き線比などに応じて変化してしまうため、正確な出力電圧の検出が困難という問題がある。その結果、負荷を駆動するために十分な駆動電圧が得られなかったり、あるいは必要な電圧を超えて過充電することにより、無駄な電力を消費するおそれがある。
【0008】
また、出力キャパシタに現れる出力電圧を、抵抗によって分圧し、直接モニタする場合、高耐圧の抵抗素子を用いる必要がある。高耐圧の抵抗素子は、LSI内部に内蔵することが難しく、チップ部品として設ける必要があるため、部品点数および実装面積の増大につながってしまう。さらに出力キャパシタに蓄えられた電荷が抵抗素子を介してグランドに放電されないように、逆向きにダイオードを設けなければならない場合もある。
【0009】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出力電圧を簡易な回路構成で正確に検出可能なキャパシタ充電装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様は、トランスおよびトランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより、出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御回路に関する。この制御回路は、トランスの2次コイルに設けられたタップと接続される電圧監視端子と、電圧監視端子に生ずる監視電圧を受け、当該監視電圧に応じてスイッチングトランジスタをスイッチング制御するスイッチング制御部と、監視電圧を監視し、所定時間継続して所定の条件を満たすとき、スイッチング制御部によるスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させる保護回路と、を備える。
【0011】
トランスの2次コイルにタップを設け、その電位をモニタすると、キャパシタに現れる出力電圧に応じた電圧を精度よく検出することができる。また、タップの位置を、2次コイルの接地側、すなわち、低電圧側に設けることにより、抵抗分圧する必要がないため、部品点数が増加することもない。つまり、この態様の制御回路によれば、出力電圧を正確にモニタし、スイッチング制御を好適に実施することができる。また、タップとスイッチング制御部との間の配線が切断したり(オープン)、タップが地絡または天絡(ショート)した場合には、出力電圧が制御不能となるが、保護回路を設けて電圧監視端子の電位をモニタすることにより、オープン、ショートを検出して、回路を保護できる。
【0012】
スイッチング制御部は、トランスの1次コイルに流れる電流が所定のピーク電流に達するまでの間、スイッチングトランジスタをオンし、その後、監視電圧に応じたオフ時間の間、スイッチングトランジスタをオフする動作を繰り返してもよい。保護回路は、オフ時間を監視し、当該オフ時間が所定の条件を満たすとき、スイッチング制御部によるスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させてもよい。
上述のように、タップ電圧に応じた監視電圧は出力電圧に応じた電圧となるため、出力キャパシタに現れる電圧を直接モニタする場合に比べて、精度的に劣ることなく、スイッチングトランジスタのオフ時間、すなわち出力キャパシタに充電電流を供給する時間を好適に制御することができる。さらに配線のオープン、ショートが発生すると、監視電圧が低下してオフ時間に変化が生ずる。したがってオフ時間を監視することにより、監視電圧の低下を間接的に判定でき、回路保護が実現できる。
【0013】
スイッチング制御部は、オフ時間を所定の最大オフ時間以下に制限する最大オフ時間設定回路を含んでもよい。保護回路は、オフ時間が連続して最大オフ時間に制限された回数をカウントし、カウント値が所定のしきい値を超えたとき、スイッチング制御部によるスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させてもよい。
最大オフ時間に設定される回数をカウントすることにより、配線のオープン、ショートを確実に検出できる。
【0014】
スイッチング制御部は、トランスの1次コイルに流れる1次電流を検出する1次電流検出回路と、1次電流検出回路によって検出された1次電流を、所定のピーク電流値と比較し、1次電流がピーク電流値を上回るとアサートされる比較信号を出力するコンパレータと、コンパレータから出力される比較信号がアサートされると時間計測を開始し、監視電圧に応じたオフ時間が経過するとアサートされる第1セット信号を生成する第1タイマと、コンパレータから出力される比較信号がアサートされると時間計測を開始し、所定の最大オフ時間が経過するとアサートされる第2セット信号を生成する第2タイマと、比較信号がアサートされるとスイッチングトランジスタをオフし、第1セット信号がアサートされるタイミングと第2セット信号がアサートされるタイミングのうち、早いタイミングでスイッチングトランジスタをオンするスイッチング制御部と、を含む。保護回路は、第2セット信号がアサートされるタイミングでスイッチングトランジスタがオンした回数をカウントするカウンタを含み、カウント値が所定値に達すると、スイッチング制御部によるスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させてもよい。
【0015】
スイッチング制御部は、監視電圧を所定のしきい値電圧と比較することにより、充電完了を検出する充電完了検出部を含んでもよい。スイッチング制御部は充電完了が検出されると、スイッチングトランジスタのオンオフを停止してもよい。
