説明

クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物の即座調製のための方法及び前記方法を行うための組成物

【課題】クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物の調製のための方法。
【解決手段】該調製は、組成物が使用される時点で製造され、そして次の成分:(A)液相;(B)液相(A)のためのゲル化剤を含有する粉末;及び(C)活性な化粧品成分を相互に接触させ、これによって、成分を、相(A)を相(B)に加えることによって接触させ、相(B)及び固定化された形態の相(A)を含有する固体粉末を機械的応力にかけ、前記の機械的応力が相(A)を放出することを含む。本発明は、更に上記の状況において使用することができる組成物、特に(1)相(B)を含有する組成物(使用前にこれに相(A)を加える);並びに(2)相(B)及び固定化された形態の相(A)を含んでなる固体組成物(そしてこれは、これらが皮膚に塗布される時にクリームに転換される)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物、特に皮膚に対する塗布を意図したものを調製するための方法に関する。更に具体的には、本発明は、粉末の形態で保存及び輸送することができ、そしてこれらが塗布された時に、クリームのテキスチャーを有する組成物に転換することができる組成物に関する。
【0002】
従って、本発明は、具体的に水性又は油性のいずれかの液相を加えることによってクリーム状テキスチャーを持つ組成物に転換される粉末の形態の組成物に関し、この液相は、使用者(例えば、消費者)によって、使用の直前に粉末に加えることが可能であるか、或いはこの液相は、固定化された又はカプセル化された形態で固体組成物中に最初から存在し、このカプセル化された液相は、次いで機械的応力の影響下、特に皮膚の表面への組成物の塗布によって放出される。
【背景技術】
【0003】
クリームのテキスチャー(コンシステンシー)を有する多くの化粧品組成物が現在知られている。これらは、その構造、快い感触及び活性成分を運ぶその能力のために化粧品工業において広く使用されている。
【0004】
然しながら、クリームのコンシステンシーを有する組成物は、一般的に工業的方法によってのみ得ることができる。現在、一回使用単位(カプセル、小さい瓶、小さい包装、等)で含まれる粉末又は液体を混合し、使用者が使用の直前に各種の成分を混合することによって得られる、いわゆる“携帯式(mobile)化粧品”に対する傾向が増加している。これらの携帯式化粧品組成物は、しばしば防腐剤を含有しないという利益を有し、これを敏感な皮膚に対して特別に適当なものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、クリームのコンシステンシーを有する組成物(即ち、化粧品クリームの感覚受容性の品質、特にソフトで、そして快い感触及びミルク状の外観を有する)を使用者が調製することが可能であり、そしてそれを行うために工業的方法を必要としない、携帯式化粧品組成物を製造するための固体組成物を提供することである。
【発明を解決するための手段】
【0006】
この状況において、本発明人は、驚くべきことに、液相を、液相(A)のためのゲル化剤及び前記の液相に対する弱い親和性を与える表面特性を有する無機又は有機物粒子(例えば、改質されているか又は改質されていないことができる表面を持つ無機酸化物粒子、或いはポリマー粒子)を含有する固体粉末に単純に加えることにより、一般的に極めて迅速に(殆んどの場合瞬時に)、工業的混合条件を必要とせずに、クリームのテキスチャーを有する組成物が得られるということを発見した。特に予期しなかったことに、本発明人は、更に液相及び粉末の混合が、ある種の特定の方法条件下で行われた場合、これらは、なお固体粉末状態のまま液相を一体化する組成物となり、そして得られた固体粉末が機械的応力にかけられた時に(特に皮膚の表面に粉末を塗布することによって)、これが固定化された相(A)を放出し、固体粉末がクリーム状のテキスチャーを有する組成物に転換されることを証明した。
【0007】
これらの発見に基づき、本発明は、特に一般的な様式において、クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物を即座に、即ちこれらの組成物が塗布された瞬間に、調製することを可能にする方法を提供することを意図する。
【0008】
具体的な様式において、この状況における本発明の注目に値する目的は、消費者がそれを塗布する直前に組成物を調製するために使用するために適当なような組成物を調製するための、瞬間的又は少なくとも非常に迅速な方法を提供することである。
【0009】
本発明は、更に、液相(好ましくは水)が加えられた時に、クリーム状の特質を持つ化粧品組成物となる、固体組成物を提供することを意図する。
本発明のもう一つの特定の目的は、固体粉末の形態で輸送及び保存することができ、そしてこれが皮膚に塗布された時に、クリーム状のテキスチャーを持つ組成物に転換される、特別な化粧品組成物を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従って、第1の側面において、本発明の目的は、クリームのテキスチャー(コンシステンシー)を有する化粧品組成物を調製するための、前記の化粧品組成物が塗布される瞬間に使用者によって製造される方法であり、この方法は:
(A)液相;
(B)(i)液相(A)のためのゲル化剤;
(ii)無機又は有機物粒子(これらに液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を有する);
を含有する固体粉末;及び
