説明

クランプスリーブおよび割出装置のクランプ装置

【課題】クランプ部に亀裂が生じてもクランプ力を持続できるクランプスリーブおよびクランプ装置を提供することである。
【解決手段】回転体とフレームとの環状空間に配置する円筒部、円筒部のうち回転体に対向する周部に設けるクランプ面、クランプ面とは反対側周部に円周方向に設ける環状溝、クランプ面と環状溝の底面で画定する薄肉部、円筒部一端部に設けるフレーム固定部を有するクランプスリーブにおいて、円筒部他端部には圧縮等方向の力を受ける変形力作用部を設け、薄肉部は、肉厚中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線が、次の条件を満たす形状で、条件は、中間線を軸線方向に5等分し、5つの領域を中央から端に向かって中央、中間、端部領域とし、各領域内の中間線を半径方向で平均した平均軌跡を作り、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面の距離を中央、中間、端部領域の順に大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械に用いられる割出装置のクランプ装置、およびそのクランプ装置の一部として用いるクランプスリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の割出装置として、中央貫通孔を有するベース(フレーム)と、ベースの内側に回転体が回転可能に支持されるテーブルと、テーブルの外側回転軸とベースとの間に介在するクランプ装置とからなるものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−103181号公報
【0003】
このクランプ装置は、クランプ部材(クランプスリーブ)と、クランプ部材を変形させる油圧回路(変形力発生手段)から構成してある。クランプ部材は、薄肉部のクランプ部を有する断面コ字状をし、クランプ部の外側に環状の油圧室を形成するものである。クランプ部材は、クランプ部が筒状であってその内面を摩擦面とすることから、クランプ時には油圧室に油圧をかけてクランプ部をたわませて外側回転軸を挟持するものである。
【0004】
ところが、クランプ部は、その内面を外側回転軸に摩擦させ、その摩擦によって挟持するものであるので、使用しているうちに薄肉のクランプ部の疲労が進み亀裂が生じることがある。そうすると、クランプ部はその外側の油圧室に油圧をかけることによってクランプするものであることから、亀裂箇所から油が漏れ、それに伴って摩擦力が急激に低下し、クランプ力を充分に得られないものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記実情を考慮して開発されたもので、その解決課題はたとえクランプ部に亀裂が生じてもクランプ力を持続できるクランプスリーブおよびクランプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1〜6は、回転体とフレームとの間の環状空間に配置される円筒部と、円筒部の内周部または外周部のうち回転体に対向する周部に設けられるクランプ面と、クランプ面が設けられる円筒部の周部とは反対側の周部に円周方向に沿って連続して設けられる環状溝と、クランプ面と環状溝の底面とで画定される薄肉部と、円筒部の一端部に設けられるフレームへの固定部とを有するクランプスリーブを前提とする。
【0007】
請求項1の発明は、円筒部の他端部には、軸線方向に加わる圧縮方向または引張り方向の力を受ける変形力作用部が設けられ、回転体の被クランプ面が軸線方向に平行であることを想定した場合に、薄肉部は、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線が、第一条件を満たす形状をなすように形成され、第一条件は、前記中間線を軸線方向に5等分する5つの領域に分け、5つの領域を中央から端に向かって中央領域、中間領域、端部領域とし、各領域内の中間線を回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面との距離を中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしてあることを特徴とする。
【0008】
「回転体の被クランプ面が軸線方向に平行であることを想定した場合に」とは、一般的な被クランプ面の形状を想定した場合をいう。
【0009】
薄肉部は、5つの領域の中間線の回転体半径方向における変化量が、全領域で均一に形成されるもの等で、軸線方向全域の中間線を形成するものであってもよいが、薄肉部を変形させやすくするには、請求項2の発明のようにすることが望ましい。即ち、薄肉部は、軸線方向全域の中間線が、第二条件を満たす形状をなすように形成され、第二条件は、5つの領域の中間線の回転体半径方向における変化量が、中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしてあることである。
