説明

クルーザーのオーニングにおけるウィンドーレギュレーター

【課題】ウィンドーパネルを自動開閉する。
【解決手段】オープンキャビンC1の上方に、前後に湾曲したルーフフレーム2を前方降下状に傾斜配置し、該ルーフフレーム2上にルーフカバー3を張設し、ルーフフレーム2前端14と、その前方に有するオープンキャビンC1前方部との空間Sをスライド開閉自在に移動する透明なウィンドーパネル4を、ルーフフレーム2の傾斜に連続する様に傾斜して設け、ルーフフレーム2の左右側縁に有するサイドフレーム12、12a下方に、該サイドフレーム12、12aとの間隔が常に一定なスライドレール17、17aを配置し、該スライドレール17、17aにウィンドーパネル4の左右側辺に固定したスライダー19、19aをスライド可能に取り付けたオーニング1において、ルーフフレーム2には、その湾曲形状に沿ってルーフフレーム2前端14と後方間を往復動自在なトランスファー21を設け、該トランスファー21にウィンドーパネル4を連繋する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クルーザーのオープンキャビンに装備したオーニングのウィンドーを自動開閉するウィンドーレギュレーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クルーザーには、操舵を装備したメインキャビンを露天状に設けたものや、メインキャビンの屋根上に操舵を装備したフライングデッキ(フライングブリッジとも称する。)を設けたものなど、上方が開放されたキャビン(以下、この種のキャビンを総括してオープンキャビンと称する。)が見受けられる。
この様なオープンキャビンでは、上方が開放されているので解放的で爽快な操舵を楽しむことができる。
しかしながら、オープンキャビンでの操舵に際しては、強烈な向かい風を受けたり、波しぶきを被ったり、太陽の日差しを受けるため、オープンキャビンに操舵席を囲繞するエンクロージャーを設置していた。
このエンクロージャーは、各種形態のものが見られるが、その多くはオープンキャビン上に箱形に組立てられたメインフレームの前面部と両側面部に透明ビニールシートをファスナーを介して張合わせると共に、メインフレーム上部に遮光性シートを張合わせたものであり、外見上、流線型を成す船体から箱形のエンクロージャーが突出しているため、不細工で見栄えが悪いという課題を有していた。
又、透明ビニールシートは、ファスナーにより開口してエンクロージャー内に通風させる様にしているが、一般に、クルーザーはマリーナに雨ざらしで停泊されているため、寒暖の差やその他の諸条件により透明ビニールシートが変形し、ファスナーをスムーズに開閉できないなど使い勝手が悪かった。
そこで、本発明の出願人は特許文献1に開示される様に、クルーザーのオープンキャビンの上方に配置した遮光性を有するルーフカバーの前方に、該ルーフカバー前端とその前方に有するオープンキャビン前方部との空間をスライド開閉自在と成す透明なウィンドーパネルを設けたオーニングにおいて、上記ルーフカバーを前方降下状に傾斜させると共に、該ルーフカバーの傾斜に連続させて上記ウィンドーパネルを傾斜させ、ルーフカバーを支持するサイドフレームの下方に、該サイドフレームとの間隔が常に一定なスライドレールを配置し、ウィンドーパネルの左右側辺をスライドレールにスライド可能に取り付けたオーニングを開発した。
このオーニングは、ウィンドーパネルの開閉操作性が良好で、特にウィンドーパネルの閉鎖時において、ウィンドーパネルからルーフカバーにかけて前方降下した風を促す流線的なフォルムの外観を呈する等数多くの特徴が需要者の好評を博している。
【特許文献1】特許第3443397号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記オーニングにあっては、ウィンドーの開閉は、ウィンドーパネルに設けた把手を持って手動で操作せねばならないので、その操作が甚だ面倒であり、その自動化が切望されていた。
