説明

キーボードアセンブリ及びこれを用いた電子装置

【課題】構造が簡単で防水機能を具備するキーボードアセンブリ及びこれを用いた電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る防水キーボードアセンブリは、電子装置のハウジングに装着され、押しボタン及び前記押しボタンに密封するように当止されている弾性部品を備える。前記押しボタンは押圧部及び前記押圧部の片側から延在する脱落防止部を含み、前記弾性部品はラッパ型に形成される弾性周壁を含む。前記弾性周壁の一端は前記押圧部に互いに密封するように当止し、前記弾性周壁の他端は前記電子装置のハウジングに当止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水機能を備えるキーボードアセンブリに関し、特に電子装置に用いられる防水機能を備えるキーボードアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子装置においては、キーボードアセンブリと電子装置のハウジングとの間に、通常隙間が存在するため、水や塵などが電子装置の内部に入って、回路基板などの部品に損害が発生する問題がよく起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
今まで、防水機構を具備するキーボードアセンブリが設計されたが、これらのキーボードアセンブリは、脱落防止フックの外周に弾性壁を設けて、前記弾性壁を前記キーボードアセンブリの本体部と移動部との間に挟持して活動空間を形成し、且つ前記弾性壁は前記キーボードアセンブリの本体部及び移動部にそれぞれ密封して、防水機能を実現する。しかし、前記脱落防止フックの構造が余りにも複雑であるので、製造及びメンテナンスは不便になる。
【0004】
そこで、本発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、構造が簡単であり、且つ防水機能を具備するキーボードアセンブリ及びこれを用いた電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明に係る防水キーボードアセンブリは、電子装置のハウジングに装着され、押しボタン及び前記押しボタンに密封するように当止されている弾性部品を備える。前記押しボタンは押圧部及び前記押圧部の片側から延在する脱落防止部を含み、前記弾性部品はラッパ型に形成される弾性周壁を含む。前記弾性周壁の一端は前記押圧部に互いに密封するように当止し、前記弾性周壁の他端は前記電子装置のハウジングに当止する。
【0006】
本発明に係る電子装置は、ハウジングと、押しボタンと、前記ハウジング及び前記押しボタンの間に密封するように当止されている弾性部品と、を備えてなる。前記押しボタンは押圧部及び前記押圧部の片側から延在する脱落防止部を含み、前記弾性部品はラッパ型に形成される弾性周壁を含む。前記脱落防止部は、前記弾性周壁を貫いて前記ハウジングに係止されて、前記弾性周壁を前記ハウジングと前記押圧部との間に密封するように挟持する。
【発明の効果】
【0007】
従来の技術に比べて、本発明に係る防水キーボードアセンブリは、脱落防止部が設けられた押しボタン及び弾性周壁を有する弾性部品を備える。前記押しボタンの脱落防止部は前記弾性部品を貫いて電子装置のハウジングに係止されて、前記弾性部品を前記ハウジングと前記押しボタンとの間に密封するように挟持するので、前記防水キーボードアセンブリ及び前記電子装置は防水機能を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態に係る防水キーボードアセンブリを備える電子装置の局部的な立体分解図である。
【図2】図1に示した電子装置を別の視角から見た立体分解図である。
【図3】図1に示した電子装置の組立図である。
【図4】図3に示した電子装置のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る防水キーボードアセンブリを備える電子装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る防水キーボードアセンブリは、携帯電話、個人用携帯情報端末(PDA)などの電子装置に用いられ、前記電子装置の側面に設けられるショートカットキー又は電子装置の主面に設けられるファンクション・キーエリアであることができる。以下の実施形態では、ショートカットキーを例として説明する。