【0010】
薄肉部の軸線方向全域の中間線は、角部を有する形態であっても良いが、変形時の応力が角部に集中しやすくなる。従って、応力集中を避け、耐久性を向上するには、請求項3の発明のようにすることが望ましい。即ち、薄肉部の軸線方向全域の中間線が、全体的に連続する曲線形状をなすように、環状溝の底面またはクランプ面が設けられることである。
【0011】
環状溝の底面は、平面であっても良いが、薄肉部を変形しやすくするには、請求項4の発明のように、環状溝の底面は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて、回転体の被クランプ面に近づくように設けられることが望ましい。
【0012】
クランプ面は、平面であっても良いが、薄肉部を変形しやすくするには、請求項5の発明のように、クランプ面は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて、回転体の被クランプ面に近づくように設けられることが望ましい。
【0013】
薄肉部は、円筒部の円周方向全周に亘って連続する形態であってもよいが、変形し易くするには、請求項6の発明のように、薄肉部には、円周方向に間隔をおいてスリットが複数設けられることが望ましい。
【0014】
また、本発明の請求項7、8の発明は、回転体とフレームとの間の環状空間に収容されるクランプスリーブと、クランプスリーブに力を作用させる変形力発生手段とからなり、クランプスリーブは、環状空間に配置される円筒部と、円筒部の内周部または外周部のうち回転体に対向する周部に設けられるクランプ面と、クランプ面が設けられる円筒部の周部とは反対側の周部に円周方向に沿って連続して設けられる環状溝と、クランプ面と環状溝の底面とで画定される薄肉部と、円筒部の一端部に設けられるフレームへの固定部とを有する、割出装置のクランプ装置を前提とする。
【0015】
請求項7の発明は、クランプスリーブは、円筒部の他端部には、軸線方向に加わる引張り方向の力を受ける変形力作用部が設けられ、回転体の被クランプ面が軸線方向に平行であることを想定した場合に、薄肉部は、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線が、第一条件を満たす形状をなすように形成され、第一条件は、前記中間線を軸線方向に5等分する5つの領域に分け、5つの領域を中央から端に向かって中央領域、中間領域、端部領域とし、各領域内の中間線を回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面との距離を中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしたものであり、クランプスリーブは、環状空間に収容された状態において、変形力発生手段を介し変形力作用部に引張り方向への所定量の力が加えられたとき、薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面から離れる方向に後退して回転体をアンクランプ状態とし、変形力発生手段からの変形力作用部への力が解放されたときには、復元力によって薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面を押圧する方向に進出して回転体をクランプ状態にすることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明とは逆の作用でクランプ、アンクランプするもので、即ち、クランプスリーブは、環状空間に収容された状態において、変形力発生手段を介し変形力作用部に圧縮方向への所定量の力が加えられたとき、薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面に近づく方向に進出して回転体をクランプ状態とし、変形力発生手段からの変形力作用部への力が解放されたときには、復元力によって薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面から離れる方向に後退して回転体をアンクランプ状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、円筒部の薄肉部の形状が第一条件を満たすものとしてあるので、円筒部の他端部に相当する変形力作用部に、軸線方向に圧縮方向または引張り方向の力を加えると、薄肉部の中間線の曲率が変わるように薄肉部が安定して変形し、薄肉部のクランプ面の径が安定して膨張または収縮することになり、このクランプスリーブを用いれば、円筒部の環状溝に油圧をかけなくても、回転体をクランプ、アンクランプさせることができる。従って、使用しているうちに薄肉部に亀裂が生じたとしてもある程度のクランプ力を持続でき、比較的に長い期間に亘って使用できる。
【0018】
請求項2の発明は、薄肉部の形状が第二条件を満たすものとしてあるので、薄肉部を変形させ易くなり、変形力作用部に加える力を軽くしてもクランプ、アンクランプさせることができる。
