説明

クライアント・サーバシステム

【課題】サーバ装置の電源状態を好適に制御することができ、ユーザにとって使い勝手のよいクライアント・サーバシステムを提供する。
【解決手段】クライアント端末装置4は、電源オフ移行通知手段(電源オフ移行通知プログラム453a等)により、サーバ装置2とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に電源オフ移行通知信号をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2は、判断手段(判断プログラム243b等)により、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであるか否かを判断し、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4である場合に、電源オフ移行手段(電源オフ移行プログラム243c等)により電源オフ状態に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のクライアント端末装置とサーバ装置とが無線ネットワークを介して接続されるクライアント・サーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して、サーバ装置からクライアント端末装置に情報(コンテンツ情報)を提供するシステムが利用されている。サーバ装置には、例えば、テレビジョン装置、ビデオレコーダ、PVR(Personal Video Recorder)、BS(Broadcasting Satellite)放送やCS(Communication Satellite)放送のチューナ、STB(Set Top Box
)、DVD(Digital Versatile Disk)プレイヤー、オーディオ装置などの複数種類のAV機器が接続されており、サーバ装置に接続されるAV機器に対応したコンテンツ情報を、サーバ装置からクライアント端末装置に転送して提供することができるようになっている。
【0003】
ところで、このようなクライアント・サーバシステムでは、クライアント端末装置或いはサーバ装置の電源状態を、もう一方の装置により制御することが行われている。
例えば、特許文献1に開示された携帯型記憶媒体を用いたパソコン制御システム及びその記憶媒体によれば、携帯型記憶媒体のクライアントパソコンへの装着に応答して、ホストパソコンを起動して制御し、また、ホストパソコンの電源がオフであるときには当該電源をオンとした後、ホストパソコンを起動して制御する。この構成により、何時でも何処でもホストパソコンの利用環境をそのまま利用可能とし、ホストパソコンの電源がオフ状態であってもクライアントパソコンからの制御により当該電源をオン状態として利用可能として、省電力化を図ることができる。
また、例えば、特許文献2に開示されたネットワーク資産のマウント方式によれば、サーバマシン側に、クライアントマシン側からのリモートマウント要求に応じてサーバマシンの電源を制御するためのサーバマシン自動電源制御手段を設け、このサーバマシン自動電源制御手段は、クライアントマシンから発せられたリモートマウント要求を受け付け、リモートマウント要求を受け付けたことを条件として、サーバマシンの電源を投入してサーバマシンのオペレーションシステムを起動する。これにより、リモートマウント要求に応じた処理をサーバマシンに実行させ、マウント先のサーバマシンが起動されていない場合であっても、クライアントマシンからサーバマシンが持つハードウェア資産に対するリモートマウントを可能とすることができる。
また、特許文献3に開示された情報処理装置によれば、主処理装置及び端末装置にそれぞれ通信装置を設け、主処理装置に設けられた待機制御部を、通信装置を介して端末装置により制御することにより、主処理装置の稼動状態によらず端末装置からのシステムの動作制御を可能とすることができる。
さらに、特許文献4に開示された携帯情報端末及び本体情報機器並びにこれらの通信システムによれば、携帯情報端末と本体情報機器の両方にワイヤレス通信装置を設け、本体情報機器には電源の制御と本体情報機器の動作を制御するための常時動作する手段を設けて、携帯情報端末上での操作によって本体情報機器の電源スイッチの状態に関係なく、また携帯情報端末上での操作だけで携帯情報端末から本体情報機器へデータを送信する。この構成により、使用者は本体情報機器の電源スイッチの状態を意識することなく携帯情報端末の操作だけで本体情報機器へのデータ転送を行うことができるようになり、携帯情報端末と本体情報機器の間の通信を携帯情報端末を操作するだけで行うことができる。
【特許文献1】特開2005−165554号公報
【特許文献2】特開2000−305664号公報
【特許文献3】特開平11−259188号公報
【特許文献4】特開平9−233563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記特許文献1〜4の技術では、クライアント端末装置によりサーバ装置の電源状態を制御することは可能であるものの、当該サーバ装置に他のクライアント端末装置が接続されている場合に、一のクライアント端末装置によりサーバ装置の電源がオフされてしまうと、他のクライアント端末装置とサーバ装置との接続が切断されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、サーバ装置の電源状態を好適に制御することができ、ユーザにとって使い勝手のよいクライアント・サーバシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オフ移行通知手段と、
前記サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を前記サーバ装置に送信するスタンバイ移行通知手段と、
電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オン移行通知手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号若しくは前記電源オン移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記受信手段による前記電源オフ移行通知信号の受信に基づいて、電源オフ状態に移行する電源オフ移行手段と、
前記受信手段による前記スタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、スタンバイ状態に移行するスタンバイ移行手段と、
前記受信手段による前記電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン状態に移行する電源オン移行手段と、を備え、