上述のように、タップ電圧に応じた監視電圧は、出力電圧と相関を有する電圧となるため、出力キャパシタに現れる電圧を直接モニタする場合に比べて、精度的に劣ることなく、満充電状態を検出し、スイッチングを停止することができる。
【0016】
本発明の別の態様もまた、制御回路に関する。この制御回路は、トランスの2次コイルに設けられたタップと接続される電圧監視端子と、電圧監視端子に生ずる監視電圧を受け、当該監視電圧に応じてスイッチングトランジスタをスイッチング制御するスイッチング制御部と、電圧監視端子のインピーダンスを監視し、異常を検出するとスイッチング制御部によるスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させる保護回路と、を備える。
【0017】
この態様の制御回路によれば、出力電圧を正確にモニタし、スイッチング制御を好適に実施することができる。また、タップとスイッチング制御部との間の配線が切断したり(オープン)、タップが地絡または天絡(ショート)した場合には、フィードバックが無効となって出力電圧が制御不能となるが、タップのインピーダンスを監視することにより回路異常を検出できる。
【0018】
スイッチング制御部は、トランスの1次コイルに流れる電流が所定のピーク電流に達するまでの間、スイッチングトランジスタをオンし、その後、監視電圧に応じたオフ時間の間、スイッチングトランジスタをオフする動作を繰り返してもよい。
スイッチング制御部は、監視電圧を所定のしきい値電圧と比較することにより、充電完了を検出する充電完了検出部を含んでもよい。スイッチング制御部は充電完了が検出されると、スイッチングトランジスタのオンオフを停止してもよい。
【0019】
制御回路は、1つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0020】
本発明のさらに別の態様は、キャパシタ充電装置に関する。このキャパシタ充電装置は、1次コイルおよび2次コイルを含み、1次コイルの一端に入力電圧が印加され、他端にスイッチングトランジスタが接続されたトランスと、一端が接地された出力キャパシタと、アノードがトランスの2次コイル側に接続され、カソードが出力キャパシタの他端側に接続されたダイオードと、スイッチングトランジスタのオンオフを制御する上述のいずれかの態様の制御回路と、を備える。
【0021】
本発明のさらに別の態様は発光装置に関する。発光装置は、上述のキャパシタ充電装置と、キャパシタ充電装置の出力キャパシタに現れる出力電圧により駆動される発光素子と、を備える。
【0022】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、上述の発光装置と、発光装置の発光状態を制御する制御部と、を備える。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、トランスおよびトランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御方法に関する。この方法は、以下のステップ1〜5を繰り返す。
ステップ1. トランスの1次コイルに流れる1次電流を検出する。
ステップ2. 検出された1次電流が、所定のピーク電流値に達するまでの間、スイッチングトランジスタをオンする。
ステップ3. トランスの2次コイルに設けられたタップの電圧に応じた監視電圧にもとづいてオフ時間を設定する。
ステップ4. オフ時間を所定の最大オフ時間以下に制限する。
ステップ5. 設定されたオフ時間の間、スイッチングトランジスタをオフする。
さらに、この方法は、監視電圧が所定時間継続して所定のしきい値を下回ると、スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止する保護ステップを実行する。
【0024】
保護ステップは、オフ時間が最大オフ時間に制限された回数をカウントし、カウント値が所定のしきい値を超えたとき、スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止してもよい。
【0025】
本発明のさらに別の態様もまた、キャパシタ充電装置の制御方法に関する。この制御方法は、上述のステップ1〜5を繰り返す。さらに、タップに接続されるべき端子のインピーダンスを監視し、異常を検出するとスイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止するステップを実行する。
【0026】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るキャパシタ充電装置およびその制御回路によれば、簡易な回路構成で出力電圧を正確に検出し、スイッチングトランジスタの制御に反映させることができ、タップと制御回路間の結線に異常が生じても、回路を保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0029】
本明細書において、「部材Aが部材Bに接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0030】
図1は、実施の形態に係る発光装置200を搭載した電子機器300の構成を示すブロック図である。電子機器300は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、あるいは撮像機能を備えた携帯電話端末であり、電池310、DSP(Digital Signal Processor)314、撮像部316、発光装置200を備える。