【0019】
請求項3の発明は、環状溝の底面またはクランプ面の形状によって薄肉部の軸線方向全域の中間線が全体的に連続する曲線形状をなすようにしてあるので、角部のあるものに比べて、クランプ時またはアンクランプ時に薄肉部の全体に変形力がかかるようになり、その結果、耐久性を向上できる。
【0020】
請求項4の発明は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて回転体の被クランプ面に近づくように環状溝の底面を設けてあるので、環状溝の底面を平面にした場合に比べて、薄肉部を変形させやすくなる。
【0021】
請求項5の発明は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて、回転体の被クランプ面に近づくようにクランプ面を設けてあるので、クランプ面を平面にした場合に比べて、薄肉部を変形させやすくなる。
【0022】
請求項6の発明は、円周方向に間隔をおいてスリットを複数設けた薄肉部を用いているので、スリットのないものに比べて、薄肉部を変形させやすくなる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1のクランプスリーブのうち軸線方向に加わる引張り方向の力を受ける変形力作用部を円筒部の他端部に備えるものを用いているので、請求項1の発明の効果を保有しつつ、変形力作用部に引張り方向の力が加わるときに回転体をアンクランプ状態にすることができ、変形力作用部に加わる引張り方向の力を解放した定常状態のときには回転体をクランプ状態にできる。
【0024】
請求項8の発明も、請求項7とは逆に、請求項1のクランプスリーブのうち軸線方向に加わる圧縮方向の力を受ける変形力作用部を円筒部の他端部に備えるものを用いているので、請求項1の発明の効果を保有しつつ、変形力作用部に圧縮方向の力が加わるときに回転体をクランプ状態にすることができ、変形力作用部に加わる圧縮方向の力を解放した定常状態のときには回転体をアンクランプ状態にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
割出装置1は、図1に示すインデックステーブル装置が一例として挙げられる。割出装置1は、フレーム2と、フレーム2に回転可能に支持される回転体3と、を有している。また、割出装置1は、フレーム2と回転体3の間に、軸受4、クランプ装置5、および回転駆動装置6を介在するものである。
【0026】
フレーム2は、その内側に回転体3の一部(回転軸3a)を配置する収容室2aを備え、回転軸3aの外側を間隔をおいて囲むものである。収容室2aは、貫通孔であって、内径がフランジ状に所々突出した段差形状である。
【0027】
回転体3は、回転軸3aと、回転軸3aの一端(上端)にボルト等で固定する円テーブル3bとから構成してある。
【0028】
回転軸3aは、円筒状であって、外形がフランジ状に所々突出した段差形状である。また、回転軸3aは、その内周面を軸用貫通孔3cとし、フレーム2の収容室2a内に同心円状に配置してある。
【0029】
円テーブル3bは、工作機械で加工するワークを載せるものであって、回転軸3aからフランジ状に突出する形状であって、軸用貫通孔3cに連続するテーブル用貫通孔3dを半径方向中央部に設けてある。
【0030】
フレーム2と回転軸3aは、上述したように対向する周部を、所々フランジ状に突出することによって、両者の間に、複数の同心円状の空間部21a、21b、21c、21dを軸線方向に間隔をあけて形成してある。
【0031】
図では、一番下側の空間部21aには、フレーム2の内周部にボルト等で固定する環状のプレート22と、環状のプレート22と回転軸3aの間に嵌める環状のシール部材23を、収容してある。
【0032】
下から二番目の空間部21bは、回転駆動装置6を収容してある。回転駆動装置6は、ウォーム機構を用いたものであって、ウォームホイール6a、ウォームスピンドル6b、図示しないサーボモータとから構成し、回転軸3aの外側にウォームホイール6aを固定し、ウォームホイール6aの外側にウォームスピンドル6bを噛み合わせてある。また、回転軸3aとウォームホイール6aの軸線方向の間には、噛み合わせ調整用の間隙部材6cを介在してあり、適切な厚みの間隙部材6cを採用することによって、ウォームホイール6aの軸線方向の位置を調整して、適切な噛み合わせ状態とする。なお、ウォームスピンドル6bには、図示しないサーボモータの出力軸が連結され、回転軸3a(円テーブル3b)の割出角度は、サーボモータの駆動量によって制御される。
【0033】
下から三番目の空間部21cは、軸受4を収容してある。軸受4は、具体的にはクロスローラベアリングであって、内輪4aと外輪4bの間に図示しない、ころを配置したものである。符号4cは、外輪4bを固定するための押え板である。
【0034】
