説明

キー入力装置及び電子機器

【課題】キーのサイズによらずクリック感を感じることができるキー入力装置、電子機器及びキー入力方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
キー入力装置は、電極が備えられた回路基板3と、電極の上方に配置されたドーム4と、 ドーム4の上方に配置され、上層部10と、上層部10の下方に配置され、上層部10の弾性力よりも大きい弾性力を有する下層部12と、上層部10と下層部12との間に設けられた中空部11とを備えたキートップとを有する。下層部11のばね運動によって、操作者はキーのサイズによらずクリック感を感じることができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等といった携帯型の電子機器は、複数のキーを有するキー入力装置を備えている。キー入力装置は、キーを押したときの操作感(クリック感)を感じることができるように設計されており、クリック感により、操作者に操作したことを確実に認識させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−213874号公報
【特許文献2】特開2008−218156号公報
【特許文献3】特開2009−169567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、携帯電話の小型化や高機能化に伴ってキーのサイズも小型化している。例えば、携帯電話の側面に配置されている側面キーには、配置スペースの都合上、主面に配置されている主面キーよりも小さいキーが用いられることが多い。このため、クリック感を感じることができるように設計することが難しくなっている。
【0005】
本発明は、キーのサイズによらずクリック感を感じることができるキー入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の一観点によれば、電極が備えられた回路基板と、電極の上方に配置されたドームと、ドームの上方に配置され、上層部と、上層部の下方に配置され、上層部の弾性力よりも大きい弾性力を有する下層部と、上層部と下層部との間に設けられた中空部とを備えたキートップとを有するキー入力装置が提供される。
【0007】
発明の別の一観点によれば、電極が備えられた回路基板と、電極の上方に配置されたドームと、ドームの上方に配置され、上層部と、上層部の下方に配置され、上層部の弾性力よりも大きい弾性力を有する下層部と、上層部と下層部との間に設けられた中空部とを備えたキートップとを有する電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上述の観点によれば、キーのサイズによらずクリック感を感じることができるキー入力装置及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1におけるキー入力装置の平面図、および一点鎖線A−A’における断面図である。
【図2】図2は、実施例1におけるドームの平面図、および一点鎖線B−B’における断面図である。
【図3】図3は、実施例1における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図(その1)である。
【図4】図4は、実施例1における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図(その2)である。
【図5】図5は、実施例1における、クリック時の押圧荷重、操作者の指が受ける荷重、およびドームの反力の時間変化を示す説明図である。
【図6】図6は、実施例1におけるキー入力装置の変形例、および一点鎖線C−C’における断面図である。
【図7】図7は、実施例2におけるキー入力装置、および一点鎖線D−D’における断面図である。
【図8】図8は、実施例3におけるキー入力装置の平面図、および一点鎖線E−E’における断面図である。
【図9】図9は、実施例3における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図(その1)である。
【図10】図10は、実施例3における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図(その2)である。
【図11】図11は、実施例3における、クリック時の押圧荷重、操作者の指が受ける荷重、およびドームの反力の時間変化を示す説明図である。
【図12】図12は、実施例3におけるキー入力装置の変形例を示す平面図、および一点鎖線F−F’における断面図である。
【図13】図13は、実施例3におけるキー入力装置の別の変形例を示す平面図、および一点鎖線G−G’における断面図である。
【図14】図14は、実施例4における電子機器の平面図である。
【図15】図15は、実施例4における電子機器の、図14に示す一点鎖線H−H’における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0011】
実施例1について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0012】
図1(a)は、実施例1におけるキー入力装置の平面図である。図1(b)は、実施例1におけるキー入力装置の図1(a)に示す一点鎖線A−A’における断面図である。図1(a)および図1(b)に示すように、キー入力装置は、中心電極1と、周辺電極2と、回路基板3と、ドーム4と、キートップ5とを有している。なお、図1(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム4および電子機器の筐体8は省略している。図2(a)は、ドーム4の平面図である。図2(b)は、図2(a)に示すドーム4の一点鎖線B−B’における断面図である。