【0031】
電池310は、たとえばリチウムイオン電池であり、電池電圧Vbatとして3〜4V程度の電圧を出力する。DSP314は、電子機器300全体を統括的に制御するブロックであり撮像部316、発光装置200と接続されている。撮像部316は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSセンサなどの撮像装置である。発光装置200は、撮像部316による撮像の際に、フラッシュとして用いられる光源である。
【0032】
発光装置200は、キャパシタ充電装置210、発光素子212、トリガ回路214を備える。発光素子212としてはキセノンチューブなどが好適に用いられる。キャパシタ充電装置210は、その出力に設けられた出力キャパシタを充電することにより、電池310から供給される電池電圧Vbatを昇圧し、発光素子212に300V程度の駆動電圧を供給する。トリガ回路214は、発光装置200の発光のタイミングを制御する回路である。発光素子212は、撮像部316の撮像と同期して発光する。
【0033】
図2は、発光装置200の構成を示す回路図である。発光装置200は、キャパシタ充電装置210、発光素子212、IGBT214aを含む。図2に示す制御回路100、スイッチングトランジスタTr1、トランス10、整流用ダイオードD1、出力キャパシタC1は、図1のキャパシタ充電装置210に対応する。また、図1のトリガ回路214は、図2のIGBT214a、発光制御部214bに対応する。
【0034】
キャパシタ充電装置210は、出力キャパシタC1に充電電流を供給して、発光素子212の発光に必要な駆動電圧(以下、出力電圧Voutともいう)を生成する。キャパシタ充電装置210は、出力回路20と、制御回路100を含んで構成される。
【0035】
出力回路20は、トランス10、整流用ダイオードD1、出力キャパシタC1を含む。トランス10は、1次コイル12および2次コイル14を備える。1次コイル12の一端は、キャパシタ充電装置210の入力端子202となっており、図1の電池310から出力される電池電圧Vbatが印加される。1次コイル12の他端は、制御回路100のスイッチング端子102と接続される。
【0036】
トランス10の2次コイル14の一端は、接地されて電位が固定されており、その他端は、整流用ダイオードD1のアノードと接続される。出力キャパシタC1の一端は、接地されており、その他端は、整流用ダイオードD1のカソードと接続されている。出力キャパシタC1の端子は、本キャパシタ充電装置210の出力端子204とされ、出力キャパシタC1に充電された電圧が出力電圧Voutとして出力される。
【0037】
本実施の形態において、トランス10の2次コイル14にはタップ16が設けられている。タップ16の電圧(以下、監視電圧Vmoniという)は、配線18を介して制御回路100の電圧監視端子108に入力される。制御回路100は、監視電圧Vmoniを、発光装置200の出力電圧Voutとみなして、スイッチングトランジスタTr1のオンオフを制御する。電圧監視端子108および、タップ16までの配線18は、タップ16の電圧をモニタする電圧検出部として機能する。
【0038】
制御回路100は、スイッチングトランジスタTr1のオンオフをスイッチング制御することにより、トランス10にエネルギを蓄え、出力キャパシタC1に対する充電電流を生成して、電池電圧Vbatを昇圧するものである。以下、1次コイル12に流れる電流を1次電流Ic1、2次コイル14に流れる電流を2次電流Ic2という。
【0039】
制御回路100は、スイッチングトランジスタTr1に加えて、検出抵抗R1、コンパレータ32、オフ時間設定回路34、ドライバ回路36、保護回路38、発光制御部214b、充電完了検出回路50を備える。制御回路100は、1つの半導体基板上に機能ICとして一体集積化される。
【0040】
制御回路100は、スイッチングトランジスタTr1の制御端子に与える電圧あるいは電流を制御してオンオフを制御する。本実施の形態において、スイッチングトランジスタTr1はバイポーラトランジスタである。スイッチングトランジスタTr1のコレクタは、スイッチング端子102を介してトランス10の1次コイル12と接続される。ドライバ回路36は、スイッチングトランジスタTr1のベース電流Ibをスイッチング制御する。
【0041】
検出抵抗R1、コンパレータ32、オフ時間設定回路34、ドライバ回路36、充電完了検出回路50は、スイッチングトランジスタTr1のスイッチング動作を制御するスイッチング制御部40として機能する。このスイッチング制御部40は、監視電圧Vmoniを、キャパシタ充電装置210の出力電圧Voutとみなして、スイッチングトランジスタTr1のオンオフを制御する。具体的にスイッチング制御部40は、監視電圧Vmoniにもとづいて、
(1) スイッチングトランジスタTr1のオン、オフのデューティ比の調節
(2) 満充電時のスイッチングトランジスタTr1のスイッチング制御の停止
のいずれか一方、もしくは両方を行う。以下の説明では、両方を行うものとして説明するが、いずれか一方のみを行う回路も本発明の範囲に含まれる。
【0042】