最後に残った一番上の空間部21dは、クランプ装置5の第一例を収容してある。クランプ装置5の第一例は、一端部(図では上端部)をフレーム2に固定するクランプスリーブ7と、クランプスリーブ7の他端部(図では下端部)に軸方向に沿って力を付与して変形させる変形力発生手段8とから構成してある。一番上の空間部21dは、その上側空間をクランプスリーブ7の収容空間とし、その下側空間を変形力発生手段8の収容空間としてある。
【0035】
変形力発生手段8は、フレーム2内に形成する流体用の流路8aと、流路8aの二次側端部のシリンダ室8a1に配置するピストン8bと、から構成してある。ピストン8bは、軸線方向の片側断面エ字状のリングであって、その底面に油圧室となる凹部8b1を同心円状に形成し、内周部と外周部の溝にOリング9を嵌めてある。Oリング9は、ピストン8b以外の箇所にも使用してあり、油漏れを防いである。なお、シリンダ室8a1は、一番上の空間部21dの下側空間に相当する。
【0036】
クランプスリーブ7は、一番上の空間部21dの上側空間(環状空間)に同心円状に収容する円筒部71と、円筒部71の一端から外側に突出するフランジ状の固定部72と、円筒部71の外周面に円周方向に沿って連続して形成する環状溝73と、環状溝73とは反対面のクランプ面74と、クランプ面74と環状溝73の間に備わる変形可能な薄肉部75と、円筒部71の他端部に備わる厚肉の変形力作用部76と、から構成してある。
【0037】
一方、円テーブル3bの下部には、外周端3hの下端から半径方向内側に延びる円環状の端面3fと、外周端3hに対して段差状で軸方向下側に向かって延びるシリンダ部3gとを有し、シリンダ部3gには、外周端3hの外径よりも小径に設けられる第一の外周面3jと、この外径よりも幾分か小径で軸方向下側に向かって延びる第二の外周面3mとを形成し、第二の外周面3mの一部に、後述されるクランプスリーブ7によってクランプされる被クランプ面3eを構成する。
【0038】
他方、クランプスリーブ7は、フレーム2の上端部に組み付けられ、クランプスリーブ7の円筒部71の内側に、円テーブル3bのシリンダ部3gを受け入れ可能に設けられる。なお、円テーブル3bの第二の外周面3m、換言すれば被クランプ面3eは、後述する定常状態では、クランプスリーブ7のクランプ面74との間で接触しないようにこれよりも幾分か小径の、いわゆる逃げ面を構成する。
【0039】
クランプスリーブ7の円筒部71は、その両端部(上端部と下端部)を厚肉部として形成し、また両端部の間の領域には、外周側より環状溝73が設けられていて、円筒部71の内周面とにより画定される薄肉部75を形成する。円筒部71の厚肉部の内周面が、軸方向の一部の領域で円テーブル3bの外周面との間に微少な隙間を有するように設けられる。円テーブル3bのシリンダ部3gの第一の外周面3jには、軸方向の領域の中央付近に円周方向に延びる外向溝3kを円筒部71に対向させて刻設し、外向溝3kには、Oリング9、リング71bの順にそれぞれ嵌め、リング71bの外周面が、円筒部71の厚肉部の内周に非常に軽く接触するように設けてある。円筒部71の内周とリング71bの外周部との接触が非常に軽いため、回転軸3aの回転は妨げられない。なお、クランプスリーブ7における円筒部71と固定部72の境界は、明確に定められず、円筒部71の一端部が環状溝73の一部を形成する程度にあれば、それよりも上側部分を固定部72として把握することも問題ない。
【0040】
円筒部71の下端部は、円テーブル3bの回転を妨げないように、円テーブル3bの第二の外周面3mとの間、好ましくはフレーム2の内周面との間にも、隙間が設けられる。
【0041】
固定部72は、断面形状としてみたときに、その半径方向外側部分が円テーブル3bよりも突出するように設けられ、また半径方向内側部分が円テーブル3bの第一の外周面3jに対向するように配置されている。固定部72の半径方向外側部分では、円周方向に間隔をおいて配設される複数のボルト等を介しフレーム2に固定してある。また、固定部72の上端面は、円テーブル3bの端面3fとの間に、回転を妨げない程度に微少の隙間が設けられている。この隙間から切粉等の異物の侵入を防ぐため、固定部72の上端面と円テーブル3bの端面3fとの双方に、第一溝72a、第二溝72bを別々に向かい合わせて同心状に形成し、第一溝72aと第二溝72bとに跨って延びる例えば合成樹脂等を材料とする別のリング72cを、第二溝72bに嵌め合わせつつ他方の第一溝72aの底部に軽く接触する状態に収容してある。また、フレーム2の上端面には、段部2bが形成されるとともに、段部2bと固定部72の下端面との間にOリング9を配置し、この隙間からの切粉等の異物の侵入や油漏れを防ぐ。
【0042】
環状溝73は、薄肉部75の外周部を形成するものであって、その側周面(図示の上下面)と底面を繋ぐ部分に、緩やかなR(丸み)をつけて連続するものである。また、底面は、薄肉部75の両端から中心に向かうにつれて被クランプ面3eに近づくように、山型というか弧状に内側に張り出して湾曲する片側断面弧状に形成してある。
【0043】
クランプ面74は、薄肉部75の内周部を形成するものであって、Rが無いこと以外は環状溝73と同様の形状である。クランプ面74のうち上下端部は、厳密にはクランプする部分ではなく、逃げ面75bとなっている。