(C)一般的に液相(A)又は粉末(B)中に存在するか、或いはさもなければ、これは、液相(A)又は粉末(B)の成分の全体又は一部である、活性な(active)化粧品成分;
を接触させることからなる工程(E)を特徴的に含んでなる。
【0011】
本説明の意味において、“液相”は、水性又は油性の特質の相を意味する。別の方法として、本発明の方法において使用される液相(A)は、油中水型乳液(この説明の意味において、これは“油性の特質”の相と考えられるものである)又は水中油型(この場合、この相は、本明細書では“水性の特質”の相と考えるものである)であることができる。
【0012】
一般的に、ゲル化剤(i)は、液相(A)をゲル化することができるいずれもの薬剤から選択することができ、これは、一般的に少なくとも800mPa・s、そして好ましくは少なくとも1000mPa・s(好都合には少なくとも2000mPa・s)の粘度を得ることによって、前記の相の粘度を増加し、そしてこれをゲルの形態に転換することができる薬剤である。最もしばしば、ゲル化剤(i)が、前記の薬剤と前記の相とが混合した時に、液相(A)の可能な限り迅速な、好ましくは瞬間的なゲル化を与えるゲル化剤から選択されることが好ましい。従って、一般的に、本発明の方法において使用されるゲル化剤(i)は、ゲル化によって、混合後5分より少ない時間で、そして好都合には混合後1分より少ない時間で、液相(A)の粘度の増加を起こす。なお更に好ましくは、ゲル化は、混合後20秒より少ない時間で、そして特に好ましくは混合後10秒より少ない時間で(又は5秒より少ない時間で、或いは好都合にはなおより少ない時間で)起こる。一般的に、ゲル化剤(i)が、有意な量の相(A)を一体化することが更に好ましい。
【0013】
固体粉末(B)中の無機酸化物粒子(ii)は、特徴的に液相(A)に対する弱い親和性をこれらに与える表面特性を有する粒子である。言い換えれば、粒子(ii)は、相(A)が水性である場合、疎水性の表面特質を有し、そして相(A)が油性である場合、親水性の表面特質を有する。従って、液相(A)が水性の相又は連続相が水性である乳液である場合、粒子(ii)は、一般的に疎水性ポリマー、疎水性基でグラフトされた無機物粒子(例えば金属酸化物)の粒子であるか、或いはさもなければ、その表面に疎水性化合物(例えば油)を沈着させた粒子である。相(A)が油性の相、又は連続相が油性である乳液である場合、粒子(ii)は、好都合には疎油性粒子(例えば、恐らくは疎油性基でグラフトされた酸化物のような無機物粒子、或いはさもなければ、その表面に水又は水性の相を沈着させた無機又は有機物粒子)である。
【0014】
一般的に、これらの厳密な特質に関係なく、粒子(ii)の平均の大きさは、好ましくは5ミクロン以下、或いは好ましくは3ミクロン以下であり、この大きさは、典型的には約数十ナノメートル〜数百ナノメートルである。
【0015】
本明細書の“活性な化粧品成分”は、広い意味で、本発明の方法を使用して得られる組成物に、例えばこの組成物に光学的効果(着色剤、ライトナー、日焼け止め、等)又は化粧品的特質によるトリートメント効果(香水、発汗抑制剤、モイスチャライザー、痩身剤、等)を与えることによって、化粧品的特質を与えるいずれもの化合物又は化合物の混合物を意味する。典型的には、本発明による化粧品薬剤(C)は、特に着色剤(例えば、固体顔料又は可溶性着色剤)であることができる。
【0016】
本発明の方法において使用される活性な化粧品成分(C)の特質に関係なく、これは、特に使用される液相(A)及び固体粉末(B)の特質の機能として幅広く変化することができる。最もしばしばこの活性な化粧品成分は、固体粉末(B)中に一体化される(特にこれが相(A)に不溶性である固体又は液体である場合)か、又は液相(A)中に一体化される(例えばこれがこの相に可溶性の活性成分である場合)かのいずれかである。活性な化粧品成分(C)は、液相(A)又は固体粉末(B)の全体又は一部を構成することができる。特別な変法において、液相(A)及び固相(B)は、共に同一又は異なることができる活性な化粧品成分を含有することができる。
【0017】
本発明の目的である方法は、事実、化粧品組成物を、前記の化粧品組成物が使用される時に使用者によって調製することを可能にする方法である。
第1の推測可能な変法において、本発明の方法は、単純に相(A)を固体粉末(B)に加えること、又は更に一般的には、二つの相(A)及び(B)の混合物に加えることからなることができる。この場合、本発明の方法は、特に“携帯式”化粧品組成物を調製するという状況において使用者によって行うことができる。この場合、使用の直前に使用者が、相(A)(例えば活性成分を含有するか又は含有しないことができる水又は水性の組成物、又は油)を粉末(B)に加えて、クリームのコンシステンシーを有する化粧品組成物を得る。この場合、組成物は、一般的に混合中に瞬時に又は殆んど瞬時に、即ち、最もしばしば30秒より少ない時間で、そして好都合には5秒より少ない時間で形成される。但し、混合物の最低限度の均質化は保証されなければならない。従ってこの方法は、化粧品組成物の瞬時の“携帯式”調製のために特別に有用である。この状況において、相(A)及び固体(B)は、典型的には相(A)を、カプセル型の容器に含有された相(B)に加えることによって混合され、次いで混合物を含有するカプセルを前後に2又は3回単純に回転することによって、ゲル化が一般的に得られ、この手段によって、所望するクリーム状のテキスチャーを持つ組成物が得られる。相(A)及び相(B)は、更に単純には、使用者の手の掌で混合することもできる。
【0018】