そこで、本発明では、ウィンドーパネルを自動開閉する上記オーニング専用のウィンドーレギュレーターを取付けることにより、上記不具合を解消する共に、前記開閉操作の利便性を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明のウィンドーレギュレーターは、クルーザーのオープンキャビンの上方に、前後方向に湾曲したルーフフレームを前方降下状に傾斜配置すると共に、該ルーフフレーム上に遮光性を有するルーフカバーを張設し、ルーフフレーム前端と、該ルーフフレームの前方に有するオープンキャビン前方部との空間をスライド開閉自在に移動する透明なウィンドーパネルを、ルーフフレームの傾斜に連続する様に傾斜して設けると共に、ルーフフレームの左右側縁に有するサイドフレームの下方に、該サイドフレームとの間隔が常に一定なスライドレールを配置し、該スライドレールにウィンドーパネルの左右側辺に固定したスライダーをスライド可能に取り付けたオーニングにおいて、ルーフフレームには、その湾曲形状に沿ってルーフフレーム前端と後方間を往復動自在なトランスファーを設け、該トランスファーにウィンドーパネルを連繋したことを特徴とする。
そして、トランスファーは、ルーフフレームの中央にその一部として取付けられたケーシングより下方突出したことを特徴とする。
又、ケーシングは、上下方向に駆動軸を有する駆動プーリを左右対称に内蔵した扁平な駆動ボックスと、上下方向に従動軸を有する従動プーリを左右対称に内蔵した扁平な従動ボックスとを前端部及び後端部に設け、駆動及び従動ボックス間には、前後の駆動及び従動プーリにワイヤを掛架することで4列に並ぶワイヤ列の夫々を挿通すると共に、ルーフフレームの湾曲形状に合致したガイドパイプを架設して成り、中側2本のガイドパイプの対向側面には、その長さ方向に渡ってスリットを形成し、各スリットにはトランスファーを設けた板状の走行体の左右側部を遊挿すると共に、各ガイドパイプに存する走行体の側部の前後端に各ワイヤの前後端部を掛止したことを特徴とする。
更に、走行体は、上記ガイドパイプ内に存する左右側部の夫々にガイドパイプを転動する合成樹脂製の走行輪を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
要するに本発明の、ウィンドーレギュレーターは、上記構成のオーニングにおいて、ルーフフレームには、その湾曲形状に沿ってルーフフレーム前端と後方間を往復動自在なトランスファーを設け、該トランスファーにウィンドーパネルを連繋したので、トランスファーの作動により、ウィンドーパネルを自動的にスライド操作して開閉できる。
【0006】
トランスファーは、ルーフフレームの中央にその一部として取付けられたケーシングより下方突出したので、オーニングによって形成されたオープンキャビンの空間を狭めることなく、しかもオーニングの構造にマッチしているため、その美感を損なうこともないし、ルーフフレームに一体化しているので、その強度も従前のオーニング比して向上できる。
【0007】
ケーシングは、上下方向に駆動軸を有する駆動プーリを左右対称に内蔵した扁平な駆動ボックスと、上下方向に従動軸を有する従動プーリを左右対称に内蔵した扁平な従動ボックスとを前端部及び後端部に設け、駆動及び従動ボックス間には、前後の駆動及び従動プーリにワイヤを掛架することで4列に並ぶワイヤ列の夫々を挿通すると共に、ルーフフレームの湾曲形状に合致したガイドパイプを架設して成り、中側2本のガイドパイプの対向側面には、その長さ方向に渡ってスリットを形成し、各スリットにはトランスファーを設けた板状の走行体の左右側部を遊挿すると共に、各ガイドパイプに存する走行体の側部の前後端に各ワイヤの前後端部を掛止したので、走行体を移動させるワイヤは湾曲したガイドパイプに挿通されることにより、ワイヤが直線的に露出した状態で傾斜しないことや駆動及び従動ボックスが扁平なため、オーニングによって形成されたオープンキャビンの空間を狭めることもないし、搭乗者の頭にワイヤが引っ掛かる危険もなく、しかも走行体は中側2本のガイドパイプの間に配置され、トランスファーを下方突出させた中央部以外の左右側部がガイドパイプに存することも相俟って美感も損なうこともなく、更に4本のガイドパイプによってルーフフレームの強度を増すことができる。
【0008】