前記電源オフ移行手段及び前記スタンバイ移行手段は、前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に実行されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オフ移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オフ移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記電源オフ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に、前記受信手段による前記電源オフ移行通知信号の受信に基づいて、電源オフ状態に移行する電源オフ移行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を前記サーバ装置に送信するスタンバイ移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記スタンバイ移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記スタンバイ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に、前記受信手段による前記スタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、スタンバイ状態に移行するスタンバイ移行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のクライアント・サーバシステムにおいて、前記クライアント端末装置は、
電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オン移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オン移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段による前記電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン状態に移行する電源オン移行手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、クライアント端末装置は、サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ移行通知手段により電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号をサーバ装置に送信し、サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ移行通知手段によりスタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号をサーバ装置に送信し、電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン移行通知手段により電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号をサーバ装置に送信する。また、サーバ装置は、受信手段により電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号若しくは電源オン移行通知信号を受信し、受信手段により電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を受信した際に、判断手段により当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する。さらに、電源オフ移行手段により、受信手段による電源オフ移行通知信号の受信に基づいて電源オフ状態に移行し、スタンバイ移行手段により、受信手段によるスタンバイ移行通知信号の受信に基づいてスタンバイ状態に移行し、電源オン移行手段により、受信手段による電源オン移行通知信号の受信に基づいて電源オン状態に移行し、電源オフ移行手段及びスタンバイ移行手段は、判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に実行される。従って、サーバ装置に他のクライアント端末装置が接続されていない場合にのみ、一のクライアント端末装置の制御により当該サーバ装置の電源状態を電源オフ状態又はスタンバイ状態に好適に制御することができ、また、手動でサーバ装置を電源オフ状態又はスタンバイ状態或いは電源オン状態に制御する手間を省くことができることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いクライアント・サーバシステムを提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、クライアント端末装置は、電源オフ移行通知手段により、サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、受信手段により電源オフ移行通知信号を受信した際に、判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断し、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断した場合に、電源オフ移行手段により電源オフ状態に移行する。従って、サーバ装置に他のクライアント端末装置が接続されていない場合にのみ、一のクライアント端末装置の制御により当該サーバ装置の電源状態を電源オフ状態に好適に制御することができ、また、手動でサーバ装置を電源オフ状態に制御する手間を省くことができることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いクライアント・サーバシステムを提供することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、クライアント端末装置は、スタンバイ移行通知手段により、サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することをサーバ装置に通知し、サーバ装置は、受信手段によりスタンバイ移行通知信号を受信した際に、判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断し、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断した場合に、スタンバイ移行手段によりスタンバイ状態に移行する。従って、サーバ装置に他のクライアント端末装置が接続されていない場合にのみ、一のクライアント端末装置の制御により当該サーバ装置の電源状態をスタンバイ状態に好適に制御することができ、また、手動でサーバ装置をスタンバイ状態に制御する手間を省くことができることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いクライアント・サーバシステムを提供することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、クライアント端末装置は、電源オン移行通知手段により、電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、受信手段による電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン移行手段により電源オン状態に移行する。従って、クライアント端末装置の制御により、サーバ装置の電源状態をスタンバイ状態に制した後に、再び電源オン状態に制御することができるので、手動で電源オン状態に制御する手間を省くことができることとなって、ユーザにとってより使い勝手の良いクライアント・サーバシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