本発明の方法のもう一つの推測可能な変法において、相(A)は、固体の担体上に固定化(この担体上に吸着又は沈着する)されるか、或いは固体の担体中にカプセル化されることができ、この固体の担体は、粉末(B)の全体又は一部を構成する。従って、本変法によれば、固体の担体は、例えば粉末(B)中に分散することができるか、或いは粉末(B)全体が相(A)の担体として働く。この特別な変法において、本発明の方法の工程(E)は、固体の担体に固定化された相(A)を、固定化された形態の相(A)を含有する粉末(B)を機械的応力にかけて放出することからなる(この機械的応力は、特に、相(A)を一体化した粉末(B)を皮膚の表面に塗布することによって行うことができる)。
【0019】
この第2の変法において、相(A)を含有する粉末(B)は、最終的に得られるものであるクリーム組成物の固体の前駆体と考えることができる。
いかなる変法が使用されようとも、本発明の方法は、一般的に、使用される液相(A)に対して調節されるべきである。
【0020】
従って、第1の側面において、本発明の方法において使用される相(A)は、水性の相であることができる。この場合、これは、一般的に水、水性の溶液又は水中油型乳液である。この水性の相は、活性成分を含むか、又は含まないことができる。
【0021】
相(A)が水性の相である場合、ゲル化剤(i)は、特に化粧品に普通に使用される天然由来の水性の相のゲル化剤、特に穀類、植物、果実又は藻類抽出物のような植物由来のもの、或いは細胞外誘導体のような微生物由来のゲル化剤、或いはタンパク質(特にミルク)、ゼラチン又はキトサンのような動物由来のゲル化剤の中から選択される。これらの剤は、更に無機物由来、特に粘土又は非晶質二酸化ケイ素であることもできる。これらは、更に改質されたセルロース又は改質されたデンプンのような半合成化合物、或いはアクリル酸の又はポリアクリルアミド化合物のような合成化合物であることができる。特に好ましい様式において、ゲル化剤(i)は、一般的に架橋され、そして好ましくはカルボキシメチル基で改質されたデンプン、又は改質されたセルロース、寒天或いはアルギン酸塩である。
【0022】
更に、そしてより一般的には、相(A)が水性である場合、ゲル化剤(i)を、水中に2重量%加えて乳化させた場合、5分後に(好都合には1分より少ない時間で、そしてなお更に好都合には10秒より少ない時間で、そして好ましくは瞬時に、即ち5秒より少ない時間で、又はなお少ない時間で)、少なくとも800mPa・sに等しい、好ましくは1000mPa・sに等しい、そして好都合には2000mPa・s以上の粘度を持つゲルが得られるようなものであることが好ましい。
【0023】
本発明の方法における特に好都合なゲル化剤(i)は、相(A)が水性である場合、100〜10g/モル間(好都合には500,000〜100,000,000g/モル間)の分子量を有する、カルボキシメチル基で改質された架橋されたデンプンであり、この分子量は、好ましくは5,000,000〜50,000,000g/モル間、そして好都合には25,000,000〜35,000,000g/モル間である。本発明の方法において特に好都合なゲル化剤(i)は、LCW Companyによって“Covagel”(カルボキシメチルデンプンナトリウム)として市販されている、30,000,000g/モルの分子量を持つ、カルボキシメチル基によって改質されたデンプンである。
【0024】
更に一般的には、相(A)が水性である場合、いずれもの架橋された改質デンプン(好ましくはカルボキシメチル基によって弱く改質された)をゲル化剤(i)として使用することができる。ゲル化剤(i)がデンプンである場合、2重量%で水と混合された場合、多くとも10分(好都合には5分より少ない時間で、又は更に30秒より少ない時間で)で3000〜6000mPa・s間の粘度を持つゲルを得るようなものであることが好ましい。
【0025】
相(A)が水性である場合、粒子(ii)は、一般的にその表面に油性の相を沈着させた粒子であるか(例えば油で飽和された粒子)、又は疎水性のポリマー粒子、或いは疎水性基でその表面がグラフト(処理)された無機物粒子(例えば金属酸化物)であるかのいずれかであり、好ましくはシラン基又はメチコン、ジメチコン、脂肪酸、アミノ酸、レシチン、ポリエチレン、テフロン、ラウリルリシン基、フッ素化された基(特にポリフルオロリン酸エーテル好ましくはリン酸ペルフルオロアルキル)、並びに一つ又はいくつかのこの種類の基の混合物、特にポリアクリレート/シリコーン、ポリアクリレート/レシチン、ポリアクリレート/フッ素処理された基、ポリアクリレート/シリコーン/フッ素化された基、又はシリコーン/フッ素化された基、の種類の混合物から選択され、シラン基及びポリフルオロリン酸エーテルのようなフッ素化された基が特に好ましい基である。
【0026】
粒子(ii)が、疎水性基でその表面をグラフトされた無機物粒子である場合、これらの粒子が、金属酸化物基剤、そして一般的にシリカ、二酸化チタン、アルミニウム、酸化鉄又はこれらの酸化物の混合物の基剤を有することが好ましい。特別に好都合な様式において、粒子(ii)は、適用可能な場合、通常少なくとも90重量%、そして好ましくは少なくとも95重量%の二酸化チタンを含んでなる、二酸化チタン基剤を伴う粒子である。これらの二酸化チタン基剤粒子の大きさは、一般的に5ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下であり、そして更に好都合には20〜100nm間である。
【0027】
特別に好都合な様式において、相(A)が水性である場合、粒子(ii)は、酸化物、具体的にはシラン基でグラフトされた二酸化チタンの粒子であることができ、これらの粒子は、好ましくは式RSi(OR’)のシランで処理された二酸化チタンの粒子であり、ここでRは、5〜18個の炭素原子を持つアルキル基を指し、Rは、好ましくはヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル又はウンデシルラジカルを表し、そしてR’は、好ましくはメチル、エチル又はプロピル基を表す。この状況において好都合に使用することができるシラン基でグラフトされた二酸化チタン粒子に対して、トリメトキシカプリリルシラン又はトリエトキシカプリリルシラン処理から得られた粒子を引用することができる。