【0044】
薄肉部75は、円筒部71の軸線方向中間部に相当するもので、被クランプ面3eに向かって山型というか弧状に張り出す形状に形成してある。詳細に言えば、図2に示すように薄肉部75は、被クランプ面3eが軸線方向に平行である場合に、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線75aが、次の第一条件、第二条件を満たす形状をなすように形成されている。
【0045】
第一条件は、前記中間線75aを軸線方向に5等分する5つの領域A〜Eに分け、5つの領域を一端から他端に向かって端部領域A、中間領域B、中央領域C、中間領域D、端部領域Eとし、各領域内の中間線75aを回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体3の被クランプ面3eとの距離LA〜LEを、中央領域Cにおける距離LC、中間領域Bおよび中間領域Dにおける距離LB、LD、端部領域Aおよび端部領域LEにおける距離LA,LEの順に大きくすることである。これにより、クランプスリーブ7の薄肉部75には、圧縮方向に変形させる力が働くと、薄肉部75は、領域全体的にそれの中間線75aの曲率がさらに変わるように変形する。
【0046】
第二条件は、5つの領域の中間線75aの回転体半径方向における変化量ΔA〜ΔEが、中央領域Cにおける変化量ΔC、中間領域Bおよび中間領域Dにおける変化量ΔB、ΔD、端部領域Aおよび端部領域Eにおける変化量ΔA,ΔEの順に大きくしてあることである。さらに、そのように設けられることにより、薄肉部75は、領域全体的に、より確実に変形するようになる。
【0047】
また、図1の薄肉部75は、その軸線方向全域の中間線75aが、全体的に連続する弓状の曲線形状をなすように、環状溝73の底面およびクランプ面74が設けられているとも言える。
【0048】
変形力作用部76は、円筒部71の他端部に相当するものであって、その内周部および外周部を、円テーブル3bおよびフレーム2から隙間をおいて設けてある。変形力作用部76はその下端面に配置されたピストン8bによって押し込まれるが、内外に隙間のあることで、上下動しやすくなっている。なお、クランプスリーブ7やピストン8bは、金属材料として、例えばニッケルやクロムなどを含有する機械構造用の合金鋼とし切削加工等により製作され、円テーブル3bやフレーム2の金属材料として、例えば機械構造用炭素鋼などの鋼材あるいは鋳鉄とし切削加工により製作される。
【0049】
上述したクランプ装置5の第一例は、クランプ時にはフレーム2の外側から流路8aに油を所定圧力で供給すると、ピストン8bが上昇してクランプスリーブ7の変形力作用部76を押し込んで、クランプスリーブ7の薄肉部75に対し圧縮方向に変形させる力が働く。薄肉部75の中間線75aが上記した第一条件を満たすように、環状溝73の底面およびクランプ面74が設けられているため、圧縮方向の力を受けると、薄肉部75は、領域全体的にそれの中間線75aの曲率がさらに小さくなるように変形する。この変形状態では、薄肉部75のクランプ面74が回転体3の被クランプ面3eに近づく方向に確実に進出して、最終的にはその変形によって被クランプ面3eを外周から挟み込む。流路8aに供給する油圧は、変形力によって薄肉部75が座屈して折れ曲がらない程度に設定しておく。
【0050】
一方、アンクランプ時には流路8aに供給する油の圧力を解放すると、ピストン8bを介して薄肉部75の圧縮方向に働く力が減少され、クランプスリーブ7(薄肉部75)の復元力によってピストン8bが下降し、薄肉部75は、領域全体的にそれの中間線75aの曲率がもとの大きい状態に戻るように変形し、薄肉部75のクランプ面74が回転体3の被クランプ面3eから後退して回転軸3aを回転可能な状態にする。図1は、クランプ装置5の定常状態を示しており、ピストン8bが下降した状態でクランプ面74と被クランプ面3eが離間している、あるいは非常に軽く接触しているアンクランプ状態を示している。
【0051】
クランプ装置5の第二例は、図3に示すように、クランプスリーブ7が固定部72と円筒部71を別体品としたものである。固定部72は、半径方向内側部分が円筒部71に向かって突出した片側断面L字状となっている。円筒部71は、片側断面が左右対称形状の内側体71cと外側体71dを内外に突き合わせて片側断面樽状に設けたものである。内側体71cの形状は第一例の円筒部71の形状に相当する。
【0052】
上述したクランプ装置5の第二例は、クランプ時には流路8aに油を所定圧力で供給し、ピストン8bの上昇によって内側体71cおよび外側体71dを圧縮方向に変形させる。この変形状態では、内側体71cと外側体71dとの樽状断面が内側と外側にそれぞれ膨張するものとなり、内側体71cは回転軸3aの被クランプ面3eを挟持し、外側体71dはフレーム2と密着して内側体71cを軸方向の両端で支えるものとなる。図3は、定常状態を示しており、油圧の開放にともなうピストン8bの下降状態でアンクランプ状態を示している。