走行体は、上記ガイドパイプ内に存する左右側部の夫々にガイドパイプを転動する合成樹脂製の走行輪を設けたので、走行体と中側2本のガイドパイプが擦れて騒音や振動が生じたり、走行体自体が摩損することもなく、よりスムーズにガイドパイプ内を走行でき、良好にウィンドーパネルをスライド移動させることができる等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るウィンドーレギュレーターを取付けたオーニングの正面図、図2は図1の平面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3の要部拡大図である。
図中のオーニング1は、図14に示すクルーザーCのオープンキャビンC1の上方に、前後方向に湾曲したルーフフレーム2を前方降下状に傾斜配置すると共に、該ルーフフレーム2上に遮光性及び防水性を有するシート状のルーフカバー3を張設し、ルーフフレーム2前端と、その前方に有するオープンキャビンC1前方部との空間Sをスライド開閉自在に移動する透明なウィンドーパネル4を、その閉鎖状態においてルーフフレーム2の傾斜に連続する様に傾斜して設けている。
尚、図中(図14を除く。)のルーフカバー3は説明の便宜上二点鎖線で示している。
又、図14中のクルーザーCは、メインキャビンの屋根上にフライングデッキ(オープンキャビンC1)を設けたタイプであるが、このタイプのクルーザーC以外にも、屋根のない開放型のオープンキャビンであれば、上記オーニング1は当然ながら適用可能である。
【0010】
ルーフフレーム2は、以下に説明するメインフレーム5の一部として構成されている。
このメインフレーム5は、前方枠6及び後方枠7を一体形成して成るものであり、図2に示す様に、平面視では左右対称にして前後が湾出した略横長方形状に形成されている。
前方枠6は、同一平面上で左右に平行配置した平行杆8、8aと、該平行杆8、8aの前端を前方湾出した前方円弧杆9で連結し、略U字状に形成している。
平行杆8、8aの後端は、後方枠7を連続形成して成り、該後方枠7は、前方円弧杆9と同曲率で以て後方湾出してルーフフレーム2の後端を構成する後方円弧杆10の端部に、図3に示す様に、前方降下状に弓なりに傾斜した弓状杆11、11aを連続形成して成り、該弓状杆11、11aの下端と平行杆8、8aの後端を略直角に連結してメインフレーム5を一体化している。
【0011】
そして、メインフレーム5において平行杆8、8aの前端と弓状杆11、11aの後方部位に渡り、緩やかなカーブを有するアーチ状のサイドフレーム12、12aを掛け渡しており、該サイドフレーム12、12aは、平行杆8、8a及び弓状杆11、11a上で重なる様にして相互に平行に配置されてルーフフレーム2の左右側縁を構成している。
尚、サイドフレーム12、12aの前端においては、平行杆8、8aとの連結部位が短尺な長さを以て起立部13、13aを形成している。
又、サイドフレーム12、12aの前方寄り部位の間には、ルーフフレーム2の前端を構成するアーチ状のフロントフレーム14(以下、前端14とも称する。)を架設している。
【0012】
ここに、フロントフレーム14、サイドフレーム12、12a及び後方円弧杆10によって前方降下状に傾斜した湾曲面状のルーフフレーム2が構成され、該ルーフフレーム2上にルーフカバー3が張設される。
このルーフカバー3は、図14に示す様に、オーニング1をクルーザーCに取付けた状態で、ルーフカバー3の後端がクルーザーCの後方デッキC2上方を被装する様に延出形成して成る。
これにより、ルーフカバー3は、オープンキャビン2の操舵席はもとよりその後方に存するデッキC2に渡って遮光している。
【0013】
尚、ルーフフレーム2は、その外郭を構成するフロントフレーム14、サイドフレーム12、12a及び後方円弧杆10の他に、フロントフレーム14と後方円弧杆10の間及びサイドフレーム12、12a間に、ルーフフレーム2の上記湾曲面を構成する様に複数本の横手支持杆15、15a…及び縦走支持杆16、16a…を適宜に交差配置している。
又、図5にも示す様に、サイドフレーム12、12aの下方には、該サイドフレーム12、12aとの間隔が常に一定なスライドレール17、17aを設け、該スライドレール17、17aの前後端は、サイドフレーム12、12aの起立部13、13aと弓状杆11、11aの後方部位に連結している。