検出抵抗R1は、トランス10の1次コイル12に流れる1次電流Ic1を検出する1次電流検出回路として機能する。検出抵抗R1は、1次電流Ic1が流れる1次コイル12およびスイッチングトランジスタTr1と同一経路上に設けられており、一端が接地され、他端が、スイッチングトランジスタTr1のエミッタに接続される。検出抵抗R1には、1次電流Ic1に比例した電圧降下Vdet=Ic1×R1が発生する。検出抵抗R1は、1次電流Ic1に応じた検出電圧Vdetを出力する。
【0043】
制御回路100の充電電流制御端子104には、外部から、出力キャパシタC1の充電電流を指示するための電流調節信号Vadjが入力される。コンパレータ32は、1次電流検出回路から出力される検出電圧Vdetを、電流調節信号Vadjと比較する。コンパレータ32は、検出電圧Vdetが、電流調節信号Vadjを上回ると、すなわち、1次電流Ic1が、電流調節信号Vadjに応じて定まる所定の電流値(以下、ピーク電流値Ipeakという)に達したことを検出すると、比較信号Scmpをハイレベルとする(アサート)。コンパレータ32から出力される比較信号Scmpは、オフ時間設定回路34に入力される。後述するように、電流調節信号Vadjは、充電電流のピーク値Ipeakを規定する信号である。ピーク電流値Ipeakと、電流調節信号Vadjの関係は、Ipeak=Vadj/R1で与えられる。
【0044】
オフ時間設定回路34は、比較信号Scmpがアサートされてから、あるオフ時間Toffをカウントし、このオフ時間Toffが経過するまでの間、第1レベル(たとえばローレベル)となる駆動信号Sdrvを生成する。
【0045】
ドライバ回路36は、駆動信号Sdrvが第1レベルの間、すなわち、オフ時間設定回路34によって、オフ時間Toffがカウントされる間、スイッチングトランジスタTr1へのベース電流の供給を停止し、スイッチングトランジスタTr1をオフする。オフ時間Toffが経過して、駆動信号Sdrvが第2レベル(たとえばハイレベル)に戻ると、ドライバ回路36はスイッチングトランジスタTr1にベース電流を供給して、再度、スイッチングトランジスタTr1をオンする。
【0046】
スイッチング制御部40は、1次電流Ic1が、所定のピーク電流値Ipeakに達するまでの間、スイッチングトランジスタTr1にオンを指示し、その後、あるオフ時間Toffの間、スイッチングトランジスタTr1にオフを指示するスイッチング信号Sswを、スイッチングトランジスタTr1のベースに出力する。
【0047】
なお、オフ時間Toffは、予め設定された時間であってもよいし、出力電圧Voutに応じて設定されてもよいし、あるいは、トランス10の1次側、あるいは2次側の状態に応じて設定される時間であってもよいし、あるいは後述するように、監視電圧Vmoniに応じて設定されてもよい。
【0048】
スイッチング制御部40のドライバ回路36には、充電電流を指示する電流調節信号Vadjが入力されている。ドライバ回路36は、電流調節信号Vadjに応じて、スイッチングトランジスタTr1のベースに出力するスイッチング信号を調節する。具体的には、スイッチング制御部40は、スイッチングトランジスタTr1のベースに対してスイッチング信号として出力するベース電流Ibの電流値を、電流調節信号Vadjに応じて調節する。
【0049】
充電完了検出回路50は、コンパレータであって、トランス10の2次コイル14に設けられたタップ16に現れる監視電圧Vmoniを、出力キャパシタC1に現れる出力電圧Voutとみなし、所定のしきい値電圧Vthと比較することにより、充電完了を検出する。しきい値電圧Vthは、発光素子212の発光に十分な電圧、たとえば300V程度に設定される。充電完了検出回路50は、充電完了を検出すると、充電完了を示すフラグFULLを立てる。充電完了検出回路50によって、充電完了が検出されると、スイッチング制御部40は、スイッチングトランジスタTr1のスイッチングを停止する。
【0050】
さらに、本実施の形態において、電圧監視端子108に入力された監視電圧Vmoniは、スイッチング制御部40のオフ時間設定回路34へと入力される。オフ時間設定回路34は、スイッチングトランジスタTr1をオフとするオフ時間Toffを、監視電圧Vmoniに応じて変化させる。
【0051】
たとえば、オフ時間設定回路34は、監視電圧Vmoniが大きいほど、すなわち出力電圧Voutが大きいほど、オフ時間Toffを短く設定してもよい。オフ時間設定回路34をキャパシタに対して充放電を行うCR時定数回路によって構成する場合には、充電あるいは放電電流を、監視電圧Vmoniに応じて変化させることによって、オフ時間Toffを調節することができる。
【0052】
スイッチング制御部40が監視電圧VmoniにもとづいてスイッチングトランジスタTr1を制御する場合、電圧監視端子108とタップ16を接続する配線18が切断したり(オープン)、地絡もしくは天絡する(ショート)と、監視電圧Vmoniと出力電圧Voutとの相関がなくなる。こうした回路異常が生じた状態で、監視電圧Vmoniにもとづいて満充電検出を行うと、出力電圧Voutがしきい値電圧Vthを超えているにも関わらず充電が停止されないという問題が生ずる。あるいは、監視電圧Vmoniにもとづいてオフ時間Toffを変化させる場合、オフ時間Toffが出力電圧Voutと無関係に設定されるため、出力キャパシタC1の充電時間に過不足が生じるという問題が生じる。
【0053】