【0010】
図1に示したように、本発明の電子装置100は、ハウジング10及び前記ハウジング10の側面に設けられる防水キーボードアセンブリ20を備える。前記防水キーボードアセンブリ20は、1つの押しボタン22及び前記ハウジング10と前記押しボタン22との間に装着される2つの弾性部品24を含む。
【0011】
前記ハウジング10の側面には、略矩形であり且つ細長い取付凹所12が設けられている。前記取付凹所12は、底壁122及び周壁124により囲まれて形成される。前記底壁122の両端には、前記ハウジング10を貫く1つの係合用穴1222がそれぞれに設けられている。各係合用穴1222の他方の係合用穴1222から離れる片側には、1つの開口1224がそれぞれに設けられている。
【0012】
図2を参照すると、前記押しボタン22は押圧部222を備え、前記押圧部222は略長方形の板状体であり、指当て面2222、前記指当て面2222に対向し前記弾性部品24に当止する当接面2224、対向する2つの側面2226及び対向する2つの端面2228を含む。前記当接面2224には、2つの脱落防止部224及び2つのコンタクト部226が凸設されている。本実施形態において、前記脱落防止部224は、前記弾性部品24及び前記ハウジング10を貫く連接部2242及び前記連接部2242の端部から折り曲げられるフック部2244を含む。前記押しボタン22が押圧されると、前記コンタクト部226は前記弾性部品24を突き上げて前記電子装置100を触発する。
【0013】
前記弾性部品24は略キャップ状の物であり、平らな天井板242及び前記天井板242の周縁から折り曲げられて形成する弾性側壁244を含む。前記天井板242には、開口2422が設けられており、前記開口2422に近い前記天井板242から前記ハウジング10に向かって中空の触発部2424が突出される。本実施形態において、前記弾性側壁244の断面サイズが前記天井板242から前記ハウジング10に向って徐々に大きくなって、ラッパ型を呈する。
【0014】
以下、図1乃至図4を参照しながら、本発明の電子装置100の組立ステップについて詳細に説明する。
【0015】
まず、前記2つの弾性部品24を前記ハウジング10の取付凹所12内に置いて、前記弾性側壁244が前記取付凹所12の底壁122に当止されるまで、前記2つの弾性部品24の2つの触発部2424をそれぞれ前記ハウジング10の2つの開口1224内に挿入する。続いて、前記弾性部品24の位置を少々アライメントして、前記弾性部品24の開口2422と前記ハウジング10の係合用穴1222との位置を合せてから、前記ハウジング10に向って前記押しボタン22を押圧して、前記脱落防止部224を前記弾性部品24の開口2422及び前記ハウジング10の係合用穴1222に順次に貫かせると共に、前記コンタクト部226を前記弾性部品24の触発部2424内に装入する。
【0016】
前記脱落防止部224が前記ハウジング10の係合用穴1222を貫く過程において、前記ハウジング10は前記脱落防止部224のフック部2244を押し退けて、前記連接部2242を湾曲させてそれに弾性力を蓄積させる。前記押しボタン22の押圧部222は前記弾性部品24の天井板242を押圧して、前記弾性部品24の弾性側壁244を前記ハウジング10の取付凹所12の底壁122に弾性的に当止させる。前記フック部2244が前記係合用穴1222を貫いた後、前記連接部2242は弾性力を解放して伸展しながら前記フック部2244を駆動して、前記フック部2244を前記ハウジング10に緊密に係止させる。これで、前記電子装置100の組立てを完成する。この際、前記押しボタン22の当接面2224、前記弾性部品24の弾性側壁244及び前記取付凹所12の底壁122は、共同で取り囲んで密封された空間を形成する。
【0017】
前記電子装置100の内部には、前記触発部2424に対応する複数の接点(図示せず)が設けられているので、前記防水キーボードアセンブリ20を使用する場合、前記押しボタン22の一方側の端面2228に近い指当て面2222(即ち、図3に示されている三角形記号の辺り)を押圧すると、前記三角形記号エリアの背面に設けられた前記コンタクト部226は前記弾性部品24の触発部2424を突き上げて、前記触発部2424が前記電子装置100の内部接点に接触して1つの機能(例えば音量を低く調節すること)を実現する。同じく、前記押しボタン22の他方側の端面2228に近い指当て面2222を押圧すると、前記弾性部品24の他の1つの触発部2424が突き上げられて、前記電子装置100の内部接点を接触して他の機能(例えば音量を高く調節すること)を実現する。