【0014】
ウィンドーパネル4は、ポリカーボネートなどのプラスチック製であり、フロントフレーム14、前方円弧杆9及びサイドフレーム12、12aで囲繞された空間Sに略合致した面積を有し、左右方向ではフロントフレーム14と同様にアーチ状に湾曲形成して成る。
又、ウィンドーパネル4下部には補強枠18(図中一部省略)を周設し、該補強枠18の左右側辺の前後端にスライダー19、19aを固定し、該スライダー19、19aをスライドレール17、17aに摺動自在に装着してスライド可能と成し、ウィンドーパネル4をスライドレール17、17aに沿って移動させることにより、フロントフレーム14と前方円弧杆9との空間S(ルーフフレーム2前端14とオープンキャビンC1前方部との空間Sに相当)をウィンドーパネル4がスライド開閉可能と成している。
即ち、図3、5の如くウィンドーパネル4で上記空間Sを閉塞した状態では、補強枠18の前側辺18aと後側辺18bの夫々が、前方円弧杆9の上部とフロントフレーム14の下部に重って配置し、一方、図6の如くウィンドーパネル4を後方へスライドして上記空間Sを開口した状態では、ウィンドーパネル4はルーフフレーム2(ルーフカバー3)下部に一定間隔を置いて平行に重合配置する様に成している。
【0015】
次に、上記構成のオーニング1に取付けられるウィンドーレギュレーターについて説明する。
このウィンドーレギュレーターは、図1〜4に示す様に、ルーフフレーム2の中央にその一部として取付けられたケーシング20より下方突出したトランスファー21をルーフフレーム2の前後方向の湾曲形状に沿ってその前端14と後方間を往復動自在に設け、トランスファー21にウィンドーパネル4上側縁に対応した補強枠18の後側辺18b中間部に後方へ突設した突片22を連接杆23を介して枢着連結することにより、トランスファー21とウィンドーパネル4とを連繋し、トランスファー21の移動にて、図5、6に示す様に、ウィンドーパネル4が自動的にスライド開閉する。
【0016】
ケーシング20は、図7〜10に示す様に、その後端部に上下方向に駆動軸24、24aを有する駆動プーリ25、25aを左右対称に内蔵した扁平な駆動ボックス26を設け、前端部に上下方向に従動軸27、27aを有する従動プーリ28、28aを左右対称に内蔵した扁平な従動ボックス29を設け、駆動及び従動ボックス26、29間には、前後の駆動及び従動プーリ25、25a、28、28aにワイヤ30、30aを掛架することで4列に並ぶワイヤ列W1〜W4の夫々を挿通すると共に、ルーフフレーム2の前後方向の湾曲形状に合致したガイドパイプ31、31a、32、32aを架設している。
【0017】
そして、中側2本のガイドパイプ32、32aの対向側面には、その長さ方向に渡ってスリット33、33aを形成し、各スリット33、33aにはトランスファー21を中央底部に設けた板状の走行体34の左右側部を遊挿すると共に、各ガイドパイプ32、32aに存する走行体34の側部の前後端に設けたフック35、35a…に各ワイヤ30、30aの前後端部に形成したループを掛止している。
【0018】
ケーシング20のルーフフレーム2への取付けにあたっては、ルーフフレーム2中央の2本の縦走支持杆16、16a間に、前端部となる従動ボックス29の前壁とフロントフレーム14の中間部とをブラケットVを介して固定し、後端部となる駆動ボックス26の左右側壁と縦走支持杆16、16a後方側面とをブラケットV1、V2を介して固定し、ガイドパイプ31、31a、32、32aの前後方を縦走支持杆16、16a間に架設した帯板材の下部に固定することにより、ケーシング20をルーフフレーム2に一体化でき、これによりルーフフレーム2の強度を向上させている。
尚、図10は、ケーシング20の内部構造を説明するために、便宜上ガイドパイプ31、31a、32、32aを短尺な直管とすると共に、駆動ボックス26と従動ボックス29を同一水平面上に配している。
【0019】
又、駆動ボックス26内には、駆動プーリ25、25aを駆動させる電動モータ36、36aが設置され、該電動モータ36、36aの機軸(図示せず)に軸着された駆動歯車37、37aを駆動プーリ25、25aと同軸の従動歯車38、38aに噛合している。
