説明

キー入力装置

【課題】少ない部品数でキー入力装置を構成する。
【解決手段】キー入力装置は、キースイッチを操作するための複数のキートップ200と、上記キートップを裏から照射するバックライト530と、上記キートップの上下動に応じて開閉する接点を形成する信号線パターン、および上記バックライトに電力を供給する電力線パターンが印刷された基板500と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の入力に用いられるキー入力装置に関し、特に、バックライトによりキートップが発光するキー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暗い環境において、情報処理装置の操作を補助するために、光る操作部を有する情報処理装置が近年開発されている。例えば、特許文献1には、キートップと、キートップを上下動させるためのギアリンク部と、ギアリンク部を保持するためのハウジング部と、ゴムアクチュエータと、メンブレンシートと、ギアリンク部をハウジング部により固定するためのサポートパネルと、導光板と、導光板に光を入射させる発光ダイオードとを有し、キーが発光するキーボードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−118311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記キーボードは、構成部品数が多い。このため、組立工数が多くなり、材料費が高くなるという問題があった。そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、少ない部品で構成することが可能な、新規かつ改良されたバックライト付のキー入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、キースイッチを操作するための複数のキートップと、上記キートップを裏から照射するバックライトと、上記キートップの上下動に応じて開閉する接点を形成する信号線パターン、および上記バックライトに電力を供給する電力線パターンが印刷された基板と、を有する、キー入力装置が提供される。
【0006】
かかる構成によれば、押下されたキーに応じた入力信号を生成するための信号線パターンと、キートップを照射する光源に電力を供給するための電力線パターンとが同一の基板上に印刷される。このため、電力線パターンの印刷される部品が、信号線パターンの印刷される部品と異なる場合と比較して、部品数が減少する。このため、組立て工数および材料費の低減が実現される。
【0007】
また、上記基板は、リジッド基板であってよい。
【0008】
また、上記バックライトは、複数の上記キートップの裏にそれぞれ設けられてよい。
【0009】
また、上記キースイッチは、上記キートップの裏に当該キートップを上下動させるためのアクチュエータを有し、上記アクチュエータは、上記基板に溶着されてよい。
【0010】
また、上記基板は、ガラスエポキシ基板であってよい。
【0011】
また、上記アクチュエータは、少なくとも一部が導電性を有し、上記キートップが押下されたときに上記接点と上記導電性を有する部分とが接触することにより入力信号が生成されてよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、バックライト付のキー入力装置を少ない部品数で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る入力装置を有する情報処理装置の外観図である。
【図2】同実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図3】同実施形態にかかる情報処理装置の入力装置部分の概要図である。
【図4】同実施形態にかかる入力装置のキースイッチ構造の一例を示す分解斜視図である。
【図5】同実施形態にかかる入力装置の入力信号を生成する信号線のマトリックス構造の概要を示す説明図である。
【図6】同実施形態にかかる入力装置の基板上の信号線と電力線との配線パターン例を示す説明図である。
【図7】同実施形態にかかる入力装置の断面構造の一例を示す断面図である。
【図8】同実施形態にかかる入力装置のキースイッチ構造のうち機構部の溶着について説明するための説明図である。
【図9】従来の入力装置のキースイッチ構造の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.ハードウェア構成
3.キースイッチ構造
3−1.従来のキースイッチ構造
3−2.本実施形態のキースイッチ構造
3−3.基板構成
3−4.組立例
【0016】
<1.概要>
まず、本発明の一実施形態に係る入力装置を有する情報処理装置の概要について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置を有する情報処理装置の外観図である。
【0017】
ノートPC(Personal Computer)10は、入力装置を有する情報処理装置の一例である。このノートPC10は、表示装置側の筐体12と入力装置側の筐体14とを有する。なお、以下の実施形態においては、本発明の一実施形態に係る入力装置について説明するために、このノートPC10が用いられる。しかし、本発明は、かかる例に限定されない。本発明の一実施形態に係る入力装置は、その他あらゆる情報処理装置に搭載されてよい。或いは、入力装置は、情報処理装置と別体の装置であり、ケーブル又は通信路等を介して情報処理装置に入力信号を送信してもよい。
【0018】
上述の通り、本実施形態に係る入力装置は、光るキートップを実現するために、バックライトを有する。バックライトを有する入力装置は、バックライトを有さない入力装置と比較して、構成部品が多くなる。例えば、導光板の一部に光源を設置することで、導光板を経由して複数のキートップを照明するバックライトキーボードがある。この入力装置は、バックライトを有さない入力装置の構成に加えて、板状材料である導光板を有する。このため、構成部品が多く、組立工数が多くかかっていた。また、この入力装置は、1つの光源の発する光を多くのキートップの照明に用いていた。このため、光の伝導効率が悪く、十分な輝度を得るためには大きな電力を必要としていた。