【0053】
クランプ装置5の第三例は図4に示すように、クランプスリーブ7とピストン8bを一体品とし、かつ、定常状態の場合には薄肉部75の復元力によって、円テーブル3bを常時クランプするものとし、補助的にピストン8bの他端部(反円筒部側)から流路8aに圧油を供給する。つまり、クランプスリーブ7は、円テーブル3bに対して、いわゆる嵌まり締めの状態となっており、また必要に応じて適宜圧油を供給することで適したクランプ力が得られるようになっている。また、薄肉部75で円テーブル3bをアンクランプする場合、流路8aへの圧油を開放するとともに、ピストン8bの一端側(円筒部71側)に通じるアンクランプ用通路8cから圧油を供給する。アンクランプ用通路8cは、流路8aとは隔絶してフレーム2内に形成してある。なお、図4は、アンクランプの状態を示している。
【0054】
クランプ装置5の第四例は、図5に示すように、第三例と異なる点は、クランプスリーブ7の薄肉部75の形状を所々肉厚を変えた片側断面波状にし、軸線方向に複数個所でクランプする点である。
【0055】
ここでの薄肉部75は、その内周部および外周部の双方に断面C字状の小溝75cを同心円状に且つ軸線方向に亘って間隔をおいて千鳥状(互い違い)に設けてある。詳述すると、薄肉部75の内周部は、小溝75cを軸線方向両側に間隔をおいて対称的に設け、小溝75cよりも端側を片側断面山型の膨らみに形成してある。薄肉部75の外周部は、片側断面弓状に形成し、軸線方向中央に小溝75cを設けてある。
【0056】
クランプスリーブ7は図6に示すように、数種類の変形例がある。なお、(ハ)図以外は、中間線75aを明示するためにハッチングを省略してある。図6(イ)のクランプスリーブ7は、環状溝73の側周面に対して開口側に向かって広がる傾斜を設けてあることが、第一例のクランプスリーブ7と相違する。また、クランプスリーブ7の薄肉部75は、円形、或いは楕円形の弧状に形成してある。
【0057】
図6(ロ)のクランプスリーブ7は、薄肉部75の内周部にのみ複数の小溝75cを、軸線方向に沿って間隔をおいて同心円状に設けたことが、図6(イ)のクランプスリーブ7と相違する。小溝75cは、図では断面C字状であるが、角形、くさび形など他形状であっても良い。
【0058】
図6(ハ)のクランプスリーブ7は、薄肉部75に、軸線方向に延びるスリット75dを、円筒部71の円周方向に等間隔をおいて設けたことが、図6(イ)のクランプスリーブ7と相違する。このように軸方向に延びるスリット75dを円周方向に複数設けたり、あるいは、図6(ロ)、(ハ)、また後述する図6(ニ)のように円周方向に溝を設けることにより、クランプ面74が回転体3の被クランプ面3eに近づく方向への変形がより小さい力で行うことが可能になる。
【0059】
図6(ニ)のクランプスリーブ7は、薄肉部75の内周面だけでなく外周面にも複数の小溝75cを設けてあることが、図6(ロ)のクランプスリーブ7と相違する。
【0060】
図6(ホ)のクランプスリーブ7は、薄肉部75を起伏の無い波状として、ほぼ均一の肉厚で形成したことが、クランプ装置5の第四例で用いたクランプスリーブ7と相違する。
【0061】
図6(ヘ)のクランプスリーブ7は、薄肉部75の内周部を軸線方向に平行なクランプ面74とし、環状溝73の溝幅を深さ方向に均一に設けたことが図6(イ)のクランプスリーブ7と相違する。
【0062】
図7のクランプスリーブ7は、リング状の複数の部品を上下に並べて組付けて一体化したものであり、ボルトを除いて5部品7a〜7eを用いている。真ん中の第一の部品7aは、元々は円筒状の薄板輪であり、その軸線方向の上下端部を他の部品に固定することによって、軸線方向の中間部を軸線方向に向かって凹ませて片側断面弧状とした薄肉部75を構成するものである。一番上の大きな第二の部品7bは、大部分が固定部72となり、残りの部分が薄板輪の一端部の内周面を載せる土台となる。上から二番目の第三の部品7cは、薄板輪の一端部の外周面を抑える止め具である。第二の部品7bと第三の部品7cをボルトで固定することによって、両部品7b、7cの間に薄板輪の一端部を挟持し、固定部72だけでなく、円筒部71の一端部を形成し、両部品7b、7cの間に薄板輪の一端部の上保持空間7fを形成し、上保持空間7fの形状を薄板輪の一端部の形状に合わせてある。一番下の第四の部品7dは、薄板輪の他端部(図示の下端部)の内周面を載せる土台である。また、下から二番目の第五の部品7eは、薄板輪の他端部の外周面を抑える止め具である。第四の部品7dと第五の部品7eをボルトで固定することによって変形力作用部76を構成し、また、第四の部品7dと第五の部品7eの間に薄板輪の他端部の下保持空間7gを形成し、下保持空間7gの形状を、薄板輪の他端部の形状に合わせてある。