<構成>
まず、クライアント・サーバシステムS、サーバ装置2及びクライアント端末装置4の構成を説明する。
【0016】
[クライアント・サーバシステムの構成]
クライアント・サーバシステムSは、例えば、図1に示すように、各種AV機器1を接続するサーバ装置2と、出力装置3を接続する複数のクライアント端末装置4…と、などから構成される。サーバ装置2とクライアント端末装置4とは、無線ネットワークNを介して接続されており、互いに情報を送受信することができるようになっている。クライアント端末装置4は、機器本体41とリモコン42を備えて構成されている。
なお、サーバ装置2に対するクライアント端末装置4の個数は、図1の限りではない。
【0017】
サーバ装置2からクライアント端末装置4に送信される情報として、例えば、コンテンツ情報などがある。コンテンツ情報は、例えば、サーバ装置2に接続された各種AV機器1から取得され、クライアント端末装置4に接続された出力装置3に出力される。
クライアント端末装置4からサーバ装置2に送信される情報として、例えば、制御要求などがある。制御要求は、サーバ装置2とのリンク確立後に、サーバ装置2から送信されているコンテンツ情報を要求するものである。
具体的には、例えば、クライアント端末装置4は、リモコン42から一のコンテンツ情報に対する制御要求に関する信号を受信すると、当該信号に対応する制御要求をサーバ装置2に送信する。当該制御要求を受信したサーバ装置2は、各種AV機器1などに対して、当該制御要求に対応した制御を実行し、当該実行の結果、得られた情報を、クライアント端末装置4に送信する。そして、当該情報を受信したクライアント端末装置4は、出力装置3などに、当該情報を出力する。
【0018】
無線ネットワークNは、例えば、Bluetooth規格やIEEE(Institute of Electrical and
Electronic Engineers)802.11規格に準じた無線LAN(Local Area Network)などのネットワークである。
【0019】
リモコン42は、例えば、図2に示すように、各種入力ボタンなどを備え、ユーザによって、各種入力ボタンのうちの何れかの入力ボタンが押下されると、当該入力ボタンに対応した信号を、クライアント端末装置4のリモコン信号受光部41に送信する。具体的には、リモコン42は電源オン/スタンバイキー42aを備え、当該電源オン/スタンバイキー42aを操作すると、クライアント端末装置4が電源オン状態/スタンバイ状態となる。
【0020】
[クライアント端末装置の構成]
クライアント端末装置4は、例えば、図2に示すように、リモコン信号受光部41、デコーダ42、主電源部43、予備電源部44、制御部45、無線通信部46、などを備えて構成される。各部は、バス47によって接続されている。そして、クライアント端末装置4は、出力装置3を接続しており、リモコン42によって操作できるようになっている。
【0021】
リモコン信号受光部41は、例えば、リモコン42から送信された各種リモコン信号を受信する。
【0022】
デコーダ42は、例えば、制御部45からの指示に従って、無線通信部46により受信されたコンテンツを、デコードして、出力装置3に出力する。
【0023】
主電源部43は、例えば、図示しない電源コードを介して商用交流電源から供給された交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧VCC、VDDに変換し、制御部45に出力する。当該主電源部43は、制御部45から出力される電源オンを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を有効化して全装置構成部への電源供給を行い、電源オン状態に移行する。また、電源オフを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を無効化して全装置構成部への電源供給を断ち、電源オフ状態に移行する。さらに、スタンバイを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を一部無効化してデコーダ42等の各装置構成部に対する電源供給を断ち、スタンバイ状態に移行する。
【0024】
予備電源部44は、例えば、充電可能なバッテリー(図示省略)等を内蔵し、所定の場合に、サーバ装置2の各装置構成部に電源を供給する。具体的には、予備電源部44は、電源オフ移行通知プログラム453a又はスタンバイ移行通知プログラム453bの実行において、電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号をクライアント端末装置4に送信する際に、主電源部43に代わって制御部45、無線通信部46等の各装置構成部に対して電源供給を行う。
なお、予備電源部44は、電源オン状態において、主電源部43により充電されるようになっている。
【0025】
ここで、本クライアント端末装置4におけるスタンバイ状態とは、スタンバイ状態に移行する直前の状態をメモリに保存したまま、リモコン42、機器本体41又は無線ネットワークNからの復帰信号(例えば、電源オン信号)のみを受け付け、クライアント端末装置4を構成するその他の各装置構成部への電源供給を遮断した状態をいう。スタンバイ状態では、メモリ等の特定の装置構成部のみが稼動することとなり、電源オン状態への復帰を、電源オフ状態からの復帰に比べて、短時間で行うことができる。
一方、本クライアント端末装置4における電源オフ状態とは、リモコン42や、無線ネットワークNを介して送信されるいかなる信号も受け付けず、機器本体41からの電源オン信号のみを受け付けて、クライアント端末装置4を構成する全ての装置構成部に対しての電源供給が遮断された状態をいい、電源オフ状態に移行する直前のメモリ内容はクリアされる。電源オフ状態では、全装置構成部の稼動が停止するため、電源オフ状態ではスタンバイ状態に比べて電力消費を大幅に抑えることができる。
ここでいう全装置構成部は、本実施形態のクライアント端末装置4では、例えば、リモコン信号受光部41、デコーダ42、主電源部43、予備電源部44、制御部45、無線通信部46等を指している。
本実施形態では、クライアント端末装置4におけるスタンバイ状態が、例えば、リモコン42に備わる電源オン/スタンバイキー42aが操作されることにより実現され、また、クライアント端末装置4における電源オフ状態は、例えば、機器本体41に備わる電源オン/オフキー41aが操作されることにより実現される場合について説明する。
【0026】
制御部45は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)451、RAM(Random Access Memory)452、ROM(Read Only Memory)453などを備えている。
【0027】
CPU451は、ROM453に記憶されたクライアント端末装置4用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0028】
RAM452は、CPU451によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0029】
