説明

クリップ

【課題】特に、パネルへの取付操作性を維持して、パネルに対する係合力を増大して衝撃を受けても不用意に係合解除しないようにする。
【解決手段】パネル7の取付孔7aに着脱可能に装着されるクリップ4として、パネル7の表面側に配置されるフランジ部10、及びフランジ部の下面に突設されて取付孔7aに仮止め可能に挿通される複数の弾性脚15、並びにフランジ部を貫通して弾性脚同士の間の隙間Sに連通している開口14を有した雌部材1と、開口14を覆う操作部20、及び操作部の下面に突設された差込部25を有し、差込部25が開口14から隙間S17に挿入保持された状態で各弾性脚15が互いに接近する方向への変形を阻止可能にする雄部材2と、雌部材1に嵌合された取付状態で弾性脚15の一部を覆う金属製カバー3とからなることを特徴としている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに設けられた取付孔に着脱可能に装着される物品支持用として好適なクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は特許文献1に開示のクリップ構造を示している。この構造は、特にパネルへの取付操作性を良好にしたものであり、ベース部材11と、ベース部材11に組み付けられる金属製のクリップ21と、ベース部材11にクリップ21を一体化する係合部材31とからなる。
【0003】
ここで、ベース部材11は、パネル61に沿って配置される鍔部15付きのベース部12、ベース部12の裏面側に突出されてパネル61の取付孔(係止孔)61aに挿入される突出部13、ベース部12の表面側に設けられてアシストグリップ41を支持する支持壁部16、ベース部12を貫通している対の貫通孔とを有している。クリップ21は、概略U形状からなり、ベース部材11に対し前記貫通孔から挿通されて裏側より表側へ突出される第1係合部23,23、パネルの取付孔61aに係合される第2係合部24、各第1係合部23のベース部材表側へ突出した部分に設けられ、挿入方向と直交する方向の貫通孔23a、ベース部材の突出部13を挿入する基部側の貫通孔とを有している。係合部材31は、貫通孔23aへ挿入されてベース部材11に対するクリップ21の抜けを阻止する係合部32、及びベース部材の表側を覆うカバー33、並びに取り外し操作部35とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−188867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の構造では、ベース部材11が係合部材31を介して一体化したクリップ21によりパネル61に対し取付孔61aへの押し操作によって係合固定され、取付工具や治具を必要としないため取付操作性に優れている。また、金属製のクリップを使用しているため用途例として車両のエアバックの爆発に起因した衝撃や路面側からの飛び石などによる衝撃を受けても破壊され難い点、カバー33がクリップ側第1係合部23を覆うため見栄えを維持できる点などの利点もある。
【0006】
しかし、この構造では、まず、パネル側取付孔に対する係合固定力は、第1係合部23の一部を切り起こした第2係合部24である弾性片の傾斜角度などに比例するため、傾斜角度を変えて係合固定力を大きくすると、取付孔への挿入力も過大となり取付操作性が損なわれる。また、クリップ21がベース部材11に装着された状態でパネル側取付孔61aに第2係合部24である錨状の弾性片を挿入して係合するため、パネルに対し仮止めする構成を追加し難い。
【0007】
本発明の目的は、以上のような課題を解消して、特許文献1と同じく取付操作性に優れ、金属製カバーによりパネルに対する係合箇所を破壊され難いという利点に加え、取付操作性を損なうことなく係合固定力を確実に増大できるようにしたり、パネルに対し仮止め可能にして取付手順などを改善し易くすることにある。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、形態例を参考にして特定すると、パネル7に設けられた取付孔7aに着脱可能に装着されるクリップ4において、前記パネル7の表面側に配置されるフランジ部10、及び前記フランジ部の下面に突設されて前記取付孔に仮止め可能に挿通される複数の弾性脚15、並びに前記フランジ部を貫通して前記弾性脚同士の間の隙間Sに連通している開口14を有した雌部材1と、前記開口14を覆う操作部20、及び前記操作部の下面に突設された差込部25を有し、前記差込部25が前記開口から前記隙間Sに挿入保持された状態で前記各弾性脚15の互いに接近する方向への変形を阻止可能にする雄部材2と、前記雌部材1に嵌合された取付状態で前記弾性脚15の一部を覆う金属製カバー3とからなることを特徴としている。
