説明

キャビネットの架台連結構造

【課題】 キャビネットの設置面積を拡張するにあたり、基本架台に増設架台を簡単に連結でき、後付けも容易な架台連結構造を提供する。
【解決手段】 基本架台2の上枠22の側面に横長の連結孔23を形成する。増設架台3の上枠32の側面に連結片33を突設する。連結片33を連結孔23と同じ高さで水平に突設し、連結片33の先端部を下方へ鈍角に折り曲げる。連結片33を連結孔23に挿入し、増設架台3を基本架台2に連結し、連結片33の先端部を連結孔23に引っ掛けて、連結状態を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットの設置面積を拡張するために、基本架台に増設架台を連結する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器収納用のキャビネットが設置される4本脚の基本架台に2本脚の増設架台を連結し、少数のアンカー固定数でキャビネットの設置面積を拡張する技術が知られている。例えば、特許文献1には、図6に示すように、増設架台52の上面から横に張り出す鍔板53を基本架台51の上面に被せ、鍔板53の先端に直角に折り曲げた掛止部54を基本架台51の上枠55に引っ掛け、増設架台52を基本架台51に連結する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4442874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の架台連結構造によると、増設架台52の鍔板53を基本架台51の上面に被せているため、連結に際して重量物である増設架台52を高く持ち上げる必要があった。また、掛止部54を上枠55に引っ掛けているので、キャビネットが基本架台51の上に既に設置されている場合には、そのキャビネットを移動するか降ろすかしないと、増設架台52を後付けすることができないという不都合もあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、基本架台に増設架台を簡単に連結でき、後付けも容易な架台連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の架台連結構造は、キャビネットの設置面積を拡張するために、基本架台に増設架台を連結する構造において、基本架台の側面に連結孔を形成し、増設架台の側面に連結孔に挿入される連結片を突設し、連結片の先端部を下方へ鈍角に折り曲げたことを特徴とする。
【0007】
ここで、好ましくは、連結片が連結孔と同じ高さで水平に突設され、連結片の先端縁が連結孔よりも下側に位置するように折り曲げられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の架台連結構造によれば、連結孔および連結片を両方の架台の側面に設けたので、増設架台を少し持ち上げるだけで基本架台に楽に連結できるとともに、基本架台にキャビネットを設置したままの状態でも、増設架台を横方向から容易に後付けすることができる。また、連結片の先端部を鈍角に折り曲げたので、連結状態で先端部を連結孔に引っ掛け、連結片を基本架台に抜け止めすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を示す架台ユニットの斜視図である。
【図2】架台連結構造を示す図1のA部拡大図である。
【図3】同じく架台連結構造を示す図1のB部拡大図である。
【図4】増設架台を基本架台に連結する手順を示す側面図である。
【図5】増設架台の連結片を基本架台の連結孔に挿入した状態を示す側面図である。
【図6】従来の架台連結構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に例示する架台ユニット1は、一つの基本架台2と二つの増設架台3とを備えている。基本架台2には、4本の脚柱21と四角形の上枠22とが設けられている。増設架台3には、2本の脚柱31と四角形の上枠32とが設けられている。そして、基本架台2に必要数の増設架台3を連結し、各架台2,3の脚柱21,31をアンカーボルトで床面に固定し、電気機器収納用キャビネット(図示略)の設置面積を所要の広さに拡張できるようになっている。
【0011】
基本架台2の上枠22には、両方の側面に横長の2つの連結孔23が形成されている。増設架台3の上枠32には、一方の側面に2つの連結片33とリブ34とが突設され、他方の側面に2つの連結孔35が形成されている。図2に示すように、連結片33は、連結孔23と同じ高さで水平に突設され、先端部33aが下方へ鈍角に折り曲げられている。そして、図3に示すように、連結片33は連結孔23に挿入され、挿入状態で連結片33の先端縁33b(図5参照)が連結孔23よりも下側に位置するようになっている。
【0012】
上記構成の架台連結構造によれば、連結孔23と連結片33を両方の架台2,3の側面に設けたので、図4に示すように、連結片33側を少し持ち上げるだけで、増設架台3を基本架台2に楽に連結でき、キャビネット設置作業の省力化を図ることができる。また、キャビネットを基本架台2の上に載せたままの状態でも、連結片33を横方向から連結孔23に挿入し、増設架台3を容易に後付けすることもできる。しかも、連結片33の先端部33aが下方に折れ曲がっているので、図5に示すように、先端部33aを連結孔23に引っ掛け、増設架台3の自重で連結片33を基本架台2に確実に抜け止めすることができ、キャビネットの設置作業を容易に行うことができる。
【0013】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、連結孔23および連結片33の個数を増やしたり、これらを架台2,3の四方の側面に設けたりするなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0014】
1 架台ユニット
2 基本架台
3 増設架台
23 連結孔
33 連結片
33a 先端部
33b 先端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットの設置面積を拡張するために、基本架台に増設架台を連結する構造において、基本架台の側面に連結孔を形成し、増設架台の側面に連結穴に挿入される連結片を突設し、連結片の先端部を下方へ鈍角に折り曲げたことを特徴とする架台連結構造。
【請求項2】
前記連結片を連結孔と同じ高さで水平に突設し、連結片の先端縁を連結孔よりも下側に位置するように折り曲げた請求項1記載の架台連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−235047(P2012−235047A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104254(P2011−104254)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】