ROM453は、クライアント端末装置4で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU451によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でROM453に記憶されている。
具体的には、ROM453には、例えば、電源オフ移行通知プログラム453aと、スタンバイ移行通知プログラム453bと、電源オン移行通知プログラム453cと、等が格納されている。
【0030】
電源オフ移行通知プログラム453aは、例えば、CPU451に、サーバ装置2とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を、サーバ装置2に送信する機能を実現するためのプログラムである。
具体的には、CPU451は、例えば、サーバ装置2とのリンク中に、機器本体41に設けられた電源オン/オフキー41aの操作に基づいて生成された制御信号が制御部45に出力されると、当該制御信号に基づいて主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43を電源オフ状態に制御して全装置構成部への電源供給を停止させ、さらに、予備電源部44からの電源供給により、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信する。
CPU451は、かかる電源オフ移行通知プログラム453aを実行することにより、電源オフ移行通知手段として機能する。
【0031】
スタンバイ移行通知プログラム453bは、例えば、CPU451に、サーバ装置2とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を、サーバ装置2に送信する機能を実現するためのプログラムである。
具体的には、CPU451は、例えば、サーバ装置2とのリンク中に、リモコン42の電源オン/スタンバイキー42aの操作に基づいて生成されたリモコン信号がリモコン信受光部41により受信され、制御部45に出力されると、当該リモコン信号に基づいて主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43をスタンバイ状態に制御して所定の各装置構成部への電源供給を停止させ、さらに、予備電源部44からの電源供給により、スタンバイ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信する。
CPU451は、かかるスタンバイ移行通知プログラム453bを実行することにより、スタンバイ移行通知手段として機能する。
【0032】
電源オン移行通知プログラム453cは、例えば、CPU451に、電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号をサーバ装置2に送信する機能を実現するためのプログラムである。
具体的には、CPU451は、例えば、クライアント端末装置4の全装置構成部への電源供給が停止した電源オフ状態で、機器本体41の電源オン/オフキー41aが操作された場合、或いは、所定の各装置構成部への電源供給が行われるスタンバイ状態で、リモコン42の電源オン/スタンバイキー42aが操作された場合に、制御部45に出力された制御信号或いはリモコン信号に基づいて、主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43を電源オン状態に制御して全装置構成部への電源供給を開始させ、さらに、主電源部43からの電源供給により、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信する。
CPU451は、かかる電源オン移行通知プログラム453cを実行することにより、電源オン移行通知手段として機能する。
【0033】
無線通信部46は、例えば、CPU451の制御下にて無線ネットワークNを介してクライアント端末装置4との間で各種情報の送受信を行うものであり、具体的には、サーバ装置2との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナ46aや、電波の送受信をコントロールするメディア・アクセス・コントローラ(MAC)46bなどを備えるIEEE802.11a,b,g規格に準じた無線LANカード(図示省略)等を備えている。
具体的には、無線通信部46は、サーバ装置2の無線通信部46(後述)に対して、電源オフ移行通知プログラム453aの実行に際して電源オフ移行通知信号を送信し、スタンバイ移行通知プログラム453bの実行に際してスタンバイ移行通知信号を送信し、さらに、電源オン処理の実行により電源オン状態に移行した際に電源オン移行通知信号を送信する。当該無線通信部46は、当該電源オフ移行通知信号、スタンバイ移行通知信号、電源オン移行通知信号を送信することにより電源オフ移行通知手段、スタンバイ移行通知手段及び電源オン移行通知手段として機能する。
なお、無線通信部46は、例えば、アンテナ46aを介して送信される信号を増幅する信号増幅部(図示略)を備えても良い。また、無線通信部46は、例えば、情報の送受信に際して送信及び受信に係る機能を切り替えるためのスイッチ(図示略)を備えても良い。
【0034】
出力装置3は、例えば、クライアント端末装置4から入力されるコンテンツ情報(映像情報や音声情報)を出力する。具体的には、例えば、出力装置3は、映像情報を出力する映像出力部31や、音声情報を出力する音声出力部32などを備えている。
【0035】
[サーバ装置の構成]
サーバ装置2は、例えば、図2に示すように、無線通信部21、エンコーダ22、電源部23、制御部24などを備えて構成される。各部は、バス25によって接続されている。そして、サーバ装置2は、各種AV機器1を接続している。
【0036】
無線通信部21は、例えば、クライアント端末装置4に備わる無線通信部46とほぼ同様に、CPU241の制御下にて無線ネットワークNを介してクライアント端末装置4との間で各種情報の送受信を行うものであり、具体的には、クライアント端末装置4との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナ21aや、電波の送受信をコントロールするメディア・アクセス・コントローラ(MAC)21bなどを備えるIEEE802.11a,b,g規格に準じた無線LANカード(図示省略)等を備えている。
具体的には、本発明における無線通信部21は、クライアント端末装置4から送信された電源オフ移行通知信号、スタンバイ移行通知信号、電源オン移行通知信号を受信する。当該無線通信部21は、電源オフ移行通知信号、スタンバイ移行通知信号及び電源オン移行通知信号を受信することにより、受信手段として機能する。
また、MAC21bは、例えば、CPU241の制御による所定のタイミングで(例えば、判断プログラム243bの実行に際して)、サーバ装置2に接続されたクライアント数を検出するようになっている。MAC21bにより検出された接続クライアント数は、制御部24に対して出力されることとなる。
【0037】
エンコーダ22は、例えば、各種AV機器1からサーバ装置2に入力されるコンテンツ情報(映像情報や音声情報)を、所定のファイル形式の圧縮コンテンツ情報(圧縮映像情報や圧縮音声情報)にエンコードする。具体的には、例えば、エンコーダ22は、各種AV機器1からサーバ装置2に入力される映像情報を、MPEG−2(Moving Picture Experts Group phase 2)形式などの圧縮映像情報にエンコードし、各種AV機器1からサーバ装置2に入力される音声情報を、AAC(Advanced Audio Coding)形式などの圧縮音声情報にエンコードする。