【0019】
このため、本実施形態では、少ない部品数で構成されたバックライト付のキー入力装置について説明する。少ない部品数で構成されることにより、キー入力装置の組立工数が低減される。かかるキー入力装置の構成について、以下説明していく。
【0020】
<2.ハードウェア構成>
次に、図2および図3を参照しながら、本発明の一実施形態に係る入力装置を有する情報処理装置の一例であるノートPC10のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成図である。図3は、本実施形態にかかる情報処理装置の入力装置部分の概要図である。
【0021】
ノートPC10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ホストバス104と、ブリッジ105と、外部バス106と、インタフェース107と、入力装置108と、出力装置109と、ストレージ装置(HDD)110と、ドライブ111と、通信装置112とを有する。
【0022】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってノートPC10内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM102は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
【0023】
ホストバス104は、ブリッジ105を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。なお、必ずしもホストバス104、ブリッジ105および外部バス106を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0024】
入力装置108は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。ノートPC10のユーザは、該入力装置108を操作することにより、サーバ装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、この入力装置108のうちキーボード部分について主に説明される。図3に示されるように、ノートPC10は、入力装置側の筐体14に複数のキートップ200により操作されるキースイッチと、タッチパッド210と、ボタン220とを有する。このキースイッチと、タッチパッド210と、ボタン220とは、入力装置108の一例である。
【0026】
出力装置109は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置と、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置で構成される。出力装置109は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0027】
ストレージ装置110は、本実施形態にかかるノートPC10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。このストレージ装置110は、ハードディスクを駆動し、CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0028】
ここで、ストレージ装置110は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリが記憶媒体として用いられるが、上記に限られない。
【0029】
ドライブ111は、記憶媒体用リーダライタであり、ノートPC10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ111は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体120に記録されている情報を読み出して、RAM103に出力する。
【0030】
通信装置112は、例えば、通信網50に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置112は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、ワイヤレスUSB対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0031】
<3.キースイッチ構造>
次に、図4〜図9を参照しながら、本実施形態に係るキースイッチ構造の一例について、従来のキースイッチ構造例と比較しながら説明する。図4は、本実施形態にかかる入力装置のキースイッチ構造の一例を示す分解斜視図である。図5は、本実施形態にかかる入力装置の入力信号を生成する信号線のマトリックス構造の概要を示す説明図である。図6は、本実施形態にかかる入力装置の基板上の信号線と電力線との配線パターン例を示す説明図である。図7は、本実施形態にかかる入力装置の断面構造の一例を示す断面図である。図8は、本実施形態にかかる入力装置のキースイッチ構造のうち機構部の溶着について説明するための説明図である。図9は、従来の入力装置のキースイッチ構造の一例を示す分解斜視図である。
【0032】
典型的にはキーボードとして実現されるキー入力装置は、それぞれのキースイッチに割当てられた入力信号をタイプされた順に入力する。キースイッチひとつひとつは、信号をON/OFFするスイッチであり、通常の状態ではOFF、押し下げた状態でONとなる。この機能を実現するために、キースイッチは、キースイッチを操作するための操作部と、キートップを上下動させ、キートップを押し下げて行く過程の感触、いわゆるタイプ感を作り出すアクチュエータと、キートップの上下動に応じた入力信号を生成するスイッチ部と、を主に有する。また、光るキートップを実現するために、キー入力装置は、上記の構成に加えて光源部を有する。
【0033】
(3−1.従来のキースイッチ構造)