【0063】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記した実施例は、内側にある回転軸3aを、クランプスリーブ7によって外側から挟持するように設けているが、これらの内外関係を逆にする割出装置1、すなわち回転体3の回転軸3aを円筒状に設け、その回転軸3aをクランプスリーブ7によって内側から挟持する割出装置1にも適用可能である。また、回転体3の駆動には、ウォーム機構を用いて間接的に駆動しているが、直接駆動機構、いわゆる回転軸3aとフレーム2との間の空間に組み込まれたDDモータを用いるものであっても良い。
【0064】
また、割出装置1は、その使用時に停電が発生して油圧が低下した場合に、回転軸3aの回転を自動的に停止させるために、前述した第三例、第四例と同様の、いわゆる嵌まり締めの構成を用いるクランプ装置5を用いるものであっても良い。
【0065】
なお、割出装置1は、インデックステーブルに限らず、五軸加工機のいわゆるU軸ヘッド(工具が取り付けられるスピンドルヘッドを割り出し駆動する加工軸ヘッド)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明のクランプ装置の第一例を示す断面図である。
【図2】図1のクランプスリーブの説明図である。
【図3】本発明のクランプ装置の第二例を示す断面図である。
【図4】本発明のクランプ装置の第三例を示す断面図である。
【図5】本発明のクランプ装置の第四例を示す断面図である。
【図6】(イ)〜(ヘ)図は、クランプスリーブの他の例を示す要部片側断面図である。
【図7】クランプスリーブの変形例を示す要部片側断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 割出装置、2 フレーム、2a 収容室、2b 段部
21a 空間部、21b 空間部、21c 空間部、21d 空間部(環状空間)、
22 プレート、23 シール部材、
3 回転体、3a 回転軸、3b 円テーブル、3c 軸用貫通孔、3d テーブル用貫通孔、3e 被クランプ面、3f 端面、3g シリンダ部、3h 外周端、3j 第一の外周面、3m 第二の外周面、3k 外向溝 、3m 逃げ面、
4 軸受、4a 内輪、4b 外輪、4c 押え板、
5 クランプ装置、
6 回転駆動装置、6a ウォームホイール、6b ウォームスピンドル、6c 間隙部材、
7 クランプスリーブ
7a 第一の部品、7b 第二の部品、7c 第三の部品、7d 第四の部品、7e 第五の部品、
7f 上保持空間、7g 下保持空間
71 円筒部、71b リング、71c 内側体、71d 外側体
72 固定部、72a 第一溝、72b 第二溝、72c リング、
73 環状溝、74 クランプ面、75 薄肉部、75a 中間線、75b 逃げ面、75c 小溝、75d スリット、
76 変形力作用部
8 変形力発生手段、8a 流路、8a1 シリンダ室、8b ピストン、8b1 凹部、8c アンクランプ用通路、
9 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体(3)とフレーム(2)との間の環状空間(21d)に配置される円筒部(71)と、円筒部の内周部または外周部のうち回転体に対向する周部に設けられるクランプ面(74)と、クランプ面が設けられる円筒部の周部とは反対側の周部に円周方向に沿って連続して設けられる環状溝(73)と、クランプ面と環状溝の底面とで画定される薄肉部(75)と、円筒部の一端部に設けられるフレームへの固定部(72)とを有するクランプスリーブにおいて、
円筒部の他端部には、軸線方向に加わる圧縮方向または引張り方向の力を受ける変形力作用部(76)が設けられ、
回転体の被クランプ面(3e)が軸線方向に平行であることを想定した場合に、薄肉部は、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線(75a)が、第一条件を満たす形状をなすように形成され、
第一条件は、前記中間線を軸線方向に5等分する5つの領域に分け、5つの領域を中央から端に向かって中央領域、中間領域、端部領域とし、各領域内の中間線を回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面との距離を中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしてあることを特徴とするクランプスリーブ。
【請求項2】
薄肉部は、軸線方向全域の中間線が、第二条件を満たす形状をなすように形成され、
第二条件は、5つの領域の中間線の回転体半径方向における変化量が、中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしてあることを特徴とする請求項1記載のクランプスリーブ。
【請求項3】
薄肉部の軸線方向全域の中間線が、全体的に連続する曲線形状をなすように、環状溝の底面またはクランプ面が設けられることを特徴とする請求項2記載のクランプスリーブ。
【請求項4】
環状溝の底面は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて、回転体の被クランプ面に近づくように設けられることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のクランプスリーブ。