【0013】
以下、キー入力装置の各部について、より詳細に説明する。
【0014】
回路基板3は、中心電極1と周辺電極2とによる電極対を有しており、リング状の周辺電極2の中心部に、周辺電極2と離間するように円状の中心電極1が配置されている。周辺電極2は、リングの切れ目となる切り欠き部6を有しており、中心電極1と電気的に接続された配線7が、切り欠き部6と離間するようにして周辺電極2の外側に引き出されている。
【0015】
回路基板3としては、例えば厚さ0.5mm〜1.0mm程度のガラス布エポキシ樹脂を用いることができる。中心電極1および周辺電極2としては、例えばCu層の表面をAu層で被覆した多層電極を用いることができる。
【0016】
なお、本実施例では、中心電極1および配線7が同じ層に設けられているが、例えば回路基板3を貫通するビアを中心電極1に設け、ビアを介して中心電極1の層とは異なる層から配線7を引き出すこともできる。この構成によると、上述の切り欠き部6が不要となるため、配線設計がより容易となり、配線形成時のパターニング不良を低減させることができる。その結果、回路基板3の製造歩留まりの向上を図ることができる。
【0017】
ドーム4は、回路基板3の上方に設けられ、中心電極1を覆うようにして周辺電極2に接続されている。接続方法としては、例えば導電性の接着剤を用いて接続する方法を用いることができる。別の接続方法としては、例えば粘着性を有する面を備えた図示しない1枚のシート(ドームシート)を用いて複数のドームの上面を覆い、ドーム4と周辺電極2とを接触させることにより電気的な接続を行う方法を用いることもできる。
【0018】
ドーム4は、後述するように、ドーム4内部の中心電極1と周辺電極2とを電気的に接続するためのスイッチとして用いられ、例えばステンレス等の金属材料を用いることができる。ドーム4の寸法は、例えば直径は1.3mm〜5.0mm程度、厚さは70μm程度、周辺電極2からの高さは200μm程度である。
【0019】
キートップ5は、ドーム4の上方に配置され、ドーム4に対向するように筐体8の開口9内に配置されている。キートップ5は、上層部10と、中空部11を介して上層部10に接続された下層部12とを備えている。上層部10は、第1の平板部13と、第1の平板部13と下層部12とを接続する側壁部14,15とを有している。下層部12は、第2の平板部16と、第2の平板部16に備えられた突起部17とを有している。突起部17は、後述するように、ドーム4を押圧により変形させる押し子として用いられる。
【0020】
キートップ5の寸法は、例えば第1の平板部13および側面部14,15の厚さは1mm程度、第2の平板部16の厚さは0.8mm〜0.7mm程度、中空部11における第1の平板部13と第2の平板部16との間の距離は0.2mm〜0.3mm程度である。
【0021】
実施例1におけるキートップ5では、上層部10と下層部12とが一体的に成形されており、例えば射出成形等の方法により製造することができる。キートップ5の材料としては硬質樹脂が好ましく、例えばABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂),ポリエーテルイミド,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルスルホン等の所謂エンジニアリングプラスチックを用いることができる。
【0022】
次に、キー入力装置のクリック時の動作について、図3乃至図5を参照して説明する。
【0023】
図3および図4は、実施例1における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図である。図5は、実施例1における、クリック時の押圧荷重、操作者の指が受ける荷重、およびドームの反力の時間変化を示す説明図である。
【0024】
まず、図5における経過時間がAからBの間において、図3(a)に示す状態からキートップ5を押圧する。キートップ5を押圧すると、突起部17がドームに接触した後 図3(b)に示すように、押圧によりドーム4が徐々に変形し、これに伴ってドーム4の高さが徐々に減少していく。この時、キートップ5の上層部10の弾性力よりも下層部12の弾性力の方が大きいため、上層部10の変位量よりも下層部12の変位量の方が大きくなる。下層部12が変形している間は、キートップ5の押圧荷重とドーム4の反力とは釣り合った状態となっており、下層部12の変位量をσy、ドーム4の変位量(ドームストローク)をσhとすると、
σy≧σh
で表すことができる。
【0025】
その後、経過時間がBからCの間において、ある所定の荷重に達した時に、図4(a)に示すように、飛び移りと呼ばれる座屈が起こる。座屈が起こるとドーム4は反力を失って加速度運動しながら急激に潰れ、衝撃音を発して中心電極1に衝突する。これにより、ドーム4はスイッチとして作用し、中心電極1と周辺電極2とを電気的に接続することができる。
【0026】
座屈以降では、下層部12は板ばねとして機能し、下層部12のばね運動(減衰振動)によってドーム4の中心電極1への衝突と引き離しが繰り返されながら、徐々に下層部12の振幅が減衰し、変形が復元される。この座屈から振幅の減衰までの時間帯に起こる反力の変化や衝撃等が、クリック感として操作者に伝達される。
【0027】
その後、図4(b)に示すように、キートップ5の押圧を続けると下層部12は再び変形を開始し、やがて第1の平板部13と突起部17との距離が極小となる。