ここで、まずは従来の入力装置のキースイッチ構造について、図9を参照しながら説明する。従来のキースイッチ構造によれば、キースイッチは、複数のキートップ200と、機構部300と、ラバードーム400と、機構取り付け板910と、メンブレンシート920と、導光板930と、光源940と、支持板金950とを主に有する。
【0034】
キートップ200は、キーを操作するための操作部の一例である。キートップ200は、下部から照射される光を透過させる透過部を少なくとも一部に有する。キートップ200の表面には、一般的に、当該キートップ200の操作により入力することができる文字又は記号などが記載される。或いは、キートップ200の表面には、当該キートップ200の操作により入力することができる操作内容を示す文字が記載される。
【0035】
機構部300およびラバードーム400は、キートップ200が押圧されると、キーを上下動させるとともに、キーを押し下げて行く過程の感触、いわゆるタイプ感を作り出すアクチュエータの一例である。機構部300は、機構取り付け板910に固定され、キートップ200を保持する。機構部300は、キートップ200を通常位置に保持すると共に、ユーザによりキートップ200が押し下げられると、押し下げられた状態から再び通常位置へ復帰させるまでの上下動を補助する役割を有する。
【0036】
ラバードーム400は、ドーム状のばねである。また、本実施形態においてラバードーム400は、キートップ200が押圧されるとともに変形してメンブレンシート920に形成された、信号パターンの接点を接続させる。
【0037】
機構取り付け板910は、機構部300を取付けるための板状の部材である。機構取り付け板910は、導光板930から照射される光を透過させるために、透過性を有することが望ましい。
【0038】
メンブレンシート920は、2枚の薄膜の間に穴の開いた絶縁シートが挟まれている。キートップ200が押圧されると、絶縁シートの穴があいた部分を介して2枚の薄膜が接触する。この2枚の薄膜が接触する部分には、接点が設けられている。メンブレンシート920は、この接点が接触すると、入力信号を生成する。
【0039】
導光板930は、光源940からの光を伝える板状の部材である。なお、図示していないが、この導光板930は、複数のキートップ200の下部領域に渡って設けられ、複数のキートップ200を照明する機能を有する。
【0040】
光源940は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子である。光源940は、発した光を導光板930を介してキートップ200を照明する。
【0041】
支持板金950は、キートップ200と、機構部300と、ラバードーム400と、機構取り付け板910と、メンブレンシート920と、導光板930と、光源940と、を保持する。支持板金950は、タイピング時の圧力に耐えられるように、ある程度の強度を有するものであることが好ましい。
【0042】
以上説明したように、従来のキースイッチ構造は、複数の板状部材を含み、構成部品が多いために組立て工数が多かった。これに対して、次に説明する本実施形態のキースイッチ構造は、基板500上に入力信号を生成するための信号線パターンと、光源であるLED530に電力を供給するための電力供給パターンとを印刷する。そしてさらに、基板500上に機構部300、ラバードーム400、及びLED530が直接接着される。これにより、構造が簡素化される。
【0043】
(3−2.本実施形態のキースイッチ構造)
次に、本実施形態に係る入力装置のキースイッチ構造について、図4を参照しながら説明する。本実施形態の構造によれば、キースイッチは、キートップ200と、機構部300と、ラバードーム400と、基板500と、LED530と、を主に有する。
【0044】
キートップ200は、キースイッチを操作するための操作部の一例である。キートップ200は、機構部300により保持される。キートップ200は、下部から照射される光を透過させる透過部を少なくとも一部に有する。キートップ200の表面には、一般的に、当該キートップ200の操作により入力することができる文字又は記号などが記載される。或いは、キートップ200の表面には、当該キートップ200の操作により入力することができる操作内容を示す文字が記載される。
【0045】
機構部300およびラバードーム400は、キートップ200が押圧されると、キーを上下動させるとともに、キーを押し下げて行く過程の感触、いわゆるタイプ感を作り出すアクチュエータの一例である。機構部300は、例えば基板500に固定され、キートップ200を保持する。機構部300は、キートップ200を通常位置に保持すると共に、ユーザによりキートップ200が押し下げられると、押し下げられた状態から再び通常位置へ復帰させるまでの上下動を補助する役割を有する。ラバードーム400は、ドーム状のばねである。また、本実施形態においてラバードーム400は、キートップ200が押圧されるとともに変形して基板500に形成された信号パターンの接点と接触する。これによりラバードーム400は、キートップ200の上下動に応じて接点を開閉する。このため、ラバードーム400は、少なくとも上記接点と接触する部分が導電性を有する。
【0046】
基板500は、キートップ200の上下動に応じた入力信号を生成するスイッチ部の機能を有する。基板500は、例えばガラスエポキシ印刷配線板である。この基板500上には、入力信号を生成するための接点が設けられた信号回路パターンが形成される。この信号回路パターンは、キー位置に対応する位置に接点が設けられる。また、基板500上には、LED530に電力を供給するための電力供給パターンが形成される。この電力供給パターンは、キー位置に対応する位置にLED530に電力を供給するための+接点と−接点とが設けられる。LED530は、+端子と−端子とを有し、電力供給パターンの+接点と−接点とにそれぞれ半田付けされる。なお、この基板500の詳細については、後述される。
【0047】
LED530は、基板500上において、キートップ200を下方から照射する光源の一例である。このとき、LED530は、キートップ200全面を照射することができる位置に配置されることが望ましい。また、LED530は、近紫外線を発する近紫外線LEDであってよい。例えばキートップ200に蓄光材料が含まれている場合には、近紫外線LEDを用いることにより、キートップ200に用いられた蓄光材料の発光効率が高まるという効果がある。
