説明

クレンジングゲル

【課題】洗顔用クレンジングゲルの提供。
【解決手段】動物性原料及び鉱物性原料を配合せず、更に、ポリグリセリル脂肪酸エステルによりクレンジング効果を持たせたクレンジングゲルであり、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、動物性原料及び鉱物性原料を含まず、ポリグリセリル脂肪酸エステルからなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗顔に使用するクレンジングゲルに関するものであり、更に詳細には、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、動物性原料及び鉱物性原料を配合せず、更に、ポリグリセリル脂肪酸エステルによりクレンジング効果を持たせたクレンジングゲルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の洗顔用クレンジングゲルは多種が市場に出ており、それなりに有効に用いられているが、ダブル洗顔を必要としたり、人によりアレルギーを起こし肌に合わない製品も市場に氾濫しており、安全に使用できる洗顔用クレンジングゲルが切望されている。
【0003】
その為に、例えば、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステル、又は、該ジエステルからなる油剤、若しくは、該ジエステルからなる化粧料用又は皮膚外用剤用油剤を用いるもの(特許文献1参照)や、固形組成物は:(1)脂質スキンモイスチャライジング剤約5〜約40部、(2)選択された脂肪酸石鹸又はその石鹸と選択された脂肪酸の混合物から本質的になる硬質結晶骨格網状構造約10〜約50部、(3)起泡性合成界面活性剤約1〜約50部、及び(4)水約10〜約50部を含んでなるもの(特許文献2参照)や、(1)椿油(カメリアオイル)を含有し、椿油由来のオレイン酸系成分として、シス型オレイン酸エステル、遊離脂肪酸であるシス型オレイン酸のうちから選択される1種又は2種以上のシス型オレイン酸系成分のみを含有する、非イオン性物質に対する皮膚透過促進用および、イオン性物質に対する皮膚透過抑制用の皮膚化粧料と、(2)非イオン性物質またはイオン性物質と、の組合わせ。この非イオン性物質が、(i)インドメタシン、フルルビプロフェンの群から選択される1種以上の抗炎症薬、(ii)天然植物油(椿油を除く。)、および、(iii)セラミド、コレステロールの群、から選択される何れか1種または2種以上であることが好ましいもの(特許文献3参照)が開示されている。
【特許文献1】特開2005−206573号公報
【特許文献2】特開平9−511248号公報
【特許文献3】特開2007−77172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、特許文献1〜3では、植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを配合しているが、水を加えて主成分となるものではなく、また、油性成分を夫々に含有しているものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のクレンジングゲルは、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、請求項1に記載のものは、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、動物性原料及び鉱物性原料を含まず、ポリグリセリル脂肪酸エステルからなるものである。
【0006】
更に、請求項2に記載のものは、水を45〜55重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%と、グリセリンを4.5〜5.5重量%と、イソステアリン酸グリセリルを2〜4重量%と、ジェランガムを0.3〜0.5重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.1〜0.3重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.4〜0.6重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.01〜0.03重量%と、を混合したものである。
【0007】
更には、請求項3に記載のものは、水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%と、グリセリンを1〜10重量%と、イソステアリン酸グリセリルを0.1〜10重量%と、ジェランガムを0.1〜1重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.01〜1重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.1〜1重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.001〜1重量%と、を混合したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のクレンジングゲルは、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、又は、水を45〜55重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%と、を主成分としており、又は、水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%と、を主成分としており、つまり、水に植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを高配合することにより、粘度及び洗浄力を持たせ、毛穴の中の汚れまで洗浄できるもので、メイク落としと洗顔のダブル洗顔が不要となり、更に、動物性原料及び鉱物性原料を含まないことにより、敏感な肌にも悪影響を与えることなく洗顔を可能とするものであり、画期的で実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は洗顔に使用するクレンジングゲルに関するものであり、更に詳細には、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、動物性原料及び鉱物性原料を配合せず、更に、ポリグリセリル脂肪酸エステルによりクレンジング効果を持たせたクレンジングゲルに関するものであり、請求項1に記載のクレンジングゲルは、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、動物性原料及び鉱物性原料を含まず、ポリグリセリル脂肪酸エステルからなることを特徴とするものである。
【0010】
更に、請求項2に記載のクレンジングゲルは、水を45〜55重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%と、グリセリンを4.5〜5.5重量%と、イソステアリン酸グリセリルを2〜4重量%と、ジェランガムを0.3〜0.5重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.1〜0.3重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.4〜0.6重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.01〜0.03重量%と、を混合したことを特徴とするものである。
【0011】
更には、請求項3に記載のクレンジングゲルは、 水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%と、グリセリンを1〜10重量%と、イソステアリン酸グリセリルを0.1〜10重量%と、ジェランガムを0.01〜1重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.01〜1重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.1〜1重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.001〜1重量%と、を混合したことを特徴とするものである。
【実施例】
【0012】
即ち、本発明のクレンジングゲルの実施例は、水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とするものであり、水は、一般的に入手可能なものであるが、不純物を含まないものが好適なものである。
