説明

キーレスエントリー制御装置、及び、キーレスエントリーシステム

【課題】利便性を向上する。
【解決手段】車両機能制限ECU13は、機械式キー3に格納された第1識別情報と同一の識別情報を予め格納する識別情報記憶部136と、予め設定された所定周期で、機械式キー3に格納された識別情報を取得する情報取得部134と、情報取得部134によって識別情報が取得されたか否かを判定する取得判定部135と、取得判定部135によって識別情報が取得されたと判定された場合に、情報取得部134によって取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する一致判定部137と、取得判定部135及び一致判定部137の判定結果に基づいて、車両機能を制限する制限実行部139と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、機械式キーの有する記憶部に格納された第1識別情報を取得可能に構成されると共に、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置に関する。また、本発明は、例えば、識別情報が格納された記憶部を有する機械式キーと、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置と、を備えるキーレスエントリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キーレスエントリーシステムが実用化されている。キーレスエントリーシステムでは、電子キーが従来の機械式キーの役割を果たす。例えば、カード状の電子キーをポケット、バッグ等に入れて携帯していれば、キーを取り出して操作しなくても、ドアのアンロック、エンジン始動等の操作を行うことができる。このような機能を実現するため、電子キーには、車載側からのリクエスト信号に応じてID信号を発信する送信手段が組み込まれている。また、車両側には、電子キーから受信したID信号の認証が成立した場合に、ドアのアンロック等の操作を許可する制御ユニットが搭載されている。
【0003】
このようなキーレスエントリーシステムにおいて、更に利便性を向上するべく種々の方法、装置等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のキーレスエントリーシステムは、リクエスト信号を無線送信する車載送信手段と、リクエスト信号を受信した場合に、ID信号を無線送信する携帯ユニット(電子キーに相当する)と、携帯ユニットに着脱自在に装着される、車両操作用の機械式キー、ID信号を受信する車載受信手段と、車載受信手段が受信したID信号の認証が成立した場合に、機械式キーを用いない車両操作を許可する車載制御ユニットと、を備える。
【0004】
また、携帯ユニットは、ID信号と共に、機械式キーの着脱状態を示す状態信号を送信し、車載制御ユニットは、車載受信手段の受信した状態信号が機械式キーの分離状態を示すものである場合、機械式キーを用いない車両操作の内、特定の操作を制限するバレットモードの制御を行う。ここで、バレットモードとは、車両に対する特定の操作が選択的に制限された状態をいい、例えば、エンジンを始動することはできるが、収納コンパートメントを開けることはできないようにされた状態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-225973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のキーレスエントリーシステムでは、携帯ユニットの電池を交換する必要があるため、防水構造にすることが困難であり、海水浴等において、携帯ユニットを携帯することが困難な場合がある。そこで、利便性が充分ではない場合がある。すなわち、上述のような場合に、携帯ユニットを濡らさないように留意して携帯する必要がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、利便性を向上することの可能なキーレスエントリー制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、機械式キーの有する記憶部に格納された第1識別情報を取得可能に構成されると共に、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置であって、前記第1識別情報を予め格納する識別情報記憶手段と、予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定する取得判定手段と、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段と、前記取得判定手段及び前記一致判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する制限実行手段と、を備える。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、電子キーと通信可能に接続され、該電子キーからの操作を受け付ける操作受付手段を備え、前記制限実行手段が、前記操作受付手段によって操作が受け付けられ、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、前記操作受付手段によって受け付けられた操作に対応する車両機能の実行を許可する。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明において、前記電子キーが、前記機械式キーを着脱自在に構成され、前記情報取得手段が、前記機械式キーが前記電子キーに装着されている場合には、前記電子キーを介して前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を取得する。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記機械式キーが前記電子キーに装着されているか否かを判定する着脱判定手段を備え、前記着脱判定手段が、前記情報取得手段によって前記電子キーを介して取得された識別情報が、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に、前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定する。
【0012】
第5の発明は、上記第4の発明において、前記情報取得手段が、前記着脱判定手段によって前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作を停止する。
【0013】
第6の発明は、上記第4の発明において、前記情報取得手段が、前記着脱判定手段によって前記機械式キーが前記電子キーから取り外されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作を開始する。
【0014】
第7の発明は、上記第1の発明において、該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第1検出手段によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックを許可する。
【0015】
第8の発明は、上記第1の発明において、エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する。
【0016】
第9の発明は、上記第1の発明において、エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定されていない場合に、前記情報取得手段を介して前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得させ、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記一致判定手段を介して、前記情報取得手段によって取得された識別情報が前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定させ、一致すると判定された場合には、エンジンの始動を許可する。
【0017】
第10の発明は、上記第1の発明において、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が格納された機械式キーが、該車両の内部に存在するか否かを判定する位置判定手段を備え、前記制限実行手段が、前記取得判定手段、前記一致判定手段及び前記位置判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する。
【0018】
第11の発明は、上記第10の発明において、該車両の外部からドアをロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第1検出手段によってドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記取得判定手段、前記一致判定手段及び前記位置判定手段の判定結果に基づいて、ドアのロックの実行を制限する。
【0019】
第12の発明は、上記第10の発明において、前記制限実行手段が、前記第1検出手段によってドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定され、且つ、前記位置判定手段によって内部に存在しないと判定された場合に限って、ドアのロックの実行を許可する。
【0020】
第13の発明は、上記第10の発明において、エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記制限実行手段が、前記一致判定手段によって一致すると判定され、且つ、前記位置判定手段によって内部に存在すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する。
【0021】
第14の発明は、上記第2の発明において、前記電子キーは、前記第1識別情報とは相違する第2識別情報を予め格納しており、前記識別情報記憶手段が、前記第2識別情報を予め格納しており、前記情報取得手段が、前記電子キーから識別情報を取得し、前記取得判定手段が、前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定し、前記一致判定手段が、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第2識別情報と一致するか否かを判定し、前記制限実行手段が、前記取得判定手段及び前記一致判定手段による判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する。
【0022】
第15の発明は、上記第14の発明において、前記制限実行手段が、前記操作受付手段によって操作が受け付けられたときに、前記一致判定手段によって前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、前記操作受付手段によって受け付けられた操作に対応する車両機能の実行を許可する。
【0023】
第16の発明は、上記第14の発明において、該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第1検出手段によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックを許可する。
【0024】
第17の発明は、上記第14の発明において、エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、前記制限実行手段が、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記一致判定手段によって、前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する。
【0025】
第18の発明は、機械式キーと、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置と、を備えるキーレスエントリーシステムであって、前記機械式キーが、第1識別情報が格納された記憶部を備え、前記キーレスエントリー制御装置が、前記第1識別情報を予め格納する識別情報記憶手段と、予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定する取得判定手段と、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段と、前記取得判定手段及び前記一致判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する制限実行手段と、を備える。
【0026】
第19の発明は、上記第18の発明において、前記機械式キーが、前記記憶部を有するRFID(Radio Frequency IDentification)を備え、前記情報取得手段が、前記RFIDと通信可能に構成されている。
【0027】
第20の発明は、上記第19の発明において、前記RFIDが、樹脂によってモールドされて前記機械式キーに搭載されている。
【0028】
第21の発明は、上記第18の発明において、前記機械式キーを着脱可能に構成された電子キーを備え、前記キーレスエントリー制御装置が、前記電子キーからの操作を受け付ける操作受付手段を備える。
【0029】
第22の発明は、上記第21の発明において、前記電子キーが、前記機械式キーと通信可能に構成されると共に、外部からの操作を受け付ける操作手段を備え、前記操作手段によって操作が受け付けられたときに、前記機械式キーから識別情報が取得された場合に限って、受け付けられた操作に対応する信号を前記キーレスエントリー制御装置に対して送信する。
【発明の効果】
【0030】
上記第1の発明によれば、機械式キーの有する記憶部に格納された第1識別情報と同一の識別情報が識別情報記憶手段に予め格納されている。そして、予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報が取得される。また、前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得されたか否かが判定される。更に、識別情報が取得されたと判定された場合に、取得された第1識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かが判定される。加えて、取得されたか否か、及び、一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限される。従って、利便性を向上することが可能となる。
【0031】
すなわち、機械式キーの有する記憶部に格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致する場合には、該機械式キーは、正当な機械式キーであると判定することができる。そこで、両者が一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限されるため、車両の盗難を効果的に予防する等の利便性を向上することが可能となるのである。
【0032】
上記第2の発明によれば、電子キーと通信可能に接続され、該電子キーからの操作が受け付けられる。また、操作が受け付けられ、機械式キーの有する記憶部に格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定された場合に限って、受け付けられた操作に対応する車両機能の実行が許可される。従って、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0033】
すなわち、例えば、海水浴等において車両内に放置された電子キーが盗難された場合であっても、このような場合には、前記機械式キーの有する記憶部に格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致しないと判定される。そこで、該電子キーからの操作に対応する車両機能(例えば、エンジンの始動)の実行が禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【0034】