【0028】
このように、中空部11を介して接続された上層部10と下層部12とを有するキー入力装置を用いることにより、下層部12の可動質量を操作者の指の可動質量よりも小さくすることができるため、下層部8のばね運動(減衰振動)によって座屈時の反力の変化や衝撃等の伝達を持続させることができる。その結果、操作者はキーのサイズによらずクリック感を感じることができる。
【0029】
また、実施例1では、キートップ5は同一の材料で一体的に構成され、第1の平板部13の厚さよりも第2の平板部14の厚さの方が小さい。この構成によると、第2の平板部14の弾性力を第1の平板部13の弾性力よりも大きくすることができるため、第2の平板部14は板ばねとして機能させることができ、ひいてはクリック感を感じることができる。
【0030】
次に、実施例1におけるキー入力装置の変形例について、図6を参照して説明する。
【0031】
図6(a)は、実施例1におけるキー入力装置の変形例を示す平面図である。図6(b)は、図6(a)に示す一点鎖線C−C’における断面図である。なお、図6(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム4aは省略している。
【0032】
図6(a)および図6(b)に示すように、キートップ5aの上層部10aおよび下層部12aは異なる材料で形成されている。上層部10aおよび下層部12aの材料としては、材料の異なる硬質樹脂をそれぞれ用いることができるが、例えば上層部10aにステンレス、アルミニウム、チタンのいずれかを含む金属材料を使用し、下層部12aに硬質樹脂を使用するのが好ましい。上層部10aと下層部12aとの接続は、例えば絶縁性の接着剤を用いて接着する方法、あるいは機械的なはめ込みにより接続する方法を用いることができる。
【0033】
上述の構成によれば、上層部5aに硬質樹脂を用いる場合に比べて上層部5aの剛性を高めることができるため、上層部5aの薄型化を図ることができる。また、上層部10aと下層部12aとの組み立てが接着または接続により行われるため、中空部11aの形成を伴う成形工程が不要となり、製造面においてもキートップ5aの小型化や薄型化が容易となる。
【実施例2】
【0034】
実施例2について、図7を参照して説明する。
【0035】
図7(a)は、実施例2におけるキー入力装置の平面図である。図7(b)は、図7(a)に示す一点鎖線D−D’における断面図である。図7(a)および図7(b)に示すように、キー入力装置は、中心電極21と、周辺電極22と、回路基板23と、ドーム24と、キートップ25とを有している。なお、図7(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム24および筐体28は省略している。
【0036】
以下、キー入力装置の各部について、より詳細に説明する。
【0037】
回路基板23は、リング状の周辺電極22の中心部に、周辺電極22と離間するように円状の中心電極21が配置されている。周辺電極22は、リングの切れ目となる切り欠き部26を有しており、中心電極21と電気的に接続された配線27が、切り欠き部26と離間するようにして周辺電極22の外側に引き出されている。
【0038】
ドーム24は、回路基板23の上方に設けられ、中心電極21を覆うようにして周辺電極22に接続されている。
【0039】
キートップ25は、ドーム24の上方に配置され、ドーム24に対向するように筐体28の開口29内に配置されている。キートップ25は、上層部30と、中空部31を介して上層部30に接続された下層部32とを備えている。上層部30は、第1の平板部33と、第1の平板部33と接する側壁部34と、接続第1の平板部33と下層部32とを接続する側壁部35とを有している。下層部32は、第2の平板部36と、第2の平板部36に備えられた突起部37とを有している。
【0040】
実施例2におけるキートップ25は、上層部30と下層部32とが側壁部35で接続されており、下層部32は、第2の平板部36の側壁部34側の端部38が開放された片持ち梁構造となっている。キートップ25は、例えば射出成形等の方法により製造することができる。キートップ25の材料としては、実施例1において説明した硬質樹脂が好ましい。
【0041】
上述の構成によれば、下層部32の一端が開放されているため、上層部30と下層部32とを2つの側壁部によって接続する場合よりも下層部32のばね変位を大きくすることができる。これにより、下層部32の弾性力の向上を図ることができる。また、上層部30と下層部32とを2つの側壁部によって接続する場合よりも下層部32の厚化を図ることができるため、樹脂成形によるキートップ25の製造も容易となる。
【実施例3】
【0042】
実施例3について、図8および図13を参照して説明する。
【0043】
図8(a)は、実施例3におけるキー入力装置の平面図である。図8(b)は、図8(a)に示す一点鎖線E−E’における断面図である。図8(a)および図8(b)に示すように、キー入力装置は、中心電極41と、周辺電極42と、回路基板43と、ドーム44と、キートップ45と、弾性体46とを有している。なお、図8(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム44および電子機器の筐体47は省略している。また、図8(a)および図8(b)では、回路基板43上の配線を省略している。
【0044】
キートップ45は、ドーム44の上方に配置され、ドーム44に対向するように電子機器の筐体47の開口48内に配置され、ドーム44に対向する面に突起部49を備えている。弾性体46は、機器の筐体50と回路基板43との間に配置され、実施例3では回路基板43の四隅に設けられている。弾性体46の高さとしては、例えば1mm〜5mm程度である。