【0028】
相(A)が水性である場合、これは、固体の担体中にカプセル化するか、或いはさもなければ固体の担体の表面に吸着又は保持して固定化することができ、この固体の担体は、粉末(B)又は粉末(B)の成分中に分散される。この場合、工程(E)は、カプセル化又は固定化された形態の相(A)を含有する粉末(B)を、機械的応力にかけることによって、相(A)を放出することからなり、この機械的応力は、恐らくは特に相(A)を含有する粉末(B)を、皮膚に塗布する時に適用される。この場合、相(A)を含有する粒子(B)は、塗布後に得られるものであるクリームのテキスチャーを有する化粧品組成物に対する前駆体である。好ましくは、相(A)が水性である場合、これは、シランでグラフトされた粒子の表面に固定化され、これらの粒子は、好都合には先に定義したようなシラン基でグラフトされた二酸化チタンの粒子である。
【0029】
本発明のもう一つの変法において、使用される相(A)は、油性、特に植物若しくは動物由来の油、又は合成油、或いはさもなければ油中水型の乳液であることができ、そしてこの油性の相は、活性な化粧品成分を含んでなること又は含んでならないことができる。
【0030】
相(A)が油性である場合、ゲル化剤(i)は、一般的にマイカ(mica)(そして特に改質されたマイカ)、シリカ(好ましくは親油性)、及び改質されるか又は改質されないことができる粘土から選択することができる。マイカ、特に改質されたマイカ、及び疎水性シリカが特別に好ましい。特別に好都合な様式において、ゲル化剤(i)は、相(A)が油性である場合、改質されたマイカである。例として、特別に興味のあるマイカは、フッ素化されたマイカ、特にLCWによって“Submica M”として市販されている、フッ素化され、そしてカリウムによって改質されたもの、具体的にはケイ酸アルミニウム、フルオロマグネシウム及びカリウムのようなもの(アルミニウムフルオロマグネシウムカリウム)である。
【0031】
相(A)が油性である場合、粒子(ii)は、好都合には無機物粒子、そして特に酸化物粒子であることができ、好ましくは、二酸化チタン、シリカ、及び酸化鉄及び/又は酸化アルミニウムで全体又は一部が構成され、これらの粒子は、その表面が処理されていないか又は疎油基をグラフトすることによって処理されている。従って、粒子(ii)は、好都合には、好ましくはフッ素化された基でグラフトされた二酸化チタン粒子であることができ、フッ素化された基でグラフトされた二酸化チタン粒子は、好ましくはペルフルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキル基を含有する直鎖又は環式ポリオルガノシロキサン、或いはペルフルオロポリエーテルのような化合物でグラフトすることによって得られ、リン酸ペルフルオロアルキルで処理された二酸化チタンに基づく基が特別に好ましい。相(B)が油性である場合、粒子(ii)は、別の方法として、その表面に水を沈着させた無機又は有機物粒子のいずれかであることができる。
【0032】
更に一般的な様式において、相(B)が油性である場合、粒子(ii)の大きさが、5ミクロンより小さい、好ましくは1ミクロン以下であることが一般的に好ましく、この大きさは、一般的に20〜100nm間に入る。
【0033】
特定の変法において、相(A)が油性である場合、これは、固体の担体上に固定化(又はその中にカプセル化)されていることができ、この固体の担体は、粉末(B)中に分散されているか、又は粉末(B)の成分である。本発明の方法の工程(E)は、この特定な場合、相(A)をカプセル化又は固定化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、相(A)を放出することからなり、この機械的応力は、具体的には、相(A)を含有する粉末(B)を、皮膚の表面に塗布することによって行うことが可能である。この場合、相(A)を含有する粉末(B)は、最終的に得られるものであるクリームのコンシステンシーを有する組成物の前駆体と考えることができる。この場合、油性の相は、特別にマイクロカプセル中にカプセル化するか、或いはさもなければ固体粉末(B)の粒子の表面に吸着させるか又は沈着させることができる。この場合、粒子(ii)がその表面に疎油性基でグラフトされた無機物粒子であることが一般的に好ましく、そして好都合には粒子は、先に定義したようなフッ素化された基で処理された二酸化チタン、シリカ、及び酸化鉄及び/又は酸化アルミニウムで全体又は一部が構成される。
【0034】
もう一つの側面において、本発明は、更に本発明の方法において使用することができる各種の固体組成物にも関する。
従って、特別の側面において、本発明は、これらが液相と混合された時に、非常に迅速に、そして好ましくは瞬時にクリームのテキスチャーを持つ組成物の形成となる固体組成物に関する。
【0035】
この状況において、そして特定の側面において、本発明は、液相(A)と接触した時に化粧品組成物を(好ましくは瞬時に)調製することを可能にする組成物(C1)に関し、前記の組成物は:
(i)前記の液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)粒子(これらに前記の液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を有する);
を含有する固体の粉末で全体又は一部が構成される。
【0036】
組成物(C1)において、ゲル化剤(i)及び金属酸化物粒子(ii)は、好ましくは計画された液相(A)の特質いかんによって、上記で定義した好ましいゲル化剤及び金属酸化物粒子から選択される。
【0037】