上記第3の発明によれば、前記電子キーが、前記機械式キーを着脱自在に構成されており、前記機械式キーが前記電子キーに装着されている場合には、前記電子キーを介して前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報が取得される。従って、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を確実に取得することができる。
【0035】
すなわち、例えば、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報は、RFIDを介して通信されるため、前記電子キーと比較して、通信距離を大きくすることが困難である。そこで、前記電子キーを介して前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報が取得されるため、通信距離を大きくすることができるので、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を確実に取得することができるのである。
【0036】
上記第4の発明によれば、前記電子キーを介して取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定された場合に、前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定される。従って、簡素な構成で、前記機械式キーが前記電子キーに装着されているか否かを判定することができる。
【0037】
上記第5の発明によれば、前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作を停止する。従って、前記機械式キーとの通信が不要となるため、消費する電力量を削減することができる。
【0038】
上記第6の発明によれば、前記機械式キーが前記電子キーから取り外されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作が開始される。従って、前記機械式キーの記憶部から識別情報を確実に取得することができる。
【0039】
上記第7の発明によれば、該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックが許可される。従って、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0040】
すなわち、例えば、前記機械式キーを携帯しないユーザが、ドアのアンロックの操作を行っても、ドアのアンロックが禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【0041】
上記第8の発明によれば、エンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動が許可される。従って、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0042】
すなわち、例えば、電子キーが盗難された場合であっても、機械式キーの記憶部から識別情報が取得されず、該電子キーを有するユーザによるエンジンの始動が禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【0043】
上記第9の発明によれば、エンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定されていない場合に、前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得される。また、識別情報が取得されたと判定された場合に、取得された識別情報が前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かが判定される。更に、一致すると判定された場合には、エンジンの始動が許可される。従って、利便性を向上することができる。
【0044】
すなわち、例えば、エンジンを始動する旨の操作を行った時点では、未だ前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得されていないことに起因して、エンジンの始動が許可されない場合であっても、エンジンを始動する旨の操作がされたと検出された後に、前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得され、第1識別情報と一致するか否かが判定される。そして、一致すると判定された場合には、エンジンの始動が許可される。従って、前記機械式キーを携帯しているユーザは、エンジンを始動する旨の操作を行うタイミングに拘わらずエンジンを始動することができるので、利便性を向上することができる。
【0045】
上記第10の発明によれば、取得された識別情報が格納されている機械式キーが、該車両の内部に存在するか否かが判定される。また、機械式キーが車両の内部に存在するか否かの判定結果に基づいて、前記車両機能が制限される。従って、利便性を更に向上することが可能となる。
【0046】
上記第11の発明によれば、該車両の外部からドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、機械式キーが該車両の内部に存在するか否かの判定結果に基づいて、ドアのロックの実行が制限される。従って、利便性を更に向上することが可能となる。
【0047】
すなわち、例えば、機械式キーが車両の内部に存在すると判定された場合には、該車両の外部からの操作によるドアのロックの実行を禁止することによって、当該機械式キーを車両の中に閉じ込めることを防止することができるので、利便性を更に向上することができるのである。
【0048】
上記第12の発明によれば、該車両の外部からドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致すると判定され、且つ、前記機械式キーが該車両の内部に存在しないと判定された場合に限って、ドアのロックの実行が許可される。従って、更に、利便性を向上することができる。
【0049】
すなわち、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致すると判定された場合であっても、前記機械式キーが車両の内部に存在すると判定された場合には、該車両の外部からの操作によるドアのロックの実行が禁止される。そこで、当該機械式キーを車両の中に閉じ込めることを防止することができるので、利便性を更に向上することができるのである。
【0050】
上記第13の発明によれば、エンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記機械式キーの記憶部から取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致すると判定され、且つ、前記機械式キーが該車両の内部に存在すると判定された場合に限って、エンジンの始動が許可される。従って、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0051】
すなわち、例えば、前記機械式キーを携帯したユーザが、車両の近くに居るときには、前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得される場合があり、取得された識別情報は、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致すると判定される。このような場合であっても、前記機械式キーを携帯したユーザが車両の外部に居る場合には、エンジンを始動することが禁止されるため、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0052】
上記第14の発明によれば、前記電子キーに、前記第1識別情報とは相違する第2識別情報を予め格納されている。また、前記識別情報記憶手段に、前記第2識別情報を予め格納している。そして、前記電子キーから識別情報が取得されたか否かが判定される。更に、識別情報が取得されたと判定された場合に、取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第2識別情報と一致するか否かが判定される。加えて、一致するか否かの判定結果に基づいて、前記車両機能が制限される。従って、利便性を更に向上すると共に、車両の盗難を更に効果的に予防することが可能となる。
【0053】
すなわち、前記機械式キーの有する記憶部に格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かに加えて、前記電子キーに格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第2識別情報と一致するか否かに基づいて、前記車両機能が制限されるため、利便性を更に向上すると共に、車両の盗難を更に効果的に予防することが可能となるのである。
【0054】
例えば、2つの識別情報が一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可するときには、一方の識別情報が一致する場合であっても、エンジンの始動が禁止されるため、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0055】
上記第15の発明によれば、前記電子キーからの操作が受け付けられたときに、前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、受け付けられた操作に対応する車両機能の実行が許可される。従って、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0056】
すなわち、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、前記電子キーからの操作に対応する車両機能の実行が許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、前記電子キーからの操作に対応する車両機能(例えば、ドアのアンロック等)の実行が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0057】
上記第16の発明によれば、該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックが許可される。従って、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0058】
すなわち、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックが許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、ドアのアンロックの実行が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0059】
上記第17の発明によれば、エンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動が許可される。従って、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0060】
すなわち、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動が許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、エンジンの始動が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0061】
上記第18の発明によれば、機械式キーの記憶部には、予め第1識別情報が格納されている。また、前記第1識別情報と同一の識別情報が識別情報記憶手段に予め格納されている。そして、予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報が取得される。また、前記機械式キーの記憶部から識別情報が取得されたか否かが判定される。更に、識別情報が取得されたと判定された場合に、取得された第1識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かが判定される。加えて、取得されたか否か、及び、一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限される。従って、利便性を向上すると共に、車両の盗難を効果的に予防することが可能となる。
【0062】
すなわち、機械式キーの有する記憶部に格納された識別情報が、前記識別情報記憶手段に予め格納されている第1識別情報と一致する場合には、該機械式キーは、正当な機械式キーであると判定することができる。そこで、両者が一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限されるため、利便性を向上すると共に、車両の盗難を効果的に予防することが可能となるのである。
【0063】
上記第19の発明によれば、前記機械式キーが、前記記憶部を有するRFIDを備え、前記RFIDと通信可能に構成されている。従って、簡素な構成で前記機械式キーから識別情報を取得することができる。
【0064】
上記第20の発明によれば、前記RFIDが、樹脂によってモールドされて前記機械式キーに搭載されている。従って、前記RFIDに水等が侵入することがないため、海水浴等において前記機械式キーを携帯することができる。
【0065】
上記第21の発明によれば、前記電子キーが、前記機械式キーが着脱可能に構成されている、また、前記電子キーからの操作が受け付けられる。従って、ユーザの所望する機能に適したキーを選択することができるので、利便性を向上することができる。
【0066】
上記第22の発明によれば、前記電子キーにおいて、外部からの操作が受け付けられたときに、前記機械式キーから識別情報が取得された場合に限って、受け付けられた操作に対応する信号が前記キーレスエントリー制御装置に対して送信される。従って、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0067】
すなわち、例えば、前記電子キーが盗難等された場合であっても、前記機械式キーから識別情報が取得されない場合には、操作信号が送信されないため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係るキーレスエントリーシステムの構成の一例を示すブロック図
【図2】車両におけるアンテナ及びセンサの配置の一例を示す平面図
【図3】車両機能制限ECUの機能構成の一例を示すブロック図
【図4】電子キーの動作の一例を示すフローチャート
【図5】車両機能制限ECUの動作の一例を示すフローチャート
【図6】状態判定処理の一例を示す詳細フローチャート(前半部)
【図7】状態判定処理の一例を示す詳細フローチャート(後半部)
【図8】ドアセンサ処理の一例を示す詳細フローチャート
【図9】機械キー検出処理の一例を示す詳細フローチャート
【図10】電子キー操作処理の一例を示す詳細フローチャート
【図11】エンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャート(前半部)
【図12】エンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャート(後半部)
【図13】本発明の第2実施形態に係るキーレスエントリーシステムの構成の一例を示すブロック図
【図14】車両機能制限ECUの機能構成の一例を示すブロック図
【図15】電子キーの動作の一例を示すフローチャート(前半部)
【図16】電子キーの動作の一例を示すフローチャート(後半部)