【0013】
そして、植物性1,3−ブチレングリコールは、多価アルコールの1つであり、肌に潤いとハリを与え、みずみずしい肌に保ち、適度の湿潤性と静菌性があり、皮膚に対する刺激がなく毒性が極めて低いもので、クレンジングゲルを微生物から守り、最後まで安全に使用できるものである。
【0014】
次に、オレイン酸ポリグリセリル−10は、オレイン酸とグリセリンから得られる界面活性剤で、肌のうるおいを保つ働きをし、オレイン酸は、取り込んだ水分の蒸発を防ぎ、紫外線から素肌を守るダブルバリア機能を有し、皮膚コンディショニング剤として使われる非イオン性の界面活性剤である。
【0015】
本発明のクレンジングゲルの実施例は、前記植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、前記オレイン酸ポリグリセリル−10を1、そして、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含むもので、更には、動物性原料及び鉱物性原料を含まない、ポリグリセリル脂肪酸エステルとする処方でクレンジング効果を持たせるものである。
【0016】
更に、本発明のクレンジングゲルの次実施例は、前記水を45〜55重量%と、前記植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、前記オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%とを主成分とするものである。
【0017】
次いで、前述の主成分にグリセリンを4.5〜5.5重量%を加えるもので、グリセリンはアルコールの一種で、体内の酵素により砂糖と同じように分解されるもので、ヤシ油やパーム油などの油脂のけん化分解で得られ、透明のとろりとした液体で、肌を軟らかくし、しっとりとした潤いを与える効果を有するものである。
【0018】
次に、イソステアリン酸グリセリルを2〜4重量%を加えるもので、イソステアリン酸グリセリルは、ヤシ油などの植物から得られたイソステアリン酸とグリセリンから作られるエステル化合物で、伸びのよいさっぱりとした使用感が得られるものである。
【0019】
更には、ジェランガムを0.3〜0.5重量%を加えるもので、ジェランガムは、水溶性の天然高分子多糖類であり、水を沢山吸収して強固なゲルを形成するため、水性成分の粘性を高めゲルの透明性に優れているものである。
【0020】
更に、アルギン酸ナトリウムを0.1〜0.3重量%を加えるもので、アルギン酸ナトリウムは主に褐藻に含まれる多糖類の一種で、食物繊維のひとつで、α−L−グルロン酸、β−D−マンヌロン酸がピラノース型で1,4−グリコシド結合で結合した構造を持っており、不要な物質を吸着して体外に排出する効果も有しているものものである。
【0021】
次に、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との中から1種類又は2種類以上を0.4〜0.6重量%を加えるもので、カプリン酸グリセリルは、ヤシ油から得られるカプリル酸とグリセリンが結合したもので、皮膚をなめらかにしたり、うるおいを保つ効果を有しており、ラウリン酸ポリグリセリル−2は、ラウリン酸とジグリセリンのモノエステルのことで、エモリエント効果を有しており、更に、ラウリン酸ポリグリセリル−10は、ラウリン酸とポリグリセリン−10のエステルのことであり、エモリエント効果を有しているものである。
【0022】
更には、グルタミン酸を0.01〜0.03重量%を加えたもので、グルタミン酸は、α−アミノ酸の一つの酸性アミノ酸であり、肌自体の保水力をアップして、皮膚をツルツルの膜で覆い、保水シートの役割して、肌の内側と外側、両方から潤いを保つ働きをするもので、お風呂上りのようなぷるぷるの潤いを持続するものである。
【0023】
前述のように配合したクレンジングゲルは、メイクの汚れや、毛穴に溜まった汚れをきれいに取り除き、透明感のある清潔な肌に整えるものである。
【0024】
更には、本発明のクレンジングゲルの他の実施例は、水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%とを主成分とするものである。
【0025】
加えて、前記主成分に、グリセリンを1〜10重量%と、イソステアリン酸グリセリルを0.1〜10重量%と、ジェランガムを0.01〜1重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.01〜1重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.1〜1重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.001〜1重量%と、を混合したものであり、夫々の成分の詳述は前述と同じである。
【0026】
そして、使用方法は、当該クレンジングゲルを乾いた手のひらにティースプーン一杯程度ほどを垂らし、乾いたもう一方の手ですくい取り顔全体にパッティングをしながら馴染ませ、更に、10秒程度パッティングを行い、ゲルの吸着力が無くなったら、くるくる回しながら顔全体に馴染ませ、10〜15秒程度でメイクを落としていき、ぬるま湯で充分に洗い流すものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、又は、水を45〜55重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%と、を主成分としており、又は、水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%と、を主成分としており、つまり、水に植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを高配合することにより、粘度及び洗浄力を持たせ、毛穴の中の汚れまで洗浄できるもので、メイク落としと洗顔のダブル洗顔が不要となり、更に、動物性原料及び鉱物性原料を含まないことにより、敏感な肌にも悪影響を与えることなく洗顔を可能とするクレンジングゲルを提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と植物性1,3−ブチレングリコールとオレイン酸ポリグリセリル−10とを主成分とし、植物性1,3−ブチレングリコールを1に対して、オレイン酸ポリグリセリル−10を1、水を2乃至3の割合で混合した主成分を含み、動物性原料及び鉱物性原料を含まず、ポリグリセリル脂肪酸エステルからなることを特徴とするクレンジングゲル。
【請求項2】
水を45〜55重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを18〜22重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を18〜22重量%と、グリセリンを4.5〜5.5重量%と、イソステアリン酸グリセリルを2〜4重量%と、ジェランガムを0.3〜0.5重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.1〜0.3重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.4〜0.6重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.01〜0.03重量%と、を混合したことを特徴とするクレンジングゲル。
【請求項3】
水を20〜80重量%と、植物性1,3−ブチレングリコールを10〜40重量%と、オレイン酸ポリグリセリル−10を10〜40重量%と、グリセリンを1〜10重量%と、イソステアリン酸グリセリルを0.1〜10重量%と、ジェランガムを0.1〜1重量%と、アルギン酸ナトリウムを0.01〜1重量%と、カプリン酸グリセリルとラウリン酸ポリグリセリル−2とラウリン酸ポリグリセリル−10との1種類又は2種類以上を0.1〜1重量%と、アミノ酸及びアミノ酸塩を0.001〜1重量%と、を混合したことを特徴とするクレンジングゲル。

【公開番号】特開2012−6862(P2012−6862A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143598(P2010−143598)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(710003285)株式会社バローロ・インターナショナル (1)
【Fターム(参考)】