そこで保護回路38a、38bは、監視電圧Vmoniが所定時間継続して所定のしきい値を下回ると、スイッチング制御部40によるスイッチングトランジスタTr1のスイッチング制御を停止させる。保護回路38aは、スイッチング制御を停止すべき期間、ローレベルとなる(アサートされる)停止信号STOPを生成する。ANDゲート38bは、停止信号STOPと駆動信号Sdrvの論理積をドライバ回路36に出力する。なお、スイッチングを停止するために、ANDゲート38bなどによる駆動信号Sdrvの論理値の固定ではなく、その他の手法を用いてもよい。また、スイッチングの停止に加えて、制御回路100のいくつかの回路ブロックをシャットダウンしてもよい。
【0054】
次に、保護回路38a、38bの具体的な構成例を説明する。
【0055】
(第1の構成例)
図3は、スイッチング制御部40および保護回路38の第1の構成例を示すブロック図である。
【0056】
オフ時間設定回路34は、第1タイマ60、第2タイマ62、ORゲート64、SRフリップフロップ66を含む。
【0057】
第1タイマ60は、監視電圧Vmoniに応じて設定されるオフ時間Toffを計時する。第1タイマ60は、コンパレータ32からの比較信号Scmpを受け、比較信号Scmpがアサートされてからオフ時間Toffの経過後にハイレベルとなる(アサート)第1セット信号S1を生成する。
【0058】
第2タイマ62、ORゲート64は、オフ時間Toffを所定の最大オフ時間Toff_max以下に制限する最大オフ時間設定回路として機能する。
第2タイマ62は、比較信号Scmpがアサートされると時間計測を開始し、所定の最大オフ時間Toff_maxが経過するとハイレベルとなる(アサート)第2セット信号S2を生成する。ORゲート64は、第1セット信号S1と第2セット信号S2の論理和を生成し、SRフリップフロップ66のセット端子に出力する。
【0059】
SRフリップフロップ66のリセット端子には、比較信号Scmpが入力される。SRフリップフロップ66の出力は駆動信号Sdrvとしてドライバ回路36へと出力される。
【0060】
つまりスイッチング制御部40は、比較信号ScmpがアサートされるとスイッチングトランジスタTr1をオフする。また第1セット信号S1がハイレベルに遷移する(アサートされる)タイミングと第2セット信号S2がハイレベルに遷移する(アサートされる)タイミングのうち、早いタイミングでスイッチングトランジスタTr1をオンする。
【0061】
保護回路38は、異常検出回路38a、ANDゲート38bを含む。異常検出回路38aはカウンタであり、オフ時間Toffが連続して最大オフ時間Toff_maxに制限された回数をカウントする。異常検出回路38aは、カウント値が所定のしきい値N(Nは整数)を超えるとローレベルとなる(アサートされる)停止信号STOPを生成する。つまり、N回連続してスイッチングトランジスタTr1が最大オフ時間Toff_maxに応じたデューティ比でオン、オフを繰り返すと、ANDゲート38bは、停止信号STOPと駆動信号Sdrvの論理積を生成し、ドライバ回路36に供給する。停止信号STOPがアサートされると、駆動信号Sdrvの論理値が固定され、スイッチング制御部40によるスイッチングトランジスタTr1のスイッチング制御が停止する。
【0062】
第2タイマ62はリセット端子を備えており、第1セット信号S1が入力されている。第2タイマ62は第1セット信号S1がハイレベルに遷移するとリセットされる。第1セット信号S1によってリセットされることなく、最大オフ時間Toff_maxが経過すると、第2セット信号S2がハイレベルに遷移する。したがって、オフ時間Toffが最大オフ時間Toff_maxに制限されるとき第2セット信号S2がハイレベルに遷移する。異常検出回路38aは、第2セット信号S2をカウントすることにより、オフ時間Toffが最大オフ時間Toff_maxに制限された回数をカウントする。
【0063】
図3のスイッチング制御部40および保護回路38によれば、オフ時間Toffの長さを監視することにより、間接的に監視電圧Vmoniがしきい値電圧より低いこと検出することができ、配線18のオープンまたはショート状態が発生すると、回路を好適に保護することができる。
【0064】
(第2の構成例)
第1の構成例では、オフ時間Toffを監視して回路保護を実行する場合を説明した。これに代えて第2の構成例では、監視電圧Vmoniをしきい値電圧と比較して配線18のオープン、ショート状態を検出する。この場合、保護回路38は、監視電圧Vmoniをしきい値電圧と比較するコンパレータと、コンパレータの出力信号に応じて所定時間を計測するタイマ回路とで構成される。
【0065】
配線18がオープン状態、もしくは地絡状態のとき、監視電圧Vmoniは接地電位まで低下するから、0V付近の低いしきい値電圧と比較することで回路異常が検出できる。また配線18が天絡すると、監視電圧Vmoniは電源電圧付近まで上昇するから、別のしきい値電圧と比較することで天絡状態も検出可能である。
【0066】
なお、第2の構成例ではしきい値電圧ごとにコンパレータが必要となるが、第1の構成例では、配線18のショートや短絡を検出するために監視電圧Vmoniをしきい値電圧と比較するコンパレータが不要となるため、回路を簡略化できるという利点がある。
【0067】
(第3の構成例)
保護回路38は、監視電圧Vmoniをモニタする代わりに、電圧監視端子108のインピーダンスをモニタしてもよい。配線18がタップ16と正常に接続されるとき、電圧監視端子108から配線18側を見たインピーダンスは、2次コイル14のタップ16と接地端子間のインピーダンスとなる。配線18がオープン、ショート状態となると、そのインピーダンスは変化する。保護回路38は、このインピーダンスの変化を検出してもよい。
【0068】
以上が保護回路38およびスイッチング制御部40の構成例である。