【図17】状態判定処理の一例を示す詳細フローチャート(第1部)
【図18】状態判定処理の一例を示す詳細フローチャート(第2部)
【図19】状態判定処理の一例を示す詳細フローチャート(第3部)
【図20】ドアセンサ処理の一例を示す詳細フローチャート
【図21】電子キー操作処理の一例を示す詳細フローチャート
【図22】エンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャート(前半部)
【図23】エンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャート(後半部)
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、図面を参照して本発明に係るキーレスエントリーシステムの実施形態について説明する。本発明に係るキーレスエントリーシステムは、識別情報が格納された記憶部を有する機械式キーと、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置と、を備えるシステムである。まず、図1〜図12を用いて、本発明の第1実施形態に係るキーレスエントリーシステム100について説明する。
【0070】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るキーレスエントリーシステム100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、キーレスエントリーシステム100は、キーレスエントリー制御装置1、電子キー2及び機械式キー3を備えている。キーレスエントリー制御装置1は、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限する装置であって、第1送受信部11、第2送受信部12及び車両機能制限ECU13を備えている。また、図に示すように、車両機能制限ECU(Electronic Control Unit)13は、図に示すように、ドアのロック、アンロックを制御するドア開閉制御ECU4、及び、エンジンの始動、停止を制御するエンジン制御ECU5と通信可能に構成されている。
【0071】
ここで、ドア開閉制御ECU4及びエンジン制御ECU5は、車両機能制限ECU13からの指示に従って動作する。例えば、車両機能制限ECU13からドアのロックを許可する旨の情報が出力されていない場合には、ドア開閉制御ECU4は、外部からドアのロックをする旨の操作信号が受け付けられた場合であっても、ドアのロック動作を実行しない。
【0072】
第1送受信部11は、第1アンテナ111を備え、予め設定された第1周波数RF1の電波を介して、機械式キー3と通信を行うものである。第2送受信部12は、第2アンテナ121を備え、予め設定された第2周波数RF2の電波を介して、電子キー2と通信を行うものである。
【0073】
車両機能制限ECU13は、第1送受信部11及び第2送受信部12を介して、電子キー2及び機械式キー3と通信を行い、その結果に基づいて、車両の有する車両機能を制限する。具体的には、車両機能制限ECU13は、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアのロック、アンロックを許可又は禁止する旨の指示を行うと共に、エンジン制御ECU5に対して、エンジンの始動を許可又は禁止する旨の指示を行う。
【0074】
電子キー2は、機械式キー3を着脱自在に構成されると共に、携帯可能に構成されたキーであって、第1送受信部21、第2送受信部22、CPU23及び操作部24を備えている。第1送受信部21は、第1アンテナ211を備え、予め設定された第1周波数RF1の電波を介して、機械式キー3と通信を行うものである。第2送受信部22は、第2アンテナ221を備え、予め設定された第2周波数RF2の電波を介して、車両機能制限ECU13と通信を行うものである。
【0075】
CPU(Central Processing Unit)23は、操作部24からの指示に従って、電子キー2全体の動作を制御するものである。また、CPU23は、車両機能制限ECU13からの要求に応じて、機械式キー3から識別情報を取得して、車両機能制限ECU13へ送出する。操作部24(操作手段に相当する)は、ボタンスイッチ等を備え、ユーザ等からの操作を受け付けるものであって、受け付けられた操作情報は、CPU23へ出力される。なお、電子キー2のCPU23は、操作部24を介してユーザ等からの操作が受け付けられたときに、機械式キー3から識別情報が取得された場合に限って、受け付けられた操作に対応する信号を車両機能制限ECU13に対して送信する。
【0076】
従って、例えば、電子キー2が盗難等された場合であっても、機械式キー3から識別情報が取得されない場合には、操作信号が送信されないため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【0077】
機械式キー3は、電子キー2に着脱自在に構成された機械式のキーであって、RFID(Radio Frequency IDentification)として、第1送受信部31、CPU33及びメモリ35を備えている。第1送受信部31は、第1アンテナ311を備え、予め設定された第1周波数RF1の電波を介して、車両機能制限ECU13及び電子キー2と通信を行うものである。CPU(Central Processing Unit)33は、RFID全体の動作を制御するものである。また、メモリ35(記憶部に相当する)は、IC(Integrated Circuit)等からなり、第1識別情報を予め格納するものである。
【0078】
ここでは、CPU33は、第1送受信部31を介して、メモリ35に格納された第1識別情報を送出する旨の要求情報が受信された場合に、該要求に応じて、メモリ35から第1識別情報を読み出して、第1送受信部31を介して出力する。
【0079】
このようにして、RFIDのICに第1識別情報が格納されるため、簡素な構成で機械式キー3から識別情報を取得することができる。また、第1送受信部31、CPU33及びメモリ35を有するRFIDは、樹脂によってモールドされて機械式キー3に搭載されている。従って、RFIDに水等が侵入することがないため、海水浴等において機械式キー3を携帯することができる。
【0080】
第1実施形態では、RFIDが、樹脂によってモールドされて機械式キー3に搭載されている場合について説明するが、RFIDが、樹脂以外の材料(例えば、ガラス等)によってモールドされて機械式キー3に搭載されている形態でも良い。
【0081】
また、機械式キー3が電子キー2に装着されている場合には、図に実線で示すように、車両機能制限ECU13と電子キー2との間の通信は、第2周波数RF2の電波を介して行われ、電子キー2と機械式キー3との間の通信は、第1周波数RF1の電波を介して行われる。一方、機械式キー3が電子キー2から取り外されている場合には、図に破線で示すように、車両機能制限ECU13と電子キー2との間の通信は、第2周波数RF2の電波を介して行われ、車両機能制限ECU13と機械式キー3との間の通信は、第1周波数RF1の電波を介して行われる。
【0082】
図2は、車両におけるアンテナ及びセンサの配置の一例を示す平面図である。図に示すように、電子キー2及び機械式キー3と通信を行う第1アンテナ111は、左右の前側ドア部、後側ドア部、キャビン内中央前端部、及び、キャビン内中央後端部の6箇所に配設されている。電子キー2と通信を行う第2アンテナ121は、第1アンテナ111が配設される6箇所に加え、キャビン内中央前側及びキャビン内中央後側の2箇所を加えた、計8箇所に配設される。第2アンテナ121が、第1アンテナ111よりも多く配設されるのは、電子キー2が車内に存在するか否かを、正確に検出するためである。
【0083】
また、左右の前側ドア部には、車両の外部からドアのロック操作を受け付けるロックスイッチDL、及び、車両の外部からドアのアンロック操作を受け付けるアンロックスイッチDAが配設されている。更に、運転席の前方には、運転者からのエンジンの始動、停止を受け付けるエンジンスイッチESが配設されている。
【0084】
図3は、車両機能制限ECU13の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車両機能制限ECU13は、機能的に、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134、取得判定部135、識別情報記憶部136、一致判定部137、位置判定部138、及び、制限実行部139を備えている。
【0085】
なお、車両機能制限ECU13は、車両機能制限ECU13の適所に配設されたマイクロコンピュータに、車両機能制限ECU13の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134、取得判定部135、識別情報記憶部136、一致判定部137、位置判定部138、制限実行部139等の機能部として機能させる。
【0086】
識別情報記憶部136(識別情報記憶手段に相当する)は、図1に示す機械式キー3の有するメモリ35に格納された第1識別情報と同一の識別情報を予め格納する機能部である。識別情報記憶部136に格納された第1識別情報は、一致判定部137によって読み出される。
【0087】
操作受付部130(操作受付手段に相当する)は、図1に示す第2送受信部12を介して、電子キー2からの操作を受け付ける機能部である。
【0088】
第1検出部131(第1検出手段に相当する)は、図2に示すアンロックスイッチDAを介して、車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたことを検出する機能部である。また、第1検出部131は、図2に示すロックスイッチDLを介して、車両の外部からドアをロックする旨の操作がされたことを検出する。
【0089】
第2検出部132は、図1に示す第1送受信部11及び第2送受信部12を介して、車両のドアの外側に機械式キー3が存在することを検出する機能部である。例えば、図2に示す6個の第1アンテナ111及び8個の第2アンテナ121の内、運転席側(ここでは、右側)の前側ドア部に配設された第1アンテナ111及び第2アンテナ121は、受信方向を検出可能に構成され、受信方向が図2の右方向である場合に、第2検出部132は、車両のドアの外側に機械式キー3が存在すると検出する。
【0090】
第3検出部133(第3検出手段に相当する)は、図2に示すエンジンスイッチESを介して、エンジンを始動、停止する旨の操作がされたことを検出する機能部である。
【0091】
情報取得部134(情報取得手段に相当する)は、予め設定された所定周期(例えば、5秒周期)で、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報(=第1識別情報)を取得する機能部である。ここで、情報取得部134は、機械式キー3が電子キー2に装着されている場合には、電子キー2を介して機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報を取得する。すなわち、電子キー2は、車両機能制限ECU13(=情報取得部134)からの機械式キー3に格納された識別情報の要求を受け付けた場合に、第1周波数RF1の電波を介して、機械式キー3から識別情報を取得する。そして、電子キー2は、取得した識別情報を第2周波数RF2の電波を介して、車両機能制限ECU13(=情報取得部134)へ送出する。
【0092】
このようにして、機械式キー3が電子キー2に装着されている場合には、電子キー2を介して機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報が取得されるため、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報を確実に取得することができる。すなわち、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報は、RFIDを介して通信されるため、電子キー2と比較して、通信距離を大きくすることが困難である。そこで、電子キー2を介して機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報が取得されるため、通信距離を大きくすることができるので、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報を確実に取得することができるのである。
【0093】
また、情報取得部134は、一致判定部137によって機械式キー3が電子キー2に装着されていると判定された場合には、第1送受信部11に対して供給する電力を停止して、電子キー2を介することなく機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得する動作を停止する。更に、情報取得部134は、一致判定部137よって機械式キー3が電子キー2から取り外されていると判定された場合には、第1送受信部11に対して供給する電力を開始して、電子キー2を介することなく機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得する動作を開始する。
【0094】
このようにして、機械式キー3が電子キー2に装着されていると判定された場合には、電子キー2を介することなく機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得する動作が停止されるため、機械式キー3との通信が不要となるため、消費する電力量を削減することができる。すなわち、第1送受信部11に対して供給する電力が停止されるため、消費する電力量を削減することができるのである。
【0095】
また、機械式キー3が電子キー2から取り外されていると判定された場合には、電子キー2を介することなく機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得する動作が開始されるため、機械式キー3のメモリ35から識別情報を確実に取得することができる。
【0096】
取得判定部135(取得判定手段に相当する)は、情報取得部134によって識別情報が取得されたか否かを判定する機能部である。
【0097】
一致判定部137(一致判定手段、着脱判定手段に相当する)は、取得判定部135によって識別情報が取得されたと判定された場合に、情報取得部134によって取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する機能部である。また、一致判定部137は、情報取得部134によって電子キー2を介して取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致する場合には、機械式キー3が電子キー2に装着されていると判定する。
【0098】
このようにして、電子キー2を介して取得された識別情報が、識別情報記憶部136に予め格納されている第1識別情報と一致すると判定された場合に、機械式キー3が電子キー2に装着されていると判定されるため、簡素な構成で、機械式キー3が電子キー2に装着されているか否かを判定することができる。
【0099】
第1実施形態では、一致判定部137が、電子キー2を介して取得された識別情報が、識別情報記憶部136の第1識別情報と一致すると判定された場合に、機械式キー3が電子キー2に装着されていると判定する場合について説明するが、一致判定部137が、その他の方法で、機械式キー3が電子キー2に装着されているか否かを判定する形態でも良い。例えば、電子キー2が、機械式キー3が装着されているか否かを検出するセンサを備え、このセンサの検出信号に基づいて、一致判定部137が、機械式キー3が電子キー2に装着されているか否かを判定する形態でも良い。この場合には、機械式キー3が電子キー2に装着されているか否かを更に正確に判定することができる。
【0100】