【0009】
以上の本発明は、請求項2〜6で特定したように具体化されることがより好ましい。
(ア)、前記弾性脚15と前記金属製カバー3とは、どちらか一方に設けた凸部16と、他方に設けた凹部34とにより、前記各弾性脚15が互いに接近する方向に変形可能な状態で嵌合されている構成である(請求項2)。
(イ)、前記雌部材1は前記差込部25が前記開口13から前記弾性脚15同士の隙間Sに挿入される途中で前記雄部材2を圧接保持し、その圧接保持状態で、前記パネル7に対して、前記弾性脚15を前記取付孔7aに挿入し係合することにより仮止めされ、前記差込部25が更に挿入されて前記弾性脚15に圧接することにより本止めされる構成である(請求項3)。
【0010】
(ウ)、前記金属製カバー3は、前記各弾性脚15の先端及び外面部分を覆う被覆部30〜32、及び前記被覆部の一部から延設されて前記フランジ部に当接する折返し片部33を有している構成である(請求項4)。
(エ)、前記金属製カバー3は、前記雌部材1に嵌合された取付状態で前記弾性脚15の先端との間に緩衝用空間8を保つよう形成されている構成である(請求項5)。
(オ)、前記雌部材1及び前記雄部材2の少なくとも一方には前記雄部材2の前記雌部材1に対する保持状態を解除する治具を挿入する治具差込用空間20aが設けられている構成である(請求項6)。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、図2に例示されるごとく、雌部材が雄部材を開口に挿入した状態で、パネルに対して弾性脚を取付孔に挿入し係合した後、その係合状態で、雄部材が押し込み操作されると、差込部が弾性脚同士の間の隙間に挿入保持されると、各弾性脚が互いに接近する方向への変形を阻止され、それにより解除不能に係合固定される。このため、この構造では、特許文献1と同様に取付操作性に優れ、金属製カバーにより弾性脚などを破壊され難くできる利点に加え、取付操作性を損なうことなく係合固定力を確実に増大できる。
【0012】
請求項2の発明では、図1に例示されるごとく、雌部材側の弾性脚と金属製カバーとが凸部と凹部とを介して各弾性脚を互いに接近する方向に変形可能な状態で嵌合されているため、例えば図5(a)のごとく金属製カバーを予め弾性脚に取り付けた状態で取り扱うことができ、それにより取扱性やパネルへの取付操作性をより向上できる。
【0013】
請求項3の発明では、雌部材が雄部材を圧接保持した状態で、パネルに対して弾性脚を取付孔に挿入し係合することで仮止めされ、差込部を更に挿入し弾性脚に内側から圧接することで本止めされる。このため、この構造では、例えば、パネルに対して複数のクリップを仮止めし、それらを同時に本止め操作することができ、その点から取付作業手順を改善でき、引いてはパネルへの取付操作性も更に向上できる。
【0014】
請求項4の発明では、各弾性脚の先端及び外面部分をカバーの被覆部により覆って保護することにより、かつ、雌部材側のフランジ部に折返し片部を当接して被覆部に飛び石などが当たっても変形し難くすることにより、金属製カバーの保護機能を充分に発揮できるようにする。
【0015】
請求項5の発明では、カバーが弾性脚の先端との間に緩衝用空間を形成していると、例えば被覆部に飛び石などが当たったときにその空間の緩衝作用により衝撃を緩和吸収できるようにする。
【0016】
請求項6の発明では、例えば、クリップの解体時にドライバーなどを冶具差込用空間に差し込んで雄部材を雌部材から強制的に引き抜いてクリップの解体操作を容易に行えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】形態例のクリップをパネルの取付孔に仮止めした状態を示し、(a)は側面図、(b)はパネルの下面側より見た図である。
【図2】(a)と(b)は上記クリップをパネルの取付孔に仮止めした状態と本止めした状態とを上記図1(b)のA−A線に沿って示した断面図である。