【0069】
図1に戻る。発光制御部214bは、発光制御信号Vcntを生成し、発光制御端子106に接続されるIGBT214aのベース電圧を制御する。出力キャパシタC1の充電が完了し、十分な駆動電圧Voutが生成された状態で、発光制御信号Vcntがハイレベルとなると、IGBT214aがオンし、発光素子212が発光する。
【0070】
以上のように構成された発光装置200の動作について説明する。図4は、実施の形態に係るキャパシタ充電装置210の動作を示すタイムチャートである。図4の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。時刻t0に、スイッチング信号Sswがハイレベルとなり、すなわち、スイッチングトランジスタTr1にベース電流Ibが供給されて、スイッチングトランジスタTr1がオンとなる。スイッチングトランジスタTr1がオンすることにより、トランス10の1次コイルに流れる1次電流Ic1が時間とともに徐々に上昇し、時刻t1にVdet>Vadjとなる。
【0071】
Vdet>Vadjとなると、コンパレータ32から出力される比較信号Scmpは、ローレベルからハイレベルに切り替わる。オフ時間設定回路34は、比較信号Scmpがハイレベルとなってからオフ時間Toffの間、駆動信号Sdrvを第1レベル(ローレベル)に設定する。ドライバ回路36は、駆動信号Sdrvがローレベルの期間、スイッチングトランジスタTr1へのベース電流Ibの供給を停止し、スイッチングトランジスタTr1をオフする。スイッチングトランジスタTr1がオフすると、トランス10の2次コイル14に流れる2次電流Ic2によって、出力キャパシタC1が充電される。
【0072】
時刻t1からオフ時間Toff経過後の時刻t2に、駆動信号Sdrvがハイレベルに切り替わる。ドライバ回路36は、駆動信号Sdrvがハイレベルとなると、スイッチングトランジスタTr1にベース電流Ibを供給する。制御回路100は、時刻t0〜t2の動作を1周期として、これを繰り返すことにより、出力キャパシタC1を充電し、出力電圧Voutを上昇させる。
【0073】
オフ時間設定回路34によって設定されるオフ時間Toffを、監視電圧Vmoniに依存させることにより、監視電圧Vmoniの上昇、すなわち、出力電圧Voutの上昇にともなって、オフ時間Toffは徐々に短くなる。その結果、充電開始直後の出力電圧Voutが低いときには、トランス10に蓄えられたエネルギを効率よく使用するとともに、出力電圧Voutが高くなるに従い、充電速度を高めることができ、効率と充電速度のバランスを図ることが可能となる。
【0074】
時刻t3に、監視電圧Vmoniが、しきい値電圧Vthに達すると、充電完了検出回路50によって、充電完了を示すフラグFULLが立てられ、発光素子212の発光が許可される。監視電圧Vmoniが所望の電圧値まで上昇すると、発光制御部214bは、図1の撮像部316による撮像と同期して発光制御信号Vcntをハイレベルに切り替える。その結果、IGBT214aがオンし、発光素子212であるキセノンランプがフラッシュとして発光する。
【0075】
本実施の形態に係るキャパシタ充電装置210によれば、トランス10の2次コイル14にタップを設け、その電位をモニタすることにより、出力キャパシタC1に現れる出力電圧Voutに応じた電圧を精度よく検出することができる。また、タップ16の位置を、2次コイル14の接地側、すなわち、低電圧側に設けることにより、抵抗分圧する必要がないため、部品点数が増加することもない。制御回路100は、出力電圧Voutに応じた監視電圧Vmoniに応じて、スイッチングトランジスタTr1を好適にスイッチング制御することができる。
【0076】
たとえば、実施の形態において、充電完了検出回路50は、充電状態の検出を、監視電圧Vmoniにもとづいて実行した。この場合、出力キャパシタC1に現れる出力電圧Voutを直接モニタする場合に比べて、精度的に劣ることなく、満充電状態を検出し、スイッチングを停止することができる。その結果、負荷の駆動に必要な電圧が得られなかったり、逆に出力キャパシタC1を過充電するといった問題を解決することができる。
【0077】
また、実施の形態では、オフ時間設定回路34におけるオフ時間Toffの設定も、監視電圧Vmoniにもとづいて実行した。その結果、出力電圧を、スイッチング動作に精度よく反映することができる。
【0078】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0079】
実施の形態では、スイッチングトランジスタTr1としてバイポーラトランジスタを用いる場合を説明したが、MOSFETを用いてもよい。また、実施の形態では、スイッチングトランジスタTr1のオン、オフのタイミングを、1次電流Ic1にもとづいて実行する場合を説明したが、制御方式はこれに限定されるものではなく、その他の制御方式を用いてもよい。
【0080】
実施の形態において、キャパシタ充電装置210は、発光素子212を駆動する場合を説明したが、これには限定されず、その他の高電圧を必要とするさまざまな負荷回路を駆動することができる。
【0081】
また、本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施の形態に係る発光装置を搭載した電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る発光装置の構成を示す回路図である。