位置判定部138(位置判定手段に相当する)は、取得判定部135によって識別情報が取得されたと判定された場合に、図1に示す第1送受信部11及び第2送受信部12を介して、情報取得部134によって取得された識別情報が格納された機械式キー3が、該車両の内部に存在するか否かを判定する機能部である。ここでは、便宜上、機械式キー3が電子キー2に装着されている場合について具体的に説明する。
【0101】
図1を用いて説明したように、機械式キー3が電子キー2に装着されている場合には、車両機能制限ECU13と電子キー2との間の通信は、第2周波数RF2の電波を介して行われる。すなわち、図2に示す第2アンテナ121を介して、車両機能制限ECU13と電子キー2との間の通信が行われる。そこで、例えば、車両の幅方向中央部にある4個の第2アンテナ121(=キャビン内中央前端部、キャビン内中央前側、キャビン内中央後側及びキャビン内中央後端部の第2アンテナ121)のいずれかを介して、電子キー2との通信が可能となっている場合には、位置判定部138は、機械式キー3が車両の内部に存在すると判定する。
【0102】
制限実行部139(制限実行手段に相当する)は、取得判定部135及び一致判定部137の判定結果に基づいて、車両機能を制限する機能部である。具体的には、制限実行部139は、操作受付部130によって電子キー2の操作が受け付けられたときに、一致判定部137によって一致すると判定された場合に限って、電子キー2の操作に対応する動作の実行を許可する旨の情報を送出する。換言すれば、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、又は、一致判定部137によって一致しないと判定された場合には、電子キー2の操作に対応する動作の実行が禁止される。
【0103】
また、制限実行部139は、第1検出部131によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定された場合に限って、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアのアンロックを許可する旨の情報を送出する。換言すれば、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、又は、一致判定部137によって一致しないと判定された場合には、ドアのアンロックが禁止される。
【0104】
このようにして、例えば、機械式キー3を携帯しないユーザが、ドアのアンロックの操作を行っても、ドアのアンロックが禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができるのである。
【0105】
更に、制限実行部139は、第1検出部131によってドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定され、且つ、位置判定部138によって内部に存在しないと判定された場合に限って、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアのロックの実行が許可される。換言すれば、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、一致判定部137によって一致しないと判定された場合、又は、位置判定部138によって内部に存在すると判定された場合には、ドアのロックの実行が禁止される。
【0106】
このようにして、一致判定部137によって一致すると判定された場合であっても、機械式キー3が車両の内部に存在すると判定された場合には、該車両の外部からの操作によるドアのロックの実行が禁止される。そこで、機械式キー3を車両の中に閉じ込めることを防止することができるので、利便性を更に向上することができる。
【0107】
加えて、制限実行部139は、ドアがロックされている状態で、第2検出部132によって車両のドアの外側に機械式キー3が検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定された場合に限って、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアをアンロックする旨の指示情報を出力する。換言すれば、ドアがロックされている状態で、第2検出部132によって車両のドアの外側に機械式キー3が検出されたときに、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、又は、一致判定部137によって一致しないと判定された場合には、ドアはアンロックされない。
【0108】
このようにして、例えば、機械式キー3を携帯したユーザが、ドアに接近すると、ロックされていたドアがアンロックされるため、利便性を向上することができる。つまり、ユーザによるドアのアンロック操作を不要とすることができる。なお、機械式キー3のメモリ35から取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納されている第1識別情報と一致しない場合には、アンロックされないため、この機能によって、車両の盗難の危険性が高まることはない。
【0109】
また、制限実行部139は、ドアがアンロックされている状態で、第2検出部132によって機械式キー3が車両のドアの外側に検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定された場合に限って、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアをロックする旨の指示情報を出力する。換言すれば、ドアがアンロックされている状態で、機械式キー3が車両のドアの外側に検出されたときであっても、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、又は、一致判定部137によって一致しないと判定された場合には、ドアはロックされない。
【0110】
このようにして、例えば、機械式キー3を携帯したユーザが、ドアの外側に出ると、機械式キー3が車両のドアの外側に検出されて、アンロックされていたドアがロックされるため、利便性を向上することができる。つまり、ユーザによるドアのロック操作のし忘れを補完することができる。そこで、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0111】
更に、制限実行部139は、第3検出部133によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定され、且つ、位置判定部138によって機械式キー3が車両の内部に存在すると判定された場合に限って、エンジン制御ECU5に対して、エンジンの始動を許可する旨の情報を出力する。換言すれば、エンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときであっても、取得判定部135によって機械式キー3から識別情報が取得されていないと判定された場合、一致判定部137によって一致しないと判定された場合、又は、位置判定部138によって機械式キー3が車両の内部に存在しないと判定された場合には、エンジンは始動されない。
【0112】
このようにして、例えば、電子キー2が盗難された場合であっても、機械式キー3のメモリ35から識別情報が取得されず、該電子キー2を有するユーザによるエンジンの始動が禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができる。また、例えば、機械式キー3を携帯したユーザが、車両の近くに居るときには、機械式キー3のメモリ35から識別情報が取得される場合があり、取得された識別情報は、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致すると判定される。このような場合であっても、機械式キー3を携帯したユーザが車両の外部に居る場合には、エンジンを始動することが禁止されるため、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0113】
第1実施形態では、制限実行部139が、エンジンを始動する旨の操作がされ、識別情報が一致すると判定され、且つ、機械式キー3が車両の内部に存在すると判定されたときには、エンジンの始動を許可する場合について説明するが、制限実行部139が、その他の条件を満たすとエンジンの始動を許可する形態でも良い。
【0114】
例えば、制限実行部139が、エンジンを始動する旨の操作がされた場合に、情報取得部134を介して、機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得し、一致判定部137を介して、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定されたときに限って、エンジンの始動を許可する形態でも良い。この場合には、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0115】
また、例えば、制限実行部139が、エンジンを始動する旨の操作がされ、識別情報が一致すると判定されたときには、エンジンの始動を許可する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
【0116】
加えて、制限実行部139は、第3検出部133によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137によって一致すると判定されていない場合に、情報取得部134を介して機械式キー3のメモリ35から識別情報を取得させ、取得判定部135によって識別情報が取得されたと判定された場合に、一致判定部137を介して、情報取得部134によって取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定させ、一致すると判定された場合には、エンジン制御ECU5に対して、エンジンの始動を許可する旨の情報を出力する。換言すれば、制限実行部139は、一致判定部137によって一致すると判定されていない場合に、いわゆる、リトライ機能を有する。
【0117】
このようにして、リトライ機能を有するため、例えば、エンジンを始動する旨の操作を行った時点では、未だ機械式キー3のメモリ35から識別情報が取得されていないことに起因して、エンジンの始動が許可されない場合であっても、エンジンを始動する旨の操作がされたと検出された後に、機械式キー3のメモリ35から識別情報が取得され、第1識別情報と一致するか否かが判定される。そして、一致すると判定された場合には、エンジンの始動が許可される。従って、機械式キー3を携帯しているユーザは、エンジンを始動する旨の操作を行うタイミングに拘わらずエンジンを始動することができるので、利便性を向上することができる。
【0118】
第1実施形態では、制限実行部139のリトライ機能において、情報取得部134によって取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する場合について説明するが、制限実行部139のリトライ機能において、更に、位置判定部138を介して、機械式キー3が車両の内部に存在するか否かを判定し、識別情報が一致し、且つ、機械式キー3が車両の内部に存在する場合に限って、エンジンの始動を許可する形態でも良い。この場合には、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0119】
ここで、図4を用いて、電子キー2の動作を説明する。図4は、電子キー2の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は全て図1に示すCPU23によって実行される。まず、車両機能制限ECU13(情報取得部134)から、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報を送信する旨の指示情報(以下、「ID要求」情報という)が受信されたか否かの判定が行われる(S101)。ID要求が受信されていないと判定された場合(S101でNO)には、処理がステップS109に進められる。
【0120】
ID要求が受信されたと判定された場合(S101でYES)には、機械式キー3(RFID)に対して、ID要求を送出する(S103)。そして、機械式キー3(RFID)から、識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S105)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S105でNO)には、処理がステップS109に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S105でYES)には、車両機能制限ECU13(情報取得部134)に対して、ステップS105において受信された識別情報が送出される(S107)。
【0121】
ステップS101でNOの場合、ステップS105でNOの場合、又は、ステップS107の処理が終了した場合には、操作部24を介して、ユーザからの操作が受け付けられたか否かの判定が行われる(S109)。操作が受け付けられていないと判定された場合(S109でNO)には、処理が、ステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。操作が受け付けられたと判定された場合(S109でYES)には、機械式キー3に対してID要求が送出される(S111)。そして、識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S113)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S113でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。識別情報が受信されたと判定された場合(S113でYES)には、ステップS113において受信された識別情報が、車両機能制限ECU13に対して送出される(S115)。そして、ステップS109において受け付けられた操作の種類を示す信号が送出されて(S117)、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
【0122】
図5〜図12を用いて、車両機能制限ECU13の動作を説明する。図5は、車両機能制限ECU13の動作の一例を示すフローチャートである。まず、機械式キー3から取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否か等の電子キー2及び機械式キー3との通信状態を判定する処理である状態判定処理が行われる(S201)。そして、図2に示すロックスイッチDL、アンロックスイッチDAを介して、車両の外部からドアをロック、アンロックする旨の操作がされた場合の処理であるドアセンサ処理が行われる(S203)。次に、車両のドアの外側に機械式キー3が存在すると検出された場合の処理である機械キー検出処理が行われる(S205)。次いで、電子キー2からの操作が受け付けられた場合の処理である電子キー操作処理が行われる(S207)。そして、エンジンスイッチESを介して、エンジンを始動、停止する旨の操作がされたと検出された場合の処理であるエンジン始動処理が行われる(S209)。そして、処理がステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。
【0123】
図6、図7は、図5に示すフローチャートのステップS201で実行される状態判定処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、図6に示すように、情報取得部134によって、所定周期(例えば、5秒周期)に対応する所定期間(ここでは、5秒間)が経過したか否かの判定が行われる(S301)。所定期間が経過していないと判定された場合(S301でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。所定期間が経過したと判定された場合(S301でYES)には、情報取得部134によって、電子キー2に対してID要求が送出される(S303)。そして、取得判定部135によって、電子キー2から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S305)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S305でNO)には、処理がステップS309に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S305でYES)には、一致判定部137によって、ステップS305で受信された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S307)。