【0018】
図5に示したように、前記電子装置100に防水機能を持たせるために、前記ハウジング10上に密封された空間を形成しなければならなく、前記密封された空間は前記押しボタン22の当接面2224、前記弾性部品24の弾性側壁244及び前記取付凹所12の底壁122のみによって構成できるので、前記弾性部品24の天井板242を省略してもよい。この場合、本発明の防水キーボードアセンブリ20の触発機能を実現するために、前記弾性部品24の触発部2424に代えて、前記押しボタン22の背面のコンタクト部226の長さを長くする。
【0019】
本発明によれば、前記電子装置100の弾性部品24の天井板242はずっと前記押しボタン22の当接面2224に当止すると共に、前記弾性側壁244もずっと前記ハウジング10の取付凹所12の底壁122に弾性的に当止するので、前記ハウジング10上の係合用穴1222及び開口1224は前記弾性部品24に密封されて、水や塵などが前記ハウジング10の中に入ることが効果的に防止される。
【0020】
また、携帯電話上のファンクションキーのように、前記押しボタン22の背面に複数のコンタクト部226を設けてもよい。即ち、本発明に係る防水キーボードアセンブリ20は既存のキーボードアセンブリより、構造が簡単で製造し易いという利点がある。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0022】
10 ハウジング
12 取付凹所
20 防水キーボードアセンブリ
22 押しボタン
24 弾性部品
100 電子装置
122 底壁
124 周壁
222 押圧部
224 脱落防止部
242 天井板
244 弾性側壁
1222 係合用穴
1224 開口
2222 指当て面
2226 側面
2228 端面
2242 連接部
2244 フック部
2422 開口
2424 触発部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置のハウジングに装着される防水キーボードアセンブリであって、前記防水キーボードアセンブリは、押しボタン及び前記押しボタンに密封するように当止されている弾性部品を備え、
前記押しボタンは押圧部及び前記押圧部の片側から延在する脱落防止部を含み、前記弾性部品はラッパ型に形成される弾性周壁を含み、
前記弾性周壁の一端は前記押圧部に互いに密封するように当止し、前記弾性周壁の他端は前記電子装置のハウジングに当止することを特徴とするキーボードアセンブリ。
【請求項2】
前記弾性周壁の前記押圧部に近い一端には、前記押圧部に緊密に当接する天井板が設けられ、
前記天井板には、前記脱落防止部を通過させるための開口及び前記押圧部から離れるように突出する中空の触発部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項3】
前記押圧部の背面には、前記脱落防止部に隣接してコンタクト部が設けられており、前記コンタクト部は前記触発部内に装入され、
前記押しボタンが押圧されると、前記コンタクト部は前記触発部を突き上げて、前記触発部が前記電子装置の内部接点に接触することを特徴とする請求項2に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項4】
ハウジングと、押しボタンと、前記ハウジングと前記押しボタンとの間に密封するように当止されている弾性部品と、を備えてなる電子装置であって、
前記押しボタンは押圧部及び前記押圧部の片側から延在する脱落防止部を含み、前記弾性部品はラッパ型に形成される弾性周壁を含み、
前記脱落防止部は前記ハウジングに係止され、前記弾性周壁の一端は前記押圧部に互いに密封するように当止し、前記弾性周壁の他端は前記電子装置のハウジングに当止することを特徴とする電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−222492(P2011−222492A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46321(P2011−46321)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(505177003)深▲セン▼富泰宏精密工業有限公司 (138)
【出願人】(508155310)富士康(香港)有限公司 (185)
【Fターム(参考)】