【請求項5】
クランプ面は、薄肉部の両端から中心に向かうにつれて、回転体の被クランプ面に近づくように設けられることを特徴とする請求項4記載のクランプスリーブ。
【請求項6】
薄肉部には、円周方向に間隔をおいてスリット(75d)が複数設けられることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載のクランプスリーブ。
【請求項7】
回転体(3)とフレーム(2)との間の環状空間(21d)に収容されるクランプスリーブ(7)と、クランプスリーブに力を作用させる変形力発生手段(8)とからなり、
クランプスリーブは、環状空間に配置される円筒部(71)と、円筒部の内周部または外周部のうち回転体に対向する周部に設けられるクランプ面(74)と、クランプ面が設けられる円筒部の周部とは反対側の周部に円周方向に沿って連続して設けられる環状溝(73)と、クランプ面と環状溝の底面とで画定される薄肉部(75)と、円筒部の一端部に設けられるフレームへの固定部(72)とを有する、割出装置のクランプ装置において、
クランプスリーブは、円筒部の他端部には、軸線方向に加わる引張り方向の力を受ける変形力作用部(76)が設けられ、
回転体の被クランプ面(3e)が軸線方向に平行であることを想定した場合に、薄肉部は、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線(75a)が、第一条件を満たす形状をなすように形成され、
第一条件は、前記中間線を軸線方向に5等分する5つの領域に分け、5つの領域を中央から端に向かって中央領域、中間領域、端部領域とし、各領域内の中間線を回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面との距離を中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしたものであり、
クランプスリーブは、環状空間に収容された状態において、変形力発生手段を介し変形力作用部に引張り方向への所定量の力が加えられたとき、薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面から離れる方向に後退して回転体をアンクランプ状態とし、
変形力発生手段からの変形力作用部への力が解放されたときには、復元力によって薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面を押圧する方向に進出して回転体をクランプ状態にすることを特徴とする割出装置のクランプ装置。
【請求項8】
回転体(3)とフレーム(2)との間の環状空間(21d)に収容されるクランプスリーブ(7)と、クランプスリーブに力を作用させる変形力発生手段(8)とからなり、
クランプスリーブは、環状空間に配置される円筒部(71)と、円筒部の内周部または外周部のうち回転体に対向する周部に設けられるクランプ面(74)と、クランプ面が設けられる円筒部の周部とは反対側の周部に円周方向に沿って連続して設けられる環状溝(73)と、クランプ面と環状溝の底面とで画定される薄肉部(75)と、円筒部の一端部に設けられるフレームへの固定部(72)とを有する、割出装置のクランプ装置において、
クランプスリーブは、円筒部の他端部には、軸線方向に加わる圧縮方向の力を受ける変形力作用部(76)が設けられ、
回転体の被クランプ面(3e)が軸線方向に平行であることを想定した場合に、薄肉部は、前記軸線方向の断面における肉厚の中間点の軌跡である軸線方向全域の中間線(75a)が、第一条件を満たす形状をなすように形成され、
第一条件は、前記中間線を軸線方向に5等分する5つの領域に分け、5つの領域を中央から端に向かって中央領域、中間領域、端部領域とし、各領域内の中間線を回転体半径方向で平均した平均軌跡を形成し、各領域の平均軌跡と回転体の被クランプ面との距離を中央領域、中間領域、端部領域の順に大きくしたものであり、
クランプスリーブは、環状空間に収容された状態において、変形力発生手段を介し変形力作用部に圧縮方向への所定量の力が加えられたとき、薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面に近づく方向に進出して回転体をクランプ状態とし、
変形力発生手段からの変形力作用部への力が解放されたときには、復元力によって薄肉部のクランプ面が回転体の被クランプ面から離れる方向に後退して回転体をアンクランプ状態にすることを特徴とする割出装置のクランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−125858(P2009−125858A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303152(P2007−303152)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】