【0124】
一致しないと判定された場合(S307でNO)には、処理がステップS309に進められる。一致すると判定された場合(S307でYES)には、一致判定部137によって、電子キー2を介して機械式キー3から取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かを示す一致フラグが「1」にセットされる(S315)。ここで、一致フラグが「1」とは、機械式キー3から取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致することを意味している。次いで、情報取得部134によって、第1送受信部11に対して供給する電力が停止される(S317)。次に、情報取得部134によって、機械式キー3と直接に通信を行って、識別情報を取得するか否かを示す通信フラグが「OFF」にセットされる(S319)。ここで、通信フラグが「OFF」とは、機械式キー3と直接に通信を行って、識別情報を取得する処理を行わないことを意味している。
【0125】
次に、位置判定部138によって、電子キー2が車内にあるか否かの判定が行われる(S321)。電子キー2が車両の内部にはないと判定された場合(S321でNO)には、機械式キー3が車両の内部にあるか否かを示す車内フラグが「0」にセットされ(S323)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。ここで、車内フラグが「0」とは、機械式キー3が車両の内部にはないことを意味している。電子キー2が車両の内部にあると判定された場合(S321でYES)には、機械式キー3が車両の内部にあるか否かを示す車内フラグが「1」にセットされ(S325)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。ここで、車内フラグが「1」とは、機械式キー3が車両の内部にあることを意味している。
【0126】
ステップS305でNOの場合、又は、ステップS307でNOの場合には、一致判定部137によって、一致フラグが「0」にセットされる(S309)。ここで、一致フラグが「0」とは、機械式キー3から取得された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致しないことを意味している。次いで、情報取得部134によって、第1送受信部11に対して供給する電力が開始される(S311)。次に、情報取得部134によって、通信フラグが「ON」にセットされる(S313)。ここで、通信フラグが「ON」とは、機械式キー3と直接に通信を行って、識別情報を取得する処理を実行することを意味している。
【0127】
次いで、図7に示すように、情報取得部134によって、通信フラグが「ON」であるか否かの判定が行われる(S327)。通信フラグが「OFF」であると判定された場合(S327でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。通信フラグが「ON」であると判定された場合(S327でYES)には、情報取得部134によって、機械式キー3に対して、ID要求が送出される(S329)。そして、取得判定部135によって、機械式キー3から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S331)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S331でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S331でYES)には、一致判定部137によって、ステップS331において受信された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S333)。
【0128】
第1識別情報と一致しないと判定された場合(S333でNO)には、一致判定部137によって、一致フラグが「0」にセットされて(S335)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。第1識別情報と一致すると判定された場合(S333でYES)には、一致判定部137によって、一致フラグが「1」にセットされる(S335)。そして、位置判定部138によって、機械式キー3が車内にあるか否かの判定が行われる(S339)。機械式キー3が車両の内部にはないと判定された場合(S339でNO)には、車内フラグが「0」にセットされ(S341)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。機械式キー3が車両の内部にあると判定された場合(S339でYES)には、車内フラグが「1」にセットされ(S343)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。
【0129】
図8は、図5に示すフローチャートのステップS203で実行されるドアセンサ処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、第1検出部131によって、図2に示すロックスイッチDLを介して、車両の外部からドアをロックする旨の操作が検出されたか否かの判定が行われる(S401)。ドアのロック操作が検出されていないと判定された場合(S401でNO)には、処理がステップS411に進められる。ドアのロック操作が検出されたと判定された場合(S401でYES)には、制限実行部139によって、一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S403)。一致フラグが「0」であると判定された場合(S403でNO)には、処理がステップS411に進められる。一致フラグが「1」であると判定された場合(S403でYES)には、制限実行部139によって、車内フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S405)。車内フラグが「0」であると判定された場合(S405でNO)には、処理がステップS411に進められる。車内フラグが「1」であると判定された場合(S405でYES)には、制限実行部139によって、ドアがロックされる(S407)。そして、ドアがロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139によって、ハザードランプが1回点灯される(S409)。
【0130】
ステップS401でNOの場合、ステップS403でNOの場合、ステップS405でNOの場合、又は、ステップS409の処理が終了した場合には、第1検出部131によって、図2に示すアンロックスイッチDAを介して、車両の外部からドアをアンロックする旨の操作が検出されたか否かの判定が行われる(S411)。ドアのアンロック操作が検出されていないと判定された場合(S411でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。ドアのアンロック操作が検出されたと判定された場合(S411でYES)には、制限実行部139によって、一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S413)。一致フラグが「0」であると判定された場合(S413でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。一致フラグが「1」であると判定された場合(S413でYES)には、制限実行部139によって、ドアがアンロックされる(S415)。そして、ドアがアンロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139によって、ハザードランプが2回点灯されて(S417)、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。
【0131】
図9は、図5に示すフローチャートのステップS205で実行される機械キー検出処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、第2検出部132によって、機械式キー3から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S451)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S451でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS207へリターンされる。識別情報が受信されたと判定された場合(S451でYES)には、第2検出部132によって、車両のドアの外側に機械式キー3が存在するか否かの判定が行われる(S453)。機械式キー3が車両のドアの外側には存在しないと判定された場合(S453でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS207へリターンされる。機械式キー3が車両のドアの外側に存在すると判定された場合(S453でYES)には、一致判定部137によって、ステップS451で受信された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S455)。第1識別情報と一致しないと判定された場合(S455でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS207へリターンされる。
【0132】
第1識別情報と一致すると判定された場合(S455でYES)には、制限実行部139によって、ドアがアンロック状態であるか否かの判定が行われる(S457)。ドアがアンロック状態であると判定された場合(S457でYES)には、処理がステップS463に進められる。ドアがロック状態であると判定された場合(S457でNO)には、制限実行部139によって、ドアがアンロックされる(S459)。そして、ドアがアンロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139によって、ハザードランプが2回点灯されて(S461)、処理が図5に示すフローチャートのステップS207へリターンされる。ステップS457でYESの場合には、制限実行部139によって、ドアがロックされる(S463)。そして、ドアがロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139によって、ハザードランプが1回点灯されて(S465)、処理が図5に示すフローチャートのステップS207へリターンされる。
【0133】
図10は、図5に示すフローチャートのステップS207で実行される電子キー操作処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、操作受付部130によって、電子キー2からの操作信号が受け付けられたか否かの判定が行われる(S501)。操作信号が受け付けられていないと判定された場合(S501でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。操作信号が受け付けられたと判定された場合(S501でYES)には、制限実行部139によって、一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S503)。一致フラグが「0」であると判定された場合(S503でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。一致フラグが「1」であると判定された場合(S503でYES)には、制限実行部139によって、ステップS501において受け付けられた操作信号に対応する動作が実行されて(S505)、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。
【0134】
図11、図12は、図5に示すフローチャートのステップS209で実行されるエンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、第3検出部133によって、エンジンスイッチESを介して、エンジンの始動、停止の操作が受け付けられたか否かの判定が行われる(S551)。エンジンの始動、停止の操作が受け付けられていないと判定された場合(S551でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。エンジンの始動、停止の操作が受け付けられたと判定された場合(S551でYES)には、制限実行部139によって、エンジンが停止状態であるか否かの判定が行われる(S553)。エンジンが停止状態ではないと判定された場合(S553でNO)には、IG電源及びACC電源がOFFされ、エンジンが停止されて(S555)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。エンジンが停止状態であると判定された場合(S553でYES)には、制限実行部139によって、一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S557)。一致フラグが「0」であると判定された場合(S557でNO)には、処理がステップS559に進められる。一致フラグが「1」であると判定された場合(S557でYES)には、制限実行部139によって、車内フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S563)。車内フラグが「0」であると判定された場合(S563でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。車内フラグが「0」であると判定された場合(S563でNO)には、処理が図12に示すステップS565に進められる。
【0135】
ステップS557でNOの場合には、情報取得部134によって、機械式キー3から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S559)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S559でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。識別情報が受信されたと判定された場合(S559でYES)には、一致判定部137によって、ステップS559において受信された識別情報が、識別情報記憶部136に格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S561)。第1識別情報と一致しないと判定された場合(S561でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。第1識別情報と一致すると判定された場合(S561でNO)には、処理が図12に示すステップS565に進められる。
【0136】