【図3】(a)と(b)は上記クリップをパネルの取付孔に仮止めした状態と本止めした状態とを上記図1(a)のB−B線に沿って示した断面図である。
【図4】上記クリップの構成を示す分解斜視図である。
【図5】(a)と(b)はパネルに対する上記クリップの仮止め状態と本止め状態で示した概略斜視図である。
【図6】上記雌部材単品を示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図7】上記雄部材単品を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は下面図である。
【図8】特許文献1の構造を示し、(a)はクリップの断面図、(b)はパネルに装着した使用状態での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の形態例について添付図面を参照しながら説明する。この説明では、クリップの構造、組立、パネルへの取付操作の順で詳述する。
【0019】
(構造)形態例のクリップ4は、図2及び図4に示されるごとくパネル7に設けられた矩形状の取付孔7aに着脱可能に装着されてアシストグリップ5などを回動可能に支持するものであり、樹脂製の雌部材1及び雄部材2並びに金属製のカバー3の3点構成である。各部材は次のような概略構成からなる。すなわち、雌部材1は、パネル7の表面側に配置されるフランジ部10と、フランジ部10の上面に突設されてアシストグリップ5を枢軸6を介して支持する支持壁部11と、フランジ部10の下面に突設されて取付孔7aに仮止め可能に挿通される複数(この例では2つ)の弾性脚15と、フランジ部10を貫通して弾性脚15同士の間の隙間Sに連通している開口14とを有している。雄部材2は、開口14を覆う操作部20と、操作部20の下面に突設された差込部25とを有し、差込部25が開口14から隙間Sに挿入保持された状態で各弾性脚15の互いに接近する方向への変形を阻止可能にする。カバー3は、各弾性脚15の先端部を覆う被覆部30〜32と、被覆部32の一部から延設されてフランジ部10に当接する折返し片部33とを有している。以下、各部材の細部を明らかにする。
【0020】
まず、雌部材1を図4及び図6を参照して説明する。フランジ部10は、略矩形板状をなし、支持壁部11の内側にあって表裏を貫通した開口14と、各側壁12との間にあって表裏を貫通したスリット14aと、各スリット14aと開口41との間を構成している細い弾性片10aとを形成している。また、フランジ部10の裏面には、台座19及び台座19の前後部に突設した突当部19aが設けられている。そして、この例では、雌部材1を図2(b)のごとくパネル7に係合固定した状態で、突当部19aがパネル7の表面に当接されている。但し、パネル7には特許文献1のごとく内装材が添設されることがある。その場合は、例えば、台座19がその内装材に沿って配置され、当接部19aがその内装材に設けられた穴からパネル7に当接される。
【0021】
支持壁部11は、両側壁12及び両側壁12同士を接続している中間壁13により概略コ形状となっている。各両側壁12は、上部が中間壁13よりも更に開口14と反対側へ変位されており、その変位した箇所に同軸線上に設けられた軸孔12aを有している。そして、この例では、パネル7に係合固定される2つのクリップ4に対し、アシストグリップ5が各軸孔12aに挿通される枢軸6を介して回動可能に枢支される(この支持構造は特許文献1や特開2002−225613号公報などを参照)。
【0022】
2つの弾性脚15は、開口14の横縁部からそれぞれ対向した状態で突出されている。各弾性脚15は、略矩形板状となっていて、脚同士の間の隙間Sが基端側より突出端側の方を狭くなるよう形成されている。また、各弾性脚15は、先端の内側に一段出っ張った張出部15aと、外面に設けられて先端から基端手前に向かって次第に張り出す傾斜面の上段差である係合部15bと、先端側の両側面に設けられた爪部16とを有している。各張出部15aは雄部材の差込部25と当接する箇所である。係合部15bは、取付孔7aの縁に弾性係合される箇所である。爪部16はカバー3に嵌合される箇所である。
【0023】
そして、以上の雌部材1は、図2(a)のごとく雄部材2を圧接保持した状態で、各弾性脚15がパネルの取付孔7aに対して、縮径しつつ挿通され、挿通と同時に元の形状に復元されことにより係合部15bが係合して仮止め状態となる。雌部材1は、仮止め状態から、雄部材2が図2(b)のごとく更に押し操作されて、差込部25が弾性脚15同士の間に圧入されると、各弾性脚15同士が縮径方向に変形不能となる本止め状態に切り換えられる。