従って本発明は、具体的にはこれらの組成物が使用される時点で水性の相と接触する時の化粧品化合物の調製のために適当な組成物に関し、ここにおいてゲル化剤(i)及び粒子(ii)は、相(A)が水性である特定のケースにおいて先に定義したとおりである。この状況において、組成物(C1)は、好都合にはゲル化剤(i)が、好ましくは架橋され、そしてカルボキシメチル基で改質されたデンプンである組成物であり、このデンプンは、特別に好都合にはLCWによって市販されている“Covagel”(カルボキシメチルデンプンナトリウム)のような改質されたデンプンであり、粒子(ii)は、好ましくはその表面に例えば油のような疎水性化合物を沈着させた粒子である。
【0038】
もう一つの側面において、本発明は、更に、組成物が塗布された時点で、油性の相と接触する時の化粧品組成物の調製のために適当な組成物にも関し、ここにおいてゲル化剤(i)及び粒子(ii)は、相(A)が油性であるケースにおいて先に定義したとおりである。この状況において、ゲル化剤(i)が、改質されたマイカ(好都合にはフッ素化されたマイカであり、好ましくはカリウムで改質された、例えばLCWによって“Submica M”として市販されている、ケイ酸アルミニウムフルオロマグネシウムカリウム)であることが好ましい。
【0039】
粉末の形態の組成物(C1)は、活性な化粧品成分を含むことができ、又は含まないことができる。
特定的には、本発明は、(I)先に定義したとおりの組成物(C1)を保持する容器と、(II)液相(A)を保持する容器とを含んでなる化粧品組成物を、これらが塗布される時点で調製するためのキットに関し、ここにおいて容器(I)中の組成物及び/又は容器(II)中の液相は、活性な化粧品成分を含有する。
【0040】
典型的には、特に前述した型のキットにおいて使用するために適当な本発明による組成物(C1)は、以下の処方:
【0041】
【表1】

【0042】
を有することができる(与えたパーセントは、組成物の全重量に対して表示された重量パーセントである)。
もう一つの側面において、本発明は、更に、塗布されたときにクリームに転換される粉末の形態の化粧品化合物(C2)にも関し、これらの化粧品組成物は、カプセル化された又は固体の表面に固定化された液相(A)と、これに組み合わせて更に:
(i)前記液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)金属酸化物粒子(これらに液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を持つ);
を含有する固体粉末から全体又は一部が構成される。
【0043】
本発明による組成物(C2)は、輸送及び保存中は非湿潤性の固体の形態で入手可能であり、そして塗布された時に、クリームの快いテキスチャー及び感触を持つ組成物に転換される特性を有する極めて特別な組成物である。
【0044】
一般的に、組成物(C2)において、成分(i)及び(ii)は、液相(A)の特質によってもちろん調節されなければならない。組成物(C2)において、ゲル化剤(i)及び金属酸化物粒子(ii)が、計画された液相(A)の特質いかんによって、上記で定義された好ましいゲル化剤及び金属酸化物粒子から、選択されることが好ましい。
【0045】
液相(A)が水性である場合、この液相(A)が、少なくとも部分的に疎水性基でグラフトされた無機物粒子の表面に固定化されていることが好ましく、これらの粒子は、好ましくは、シラン基、好ましくは−OSiR基(ここにおいてRは、5〜18個の炭素原子、そして好ましくは7〜10個間の炭素原子(典型的には8個の炭素原子)を持つアルキル基である)、又はリン酸ペルフルオロアルキルのようなフッ素化された基でグラフトされた無機酸化物基剤(好ましくは二酸化チタン基剤)を有する。
【0046】
相(A)が水性である場合、ゲル化剤(i)が、好ましくは架橋され、そしてカルボキシメチル基で改質されたデンプンであることが好ましく、このデンプンは、好ましくはLCWによって市販されている“Covagel”デンプンのようなものである。この場合、粒子(ii)が、先に定義したように、シラン基(好ましくは−OSiR基、ここにおいてRは5〜18個の炭素原子、好ましくは7〜10個間の炭素原子、そして典型的には8個の炭素原子を持つアルキル基である)でグラフトされた二酸化チタン基剤を有することが更に好ましく、次いで水性の相は、一般的にこれらの粒子の表面に少なくとも部分的に吸着される。特定の理論にいかなる方法でも関連付けられることを望むものではないが、この状況において、特に相(A)が水性であり、ゲル化剤(i)が改質されたデンプンであり、そして粒子(ii)がグラフトされた二酸化チタン基剤を有する組成物(C2)の場合、水は、粒子(ii)及びゲル化剤の表面の両方に同時に固定化されているように見受けられることを示唆することができる。
【0047】
もう一つの変法において、組成物(C2)は、特質として油性である液相(A)を含有することができ、次いで前記の油性の相(A)は、一般的にその表面が疎油性基でグラフトされた無機物粒子(ii)の表面に少なくとも部分的に固定化され、これらの粒子は、好都合には好ましくはペルフルオロアルキルシラン、ポリヘキサフルオロ(プロピレンオキシド)のような化合物でグラフト−処理された二酸化チタン、シリカ、及び酸化鉄及び/又は酸化アルミニウムによって、ペルフルオロアルキル基を含有する直鎖又は環式ポリオルガノシロキサンによって、ペルフルオロポリエーテルによって全体又は一部が構成され、リン酸ペルフルオロアルキルで処理された二酸化チタン基剤の粒子が特に好ましい。この変法において、ゲル化剤(i)が、改質されたマイカの粒子、好ましくはフッ素化されたマイカの粒子(特にLCWによって“Submica M”として市販されている粒子の型)から全体又は一部が構成されることが最も好都合である。
【0048】