ステップS563でYESの場合、又は、ステップS561でYESの場合には、制限実行部139によって、ブレーキがONであるか否か(ブレーキが予め設定された以上押下されているか否か)の判定が行われる(S565)。ブレーキがONではないと判定された場合(S565でNO)には、制限実行部139によって、ACC電源がONされて(S567)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。ブレーキがONであると判定された場合(S565でYES)には、制限実行部139によって、車速が0であるか否かの判定が行われる(S569)。車速が0ではないと判定された場合(S569でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。車速が0であると判定された場合(S569でYES)には、制限実行部139によって、シフトレバーの位置が「N」又は「P」であるか否かの判定が行われる(S571)。シフトレバーの位置が「N」でも「P」でもないと判定された場合(S571でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。シフトレバーの位置が「N」又は「P」であると判定された場合(S571でYES)には、制限実行部139によって、ACC電源及びIG電源がONされる(S573)。そして、制限実行部139によって、スタータがONされてエンジンが始動されて(S575)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。
【0137】
このようにして、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136に予め格納されている第1識別情報と一致する場合には、該機械式キー3は、正当な機械式キー3であると判定することができる。そこで、両者が一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限されるため、利便性を向上すると共に、車両の盗難を効果的に予防することが可能となる。
【0138】
また、例えば、海水浴等において車両内に放置された電子キー2が盗難された場合であっても、このような場合には、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136に格納されている第1識別情報と一致しないと判定される。そこで、該電子キー2からの操作に対応する車両機能(例えば、エンジンの始動)の実行が禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0139】
<第2実施形態>
次に、図13〜図23を用いて、本発明の第2実施形態に係るキーレスエントリーシステム100Aについて説明する。図13は、本発明の第2実施形態に係るキーレスエントリーシステム100Aの構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、キーレスエントリーシステム100Aは、図1に示す第1実施形態に係るキーレスエントリーシステム100と比較して、電子キー2Aが、機械式キー3の有するメモリ35に格納された第1識別情報とは相違する第2識別情報を予め格納するメモリ25を備える点において相違している。
【0140】
電子キー2Aのメモリ25に格納された第2識別情報を利用するために、電子キー2AのCPU23Aは、以下の点において、図1に示す第1実施形態に係る電子キー2のCPU23と相違している。CPU23Aは、車両機能制限ECU13からの要求に応じて、機械式キー3から識別情報が取得して、車両機能制限ECU13へ送出すると共に、メモリ25に格納されている識別情報を読み出して、車両機能制限ECU13へ送出する。
【0141】
図14は、第2実施形態に係る車両機能制限ECU13Aの機能構成の一例を示すブロック図である。電子キー2Aのメモリ25に格納された第2識別情報を利用するために、車両機能制限ECU13Aは、以下の点において、図3に示す第1実施形態に係る車両機能制限ECU13と相違している。
【0142】
識別情報記憶部136A(識別情報記憶手段に相当する)は、図1に示す機械式キー3の有するメモリ35に格納された第1識別情報と同一の識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25に格納された第2識別情報と同一の識別情報、を予め格納する機能部である。識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報及び第2識別情報は、一致判定部137Aによって読み出される。
【0143】
情報取得部134A(情報取得手段に相当する)は、予め設定された所定周期(例えば、5秒周期)で、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報(=第1識別情報)、及び、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報(=第2識別情報)を取得する機能部である。
【0144】
取得判定部135A(取得判定手段に相当する)は、情報取得部134Aによって、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が取得されたか否かをそれぞれ判定する機能部である。
【0145】
一致判定部137A(一致判定手段、着脱判定手段に相当する)は、取得判定部135Aによって機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報が取得されたと判定された場合に、情報取得部134Aによって取得された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する機能部である。また、一致判定部137Aは、取得判定部135Aによって電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が取得されたと判定された場合に、情報取得部134Aによって取得された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第2識別情報と一致するか否かを判定する。更に、一致判定部137Aは、情報取得部134Aによって電子キー2Aを介して取得された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致する場合には、機械式キー3が電子キー2Aに装着されていると判定する。
【0146】
制限実行部139A(制限実行手段に相当する)は、操作受付部130によって電子キー2Aの操作が受け付けられたときに、一致判定部137Aによって機械式キー3のメモリ35の識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25の識別情報が、それぞれ、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報及び第2識別情報と一致すると判定された場合に限って、電子キー2Aの操作に対応する動作の実行を許可する旨の情報を送出する。
【0147】
このようにして、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、電子キー2Aからの操作に対応する車両機能の実行が許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、電子キー2Aからの操作に対応する車両機能(例えば、ドアのアンロック等)の実行が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0148】
また、制限実行部139A(制限実行手段に相当する)は、第1検出部131によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137Aによって機械式キー3のメモリ35の識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25の識別情報が、それぞれ、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報及び第2識別情報と一致すると判定された場合に限って、ドア開閉制御ECU4に対して、ドアのアンロックを許可する旨の情報を送出する。
【0149】
このようにして、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックが許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、ドアのアンロックの実行が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができる。
【0150】
更に、制限実行部139A(制限実行手段に相当する)は、第3検出部133によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、一致判定部137Aによって機械式キー3のメモリ35の識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25の識別情報が、それぞれ、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報及び第2識別情報と一致する、且つ、位置判定部138によって機械式キー3が車両の内部に存在すると判定された場合に限って、エンジン制御ECU5に対して、エンジンの始動を許可する旨の情報を出力する。
【0151】
このようにして、2つの識別情報が共に一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動が許可されるため、一方の識別情報が一致する場合であっても、エンジンの始動が禁止されるので、車両の盗難を更に効果的に予防することができるのである。
【0152】
図15、図16は、電子キー2Aの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は全て図13に示すCPU23Aによって実行される。まず、車両機能制限ECU13A(情報取得部134A)から、機械式キー3のメモリ35に格納された識別情報、及び、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報、を送信する旨の指示情報(以下、「ID×2要求」情報という)が受信されたか否かの判定が行われる(S601)。ID要求が受信されていないと判定された場合(S601でNO)には、処理が図16に示すステップS611に進められる。
【0153】
ID×2要求が受信されたと判定された場合(S601でYES)には、メモリ25に格納された識別情報が読み出されて、車両機能制限ECU13A(情報取得部134A)に対して、送出する(S603)。そして、機械式キー3(RFID)に対して、ID要求を送出される(S605)。次いで、機械式キー3(RFID)から、識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S607)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S1607でNO)には、処理が図16に示すステップS611に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S607でYES)には、車両機能制限ECU13A(情報取得部134A)に対して、ステップS607において受信された識別情報が送出される(S609)。
【0154】
ステップS601でNOの場合、ステップS607でNOの場合、又は、ステップS609の処理が終了した場合には、図16に示すように、操作部24を介して、ユーザからの操作が受け付けられたか否かの判定が行われる(S611)。操作が受け付けられていないと判定された場合(S611でNO)には、処理が図15に示すステップS601に戻され、ステップS601以降の処理が繰り返し実行される。操作が受け付けられたと判定された場合(S611でYES)には、メモリ25に格納された識別情報がされて、車両機能制限ECU13A(情報取得部134A)に対して、送出される(S613)。そして、機械式キー3に対してID要求が送出される(S615)。次いで、識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S617)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S617でNO)には、処理が図15に示すステップS601に戻され、ステップS601以降の処理が繰り返し実行される。識別情報が受信されたと判定された場合(S617でYES)には、ステップS617において受信された識別情報が、車両機能制限ECU13Aに対して送出される(S619)。そして、ステップS611において受け付けられた操作の種類を示す信号が送出されて(S621)、処理が図15に示すステップS601に戻され、ステップS601以降の処理が繰り返し実行される。
【0155】
車両機能制限ECU13Aの動作の一例を示すフローチャートは、図5に示す第1実施形態に係る車両機能制限ECU13の動作の一例を示すフローチャートと同様であるため、ここでは、その記載を省略する。なお、以下の説明においては、便宜上、図5に示す第1実施形態に係る車両機能制限ECU13の動作の一例を示すフローチャートのステップ番号を使用して、車両機能制限ECU13Aの動作を説明する。
【0156】
図17〜図19は、図5に示すフローチャートのステップS201で実行される状態判定処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、図17に示すように、情報取得部134Aによって、所定周期(例えば、5秒周期)に対応する所定期間(ここでは、5秒間)が経過したか否かの判定が行われる(S701)。所定期間が経過していないと判定された場合(S701でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。所定期間が経過したと判定された場合(S701でYES)には、情報取得部134Aによって、電子キー2Aに対して「ID×2要求」が送出される(S703)。そして、取得判定部135Aによって、電子キー2Aから、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S705)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S705でNO)には、処理がステップS709に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S705でYES)には、一致判定部137Aによって、ステップS705で受信された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第2識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S707)。
【0157】
一致しないと判定された場合(S707でNO)には、処理がステップS709に進められる。一致すると判定された場合(S707でYES)には、一致判定部137Aによって、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第2識別情報と一致するか否かを示す第2一致フラグが「1」にセットされて(S711)、処理が図18に示すステップS713に進められる。ここで、第2一致フラグが「1」とは、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第2識別情報と一致することを意味している。ステップS705でNOの場合、又は、ステップS707でNOの場合には、一致判定部137Aによって、第2一致フラグが「0」にセットされて(S709)、処理が図19に示すステップS735に進められる。ここで、第2一致フラグが「0」とは、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第2識別情報と一致しないことを意味している。
【0158】