【0038】
電源部23は、例えば、図示しない電源コードを介して商用交流電源から供給された交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧VCC、VDDに変換し、制御部24に出力する。当該電源部23は、制御部24から出力される電源オンを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を有効化して全装置構成部への電源供給を行い、電源オン状態に移行する。また、電源オフを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を無効化して全装置構成部への電源供給を断つ電源オフ状態に移行する。さらに、スタンバイを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を一部無効化してエンコーダ22等の各装置構成部に対する電源供給を断ち、スタンバイ状態に移行する。
【0039】
ここで、本サーバ装置2におけるスタンバイ状態とは、スタンバイ状態に移行する直前の状態をメモリに保存したまま、リモコン(図示省略)、機器本体(図示省略)又は無線ネットワークNからの復帰信号(例えば、電源オン信号、電源オン移行通知信号)のみを受け付け、サーバ装置2を構成するその他の各装置構成部への電源供給を遮断した状態をいう。スタンバイ状態では、メモリ等の特定の装置構成部のみが稼動することとなり、電源オン状態への復帰を、電源オフ状態からの復帰に比べて、短時間で行うことができる。
一方、本サーバ装置2における電源オフ状態とは、リモコン(図示省略)や、無線ネットワークNを介して送信されるいかなる信号も受け付けず、機器本体(図示省略)からの電源オン信号のみを受け付けて、サーバ装置2を構成する全ての装置構成部に対しての電源供給が遮断された状態をいい、電源オフ状態に移行する直前のメモリ内容はクリアされる。電源オフ状態では、全装置構成部の稼動が停止するため、電源オフ状態ではスタンバイ状態に比べて電力消費を大幅に抑えることができる。
ここでいう全装置構成部は、本実施形態のサーバ装置2では、例えば、無線通信部21、エンコーダ22、電源部23、制御部24等を指している。
【0040】
制御部24は、例えば、図2に示すように、CPU241、RAM242、ROM243などを備えている。
【0041】
CPU241は、ROM243に記憶されたサーバ装置2用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0042】
RAM242は、CPU241によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0043】
ROM243は、サーバ装置2で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU241によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でROM243に記憶されている。
具体的には、ROM243には、例えば、受信プログラム243aと、判断プログラム243bと、電源オフ移行プログラム243cと、スタンバイ移行プログラム243dと、電源オン移行プログラム243eと等が格納されている。
【0044】
受信プログラム243aは、例えば、CPU241に、クライアント端末装置4から送信された電源オフ移行通知信号、スタンバイ移行通知信号又は電源オン移行通知信号を受信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU241は、クライアント端末装置4とのリンク中に、無線ネットワークNを介してクライアント端末装置4から送信された電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を、無線通信部21により受信する。また、CPU241は、スタンバイ状態において、無線ネットワークNを介してクライアント端末装置4から送信された電源オン移行通知信号を、無線通信部21により受信する。
CPU241は、かかる受信プログラム243aを実行することにより、受信手段として機能する。
【0045】
判断プログラム243bは、例えば、CPU241に、電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が、当該電源オフ状態移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであるか否かを判断する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU241は、クライアント端末装置4から無線ネットワークNを介して送信された電源オフ移行通知信号を無線通信部21により受信すると、MAC21bに、サーバ装置2に接続されているクライアント数を検出させる。そして、MAC21bにより検出されたクライアント数が「1」である場合には、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断して、判断結果を一時的にRAM242に記憶させるとともに、MAC21bにより検出されたクライアント数が「2以上」である場合には、サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信されたクライアント端末装置4のみでないと判断して、判断結果を一時的にRAM242に記憶させる。
また、CPU241は、クライアント端末装置4から無線ネットワークNを介して送信されたスタンバイ移行通知信号を無線通信部21により受信すると、MAC21bに、サーバ装置2に接続されているクライアント数を検出させる。そして、MAC21bにより検出されたクライアント数が「1」である場合には、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断して、判断結果を一時的にRAM242に記憶させるとともに、MAC21bにより検出されたクライアント数が「2以上」である場合には、サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信されたクライアント端末装置4のみでないと判断して、判断結果を一時的にRAM242に記憶させる。
CPU241は、かかる判断プログラム243bを実行することにより、判断手段として機能する。
【0046】
電源オフ移行プログラム243cは、例えば、CPU241に、判断プログラム243bの実行により、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断された場合に、受信プログラム243aの実行による電源オフ移行通知信号の受信に基づいて、電源オフ状態に移行する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU241は、クライアント端末装置4から無線ネットワークNを介して送信された電源オフ移行通知信号を無線通信部21により受信し、判断プログラム243bの実行によりサーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が当該電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであるか否かの判断が行われると、RAM242に記憶された判断結果を参照して、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみである場合には、受信した電源オフ移行通知信号に基づいて電源部23に制御信号を出力することにより、電源部23を電源オフ状態に制御して全装置構成部への電源供給を停止させる。