【図3】スイッチング制御部および保護回路の第1の構成例を示すブロック図である。
【図4】図2のキャパシタ充電装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10…トランス、12…1次コイル、14…2次コイル、16…タップ、18…配線、Tr1…スイッチングトランジスタ、D1…整流用ダイオード、C1…出力キャパシタ、20…出力回路、R1…検出抵抗、32…コンパレータ、34…オフ時間設定回路、36…ドライバ回路、38…保護回路、40…スイッチング制御部、50…充電完了検出回路、60…第1タイマ、62…第2タイマ、64…ORゲート、66…SRフリップフロップ、100…制御回路、102…スイッチング端子、104…充電電流制御端子、106…発光制御端子、108…電圧監視端子、200…発光装置、210…キャパシタ充電装置、212…発光素子、214…トリガ回路、214a…IGBT、214b…発光制御部、300…電子機器、310…電池、314…DSP、316…撮像部、Ic1…1次電流、Ic2…2次電流、Vadj…電流指示信号、Scmp…比較信号、Sdrv…駆動信号、Ssw…スイッチング信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスおよび前記トランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、前記トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより、前記出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御回路であって、
前記トランスの2次コイルに設けられたタップと接続される電圧監視端子と、
前記電圧監視端子に生ずる監視電圧を受け、当該監視電圧に応じて前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御するスイッチング制御部と、
前記監視電圧を監視し、当該監視電圧が所定時間継続して所定の条件を満たすとき、前記スイッチング制御部による前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させる保護回路と、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記スイッチング制御部は、前記トランスの1次コイルに流れる電流が所定のピーク電流に達するまでの間、前記スイッチングトランジスタをオンし、その後、前記監視電圧に応じたオフ時間の間、前記スイッチングトランジスタをオフする動作を繰り返し、
前記保護回路は、前記オフ時間を監視し、当該オフ時間が所定の条件を満たすとき、前記スイッチング制御部による前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記スイッチング制御部は、前記オフ時間を所定の最大オフ時間以下に制限する最大オフ時間設定回路を含み、
前記保護回路は、前記オフ時間が連続して前記最大オフ時間に制限された回数をカウントし、カウント値が所定のしきい値を超えたとき、前記スイッチング制御部による前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させることを特徴とする請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記スイッチング制御部は、
前記トランスの1次コイルに流れる1次電流を検出する1次電流検出回路と、
前記1次電流検出回路によって検出された1次電流を、所定のピーク電流値と比較し、前記1次電流が前記ピーク電流値を上回るとアサートされる比較信号を出力するコンパレータと、
前記コンパレータから出力される比較信号がアサートされると時間計測を開始し、前記監視電圧に応じたオフ時間が経過するとアサートされる第1セット信号を生成する第1タイマと、
前記コンパレータから出力される比較信号がアサートされると時間計測を開始し、所定の最大オフ時間が経過するとアサートされる第2セット信号を生成する第2タイマと、
前記比較信号がアサートされると前記スイッチングトランジスタをオフし、前記第1セット信号がアサートされるタイミングと前記第2セット信号がアサートされるタイミングのうち、早いタイミングで前記スイッチングトランジスタをオンするスイッチング制御部と、
を含み、
前記保護回路は、前記第2セット信号がアサートされるタイミングで前記スイッチングトランジスタがオンした回数をカウントするカウンタを含み、カウント値が所定値に達すると、前記スイッチング制御部による前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項5】
前記スイッチング制御部は、前記監視電圧を所定のしきい値電圧と比較することにより、充電完了を検出する充電完了検出部を含み、前記スイッチング制御部は充電完了が検出されると、前記スイッチングトランジスタのオンオフを停止することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項6】
トランスおよび前記トランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、前記トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより、前記出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御回路であって、