【0024】
次に、雄部材2を図4及び図7を参照して説明する。操作部20は、差込部25の頭部に相当し、上側の湾曲状操作面21、両側面22、下面23、背面24により区画形成され、前記支持壁部11のコ形内に収まる大きさとなっている。操作面21及び下面23には治具差込用の空間20aが設けられている。つまり、この空間20aは、図5(b)のごとく雌部材1に対する雄部材2の保持状態を解除するためのドライバー等の治具6を挿入する箇所である。
【0025】
差込部25は、概略矩形板状からなるとともに、先端25aが少し薄くなっている。また、差込部25は、両側面の内側に設けられて側面と平行に延びているスリット26,26と、前後面にあって両スリット間に設けられている合計4つの凹部27と、両側面に設けられた先端側の凸部28及び基端側の張出部29とを有している。各スリット26は、対応側面の凸部28及び張出部29を弾性変形可能にしている。凹部27は、欠肉用つまり軽量化を目的としたものであるが、省略されることもある。凸部28と張出部29との間は仮組み付け用の凹部25bに設定されている。
【0026】
次に、カバー3を図3及び図4を参照して説明する。カバー3は、ブレス品であり、各弾性脚15の先端面側を覆う底面側被覆部30と、各弾性脚15の先端側外面を覆う前後面側被覆部31と、各弾性脚15の先端側側面を覆う両端側被覆部32と、両端面側被覆部32を上向きに延長した折返し片部33とを有している。また、両端側被覆部32には矩形孔である凹部34がそれぞれ設けられている。各折返し片部33の先端33aは外側に屈曲形成されている。
【0027】
(組立)以上の各部材は、以下に例示するような手順により、図5(a)の仮組み付け状態に組み付けられて一体物のクリップ4として取り扱われる。この組立では、雌部材1に対してカバー3と雄部材1とが共に仮組み付けされる。ここでは、雌部材1に対してカバー3を組み付けた後に雄部材1を組み付ける例で述べるが、雌部材1に対して雄部材1を組み付けた後、カバー3を後で組み付けるようにしてもよい。
【0028】
前者の作業では、被覆部30〜32の内側に両弾性脚15を収容し、かつ、各折返し片部の先端33aをフランジ部10に当接すると、弾性脚側の各爪部16が対応する凹部34と嵌合し、それによりカバー3が雌部材1に対し仮組み付けされる。この状態では、弾性脚15の2つの爪部16は、凹部34である矩形孔内で遊嵌、つまり互いに接近したり離間する方向に変形可能となっている。
【0029】
後者の作業では、雄部材の差込部25を開口14から隙間Sに挿入すると、図3(a)の拡大図に示したごとく弾性片10aが凸部28を弾性的に乗り越えて凹部25bに係合する。それにより、雄部材2は雌部材1に対して弾性片10aと凹部25bとが解除可能に係合された状態で仮組み付けされ、一体物として取り扱うことができる。
【0030】
(パネルへの取付操作)以上のようにして仮組み付けされたクリップ4は、図2及び図3の各(a)ごとくパネル7に対してワンタッチ操作により仮止めされ、かつ各(b)のごとくワンタッチ操作により仮止め状態から本止めに切り換えられる。すなわち、上記仮組み付けされたクリップ4は、雌部材の各弾性脚15がパネル7に対して、互いに接近する方向に変位しながら取付孔7aを通過し、完全に通過されると復元されて、係合部15bが取付孔7aの孔縁に係合ないしは係止されて仮止めされる。
【0031】
また、作業者は、以上の仮止め状態から、雄部材の操作部20を図2(a)の矢印方向へ押すと、差込部25が同(b)のごとく下面23がフランジ部10に当たる最終段階まで同方向へ移動されて本止め状態に切り換えられる。本止め状態では、差込部25の先端部25aが両張出部15aの対向内面を拡開方向に変位しながら張出部15a同士の間に圧入され、かつ、各弾性脚に設けられた爪部16も互いの間隔を拡げられて凹部34の矩形孔の両側に強く嵌合されている。このため、この構造では、両弾性脚15が互いに接近する方向への変位を阻止され、それにより取付孔7aに対する係合部15bの係合が確実に維持され、係合固定力を増大できる。また、カバー3は、両弾性脚15の少なくとも先端側を覆って保護し、かつ図2(b)のごとく弾性脚15の先端との間に空間8を保っている。このため、この構造では、使用状態において、例えば被覆部30〜32に飛び石などが当たっても、空間8の緩衝作用により衝撃を緩和吸収できる。