固定化された相(A)の正確な処方又は特質にかかわらず、先に定義した(C2)型の組成物は、一般的に液相(A)を、ゲル化剤(i)及び粒子(ii)を含有する固体の混合物に、一般的に中程度の撹拌下(一般的に毎分1000〜2000回転間)で(通常一度に、そして迅速に)加えることによって得られる。
【0049】
特別な側面において、本発明は、更に、先に定義したような(C2)型の組成物の、二つ又はそれより多い混合物から得られる、粉末の形態の化粧品組成物に関する。この変法において、例えば、少なくとも一つの相(A)が水性である(C2)型組成物、及び少なくとも一つの相(A)が油性である(C2)型組成物から得られる組成物を推測することができる。
【0050】
典型的には、本発明による(C2)組成物は、以下の処方:
【0051】
【表2】

【0052】
を有することができる(与えたパーセントは、組成物の全重量に対して表示された重量パーセントである)。
先に強調したように、本発明の方法、並びにそれを使用する組成物(C1)及び(C2)は、好都合には“Covagel”のような改質されたデンプンを水性相のためのゲル化剤として含むことができる。
【0053】
デンプンに関して、本発明人は、これらの改質されたデンプンはゲル化特性を継続することに貢献しないために一般的に化粧品に不適当であることが知られているが、“Covagel”のような架橋されたカルボキシメチルデンプンが、粉末の形態でありそして塗布されたときにクリームに転換される携帯式化粧品組成物の調製の状況において、及び特別な(C2)化粧品組成物の状況において、ゲル化剤として化粧品に好都合に使用することができることを、驚くべき様式で証明した。事実、本発明人は、改質されたデンプン、そして特に、“Covagel”のような架橋されたカルボキシメチルデンプンが、水を加えた時、ソフトな、クリームの快いテキスチャーを持つ組成物を瞬時に与え、そしてこのために、これらのデンプンが、非常に迅速に得られる特別に興味ある品質の感触を持つ水基剤の化粧品組成物を可能にすることを証明した。
【0054】
本発明の更に特定的な目的は、これらが塗布された時点で、水基剤の化粧品組成物を調製する、“Covagel”型デンプンのような改質されたデンプンのこの特別の使用である。
【0055】
同様な様式において、本発明人は、改質されたマイカ粒子、特別にはフッ素化されたマイカ粒子、そして特別にはLCWによって“Submica M”として市販されているもののような、カリウムで改質されたフッ素化されたマイカ粒子が、油性の相が加えられた時、クリームの快いテキスチャーを持つ組成物を瞬時に与え、そしてこれらのマイカ粒子が、従って特に快い感触を持つ油基剤の化粧品組成物を非常に迅速に得るための瞬時の調製に特別に適当であることを証明した。
【0056】
本発明の更なる特定的な目的は、これらが塗布された時点における油相基剤を持つ化粧品組成物の即時調製のための、“Submica M”のような改質された(特にフッ素化された)マイカ粒子の、この特定的な使用である。
【0057】
本発明の各種の特徴及び利益は、以下に与えられる例示的な実施例によりなお更に明白となるものである。
【実施例】
【0058】
実施例1
水を加えることによってクリームのテキスチャーを持つ組成物に瞬時に転換される粉末の形態の組成物(デイクリーム)
本発明による組成物(C1)を、以下の化合物を混合することによって調製した(与えたパーセントは、組成物の全重量に対して表示される重量パーセントである):
【0059】
【表3】

【0060】
これは、“携帯用”化粧品組成物として使用することができる。使用の直前に、水を加え、そして粉末/水の混合物を軽く振とうすることによって製剤を単に水和する必要があり、そしてクリーム状のテキスチャー及び外観を伴う構造、そして特に快い感触を得る。
【0061】
実施例2
塗布した時、クリームに瞬時に転換される固体粉末(固定化された水性相を含有する痩身クリーム)
この実施例に使用された化合物及びその比率を以下に与える。与えられたパーセントは、最終組成物の全重量に対して表示される重量パーセントである。
【0062】
【表4】

【0063】
液相を固体粉末に全て一度に加え、そして混合物を1500rpmで10分間撹拌したままにした。最初砕けやすいゲル構造が得られ、これは徐々に砕けて、粉末の構造を持つ組成物に徐々に転換された。
【0064】
得られた粉末は、この状態で保存及び輸送することができ、そして皮膚に塗布された時、快い感触のクリーム状のテキスチャーを獲得するものである。
実施例3
塗布された時にクリームに瞬時に転換される固体粉末(固定化された油相を含有する組成物)
15gのPW Covafluor(フッ素化された基でグラフトされた二酸化チタン、LCWにより市販)、5gのタルクJA R46 PF(フッ素化された基で処理されたタルク、LCWにより市販)、5gのSubmica M、及び2gのCovabead LH 170(ポリメタクリレートのビーズ、LCWにより市販)の混合物を調製した。30gのSquatol S(水添ポリイソブテン、LCWにより市販)をこの混合物に全て一度に加えた。
【0065】
油性の水添ポリイソブテンは、攪拌(1500rpm、10分間)中に粉末中に一体化され、そして最後に固体の形態で輸送及び保存することができ、そしてこれが皮膚に塗布された時クリームのテキスチャーを獲得する固体粉末を得た。
【0066】
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
1.クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物を調製するための方法であって、前記化粧品組成物が塗布される時点で使用者によって実行され:
(A)液相;
(B)(i)液相(A)のためのゲル化剤;
(ii)無機又は有機物粒子(これらに液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を有する);