そして、電動モータ36、36aの作動により、駆動プーリ25、25aを相反方向へ回動させてワイヤ30、30aを介して走行体34を前後動させ、トランスファー21をルーフフレーム2の前端14と後方間を往復動させる。
尚、各電動モータ36、36aは走行体34が支障なく移動できる様に同期する様に設定している。
【0020】
従動ボックス29内に設けた従動プーリ28、28aは、その従動軸27、27aを介装する上下二枚の基板から成るテンションブラケット39に装着され、該テンションブラケット39の左右側壁40、40aに従動ボックス29の左右側壁に貫設した前後に長い長穴41に外部より挿通した位置決めボルト42、42aを螺着している。
又、テンションブラケット39の左右の前壁43、43aには、従動ボックス29の前壁を外部より挿通したテンションボルト44、44aを螺着している。
【0021】
そして、ワイヤ30、30aのテンションを調整する際には、一旦位置決めボルト42、42aを緩めてテンションブラケット39を前後方向へ移動可能な状態と成すと共に、テンションボルト44、44aを螺進又は螺退させることにより、前後方向に微調整してワイヤ30、30aを弛緩又は緊張させ、その調整後、再度位置決めボルト42、42aを締め直すことにより、従動ボックス29に位置決め調整されたテンションブラケット39を堅固に固定する。
【0022】
走行体34は、図11〜13に示す様に、湾曲したスリット33、33aに走行中に干渉しない様に全長及び厚みが設定された矩形板を基体とし、ガイドパイプ32、32a内に存する左右側部の前後端には上記フック35、35a…が形成され、走行体34の各側部における前後のフック35、35a…の間にガイドパイプ32、32aを転動する前後一対の合成樹脂製の走行輪45、45aを設けている。
この様に走行体34に合成樹脂製の走行輪45、45aを設けることにより、走行体34の走行中にその基体が中側2本のガイドパイプ32、32aが擦れて騒音や振動を生じたり、走行体34の基体が摩損することもなく、よりスムーズにガイドパイプ32、32aを走行できる様に成している。
【0023】
上記の様にウィンドーレギュレーターを装備したオーニング1は、図14に示す様に、クルーザーCのオープンキャビンC1の左右外縁に既設された手摺りHの水平部上に平行杆8、8aを重なる様に平行配置してクランプにて固定している。
又、オープンキャビンC1前方部には、メインフレーム5における前方円弧杆9を連結支持する支柱Pを立設している。
【0024】
これにより、オーニング1はオープンキャビンC1に固定され、ウィンドーパネル4を閉鎖した状態で、オープンキャビンC1に周設した風防パネルC3の前面部上端縁とルーフカバー3前端とで構成される空間Sを閉塞する様に成している。
尚、クルーザーCの船種によっては、手摺りHが既設されていないものもあり、この場合には、複数の上記支柱PをオープンキャビンC1の周囲に立設するか、適宜な土台フレーム(図示せず)を設置してメインフレーム5における前方円弧杆9及び平行杆8、8aを連結支持する。
【0025】
上記の様にオープンキャビンC1に取付けられたオーニング1は、ウィンドーレギュレーターによってウィンドーパネル4を開閉操作する。
即ち、防風の必要のないときは、電動モータ36、36aの作動により回転する駆動及び従動プーリ25、25a、28、28aによってワイヤ30、30aを介して走行体34を後方へ移動させる。
これにより、トランスファー21が連接杆23を介してウィンドーパネル4を後方へスライド移動させ、ルーフフレーム2前端14とオープンキャビン2前方部(風防パネルC3の前面部上端縁)との空間Sを開口する。
【0026】
必要に応じてウィンドーパネル4を上記開放状態から閉鎖するには、電動モータ36、36aを上記と逆方向に回転させることにより、走行体34を上記とは逆の手順で前方へ移動させ、ウィンドーパネル4をルーフフレーム2前方へスライド移動させて空間Sを閉鎖する。
尚、ウィンドーパネル4の開閉操作中において、電動モータ36、36aを停止させれば、所定開度を以て空間Sを開放することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ウィンドーレギュレーターを取付けたオーニングの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図1の側面図である。