【0032】
また、以上のクリップ4は、パネルの取付孔7aに本止めされた状態から簡単に回収できる。すなわち、作業者は、図5(b)のごとくドライバーなどの工具9を用いて、工具9の先端を空間20aに丸数字1の方向から差し込んで、丸数字2の上方向に持ち上げる。すると、雄部材2は、雌部材1に対して張出部29と弾性片10aとの圧接保持力に抗して所定量だけ引き抜かれるとともに、図3(a)のごとく凹部25bと弾性片10aとが係合、つまり仮組み付け状態となる。このため、クリップ4(の雌部材1)は、パネル7から離れる方向に引っ張ると、各係合部15bが両弾性脚15の内側への変形を伴って取付孔17aから係合解除されるため、取付孔7aから簡単に引き抜かれる。
【0033】
なお、本発明のクリップは、請求項で特定される構成を備えておればよく、細部は形態例を参考にして変更したり展開可能なものである。その例としては、雌部材の支持壁部にはアシストグリップ以外の物品や部材を取り付けたり、カバーの被覆部形状を変更することである。
【符号の説明】
【0034】
1・・・雌部材(10はフランジ部、14は開口、15は弾性脚、16は凸部)
2・・・雄部材(20は操作部、20aは空間、25は差込部、)
3・・・カバー(30〜32は被覆部、33は折返し片部、34は凹部)
4・・・クリップ
5・・・アシストグリップ
6・・・枢軸
7・・・パネル(7aは取付孔)
8・・・緩衝用空間
9・・・ドライバー(工具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに設けられた取付孔に着脱可能に装着されるクリップにおいて、
前記パネルの表面側に配置されるフランジ部、及び前記フランジ部の下面に突設されて前記取付孔に仮止め可能に挿通される複数の弾性脚、並びに前記フランジ部を貫通して前記弾性脚同士の間の隙間に連通している開口を有した雌部材と
前記開口を覆う大きさの操作部、及び前記操作部の下面に突設された差込部を有し、前記差込部が前記開口から前記隙間に挿入保持された状態で前記各弾性脚が互いに接近する方向への変形を阻止可能にする雄部材と、
前記雌部材に嵌合された取付状態で前記弾性脚の一部を覆う金属製カバーとからなることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記弾性脚と前記金属製カバーとは、どちらか一方に設けた凸部と、他方に設けた凹部とにより、前記各弾性脚が互いに接近する方向に変形可能な状態で嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記雌部材は、前記差込部が前記開口から前記弾性脚同士の隙間に挿入される途中で前記雄部材を圧接保持し、その圧接保持状態で、前記パネルに対して、前記弾性脚を前記取付孔に挿入し係合することにより仮止めされ、前記差込部が更に挿入されて前記弾性脚に圧接することにより本止めされることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記金属製カバーは、前記各弾性脚の先端及び外面部分を覆う被覆部、及び前記被覆部の一部から延設されて前記フランジ部に当接する折返し片部を有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のクリップ。
【請求項5】
前記金属製カバーは、前記雌部材に嵌合された取付状態で前記弾性脚の先端との間に緩衝用空間を保つよう形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のクリップ。
【請求項6】
前記雌部材及び前記雄部材の少なくとも一方には前記雄部材の前記雌部材に対する保持状態を解除する治具を挿入する治具差込用空間が設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−127379(P2012−127379A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277650(P2010−277650)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】