【0048】
(3−3.基板構成)
次に、本実施形態に係る基板500の詳細な構成について図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、本実施形態にかかる入力装置の入力信号を生成する信号線のマトリックス構造の概要を示す説明図である。図6は、本実施形態にかかる入力装置の基板上の信号線と電力線との配線パターン例を示す説明図である。
【0049】
基板500上に形成される信号線パターンは、図5に示すように、横方向のX線と縦方向のY線とが、キートップ200の配置と対応する配置で交わり、接点を形成している。この接点は、キートップ200の上下動に応じて開閉する。すなわち、この接点はX線と接続されるX接点とY線と接続されるY接点とにより形成される。そして、X接点とY接点とは、キートップ200が通常位置に保持されているときには“開”状態(即ちX接点とY接点とが接続されていない状態)である。また、キートップ200が押圧されて、ラバードーム400を押圧し、ラバードーム400の導電性を有する部分がX接点とY接点との両方と接触したときには、X接点とY接点とは“閉”状態(即ちX接点とY接点とが接続された状態)である。
【0050】
基板500上には、信号線パターンと電力線パターンとが形成される。この信号線パターンと電力線パターンとは、例えばプリント配線により形成される。信号線パターンと電力線パターンとの配線例が図6に示される。
【0051】
例えば図5において、X3の信号線とY1の信号線とが交わった接点1は、図6のY接点1YとX接点1Xにより形成される。また、この接点1の近傍には、LED530に対して電力を供給するための電力線と接続する端子が設けられる。即ち、図6の接点1+と接点1−とを、LED530の+端子と−端子とがそれぞれ半田付けされる。すなわち、Y接点1Y、X接点1X、接点1+、および接点1−は、接点1と対応づけられたキートップ200の裏に設けられる。すなわち、LED530は、キートップ200のそれぞれに対応して設けられる。
【0052】
なお、基板500は、キートップ200が押圧される度に接点に衝撃が加わる。このため、基板500は、耐久性を有する材質が用いられることが好ましい。基板500は、リジッド基板であってよい。また、より具体的には、基板500は、ガラスエポキシ基板であってよい。
【0053】
(3−4.組立例)
以上、本実施形態に係る入力装置のキースイッチを構成する主な構成要素について説明してきた。これらの構成要素は、例えば図7に示すように組合わされる。これにより、キートップ200がユーザにより押圧されると、機構部300及びラバードーム400が下方に押し下げられる。このとき、ラバードーム400は変形して基板500上の接点を接続する。接点が接続されると、接続された接点に応じた入力信号が生成される。なお、機構部300およびラバードーム400を含むアクチュエータは、基板500に直接接着されてよい。
【0054】
なお、ここで示した物理的構造は一例であり、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図7に示したキースイッチ構造は、図4の例と異なり、機構部300としてパンタグラフ型のアクチュエータが用いられている。また、機構部300が省略された構造であってもよい。
【0055】
なお、本実施形態に係る入力装置のキースイッチは、基板500に直接機構部300が溶着される。この溶着の様子の一例が、図8に示される。機構部300は、基板500に設けられた溶着穴を利用して溶着される。溶着穴に機構部300を通した後、機構部が溶着された様子が符号330の部分に示される。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0057】
10 ノートPC(情報処理装置)
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ホストバス
105 ブリッジ
106 外部バス
107 インタフェース
108 入力装置
109 出力装置
110 ストレージ装置(HDD)
111 ドライブ
112 通信装置
200 キートップ
300 機構部(アクチュエータ)
400 ラバードーム(アクチュエータ)
500 基板(スイッチ部)
530 LED(光源部)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
キースイッチを操作するための複数のキートップと、
前記キートップを裏から照射するバックライトと、
前記キートップの上下動に応じて開閉する接点を形成する信号線パターン、および前記バックライトに電力を供給する電力線パターンが印刷された基板と、
を備える、キー入力装置。
【請求項2】
前記基板は、リジッド基板である、請求項1に記載のキー入力装置。
【請求項3】
前記バックライトは、複数の前記キートップの裏にそれぞれ設けられる、請求項1または2のいずれかに記載のキー入力装置。
【請求項4】
前記キースイッチは、前記キートップの裏に当該キートップを上下動させるためのアクチュエータを有し、
前記アクチュエータは、前記基板に溶着される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項5】
前記基板は、ガラスエポキシ基板である、請求項2に記載のキー入力装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、少なくとも一部が導電性を有し、前記キートップが押下されたときに前記接点と前記導電性を有する部分とが接触することにより入力信号が生成される、請求項4に記載のキー入力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−133909(P2012−133909A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282893(P2010−282893)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】