【図6】ウィンドーパネルを開放した状態のオーニングの側面図である。
【図7】ウィンドーレギュレーターの正面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図7の側面図である。
【図10】ウィンドーレギュレーターの内部構造を示す構成図である。
【図11】図10のB−B拡大図である。
【図12】図11のX−X断面図である。
【図13】図11のY−Y断面図である。
【図14】オーニングを取付けたクルーザーの側面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 オーニング
2 ルーフフレーム
3 ルーフカバー
4 ウィンドーパネル
12、12a サイドフレーム
14 前端
17、17a スライドレール
19、19a スライダー
20 ケーシング
21 トランスファー
24、24a 駆動軸
25、25a 駆動プーリ
26 駆動ボックス
27、27a 従動軸
28、28a 従動プーリ
29 従動ボックス
30、30a ワイヤ
31、31a ガイドパイプ
32、32a ガイドパイプ
33、33a スリット
34 走行体
45、45a 走行輪
C クルーザー
C1 オープンキャビン
S 空間
W1〜W4 ワイヤ列


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルーザーのオープンキャビンの上方に、前後方向に湾曲したルーフフレームを前方降下状に傾斜配置すると共に、該ルーフフレーム上に遮光性を有するルーフカバーを張設し、ルーフフレーム前端と、該ルーフフレームの前方に有するオープンキャビン前方部との空間をスライド開閉自在に移動する透明なウィンドーパネルを、ルーフフレームの傾斜に連続する様に傾斜して設けると共に、ルーフフレームの左右側縁に有するサイドフレームの下方に、該サイドフレームとの間隔が常に一定なスライドレールを配置し、該スライドレールにウィンドーパネルの左右側辺に固定したスライダーをスライド可能に取り付けたオーニングにおいて、ルーフフレームには、その湾曲形状に沿ってルーフフレーム前端と後方間を往復動自在なトランスファーを設け、該トランスファーにウィンドーパネルを連繋したことを特徴とするクルーザーのオーニングにおけるウィンドーレギュレーター。
【請求項2】
トランスファーは、ルーフフレームの中央にその一部として取付けられたケーシングより下方突出したことを特徴とする請求項1記載のクルーザーのオーニングにおけるウィンドーレギュレーター。
【請求項3】
ケーシングは、上下方向に駆動軸を有する駆動プーリを左右対称に内蔵した扁平な駆動ボックスと、上下方向に従動軸を有する従動プーリを左右対称に内蔵した扁平な従動ボックスとを前端部及び後端部に設け、駆動及び従動ボックス間には、前後の駆動及び従動プーリにワイヤを掛架することで4列に並ぶワイヤ列の夫々を挿通すると共に、ルーフフレームの湾曲形状に合致したガイドパイプを架設して成り、中側2本のガイドパイプの対向側面には、その長さ方向に渡ってスリットを形成し、各スリットにはトランスファーを設けた板状の走行体の左右側部を遊挿すると共に、各ガイドパイプに存する走行体の側部の前後端に各ワイヤの前後端部を掛止したことを特徴とする請求項2記載のクルーザーのオーニングにおけるウィンドーレギュレーター。
【請求項4】
走行体は、上記ガイドパイプ内に存する左右側部の夫々にガイドパイプを転動する合成樹脂製の走行輪を設けたことを特徴とする請求項3記載のクルーザーのオーニングにおけるウィンドーレギュレーター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−208541(P2009−208541A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51761(P2008−51761)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(501038953)
【Fターム(参考)】