【0045】
弾性体46の材質としては、例えばウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、イソプロピレンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等のゴムを用いることができる。
【0046】
また、例えばシリル基を含む湿気硬化型の弾性接着剤を用いることもできる。この接着剤は、室温で硬化し、硬化後はゴム弾性と接着性とを有しているため、回路基板43あるいは筐体50表面の凹凸状態に関わらず、弾性体46を回路基板43と筐体50との間に容易に配置することができる。
【0047】
次に、キー入力装置のクリック時の動作について、図9および図10を参照して説明する。
【0048】
図9および図10は、実施例3における、キー入力装置のクリック時の動作について説明するための断面図である。図11は、実施例3における、クリック時の押圧荷重、操作者の指が受ける荷重、およびドームの反力の時間変化を示す説明図である。
【0049】
まず、図11における経過時間がA’からB’の間において、図9(a)に示す状態からキートップ45を押圧する。キートップ45を押圧すると、突起部49がドーム44に接触した後 図9(b)に示すように、ドーム44が徐々に変形し、これに伴ってドーム44の高さが減少していく。この時、回路基板43の弾性力よりも弾性体46の弾性力の方が大きいため、回路基板43の変位量よりも弾性体46の変位量の方が大きくなる。弾性体46が変形している間は、キートップ45の押圧荷重と、ドーム44および弾性体46の反力の和とは釣り合った状態となっており、弾性体46の変位量をσy’、ドーム44の変位量(ドームストローク)をσhとすると、
σy’≧σh
で表すことができる。
【0050】
その後、経過時間がB’からC’の間において、ある荷重に達した時に、図10(a)に示すように、飛び移りと呼ばれる座屈が起こる。座屈が起こるとドーム44は反力を失って加速度運動しながら急激に潰れ、衝撃音を発して中心電極41に衝突する。これにより、ドーム44はスイッチとして作用し、中心電極41と周辺電極42とを電気的に接続することができる。
【0051】
座屈以降では、弾性体46は板ばねとして機能し、弾性体46のばね運動(減衰振動)によってドーム44の中心電極41への衝突と引き離しが繰り返されながら、徐々に弾性体46の振幅が減衰していく。この座屈から振幅の減衰までの時間帯に起こる反力の変化や衝撃等が、クリック感として操作者に伝達される。
【0052】
その後、図10(b)に示すように、ドーム44と中心電極41との接触を維持したまま、弾性体46は元の形状に復元する。
【0053】
このように、回路基板43と筐体47との間に弾性体46を配置することにより、回路基板43の可動質量を操作者の指の可動質量よりも小さくすることができるため、弾性体46のばね運動(減衰振動)によって座屈時の反力の変化や衝撃等の伝達を持続させることができる。その結果、操作者はクリック感を感じることができる。
【0054】
さらに、上述の構成によれば、キートップ45の形状を簡略化することができるため、キートップ45の製造が容易であり、クリック感を損なうことなくキートップ45の小型化を図ることができる。
【0055】
次に、実施例3におけるキー入力装置の変形例について、図12および図13を参照して説明する。
【0056】
図12(a)は、実施例3におけるキー入力装置の変形例を示す平面図である。図12(b)は、実施例3におけるキー入力装置の変形例の、図12(a)に示す一点鎖線F−F’における断面図である。なお、図12(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム44aおよび筐体50aは省略している。また、図12(a)および図12(b)では、回路基板43a上の配線は省略している。
【0057】
図12(a)および図12(b)に示すように、それぞれのキートップが中心電極からの距離が等しい4個の弾性体46aを有するように、弾性体46aが回路基板43aと筐体47aとの間に配置されている。
【0058】
図13(a)は、実施例3におけるキー入力装置の別の変形例を示す平面図、図13(b)は、実施例3におけるキー入力装置の別の変形例の、図13(a)に示す一点鎖線G−G’における断面図である。なお、図13(a)では、平面視により直接見ることができない箇所を点線で示しており、ドーム44bおよび筐体50bは省略している。また、図13(a)および図13(b)では、回路基板43b上の配線は省略している。
【0059】
図13(a)および図13(b)に示すように、筐体50bと回路基板43bとの間に、シート状の弾性体46bを設けている。
【0060】
図12または図13に示す構成によれば、いずれもキートップ45a,45bを押した時の回路基板43a,43bの傾きが抑えられるとともに、キートップ45a,45bの配置場所に起因する弾性体の変位量の差が小さくなる。このため、キートップの配置場所によるクリック感の感度の違いを抑えることができる。
【実施例4】
【0061】
実施例4について、図14および図15を参照して説明する。
【0062】
図14は、実施例4における電子機器の平面図であり、実施例1におけるキー入力装置60を組み込んだ携帯電話の平面図である。図15は、実施例4における電子機器の、図14に示す一点鎖線H−H’における断面図である。なお、図14では、平面視により直接見ることができないキー入力装置60の回路基板71を点線で示している。また、図15では、回路基板71と電気的に接続されているマザーボードや、マザーボードに実装されている電子部品等は省略している。