CPU241は、かかる電源オフ移行プログラム243cを実行することにより、電源オフ移行手段として機能する。
【0047】
スタンバイ移行プログラム243dは、例えば、CPU241に、判断プログラム243bの実行により、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断された場合に、受信プログラム243aの実行によるスタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、スタンバイ状態に移行する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU241は、クライアント端末装置4から無線ネットワークNを介して送信されたスタンバイ移行通知信号を無線通信部21により受信し、判断プログラム243bの実行によりサーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が当該スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであるか否かの判断が行われると、RAM242に記憶された判断結果を参照して、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみである場合には、受信した電源オフ移行通知信号に基づいて電源部23に制御信号を出力することにより、電源部23をスタンバイ状態に制御して所定の各装置構成部への電源供給を停止させる。
CPU241は、かかるスタンバイ移行プログラム243dを実行することにより、スタンバイ移行手段として機能する。
【0048】
電源オン移行プログラム243eは、例えば、CPU241に、受信プログラム243aの実行による電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン状態に移行する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU241は、スタンバイ状態において、クライアント端末装置4から無線ネットワークNを介して送信された電源オン移行通知信号を無線通信部21により受信すると、受信した電源オン移行通知信号に基づいて電源部23に制御信号を出力することにより、電源部23を電源オン状態に制御して全装置構成部への電源供給を開始させる。
CPU241は、かかる電源オン移行プログラム243eを実行することにより、電源オン移行手段として機能する。
【0049】
<クライアント・サーバシステムによる電源オフ移行通知処理>
次に、本クライアント・サーバシステムSによる電源オフ状態移行処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
まず、クライアント端末装置4とサーバ装置2はリンク中であり、データの送受信を行っている。この状態で、クライアント端末装置4のCPU451は、制御部45への信号入力を監視し、ステップS1において、機器本体41に備わる電源オン/オフキー41aが操作されたか否かを判断する。CPU451は、ステップS1において、電源オン/オフキー41aが操作されたと判断すると(ステップS1;Yes)、ステップS2において、主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43を電源オフ状態に制御してクライアント端末装置4の全装置構成部への電源供給を停止させる電源オフ処理を行うことにより電源オフ状態に移行し、さらに、ステップS3において、予備電源部44からの電源供給により、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信し、本処理を終了する。
一方、サーバ装置2は、ステップS4において、クライアント端末装置4から送信された電源オフ移行通知信号を無線通信部21において受信すると、ステップS5において、MAC21bによりサーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4の数を検出させ、検出された接続クライアント数に基づいて、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみか否かを判断する(ステップS6)。CPU241は、ステップS6において、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4数が「1」であり、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断すると(ステップS6;Yes)、ステップS7において、電源部23に制御信号を出力することにより、電源部23を電源オフ状態に制御してサーバ装置2の全装置構成部への電源供給を停止させる電源オフ処理を行うことにより電源オフ状態に移行し、本処理を終了する。一方、CPU241は、ステップS6において、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4数が「2以上」であり、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみでないと判断すると(ステップS6;No)、電源オフ処理を行うことなく本処理を終了する。
【0051】
<クライアント・サーバシステムによるスタンバイ移行通知処理>
次に、本クライアント・サーバシステムSによるスタンバイ状態移行処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
まず、クライアント端末装置4とサーバ装置2はリンク中であり、データの送受信を行っている。この状態で、クライアント端末装置4のCPU451は、リモコン信受光部41からの信号入力を監視し、ステップS11において、リモコン42に備わる電源オン/スタンバイキー42aが操作されたか否かを判断する。CPU451は、ステップS11において、リモコン42の電源オン/スタンバイキー42aが操作されたと判断すると(ステップS11;Yes)、ステップS12において、主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43をスタンバイ状態に制御してクライアント端末装置4の各装置構成部への電源供給を停止させるスタンバイ処理を行うことによりスタンバイ状態に移行し、さらに、ステップS13において、予備電源部44からの電源供給により、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信し、本処理を終了する。