を含有する固体粉末;及び
(C)活性な化粧品成分;
を接触させることからなる工程(E)を含んでなる、前記方法。
2. 工程(E)が、相(A)を固体粉末(B)に加えるか、又は相(A)及び粉末(B)を混合することからなる、上記1に記載の方法。
3. 相(A)が、固体担体上に不動化されるか、又はこの固体担体中にカプセル化され、前記固体担体が、粉末(B)の全体又は一部の成分であり、ここにおいて工程(E)が、相(A)を不動化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、例えば相(A)を含有する粉末(B)を皮膚の表面に塗布することによって、相(B)を放出することからなる、上記1に記載の方法。
4. 相(A)が、水性の相である、上記1に記載の方法。
5. ゲル化剤(i)が、カルボキシメチル基によって改質されたデンプンである、上記4に記載の方法。
6. 粒子(ii)が、その表面に油性の相を沈着させた粒子であるか、又は疎水性ポリマーの粒子、又は好ましくはシラン、メチコン、ジメチコン、脂肪酸、アミノ酸、レシチン、コラーゲン、ポリエチレン、テフロン、ラウリルリシン、ポリフルオロリン酸エーテル基、及びこれらの基の一つ又は数個の混合物から選択した疎水性基を表面にグラフトした無機物粒子である、上記4又は上記5に記載の方法。
7. 相(A)が、油性の相である、上記1に記載の方法。
8. ゲル化剤(i)が、マイカ、シリカ又は粘土から選択される、上記7に記載の方法。
9. 粒子(ii)が、処理されていないか、又はその表面に疎油基をグラフトすることによって処理されているかのいずれかの無機物粒子であるか、或いはその表面に水を沈着させた粒子である、上記8又は上記9に記載の方法。
10. それが塗布される時点で化粧品組成物を調製するためのキットであって:
(I)
(i)前記液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)無機又は有機物粒子(これらに前記液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を有する);
を含んでなる固体粉末から全体又は部分的に構成される組成物(C1)を含有する容器;
並びに
(II)前記液相(A)を含有する容器;
を含有し、ここにおいて組成物(C1)又は液相(A)は活性な化粧品成分を含有する、前記キット。
11. ゲル化剤(i)が、カルボキシメチル基で改質されたデンプンであり、そしてここにおいて相(A)が水性である、上記10に記載のキット。
12. ゲル化剤(i)が、好ましくはフッ素化された、改質されたマイカであり、そしてここにおいて相(A)が油性である、上記10に記載のキット。
13. 塗布にあたってクリームに転換される粉末の形態の化粧品組成物(C2)であって、カプセル化された形態又は固体表面に不動化された液相(A)と、これに組み合わせて更に:
(i)前記液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)無機又は有機物粒子(これらに前記液相(A)に対する弱い親和性を与える表面特性を有する);
を含有する固体粉末から全て又は一部が構成される、前記組成物。
14. 液相(A)が水性であり、そしてここにおいてゲル化剤(i)がカルボキシメチル基によって改質されたデンプンであり、そしてここにおいて粒子(ii)がシラン又はフッ素化された基でグラフトされた二酸化チタン基剤の粒子である、上記13に記載の組成物。
15. 液相(A)が油性であり、そしてここにおいてゲル化剤(i)が改質されたマイカの粒子で全て又は一部が構成され、そしてここにおいて粒子(ii)がその表面にグラフトされた疎油性基を伴う金属酸化物粒子である、上記13に記載の組成物。
16. 水基剤組成物の塗布時点における即時調製のための、カルボキシメチル基によって改質されたデンプンのゲル化剤としての使用。
17. 油基剤化粧品組成物の塗布時点における即時調製のための、フッ素化されたマイカ粒子のゲル化剤としての使用。
18. マイカ粒子が、フッ素化され、そしてカリウムで改質されている、上記17に記載の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリームのテキスチャーを有する化粧品組成物を調製するための方法であって、前記化粧品組成物が塗布される時点で使用者によって実行され:
(A)水性である液相;
(B)(i)液相(A)のためのゲル化剤;
(ii)疎水性の表面特性を有する無機又は有機物粒子;
を含有する固体粉末;及び
(C)活性な化粧品成分;
を接触させる工程(E)を含んでなり、
ここで、工程(E)が、相(A)を固体粉末(B)に加えるか、又は相(A)及び粉末(B)を混合するものであり、そして
ここで、相(A)が、固体担体上に固定化されるか、又はこの固体担体中にカプセル化され、前記固体担体が、粉末(B)の全体又は一部の成分であり、ここにおいて工程(E)が、相(A)を固定化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、相(B)を放出することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
相(A)を含有する粉末(B)を皮膚の表面に塗布することによって、機械的応力にかける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ゲル化剤(i)が、カルボキシメチル基によって改質されたデンプンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
粒子(ii)が、その表面に油性の相を沈着させた粒子であるか、又は疎水性ポリマーの粒子、又は疎水性基を表面にグラフトした無機物粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