ステップS711の処理が終了した場合には、図18に示すように、取得判定部135Aによって、電子キー2Aから、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S713)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S713でNO)には、処理がステップS717に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S713でYES)には、一致判定部137Aによって、ステップS713で受信された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S715)。
【0159】
一致しないと判定された場合(S715でNO)には、処理がステップS717に進められる。一致すると判定された場合(S715でYES)には、一致判定部137Aによって、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致するか否かを示す第1一致フラグが「1」にセットされる(S723)。ここで、第1一致フラグが「1」とは、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致することを意味している。ステップS705でNOの場合、又は、ステップS707でNOの場合には、一致判定部137Aによって、第2一致フラグが「0」にセットされて(S709)、処理が図19に示すステップS735に進められる。ここで、第2一致フラグが「0」とは、電子キー2Aのメモリ25に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致しないことを意味している。次いで、情報取得部134Aによって、第1送受信部11に対して供給する電力が停止される(S725)。次に、情報取得部134Aによって、通信フラグが「OFF」にセットされる(S727)。ここで、通信フラグが「OFF」とは、機械式キー3と直接に通信を行って、識別情報を取得する処理を行わないことを意味している。
【0160】
次に、位置判定部138によって、電子キー2Aが車内にあるか否かの判定が行われる(S729)。電子キー2Aが車両の内部にはないと判定された場合(S729でNO)には、車内フラグが「0」にセットされ(S731)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。ここで、車内フラグが「0」とは、機械式キー3が車両の内部にはないことを意味している。電子キー2Aが車両の内部にあると判定された場合(S729でYES)には、車内フラグが「1」にセットされ(S733)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。ここで、車内フラグが「1」とは、機械式キー3が車両の内部にあることを意味している。
【0161】
ステップS713でNOの場合、又は、ステップS715でNOの場合には、一致判定部137Aによって、一致フラグが「0」にセットされる(S717)。ここで、一致フラグが「0」とは、機械式キー3から取得された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致しないことを意味している。次いで、情報取得部134Aによって、第1送受信部11に対して供給する電力が開始される(S719)。次に、情報取得部134Aによって、通信フラグが「ON」にセットされる(S721)。ここで、通信フラグが「ON」とは、機械式キー3と直接に通信を行って、識別情報を取得する処理を実行することを意味している。
【0162】
次いで、図19に示すように、情報取得部134Aによって、通信フラグが「ON」であるか否かの判定が行われる(S735)。通信フラグが「OFF」であると判定された場合(S735でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。通信フラグが「ON」であると判定された場合(S735でYES)には、情報取得部134Aによって、機械式キー3に対して、ID要求が送出される(S737)。そして、取得判定部135Aによって、機械式キー3から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S739)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S739でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。識別情報が受信されたと判定された場合(S739でYES)には、一致判定部137Aによって、ステップS739において受信された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S741)。
【0163】
第1識別情報と一致しないと判定された場合(S741でNO)には、一致判定部137Aによって、一致フラグが「0」にセットされて(S743)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。第1識別情報と一致すると判定された場合(S741でYES)には、一致判定部137Aによって、一致フラグが「1」にセットされる(S745)。そして、位置判定部138によって、機械式キー3が車内にあるか否かの判定が行われる(S747)。機械式キー3が車両の内部にはないと判定された場合(S747でNO)には、車内フラグが「0」にセットされ(S749)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。機械式キー3が車両の内部にあると判定された場合(S747でYES)には、車内フラグが「1」にセットされ(S751)、処理が図5に示すフローチャートのステップS203に進められる。
【0164】
図20は、図5に示すフローチャートのステップS203で実行されるドアセンサ処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、第1検出部131によって、図2に示すロックスイッチDLを介して、車両の外部からドアをロックする旨の操作が検出されたか否かの判定が行われる(S801)。ドアのロック操作が検出されていないと判定された場合(S801でNO)には、処理がステップS811に進められる。ドアのロック操作が検出されたと判定された場合(S801でYES)には、制限実行部139Aによって、第1一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S803)。第1一致フラグが「0」であると判定された場合(S803でNO)には、処理がステップS811に進められる。第1一致フラグが「1」であると判定された場合(S803でYES)には、制限実行部139Aによって、車内フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S805)。車内フラグが「0」であると判定された場合(S805でNO)には、処理がステップS811に進められる。車内フラグが「1」であると判定された場合(S805でYES)には、制限実行部139Aによって、ドアがロックされる(S807)。そして、ドアがロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139Aによって、ハザードランプが1回点灯される(S809)。
【0165】
ステップS801でNOの場合、ステップS803でNOの場合、ステップS805でNOの場合、又は、ステップS809の処理が終了した場合には、第1検出部131によって、図2に示すアンロックスイッチDAを介して、車両の外部からドアをアンロックする旨の操作が検出されたか否かの判定が行われる(S811)。ドアのアンロック操作が検出されていないと判定された場合(S811でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。ドアのアンロック操作が検出されたと判定された場合(S811でYES)には、制限実行部139Aによって、第1一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S813)。第1一致フラグが「0」であると判定された場合(S813でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。
【0166】
第1一致フラグが「1」であると判定された場合(S813でYES)には、制限実行部139Aによって、第2一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S815)。第2一致フラグが「0」であると判定された場合(S815でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。第2一致フラグが「1」であると判定された場合(S815でYES)には、制限実行部139Aによって、ドアがアンロックされる(S817)。そして、ドアがアンロックされたことをユーザに報知するために、制限実行部139Aによって、ハザードランプが2回点灯されて(S819)、処理が図5に示すフローチャートのステップS205へリターンされる。
【0167】
図21は、図5に示すフローチャートのステップS207で実行される電子キー操作処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、操作受付部130によって、電子キー2Aからの操作信号が受け付けられたか否かの判定が行われる(S851)。操作信号が受け付けられていないと判定された場合(S851でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。操作信号が受け付けられたと判定された場合(S851でYES)には、制限実行部139Aによって、第1一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S853)。第1一致フラグが「0」であると判定された場合(S853でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。第1一致フラグが「1」であると判定された場合(S853でYES)には、制限実行部139Aによって、第2一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S855)。第2一致フラグが「0」であると判定された場合(S855でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。第2一致フラグが「1」であると判定された場合(S855でYES)には、制限実行部139Aによって、ステップS851において受け付けられた操作信号に対応する動作が実行されて(S857)、処理が図5に示すフローチャートのステップS209へリターンされる。
【0168】
図22、図23は、図5に示すフローチャートのステップS209で実行されるエンジン始動処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、第3検出部133によって、エンジンスイッチESを介して、エンジンの始動、停止の操作が受け付けられたか否かの判定が行われる(S901)。エンジンの始動、停止の操作が受け付けられていないと判定された場合(S901でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。エンジンの始動、停止の操作が受け付けられたと判定された場合(S901でYES)には、制限実行部139Aによって、エンジンが停止状態であるか否かの判定が行われる(S903)。エンジンが停止状態ではないと判定された場合(S903でNO)には、IG電源及びACC電源がOFFされ、エンジンが停止されて(S905)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。エンジンが停止状態であると判定された場合(S903でYES)には、制限実行部139Aによって、第1一致フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S907)。一致フラグが「0」であると判定された場合(S907でNO)には、処理がステップS909に進められる。第1一致フラグが「1」であると判定された場合(S907でYES)には、制限実行部139Aによって、車内フラグが「1」であるか否かの判定が行われる(S915)。車内フラグが「0」であると判定された場合(S915でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。車内フラグが「0」であると判定された場合(S915でNO)には、処理が図23に示すステップS917に進められる。
【0169】
ステップS907でNOの場合には、情報取得部134Aによって、機械式キー3から識別情報が受信されたか否かの判定が行われる(S909)。識別情報が受信されていないと判定された場合(S909でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。識別情報が受信されたと判定された場合(S909でYES)には、一致判定部137Aによって、ステップS909において受信された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納された第1識別情報と一致するか否かの判定が行われる(S911)。第1識別情報と一致しないと判定された場合(S911でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。第1識別情報と一致すると判定された場合(S911でNO)には、処理が図23に示すステップS917に進められる。
【0170】
ステップS915でYESの場合、又は、ステップS911でYESの場合には、制限実行部139Aによって、ブレーキがONであるか否か(ブレーキが予め設定された以上押下されているか否か)の判定が行われる(S917)。ブレーキがONではないと判定された場合(S917でNO)には、制限実行部139Aによって、ACC電源がONされて(S919)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。ブレーキがONであると判定された場合(S917でYES)には、制限実行部139Aによって、車速が0であるか否かの判定が行われる(S921)。車速が0ではないと判定された場合(S921でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。車速が0であると判定された場合(S921でYES)には、制限実行部139Aによって、シフトレバーの位置が「N」又は「P」であるか否かの判定が行われる(S923)。シフトレバーの位置が「N」でも「P」でもないと判定された場合(S923でNO)には、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。シフトレバーの位置が「N」又は「P」であると判定された場合(S923でYES)には、制限実行部139Aによって、ACC電源及びIG電源がONされる(S925)。そして、制限実行部139Aによって、スタータがONされてエンジンが始動されて(S927)、処理が図5に示すフローチャートのステップS201へリターンされる。
【0171】
このようにして、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに予め格納されている第1識別情報と一致する場合には、該機械式キー3は、正当な機械式キー3であると判定することができる。そこで、両者が一致するか否かの判定結果に基づいて、車両機能が制限されるため、利便性を向上すると共に、車両の盗難を効果的に予防することが可能となる。
【0172】
また、例えば、海水浴等において車両内に放置された電子キー2Aが盗難された場合であっても、このような場合には、機械式キー3の有するメモリ35に格納された識別情報が、識別情報記憶部136Aに格納されている第1識別情報と一致しないと判定される。そこで、該電子キー2Aからの操作に対応する車両機能(例えば、エンジンの始動)の実行が禁止されるため、車両の盗難を効果的に予防することができる。