一方、サーバ装置2は、ステップS14において、クライアント端末装置4から送信されたスタンバイ移行通知信号を無線通信部21において受信すると、ステップS15において、MAC21bによりサーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4の数を検出させ、検出された接続クライアント数に基づいて、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみか否かを判断する(ステップS16)。CPU241は、ステップS16において、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4数が「1」であり、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断すると(ステップS16;Yes)、ステップS17において、電源部23に制御信号を出力することにより、電源部23をスタンバイ状態に制御してサーバ装置2の各装置構成部への電源供給を停止させるスタンバイ処理を行うことによりスタンバイ状態に移行し、本処理を終了する。一方、CPU241は、ステップS16において、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4数が「2以上」であり、サーバ装置2に接続されたクライアント端末装置4がスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみでないと判断すると(ステップS16;No)、スタンバイ処理を行うことなく本処理を終了する。
【0053】
<クライアント・サーバシステムによる電源オン状態移行通知処理>
次に、本クライアント・サーバシステムSによる電源オン状態移行処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
まず初めに、クライアント端末装置4はスタンバイ状態或いは電源オフ状態であり(ステップS21)、またサーバ装置2は無線ネットワークNやリモコン(図示省略)からの制御が有効となるスタンバイ状態である(ステップS22)。クライアント端末装置4のCPU451は、制御部45への信号入力を監視し、ステップS23において、機器本体41に備わる電源オン/オフキー41a或いはリモコン42に備わる電源オン/スタンバイキー42aが操作されたか否かを判断する。CPU451は、ステップS23において、機器本体41の電源オン/オフキー41a又はリモコン42の電源オン/スタンバイキー42aが操作されたと判断すると(ステップS23;Yes)、ステップS24において、主電源部43に制御信号を出力することにより、主電源部43を電源オン状態に制御してクライアント端末装置4の全装置構成部への電源供給を開始させる電源オン処理を行って電源オン状態に移行し、さらに、ステップS25において、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を、無線通信部46を介してサーバ装置2に送信し、本処理を終了する。
一方、サーバ装置2は、ステップS26において、クライアント端末装置4から送信された電源オン移行通知信号を無線通信部21において受信すると、ステップS27において、受信された電源オン移行通知信号に基づいて、電源部23を電源オン状態に制御してサーバ装置2の全装置構成部への電源供給を開始させる電源オン処理を行い、電源オン状態に移行して、本処理を終了する。
【0055】
以上説明した本発明にかかるクライアント・サーバシステムSによれば、クライアント端末装置4は、サーバ装置2とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、CPU451による電源オフ移行通知プログラム453aの実行により電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ移行通知プログラム453bの実行によりスタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号をサーバ装置2に送信し、さらに、電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン移行通知プログラム453cの実行により電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号をサーバ装置2に送信する。また、サーバ装置2は、CPU241による受信プログラム243aの実行によりクライアント端末装置4から送信された電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号若しくは電源オン移行通知信号を受信し、受信プログラム243aの実行により電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を受信した際に、判断プログラム243bの実行により当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであるか否かを判断する。さらに、電源オフ移行プログラム243cの実行により、電源オフ移行通知信号の受信に基づいて電源オフ状態に移行し、スタンバイ移行プログラム243dの実行により、スタンバイ移行通知信号の受信に基づいてスタンバイ状態に移行し、電源オン移行プログラム243eの実行により、電源オン移行通知信号の受信に基づいて電源オン状態に移行し、電源オフ移行プログラム243c及びスタンバイ移行プログラム243dは、判断プログラム243bの実行により、当該サーバ装置2に接続されているクライアント端末装置4が電源オフ移行通知信号又はスタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置4のみであると判断された場合に実行される。従って、サーバ装置2に他のクライアント端末装置4が接続されていない場合にのみ、一のクライアント端末装置4の制御により当該サーバ装置2の電源状態を電源オフ状態又はスタンバイ状態に好適に制御することができ、また、手動でサーバ装置2を電源オフ状態又はスタンバイ状態或いは電源オン状態に制御する手間を省くことができることとなって、ユーザにとって使い勝手の良いクライアント・サーバシステムSを提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、電源オフ移行通知プログラム453a及びスタンバイ状態移行通知プログラムの実行において、電源オフ移行通知信号及びスタンバイ移行通知信号は、主電源部43による電源供給を停止した後に、予備電源部44からの電源供給によりサーバ装置2に送信される構成について説明したが、主電源部43による電源供給を停止する前に送信させる構成であっても良い。この場合には、予備電源部44は必ずしも必要ないので、コストを削減できる。
また、例えば、機器本体41に備わる電源オン/オフキー41aの操作により電源オフ状態に移行し、リモコン42に備わる電源オン/スタンバイキー42aの操作によりスタンバイ状態に移行する構成を用いて説明したが、機器本体41のキーによりスタンバイ状態に移行する構成であっても良いし、リモコン42のキーにより電源オフ状態に移行する構成であっても良い。さらに、クライアント端末装置4において、タイマー予約の設定時間になると、電源オフ状態或いはスタンバイ状態への移行が自動的に行われる構成であっても良い。