【0063】
図14および図15に示すように、携帯電話は、マイク72と複数のキートップ73とを有する第1の筐体74と、スピーカ75と表示部76とを有する第2の筐体77と、携帯電話70の開位置と折り畳み位置との間で第1の筐体74と第2の筐体77とを回動させるヒンジ部78とを有している。
【0064】
キー入力装置60は第1の筐体73中に組み込まれている。キー入力装置60のキートップ73は操作キーとして用いられ、第1の筐体74の開口79を介して第1の筐体74から露出している。
【0065】
このように、実施例1におけるキー入力装置60を携帯電話に組み込むことにより、携帯電話70の操作者はキー入力時にクリック感を感じることができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は特定の実施例に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施例1の変形例を、実施例2に適用することも可能である。また、実施例3の図13において、回路基板43と異なる面積を有する弾性体46bを配置することもできる。また、本発明のキー入力装置は、実施例4において説明した携帯電話の他に、PDA、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ(DSC)等の電子機器にも用いることができる。
【符号の説明】
【0067】
1,1a,1b 中心電極
2,2a,2b 周辺電極
3,3a,3b 回路基板
4,4a,4b ドーム
5,5a,5b キートップ
6,6a,6b 切り欠き部
7,7a,7b 配線
8,8a,8b 筐体
9,9a,9b 開口
10,10a,10b 上層部
11,11a,11b 中空部
12,12a,12b 下層部
13,13a,13b 第1の平板部
14,14a,14b 側壁部
15,15a,15b 側壁部
16,16a,16b 第2の平板部
17,17a,17b 突起部
18,18a,18b 筐体
19 指
21 中心電極
22 周辺電極
23 回路基板
24 ドーム
25 キートップ
26 切り欠き部
27 配線
28 筐体
29 開口
30 上層部
31 中空部
32 下層部
33 第1の平板部
34 側壁部
35 側壁部
36 第2の平板部
37 突起部
38 端部
41,41a,41b 中心電極
42,42a,42b 周辺電極
43,43a,43b 回路基板
44,44a,44b ドーム
45,45a,45b キートップ
46,46a,46b 弾性体
47,47a,47b 筐体
48,48a,48b 開口
49,49a,49b 突起部
50,50a,50b 筐体
51 指
60 キー入力装置
71 回路基板
72 マイク
73 キートップ
74 第1の筐体
75 スピーカ
76 表示部
77 第2の筐体
78 ヒンジ部
79 開口



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が備えられた回路基板と、
前記電極の上方に配置されたドームと、
前記ドームの上方に配置され、上層部と、前記上層部の下方に配置され、前記上層部の弾性力よりも大きい弾性力を有する下層部と、前記上層部と前記下層部との間に設けられた中空部とを備えたキートップと
を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項2】
前記下層部は、前記ドームに接触する突起部を備えることを特徴とする請求項1記載のキー入力装置。
【請求項3】
前記下層部の厚さは、前記上層部の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のキー入力装置。
【請求項4】
前記上層部の材料と前記下層部の材料とは異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項5】
前記電極は、前記ドームの内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項6】
筐体と、
弾性体を介して前記筐体上に配置され、電極が備えられた回路基板と、
前記電極の上方に配置されたドームと、
前記ドームの上方に配置されたキートップと
を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項7】
電極が備えられた回路基板と、
前記電極の上方に配置されたドームと、
前記ドームの上方に配置され、上層部と、前記上層部の下方に配置され、前記上層部の弾性力よりも大きい弾性力を有する下層部と、前記上層部と前記下層部との間に設けられた中空部とを備えたキートップと
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
筐体と、
弾性体を介して前記筐体上に配置され、電極が備えられた回路基板と、
前記電極の上方に配置されたドームと、
前記ドームの上方に配置されたキートップと
を有することを特徴とする電子機器。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−70874(P2011−70874A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220011(P2009−220011)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】