【0173】
なお、本発明に係るキーレスエントリー制御装置及びキーレスエントリーシステムは、上記第1実施形態、第2実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)第1実施形態においては、車両機能制限ECU13が、機能的に、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134、取得判定部135、識別情報記憶部136、一致判定部137、位置判定部138、制限実行部139等を備える場合について説明したが、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134、取得判定部135、識別情報記憶部136、一致判定部137、位置判定部138、及び、制限実行部139の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
【0174】
同様に、第2実施形態においては、車両機能制限ECU13Aが、機能的に、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134A、取得判定部135A、識別情報記憶部136A、一致判定部137A、位置判定部138、及び、制限実行部139A等を備える場合について説明したが、操作受付部130、第1検出部131、第2検出部132、第3検出部133、情報取得部134A、取得判定部135A、識別情報記憶部136A、一致判定部137A、位置判定部138、制限実行部139Aの内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
【0175】
(B)第1実施形態、第2実施形態においては、キーレスエントリー制御装置1、1Aが、それぞれ、第1送受信部11及び第2送受信部12を備える場合について説明したが、キーレスエントリー制御装置1、1Aが、1つの送受信部を有し、該送受信部を介して、電子キー2、2A及び機械式キー3と通信可能に構成されている形態でも良い。この場合には、構成が簡素化される。
【0176】
(C)第2実施形態においては、電子キー2Aが、機械式キー3とは相違する識別情報を格納する場合について説明したが、電子キー2Aが、機械式キー3と同一の識別情報を格納する形態でも良い。この場合には、電子キー2Aに機械式キー3が装着された場合に、機械式キー3から識別情報を取得して、電子キー2Aに格納された識別情報と一致するか否かを判定することによって、適正な機械式キー3が装着されたか否かを判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は、例えば、機械式キーの有する記憶部に格納された第1識別情報を取得可能に構成されると共に、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置に適用することができる。また、本発明は、例えば、識別情報が格納された記憶部を有する機械式キーと、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置と、を備えるキーレスエントリーシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0178】
100、100A キーレスエントリーシステム
1、1A キーレスエントリー制御装置
11 第1送受信部
111 第1アンテナ
12 第2送受信部
121 第3アンテナ
13、13A 車両機能制限ECU
130 操作受付部(操作受付手段)
131 第1検出部(第1検出手段)
132 第2検出部
133 第3検出部(第3検出手段)
134、134A 情報取得部(情報取得手段)
135、135A 取得判定部(取得判定手段)
136、136A 識別情報記憶部(識別情報記憶手段)
137、137A 一致判定部(一致判定手段、着脱判定手段)
138 位置判定部(位置判定手段)
139、139A 制限実行部(制限実行手段)
2、2A 電子キー
21 第1送受信部
211 第1アンテナ
22 第2送受信部
221 第3アンテナ
23、23A CPU
24 操作部
25 メモリ
3 機械式キー(RFID)
31 第1送受信部
311 第1アンテナ
31 表示部
33 CPU
35 メモリ(記憶部)
4 ドア開閉制御ECU
5 エンジン制御ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式キーの有する記憶部に格納された第1識別情報を取得可能に構成されると共に、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置であって、
前記第1識別情報を予め格納する識別情報記憶手段と、
予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定する取得判定手段と、
前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段と、
前記取得判定手段及び前記一致判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する制限実行手段と、を備えるキーレスエントリー制御装置。
【請求項2】
電子キーと通信可能に接続され、
該電子キーからの操作を受け付ける操作受付手段を備え、
前記制限実行手段は、前記操作受付手段によって操作が受け付けられ、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、前記操作受付手段によって受け付けられた操作に対応する車両機能の実行を許可する、請求項1に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項3】
前記電子キーは、前記機械式キーを着脱自在に構成され、
前記情報取得手段は、前記機械式キーが前記電子キーに装着されている場合には、前記電子キーを介して前記機械式キーの記憶部に格納された識別情報を取得する、請求項2に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項4】
前記機械式キーが前記電子キーに装着されているか否かを判定する着脱判定手段を備え、
前記着脱判定手段は、前記情報取得手段によって前記電子キーを介して取得された識別情報が、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に、前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定する、請求項3に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、前記着脱判定手段によって前記機械式キーが前記電子キーに装着されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作を停止する、請求項4に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記着脱判定手段によって前記機械式キーが前記電子キーから取り外されていると判定された場合には、前記電子キーを介することなく前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する動作を開始する、請求項4に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項7】
該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第1検出手段によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックを許可する、請求項1に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項8】
エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する、請求項1に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項9】
エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定されていない場合に、
前記情報取得手段を介して前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得させ、
前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記一致判定手段を介して、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定させ、
一致すると判定された場合には、エンジンの始動を許可する、請求項1に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項10】
前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が格納された機械式キーが、該車両の内部に存在するか否かを判定する位置判定手段を備え、
前記制限実行手段は、前記取得判定手段、前記一致判定手段及び前記位置判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する、請求項1に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項11】
該車両の外部からドアをロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第1検出手段によってドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記取得判定手段、前記一致判定手段及び前記位置判定手段の判定結果に基づいて、ドアのロックの実行を制限する、請求項10に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項12】
前記制限実行手段は、前記第1検出手段によってドアをロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定され、且つ、前記位置判定手段によって内部に存在しないと判定された場合に限って、ドアのロックの実行を許可する、請求項10に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項13】
エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記一致判定手段によって一致すると判定され、且つ、前記位置判定手段によって内部に存在すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する、請求項10に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項14】
前記電子キーは、前記第1識別情報とは相違する第2識別情報を予め格納しており、
前記識別情報記憶手段は、前記第2識別情報を予め格納しており、
前記情報取得手段は、前記電子キーから識別情報を取得し、
前記取得判定手段は、前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定し、
前記一致判定手段は、前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第2識別情報と一致するか否かを判定し、
前記制限実行手段は、前記取得判定手段及び前記一致判定手段による判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する、請求項2に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項15】
前記制限実行手段は、前記操作受付手段によって操作が受け付けられたときに、前記一致判定手段によって、前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、前記操作受付手段によって受け付けられた操作に対応する車両機能の実行を許可する、請求項14に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項16】
該車両の外部からドアをアンロックする旨の操作がされたことを検出する第1検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第1検出手段によってドアをアンロックする旨の操作がされたと検出されたときに、前記一致判定手段によって前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、ドアのアンロックを許可する、請求項14に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項17】
エンジンを始動する旨の操作がされたことを検出する第3検出手段を備え、
前記制限実行手段は、前記第3検出手段によってエンジンを始動する旨の操作がされたことが検出されたときに、前記一致判定手段によって前記第1識別情報及び前記第2識別情報が一致すると判定された場合に限って、エンジンの始動を許可する、請求項14に記載のキーレスエントリー制御装置。
【請求項18】
機械式キーと、車両に搭載され、該車両の有する車両機能を制限するキーレスエントリー制御装置と、を備えるキーレスエントリーシステムであって、
前記機械式キーは、第1識別情報が格納された記憶部を備え、
前記キーレスエントリー制御装置は、
前記第1識別情報を予め格納する識別情報記憶手段と、
予め設定された所定周期で、前記機械式キーの記憶部から識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって識別情報が取得されたか否かを判定する取得判定手段と、
前記取得判定手段によって識別情報が取得されたと判定された場合に、前記情報取得手段によって取得された識別情報が、前記識別情報記憶手段に格納された第1識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段と、
前記取得判定手段及び前記一致判定手段の判定結果に基づいて、前記車両機能を制限する制限実行手段と、を備える、キーレスエントリーシステム。
【請求項19】
前記機械式キーは、前記記憶部を有するRFID(Radio Frequency IDentification)を備え、
前記情報取得手段は、前記RFIDと通信可能に構成されている、請求項18に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項20】
前記RFIDは、樹脂によってモールドされて前記機械式キーに搭載されている、請求項19に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項21】
前記機械式キーを着脱可能に構成された電子キーを備え、
前記キーレスエントリー制御装置は、
前記電子キーからの操作を受け付ける操作受付手段を備える、請求項18に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項22】
前記電子キーは、前記機械式キーと通信可能に構成されると共に、
外部からの操作を受け付ける操作手段を備え、
前記操作手段によって操作が受け付けられたときに、前記機械式キーから識別情報が取得された場合に限って、受け付けられた操作に対応する信号を前記キーレスエントリー制御装置に対して送信する、請求項21に記載のキーレスエントリーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−242376(P2010−242376A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92153(P2009−92153)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】