また、例えば、電源オフ移行通知信号或いはスタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、サーバ装置2を電源オフ状態/スタンバイ状態の何れに移行させるかを、ユーザが設定できる構成であっても良い。また、例えば、電源オフ移行通知信号、スタンバイ移行通知信号又は電源オン移行通知信号の受信に基づいて、サーバ装置2を電源オフ状態、スタンバイ状態或いは電源オン状態に制御するか否かを、ユーザが設定できる構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態のクライアント・サーバシステムの全体構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のクライアント・サーバシステムを構成するサーバ装置と、クライアント端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のクライアント・サーバシステムによる電源オフ状態移行処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1のクライアント・サーバシステムによるスタンバイ状態移行処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1のクライアント・サーバシステムによる電源オン状態移行処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
2 サーバ装置
241 CPU(受信手段、判断手段、電源オフ移行手段、スタンバイ移行手段、電源オン移行手段)
243a 受信プログラム(受信手段)
243b 判断プログラム(判断手段)
243c 電源オフ移行プログラム(電源オフ移行手段)
243d スタンバイ移行プログラム(スタンバイ移行手段)
243e 電源オン移行プログラム(電源オン移行手段)
4 クライアント端末装置
44 予備電源部(予備電源)
451 CPU(電源オフ移行通知手段、スタンバイ移行通知手段、電源オン移行通知手段)
453a 電源オフ移行通知プログラム(電源オフ移行通知手段)
453b スタンバイ移行通知プログラム(スタンバイ移行通知手段)
453c 電源オン移行通知プログラム(電源オン移行通知手段)
N 無線ネットワーク
S クライアント・サーバシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オフ移行通知手段と、
前記サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を前記サーバ装置に送信するスタンバイ移行通知手段と、
電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オン移行通知手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号若しくは前記電源オン移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ状態移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記受信手段による前記電源オフ移行通知信号の受信に基づいて、電源オフ状態に移行する電源オフ移行手段と、
前記受信手段による前記スタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、スタンバイ状態に移行するスタンバイ移行手段と、
前記受信手段による前記電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン状態に移行する電源オン移行手段と、を備え、
前記電源オフ移行手段及び前記スタンバイ移行手段は、前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号又は前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に実行されることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項2】
複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中に電源オフ状態に移行する場合に、電源オフ状態に移行することを通知する電源オフ移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オフ移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オフ移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記電源オフ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に、前記受信手段による前記電源オフ移行通知信号の受信に基づいて、電源オフ状態に移行する電源オフ移行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項3】
複数のクライアント端末装置と、当該複数のクライアント端末装置と無線ネットワークを介して接続され、情報を送受信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント端末装置は、
前記サーバ装置とのリンク中にスタンバイ状態に移行する場合に、スタンバイ状態に移行することを通知するスタンバイ移行通知信号を前記サーバ装置に送信するスタンバイ移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記スタンバイ移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により、前記スタンバイ移行通知信号を受信した際に、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記電源オフ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、当該サーバ装置に接続されているクライアント端末装置が前記スタンバイ移行通知信号を送信したクライアント端末装置のみであると判断された場合に、前記受信手段による前記スタンバイ移行通知信号の受信に基づいて、スタンバイ状態に移行するスタンバイ移行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項4】
前記クライアント端末装置は、
電源オフ状態或いはスタンバイ状態から電源オン状態に移行する場合に、電源オン状態に移行することを通知する電源オン移行通知信号を前記サーバ装置に送信する電源オン移行通知手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記電源オン移行通知信号を受信する受信手段と、
前記受信手段による前記電源オン移行通知信号の受信に基づいて、電源オン状態に移行する電源オン移行手段と、
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のクラインアント・サーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−293776(P2007−293776A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123683(P2006−123683)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】