疎水性基がシラン、メチコン、ジメチコン、脂肪酸、アミノ酸、レシチン、コラーゲン、ポリエチレン、テフロン、ラウリルリシン、ポリフルオロリン酸エーテル基、及びこれらの基の一つ又は数個の混合物から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
それが塗布される時点で使用者によってクリームのテキスチャーを有する化粧品組成物を調製するためのキットであって:
(I)
(i)水性である液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)疎水性の表面特性を有する無機又は有機物粒子;
を含んでなる固体粉末から全体又は部分的に構成される組成物(C1)を含有する容器;並びに
(II)前記液相(A)を含有する容器;
を含有し、ここにおいて組成物(C1)又は液相(A)は活性な化粧品成分を含有し、
ここで、工程(E)が、相(A)を固体粉末(B)に加えるか、又は相(A)及び粉末(B)を混合するものであり、そして
ここで、相(A)が、固体担体上に固定化されるか、又はこの固体担体中にカプセル化され、前記固体担体が、粉末(B)の全体又は一部の成分であり、ここにおいて工程(E)が、相(A)を固定化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、相(B)を放出することを特徴とする、前記キット。
【請求項7】
ゲル化剤(i)が、カルボキシメチル基で改質されたデンプンである、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
塗布にあたってクリームに転換される粉末の形態の化粧品組成物(C2)であって、カプセル化された形態の又は粉末表面に固定化された水性である液相(A)と、これに組み合わせて更に:
(i)前記液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)疎水性の表面特性を有する無機又は有機物粒子;
を含有する粉末から全て又は一部が構成され、
ここで、工程(E)が、相(A)を固体粉末(B)に加えるか、又は相(A)及び粉末(B)を混合するものであり、そして
ここで、相(A)が、固体担体上に固定化されるか、又はこの固体担体中にカプセル化され、前記固体担体が、粉末(B)の全体又は一部の成分であり、ここにおいて工程(E)が、相(A)を固定化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、相(B)を放出することを特徴とする、前記組成物。
【請求項9】
ゲル化剤(i)がカルボキシメチル基によって改質されたデンプンであり、そしてここにおいて粒子(ii)がシラン又はフッ素化された基でグラフトされた二酸化チタン基剤の粒子である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
クリームのテキスチャーを有する水基剤化粧品組成物を調製する方法における、カルボキシメチル基によって改質されたデンプンのゲル化剤としての使用であって、前記化粧品組成物が塗布される時点で使用者によって実行され:
(A)水性である液相;
(B)(i)液相(A)のためのゲル化剤、ここにおいてゲル化剤がカルボキシメチル基によって改質されたデンプンである;
(ii)疎水性の表面特性を有する無機又は有機物粒子;
を含有する固体粉末;及び
(C)活性な化粧品成分;
を接触させることを特徴とする工程(E)を含んでなり、
ここで、工程(E)が、相(A)を固体粉末(B)に加えるか、又は相(A)及び粉末(B)を混合するものであり、そして
ここで、相(A)が、固体担体上に固定化されるか、又はこの固体担体中にカプセル化され、前記固体担体が、粉末(B)の全体又は一部の成分であり、ここにおいて工程(E)が、相(A)を固定化された形態で含有する粉末(B)を機械的応力にかけることによって、相(B)を放出することを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
それが塗布される時点で使用者によってクリームのテキスチャーを有する化粧品組成物を調製するためのキットであって:
(I)
(i)前記液相(A)のためのゲル化剤;及び
(ii)無機又は有機物粒子(相(A)が水性の場合には、疎水性の表面特性を有し、相(A)が油性の場合には、疎油性の表面特性を有する);
を含んでなる固体粉末から全体又は部分的に構成される組成物(C1)を含有する容器;並びに
(II)前記液相(A)を含有する容器;
を含有し、ここにおいて組成物(C1)又は液相(A)は活性な化粧品成分を含有する、前記キット。
【請求項12】
ゲル化剤(i)が、カルボキシメチル基で改質されたデンプンであり、そしてここにおいて相(A)が水性である、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
ゲル化剤(i)がマイカであり、そしてここにおいて相(A)が油性である、請求項11に記載のキット。
【請求項14】
ゲル化剤(i)が、フッ素化されたマイカである、請求項13に記載のキット。

【公開番号】特開2010−111681(P2010−111681A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288933(P2009−288933)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【分割の表示】特願2004−537209(P2004−537209)の分割
【原出願日】平成15年9月16日(2003.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505098890)
【Fターム(参考)】