前記トランスの2次コイルに設けられたタップと接続される電圧監視端子と、
前記電圧監視端子に生ずる監視電圧を受け、当該監視電圧に応じて前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御するスイッチング制御部と、
前記電圧監視端子のインピーダンスを監視し、異常を検出すると前記スイッチング制御部による前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止させる保護回路と、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項7】
前記スイッチング制御部は、前記トランスの1次コイルに流れる電流が所定のピーク電流に達するまでの間、前記スイッチングトランジスタをオンし、その後、前記監視電圧に応じたオフ時間の間、前記スイッチングトランジスタをオフする動作を繰り返すことを特徴とする請求項6に記載の制御回路。
【請求項8】
前記スイッチング制御部は、前記監視電圧を所定のしきい値電圧と比較することにより、充電完了を検出する充電完了検出部を含み、前記スイッチング制御部は充電完了が検出されると、前記スイッチングトランジスタのオンオフを停止することを特徴とする請求項6に記載の制御回路。
【請求項9】
1つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の制御回路。
【請求項10】
1次コイルおよび2次コイルを含み、1次コイルの一端に入力電圧が印加され、他端にスイッチングトランジスタが接続されたトランスと、
一端が接地された出力キャパシタと、
アノードが前記トランスの2次コイル側に接続され、カソードが前記出力キャパシタの他端側に接続されたダイオードと、
前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御する請求項1から8のいずれかに記載の制御回路と、
を備えることを特徴とするキャパシタ充電装置。
【請求項11】
請求項10に記載のキャパシタ充電装置と、
前記キャパシタ充電装置の出力キャパシタに現れる出力電圧により駆動される発光素子と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項11に記載の発光装置と、
前記発光装置の発光状態を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
トランスおよび前記トランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、前記トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより前記出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御方法であって、
繰り返し実行される、
前記トランスの1次コイルに流れる1次電流を検出するステップと、
検出された前記1次電流が、所定のピーク電流値に達するまでの間、前記スイッチングトランジスタをオンするステップと、
前記トランスの2次コイルに設けられたタップの電圧に応じた監視電圧にもとづいてオフ時間を設定するステップと、
前記オフ時間を所定の最大オフ時間以下に制限するステップと、
設定された前記オフ時間の間、前記スイッチングトランジスタをオフするステップと、
を備え、さらに、
前記監視電圧が所定時間継続して所定のしきい値を下回ると、前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止する保護ステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記保護ステップは、
前記オフ時間が連続して前記最大オフ時間に制限された回数をカウントし、カウント値が所定のしきい値を超えたとき、前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
トランスおよび前記トランスの2次コイルに流れる電流によって充電される出力キャパシタを含み、前記トランスの1次コイルの経路上に設けられたスイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより前記出力キャパシタを充電するキャパシタ充電装置の制御方法であって、
繰り返し実行される、
前記トランスの1次コイルに流れる1次電流を検出するステップと、
検出された前記1次電流が、所定のピーク電流値に達するまでの間、前記スイッチングトランジスタをオンするステップと、
前記トランスの2次コイルに設けられたタップの電圧に応じたオフ時間を設定するステップと、
前記オフ時間を所定の最大オフ時間以下に制限するステップと、
設定された前記オフ時間の間、前記スイッチングトランジスタをオフするステップと、
を備え、さらに、
前記タップに接続されるべき端子のインピーダンスを監視し、異常を検出すると前記スイッチングトランジスタのスイッチング制御を停止するステップと、
を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−284680(P2009−284680A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134829(P2008−134829)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】